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SCP-768-JP - (2024/12/11 (水) 19:16:46) の1つ前との変更点
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&font(#6495ED){登録日}:2020/04/17 Fri 12:25:00
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 5 分で読めます
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&link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧
&tags()
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SCP-768-JPとは、シェアード・ワールド『[[SCP Foundation]]』に登場するオブジェクトのひとつである。
JPのコードが示す通り、日本支部生まれである。
オブジェクトクラスは「Safe」。
[[要注意団体>要注意団体(SCP Foundation)]]「大日本帝国陸軍特別医療部隊(負号部隊)」が関与しているオブジェクトである。
特別収容プロトコルは簡単なもので
『発芽しないよう保管して、実験で発芽させたものは片付けてね』
と言った感じである。
要注意団体が関与している割には随分あっさりした方法だが、まあそれには訳がある。
&bold(){概要}
コイツはキク科シオン属の多年草であるシオンの種子に似た外見を有する植物の種子である。普通に栽培すれば異常性の無いただのシオンが咲く。
ただ、この種子を体内に取り込んだ人物(以下、被験者)が死亡した場合にその異常性が発揮される。被験者が死亡するとその死体を覆い隠す様にシオンに似た花(SCP-768-JP-1)が&font(#008000){繁茂}する。
多くのSCP-768-JP-1は&bold(){十秒以内に成長が完了}し、開花するとその成長を止める。これも異常なのだが本命はここからだ。
開花と同時に被験者の死体やその周囲1.5m以内に落ちている所持品、&bold(){その人物に関わる一切の記憶が消失}する。
もう一度繰り返す。種を取り込んだ人が死ぬと死体が花で覆い尽くされ、死体と所持品、
&bold(){死んだ人物に関わる一切の記憶が全世界の人々から&font(#89c3eb){消失}する。}
なぜそんな事が可能なのか想像もつかないが、それがSCiPなのだから考えても仕方ない。ただし文章などに記された被験者の名前などはそのまま残ってしまう。
しかし被験者の関係者は被験者の名前も忘れているため、あまり気に留めない傾向があるようだ。
負号部隊は何でこんなものを?と思われるだろうが、どうやら戦友の死によって生じる兵士の心的負担を軽減させる目的があったらしい。ちなみにSCP-768-JP-1が初めて発見されたのはアメリカ領アッツ島
#center(){&bold(){そう、あのアッツ島である。}}
一応説明すると
#center(){&bold(){&font(#e2041b){太平洋戦争中に米軍と旧日本軍との間で17日間に渡る激戦が繰り広げられ、物量に勝る米軍に対して徹底抗戦を試みた旧日本軍が全滅する}}}
#right(){と言う惨劇が起こった島である。}
[[太平洋戦争]]の時点で既にSCP-768-JP-1の試験運用は始まっていたらしく、財団は専任の機動部隊をアッツ島その他の場所に派遣して捜索・収容に当たっている。
&bold(){199█/█/██}
&bold(){とある島でSCP-768-JP-1と同様に枯死や腐敗を起こさない植物群が発見された。}外観はシオンではなくエゾムラサキに酷似している。同島はかつて旧日本軍と連合国軍との間で&color(#ff0000){戦闘}が行われており、現在はその関連性が調査されている。
以下は発見された植物群の付近で回収された手記の抜粋である。そこそこ長いので前半を省略するが、ぜひ本家の記事で全文を読んで頂きたい。
#blockquote(){(前略)
気ガ付ケバ辺リガ美シイ花ニ囲マレテ居ル。空腹故ニ見タ幻覚カト思ツテ居タガ 上官モナンダコレハト言ウカラ本物ノ花ナノダロウ。アンマリニモ綺麗ダカラ一輪摘ンデ日記ニ挿ムコトニシタ。誰モ私ノ葬式ナドシナイダロウカラ 此レガ供花ノ代ワリデアル。
モウ行カナクテハナラナイ。父母兄妹ニ言イタイ事ハ限リナクアル。ダガ恐ラク此ノ日記ガ彼等ノ元ニ届ク事ハナイダロウ。ナラバ一言ダケ 書イテ置キタイ言葉ガ有ル。父母ヨ 兄妹ヨ &bold(){私ハ貴方ヲ忘レナイ。ダガ貴方ハドウカ私ノ事ハ万事忘レテ幸福ニ暮ラシテクレ。}ドウカ達者デ。
第██連隊第一小隊三分隊一番番号三十二 山田 勤}
手記の内容から周辺の調査が行われた結果、新たに4種類のSCP-768-JP-1の亜種と思われる植物が発見された。そこで財団は考えた。
&bold(){第二次世界大戦で死んだ兵士は、実際はもっと多いのではないか?}と。
そうなれば全員の身元を特定し、丁重に弔ってやりたい所だがこの要請は却下されている。
#blockquote(){&bold(){我々にとって重要なのはSCP-768-JP-1、どんな季節でも咲き続ける異常な花を社会から一つ残らず回収することであり、それが誰の死体から生えたのかは然して問題でありません。}確かに彼らの死は痛ましいものであり、正当な手順で弔われるべきなのでしょう。しかし、&bold(){それは我々の仕事ではありません。}我々には現在生きている、あるいは未来を生きる人類を守る重大な責務があります。彼らのように過去の、あるいは人々の記憶から消え去り過去にすら存在しなくなった人物に対して割かれる時間はありません。(中略)彼らの残渣がどんな不遇な目に遭ったとしてもそれを嘆く人間は一人たりとも居ないのですから。
#right(){日本支部理事 升}}
致し方ない。財団の資源とて有限なのだ。
余談だがシオンの花言葉は「追憶」、「遠方にある人を思う」
そして&bold(){「君を忘れない」}。
#center(){悲しいかな、誰もあなたを覚えていない。}
#center(){&sizex(7){SCP-768-JP &color(#89c3eb){忘憂花}}}
#right(){#openclose(show=▷ CC BY-SA 3.0に基づく表示){
SCP-768-JP 忘憂花
by hyoroika09
http://scp-jp.wikidot.com/scp-768-jp
この項目の内容は『[[クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス>https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja]]』に従います。
花言葉の参考元 『花言葉-由来』 https://hananokotoba.com/ 閲覧日2020年4月15日 運営者 イーガオジャパン合同会社}}
#include(テンプレ2)
#right(){追記・修正は忘れずにお願いします。
#vote3(time=600,18)
}
#include(テンプレ3)
#openclose(show=▷ コメント欄){
#areaedit()
- まさに「俺のことは忘れな!草」である -- 名無しさん (2020-04-17 13:49:11)
- ↑トマトが飛んでったぞ -- 名無しさん (2020-04-17 13:53:20)
- >私ガ玉砕シタコトヲ聞ケバ 父母ハ勇敢ニ戦ツタト喜ブダロウ。ダガソレハ見セカケノ喜ビデ 内心ハヤハリ悲シムノダロウ。ソンナ風ニ気ヲ病ンデ仕舞ウヨリ 私ノ事ハスッカリ忘レテ生キテ欲シイ。 こんなこと日記に書いてても、心の何処かでは弔って欲しい気持ちがあったのだろうか 異常に生命力の高い花なのはその思いからだったりして -- 名無しさん (2020-04-17 14:27:18)
- 忘れ草の話だっけ 今昔物語だったかな? -- 名無しさん (2020-04-17 16:56:59)
- 忘れられたのは誰かはわからなくても、忘れられた誰かがいることを知る人たちがいるってところに少し救いを感じる -- 名無しさん (2020-04-17 19:22:26)
- 収容サイトは本土だろうし、ようやく帰れたんだな -- 名無しさん (2020-05-04 07:14:59)
- ↑泣いた -- 名無しさん (2020-05-04 20:40:13)
- FF零式味を感じる・・・ -- 名無しさん (2020-07-27 02:44:37)
- 花に亡霊を -- 名無しさん (2022-02-22 18:15:45)
- 短いけど色々と考えさせられるSCP。とても良い… -- 名無しさん (2024-04-06 17:37:38)
#comment(striction)
#areaedit(end)
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SCP-768-JPとは、シェアード・ワールド『[[SCP Foundation]]』に登場するオブジェクトのひとつである。
JPのコードが示す通り、日本支部生まれである。
オブジェクトクラスは「Safe」。
[[要注意団体>要注意団体(SCP Foundation)]]「大日本帝国陸軍特別医療部隊(負号部隊)」が関与しているオブジェクトである。
特別収容プロトコルは簡単なもので
『発芽しないよう保管して、実験で発芽させたものは片付けてね』
と言った感じである。
要注意団体が関与している割には随分あっさりした方法だが、まあそれには訳がある。
&bold(){概要}
コイツはキク科シオン属の多年草であるシオンの種子に似た外見を有する植物の種子である。普通に栽培すれば異常性の無いただのシオンが咲く。
ただ、この種子を体内に取り込んだ人物(以下、被験者)が死亡した場合にその異常性が発揮される。被験者が死亡するとその死体を覆い隠す様にシオンに似た花(SCP-768-JP-1)が&font(#008000){繁茂}する。
多くのSCP-768-JP-1は&bold(){十秒以内に成長が完了}し、開花するとその成長を止める。これも異常なのだが本命はここからだ。
開花と同時に被験者の死体やその周囲1.5m以内に落ちている所持品、&bold(){その人物に関わる一切の記憶が消失}する。
もう一度繰り返す。種を取り込んだ人が死ぬと死体が花で覆い尽くされ、死体と所持品、
&bold(){死んだ人物に関わる一切の記憶が全世界の人々から&font(#89c3eb){消失}する。}
なぜそんな事が可能なのか想像もつかないが、それがSCiPなのだから考えても仕方ない。ただし文章などに記された被験者の名前などはそのまま残ってしまう。
しかし被験者の関係者は被験者の名前も忘れているため、あまり気に留めない傾向があるようだ。
負号部隊は何でこんなものを?と思われるだろうが、どうやら戦友の死によって生じる兵士の心的負担を軽減させる目的があったらしい。ちなみにSCP-768-JP-1が初めて発見されたのはアメリカ領アッツ島
#center(){&bold(){そう、あのアッツ島である。}}
一応説明すると
#center(){&bold(){&font(#e2041b){太平洋戦争中に米軍と旧日本軍との間で17日間に渡る激戦が繰り広げられ、物量に勝る米軍に対して徹底抗戦を試みた旧日本軍が全滅する}}}
#right(){と言う惨劇が起こった島である。}
[[太平洋戦争]]の時点で既にSCP-768-JP-1の試験運用は始まっていたらしく、財団は専任の機動部隊をアッツ島その他の場所に派遣して捜索・収容に当たっている。
&bold(){199█/█/██}
&bold(){とある島でSCP-768-JP-1と同様に枯死や腐敗を起こさない植物群が発見された。}外観はシオンではなくエゾムラサキに酷似している。同島はかつて旧日本軍と連合国軍との間で&color(#ff0000){戦闘}が行われており、現在はその関連性が調査されている。
以下は発見された植物群の付近で回収された手記の抜粋である。そこそこ長いので前半を省略するが、ぜひ本家の記事で全文を読んで頂きたい。
#blockquote(){(前略)
気ガ付ケバ辺リガ美シイ花ニ囲マレテ居ル。空腹故ニ見タ幻覚カト思ツテ居タガ 上官モナンダコレハト言ウカラ本物ノ花ナノダロウ。アンマリニモ綺麗ダカラ一輪摘ンデ日記ニ挿ムコトニシタ。誰モ私ノ葬式ナドシナイダロウカラ 此レガ供花ノ代ワリデアル。
モウ行カナクテハナラナイ。父母兄妹ニ言イタイ事ハ限リナクアル。ダガ恐ラク此ノ日記ガ彼等ノ元ニ届ク事ハナイダロウ。ナラバ一言ダケ 書イテ置キタイ言葉ガ有ル。父母ヨ 兄妹ヨ &bold(){私ハ貴方ヲ忘レナイ。ダガ貴方ハドウカ私ノ事ハ万事忘レテ幸福ニ暮ラシテクレ。}ドウカ達者デ。
第██連隊第一小隊三分隊一番番号三十二 山田 勤}
手記の内容から周辺の調査が行われた結果、新たに4種類のSCP-768-JP-1の亜種と思われる植物が発見された。そこで財団は考えた。
&bold(){第二次世界大戦で死んだ兵士は、実際はもっと多いのではないか?}と。
そうなれば全員の身元を特定し、丁重に弔ってやりたい所だがこの要請は却下されている。
#blockquote(){&bold(){我々にとって重要なのはSCP-768-JP-1、どんな季節でも咲き続ける異常な花を社会から一つ残らず回収することであり、それが誰の死体から生えたのかは然して問題でありません。}確かに彼らの死は痛ましいものであり、正当な手順で弔われるべきなのでしょう。しかし、&bold(){それは我々の仕事ではありません。}我々には現在生きている、あるいは未来を生きる人類を守る重大な責務があります。彼らのように過去の、あるいは人々の記憶から消え去り過去にすら存在しなくなった人物に対して割かれる時間はありません。(中略)彼らの残渣がどんな不遇な目に遭ったとしてもそれを嘆く人間は一人たりとも居ないのですから。
#right(){日本支部理事 升}}
致し方ない。財団の資源とて有限なのだ。
余談だがシオンの花言葉は「追憶」、「遠方にある人を思う」
そして&bold(){「君を忘れない」}。
#center(){悲しいかな、誰もあなたを覚えていない。}
#center(){&sizex(7){SCP-768-JP &color(#89c3eb){忘憂花}}}
#right(){#openclose(show=▷ CC BY-SA 3.0に基づく表示){
SCP-768-JP 忘憂花
by hyoroika09
http://scp-jp.wikidot.com/scp-768-jp
この項目の内容は『[[クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス>https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja]]』に従います。
花言葉の参考元 『花言葉-由来』 https://hananokotoba.com/ 閲覧日2020年4月15日 運営者 イーガオジャパン合同会社}}
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#right(){追記・修正は忘れずにお願いします。
#vote3(time=600,19)
}
#include(テンプレ3)
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#areaedit()
- まさに「俺のことは忘れな!草」である -- 名無しさん (2020-04-17 13:49:11)
- ↑トマトが飛んでったぞ -- 名無しさん (2020-04-17 13:53:20)
- >私ガ玉砕シタコトヲ聞ケバ 父母ハ勇敢ニ戦ツタト喜ブダロウ。ダガソレハ見セカケノ喜ビデ 内心ハヤハリ悲シムノダロウ。ソンナ風ニ気ヲ病ンデ仕舞ウヨリ 私ノ事ハスッカリ忘レテ生キテ欲シイ。 こんなこと日記に書いてても、心の何処かでは弔って欲しい気持ちがあったのだろうか 異常に生命力の高い花なのはその思いからだったりして -- 名無しさん (2020-04-17 14:27:18)
- 忘れ草の話だっけ 今昔物語だったかな? -- 名無しさん (2020-04-17 16:56:59)
- 忘れられたのは誰かはわからなくても、忘れられた誰かがいることを知る人たちがいるってところに少し救いを感じる -- 名無しさん (2020-04-17 19:22:26)
- 収容サイトは本土だろうし、ようやく帰れたんだな -- 名無しさん (2020-05-04 07:14:59)
- ↑泣いた -- 名無しさん (2020-05-04 20:40:13)
- FF零式味を感じる・・・ -- 名無しさん (2020-07-27 02:44:37)
- 花に亡霊を -- 名無しさん (2022-02-22 18:15:45)
- 短いけど色々と考えさせられるSCP。とても良い… -- 名無しさん (2024-04-06 17:37:38)
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