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&font(#6495ED){所要時間}:約 20 分で読めます
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&font(b,#0069a5){※この項目の閲覧方法(推奨)}
1.CD音源などでVO4のBGM&bold(){&italic(){「kirisute go-men!」}}を探してくる
2.聞く(ループで)
3.読む
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[[電脳戦機バーチャロンシリーズ]]の3作目、「バーチャロンフォース」に登場する&bold(){落ち武者型}バーチャロイド(VR)。
[[ガラヤカ>ガラヤカ(電脳戦機バーチャロン)]]もそうだが既存の機体に比べて明らかに異色なキャラクター性を持ち、登場と同時にプレイヤーの間で話題をかっさらった。
&bold(){「第六工廠八式壱型 景清」}なるケレンのきいたネーミング、[[ネオジャパン代表?>機動武闘伝Gガンダム]]的な鎌倉大具足、\イヨオー!/の合いの手が&font(l){笑える}勇ましい素敵BGMなどのインパクトからか、プレイヤー人気も高い。
しかし扱いが所謂「レア機体」に当たるため[[ゲーム]]を始めた最初からは選択できず、特定のVRを使ってプレイすることで一定確率で支給されるようになっていた((バーチャロンフォースは個人データを記録する「ライセンスカード」システムを採用したアーケードゲームである。))ため、なかなか支給されずに悲鳴を上げるプレイヤーも見られた。
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**第六工廠八式壱型 悪七兵衛景清
**- [ 開発経緯 ] -
景清系列のVRが生まれたそもそもの原因は、VCa3年、[[アイザーマン博士>スペシネフ(電脳戦機バーチャロン)]]に簒奪された企業国家&bold(){SM-06(サッチェル・マウス})が、同&bold(){DU-01(ダンシング・アンダー)}の一部施設を武力制圧したことに端を発する。
月面に本拠を置くDU-01はVR生産の必須物資であるV・クリスタル質を産出するプラントを多く持ち、かつて「DN社第1プラント」だった時代には同社の大事業「第二次Vプロジェクト」の要として強大な権力を持っていた。
しかしその後のDN社の倒産、旧第8プラントであるFR-08(フレッシュ・リフォー)の隆盛などの変化によってその力は大きく削られ、場末の鉱山管理プラントのような立場に落ちぶれていたのである。
この為SM-06の武力制圧は実にあっさりと成功したのだが、問題はむしろその後だった。
いくら陣営内で軽んじられていたとはいえ、DU-01はFR-08の傘下企業の一つである。
地球圏最大の勢力を誇るFR-08がこの暴挙を黙って見過ごすはずもなく、SM-06にとって奪取したプラント群を防衛するための戦力の拡充は急務となった。
この防衛戦力に関しては
&bold(){a.宇宙戦艦などの通常兵器を使用してこれにあてる}
&bold(){b.SM-06の主力機であった[[「サイファー」「マイザー」>バイパーII/サイファー/マイザー(電脳戦機バーチャロン)]]系のVRを追加生産してこれにあてる}
&bold(){c.同じくSM-06制の新型VR[[「スペシネフ」>スペシネフ(電脳戦機バーチャロン)]]系のVRを追加生産してこれにあてる}
という3つの案が考えられたが、
&bold(){a.→&font(red){活動場所がムーンゲート近辺なので、バーチャロンポジティブ値が高い人間の搭乗を前提とするVRでなければ、Vクリスタルの精神侵食作用で戦う前から戦闘不能になる可能性が高かった。}}
&bold(){b.→&font(red){本社であるSM-06防衛のための分、クーデター支援の対価としてRNAへ供給するための分、研究支援の礼として火星居住者へ供与するための分などで、既に生産ラインが埋まっていた。}}
&bold(){c.→&font(red){運用にあらゆる面で手間のかかるスペシネフ系は、防衛の主力とするには運用コストが高すぎた。}}
などの問題によってどれも実現できず、消去法で
&bold(){d.防衛に向いた新型VRを開発し、乗っ取ったプラントにラインを設置して生産、これにあてる}
というプランが選択されることになった。
しかし事態が急迫していたため、開発に当たったアイザーマン博士は時間短縮を狙い、新型VRの基礎構造に既存のVRのそれを流用することにした。
その流用元となったのは、かつてSM-06が「DN社第6プラント」だった頃に開発した者の、政治的事情からお蔵入りになっていた幻の第一世代VR「MBV-08」である。
#openclose(show=※MBV-08って何?){
バーチャロンには割と珍しい「設定上のみ存在する」VR。
かつてのDN社時代、[[SAV-07ベルグドル>ベルグドル(電脳戦機バーチャロン)]]の開発に際し、第6プラントは自プラントで開発した新型のVコンバータを提案していた(この辺の詳細は同項目参照)。
結局第1プラントとの政治闘争に敗北したことでベルグドルへの採用を逃したが、しかし第6プラントはこれに大きな自信を持っており、第4プラント、そしてDN社の実力者であるアンベルIVと提携して新型VRを開発したのである。
これがMBV-08で、機体の基礎となるスケルトン(フレーム)から新規設計した野心的な新型機であったが、第1プラントはこれを察知すると猛烈な妨害工作を開始し、結局この計画をつぶしてしまう。
こうしてMBV-08は、数機の先行量産型が作られただけでその生産を終えてしまうことになった。
アイザーマン博士はこのMBV-08の設計を流用して景清系列のVRを作り出したのだが、その際にオリジナルに敬意を表し……たのかは定かではないが、その名を継いで「八式」の型式番号を与えている。
}
**- [ 機体構造 ] -
[[オラトリオ・タングラム>電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム]]の直前に開発が開始された機体だが、アイザーマン博士の手になるだけあって、最初から第三世代VR((多層構造Vディスクを用いたハイブリッドVコンバータを持ち、活性化したVクリスタルの攻勢浸食波の悪影響を防ぎ、また定位リバースコンバートが可能なVR。要するにフォース仕様のVRのこと))として設計されている。
原型機となったのは前述のとおり第1世代のMBV(Main Battle Virtuaroids=主力戦闘VR)であるMBV-08だが、技術的な特徴からするとむしろ&bold(){「改良型スペシネフ」}と言うべきかもしれない。
具体的に言うと、スペシネフ系列VRの最大の特徴である
&bold(){・人の精神を「取り込んだ」汚染Vクリスタル質の再利用}
&bold(){・Vクリスタル質の汚染源である&color(#aa0000){人間の怨念}を用いたVRの性能強化}
という2大コンセプトがそのまま受け継がれているのだが、しかしそのコンセプトに至るまでのアプローチには大幅な発展がみられる。
まず機能の中核となる汚染Vクリスタル質だが、「取り込んだ」Vディスクをストレートに構造材に転用していたスペシネフと異なり、景清では同様のクリスタル質を一度加工して抽出される、いわば&font(b,#0069a5){「純粋な汚染物」}を用いている。
これはアイザーマン博士が新たに開発した、Vクリスタル質の除染法によって生み出されたものである。
Vコンバータの実用化以来、汚染されたVディスク、またそれを構成する汚染Vクリスタル質のリサイクル技術は常に希求されてきた技術であった。
だが汚染源となるVクリスタル質内に閉じ込められた人間の精神はあっという間に断片化、本来の形を失って無秩序に散乱してしまうため、この断片を全て拾い上げて選択的にサルベージする、あるいは取り除くのはほぼ不可能とされていた。
だがアイザーマン博士は、この精神の断片が[[なんとなく]]寄り集まって元の人格(らしきもの)に戻ろうとするという性質を持っていることに着目する。
とはいえこの集まろうとする力はとても弱く、また無秩序であり、到底元の人間としての人格を再生できるような代物ではない。
そこで博士はここに&bold(){「単純で強烈な性質を持つ、アバター(仮想人格)フレーム」}を依代として挿入することでこの性質をブーストし、そのフレームに沿う形に精神の断片を凝集させることに成功したのである。
この画期的なフィルタリング法においてキーとなったのは、やはりそのアバター・フレームだった。
汚染Vクリスタル内に散乱する精神片は元々怨念に満ちた断末魔の精神であるため、その依代となるアバターにはその精神に相応しい、「怨念に満ちた」そして出来るなら「勇ましく、力溢れる」キャラクター性が要求された。
…そう、これに際しアイザーマン博士が選んだキャラクターこそが電脳暦以前、それも鎌倉時代の古典「[[平家物語]]」の登場人物である「&ruby(あく){悪}&ruby(しち){七}&ruby(びょうえ){兵衛}&ruby(かげきよ){景清}」こと&bold(){[[藤原景清>源平討魔伝]]}だったのである。((余談だがここで言う「悪」とは邪悪や善悪と言ったネガティブな意味ではなく「勇猛な」「力強い」といった意味の古い表現であり、古語としての「悪党」の略称である。「悪七兵衛」という異名自体が景清の出自と官職に因んだもので、「皇居を守護する、悪党の強さを持つ景清」といった意味を持つ。))
博士が何故遥か昔に失われたと思しきこの古典を選んだのかは定かではないが、とにもかくにもその試みは成功する。
Vコンバータ運用の宿病とも言えるVクリスタル質内の汚染物は、悪七兵衛景清の形をとることで正常なクリスタル質から分離・抽出することが可能になったのである。
そして取り出されたVクリスタル質内の汚染物の純粋結晶、いや最早&font(b,#0069a5){「人工的に作り出した悪七兵衛景清の怨霊」}とでも言うべきそれを、当然ながらアイザーマン博士はVRの強化に用いた。
具体的にはその汚染物をペレットとして成形、機体中枢であるVコンバータに&bold(){ブースト・モジュール}として組み込み、リバースコンバート(VRの実体化)時にVコンバータと同調動作するようにしたのである。
このブーストモジュールによって、物質化した景清は同時代の機体と比べても一際強力な実存力を獲得する。とりわけVRの骨格となるスケルトンの強度向上は特筆もので、圧倒的な防御力と運動性を機体に与えた。
しかもブースト・モジュールに組み込まれた怨念が、無秩序な混沌ではなく悪七兵衛景清という明確なキャラクターを与えられたこと、作用の対象をVコンバータに限定したことなどによって、スペシネフ系に見られる
&font(b,#aa0000){「周辺への精神侵食ノイズの漏出」「パイロットの精神への極端な負荷」「それらに起因する運用コストの増大」}などの欠点が全て解決されたのだった。
人間の怨念をVRに作用させて戦闘性能を強化するという点ではスペシネフ系と共通しているが、両者のシステムは全く別物である。
その原理を端的に表せば、スペシネフのEVLバインダーが&bold(){「怨念によってパイロットを強化するシステム」}であるのに対し、景清のブースト・モジュールは&bold(){「怨念によってVRを直接強化するシステム」}と区別することができよう。
とまあまさしくスペシネフの改良発展型と呼ぶに相応しい性能を実現した景清だったが、ただ一つだけ欠点があった。
景清の高性能の源となっているのは前述の通りVコンバータに組み込まれたブーストモジュール、及びその中核たる汚染物だが、これがフィルタリングの際に与えられた&bold(){悪七兵衛景清のキャラクターに強い執着を示し続けたのである。}
さらに開発者であるアイザーマン博士がこの執着を面白がり、悪七兵衛景清たるに相応しい平家武者風の大鎧を模した外装を与え、武器にも[[太刀>日本刀]]や[[薙刀>長巻]]といったそれらしいものを用意。
キャラクターに相応しい意匠を持つ&font(b,#0069a5){「第六工廠八式壱型 悪七兵衛景清」}へと作り変えてしまったのだ。
勿論限定戦争で用いられるVRが強烈な個性を持つこと自体は、エンターテイメントビジネスとしての側面からは歓迎されるべきことである。
しかし&bold(){「平家の落ち武者風戦闘ロボット」}という&font(l){イカレた}キャラクター性に縛られてしまったことは、流石に戦闘効率と言う面からは問題もあった。
景清系列はそのバランスの取れた高性能から短時間の間に多くのバリエーションを生んだが、その中に最も効率的な兵装である「銃」を装備した機体は一機種もない。
この為景清は圧倒的、かつ癖のない高性能を持つにもかかわらず、極端に接近戦に寄ったMBVとして運用されることになってしまったのだった。
**- [ 活躍 ] -
第三世代VRとしては比較的初期の機体でありながら、その特異なシステムからもたらされた圧倒的なポテンシャルによって常に後続機を圧倒する活躍を示した。
この為当初は施設防衛という「実戦」用に開発された機体でありながら、その性能が注目され完成後ほどなくして商用販売が開始されている。
そして当機のセールスが順調な初動を見せたのは、商用販売以前の運用初期において、新興企業&bold(){「トランスAFG」}の試作型VR群との苛烈な戦闘を繰り広げ、そのポテンシャルを広く誇示してみせたことも大きい。
トランスAFG社はFR-08を追われた前総帥リリン・プラジナーによって起こされた企業国家であったが、かねてよりリリンに対して激しい敵意を抱いていたアイザーマン博士はその活動を妨害することに余念が無かった。
この為トランスAFG社が行っていた新型第三世代VR[[「TF-14/st フェイ・イェン」>フェイ・イェン(電脳戦機バーチャロン)]]の[[テスト]]をかぎつけると、景清系列を主体とした妨害工作部隊を度々送り込み、これに執拗な攻撃をかけていた。
これに対応するためAFG社は試作機であったstを武装化したため、結果として地球圏の各地で&bold(){「謎のフェイ・イェン型ヒロインVRと、謎のSAMURAI型悪役VRとの熾烈な戦闘」}が起こることになり、これが限定戦争の視聴者層に大いに評判を呼んだのである。
これは結果として一般販売がまだ行われていなかった両機の前評判を爆発的に高める形となり、一般販売開始後の速やかなセールスの拡大へとつながったと考えられている。
**- [ ゲーム内性能 ] -
中量級でも上位クラスの耐久力に、軽量級並の機動性と運動性を併せ持つ基本性能に優れた主戦タイプ。
同系列でも全く違う個性を持つことが多いフォースのキャラでは珍しく、系列内での性能差が比較的小さいため、系列内での乗り換えや乗り回しは比較的楽な部類に入る。
援護の軸となる高誘導のCWは全機種において誤差レベルの性能差しかなく、LWに至っては事実上全機種で全く同じものを使っているほど。
どのキャラも走攻守のうち&bold(){「走」と「守」に渡って非常に高い基本性能を持つ反面、「攻」の面で非常にピーキー}なのが特徴。
端的に言えば「射撃性能が低く、近接性能が高い」格闘タイプのキャラなのだが、同様の特徴を持つ[[アファームドJC>アファームドJ系列]]などとは方向性がだいぶ異なる。
景清系の射撃武器は基本的に「高火力」「高誘導」という特徴を持っており、武装自体の攻撃性能自体は非常に高いのだが、&font(b,red){ゲージ効率、つまり武装の回転率があまりに劣悪}なのである。
この性質は設定上の前世代機に当たるスペシネフに近いものがあるが、景清のそれはより極端であり、&bold(){CWなどはゲージフル回復に30秒以上かかったりする}。
ここまで回転率が悪いと、単に射撃戦に弱い、放置されやすいなどの弱点となるだけではなく、無駄撃ちが一切できないため行動が単純化し、相手に択を読まれやすいという別の欠点も生まれてしまう。
なので必然的に近接攻撃を主体とすることになるのだが、フォースでは戦闘システム上近接戦闘を避けることがたやすく、それだけでダメージをとっていくのは容易ではないため、大体はいなしつつ放置されてしまうことになりがち。
だが同じく放置されやすい他のキャラと異なり、景清には全キャラ中有数の機動性と、多少強引な攻めも許される耐久力、そしてどのキャラにも引けを取らない近接火力がある。
よって放置されながらも執拗に敵へ張り付き、一瞬の隙をみつけて攻撃をねじ込んだり、あるいは味方に援護を送ったりするのが系列を通じての基本戦術となる。
色物な外見に反し、戦い方は堅実と言うか、基本に忠実に戦うことがそのまま強さになるため、実は初心者にも結構向いたキャラでもある。
**- [ 系列機 ] -
***第六工廠八式壱型甲 景清 「風」
#center(){&font(#0069a5){&italic(){風は疾風、疾きことの。}}}
#center(){&font(#0069a5){&italic(){その身朽ち果て魂は、修羅を彷徨う慟哭の。}}}
#center(){&font(#0069a5){&italic(){暁の波間に吹き寄せ、吹き来る怨嗟の潮風の、浄化の願いも虚しく明け初めて、雄叫びは松の枝を打ち鳴らす。}}}
#center(){&font(#0069a5){&italic(){その吹き止まぬ震撼は、やがて火星の赤の風、修羅星に荒れる悲嘆の砂嵐。}}}
#center(){&font(#0069a5){&italic(){振り下ろされる烈風の切っ先は、亡者の無念の痛みと心せよ。}}}
商用の景清系列における事実上の基幹機種で、後述する「凬」を改修したモデル。
&bold(){定位リバースコンバート(ワープ)後の実体化シークエンスを高速化するための改修が施されている}のが特徴。
このため定位リバースコンバート後、現地で即座に戦闘を開始することが可能であり、その速やかなることはまさしく「風」の如くである。
メインウェポンは大小二本の太刀で、それぞれ&bold(){「疾風」「烈風」}の銘が与えられている。
兜の立物は所謂「三日月」型([[伊達政宗>伊達政宗(戦国武将)]]のアレ)。
&font(b,#990000){(ゲーム内性能)}
隠し機体である景清には[[テムジン系>テムジン(電脳戦機バーチャロン)]]やフェイ・イェン系のような「初期機体」というものは存在しないのだが、性質的にはまさしくそれにあたる二刀流景清。
メイン武器となるRWのカッターは景清の中では比較的ゲージ効率がマシな方で、全キャラ中最強クラスのタイマン性能と生残性を保ちつつ、それなりに射撃援護もこなせる割と器用なキャラ。
とはいえやはりテムジンやアファ系などの他主戦機と比べると射撃の回転率は雲泥の差であり、一発一発を丁寧に、しかし動きを読まれぬよう大胆に撃っていく必要がある。
また攻撃面では後述の「火」に劣る部分が多いため、勝っている機動性や迎撃力、近接のひっかけやすさなどを活かして差をつけていく必要がある。
ちなみにこの「風」と「火」は&bold(){「光明遍照十方世界念仏衆生摂取不捨(こうみょうへんじょうじっぽうせかいねんぶつしゅじょうせっしゅふしゃ)」}なるモードチェンジが用意されている。
これを使うと
・残ライフ半減
・以後その試合では射撃武器が一切使用不可に
・近接攻撃の威力が1.5倍に
と言う効果が付与される。&font(l){見ての通り封印安定である。}
前述の通り景清系列のLWは全て同じ武器といってよいが、弾の色と弾の中に浮かぶ漢字がそれぞれ違う。風の場合、LWの文字は「仁」と「義」。
***第六工廠八式壱型乙 景清 「林」
#center(){&font(#0069a5){&italic(){立つ木は敵、雨は箭先、月は精剣、山は鉄城。}}}
#center(){&font(#0069a5){&italic(){驕慢の剣を揃え、邪険の眼の光、愛欲貪恚痴痛患闘諍、無明も法性も乱るる敵。}}}
#center(){&font(#0069a5){&italic(){因果の果てに修羅道に堕ちた魂は、血に濡れ林間を彷徨い、今また現世にあらわれ出づる。}}}
#center(){&font(#0069a5){&italic(){安息を忘れた静寂の殺意こそ、「林」に封入された妄執、その悲嘆血涙のなれの果てなのである。}}}
アイザーマン博士の盟友にしてSM-06首魁の一人、ガキバ・マシュー大佐が率いた&bold(){特殊邀撃部隊仕様}の景清を模したモデル。
マシュー大佐は通称「海賊艦隊」ことマシュー艦隊の長であったが、VRパイロットとして前線に赴くことも度々であった。
景清の運用初期においては特にこの傾向が顕著で、彼は景清系列の戦闘VRを主力とする邀撃部隊を自ら錬成し、トランスAFGとの抗争で大いに暴れまわったのである。
とりわけ彼自ら搭乗した景清がトランスAFG社のレミ・ファンソーラ中尉(16)が駆るTF-14/st と一騎打ちを繰り広げ、オリジンである悪七兵衛景清さながらの「錣引(しころひき)」までして見せた((とはいっても引きちぎったのは錣ではなくてフェイの[[ツインテール]]だが))戦いは非常に有名となった。
この時マシュー大佐はロッド状の掘削モジュールを[[大槍>槍]]さながらに振り回して戦ったのだが、後に部隊内ではこのロッドを正式兵装として昇華した&bold(){「双林乃霊槍」}が配備されることになった。
この邀撃部隊はその後もトランスAFGとの抗争で活躍するが、激しい戦闘の最中であっても必要とあらば速やかに静止し、密やかなる静寂の内に次なる一手を繰り出すその様は&bold(){「徐かなること林の如し」}とたたえられた。
兜は烏帽子型の兜で、前立に菱形の意匠がある。
&font(b,#990000){(ゲーム内性能)}
名前に反して景清の中でも&bold(){一際攻撃的}なキャラで、特に威力と範囲を兼ね備えた近接攻撃が強い槍持ち景清。
おまけに機動性・運動性も最高クラス、耐久力にも不足はない上、景清にしてはめずらしくマトモなビーム射撃である立ちRWまで備えるというバランスの取れたキャラ
……かと思いきや、肝心のRWの有効射程がとてつもなく短く、また相殺強度が低すぎて大抵の射撃に撃ち負けてしまうため、実質的には近距離専用の射撃武器となってしまっている。
このため結局は張り付き戦術主体になるのだが、機動力のある敵には放置されがちな上、戦術が固定されていて景清の中でも特に動きを読まれやすく、できることなら相方にも協力してもらって乱戦気味に戦いたいところ。
LWの文字は「礼」と「智」。
***第六工廠八式壱型丙 景清 「火」
#center(){&font(#0069a5){&italic(){現世によみがえった景清の妄執に、安住の地はありえない。}}}
#center(){&font(#0069a5){&italic(){「火」の型に封入されたその複製は、三毒の一つ、瞋恚に引かれて烈火の炎と化し、ただただ修羅の有様を伝えるべく火星の大地を駆け抜ける。}}}
#center(){&font(#0069a5){&italic(){手にする焔乃剣から繰り出される打ち込みはまさに激越の一語、強さもまた悲しみの一つだと知る戦士にのみ体得し得る奥義である。}}}
火星戦線における運用を前提としたモデル。
生産ラインは主にSM-06が火星圏に建造したプラントに設置されており、その配備先もマシュー艦隊の火星部隊、あるいは火星戦線で限定戦争を営む各勢力が殆どである。
景清系列の中でも、今最も「アツい」火星戦線における主力機種であることからか、視聴者や関係者への知名度も高く、一部には風よりもむしろこちらの方を基幹機種としてみなす向きも見られる。
メインウェポンは腰に佩いた大太刀&bold(){「焔乃剣(ほむらのつるぎ)」}一本と言う非常に潔い設計になっているが、その戦闘力は他の景清に全く引けを取らない。
兜の立物は、実際に平安・鎌倉時代に用いられていた鍬形の前立。
&font(b,#990000){(ゲーム内性能)}
「風」をやや攻撃的にしたような一刀流景清。耐久力は景清中もっとも高く、&bold(){タイマン性能においては間違いなく最強を誇る}。
RWは「風」に似たカッターだが、あちらより威力が下った代わりにゲージ効率が改善されており、攻撃の軸としてだいぶ使いやすくなっている。
景清の中でもある意味最も「らしい」機体であり、強力かつ明快なその性能から愛用するプレイヤーも多い。
LWの文字は「忠」と「信」。
***第六工廠八式壱型丁 景清 「山」
#center(){&font(#0069a5){&italic(){松門独り閉じて年月を送り、みづから清光を見ざれば、時の移るをもわきまえず、暗々たる庵室に徒に眠り、衣簡単に与えざれば、膚はぎょうこつと衰えたり。}}}
#center(){&font(#0069a5){&italic(){深山に敗れ落ち延び、両眼の光も失った老骨の武士の前世は如何に、今また戦の中に身を置いて、砕けて散り逝く眼前の敵をも羨む悲嘆の境涯、因業深き強者よ、我と共にあれ。}}}
大薙刀&bold(){「霊鷲乃薙刀」}を主武器とする、木星圏での活動を主眼に置いたモデル。
木星圏には月面のムーン・クリスタル、地球のアース・クリスタル、火星のマーズ・クリスタルに並ぶVクリスタルであるジュピター・クリスタルが確認されていた。
そしてSM-06、というかアイザーマン博士はかねてよりこのVクリスタルの特異性に目をつけており、他勢力に先駆けいち早く木星圏へと進出していたのである。
しかしこれは木星圏に既得権益を持つ地球圏の各勢力を刺激し、彼らの意を受けた武装勢力の襲撃を惹起することになってしまった。
木星圏における緒権益は、かつて木星圏の開拓が試みられ、そして挫折していた時代に根差すものだが、その権益は時を経て多くの権利者にまたがり細分化、複雑化しており、「誰と交渉すればいいのかすらわからない」状態になっていた。
よって政治的・経済的な力によってこの襲撃を抑止するのはほぼ不可能となり、SM-06は自前の軍事力で同地に設営したプラントを守る必要に迫られた。
この為に開発されたのが、景清の木星圏仕様であるこの「山」である。
本機の最大の特徴は&bold(){Vコンバータの主クリスタル質にジュピター・クリスタル由来のそれを用いている}ことで、この為他の景清とは見た目以上に性質の違う機体に仕上がっている。
木星圏のジュピター・クリスタルと親和性の高いクリスタル質を使用したことで、同地における可動パフォーマンスは著しく高まったが、しかし全く新しい素材を用いた故の必然か、稼働初期には不具合が多発したという。
しかし度重なる回収を受けてその不安定さが解消されると、「山」は全木星圏でその性能を遺憾なくなく発揮。自社プラントの防衛だけではなく、フォースの任務である攻勢結晶構造体との戦いでも大いに有効性を示した。
他の景清とは基礎レベルから異質なVRであるせいか、頭部の形状も系列機とは大きく異なり、頭襟を被った鳥、つまり[[烏天狗>天狗(妖怪)]]のような意匠となっている。
&font(b,#990000){(ゲーム内性能)}
「林」の射撃性能をさらに引き上げたような&font(l){[[ちくわ]]売り}薙刀持ち景清。
射撃性能はほぼ「林」の完全な上位互換であり、普通に射撃戦も可能なレベルにまでなっている。
それでいて近接性能もそれほどひけをとらない(出は遅くなったが、威力ではわずかに上回る)という高性能キャラ。
その代償か景清の中では機動性・運動性が低めだが、他機種に比べれば依然として高レベルである。
なにかとピーキーな景清系の中では比較的&bold(){バランスの取れたキャラ}であり、対応できる戦術の幅が広く、放置もされにくいため高いタイマン性能も活かしやすい。
とはいえ「ゲージ効率が悪い」「中距離以遠だとやることがない」などの特徴は他の景清同様なので、基本的に粘着気味に攻めていく戦い方が基本となることは変わりない。
LWの文字は「孝」と「悌」。
***第六工廠八式壱型戌 景清 「凬」
※凬は風の古字で、機種依存文字。
#center(){&font(#0069a5){&italic(){千行の悲涙袂を朽たし、万事は皆夢の中のあだし身となりてうち覚めて、今はこの世に亡きものと、思い切りたる乞食を、悪七兵衛景清なんどと呼ばばこなたが答うべきか。}}}
#center(){&font(#0069a5){&italic(){昔に返る己が名の、悪心は起こさじと思えどもまた腹立ちや、赤の大地に吹きすさび、遺恨となりて乱れける。}}}
#center(){&font(#0069a5){&italic(){心の休まる時なし、我が跡弔いてたび給え。}}}
「風」の旧バージョンにあたる機体。
地球圏での運用を主眼にしたモデルで、本来はこちらの方が「風」だったのだが、火星圏への輸出に当たって改良が加えられたモデルが新たに「甲型 風」の名を与えられたため、こちらが「戌型 凬」へと改称された。
両者には細部にも様々な違いがあるようだが、最大の相違点はメインウェポン。
「凬」でも&bold(){「夕凪」「朝凪」}という二振りの太刀を主武器としているのだが、この太刀は連結させることで弓状のビーム砲モジュールへと変形するのである。
&font(b,#990000){(ゲーム内性能)}
レアな景清の中でもさらにレア(支給率が低い)な[[弓]]持ち景清。
「凬」は変換がめんどくさい上に機種依存文字なので、大抵は「旧風」と呼ばれる。
性能はほぼ風と同じだが、TRWの大型カッターとJTRWの2連レーザーが矢(ビーム)連射になっているという違いがある。
死に技に近かったTRWに使い道が出来たのはいいが、置きやギャンブル援護に使えたJTRWは逆に死に技と化してしまっているので一長一短。
しかも「風」の生命線だった立ちRWがなぜか劣化(無誘導になった)しているため、&font(b,red){総合的に見ると「風」の劣化版と言わざるを得ない}。
設定の時点で旧式なんで当然ではあるが。
LWの文字は風と同じ「礼」と「智」
***第六工廠八式壱型 景清 「八島」
&bold(){データはあったがゲームには未登場に終わった、幻の指揮官仕様機。}
『フォース』稼動から15年の時を経て、ハセガワからバーチャロン20周年記念キットとして発売されたことでようやく日の目を見た。
他のバージョンとは違って、&bold(){TSCが引き取って保管していた完成済みのMBV-08をそのまま改装・改修した機体}である。
景清の性能に感嘆したTSCは、自分達が保管しているMBV-08をそれに匹敵する高性能機に改修しようと考えたものの、実現するにはSM-06の協力が不可欠であり、紆余曲折の交渉の末に提携が成立。
ある意味OEM製品ともライセンス生産品と言える形でこの機体は完成した。
パッと見は「火」に「風」のメインウェポンを持たせた感じだが、兜の立物は所謂「大鍬形」と呼ばれる幅広の物であり、意匠も直線的かつ角ばっている。
カラーリングもシャドウVRを意識したかのような感じであり、より怨霊・悪役的なイメージを増した印象が強い。
その性能はTSCの予想を超えて第3世代全体で見ても際立って高く、MARZを相手取った戦いにおいて&bold(){最終決戦機}として投入され、存在を秘匿・温存していたからこそ出来た不意打ちも相まってMARZに大損害を与えた。
#center(){&font(#0069a5){&italic(){項目を立つれど画像を張れぬ著作権ぞ悲しき。成らさで過ぎし心こそ、なかなかアニヲタの絆なれ。なかなかアニヲタの絆なれ。}}}
#center(){&font(#0069a5){&italic(){げに三界は所なし、ただ一空のみ。誰とかさして追記せん。又いかにとか修正すべき。}}}
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- プレイヤーにしかわからないかもしれないが、「硬直」に関して記載してもいいかも -- 「山」使い (2018-07-10 09:09:24)
- ↑硬直やレスポンスといった単純速度以外の部分は、なるべく「運動性」でまとめた方が未プレイの方にわかりやすいかなーと・・・ -- 名無しさん (2018-07-18 18:18:36)
- 火ってあの赤い奴? 兜の飾りはクワガタみたいな長い角じゃなかったっけ? -- 名無しさん (2018-09-03 22:43:29)
- 滅ぼされしサッチェル・マウスのうらみ、忘れたわけではあるまいな~~~ -- 名無しさん (2019-06-05 20:28:28)
#comment
#areaedit(end)
}
&font(#6495ED){登録日}:2018/07/10 Tue 01:04:40
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 20 分で読めます
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&link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧
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&font(b,#0069a5){※この項目の閲覧方法(推奨)}
1.CD音源などでVO4のBGM&bold(){&italic(){「kirisute go-men!」}}を探してくる
2.聞く(ループで)
3.読む
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[[電脳戦機バーチャロンシリーズ]]の3作目、「バーチャロンフォース」に登場する&bold(){落ち武者型}バーチャロイド(VR)。
[[ガラヤカ>ガラヤカ(電脳戦機バーチャロン)]]もそうだが既存の機体に比べて明らかに異色なキャラクター性を持ち、登場と同時にプレイヤーの間で話題をかっさらった。
&bold(){「第六工廠八式壱型 景清」}なるケレンのきいたネーミング、[[ネオジャパン代表?>機動武闘伝Gガンダム]]的な鎌倉大具足、\イヨオー!/の合いの手が&font(l){笑える}勇ましい素敵BGMなどのインパクトからか、プレイヤー人気も高い。
しかし扱いが所謂「レア機体」に当たるため[[ゲーム]]を始めた最初からは選択できず、特定のVRを使ってプレイすることで一定確率で支給されるようになっていた((バーチャロンフォースは個人データを記録する「ライセンスカード」システムを採用したアーケードゲームである。))ため、なかなか支給されずに悲鳴を上げるプレイヤーも見られた。
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**第六工廠八式壱型 悪七兵衛景清
**- [ 開発経緯 ] -
景清系列のVRが生まれたそもそもの原因は、VCa3年、[[アイザーマン博士>スペシネフ(電脳戦機バーチャロン)]]に簒奪された企業国家&bold(){SM-06(サッチェル・マウス})が、同&bold(){DU-01(ダンシング・アンダー)}の一部施設を武力制圧したことに端を発する。
月面に本拠を置くDU-01はVR生産の必須物資であるV・クリスタル質を産出するプラントを多く持ち、かつて「DN社第1プラント」だった時代には同社の大事業「第二次Vプロジェクト」の要として強大な権力を持っていた。
しかしその後のDN社の倒産、旧第8プラントであるFR-08(フレッシュ・リフォー)の隆盛などの変化によってその力は大きく削られ、場末の鉱山管理プラントのような立場に落ちぶれていたのである。
この為SM-06の武力制圧は実にあっさりと成功したのだが、問題はむしろその後だった。
いくら陣営内で軽んじられていたとはいえ、DU-01はFR-08の傘下企業の一つである。
地球圏最大の勢力を誇るFR-08がこの暴挙を黙って見過ごすはずもなく、SM-06にとって奪取したプラント群を防衛するための戦力の拡充は急務となった。
この防衛戦力に関しては
&bold(){a.宇宙戦艦などの通常兵器を使用してこれにあてる}
&bold(){b.SM-06の主力機であった[[「サイファー」「マイザー」>バイパーII/サイファー/マイザー(電脳戦機バーチャロン)]]系のVRを追加生産してこれにあてる}
&bold(){c.同じくSM-06制の新型VR[[「スペシネフ」>スペシネフ(電脳戦機バーチャロン)]]系のVRを追加生産してこれにあてる}
という3つの案が考えられたが、
&bold(){a.→&font(red){活動場所がムーンゲート近辺なので、バーチャロンポジティブ値が高い人間の搭乗を前提とするVRでなければ、Vクリスタルの精神侵食作用で戦う前から戦闘不能になる可能性が高かった。}}
&bold(){b.→&font(red){本社であるSM-06防衛のための分、クーデター支援の対価としてRNAへ供給するための分、研究支援の礼として火星居住者へ供与するための分などで、既に生産ラインが埋まっていた。}}
&bold(){c.→&font(red){運用にあらゆる面で手間のかかるスペシネフ系は、防衛の主力とするには運用コストが高すぎた。}}
などの問題によってどれも実現できず、消去法で
&bold(){d.防衛に向いた新型VRを開発し、乗っ取ったプラントにラインを設置して生産、これにあてる}
というプランが選択されることになった。
しかし事態が急迫していたため、開発に当たったアイザーマン博士は時間短縮を狙い、新型VRの基礎構造に既存のVRのそれを流用することにした。
その流用元となったのは、かつてSM-06が「DN社第6プラント」だった頃に開発した者の、政治的事情からお蔵入りになっていた幻の第一世代VR「MBV-08」である。
#openclose(show=※MBV-08って何?){
バーチャロンには割と珍しい「設定上のみ存在する」VR。
かつてのDN社時代、[[SAV-07ベルグドル>ベルグドル(電脳戦機バーチャロン)]]の開発に際し、第6プラントは自プラントで開発した新型のVコンバータを提案していた(この辺の詳細は同項目参照)。
結局第1プラントとの政治闘争に敗北したことでベルグドルへの採用を逃したが、しかし第6プラントはこれに大きな自信を持っており、第4プラント、そしてDN社の実力者であるアンベルIVと提携して新型VRを開発したのである。
これがMBV-08で、機体の基礎となるスケルトン(フレーム)から新規設計した野心的な新型機であったが、第1プラントはこれを察知すると猛烈な妨害工作を開始し、結局この計画をつぶしてしまう。
こうしてMBV-08は、数機の先行量産型が作られただけでその生産を終えてしまうことになった。
アイザーマン博士はこのMBV-08の設計を流用して景清系列のVRを作り出したのだが、その際にオリジナルに敬意を表し……たのかは定かではないが、その名を継いで「八式」の型式番号を与えている。
}
**- [ 機体構造 ] -
[[オラトリオ・タングラム>電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム]]の直前に開発が開始された機体だが、アイザーマン博士の手になるだけあって、最初から第三世代VR((多層構造Vディスクを用いたハイブリッドVコンバータを持ち、活性化したVクリスタルの攻勢浸食波の悪影響を防ぎ、また定位リバースコンバートが可能なVR。要するにフォース仕様のVRのこと))として設計されている。
原型機となったのは前述のとおり第1世代のMBV(Main Battle Virtuaroids=主力戦闘VR)であるMBV-08だが、技術的な特徴からするとむしろ&bold(){「改良型スペシネフ」}と言うべきかもしれない。
具体的に言うと、スペシネフ系列VRの最大の特徴である
&bold(){・人の精神を「取り込んだ」汚染Vクリスタル質の再利用}
&bold(){・Vクリスタル質の汚染源である&color(#aa0000){人間の怨念}を用いたVRの性能強化}
という2大コンセプトがそのまま受け継がれているのだが、しかしそのコンセプトに至るまでのアプローチには大幅な発展がみられる。
まず機能の中核となる汚染Vクリスタル質だが、「取り込んだ」Vディスクをストレートに構造材に転用していたスペシネフと異なり、景清では同様のクリスタル質を一度加工して抽出される、いわば&font(b,#0069a5){「純粋な汚染物」}を用いている。
これはアイザーマン博士が新たに開発した、Vクリスタル質の除染法によって生み出されたものである。
Vコンバータの実用化以来、汚染されたVディスク、またそれを構成する汚染Vクリスタル質のリサイクル技術は常に希求されてきた技術であった。
だが汚染源となるVクリスタル質内に閉じ込められた人間の精神はあっという間に断片化、本来の形を失って無秩序に散乱してしまうため、この断片を全て拾い上げて選択的にサルベージする、あるいは取り除くのはほぼ不可能とされていた。
だがアイザーマン博士は、この精神の断片が[[なんとなく]]寄り集まって元の人格(らしきもの)に戻ろうとするという性質を持っていることに着目する。
とはいえこの集まろうとする力はとても弱く、また無秩序であり、到底元の人間としての人格を再生できるような代物ではない。
そこで博士はここに&bold(){「単純で強烈な性質を持つ、アバター(仮想人格)フレーム」}を依代として挿入することでこの性質をブーストし、そのフレームに沿う形に精神の断片を凝集させることに成功したのである。
この画期的なフィルタリング法においてキーとなったのは、やはりそのアバター・フレームだった。
汚染Vクリスタル内に散乱する精神片は元々怨念に満ちた断末魔の精神であるため、その依代となるアバターにはその精神に相応しい、「怨念に満ちた」そして出来るなら「勇ましく、力溢れる」キャラクター性が要求された。
…そう、これに際しアイザーマン博士が選んだキャラクターこそが電脳暦以前、それも鎌倉時代の古典「[[平家物語]]」の登場人物である「&ruby(あく){悪}&ruby(しち){七}&ruby(びょうえ){兵衛}&ruby(かげきよ){景清}」こと&bold(){[[藤原景清>源平討魔伝]]}だったのである。((余談だがここで言う「悪」とは邪悪や善悪と言ったネガティブな意味ではなく「勇猛な」「力強い」といった意味の古い表現であり、古語としての「悪党」の略称である。「悪七兵衛」という異名自体が景清の出自と官職に因んだもので、「皇居を守護する、悪党の強さを持つ景清」といった意味を持つ。))
博士が何故遥か昔に失われたと思しきこの古典を選んだのかは定かではないが、とにもかくにもその試みは成功する。
Vコンバータ運用の宿病とも言えるVクリスタル質内の汚染物は、悪七兵衛景清の形をとることで正常なクリスタル質から分離・抽出することが可能になったのである。
そして取り出されたVクリスタル質内の汚染物の純粋結晶、いや最早&font(b,#0069a5){「人工的に作り出した悪七兵衛景清の怨霊」}とでも言うべきそれを、当然ながらアイザーマン博士はVRの強化に用いた。
具体的にはその汚染物をペレットとして成形、機体中枢であるVコンバータに&bold(){ブースト・モジュール}として組み込み、リバースコンバート(VRの実体化)時にVコンバータと同調動作するようにしたのである。
このブーストモジュールによって、物質化した景清は同時代の機体と比べても一際強力な実存力を獲得する。とりわけVRの骨格となるスケルトンの強度向上は特筆もので、圧倒的な防御力と運動性を機体に与えた。
しかもブースト・モジュールに組み込まれた怨念が、無秩序な混沌ではなく悪七兵衛景清という明確なキャラクターを与えられたこと、作用の対象をVコンバータに限定したことなどによって、スペシネフ系に見られる
&font(b,#aa0000){「周辺への精神侵食ノイズの漏出」「パイロットの精神への極端な負荷」「それらに起因する運用コストの増大」}などの欠点が全て解決されたのだった。
人間の怨念をVRに作用させて戦闘性能を強化するという点ではスペシネフ系と共通しているが、両者のシステムは全く別物である。
その原理を端的に表せば、スペシネフのEVLバインダーが&bold(){「怨念によってパイロットを強化するシステム」}であるのに対し、景清のブースト・モジュールは&bold(){「怨念によってVRを直接強化するシステム」}と区別することができよう。
とまあまさしくスペシネフの改良発展型と呼ぶに相応しい性能を実現した景清だったが、ただ一つだけ欠点があった。
景清の高性能の源となっているのは前述の通りVコンバータに組み込まれたブーストモジュール、及びその中核たる汚染物だが、これがフィルタリングの際に与えられた&bold(){悪七兵衛景清のキャラクターに強い執着を示し続けたのである。}
さらに開発者であるアイザーマン博士がこの執着を面白がり、悪七兵衛景清たるに相応しい平家武者風の大鎧を模した外装を与え、武器にも[[太刀>日本刀]]や[[薙刀>長巻]]といったそれらしいものを用意。
キャラクターに相応しい意匠を持つ&font(b,#0069a5){「第六工廠八式壱型 悪七兵衛景清」}へと作り変えてしまったのだ。
勿論限定戦争で用いられるVRが強烈な個性を持つこと自体は、エンターテイメントビジネスとしての側面からは歓迎されるべきことである。
しかし&bold(){「平家の落ち武者風戦闘ロボット」}という&font(l){イカレた}キャラクター性に縛られてしまったことは、流石に戦闘効率と言う面からは問題もあった。
景清系列はそのバランスの取れた高性能から短時間の間に多くのバリエーションを生んだが、その中に最も効率的な兵装である「銃」を装備した機体は一機種もない。
この為景清は圧倒的、かつ癖のない高性能を持つにもかかわらず、極端に接近戦に寄ったMBVとして運用されることになってしまったのだった。
**- [ 活躍 ] -
第三世代VRとしては比較的初期の機体でありながら、その特異なシステムからもたらされた圧倒的なポテンシャルによって常に後続機を圧倒する活躍を示した。
この為当初は施設防衛という「実戦」用に開発された機体でありながら、その性能が注目され完成後ほどなくして商用販売が開始されている。
そして当機のセールスが順調な初動を見せたのは、商用販売以前の運用初期において、新興企業&bold(){「トランスAFG」}の試作型VR群との苛烈な戦闘を繰り広げ、そのポテンシャルを広く誇示してみせたことも大きい。
トランスAFG社はFR-08を追われた前総帥リリン・プラジナーによって起こされた企業国家であったが、かねてよりリリンに対して激しい敵意を抱いていたアイザーマン博士はその活動を妨害することに余念が無かった。
この為トランスAFG社が行っていた新型第三世代VR[[「TF-14/st フェイ・イェン」>フェイ・イェン(電脳戦機バーチャロン)]]の[[テスト]]をかぎつけると、景清系列を主体とした妨害工作部隊を度々送り込み、これに執拗な攻撃をかけていた。
これに対応するためAFG社は試作機であったstを武装化したため、結果として地球圏の各地で&bold(){「謎のフェイ・イェン型ヒロインVRと、謎のSAMURAI型悪役VRとの熾烈な戦闘」}が起こることになり、これが限定戦争の視聴者層に大いに評判を呼んだのである。
これは結果として一般販売がまだ行われていなかった両機の前評判を爆発的に高める形となり、一般販売開始後の速やかなセールスの拡大へとつながったと考えられている。
**- [ ゲーム内性能 ] -
中量級でも上位クラスの耐久力に、軽量級並の機動性と運動性を併せ持つ基本性能に優れた主戦タイプ。
同系列でも全く違う個性を持つことが多いフォースのキャラでは珍しく、系列内での性能差が比較的小さいため、系列内での乗り換えや乗り回しは比較的楽な部類に入る。
援護の軸となる高誘導のCWは全機種において誤差レベルの性能差しかなく、LWに至っては事実上全機種で全く同じものを使っているほど。
どのキャラも走攻守のうち&bold(){「走」と「守」に渡って非常に高い基本性能を持つ反面、「攻」の面で非常にピーキー}なのが特徴。
端的に言えば「射撃性能が低く、近接性能が高い」格闘タイプのキャラなのだが、同様の特徴を持つ[[アファームドJC>アファームドJ系列]]などとは方向性がだいぶ異なる。
景清系の射撃武器は基本的に「高火力」「高誘導」という特徴を持っており、武装自体の攻撃性能自体は非常に高いのだが、&font(b,red){ゲージ効率、つまり武装の回転率があまりに劣悪}なのである。
この性質は設定上の前世代機に当たるスペシネフに近いものがあるが、景清のそれはより極端であり、&bold(){CWなどはゲージフル回復に30秒以上かかったりする}。
ここまで回転率が悪いと、単に射撃戦に弱い、放置されやすいなどの弱点となるだけではなく、無駄撃ちが一切できないため行動が単純化し、相手に択を読まれやすいという別の欠点も生まれてしまう。
なので必然的に近接攻撃を主体とすることになるのだが、フォースでは戦闘システム上近接戦闘を避けることがたやすく、それだけでダメージをとっていくのは容易ではないため、大体はいなしつつ放置されてしまうことになりがち。
だが同じく放置されやすい他のキャラと異なり、景清には全キャラ中有数の機動性と、多少強引な攻めも許される耐久力、そしてどのキャラにも引けを取らない近接火力がある。
よって放置されながらも執拗に敵へ張り付き、一瞬の隙をみつけて攻撃をねじ込んだり、あるいは味方に援護を送ったりするのが系列を通じての基本戦術となる。
色物な外見に反し、戦い方は堅実と言うか、基本に忠実に戦うことがそのまま強さになるため、実は初心者にも結構向いたキャラでもある。
**- [ 系列機 ] -
***第六工廠八式壱型甲 景清 「風」
#center(){&font(#0069a5){&italic(){風は疾風、疾きことの。}}}
#center(){&font(#0069a5){&italic(){その身朽ち果て魂は、修羅を彷徨う慟哭の。}}}
#center(){&font(#0069a5){&italic(){暁の波間に吹き寄せ、吹き来る怨嗟の潮風の、浄化の願いも虚しく明け初めて、雄叫びは松の枝を打ち鳴らす。}}}
#center(){&font(#0069a5){&italic(){その吹き止まぬ震撼は、やがて火星の赤の風、修羅星に荒れる悲嘆の砂嵐。}}}
#center(){&font(#0069a5){&italic(){振り下ろされる烈風の切っ先は、亡者の無念の痛みと心せよ。}}}
商用の景清系列における事実上の基幹機種で、後述する「凬」を改修したモデル。
&bold(){定位リバースコンバート(ワープ)後の実体化シークエンスを高速化するための改修が施されている}のが特徴。
このため定位リバースコンバート後、現地で即座に戦闘を開始することが可能であり、その速やかなることはまさしく「風」の如くである。
メインウェポンは大小二本の太刀で、それぞれ&bold(){「疾風」「烈風」}の銘が与えられている。
兜の立物は所謂「三日月」型([[伊達政宗>伊達政宗(戦国武将)]]のアレ)。
&font(b,#990000){(ゲーム内性能)}
隠し機体である景清には[[テムジン系>テムジン(電脳戦機バーチャロン)]]やフェイ・イェン系のような「初期機体」というものは存在しないのだが、性質的にはまさしくそれにあたる二刀流景清。
メイン武器となるRWのカッターは景清の中では比較的ゲージ効率がマシな方で、全キャラ中最強クラスのタイマン性能と生残性を保ちつつ、それなりに射撃援護もこなせる割と器用なキャラ。
とはいえやはりテムジンやアファ系などの他主戦機と比べると射撃の回転率は雲泥の差であり、一発一発を丁寧に、しかし動きを読まれぬよう大胆に撃っていく必要がある。
また攻撃面では後述の「火」に劣る部分が多いため、勝っている機動性や迎撃力、近接のひっかけやすさなどを活かして差をつけていく必要がある。
ちなみにこの「風」と「火」は&bold(){「光明遍照十方世界念仏衆生摂取不捨(こうみょうへんじょうじっぽうせかいねんぶつしゅじょうせっしゅふしゃ)」}なるモードチェンジが用意されている。
これを使うと
・残ライフ半減
・以後その試合では射撃武器が一切使用不可に
・近接攻撃の威力が1.5倍に
と言う効果が付与される。&font(l){見ての通り封印安定である。}
前述の通り景清系列のLWは全て同じ武器といってよいが、弾の色と弾の中に浮かぶ漢字がそれぞれ違う。風の場合、LWの文字は「仁」と「義」。
***第六工廠八式壱型乙 景清 「林」
#center(){&font(#0069a5){&italic(){立つ木は敵、雨は箭先、月は精剣、山は鉄城。}}}
#center(){&font(#0069a5){&italic(){驕慢の剣を揃え、邪険の眼の光、愛欲貪恚痴痛患闘諍、無明も法性も乱るる敵。}}}
#center(){&font(#0069a5){&italic(){因果の果てに修羅道に堕ちた魂は、血に濡れ林間を彷徨い、今また現世にあらわれ出づる。}}}
#center(){&font(#0069a5){&italic(){安息を忘れた静寂の殺意こそ、「林」に封入された妄執、その悲嘆血涙のなれの果てなのである。}}}
アイザーマン博士の盟友にしてSM-06首魁の一人、ガキバ・マシュー大佐が率いた&bold(){特殊邀撃部隊仕様}の景清を模したモデル。
マシュー大佐は通称「海賊艦隊」ことマシュー艦隊の長であったが、VRパイロットとして前線に赴くことも度々であった。
景清の運用初期においては特にこの傾向が顕著で、彼は景清系列の戦闘VRを主力とする邀撃部隊を自ら錬成し、トランスAFGとの抗争で大いに暴れまわったのである。
とりわけ彼自ら搭乗した景清がトランスAFG社のレミ・ファンソーラ中尉(16)が駆るTF-14/st と一騎打ちを繰り広げ、オリジンである悪七兵衛景清さながらの「錣引(しころひき)」までして見せた((とはいっても引きちぎったのは錣ではなくてフェイの[[ツインテール]]だが))戦いは非常に有名となった。
この時マシュー大佐はロッド状の掘削モジュールを[[大槍>槍]]さながらに振り回して戦ったのだが、後に部隊内ではこのロッドを正式兵装として昇華した&bold(){「双林乃霊槍」}が配備されることになった。
この邀撃部隊はその後もトランスAFGとの抗争で活躍するが、激しい戦闘の最中であっても必要とあらば速やかに静止し、密やかなる静寂の内に次なる一手を繰り出すその様は&bold(){「徐かなること林の如し」}とたたえられた。
兜は烏帽子型の兜で、前立に菱形の意匠がある。
&font(b,#990000){(ゲーム内性能)}
名前に反して景清の中でも&bold(){一際攻撃的}なキャラで、特に威力と範囲を兼ね備えた近接攻撃が強い槍持ち景清。
おまけに機動性・運動性も最高クラス、耐久力にも不足はない上、景清にしてはめずらしくマトモなビーム射撃である立ちRWまで備えるというバランスの取れたキャラ
……かと思いきや、肝心のRWの有効射程がとてつもなく短く、また相殺強度が低すぎて大抵の射撃に撃ち負けてしまうため、実質的には近距離専用の射撃武器となってしまっている。
このため結局は張り付き戦術主体になるのだが、機動力のある敵には放置されがちな上、戦術が固定されていて景清の中でも特に動きを読まれやすく、できることなら相方にも協力してもらって乱戦気味に戦いたいところ。
LWの文字は「礼」と「智」。
***第六工廠八式壱型丙 景清 「火」
#center(){&font(#0069a5){&italic(){現世によみがえった景清の妄執に、安住の地はありえない。}}}
#center(){&font(#0069a5){&italic(){「火」の型に封入されたその複製は、三毒の一つ、瞋恚に引かれて烈火の炎と化し、ただただ修羅の有様を伝えるべく火星の大地を駆け抜ける。}}}
#center(){&font(#0069a5){&italic(){手にする焔乃剣から繰り出される打ち込みはまさに激越の一語、強さもまた悲しみの一つだと知る戦士にのみ体得し得る奥義である。}}}
火星戦線における運用を前提としたモデル。
生産ラインは主にSM-06が火星圏に建造したプラントに設置されており、その配備先もマシュー艦隊の火星部隊、あるいは火星戦線で限定戦争を営む各勢力が殆どである。
景清系列の中でも、今最も「アツい」火星戦線における主力機種であることからか、視聴者や関係者への知名度も高く、一部には風よりもむしろこちらの方を基幹機種としてみなす向きも見られる。
メインウェポンは腰に佩いた大太刀&bold(){「焔乃剣(ほむらのつるぎ)」}一本と言う非常に潔い設計になっているが、その戦闘力は他の景清に全く引けを取らない。
兜の立物は、実際に平安・鎌倉時代に用いられていた鍬形の前立。
&font(b,#990000){(ゲーム内性能)}
「風」をやや攻撃的にしたような一刀流景清。耐久力は景清中もっとも高く、&bold(){タイマン性能においては間違いなく最強を誇る}。
RWは「風」に似たカッターだが、あちらより威力が下った代わりにゲージ効率が改善されており、攻撃の軸としてだいぶ使いやすくなっている。
景清の中でもある意味最も「らしい」機体であり、強力かつ明快なその性能から愛用するプレイヤーも多い。
LWの文字は「忠」と「信」。
***第六工廠八式壱型丁 景清 「山」
#center(){&font(#0069a5){&italic(){松門独り閉じて年月を送り、みづから清光を見ざれば、時の移るをもわきまえず、暗々たる庵室に徒に眠り、衣簡単に与えざれば、膚はぎょうこつと衰えたり。}}}
#center(){&font(#0069a5){&italic(){深山に敗れ落ち延び、両眼の光も失った老骨の武士の前世は如何に、今また戦の中に身を置いて、砕けて散り逝く眼前の敵をも羨む悲嘆の境涯、因業深き強者よ、我と共にあれ。}}}
大薙刀&bold(){「霊鷲乃薙刀」}を主武器とする、木星圏での活動を主眼に置いたモデル。
木星圏には月面のムーン・クリスタル、地球のアース・クリスタル、火星のマーズ・クリスタルに並ぶVクリスタルであるジュピター・クリスタルが確認されていた。
そしてSM-06、というかアイザーマン博士はかねてよりこのVクリスタルの特異性に目をつけており、他勢力に先駆けいち早く木星圏へと進出していたのである。
しかしこれは木星圏に既得権益を持つ地球圏の各勢力を刺激し、彼らの意を受けた武装勢力の襲撃を惹起することになってしまった。
木星圏における緒権益は、かつて木星圏の開拓が試みられ、そして挫折していた時代に根差すものだが、その権益は時を経て多くの権利者にまたがり細分化、複雑化しており、「誰と交渉すればいいのかすらわからない」状態になっていた。
よって政治的・経済的な力によってこの襲撃を抑止するのはほぼ不可能となり、SM-06は自前の軍事力で同地に設営したプラントを守る必要に迫られた。
この為に開発されたのが、景清の木星圏仕様であるこの「山」である。
本機の最大の特徴は&bold(){Vコンバータの主クリスタル質にジュピター・クリスタル由来のそれを用いている}ことで、この為他の景清とは見た目以上に性質の違う機体に仕上がっている。
木星圏のジュピター・クリスタルと親和性の高いクリスタル質を使用したことで、同地における可動パフォーマンスは著しく高まったが、しかし全く新しい素材を用いた故の必然か、稼働初期には不具合が多発したという。
しかし度重なる回収を受けてその不安定さが解消されると、「山」は全木星圏でその性能を遺憾なくなく発揮。自社プラントの防衛だけではなく、フォースの任務である攻勢結晶構造体との戦いでも大いに有効性を示した。
他の景清とは基礎レベルから異質なVRであるせいか、頭部の形状も系列機とは大きく異なり、頭襟を被った鳥、つまり[[烏天狗>天狗(妖怪)]]のような意匠となっている。
&font(b,#990000){(ゲーム内性能)}
「林」の射撃性能をさらに引き上げたような&font(l){[[ちくわ]]売り}薙刀持ち景清。
射撃性能はほぼ「林」の完全な上位互換であり、普通に射撃戦も可能なレベルにまでなっている。
それでいて近接性能もそれほどひけをとらない(出は遅くなったが、威力ではわずかに上回る)という高性能キャラ。
その代償か景清の中では機動性・運動性が低めだが、他機種に比べれば依然として高レベルである。
なにかとピーキーな景清系の中では比較的&bold(){バランスの取れたキャラ}であり、対応できる戦術の幅が広く、放置もされにくいため高いタイマン性能も活かしやすい。
とはいえ「ゲージ効率が悪い」「中距離以遠だとやることがない」などの特徴は他の景清同様なので、基本的に粘着気味に攻めていく戦い方が基本となることは変わりない。
LWの文字は「孝」と「悌」。
***第六工廠八式壱型戌 景清 「凬」
※凬は風の古字。
#center(){&font(#0069a5){&italic(){千行の悲涙袂を朽たし、万事は皆夢の中のあだし身となりてうち覚めて、今はこの世に亡きものと、思い切りたる乞食を、悪七兵衛景清なんどと呼ばばこなたが答うべきか。}}}
#center(){&font(#0069a5){&italic(){昔に返る己が名の、悪心は起こさじと思えどもまた腹立ちや、赤の大地に吹きすさび、遺恨となりて乱れける。}}}
#center(){&font(#0069a5){&italic(){心の休まる時なし、我が跡弔いてたび給え。}}}
「風」の旧バージョンにあたる機体。
地球圏での運用を主眼にしたモデルで、本来はこちらの方が「風」だったのだが、火星圏への輸出に当たって改良が加えられたモデルが新たに「甲型 風」の名を与えられたため、こちらが「戌型 凬」へと改称された。
両者には細部にも様々な違いがあるようだが、最大の相違点はメインウェポン。
「凬」でも&bold(){「夕凪」「朝凪」}という二振りの太刀を主武器としているのだが、この太刀は連結させることで弓状のビーム砲モジュールへと変形するのである。
&font(b,#990000){(ゲーム内性能)}
レアな景清の中でもさらにレア(支給率が低い)な[[弓]]持ち景清。
「凬」は変換がめんどくさい上に機種依存文字なので、大抵は「旧風」と呼ばれる。
性能はほぼ風と同じだが、TRWの大型カッターとJTRWの2連レーザーが矢(ビーム)連射になっているという違いがある。
死に技に近かったTRWに使い道が出来たのはいいが、置きやギャンブル援護に使えたJTRWは逆に死に技と化してしまっているので一長一短。
しかも「風」の生命線だった立ちRWがなぜか劣化(無誘導になった)しているため、&font(b,red){総合的に見ると「風」の劣化版と言わざるを得ない}。
設定の時点で旧式なんで当然ではあるが。
LWの文字は風と同じ「礼」と「智」
***第六工廠八式壱型 景清 「八島」
&bold(){データはあったがゲームには未登場に終わった、幻の指揮官仕様機。}
『フォース』稼動から15年の時を経て、ハセガワからバーチャロン20周年記念キットとして発売されたことでようやく日の目を見た。
他のバージョンとは違って、&bold(){TSCが引き取って保管していた完成済みのMBV-08をそのまま改装・改修した機体}である。
景清の性能に感嘆したTSCは、自分達が保管しているMBV-08をそれに匹敵する高性能機に改修しようと考えたものの、実現するにはSM-06の協力が不可欠であり、紆余曲折の交渉の末に提携が成立。
ある意味OEM製品ともライセンス生産品と言える形でこの機体は完成した。
パッと見は「火」に「風」のメインウェポンを持たせた感じだが、兜の立物は所謂「大鍬形」と呼ばれる幅広の物であり、意匠も直線的かつ角ばっている。
カラーリングもシャドウVRを意識したかのような感じであり、より怨霊・悪役的なイメージを増した印象が強い。
その性能はTSCの予想を超えて第3世代全体で見ても際立って高く、MARZを相手取った戦いにおいて&bold(){最終決戦機}として投入され、存在を秘匿・温存していたからこそ出来た不意打ちも相まってMARZに大損害を与えた。
#center(){&font(#0069a5){&italic(){項目を立つれど画像を張れぬ著作権ぞ悲しき。成らさで過ぎし心こそ、なかなかアニヲタの絆なれ。なかなかアニヲタの絆なれ。}}}
#center(){&font(#0069a5){&italic(){げに三界は所なし、ただ一空のみ。誰とかさして追記せん。又いかにとか修正すべき。}}}
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- プレイヤーにしかわからないかもしれないが、「硬直」に関して記載してもいいかも -- 「山」使い (2018-07-10 09:09:24)
- ↑硬直やレスポンスといった単純速度以外の部分は、なるべく「運動性」でまとめた方が未プレイの方にわかりやすいかなーと・・・ -- 名無しさん (2018-07-18 18:18:36)
- 火ってあの赤い奴? 兜の飾りはクワガタみたいな長い角じゃなかったっけ? -- 名無しさん (2018-09-03 22:43:29)
- 滅ぼされしサッチェル・マウスのうらみ、忘れたわけではあるまいな~~~ -- 名無しさん (2019-06-05 20:28:28)
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