緋色の研究(小説)

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&font(#6495ED){登録日}:2021/05/28 Fri 14:41:57 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 3 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){&bold(){&big(){&i(){There’s &font(red){the scarlet thread of murder} running through the colourless skein of life, and our duty is to unravel it, and isolate it, and expose every inch of it.}}}} #center(){&bold(){(人生という無色の糸カセには、それを貫く&font(red){殺人という緋色の糸}がある。我々の務めはそれをほぐし、選り分け、隅々まで暴き抜くことだ)}} #right(){─── A.Conan Doyle「A Study in Scarlet」より引用} *【概要】 &size(20){「&font(red){緋色}の研究/A Study in &font(red){Scarlet}」}はアーサー・コナン・ドイルの長編小説。1887年初版発行。 ドイルの生み出した名探偵[[シャーロック・ホームズ]]が初登場した記念すべき第1作目。 本作は2部構成。ワトソンとホームズの出会いの場面から始まり、彼が目覚ましい活躍を見せとある殺人事件を解決するまでを描く。 本作自体がワトソンが残した回顧録から復刻された小説という設定で、第2部は犯人が被害者を殺害するに至った動機を描く形式がとられている。 なおこの2部構成方式は、後に『恐怖の谷』でも使用されている。 アニヲタ的な面で言えば『[[名探偵コナン]]』において冒頭の台詞が『ホームズの黙示録』『[[名探偵コナン ベイカー街の亡霊]]』などのエピソードや劇場版作品でも引用されているので、『緋色の研究』をまだ読んだことの無い人も台詞だけは知っているだろう。また、ガノタには[[ヒイロ・ユイ]]のファーストネームの元ネタとしてもおなじみだろう。 ちなみに、本作では後半&bold(){実在の[[宗教]]が登場しているが}、それに関する描写が古かったり実態に即していなかったりとある意味失礼な書かれ方もされている。 このため、少なくともここ数十年程はそのままの[[実写化]]は実現しておらず(一応1910年代にあったそうだが)、リメイク作『[[SHERLOCK>SHERLOCK(海外ドラマ)]]』で本作を元にした『ピンク色の研究』が制作された際も、動機は変更されたし第2部は扱われなかった。 また日本で制作された[[NHK>日本放送協会(NHK)]]人形劇版『シャーロック ホームズ』では、ジャンルを学園ものに変更したのもあり、短編『六つのナポレオン』と合わせて『最初の冒険』としてリメイクされた。 ただ「明確なビジュアライズ」をしなければこの問題をクリアできるということなのか、2020年には毛利亘宏演出による「ホームズとワトソンによる二人芝居の朗読劇」として披露されている。 #region(以下、第2部のネタバレに付き注意!(注:本作は19世紀後半に書かれたフィクションです)) 本作の事件の切っ掛けは、平たく言うと「&bold(){モルモン教がアレな戒律を持ち、それを自由に生きたい街の住人にも支配のため押し付けたから}」。 しかも、作中でその戒律強制を命じたのは&bold(){実在したモルモン教の指導者}(史実ではソルトレイクシティ創設者にして『エンダーのゲーム』原作者の先祖)というおまけつきで。 もちろんフィクションである以上実際のモルモン教とは関係無いだろうし、一方でその戒律自体はかつてのモルモン教に実在し(本作の2年後に廃止されている)指導者自身がその最大の影響力を持つ実行者だったが、 それでも&bold(){被害者がかつてモルモン教の教義と命令を大義名分にして非道を働き、そのせいで真犯人から恨まれて殺された}というストーリーと、&bold(){実在宗教内の実在貢献者が事件の遠因}というのは、 末日聖徒イエス・キリスト教会がそれなりに普及し本拠地でも2002年に冬季五輪が開催される程栄え、日本にもまとまった信徒コミュニティがある現代では扱いづらいだろう。 &s(){また「被害者がモルモン教徒だったら戒律で禁止されている酒を飲むはずねーだろ」等、本拠地から見て異国の地[[イギリス]]で書かれたゆえのリアル戒律への無知も指摘されている。多分ネット時代だったら速攻で出版社に批判が届いていただろう。} #endregion *【あらすじ】 アフガン戦争で受けた負傷と病気のため、ロンドンで静養していた元軍医・ワトソンは、生活資金が底をつきはじめた事から安い賃貸を探していた。 昔馴染みの医師スタンフォードから[[シャーロック・ホームズ]]を紹介されたワトソンは、彼とルームシェアをする事に決める。 ワトソンがアフガニスタンから帰還したのを初対面を果たして間もなく言い当てたホームズに驚きつつも、親交を深めていく二人。 そうする内に、ホームズの元に手紙が届く。「イーノック・ドレバーという男が不可思議な状況で死んだ事件の解決に知恵を貸してほしい」というものだ。 ホームズはスコットランドヤードのレストレードとグレッグソンからの依頼を承諾し、ワトソンと共に現場へ赴き一通りの調査をする。 そして 「&bold(){これは殺人事件で被害者は毒殺され、犯人は男」だと断定したばかりか、その男の人相まで言い当てたのだ。} 果たしてホームズはいかにしてそれらを推理したのか、そして犯人はいったい何者なのか。 ワトソンは事細かにそれらの詳細をメモしていた── *【登場人物】 ・[[シャーロック・ホームズ]] お馴染み名探偵。 スタンフォードが勤務する病院で化学実験に明け暮れていたところをワトソンと出会う。 ベイカー街221Bに下宿することを考えていたが、敷金の高さからルームシェアをする相手を探していた。 長年の習慣により一足飛びで結論を出してしまうためワトソン達を驚かせるが、順序だてて解説することも出来る明晰な頭脳の持ち主。 ・ジョン・H・ワトソン ホームズの相棒。 軍医としてアフガン戦争&footnote(発表年代等や作中での時代設定から、1878年に開戦した『第二次アフガン戦争』とされる。)に赴くが、左肩を撃たれた((後の作品では足を負傷した事に変更されている。))上に病院では腸チフスにかかって生死の境をさまよった末、静養のためにイギリスへ送還された。 しばらくはホテルに住みながら浪費しまくっていたが、そのせいで生活費が心もとなくなり、ホームズとルームシェアを始める。 (ここでいうホテルとは我々がイメージする「旅行時の宿泊施設」ではなく「高級なアパート」に相当する。[[こちらのホテル>HAZBIN HOTEL]]も同様。 当初はホームズの能力を疑問視していたが、その活躍を見届けて感銘を受けたワトソンはある決意をする……。 ・レストレード スコットランドヤード([[イギリス]]警察)の警部。 グレッグソンと張り合っているが、彼ともどもホームズの後塵を拝している。 壁に書かれた「&font(red){Rache}」という血文字を発見し、犯人は「レイチェル(Rachel)」という女だと推理するが、 ホームズからは「『&font(red){Rache}』はドイツ語で『&font(red){復讐}』という意味だ」とあっさり言われてしまう。 一方で後半で事件の犯人を確保した際、警察署での事情聴取の内容を手帳に速記しており、その速記はワトソンも自身のメモの参考にするほど正確だった。 ・トビアス・グレッグソン スコットランドヤードの警部。グレグスンとも。 レストレードに対し並々ならぬ敵対心が窺えるが、作中では残念な活躍ばかり目立つ。 ・ジョン・ランセ 死体の第一発見者で巡査。 深夜警戒中に空き家に明かりが点いていたことから怪しみ、死体を発見した。 犯人らしき人物を見逃したためホームズからは「&bold(){出世できそうにない}」と言われてしまう。 ・ウィギンズ 「ベイカーストリートイレギュラーズ」のリーダー格である浮浪者の少年。 なお「イレギュラーズ」は他にも何人か登場するが、固有の名前が出てくるのは彼のみだしフルネームも不明。 ・[[イーノック]]・J・ドレバー 被害者。訳により「ドレッバー」とも。 ローストリン・ガーデンの空き家で死亡していた。 外傷はないにもかかわらず、部屋には血の跡があった。 かなり横柄で下品な人物だったらしく、大陸旅行中に宿泊した宿の娘に手を出そうとしたらしい。 ・ジョセフ・スタンガーソン ドレバーの秘書。スタンガスンとも。 ドレバーと比べて物静かな人物で、ドレバーの行き過ぎた行動を静止していた。 ・アーサー・シャルパンティエ グレッグソンが逮捕した容疑者。 ドレバーが宿泊していた宿の息子。海軍中尉。妹に粉をかけたドレバーに憤慨していたらしい。 #openclose(show=第2部の登場人物){ ・ジョン・フェリアー 第2部の登場人物。荒野で力尽きかけていた瘦せ細った放浪者。 ルーシーと共に死を覚悟していたところに偶然現れたモルモン教徒((「末日聖徒イエス・キリスト教会」のことで、ソルトレイクシティの開拓&本拠化も史実通り。俗称は聖典のひとつ「モルモン書」に由来する。))のキャラバン隊に助けられる。 後にキャラバン隊等によって開拓されたモルモン教の本拠地ソルトレイクシティの郊外で懸命に働き富豪となるが、段々カルト化していき裏の襲撃組織をも要するとも噂されていくモルモン教に嫌悪を抱くように。 しかし、彼らからある命令を受けて……。 ・ルーシー・フェリアー 第2部の登場人物。5歳くらいの少女。 すでに母親や親族は死亡しており、ジョンと共に死を待つ身だった。 ジョンの養女となり、美しく成長するが……。 ・ブリガム・ヤング &bold(){(注:この作品はフィクションであり、実在の末日聖徒イエス・キリスト教会とその歴史を貶める意図はありません!)} ジョンとルーシーが荒野で死にかけていたいた時に彼らを助けたモルモン教徒隊の指導者にして「預言者」、そしてソルトレイクシティの開拓主導者。&bold(){実在の人物で、現在でも現地にその名を記した大学が存在する。} だがソルトレイクシティに定着して時間が経つにつれ、段々「モルモン教は反抗的な人間を「ダナイト団」「[[復讐]]の天使達」とも言われる裏の組織で粛清している」・「その組織で当時モルモンの教えにあった『&bold(){一夫多妻}』のための女性を略奪している」等噂される様になり、 ついにはジョンの元に現れ、異教徒の青年との仲が噂されるルーシー及びフェリアー家に教えへの忠誠を証明させるため&bold(){スタンガーソンかドレバーとの結婚を命令}。 ジョンが「とりあえず時間をくれ」と要求すると「一か月」の猶予を与え罵詈雑言を浴びせて去り、それから本編には登場しなくなる。だが、代わりに&bold(){密室なはずのフェリアー家内部}や外観に毎日カウントダウン数字が刻まれていき……? ぶっちゃけ作中の事件の切っ掛けはこいつだが、なぜか真犯人の標的にはならなかった。メタな理由としては本作の10年前にリアルヤング氏が天寿を全うしていたからだろうが。 ちなみにリアルのヤング氏やモルモン教はここまでカルトでオカルトに傾倒した人物ではなかったというが、代わりに見て判る形でアメリカ軍等と戦っていたそうで、 また一夫多妻についてもヤング氏は生涯において累計&bold(){約55人}の妻を娶ったという。&s(){徳川家斉か?} ・ジェファーソン・ホープ ソルトレイクシティを訪れた旅の青年。ジェファースンとも。&bold(){本作の真犯人}。 元々はカリフォルニアの開拓をしたり、農場経営をしたりと様々な経験を持つ冒険心の強い男で、乗馬中に落馬したルーシーを助け、相思相愛の仲となる。 ……だが、フェリアー親子にモルモン教が突然押しつけた無体な命令から親子を助けるため、3人で荒野へと脱出するが、少し食糧確保のため離れた後、戻った彼が見たのは&bold(){ジョンの墓標のみ}。 そしてシティに再び行った彼は、&bold(){ルーシーがドレバーと結婚させられた}という残酷な事実を知らされ、一旦は街を離れるも、その後望まぬ結婚のせいで&bold(){ひと月と持たず衰弱死した}彼女の葬儀にこっそり参列。 ルーシーの遺骸から結婚指輪を抜き取り、&bold(){ドレバーとそのお付きにしてもう一人の結婚候補だったスタンガーソンへの復讐に残りの人生を捧げることを決意した}。 それは街の外の荒野に身を潜め、2人が街から出る度上からものを落とすことに始まり、諸事情から一時期復讐活動を控えていた間にモルモン教徒間の争いから教えを捨てたドレバー達が街を去ったと聞くと追跡を開始。 一旦はオハイオで追いつくが通報され逮捕されても釈放後2人が逃げた欧州に渡り、その果てにたどり着いたロンドンで御者に身をやつし……。 そして作中の現在、&bold(){ついにドレバーとスタンガーソンを殺す事に成功したのだった}。早い話が地の果てまで標的をストーカーした男。 イレギュラーズの誘いとは知らずにベーカー街に呼ばれ刑事に拘束された時は、一端暴れるもすぐ落ち着き警察に連行されたが、事情聴取の際「自分は多分裁判にかかることはない(意訳)」と、身体をワトソンに診察させる事で&bold(){重病の大動脈瘤に罹っていると告白}。 どうも長く荒野で過酷な生活をし栄養不足になったのが祟ったらしく、事件の前の週に医師から病を告知されたことで余命僅かと悟ったこともありワトソンやホームズ、警察の前で第2部にあたる犯行動機と、犯行の詳細を供述。 途中で無くしたルーシーの指輪を、ホームズが犯人捜しのため新聞広告にあげた際自分の代わりに取りに行った人物の素性に関してこそ黙秘したが、それ以外は詳細に語り、 全てをやり切った満足感を抱えながら、逮捕と供述の翌日大動脈瘤の破裂により穏やかな顔で息を引き取った……。 ちなみに司法に訴えなかった理由は「時間が経ち過ぎていた」からだそうで、ゆえに自らが「&bold(){裁判官、陪審員、執行者の全てを一人でやる}」と決意し犯行に及んでいる。…最も司法に訴えても「強制結婚」・「遺産横取り」で極刑まで持ち込めたかは微妙だが。 ・イーノック・J・ドレバー ブリガム・ヤングがジョンに「年頃なんだからルーシーは同じ教徒……例えばドレバー家の息子なんかと結婚しろ(意訳)」と命じた事で、ジョンの死後&bold(){当時同宗教で合法だったハーレムに無理やりルーシーを入れ}、彼女が心労から早逝したらフェリアー家の遺産をも奪った外道。 元々はヤングの元でモルモン教の幹部となった「四長老」の一人の息子で、スタンガーソンも息子仲間だった。 後に&font(l){教徒のくせに禁則の酒に溺れたのが祟ったのか}戒律によって結ばれた妻達ごと教えを捨て一般人になったが、ジェファーソンの追跡により各地を転々とする生活に。 作中描写から見るにかなりのクズであることは確かだが、&bold(){実は作中で明確に犯した直接的罪はルーシーとの強制結婚のみ}。 最期の時ジョンの死については無実を訴えたが、&bold(){ジェファーソンにとってはイーノックが彼女の心を壊した事自体が最大の罪}なので、今更そんな言い訳で殺意が消えるはずがなかった。 &font(l){そしてジョン殺害犯が誰だったのかは歴史の闇に消えた。というかそもそも最初にドレバー・ルーシーの結婚命令を下したブリガム・ヤングも復讐対象になったのではとは言ってはいけない。} ・ジョセフ・スタンガーソン 偶々指導者がルーシーの結婚相手候補として挙げ、そして夫候補としてジョンの前に現れその後もドレバーの傍に常にいたことで復讐対象にされた人。&font(l){ちなみにこいつも教えを捨てる際ハーレムをも捨てている。} 微妙にとばっちり感がしないでもないが、少なくともクズなドレバーに最後まで付き従い、彼の下衆な行動を積極的に止めなかったくらいにはアレな人格だったと思われる。 } *【疑問点】 本作に限らずホームズ作品の多くに言えることだが、作者は細かい考証よりもアイディアと物語としての面白さを重視している節があり、そのため後世の読者からは様々な疑問が提唱されている。 以下はその一例である。 #region(ネタバレに付き注意) -第1の殺人事件の現場となった建物の扉は施錠されていたのだから、犯人は鍵を持っていたはずだ。そうなると、前にジェファーソン・ホープの馬車に乗って空き家を見にきた客が鍵を持っていたということで第1の容疑者となるはずだが、警察もホームズもまったくその点について考慮している様子がない。 -ジェファーソン・ホープがベイカー街221B番地に呼び出されたとき、何の疑いも抱かなかったことは不自然である。彼は同じ住所に老女に扮した友人を送り込んでおり、前日に金の指輪についての新聞記事を読んだ直後にその住所を忘れてしまうとは考えにくい。仮に忘れていたとしてもそれは結果論であり、覚えていてなんの不思議もない以上、そんな場所に彼を呼び出そうとするのは不用意で危険な試みである。 -そもそもジェファーソン・ホープは、文字通り殺したいほど憎悪している敵がルーシーに贈った唾棄すべき結婚指輪を、なぜ後生大事に持っていたのか。砕くなり溶かすなりして跡形もなく処分してしまいたくなるのが普通ではないか。実際、「こんなもの」をはめられたまま埋葬はさせないと言って、死体の指から抜き取っているのに。 #endregion 追記・修正は糸束を解しながらお願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,2) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - ワトソンがホームズのルームメイトであることを今初めて知った。なんかワトソンがホームズを訪ねて行ってる印象が強い。 -- 名無しさん (2021-05-28 18:33:06) - ホームズは時系列ランダムだから話によってワトソンがルームメイトやっているかやっていないか変わるよ。ぶっちゃけて言うと、「最後の事件」までの前半の作品では二作目の「四つの署名」のラストでワトソンが結婚してルームシェア解消しちゃうんで、ホームズを訪ねたり呼び出されたりする話は多い。 -- 名無しさん (2021-05-28 18:54:25) - ガノタの諸君!ヒイロ・ユイは無関係と見せかけて実はちょっとあるぞ! -- 名無しさん (2021-05-28 19:57:25) - 緋色の研究ってここでしか出てこないからその場のノリで言っただけじゃないかとか -- 名無しさん (2021-05-28 20:24:36) - 犯人には協力者がいるけれど、その正体は最後まで明かされない。なんで「教授」が一枚噛んでました展開になるのはホームズパスティーシュにおけるある種の定番 -- 名無しさん (2021-05-28 20:58:24) - ↑ まぁ、他に噛むことができそうなヤツいないしなw -- 名無しさん (2021-05-28 21:03:11) - 読んだのが子供用の訳だったから略されたのかと思ってたら、原作でも最後まで明かされないのか。 -- 名無しさん (2021-05-29 18:08:05) - 「緋色の習作」は定着しなかったな -- 名無しさん (2021-05-30 14:54:03) - 記事のストーリーでは真相は明かされてないのに人物と疑問点でネタバレになってしまうのはいかがなものか -- 名無しさん (2021-05-31 18:28:53) - 宗教をうかつに扱うと後々メディア化に支障をきたすという好例。これ作中描写だけ見たら「なぜ犯人はその教団を潰さないんだ」ってなるだろうし。 -- 名無しさん (2021-06-02 13:51:12) - ↑モルモン教の規模的に潰すの無理じゃね? -- 名無しさん (2021-06-07 13:51:11) - 指輪の件についてはJET先生の漫画版だと「唯一の形見であり『復讐』の象徴」となっていたな(指輪=婚姻のために悲劇が起きたわけだし)。臥薪嘗胆だったのでは?長年追いかけた復讐だし指輪を見ては愛しい人のことも憎しみも思い出して己を奮い立たせていたのだろう。指輪を是が非でも取り返しにくるのも頷ける。 -- 名無しさん (2021-06-18 10:34:04) - 「殺す直前に指輪を見せつけて己の罪を思い知らせてやる」と犯人が明言してるから「なぜ指輪を大事に持っていたのか」は「本編読んだ?」と言いたくなるレベルだよ -- 名無しさん (2023-10-28 11:47:01) - ルーシーパパが娘を信徒上層部の息子のハーレムに入れろと命令されて断った時、一ヶ月の猶予を与えられたが、翌朝から「あと29日(※要約)」的なメモがどこからともなく現れて室内にピンで留められ、毎日カウントダウンしていくようになる。扉も窓もがっちり施錠しているのに、隙間から差し入れるどころかどう考えても人間が入って来て壁や家具にピンで留めて行くので、父娘で恐怖に震えていたが、結局この密室トリックが作中で暴かれる事はなかった。過去回想だからホームズにもどうしようもないが。いくら夜中でも警戒している住人相手に全く音を立てずに壁や天井や窓枠を外して入る事なんか不可能だろうに… -- 名無しさん (2024-01-13 13:37:21) - 何かの訳か展開だとファリア氏を直接手にかけたのはスタンガーソンという設定にすることで彼を標的にする合理的理由づけをしていた気がする。 -- 名無しさん (2024-10-05 12:37:47) - でた時期が時期だからパブリックドメインで割と読めるっぽいね -- 名無しさん (2024-10-11 00:30:42) - ↑×2 偕成社のシリーズだな。「フェリア老を撃ち殺したのは俺だからルーシーは俺の物だ」とスタンガスンがドレッパーに迫っていた(とホープの知り合いがホープに語っている)シーンがある。因みに同社のホームズシリーズは色々と改訳や改題が多い。緋色の研究もタイトルが「深夜の恐怖」に改題されてる。 -- 名無しさん (2025-03-24 00:32:38) #comment(striction) #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2021/05/28 Fri 14:41:57 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 3 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){&bold(){&big(){&i(){There’s &font(red){the scarlet thread of murder} running through the colourless skein of life, and our duty is to unravel it, and isolate it, and expose every inch of it.}}}} #center(){&bold(){(人生という無色の糸カセには、それを貫く&font(red){殺人という緋色の糸}がある。我々の務めはそれをほぐし、選り分け、隅々まで暴き抜くことだ)}} #right(){─── A.Conan Doyle「A Study in Scarlet」より引用} *【概要】 &size(20){「&font(red){緋色}の研究/A Study in &font(red){Scarlet}」}はアーサー・コナン・ドイルの長編小説。1887年初版発行。 ドイルの生み出した名探偵[[シャーロック・ホームズ]]が初登場した記念すべき第1作目。 本作は2部構成。ワトソンとホームズの出会いの場面から始まり、彼が目覚ましい活躍を見せとある殺人事件を解決するまでを描く。 本作自体がワトソンが残した回顧録から復刻された小説という設定で、第2部は犯人が被害者を殺害するに至った動機を描く形式がとられている。 なおこの2部構成方式は、後に『恐怖の谷』でも使用されている。 アニヲタ的な面で言えば『[[名探偵コナン]]』において冒頭の台詞が『ホームズの黙示録』『[[名探偵コナン ベイカー街の亡霊]]』などのエピソードや劇場版作品でも引用されているので、『緋色の研究』をまだ読んだことの無い人も台詞だけは知っているだろう。また、ガノタには[[ヒイロ・ユイ]]のファーストネームの元ネタとしてもおなじみだろう。 ちなみに、本作では後半&bold(){実在の[[宗教]]が登場しているが}、それに関する描写が古かったり実態に即していなかったりとある意味失礼な書かれ方もされている。 このため、少なくともここ数十年程はそのままの[[実写化]]は実現しておらず(一応1910年代にあったそうだが)、リメイク作『[[SHERLOCK>SHERLOCK(海外ドラマ)]]』で本作を元にした『ピンク色の研究』が制作された際も、動機は変更されたし第2部は扱われなかった。 また日本で制作された[[NHK>日本放送協会(NHK)]]人形劇版『シャーロック ホームズ』では、ジャンルを学園ものに変更したのもあり、短編『六つのナポレオン』と合わせて『最初の冒険』としてリメイクされた。 ただ「明確なビジュアライズ」をしなければこの問題をクリアできるということなのか、2020年には毛利亘宏演出による「ホームズとワトソンによる二人芝居の朗読劇」として披露されている。 #region(以下、第2部のネタバレに付き注意!(注:本作は19世紀後半に書かれたフィクションです)) 本作の事件の切っ掛けは、平たく言うと「&bold(){モルモン教がアレな戒律を持ち、それを自由に生きたい街の住人にも支配のため押し付けたから}」。 しかも、作中でその戒律強制を命じたのは&bold(){実在したモルモン教の指導者}(史実ではソルトレイクシティ創設者にして『エンダーのゲーム』原作者の先祖)というおまけつきで。 もちろんフィクションである以上実際のモルモン教とは関係無いだろうし、一方でその戒律自体はかつてのモルモン教に実在し(本作の2年後に廃止されている)指導者自身がその最大の影響力を持つ実行者だったが、 それでも&bold(){被害者がかつてモルモン教の教義と命令を大義名分にして非道を働き、そのせいで真犯人から恨まれて殺された}というストーリーと、&bold(){実在宗教内の実在貢献者が事件の遠因}というのは、 末日聖徒イエス・キリスト教会がそれなりに普及し本拠地でも2002年に冬季五輪が開催される程栄え、日本にもまとまった信徒コミュニティがある現代では扱いづらいだろう。 また「被害者がモルモン教徒だったら戒律で禁止されている酒を飲むはずはない」等、本拠地から見て異国の地[[イギリス]]で書かれたゆえのリアル戒律への無知も指摘されている。 #endregion *【あらすじ】 アフガン戦争で受けた負傷と病気のため、ロンドンで静養していた元軍医・ワトソンは、生活資金が底をつきはじめた事から安い賃貸を探していた。 昔馴染みの医師スタンフォードから[[シャーロック・ホームズ]]を紹介されたワトソンは、彼とルームシェアをする事に決める。 ワトソンがアフガニスタンから帰還したのを初対面を果たして間もなく言い当てたホームズに驚きつつも、親交を深めていく二人。 そうする内に、ホームズの元に手紙が届く。「イーノック・ドレバーという男が不可思議な状況で死んだ事件の解決に知恵を貸してほしい」というものだ。 ホームズはスコットランドヤードのレストレードとグレッグソンからの依頼を承諾し、ワトソンと共に現場へ赴き一通りの調査をする。 そして 「&bold(){これは殺人事件で被害者は毒殺され、犯人は男」だと断定したばかりか、その男の人相まで言い当てたのだ。} 果たしてホームズはいかにしてそれらを推理したのか、そして犯人はいったい何者なのか。 ワトソンは事細かにそれらの詳細をメモしていた── *【登場人物】 ・[[シャーロック・ホームズ]] お馴染み名探偵。 スタンフォードが勤務する病院で化学実験に明け暮れていたところをワトソンと出会う。 ベイカー街221Bに下宿することを考えていたが、敷金の高さからルームシェアをする相手を探していた。 長年の習慣により一足飛びで結論を出してしまうためワトソン達を驚かせるが、順序だてて解説することも出来る明晰な頭脳の持ち主。 ・ジョン・H・ワトソン ホームズの相棒。 軍医としてアフガン戦争&footnote(発表年代等や作中での時代設定から、1878年に開戦した『第二次アフガン戦争』とされる。)に赴くが、左肩を撃たれた((後の作品では足を負傷した事に変更されている。))上に病院では腸チフスにかかって生死の境をさまよった末、静養のためにイギリスへ送還された。 しばらくはホテルに住みながら浪費しまくっていたが、そのせいで生活費が心もとなくなり、ホームズとルームシェアを始める。 (ここでいうホテルとは我々がイメージする「旅行時の宿泊施設」ではなく「高級なアパート」に相当する。[[こちらのホテル>HAZBIN HOTEL]]も同様。 当初はホームズの能力を疑問視していたが、その活躍を見届けて感銘を受けたワトソンはある決意をする……。 ・レストレード スコットランドヤード([[イギリス]]警察)の警部。 グレッグソンと張り合っているが、彼ともどもホームズの後塵を拝している。 壁に書かれた「&font(red){Rache}」という血文字を発見し、犯人は「レイチェル(Rachel)」という女だと推理するが、 ホームズからは「『&font(red){Rache}』はドイツ語で『&font(red){復讐}』という意味だ」とあっさり言われてしまう。 一方で後半で事件の犯人を確保した際、警察署での事情聴取の内容を手帳に速記しており、その速記はワトソンも自身のメモの参考にするほど正確だった。 ・トビアス・グレッグソン スコットランドヤードの警部。グレグスンとも。 レストレードに対し並々ならぬ敵対心が窺えるが、作中では残念な活躍ばかり目立つ。 ・ジョン・ランセ 死体の第一発見者で巡査。 深夜警戒中に空き家に明かりが点いていたことから怪しみ、死体を発見した。 犯人らしき人物を見逃したためホームズからは「&bold(){出世できそうにない}」と言われてしまう。 ・ウィギンズ 「ベイカーストリートイレギュラーズ」のリーダー格である浮浪者の少年。 なお「イレギュラーズ」は他にも何人か登場するが、固有の名前が出てくるのは彼のみだしフルネームも不明。 ・[[イーノック]]・J・ドレバー 被害者。訳により「ドレッバー」とも。 ローストリン・ガーデンの空き家で死亡していた。 外傷はないにもかかわらず、部屋には血の跡があった。 かなり横柄で下品な人物だったらしく、大陸旅行中に宿泊した宿の娘に手を出そうとしたらしい。 ・ジョセフ・スタンガーソン ドレバーの秘書。スタンガスンとも。 ドレバーと比べて物静かな人物で、ドレバーの行き過ぎた行動を静止していた。 ・アーサー・シャルパンティエ グレッグソンが逮捕した容疑者。 ドレバーが宿泊していた宿の息子。海軍中尉。妹に粉をかけたドレバーに憤慨していたらしい。 #openclose(show=第2部の登場人物){ ・ジョン・フェリアー 第2部の登場人物。荒野で力尽きかけていた瘦せ細った放浪者。 ルーシーと共に死を覚悟していたところに偶然現れたモルモン教徒((「末日聖徒イエス・キリスト教会」のことで、ソルトレイクシティの開拓&本拠化も史実通り。俗称は聖典のひとつ「モルモン書」に由来する。))のキャラバン隊に助けられる。 後にキャラバン隊等によって開拓されたモルモン教の本拠地ソルトレイクシティの郊外で懸命に働き富豪となるが、段々カルト化していき裏の襲撃組織をも要するとも噂されていくモルモン教に嫌悪を抱くように。 しかし、彼らからある命令を受けて……。 ・ルーシー・フェリアー 第2部の登場人物。5歳くらいの少女。 すでに母親や親族は死亡しており、ジョンと共に死を待つ身だった。 ジョンの養女となり、美しく成長するが……。 ・ブリガム・ヤング &bold(){(注:この作品はフィクションであり、実在の末日聖徒イエス・キリスト教会とその歴史を貶める意図はありません!)} ジョンとルーシーが荒野で死にかけていたいた時に彼らを助けたモルモン教徒隊の指導者にして「預言者」、そしてソルトレイクシティの開拓主導者。&bold(){実在の人物で、現在でも現地にその名を記した大学が存在する。} だがソルトレイクシティに定着して時間が経つにつれ、段々「モルモン教は反抗的な人間を「ダナイト団」「[[復讐]]の天使達」とも言われる裏の組織で粛清している」・「その組織で当時モルモンの教えにあった『&bold(){一夫多妻}』のための女性を略奪している」等噂される様になり、 ついにはジョンの元に現れ、異教徒の青年との仲が噂されるルーシー及びフェリアー家に教えへの忠誠を証明させるため&bold(){スタンガーソンかドレバーとの結婚を命令}。 ジョンが「とりあえず時間をくれ」と要求すると「一か月」の猶予を与え罵詈雑言を浴びせて去り、それから本編には登場しなくなる。だが、代わりに&bold(){密室なはずのフェリアー家内部}や外観に毎日カウントダウン数字が刻まれていき……? ぶっちゃけ作中の事件の切っ掛けはこいつだが、なぜか真犯人の標的にはならなかった。メタな理由としては本作の10年前にリアルヤング氏が天寿を全うしていたからだろうが。 ちなみにリアルのヤング氏やモルモン教はここまでカルトでオカルトに傾倒した人物ではなかったというが、代わりに見て判る形でアメリカ軍等と戦っていたそうで、 また一夫多妻についてもヤング氏は生涯において累計&bold(){約55人}の妻を娶ったという。徳川家斉か? ・ジェファーソン・ホープ ソルトレイクシティを訪れた旅の青年。ジェファースンとも。&bold(){本作の真犯人}。 元々はカリフォルニアの開拓をしたり、農場経営をしたりと様々な経験を持つ冒険心の強い男で、乗馬中に落馬したルーシーを助け、相思相愛の仲となる。 ……だが、フェリアー親子にモルモン教が突然押しつけた無体な命令から親子を助けるため、3人で荒野へと脱出するが、少し食糧確保のため離れた後、戻った彼が見たのは&bold(){ジョンの墓標のみ}。 そしてシティに再び行った彼は、&bold(){ルーシーがドレバーと結婚させられた}という残酷な事実を知らされ、一旦は街を離れるも、その後望まぬ結婚のせいで&bold(){ひと月と持たず衰弱死した}彼女の葬儀にこっそり参列。 ルーシーの遺骸から結婚指輪を抜き取り、&bold(){ドレバーとそのお付きにしてもう一人の結婚候補だったスタンガーソンへの復讐に残りの人生を捧げることを決意した}。 それは街の外の荒野に身を潜め、2人が街から出る度上からものを落とすことに始まり、諸事情から一時期復讐活動を控えていた間にモルモン教徒間の争いから教えを捨てたドレバー達が街を去ったと聞くと追跡を開始。 一旦はオハイオで追いつくが通報され逮捕されても釈放後2人が逃げた欧州に渡り、その果てにたどり着いたロンドンで御者に身をやつし……。 そして作中の現在、&bold(){ついにドレバーとスタンガーソンを殺す事に成功したのだった}。早い話が地の果てまで標的をストーカーした男。 イレギュラーズの誘いとは知らずにベーカー街に呼ばれ刑事に拘束された時は、一端暴れるもすぐ落ち着き警察に連行されたが、事情聴取の際「自分は多分裁判にかかることはない(意訳)」と、身体をワトソンに診察させる事で&bold(){重病の大動脈瘤に罹っていると告白}。 どうも長く荒野で過酷な生活をし栄養不足になったのが祟ったらしく、事件の前の週に医師から病を告知されたことで余命僅かと悟ったこともありワトソンやホームズ、警察の前で第2部にあたる犯行動機と、犯行の詳細を供述。 途中で無くしたルーシーの指輪を、ホームズが犯人捜しのため新聞広告にあげた際自分の代わりに取りに行った人物の素性に関してこそ黙秘したが、それ以外は詳細に語り、 全てをやり切った満足感を抱えながら、逮捕と供述の翌日大動脈瘤の破裂により穏やかな顔で息を引き取った……。 ちなみに司法に訴えなかった理由は「時間が経ち過ぎていた」からだそうで、ゆえに自らが「&bold(){裁判官、陪審員、執行者の全てを一人でやる}」と決意し犯行に及んでいる。…最も司法に訴えても「強制結婚」・「遺産横取り」で極刑まで持ち込めたかは微妙だが。 ・イーノック・J・ドレバー ブリガム・ヤングがジョンに「年頃なんだからルーシーは同じ教徒……例えばドレバー家の息子なんかと結婚しろ(意訳)」と命じた事で、ジョンの死後&bold(){当時同宗教で合法だったハーレムに無理やりルーシーを入れ}、彼女が心労から早逝したらフェリアー家の遺産をも奪った外道。 元々はヤングの元でモルモン教の幹部となった「四長老」の一人の息子で、スタンガーソンも息子仲間だった。 後に教徒のくせに禁則の酒に溺れたのが祟ったのか戒律によって結ばれた妻達ごと教えを捨て一般人になったが、ジェファーソンの追跡により各地を転々とする生活に。 作中描写から見るにかなりのクズであることは確かだが、&bold(){実は作中で明確に犯した直接的罪はルーシーとの強制結婚のみ}。 最期の時ジョンの死については無実を訴えたが、&bold(){ジェファーソンにとってはイーノックが彼女の心を壊した事自体が最大の罪}なので、今更そんな言い訳で殺意が消えるはずがなかった。 そしてジョン殺害犯が誰だったのかは歴史の闇に消えた。というかそもそも最初にドレバー・ルーシーの結婚命令を下したブリガム・ヤングも復讐対象になったのではとは言ってはいけない。 ・ジョセフ・スタンガーソン 偶々指導者がルーシーの結婚相手候補として挙げ、そして夫候補としてジョンの前に現れその後もドレバーの傍に常にいたことで復讐対象にされた人。ちなみにこいつも教えを捨てる際ハーレムをも捨てている。 微妙にとばっちり感がしないでもないが、少なくともクズなドレバーに最後まで付き従い、彼の下衆な行動を積極的に止めなかったくらいにはアレな人格だったと思われる。 } *【疑問点】 本作に限らずホームズ作品の多くに言えることだが、作者は細かい考証よりもアイディアと物語としての面白さを重視している節があり、そのため後世の読者からは様々な疑問が提唱されている。 以下はその一例である。 #region(ネタバレに付き注意) -第1の殺人事件の現場となった建物の扉は施錠されていたのだから、犯人は鍵を持っていたはずだ。そうなると、前にジェファーソン・ホープの馬車に乗って空き家を見にきた客が鍵を持っていたということで第1の容疑者となるはずだが、警察もホームズもまったくその点について考慮している様子がない。 -ジェファーソン・ホープがベイカー街221B番地に呼び出されたとき、何の疑いも抱かなかったことは不自然である。彼は同じ住所に老女に扮した友人を送り込んでおり、前日に金の指輪についての新聞記事を読んだ直後にその住所を忘れてしまうとは考えにくい。仮に忘れていたとしてもそれは結果論であり、覚えていてなんの不思議もない以上、そんな場所に彼を呼び出そうとするのは不用意で危険な試みである。 -そもそもジェファーソン・ホープは、文字通り殺したいほど憎悪している敵がルーシーに贈った唾棄すべき結婚指輪を、なぜ後生大事に持っていたのか。砕くなり溶かすなりして跡形もなく処分してしまいたくなるのが普通ではないか。実際、「こんなもの」をはめられたまま埋葬はさせないと言って、死体の指から抜き取っているのに。 #endregion 追記・修正は糸束を解しながらお願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,2) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - ワトソンがホームズのルームメイトであることを今初めて知った。なんかワトソンがホームズを訪ねて行ってる印象が強い。 -- 名無しさん (2021-05-28 18:33:06) - ホームズは時系列ランダムだから話によってワトソンがルームメイトやっているかやっていないか変わるよ。ぶっちゃけて言うと、「最後の事件」までの前半の作品では二作目の「四つの署名」のラストでワトソンが結婚してルームシェア解消しちゃうんで、ホームズを訪ねたり呼び出されたりする話は多い。 -- 名無しさん (2021-05-28 18:54:25) - ガノタの諸君!ヒイロ・ユイは無関係と見せかけて実はちょっとあるぞ! -- 名無しさん (2021-05-28 19:57:25) - 緋色の研究ってここでしか出てこないからその場のノリで言っただけじゃないかとか -- 名無しさん (2021-05-28 20:24:36) - 犯人には協力者がいるけれど、その正体は最後まで明かされない。なんで「教授」が一枚噛んでました展開になるのはホームズパスティーシュにおけるある種の定番 -- 名無しさん (2021-05-28 20:58:24) - ↑ まぁ、他に噛むことができそうなヤツいないしなw -- 名無しさん (2021-05-28 21:03:11) - 読んだのが子供用の訳だったから略されたのかと思ってたら、原作でも最後まで明かされないのか。 -- 名無しさん (2021-05-29 18:08:05) - 「緋色の習作」は定着しなかったな -- 名無しさん (2021-05-30 14:54:03) - 記事のストーリーでは真相は明かされてないのに人物と疑問点でネタバレになってしまうのはいかがなものか -- 名無しさん (2021-05-31 18:28:53) - 宗教をうかつに扱うと後々メディア化に支障をきたすという好例。これ作中描写だけ見たら「なぜ犯人はその教団を潰さないんだ」ってなるだろうし。 -- 名無しさん (2021-06-02 13:51:12) - ↑モルモン教の規模的に潰すの無理じゃね? -- 名無しさん (2021-06-07 13:51:11) - 指輪の件についてはJET先生の漫画版だと「唯一の形見であり『復讐』の象徴」となっていたな(指輪=婚姻のために悲劇が起きたわけだし)。臥薪嘗胆だったのでは?長年追いかけた復讐だし指輪を見ては愛しい人のことも憎しみも思い出して己を奮い立たせていたのだろう。指輪を是が非でも取り返しにくるのも頷ける。 -- 名無しさん (2021-06-18 10:34:04) - 「殺す直前に指輪を見せつけて己の罪を思い知らせてやる」と犯人が明言してるから「なぜ指輪を大事に持っていたのか」は「本編読んだ?」と言いたくなるレベルだよ -- 名無しさん (2023-10-28 11:47:01) - ルーシーパパが娘を信徒上層部の息子のハーレムに入れろと命令されて断った時、一ヶ月の猶予を与えられたが、翌朝から「あと29日(※要約)」的なメモがどこからともなく現れて室内にピンで留められ、毎日カウントダウンしていくようになる。扉も窓もがっちり施錠しているのに、隙間から差し入れるどころかどう考えても人間が入って来て壁や家具にピンで留めて行くので、父娘で恐怖に震えていたが、結局この密室トリックが作中で暴かれる事はなかった。過去回想だからホームズにもどうしようもないが。いくら夜中でも警戒している住人相手に全く音を立てずに壁や天井や窓枠を外して入る事なんか不可能だろうに… -- 名無しさん (2024-01-13 13:37:21) - 何かの訳か展開だとファリア氏を直接手にかけたのはスタンガーソンという設定にすることで彼を標的にする合理的理由づけをしていた気がする。 -- 名無しさん (2024-10-05 12:37:47) - でた時期が時期だからパブリックドメインで割と読めるっぽいね -- 名無しさん (2024-10-11 00:30:42) - ↑×2 偕成社のシリーズだな。「フェリア老を撃ち殺したのは俺だからルーシーは俺の物だ」とスタンガスンがドレッパーに迫っていた(とホープの知り合いがホープに語っている)シーンがある。因みに同社のホームズシリーズは色々と改訳や改題が多い。緋色の研究もタイトルが「深夜の恐怖」に改題されてる。 -- 名無しさん (2025-03-24 00:32:38) #comment(striction) #areaedit(end) }

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