刻の封印(遊戯王OCG)

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&font(#6495ED){登録日}:2021/02/11 (木) 11:21:07 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 6 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- 《&ruby(とき){刻}の&ruby(ふういん){封印}》とは[[遊戯王オフィシャルカードゲーム]]のカードの1つで罠カード。 初収録は2期の「Curse of Anubis -アヌビスの呪い-」で「DUELIST LEGACY Volume.1 」「BEGINNER'S EDITION 1(4期)」で再録されておりどれもノーマル。 現在は無制限カードだが、16年もの間[[禁止カード>禁止カード(遊戯王OCG)]]に指定されていた1枚である。 *カードの性能 #blockquote(){通常罠 (1):次の相手ドローフェイズをスキップする。} &bold(){フリーチェーンのノーコストで発動しただけでドローフェイズを潰す}という《[[八汰烏>八汰烏(遊戯王OCG)]]》の様な凶悪な効果を持っている。 《八汰烏》と違い使い回せないとはいえ戦闘ダメージを与える必要もなく、罠カードを発動するだけで良いため確実性は上。 更にフリーチェーンのため《[[サイクロン>サイクロン(遊戯王OCG)]]》などの除去の無駄撃ちを誘う事も可能でブラフとしても優秀。 基本的にカードをドローしないと行動を起こせないTCGにおいて、気軽に使えるドローロックという逆転の要素を否定したこのカードの罪は重く2006/03/01の制限改訂において&bold(){無制限カードから一気に禁止カードへ指定された。} 同改訂で禁止カードになった《[[ヴィクトリー・ドラゴン>ヴィクトリー・ドラゴン(遊戯王OCG)]]》同様、&bold(){記念すべき(?)無制限から一気に禁止になったカード第一号となった。} インフレが進み罠カードの採用率が低下した現代でも、禁止から制限カードに緩和されるのに16年以上の時を要しており、無制限化への緩和は更に年単位の間が空いた。 時代が進んだとはいえ、公式もこのカードが再びゲーム性を破壊する事態を強く警戒していたということだろう。 追記・修正はドローロックコンボから《ヴィクトリー・ドラゴン》にダイレクトアタックを喰らった人にお願いします。 #include(テンプレ2) 上記の説明は全くの嘘ではないのだが実際は少し違う。 *実際の所の性能 &bold(){ぶっちゃけ言って単体のカードとしては強くない。} 使用可能だった当時ですら汎用カードとしての活躍は殆どなかった。 ノーコストでほぼ確実にドローロックできるとはいえここで遊戯王のルールを思い出して欲しい。 「&bold(){罠カードはセットした次のターンから発動できる}」と「&bold(){原則的にドローフェイズのドローの前にはカードの発動はできない}」の2点である。 つまりこのカードをセットして最速で発動した場合&bold(){相手のドローフェイズのドロー後であり}、封じられるドローは&bold(){次の次のドローフェイズのドローと&font(#ff0000){非常に遅い}}。 一応《王家の神殿》などの罠カードをセットしたターンに発動できるカードを併用すれば直後のドローフェイズのドローを封じる事はできるのだが、次にドローロックという戦術自体の問題点が立ち塞がる。 ドローロックと言うのは逆転の要素を完全に潰すという凶悪な物ではあるが、&bold(){相手との優位差を作った後の話である。} その為、相手のリソースに触れない遅効性の1:1交換に過ぎない。 つまり、ダメ押しの一発程度にしか役に立たないこれを入れるぐらいなら、相手のカードへの除去や妨害などを入れた方が即効性も柔軟性もあるのでよっぽど役に立つ。 実際墓地に落としてしまうとはいえ、事実上ドローを潰せるはたき落としシリーズが全く使われていないのである。 《強烈なはたき落とし》はドロー潰し以外にもサーチへのカウンターとしての運用は可能だが、《刻の封印》にはその様な他の用途でも使える様な要素はない。 先程《王家の神殿》などを使えば次のドローを潰せると言ったが、コンボ性の高い2枚を使ってまで相手の1枚を潰しに行くのは効率が悪すぎるという話になる。 当時ですら遅いのだから&bold(){高速化が進んだ現在では相手の次の次のドローフェイズを封じるという悠長な事にリソースを使っている暇などなく}、そもそも&bold(){そのタイミングが訪れる前に決着がつくことも珍しくはない}。 &bold(){仮に今禁止カードから緩和されても&font(#ff0000){普通に使うには弱すぎて全く使われないと言って良い。}} **では何で《刻の封印》は[[禁止カード>禁止カード(遊戯王OCG)]]になったの? 確かに普通に使う分には弱いのだが、&bold(){相手に対して優位に立った上で発動すれば相手は抵抗手段をドローできず何もできなくなる状況を作れることには変わりはない。} 普通に考えるとその状況を作ってしまえば後はトドメを刺せばいいだけなのでやっぱりダメ押しにしかならない様に思えるが、マッチ戦においてはこの状況を作った後に意味がある。 《刻の封印》が主に使われていたデッキは&bold(){【[[Vドラコントロール>ヴィクトリー・ドラゴン(遊戯王OCG)]]】}と&bold(){【TOD】}((Time Over Deathの略。))であり、&font(#ff0000){サイドデッキを使われる前の1戦目にマッチ勝利を確定させることを目標とした所謂&bold(){マッチキル}と言われる系統}のデッキである。 《闇の仮面》と《月読命》で無限に《刻の封印》を回収できるコンボを成立させ、その時点で相手に打破できるカードがなければ相手は完全に身動きが取れなくなってしまう。 【Vドラコントロール】ではゆっくりと《ヴィクトリー・ドラゴン》の効果で勝利する準備を整える事ができる。 【TOD】では「&bold(){マッチ1本目で時間切れになった場合エキストラターンを行い、エキストラターン終了時にライフの多いプレイヤーの勝利とする}」というルールを利用して、上記のコンボで時間を稼ぎ勝利を目指すと言った戦術になる。 &bold(){この時期の公式大会ではシングルデュエルでのサレンダー(投了)は認められないため}この様な状況に陥ってしまったら後は相手がマッチキルを決めるまで眺めているか、マッチでのサレンダーをするかしかできなくなる。 上記のマッチキル狙いのデッキでの活躍が目立ち禁止カードになった経緯があり、コンボパーツとしての活躍だったのである。 **結局何で《刻の封印》は禁止カードのままだったの? 公式からの声明はないので本当の理由は不明ではあるが、プレイヤーからは&bold(){カードパワーよりも緩和する理由が特にない}という説が囁かれている。 前述したマッチキル系統のデッキは&bold(){ルール上の問題が多いデッキである}。 マッチ1戦目で決める事を目標としているためサイドデッキでの対策を許さず、環境に出てくるとメインデッキからの対策を余儀なくされてしまう。 つまり、&bold(){マッチ戦の意味そのものを脅かすことになってしまう}。 また、&font(#ff0000){故意にデッキを崩すなどの反則行為をすることで反則負けのシングルロスとはなるがマッチ敗北を回避できる}というルールの穴を突いた対策があり物議を醸すことになった。 &bold(){明らかなマナー違反と引き換えに、ルール上は一応のコンティニューができる…}という、ヘルカイザーも真っ青なジレンマを素直に歓迎するプレイヤーはまずいない。 【TOD】に関しては上記に加えて時間を長く使うデッキのためデュエルが長引き大会の運営に悪影響が出てしまう。 後で言う所の[[これ>魔鍾洞(遊戯王OCG)]]に近い問題点を抱えている訳である。 結局の所は&font(#ff0000){&bold(){緩和しても普通には全く使われず、使うのは前述の様なルールを揺るがしたり大会運営までに支障をきたす物議を醸す様なデッキだけであり、ゲームの幅を広げたり面白くするようなカードでもない}}という事だろう。 現在でも《闇の仮面》と《月読命》の様な無限回収コンボが実用性があるかはさておき、それでも使われてしまったら公式であるKONAMIを含めて大半の人間が得をしない結果になるだろう。 カードパワーだけでなく、それ以外の要素でゲーム的な問題を孕んだカードとして指定されている可能性があるという事である。 **そして緩和へ…… 2022年10月1日のリミットレギュレーションで&bold(){エラッタ無しで制限カードに緩和された}。 当時よりサポートは増えているとはいえ、やはり単体では大したことがないと判断されたのだろう。 活用方法が考案されても目立った活躍はなく、2024年7月1日、&bold(){準制限への緩和をすっ飛ばして無制限カードとなった}。 複数枚採用できるようになったため、《トラップトリック》でデッキからセットできるようになり、発動するハードルは下がっている。 2023年より「日本選手権予選及び本選」「DUELIST KING CUP」「AREA CHAMPIONSHIP」などの公式の大型の大会では&bold(){マッチの勝敗が決定しない状況のみサレンダーが可能とルールが変更された}のも大きく、遅延行為に悪用するのは不可能となっている。 *原作・アニメでは アニメDMで[[闇遊戯]]が使用している。 原作におけるレア・ハンター戦において時間稼ぎのために使用したが、この時なぜか通常のドローより前に発動している。 上で述べた通りOCGでは不可能な挙動である。 *OCG以外の《刻の封印》 ボードゲームと化したPS2時代の異色作、[[真DM2>遊☆戯☆王 真デュエルモンスターズⅡ 継承されし記憶]]では&bold(){魔法カード}として登場。デスティニードローで引けるカードの1つでもある。 相手フィールドの最も攻撃力が高いモンスター1体を永続呪縛する効果を持っている。 呪縛とは移動も戦闘も効果の発動もできなくなり、それでいて場札枚数制限には含まれるという厄介な状態異常で、 基本的には1~2ターンで解除されるが永続呪縛はその名の通り自然回復せず、何らかの方法で始末しなければ完全な置物と化してしまう。 しかも永続呪縛は多くは「倒された時に相手モンスターに対して発動する」効果を内蔵したモンスターが持っているが、 これはフィールドのどこからでも発動できるという利点を持っている。 短所はコスト50とかなり高い((同コスト帯には《[[死者蘇生>死者蘇生(遊戯王)]]》、《[[ブラック・ホール>ブラック・ホール(遊戯王OCG)]]》、攻撃力2500~2600程の主力級モンスターといった強力なカードが並ぶ。))事と、転生((5戦毎に1回、カード1枚と引き換えに同程度のコストのカード3枚を入手できる機能。何が出るかはコスト以外ランダム。《刻の封印》の場合はコスト50前後のカードを別で用意してそのカードを捨てる必要がある。))でしか入手できないという入手難度の高さ。 総じて、かなりテクニカルなカードであるOCGとは異なり普通に強力なパワーカードである。 追記・修正はデッキを崩しながらお願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,4) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - ルールに関わるやつはあかん… -- 名無しさん (2021-02-11 11:53:52) - 禁止カードの中でも超マイナーな部類。コナミも果たして覚えているのやら・・・ -- 名無しさん (2021-02-11 13:05:00) - カードプールが年々増大している環境なら下手に緩和して悪用される未来が見える -- 名無しさん (2021-02-11 13:18:44) - 強そうに見えて普通に使う分にはそこまで強くないが凶悪なコンボパーツに使われかねないからというある意味珍しいタイプの禁止カード。ひたすら使い回してロックをかけ続けるデッキとかロマンはあるが使われるのは嫌過ぎるな -- 名無しさん (2021-02-11 13:22:15) - 満足「使っても構わんよ?」 -- 名無しさん (2021-02-11 13:41:14) - 実用性があろうがなかろうが「ゲームの幅を広めるものでもない緩和する理由もない」カードは永久投獄と同義なのがよく分かる -- 名無しさん (2021-02-11 13:45:14) - 「こいつが釈放されて楽しいデッキが生まれる」メリットよりも「こいつが釈放されてクソつまらないウンコの山が生まれる」デメリットの方を重く取ってるわけか -- 名無しさん (2021-02-11 15:54:03) - 雑魚だが過去にループのパーツとして使われて禁止になりそのまま -- 名無しさん (2021-02-11 16:14:42) - ラッシュの方で導入したらヤバそう -- 名無しさん (2021-02-11 20:57:26) - ↑ドローを一枚減らすくらいにするだけなら…いやでも面白くねえな… -- 名無しさん (2021-02-11 22:54:06) - デュエル中に1度しか使えないとかにしないとループのパーツにされるのは目に見えるな -- 名無しさん (2021-02-12 14:15:19) - 海外で制限復帰か… -- 名無しさん (2022-05-18 01:29:38) - 日本でも復帰来たな。でも使われるかどうか -- 名無しさん (2022-09-11 21:09:51) - なんか八咫烏みたいな記事になっているな。 -- 名無しさん (2023-02-17 14:56:11) - ↑1 追記 少し前までの八咫烏の記事ね。 -- 名無しさん (2023-02-17 14:57:19) - バックアップ見ればわかるけどこの記事は元々「ぶっちゃけお世辞にも禁止カードになるようなスペックではない。では何が問題だったのかというと~」っていう流れで建てられた記事だからね。逆にヤタは「誰が見てもぶっ壊れ!もう二度と帰ってくることはない!」みたいに大げさな記事として建てられたから修正しづらくなっちゃったけど。 -- 名無しさん (2023-02-17 15:53:21) - ドローロック効果ってわかりやすく逆転される可能性を低減できる効果だけどあまり実装されないね -- 名無しさん (2023-10-10 19:52:04) - 通常罠を扱うデッキの有力候補であるラビュリンスですら使われてるの見たことないけど、あいつらの存在で緩和は制限止まりなんかな。マッチ戦でシングルサレを認めるような動きが公式で出てきているから、完全にそうなったら無制限でも良い感。 -- 名無しさん (2023-11-03 10:53:02) - 制限解除おめでとう -- 名無しさん (2024-06-24 02:18:54) - 強くはないけど使われるとしたらロクな使い方じゃない=解除の必要性が(商売的な意味で)ないこのカードが制限解除されたってことは、近いうちにエルマとかもそろそろ帰ってくるかな? -- 名無しさん (2024-06-24 02:47:23) - ラビュリンスは元々ハンデスギミックと家具のおかげで、長期戦で優勢を保ててる限り相手のドロー1枚ではまず負けないからね -- 名無しさん (2024-08-26 12:51:52) - ラビュリンスでも使わないこの雑魚カードがMDで未だに禁止なことに驚いた -- 名無しさん (2025-01-22 00:26:24) #comment(striction) #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2021/02/11 Thu 11:21:07 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 6 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- 《&ruby(とき){刻}の&ruby(ふういん){封印}》とは[[遊戯王オフィシャルカードゲーム]]のカードの1つで罠カード。 初収録は2期の「Curse of Anubis -アヌビスの呪い-」で「DUELIST LEGACY Volume.1 」「BEGINNER'S EDITION 1(4期)」で再録されておりどれもノーマル。 現在は無制限カードだが、16年もの間[[禁止カード>禁止カード(遊戯王OCG)]]に指定されていた1枚である。 *カードの性能 #blockquote(){通常罠 (1):次の相手ドローフェイズをスキップする。} &bold(){フリーチェーンのノーコストで発動しただけでドローフェイズを潰す}という《[[八汰烏>八汰烏(遊戯王OCG)]]》の様な凶悪な効果を持っている。 《八汰烏》と違い使い回せないとはいえ戦闘ダメージを与える必要もなく、罠カードを発動するだけで良いため確実性は上。 更にフリーチェーンのため《[[サイクロン>サイクロン(遊戯王OCG)]]》などの除去の無駄撃ちを誘う事も可能でブラフとしても優秀。 基本的にカードをドローしないと行動を起こせないTCGにおいて、気軽に使えるドローロックという逆転の要素を否定したこのカードの罪は重く2006/03/01の制限改訂において&bold(){無制限カードから一気に禁止カードへ指定された。} 同改訂で禁止カードになった《[[ヴィクトリー・ドラゴン>ヴィクトリー・ドラゴン(遊戯王OCG)]]》同様、&bold(){記念すべき(?)無制限から一気に禁止になったカード第一号となった。} インフレが進み罠カードの採用率が低下した現代でも、禁止から制限カードに緩和されるのに16年以上の時を要しており、無制限化への緩和は更に年単位の間が空いた。 時代が進んだとはいえ、公式もこのカードが再びゲーム性を破壊する事態を強く警戒していたということだろう。 追記・修正はドローロックコンボから《ヴィクトリー・ドラゴン》にダイレクトアタックを喰らった人にお願いします。 #include(テンプレ2) 上記の説明は全くの嘘ではないのだが実際は少し違う。 *実際の所の性能 &bold(){ぶっちゃけ言って単体のカードとしては強くない。} 使用可能だった当時ですら汎用カードとしての活躍は殆どなかった。 ノーコストでほぼ確実にドローロックできるとはいえここで遊戯王のルールを思い出して欲しい。 「&bold(){罠カードはセットした次のターンから発動できる}」と「&bold(){原則的にドローフェイズのドローの前にはカードの発動はできない}」の2点である。 つまりこのカードをセットして最速で発動した場合&bold(){相手のドローフェイズのドロー後であり}、封じられるドローは&bold(){次の次のドローフェイズのドローと&font(#ff0000){非常に遅い}}。 一応《王家の神殿》などの罠カードをセットしたターンに発動できるカードを併用すれば直後のドローフェイズのドローを封じる事はできるのだが、次にドローロックという戦術自体の問題点が立ち塞がる。 ドローロックと言うのは逆転の要素を完全に潰すという凶悪な物ではあるが、&bold(){相手との優位差を作った後の話である。} その為、相手のリソースに触れない遅効性の1:1交換に過ぎない。 つまり、ダメ押しの一発程度にしか役に立たないこれを入れるぐらいなら、相手のカードへの除去や妨害などを入れた方が即効性も柔軟性もあるのでよっぽど役に立つ。 実際墓地に落としてしまうとはいえ、事実上ドローを潰せるはたき落としシリーズが全く使われていないのである。 《強烈なはたき落とし》はドロー潰し以外にもサーチへのカウンターとしての運用は可能だが、《刻の封印》にはその様な他の用途でも使える様な要素はない。 先程《王家の神殿》などを使えば次のドローを潰せると言ったが、コンボ性の高い2枚を使ってまで相手の1枚を潰しに行くのは効率が悪すぎるという話になる。 当時ですら遅いのだから&bold(){高速化が進んだ現在では相手の次の次のドローフェイズを封じるという悠長な事にリソースを使っている暇などなく}、そもそも&bold(){そのタイミングが訪れる前に決着がつくことも珍しくはない}。 &bold(){仮に今禁止カードから緩和されても&font(#ff0000){普通に使うには弱すぎて全く使われないと言って良い。}} **では何で《刻の封印》は[[禁止カード>禁止カード(遊戯王OCG)]]になったの? 確かに普通に使う分には弱いのだが、&bold(){相手に対して優位に立った上で発動すれば相手は抵抗手段をドローできず何もできなくなる状況を作れることには変わりはない。} 普通に考えるとその状況を作ってしまえば後はトドメを刺せばいいだけなのでやっぱりダメ押しにしかならない様に思えるが、マッチ戦においてはこの状況を作った後に意味がある。 《刻の封印》が主に使われていたデッキは&bold(){【[[Vドラコントロール>ヴィクトリー・ドラゴン(遊戯王OCG)]]】}と&bold(){【TOD】}((Time Over Deathの略。))であり、&font(#ff0000){サイドデッキを使われる前の1戦目にマッチ勝利を確定させることを目標とした所謂&bold(){マッチキル}と言われる系統}のデッキである。 《闇の仮面》と《月読命》で無限に《刻の封印》を回収できるコンボを成立させ、その時点で相手に打破できるカードがなければ相手は完全に身動きが取れなくなってしまう。 【Vドラコントロール】ではゆっくりと《ヴィクトリー・ドラゴン》の効果で勝利する準備を整える事ができる。 【TOD】では「&bold(){マッチ1本目で時間切れになった場合エキストラターンを行い、エキストラターン終了時にライフの多いプレイヤーの勝利とする}」というルールを利用して、上記のコンボで時間を稼ぎ勝利を目指すと言った戦術になる。 &bold(){この時期の公式大会ではシングルデュエルでのサレンダー(投了)は認められないため}この様な状況に陥ってしまったら後は相手がマッチキルを決めるまで眺めているか、マッチでのサレンダーをするかしかできなくなる。 上記のマッチキル狙いのデッキでの活躍が目立ち禁止カードになった経緯があり、コンボパーツとしての活躍だったのである。 **結局何で《刻の封印》は禁止カードのままだったの? 公式からの声明はないので本当の理由は不明ではあるが、プレイヤーからは&bold(){カードパワーよりも緩和する理由が特にない}という説が囁かれている。 前述したマッチキル系統のデッキは&bold(){ルール上の問題が多いデッキである}。 マッチ1戦目で決める事を目標としているためサイドデッキでの対策を許さず、環境に出てくるとメインデッキからの対策を余儀なくされてしまう。 つまり、&bold(){マッチ戦の意味そのものを脅かすことになってしまう}。 また、&font(#ff0000){故意にデッキを崩すなどの反則行為をすることで反則負けのシングルロスとはなるがマッチ敗北を回避できる}というルールの穴を突いた対策があり物議を醸すことになった。 &bold(){明らかなマナー違反と引き換えに、ルール上は一応のコンティニューができる…}という、ヘルカイザーも真っ青なジレンマを素直に歓迎するプレイヤーはまずいない。 【TOD】に関しては上記に加えて時間を長く使うデッキのためデュエルが長引き大会の運営に悪影響が出てしまう。 後で言う所の[[これ>魔鍾洞(遊戯王OCG)]]に近い問題点を抱えている訳である。 結局の所は&font(#ff0000){&bold(){緩和しても普通には全く使われず、使うのは前述の様なルールを揺るがしたり大会運営までに支障をきたす物議を醸す様なデッキだけであり、ゲームの幅を広げたり面白くするようなカードでもない}}という事だろう。 現在でも《闇の仮面》と《月読命》の様な無限回収コンボが実用性があるかはさておき、それでも使われてしまったら公式であるKONAMIを含めて大半の人間が得をしない結果になるだろう。 カードパワーだけでなく、それ以外の要素でゲーム的な問題を孕んだカードとして指定されている可能性があるという事である。 **そして緩和へ…… 2022年10月1日のリミットレギュレーションで&bold(){エラッタ無しで制限カードに緩和された}。 当時よりサポートは増えているとはいえ、やはり単体では大したことがないと判断されたのだろう。 活用方法が考案されても目立った活躍はなく、2024年7月1日、&bold(){準制限への緩和をすっ飛ばして無制限カードとなった}。 複数枚採用できるようになったため、《トラップトリック》でデッキからセットできるようになり、発動するハードルは下がっている。 2023年より「日本選手権予選及び本選」「DUELIST KING CUP」「AREA CHAMPIONSHIP」などの公式の大型の大会では&bold(){マッチの勝敗が決定しない状況のみサレンダーが可能とルールが変更された}のも大きく、遅延行為に悪用するのは不可能となっている。 *原作・アニメでは アニメDMで[[闇遊戯]]が使用している。 原作におけるレア・ハンター戦において時間稼ぎのために使用したが、この時なぜか通常のドローより前に発動している。 上で述べた通りOCGでは不可能な挙動である。 *OCG以外の《刻の封印》 ボードゲームと化したPS2時代の異色作、[[真DM2>遊☆戯☆王 真デュエルモンスターズⅡ 継承されし記憶]]では&bold(){魔法カード}として登場。デスティニードローで引けるカードの1つでもある。 相手フィールドの最も攻撃力が高いモンスター1体を永続呪縛する効果を持っている。 呪縛とは移動も戦闘も効果の発動もできなくなり、それでいて場札枚数制限には含まれるという厄介な状態異常で、 基本的には1~2ターンで解除されるが永続呪縛はその名の通り自然回復せず、何らかの方法で始末しなければ完全な置物と化してしまう。 しかも永続呪縛は多くは「倒された時に相手モンスターに対して発動する」効果を内蔵したモンスターが持っているが、 これはフィールドのどこからでも発動できるという利点を持っている。 短所はコスト50とかなり高い((同コスト帯には《[[死者蘇生>死者蘇生(遊戯王)]]》、《[[ブラック・ホール>ブラック・ホール(遊戯王OCG)]]》、攻撃力2500~2600程の主力級モンスターといった強力なカードが並ぶ。))事と、転生((5戦毎に1回、カード1枚と引き換えに同程度のコストのカード3枚を入手できる機能。何が出るかはコスト以外ランダム。《刻の封印》の場合はコスト50前後のカードを別で用意してそのカードを捨てる必要がある。))でしか入手できないという入手難度の高さ。 総じて、かなりテクニカルなカードであるOCGとは異なり普通に強力なパワーカードである。 追記・修正はデッキを崩しながらお願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,4) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - ルールに関わるやつはあかん… -- 名無しさん (2021-02-11 11:53:52) - 禁止カードの中でも超マイナーな部類。コナミも果たして覚えているのやら・・・ -- 名無しさん (2021-02-11 13:05:00) - カードプールが年々増大している環境なら下手に緩和して悪用される未来が見える -- 名無しさん (2021-02-11 13:18:44) - 強そうに見えて普通に使う分にはそこまで強くないが凶悪なコンボパーツに使われかねないからというある意味珍しいタイプの禁止カード。ひたすら使い回してロックをかけ続けるデッキとかロマンはあるが使われるのは嫌過ぎるな -- 名無しさん (2021-02-11 13:22:15) - 満足「使っても構わんよ?」 -- 名無しさん (2021-02-11 13:41:14) - 実用性があろうがなかろうが「ゲームの幅を広めるものでもない緩和する理由もない」カードは永久投獄と同義なのがよく分かる -- 名無しさん (2021-02-11 13:45:14) - 「こいつが釈放されて楽しいデッキが生まれる」メリットよりも「こいつが釈放されてクソつまらないウンコの山が生まれる」デメリットの方を重く取ってるわけか -- 名無しさん (2021-02-11 15:54:03) - 雑魚だが過去にループのパーツとして使われて禁止になりそのまま -- 名無しさん (2021-02-11 16:14:42) - ラッシュの方で導入したらヤバそう -- 名無しさん (2021-02-11 20:57:26) - ↑ドローを一枚減らすくらいにするだけなら…いやでも面白くねえな… -- 名無しさん (2021-02-11 22:54:06) - デュエル中に1度しか使えないとかにしないとループのパーツにされるのは目に見えるな -- 名無しさん (2021-02-12 14:15:19) - 海外で制限復帰か… -- 名無しさん (2022-05-18 01:29:38) - 日本でも復帰来たな。でも使われるかどうか -- 名無しさん (2022-09-11 21:09:51) - なんか八咫烏みたいな記事になっているな。 -- 名無しさん (2023-02-17 14:56:11) - ↑1 追記 少し前までの八咫烏の記事ね。 -- 名無しさん (2023-02-17 14:57:19) - バックアップ見ればわかるけどこの記事は元々「ぶっちゃけお世辞にも禁止カードになるようなスペックではない。では何が問題だったのかというと~」っていう流れで建てられた記事だからね。逆にヤタは「誰が見てもぶっ壊れ!もう二度と帰ってくることはない!」みたいに大げさな記事として建てられたから修正しづらくなっちゃったけど。 -- 名無しさん (2023-02-17 15:53:21) - ドローロック効果ってわかりやすく逆転される可能性を低減できる効果だけどあまり実装されないね -- 名無しさん (2023-10-10 19:52:04) - 通常罠を扱うデッキの有力候補であるラビュリンスですら使われてるの見たことないけど、あいつらの存在で緩和は制限止まりなんかな。マッチ戦でシングルサレを認めるような動きが公式で出てきているから、完全にそうなったら無制限でも良い感。 -- 名無しさん (2023-11-03 10:53:02) - 制限解除おめでとう -- 名無しさん (2024-06-24 02:18:54) - 強くはないけど使われるとしたらロクな使い方じゃない=解除の必要性が(商売的な意味で)ないこのカードが制限解除されたってことは、近いうちにエルマとかもそろそろ帰ってくるかな? -- 名無しさん (2024-06-24 02:47:23) - ラビュリンスは元々ハンデスギミックと家具のおかげで、長期戦で優勢を保ててる限り相手のドロー1枚ではまず負けないからね -- 名無しさん (2024-08-26 12:51:52) - ラビュリンスでも使わないこの雑魚カードがMDで未だに禁止なことに驚いた -- 名無しさん (2025-01-22 00:26:24) #comment(striction) #areaedit(end) }

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