無名人物列伝(小説)

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無名人物列伝(小説) - (2021/11/10 (水) 20:40:32) の1つ前との変更点

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&font(#6495ED){登録日}:2021/06/20 Sun 17:32:14 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 10 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- 無名人物列伝とは、清水義範の短編小説。小説新潮95年8月号に掲載。 1999年刊行の『名前がいっぱい』の他、自己セレクト短編集、『パスティーシュ100』の第3巻にも収録されている。 ちなみに『名前がいっぱい』はその名の通り、「名前」に関する短編を集めた作品集。 古今東西、「&bold(){名前}」は世界において欠かす事の出来ない必要性を持ち、それゆえに様々な物語を生み出してきたが、本作のタイトル「&bold(){無名}」が示す真の意味は… *あらすじ 東京都内で殺されたとある金貸し。その容疑者として浮かび上がったある男。 証拠も証言も十分そろっているのに、なぜか取り調べは難航して……? *登場人物 -&font(#008000){勤続二十年で四十三歳、正式には警部補という階級で、柔道二段で体格がよく、髪は短く顎大きく、目玉が丸く睫毛が長く、目尻の皺が深くて太い声の刑事} 今回の殺人事件を担当している積北警察署の刑事。だみ声で気が短く、&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}のことも恫喝するような言動を繰り返す。 -&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男} 江戸川区此又の秦又商店街で不動産屋を営む男。今回の事件の容疑者として、&font(#008000){勤続二十年で四十三歳、正式には警部補という階級で、柔道二段で体格がよく、髪は短く顎大きく、目玉が丸く睫毛が長く、目尻の皺が深くて太い声の刑事}から取り調べを受けている。 彼の事務所からルミノール反応が検出されており、何かしらのトラブルがあったことは間違いないようだ。 競輪好きで少しでも仲良くなった人はすぐに競輪に誘い出すという習慣を持っている。 事件があった当日は、一日中自宅でテレビを見ていたと主張しており、家族の&font(#ff69b4){四十二歳の元クラブホステスで、栃木県宇都宮出身、色白で鼻の下に黒子が3つ並んであってコンタクトレンズをしている内縁の妻}と&font(#ffb74c){小学二年生だというのに身長が110センチほどしなかくて髪が少しばかり天然にウエーブしている鼻の頭に傷跡のある七歳の子}からは自宅にいたことを証言されているが、身内からの証言なので&font(#008000){勤続二十年で四十三歳、正式には警部補という階級で、柔道二段で体格がよく、髪は短く顎大きく、目玉が丸く睫毛が長く、目尻の皺が深くて太い声の刑事}からは無視されている。 一方、&font(#0000ff){桜葉小学校六年二組で図画工作は得意だがあとの科目の成績はぱっとしない、側頭部に五円玉大の禿のあるまむし指の子}(&font(#ff69b4){四十二歳の元クラブホステスで、栃木県宇都宮出身、色白で鼻の下に黒子が3つ並んであってコンタクトレンズをしている内縁の妻}が以前結婚していた時に産んだ子であり&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}の子ではない)は「本当はお父さんじゃないけどお父さんと呼ぶよう言われている男(つまり&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男})」が古いワイシャツを燃やしているところを目撃している。これに関して&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}はあくまでゴミを処分していただけで証拠隠滅などではないと反論している。 -&font(#ff7800){六十四歳でつるっ禿の前歯が突き出した金縁メガネの金融業者} 今回の事件の被害者。三か月前に殺害され、遺体は伊豆の天城山中で発見された。 &font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}にも強欲ということで知られており、どうやら相当な数の人間から恨みを買っていたらしい。 -&font(#994c00){瘦形で肩が怒っていて、眉が薄く目が細く、首筋に一円玉大の黒子のある現在無職、元タクシー運転手の男} &font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}とは居酒屋で何度か会って一緒に競輪場にも行った仲。 &font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}に脅迫されて、&font(#ff7800){六十四歳でつるっ禿の前歯が突き出した金縁メガネの金融業者}の遺体を天城山中まで運んだと証言。 実際にタクシーのトランクからは血痕が見つかっている。 -&font(#808080){四十四歳の中古車ディーラーで、パンチパーマをかけ淡い褐色のサングラスをかけ、耳が大仏様のように大きい大柄で太り気味の男} &font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}とはゴルフを何度か一緒にプレイした知人。 &font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}が殺人事件のあった直前、金銭トラブルを抱えていたようだと証言。 &font(#008000){勤続二十年で四十三歳、正式には警部補という階級で、柔道二段で体格がよく、髪は短く顎大きく、目玉が丸く睫毛が長く、目尻の皺が深くて太い声の刑事}は&font(#ff7800){六十四歳でつるっ禿の前歯が突き出した金縁メガネの金融業者}から土地の購入代金の名目で預かった金を&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}が使い込んでしまい返済できなくなったのだろうと指摘。 しかし、&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}はあくまで別の客とのトラブルであり、&font(#ff7800){六十四歳でつるっ禿の前歯が突き出した金縁メガネの金融業者}との間にはトラブルはなかったと主張。 -&font(#b8d200){青森県出身で言葉に少し東北訛りがあって、髪は短く目が小さく、鼻の下にどじょう髭を生やした小さな男} &font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}の行きつけの居酒屋の店主。 &font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}が事件のあった直前、妙に金回りがよさそうだったと証言。 &font(#008000){勤続二十年で四十三歳、正式には警部補という階級で、柔道二段で体格がよく、髪は短く顎大きく、目玉が丸く睫毛が長く、目尻の皺が深くて太い声の刑事}はこれを&font(#ff7800){六十四歳でつるっ禿の前歯が突き出した金縁メガネの金融業者}から預かった金を使い込んだのだろうと指摘している。 一方、&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}は単に競輪で何度か当たりを当てただけだと反論。 -&font(#ff0000){二十五歳の目つきの鋭い前髪を茶色に染めたもみあげの長い兄ちゃん} 此又にある&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}の不動産事務所のそばにあるパチンコ屋の店員。 事件当日の夜十一時ごろ、&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}の事務所の前にタクシーが止まって二人の男が何やら作業をしていたのを目撃している。 そのタクシーが&font(#994c00){瘦形で肩が怒っていて、眉が薄く目が細く、首筋に一円玉大の黒子のある現在無職、元タクシー運転手の男}のものであったことは確認されている。 以下ネタバレ 状況証拠は十分、動機も確認できておりアリバイも不確か。ここまでくれば&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}の犯行はほぼ確定と言ってよかった。 しかし、&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}はどうやっても自分の犯行を認めようとはしなかった。 その時、&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}は一つのことを思い出した。 &font(#008cff){「そうだ……、電話」} 事件当日の午後一時頃、自宅に電話がかかってきて応対した覚えがあるというのだ。 それが事実ならば&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}の、身内以外によるアリバイの存在が確かめられることとなるが……。 &font(#008000){「ふざけたことを言ってるんじゃないよ」} だが、&font(#008000){勤続二十年で四十三歳、正式には警部補という階級で、柔道二段で体格がよく、髪は短く顎大きく、目玉が丸く睫毛が長く、目尻の皺が深くて太い声の刑事}はその主張をあっさり退ける。 なんと、&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}はその電話の相手が誰だったか覚えていないと言うのだ! &font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}はその男を競輪場で紹介されてちょっと知っているだけであり、「江東区でスナックを経営しているらしい、四十代半ばほどの声に特徴がある男」としかわかっていなかった。 それでは何のあてにもならない、と&font(#008000){勤続二十年で四十三歳、正式には警部補という階級で、柔道二段で体格がよく、髪は短く顎大きく、目玉が丸く睫毛が長く、目尻の皺が深くて太い声の刑事}は指摘。 &font(#008000){「住所はどこで、何歳で、顔や体にどんな特徴があってとか、出身地や職業もわかっていてこそ、その本人に間違いがないと判断できるわけだろうが」} &font(#008000){「住所、年齢、職業、外観上の特徴、しゃべり癖、よく目につく体の動かし方の癖。} &font(#008000){そういうものがちゃんと言えて、確かにこの人間がそれに当てはまると思えてこそ、第三者を特定できるんだ。だってそれ以外に人と人とを区別できる手段はないんだからな」} 冷静に&font(#008000){勤続二十年で四十三歳、正式には警部補という階級で、柔道二段で体格がよく、髪は短く顎大きく、目玉が丸く睫毛が長く、目尻の皺が深くて太い声の刑事}からそう諭される&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}。 しかし、とうとうこれで事件解決かと思われたその時、事態は急展開する! 取調室に突然入ってきた、&font(#008000){勤続二十年で四十三歳、正式には警部補という階級で、柔道二段で体格がよく、髪は短く顎大きく、目玉が丸く睫毛が長く、目尻の皺が深くて太い声の刑事}の先輩である&font(#2f4f4f){四十五歳ぐらいで面長で、髪は短く七三に分け、黒縁メガネをかけた小鼻のしっかりした刑事}によると、任意で取り調べに応じていた&font(#994c00){瘦形で肩が怒っていて、眉が薄く目が細く、首筋に一円玉大の黒子のある現在無職、元タクシー運転手の男}の知人が犯行を自供したらしい。 &font(#800080){江東区でスナックを経営している、四十六歳で声に特徴のある男}は、&font(#994c00){瘦形で肩が怒っていて、眉が薄く目が細く、首筋に一円玉大の黒子のある現在無職、元タクシー運転手の男}と共に&font(#ff7800){六十四歳でつるっ禿の前歯が突き出した金縁メガネの金融業者}から金を借りており、厳しくなる取り立てに思い余って殺害してしまったとのこと。 しかも、&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}の事務所が日曜日に休みであることを利用して、&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}の事務所で&font(#ff7800){六十四歳でつるっ禿の前歯が突き出した金縁メガネの金融業者}を殺害、 &font(#994c00){瘦形で肩が怒っていて、眉が薄く目が細く、首筋に一円玉大の黒子のある現在無職、元タクシー運転手の男}のタクシーで死体を遺棄したが、タクシーの血痕が発見されたため&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}に脅されてやったと主張する形に切り替えたのだった! 現場からも&font(#800080){江東区でスナックを経営している、四十六歳で声に特徴のある男}の指紋が発見されていた。 さらに念のいったことに、&font(#800080){江東区でスナックを経営している、四十六歳で声に特徴のある男}は&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}が事務所に出てこないことを確認するために、当日に&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}の自宅に電話をかけていたのだった。 これらの工作が明るみに出て、&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}の容疑は完全に晴らされたと言って良かった。安堵して机に突っ伏す&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}。 それを見ながら&font(#008000){勤続二十年で四十三歳、正式には警部補という階級で、柔道二段で体格がよく、髪は短く顎大きく、目玉が丸く睫毛が長く、目尻の皺が深くて太い声の刑事}は独り言ちる。 &font(#008000){「それにしてもこんな単純な事件が、どうしてこんなにややこしい話になるんだ」} その理由に思い当たる方は追記・修正お願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,5) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 後代の『まおゆう』とか『ゴブスレ』と合わせると、「キャラに固有名はなくてもいいが、簡潔な役割区分名くらいないと執筆が面倒」って結論かなあ。 -- 名無しさん (2021-06-20 17:37:05) - ラノベで長すぎる射精音に買った人がブチギレたとか、ランク:SSSSSSSSSSSSSSSSSみたいなのでページ埋め尽くしたとか炎上しているところを見るにこういうのはネタだから許されるんだなあと思った -- 名無しさん (2021-06-20 17:38:43) - 寿限無に通づるものがある迂遠さ -- 名無しさん (2021-06-20 17:55:06) - カラフルで見づらい -- 名無しさん (2021-06-20 18:43:44) - だが色を消したら何が何やらとなりそう -- 名無しさん (2021-06-20 18:56:16) - 名前って大事なんやなぁって。 -- 名無しさん (2021-06-20 19:51:41) - まおゆうとかゴブスレは、「世界観上固有名詞は恐らくあるのだろうけど、読者の視点からはそれがわからない」のに対して、これは「社会を構成する単位として個人名という概念そのものが存在しない世界」を描いているから、実はちょっと違う -- 名無しさん (2021-06-20 20:11:00) - SCPの某禁忌じゃないんだからw -- 名無しさん (2021-06-20 20:59:13) - 作風的には「まあ清水義範だし…」って感じで分かるんだが、これ時代的にパソコン使わないで書いてますよね…?絶対めんどくせーわ… -- 名無しさん (2021-06-20 21:20:33) - ↑校正の人もチェックするの大変だったろうな -- 名無しさん (2021-06-21 03:50:40) - どう考えても面倒くさいので、43歳の刑事は(1)、50年配の容疑者は(2)…みたいに著者は記号で書いてそう -- 名無しさん (2021-06-21 08:40:44) - 当時でもワープロとフロッピーディスクいうものがあってだな… まあめんどくせーな -- 名無しさん (2021-11-10 20:40:32) #comment(striction) #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2021/06/20 Sun 17:32:14 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 10 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- 無名人物列伝とは、清水義範の短編小説。小説新潮95年8月号に掲載。 1999年刊行の『名前がいっぱい』の他、自己セレクト短編集、『パスティーシュ100』の第3巻にも収録されている。 ちなみに『名前がいっぱい』はその名の通り、「名前」に関する短編を集めた作品集。 古今東西、「&bold(){名前}」は世界において欠かす事の出来ない必要性を持ち、それゆえに様々な物語を生み出してきたが、本作のタイトル「&bold(){無名}」が示す真の意味は… *あらすじ 東京都内で殺されたとある金貸し。その容疑者として浮かび上がったある男。 証拠も証言も十分そろっているのに、なぜか取り調べは難航して……? *登場人物 -&font(#008000){勤続二十年で四十三歳、正式には警部補という階級で、柔道二段で体格がよく、髪は短く顎大きく、目玉が丸く睫毛が長く、目尻の皺が深くて太い声の刑事} 今回の殺人事件を担当している積北警察署の刑事。だみ声で気が短く、&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}のことも恫喝するような言動を繰り返す。 -&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男} 江戸川区此又の秦又商店街で不動産屋を営む男。今回の事件の容疑者として、&font(#008000){勤続二十年で四十三歳、正式には警部補という階級で、柔道二段で体格がよく、髪は短く顎大きく、目玉が丸く睫毛が長く、目尻の皺が深くて太い声の刑事}から取り調べを受けている。 彼の事務所からルミノール反応が検出されており、何かしらのトラブルがあったことは間違いないようだ。 競輪好きで少しでも仲良くなった人はすぐに競輪に誘い出すという習慣を持っている。 事件があった当日は、一日中自宅でテレビを見ていたと主張しており、家族の&font(#ff69b4){四十二歳の元クラブホステスで、栃木県宇都宮出身、色白で鼻の下に黒子が3つ並んであってコンタクトレンズをしている内縁の妻}と&font(#ffb74c){小学二年生だというのに身長が110センチほどしなかくて髪が少しばかり天然にウエーブしている鼻の頭に傷跡のある七歳の子}からは自宅にいたことを証言されているが、身内からの証言なので&font(#008000){勤続二十年で四十三歳、正式には警部補という階級で、柔道二段で体格がよく、髪は短く顎大きく、目玉が丸く睫毛が長く、目尻の皺が深くて太い声の刑事}からは無視されている。 一方、&font(#0000ff){桜葉小学校六年二組で図画工作は得意だがあとの科目の成績はぱっとしない、側頭部に五円玉大の禿のあるまむし指の子}(&font(#ff69b4){四十二歳の元クラブホステスで、栃木県宇都宮出身、色白で鼻の下に黒子が3つ並んであってコンタクトレンズをしている内縁の妻}が以前結婚していた時に産んだ子であり&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}の子ではない)は「本当はお父さんじゃないけどお父さんと呼ぶよう言われている男(つまり&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男})」が古いワイシャツを燃やしているところを目撃している。これに関して&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}はあくまでゴミを処分していただけで証拠隠滅などではないと反論している。 -&font(#ff7800){六十四歳でつるっ禿の前歯が突き出した金縁メガネの金融業者} 今回の事件の被害者。三か月前に殺害され、遺体は伊豆の天城山中で発見された。 &font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}にも強欲ということで知られており、どうやら相当な数の人間から恨みを買っていたらしい。 -&font(#994c00){瘦形で肩が怒っていて、眉が薄く目が細く、首筋に一円玉大の黒子のある現在無職、元タクシー運転手の男} &font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}とは居酒屋で何度か会って一緒に競輪場にも行った仲。 &font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}に脅迫されて、&font(#ff7800){六十四歳でつるっ禿の前歯が突き出した金縁メガネの金融業者}の遺体を天城山中まで運んだと証言。 実際に[[タクシー]]のトランクからは血痕が見つかっている。 -&font(#808080){四十四歳の中古車ディーラーで、パンチパーマをかけ淡い褐色のサングラスをかけ、耳が大仏様のように大きい大柄で太り気味の男} &font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}とはゴルフを何度か一緒にプレイした知人。 &font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}が殺人事件のあった直前、金銭トラブルを抱えていたようだと証言。 &font(#008000){勤続二十年で四十三歳、正式には警部補という階級で、柔道二段で体格がよく、髪は短く顎大きく、目玉が丸く睫毛が長く、目尻の皺が深くて太い声の刑事}は&font(#ff7800){六十四歳でつるっ禿の前歯が突き出した金縁メガネの金融業者}から土地の購入代金の名目で預かった金を&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}が使い込んでしまい返済できなくなったのだろうと指摘。 しかし、&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}はあくまで別の客とのトラブルであり、&font(#ff7800){六十四歳でつるっ禿の前歯が突き出した金縁メガネの金融業者}との間にはトラブルはなかったと主張。 -&font(#b8d200){青森県出身で言葉に少し東北訛りがあって、髪は短く目が小さく、鼻の下にどじょう髭を生やした小さな男} &font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}の行きつけの居酒屋の店主。 &font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}が事件のあった直前、妙に金回りがよさそうだったと証言。 &font(#008000){勤続二十年で四十三歳、正式には警部補という階級で、柔道二段で体格がよく、髪は短く顎大きく、目玉が丸く睫毛が長く、目尻の皺が深くて太い声の刑事}はこれを&font(#ff7800){六十四歳でつるっ禿の前歯が突き出した金縁メガネの金融業者}から預かった金を使い込んだのだろうと指摘している。 一方、&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}は単に競輪で何度か当たりを当てただけだと反論。 -&font(#ff0000){二十五歳の目つきの鋭い前髪を茶色に染めたもみあげの長い兄ちゃん} 此又にある&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}の不動産事務所のそばにあるパチンコ屋の店員。 事件当日の夜十一時ごろ、&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}の事務所の前にタクシーが止まって二人の男が何やら作業をしていたのを目撃している。 そのタクシーが&font(#994c00){瘦形で肩が怒っていて、眉が薄く目が細く、首筋に一円玉大の黒子のある現在無職、元タクシー運転手の男}のものであったことは確認されている。 以下ネタバレ 状況証拠は十分、動機も確認できておりアリバイも不確か。ここまでくれば&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}の犯行はほぼ確定と言ってよかった。 しかし、&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}はどうやっても自分の犯行を認めようとはしなかった。 その時、&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}は一つのことを思い出した。 &font(#008cff){「そうだ……、電話」} 事件当日の午後一時頃、自宅に電話がかかってきて応対した覚えがあるというのだ。 それが事実ならば&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}の、身内以外によるアリバイの存在が確かめられることとなるが……。 &font(#008000){「ふざけたことを言ってるんじゃないよ」} だが、&font(#008000){勤続二十年で四十三歳、正式には警部補という階級で、柔道二段で体格がよく、髪は短く顎大きく、目玉が丸く睫毛が長く、目尻の皺が深くて太い声の刑事}はその主張をあっさり退ける。 なんと、&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}はその電話の相手が誰だったか覚えていないと言うのだ! &font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}はその男を競輪場で紹介されてちょっと知っているだけであり、「江東区でスナックを経営しているらしい、四十代半ばほどの声に特徴がある男」としかわかっていなかった。 それでは何のあてにもならない、と&font(#008000){勤続二十年で四十三歳、正式には警部補という階級で、柔道二段で体格がよく、髪は短く顎大きく、目玉が丸く睫毛が長く、目尻の皺が深くて太い声の刑事}は指摘。 &font(#008000){「住所はどこで、何歳で、顔や体にどんな特徴があってとか、出身地や職業もわかっていてこそ、その本人に間違いがないと判断できるわけだろうが」} &font(#008000){「住所、年齢、職業、外観上の特徴、しゃべり癖、よく目につく体の動かし方の癖。} &font(#008000){そういうものがちゃんと言えて、確かにこの人間がそれに当てはまると思えてこそ、第三者を特定できるんだ。だってそれ以外に人と人とを区別できる手段はないんだからな」} 冷静に&font(#008000){勤続二十年で四十三歳、正式には警部補という階級で、柔道二段で体格がよく、髪は短く顎大きく、目玉が丸く睫毛が長く、目尻の皺が深くて太い声の刑事}からそう諭される&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}。 しかし、とうとうこれで事件解決かと思われたその時、事態は急展開する! 取調室に突然入ってきた、&font(#008000){勤続二十年で四十三歳、正式には警部補という階級で、柔道二段で体格がよく、髪は短く顎大きく、目玉が丸く睫毛が長く、目尻の皺が深くて太い声の刑事}の先輩である&font(#2f4f4f){四十五歳ぐらいで面長で、髪は短く七三に分け、黒縁メガネをかけた小鼻のしっかりした刑事}によると、任意で取り調べに応じていた&font(#994c00){瘦形で肩が怒っていて、眉が薄く目が細く、首筋に一円玉大の黒子のある現在無職、元タクシー運転手の男}の知人が犯行を自供したらしい。 &font(#800080){江東区でスナックを経営している、四十六歳で声に特徴のある男}は、&font(#994c00){瘦形で肩が怒っていて、眉が薄く目が細く、首筋に一円玉大の黒子のある現在無職、元タクシー運転手の男}と共に&font(#ff7800){六十四歳でつるっ禿の前歯が突き出した金縁メガネの金融業者}から金を借りており、厳しくなる取り立てに思い余って殺害してしまったとのこと。 しかも、&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}の事務所が日曜日に休みであることを利用して、&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}の事務所で&font(#ff7800){六十四歳でつるっ禿の前歯が突き出した金縁メガネの金融業者}を殺害、 &font(#994c00){瘦形で肩が怒っていて、眉が薄く目が細く、首筋に一円玉大の黒子のある現在無職、元タクシー運転手の男}のタクシーで死体を遺棄したが、タクシーの血痕が発見されたため&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}に脅されてやったと主張する形に切り替えたのだった! 現場からも&font(#800080){江東区でスナックを経営している、四十六歳で声に特徴のある男}の指紋が発見されていた。 さらに念のいったことに、&font(#800080){江東区でスナックを経営している、四十六歳で声に特徴のある男}は&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}が事務所に出てこないことを確認するために、当日に&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}の自宅に電話をかけていたのだった。 これらの工作が明るみに出て、&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}の容疑は完全に晴らされたと言って良かった。安堵して机に突っ伏す&font(#008cff){五十年配の、よく陽に焼けて額から頭頂部辺りまで禿げ上がった、首の太い中肉中背の男}。 それを見ながら&font(#008000){勤続二十年で四十三歳、正式には警部補という階級で、柔道二段で体格がよく、髪は短く顎大きく、目玉が丸く睫毛が長く、目尻の皺が深くて太い声の刑事}は独り言ちる。 &font(#008000){「それにしてもこんな単純な事件が、どうしてこんなにややこしい話になるんだ」} その理由に思い当たる方は追記・修正お願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,5) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 後代の『まおゆう』とか『ゴブスレ』と合わせると、「キャラに固有名はなくてもいいが、簡潔な役割区分名くらいないと執筆が面倒」って結論かなあ。 -- 名無しさん (2021-06-20 17:37:05) - ラノベで長すぎる射精音に買った人がブチギレたとか、ランク:SSSSSSSSSSSSSSSSSみたいなのでページ埋め尽くしたとか炎上しているところを見るにこういうのはネタだから許されるんだなあと思った -- 名無しさん (2021-06-20 17:38:43) - 寿限無に通づるものがある迂遠さ -- 名無しさん (2021-06-20 17:55:06) - カラフルで見づらい -- 名無しさん (2021-06-20 18:43:44) - だが色を消したら何が何やらとなりそう -- 名無しさん (2021-06-20 18:56:16) - 名前って大事なんやなぁって。 -- 名無しさん (2021-06-20 19:51:41) - まおゆうとかゴブスレは、「世界観上固有名詞は恐らくあるのだろうけど、読者の視点からはそれがわからない」のに対して、これは「社会を構成する単位として個人名という概念そのものが存在しない世界」を描いているから、実はちょっと違う -- 名無しさん (2021-06-20 20:11:00) - SCPの某禁忌じゃないんだからw -- 名無しさん (2021-06-20 20:59:13) - 作風的には「まあ清水義範だし…」って感じで分かるんだが、これ時代的にパソコン使わないで書いてますよね…?絶対めんどくせーわ… -- 名無しさん (2021-06-20 21:20:33) - ↑校正の人もチェックするの大変だったろうな -- 名無しさん (2021-06-21 03:50:40) - どう考えても面倒くさいので、43歳の刑事は(1)、50年配の容疑者は(2)…みたいに著者は記号で書いてそう -- 名無しさん (2021-06-21 08:40:44) - 当時でもワープロとフロッピーディスクいうものがあってだな… まあめんどくせーな -- 名無しさん (2021-11-10 20:40:32) #comment(striction) #areaedit(end) }

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