リング(映画)

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&font(#6495ED){登録日}:2022/05/03 Tue 20:50:01 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 26 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){ &size(25){&bold(){&b()&color(red){ビデオに殺されるなんて。}}} } 1998年1月31日に公開された日本のホラー映画で、1991年に発表された鈴木光司の小説『[[リング>リング(小説)]]』の映画化作品である。 続編『らせん』と共に「鈴木光司原作デュアルムービー」のキャッチコピーで公開された。 #openclose(show=●目次){ #contents } *概要 『リング』の映像化作品としては、1995年放映の2時間ドラマ「リング 事故か! 変死か! 4つの命を奪う少女の怨念」に続いて二度目、 メディア化というカテゴリであれば、同じく1995年放送のラジオドラマ版も含めて三度目となる作品。 監督は謎の映像に写る女の恐怖を描いた「女優霊」で一躍注目を浴びた中田秀夫氏。脚本は同じく「女優霊」の高橋洋氏が務めた。 音楽には『[[機動警察パトレイバー the Movie]]』や『[[科捜研の女]]』に携わり、 本作の後には『[[機動戦士ガンダム00]]』シリーズや『[[ウルトラマンジード]]』のBGMを手掛けた川井憲次氏が担当した。 物語の大筋は原作やこれまでのメディア化作品と同じで、  「二人の人間が呪いの映像を見てしまい、死が訪れるまでの一週間のタイムリミットの中で謎を解いていく」 という流れになっているが、登場人物や呪いに関する設定はいくつか変更、削除されている他、 何よりミステリー色が強く、逆にホラーとしての毛色は抑え気味だったこれまでのメディアと異なり、 上記の『女優霊』に近い、「呪い」の要素を強めた純然たるホラー映画として作られているのが大きな特徴。 「呪いのビデオ」の映像はこれまでより不気味なものになっている他、 キーパーソンである「山村貞子」についても、原作とはかなり異なるキャラクター像にアレンジされている。 『女優霊』の要素を引き継いでいる個所もあり、そういう意味では同作の進化版か精神的続編ともいうべき映画となっている。   中田監督と高橋氏による恐怖演出と原作の持つホラーミステリー要素の親和性の高さがあってか、恐怖と戦慄のサスペンスホラーとして完成されており、 予告編のスリリングでスタイリッシュな演出や&bold(){あの恐怖の展開}の強烈なインパクトもあって興行収入20億円という大ヒットを収めた。 そうしたこともあってかその後もホラー映画がしばらくの間毎年のように製作されることとなり、 いわゆる「ジャパニーズ・ホラー」と呼ばれるジャンルを確立させることとなった。 主題歌はPSゲーム「GALERIANS」のエンディングテーマを担当したりした音楽ユニットのHIIHが歌う「feels like "HEAVEN"」を、 本作の音楽を担当した川井憲次氏がホラーチックに編曲した&b()「feels like "HEAVEN" X TRA Sound scape mix」((エンドクレジットでは原曲のタイトルになっている。))。 予告編やCMでは「きっとくる」のフレーズを印象付けさせ本作を象徴する楽曲となった。 *あらすじ 「それを見ると、そのきっかり一週間後に死亡する」という「呪いのビデオ」の取材をしていたTVディレクターの浅川玲子。 浅川は、謎の死を遂げた姪である智子と、彼女と同じ車の中で変死していた男女の死亡した日付と時刻が同じであることに着目し、調査を始めたが、 その結果、件の「呪いのビデオ」を発見し、それを見てしまった。 浅川は元夫の高山竜司に助けを求め、彼と共にビデオの調査に乗り出すが、その最中、向かった実家で息子・陽一までビデオを見てしまう。 こうして、家族全員の命が残り数日となる中、浅川と高山はビデオに映っていた超能力者の女性・山村志津子が住んでいた伊豆大島へと向かった。 そして、彼らはその伊豆大島で、志津子の娘であり、念じるだけで人を殺すことができたという人物・山村貞子のことを知る。 「呪いのビデオ」はその山村貞子が作り出したものだと確信する浅川たちだったが、タイムリミットは間近に迫っていた。 はたして彼らは、貞子の呪いを解くことが出来るのか…。 *登場人物   ■浅川玲子 演:松嶋菜々子 主人公。TVディレクターで、息子・陽一とマンションで二人暮らしのシングル・マザー。27歳。 姪・智子の死の謎を追う中で「呪いのビデオ」を見てしまい、その呪いを解くため奔走する。 息子の陽一のことを何よりも大切にしており、それ故に彼までも「呪いのビデオ」を見てしまったことや、 その呪いのタイムリミットが迫りくることに体力・精神共に追い詰められてしまう場面も。 ちなみに、原作とTVSPドラマ版、後の連続ドラマ版では「浅川和行」という男性で、職業も新聞記者であり、年齢も35歳となっている。 #region(ネタバレ) ビデオを見てから一週間後の日に貞子の亡骸を発見することに成功。 その時には一週間前にビデオを見た時刻を過ぎており、それでも生きていることから、貞子の呪いが解かれたと安堵するが…. #region(さらなるネタバレ) 呪いが解かれていたのは、彼女が&bold(){呪いの本当の解き方を知らないうちに実行していた}ためであった。 高山の死と彼が残したヒントから呪いを解く方法として&bold(){あること}を推測した浅川は、 愛する息子を救うため、ビデオとビデオデッキを持ち出し、陽一のいる実家まで車を走らせる…。  #endregion #endregion ■高山竜司 演:真田広之 浅川の元夫である数学講師。35歳。 浅川に助けを求められ、共に「呪いのビデオ」について調べることになる。 実は超能力者であり、触れた相手の記憶を見たり、逆に相手に自分が見たビジョンを見せることができ、 浅川が高山を頼った理由の一つも、この能力にあると思われる。 旅館での浅川とのやり取りや後作での舞との会話を見るに、自分の能力にはコンプレックスを感じている模様。 基本的に冷静沈着であるが、終盤では精神を擦り減らして弱気になった浅川を叱咤激励するなど、 家族のために最後まで諦めずに抗う強さを見せた。 原作では哲学講師で浅川とは高校時代の同期の仲。 超能力は持っておらず性格も冗談を言うお気楽な性格の持ち主となっている。 なお数学講師になったのは超能力者は数字やパズルの世界にいるという監督の印象によるもので、 超能力者なのは&b()映画独自の設定で話を進めやすくするため設けられたものである。((同じ超能力者の志津子のことを知っていたり山村老人の記憶から貞子の人物像を知るところ等。連続ドラマ版の高山も超能力者設定がついている。)) #region(ネタバレ) 浅川が貞子の亡骸を見つけたことと、一週間前にビデオを見た時刻を過ぎても彼女が生存していることから、 貞子の呪いは解かれたと判断し、浅川と別れて自宅に戻ると、仕事に戻ることにするが…。 #region(さらなるネタバレ) 実は浅川と違って、高山に掛けられた呪いは解呪されていなかった。 そして、一週間前にビデオを見たのと同じ時間に自宅に出現した貞子によって、高山は&bold(){苦しみながら呪い殺されてしまう。} 高山の死を知った浅川は嘆くと共に、陽一に掛けられた呪いが解呪されていない恐れに思い至る。 自宅に戻りながら「何故自分は助かり、高山は助からなかったのか」について考えていた浅川は、 テレビのブラウン管に、ビデオに出ていた人物のように&b()頭を布で隠した高山と思わしき人物((顔がわからないのではあるが服装が同じことやヒントを与えたとしか思えない行動から十中八九高山と思われる))の幻影を見る。 その人物が指差す先にあった浅川の鞄…いや、ビデオから、浅川は貞子の呪いを解く本当の方法を悟るのであった…。 #endregion #endregion ■浅川陽一 演:大高力也 浅川と高山の一人息子。6歳。 基本的に無口で物静かな立ち振る舞いであるが、実家のシーンでは祖父と明るく戯れるなど年相応の子供らしい一面も見せる。 智子とも仲が良く、彼女の部屋にあった写真では智子共々満面の笑みだった。 実家に来た日の夜にダビング(コピー)された方の「呪いのビデオ」を見てしまい、呪いに巻き込まれることになる。 また、父から超能力を受け継いでいると思わしき描写があり、葬式のシーンでは意味ありげに智子の部屋を見つめる、 その後智子の死が呪いのビデオによるものだと発言する、高山がある状況に陥った直後何かを感じとったかのように上を見上げるといったことがあった。 この超能力を受け継いでいることに関して、高山と陽一が面と向かい合ったシーンや旅館での浅川との会話から高山は後悔に近い感情を抱いていることがうかがえる。 陽一の方は物心つく前に浅川と高山が離婚したため父親の顔をはっきりとは知らないようで、高山に対してはうっすら父親ではないかと思ってるがそれ以上踏み込めないようだ。 原作では陽子という2歳の女児であり、TVSPドラマ版ではまだ胎児という設定。連続TVドラマ版では本作同様陽一となっている。(ただし[[幼稚園]]児の設定) ■大石智子 演:竹内結子 浅川の姪で陽一の従姉妹。17歳。 物語冒頭、友人の雅美と共に「呪いのビデオ」について話をしていた際に、 友人の岩田、辻、能美と伊豆パシフィックランドのB4号棟で泊まった時「呪いのビデオ」を見てしまったことを話す。 それに怯える雅美を冗談だと茶化すが、実際には話の内容は本当に智子たちが経験したことであり、 雅美がトイレに立っている間に、何者かに出くわしてしまった智子は変死を遂げてしまう。 母良美が押し入れの中で発見したその亡骸は、&bold(){恐怖に叫んだよう}な表情であり、死因は心臓発作だった。 死後も浅川の夢枕等に立つが、既に彼女は貞子の呪いの影響か&b()悪霊と化してしまったらしく((高山曰く「もう智子ではない」とのこと。))、 &b()浅川に陽一の幻影を見せ、本物の陽一には「呪いのビデオ」の視聴を唆した。((それ以前にも葬式のシーンで陽一が階段を駆け上がる智子の足を目撃するシーンがある。ただこれに関しては過去の記憶が見えたともとれるが)) ■倉橋雅美 演:佐藤仁美 智子の友人。彼女家で一緒に勉強をしながら呪いのビデオの噂を話した後そのビデオを見たことを告げられる。 トイレに行くため智子と一旦離れるが、戻った際に&bold(){何か}を見てしまったらしく、 精神病院に入院することになった上に&bold(){テレビには絶対に近づかない}ようになってしまった。 ■辻遥子 演:池田真紀 智子の友人で共に伊豆パシフィックランドで呪いのビデオを見てしまった女子高生。 智子が死んだ日と同日同時刻に彼氏の武彦と共に車で&del(){これからエッチしようってところで}心臓発作で死亡。%%ホラーお約束%% 発見された彼女の顔は智子同様の表情であった。 ■能美武彦 演:高山隆志 遥子の彼氏で智子たちと共に呪いのビデオを見た大学生。車の中で遥子と一緒に心臓発作で死亡した。 ■岩田秀平 智子たちと共に呪いのビデオを見た大学生でB4号棟で呪いのビデオを見つけた人物。 智子の葬式に参列していた彼女の友人達の話から、[[バイク]]を運転中に心臓発作を起こし事故を起こしてそのまま死亡したと思われる。 冒頭の会話から知り合いの女子たちからモテていたようだ。 原作では序盤に死亡直前のところを主人公の浅川和行に介抱される形で登場するが本作では会話に上がるだけで未登場である。 ■高野舞 演:中谷美紀 高山の教え子である女子大生。22歳。 高山の家で彼と浅川がビデオを調べている際現れ、出版部の伝言を伝えた。高山とは親しい間柄で彼の黒板に落書きすることも。 #region(ネタバレ) ビデオの呪いで死んだ高山の第一発見者となり彼の部屋の前で呆然としていた。高山の死に顔に強烈なインパクトを受けた模様。 #endregion ■大石良美 演:しみず霧子 智子の母で浅川の姉。 智子が死亡した日は夫と共に野球観戦に行っており不在だった。 娘の死に大きなショックを抱えており、浅川に押し入れの中で変死していた智子を発見したときのことを話す。 ■吉野賢三 演:松重豊 浅川の上司。彼女と共に車で死亡した男女の映像を見ながら事件の状況を説明した。 ■岡崎 演:柳ユーレイ(現:柳憂怜) 浅川の部下。浅川の依頼で車で変死した女子高生の学校を調べる。その後も浅川の頼みで貞子と伊熊の行方を調べていた。 演じた柳氏は中田監督の映画デビュー作である「女優霊」で主演を務めた縁での友情出演である。 ■山村敬 演:沼田曜一(現在)、武田敏彦(青年時代) 山村志津子の従兄弟。息子夫婦が切り盛りする旅館・山村荘に住んでいる。 志津子の話を聞きにやってきた玲子と竜司を最初は何も知らないと突っぱねる。 翌日、高山の超能力によって&bold(){過去に志津子の超能力に目を付け公開実験を開いて見世物にすることで金儲けを企んだ}ことを暴かれ、 さらに志津子の娘・貞子が人を殺せるほどの超能力を持つ「化物」だったことを知られる。 悪事を働いたことに関しては今では負い目を感じていたらしく、嵐のせいで大島を離れることができない浅川と高山を助け、自分の船に乗せて本土へ送り届けた。 ちなみに原作やTVSPドラマ版では悪事を働いてはおらず、貞子に対しても嫌悪感は微塵も感じていない設定である。 ■山村和枝 演:梶三和子 山村敬の義理の娘(息子の妻)で、彼と共に暮らしながらかつて志津子と貞子が暮らしていた家である旅館「山村荘」を営む女性。 嫁いできたのは志津子らの騒動が起きた後で、志津子や貞子とも面識はない。&del(){重苦しいムードの}浅川と高山に伊熊と志津子が写った写真を見せた。 ■伊熊平八郎 演:伴大介 山村志津子の超能力を研究していた学者。 志津子の超能力を証明しようと公開実験を開いたが失敗、そのまま姿を消してしまった。 劇中の竜司のセリフから、妻がいながら志津子とは研究の協力者を越えて不倫関係に発展しており、貞子の父親でもあった模様。 #region(ネタバレ) 智子たちがビデオを見た伊豆パシフィックランドの部屋の下で浅川と高山が井戸に触った瞬間、 伊熊が貞子を殺害し井戸の中に突き落とすイメージが脳内に出現し、&bold(){彼が貞子の力を恐れ、彼女を殺害した}ことが発覚。 さらに、井戸に降りていく浅川は、そこから下を見下ろす高山を見た際に、ビデオの最初の映像が脳裏にフラッシュバックしたことで、 「呪いのビデオ」の最初に出てくる円の中の男の正体は、貞子を殺し、井戸の中を見下ろす伊熊であったことを知る。 なお、志津子と不倫関係にあったことから貞子の父親と目されているが、貞子の父親は別人である可能性も高山の発言などから示唆されている。 ちなみに、原作やTVSPドラマ版では結核で倒れて療養中であり、貞子を殺害したのは別の人物。 #endregion ■山村志津子 演:雅子 ビデオの鏡のシーンに登場した女性で伊豆大島の三原山の噴火を予知した超能力者。 千里眼を持ち合わせており隠された物を当てたりできた他、相手の心を読むこともできる。 山村敬の話では海で&bold(){人のものではない}言葉を発したりすることもあったようだ。 三原山の一件で伊熊に協力を申しだされ、超能力の実証の実験(箱の中にある紙に書かれた言葉を言い当てるというもの)を行うが、 記者達からはトリックであると非難され、後述の貞子の行動もあってか精神を病んでしまい、やがて三原山に身を投げて自殺してしまった。 ■山村貞子 演:伊野尾理枝、白井ちひろ(少女期)、&font(#ffffff){宮崎紀彦(目のアップ)} 「呪いのビデオ」の鏡のシーンで一瞬写っていた少女の正体で、山村志津子の娘。 念じるだけで相手を殺害することができるほどの超能力を持っており、 志津子の公開実験で彼女の超能力が記者達に非難された際、最初に批判した記者を超能力で殺害してしまう。その後の消息は不明とされているが…。 原作やTVSPドラマ版では、恐ろしいほどに美しくミステリアスな魔性の女として描かれていたが、 本作では恐ろしい力を持っていること以外は全く不明の不気味な存在として描かれている。 #region(ネタバレ) &bold(){「呪いのビデオ」を生み出した張本人}であり、この物語の元凶とも呼べる人物。 高山の超能力により、貞子の力を恐れたと思われる父親の伊熊によって、井戸に突き落とされて死亡したことが判明する。 その殺害現場には後に伊豆パシフィックランドのB4号棟が建てられたが、貞子の遺体がある井戸はB4号棟の真下に未だ&b(){蓋をされた状態で存在}しており((蓋をしたのは恐らく伊熊と思われるが、しかし後の作品で伊熊邸が廃墟となったあとも井戸には蓋がされていないシーンがあるため別の誰かによる可能性もある。))、 そこを訪れた浅川たちによって発見された貞子の白骨化した遺体は、後に警察に引き渡された。 ちなみに、原作では女性ながら睾丸も持つ「睾丸性女性化症候群」であったが、本作ではその設定はない。 #region(さらなるネタバレ) 死体が発見されたことで、貞子の霊も成仏した…&bold(){なんてこともなく}、発見後も現世に留まっており、 終盤、ビデオのラストカットの井戸がテレビに映り、その井戸から這い上がってこちらへ向かってきてそのまま&b()&bold(){テレビを越えて現実に出現}すると、 「呪いのビデオ」を見てから一週間が経っていた高山を&bold(){怒りと狂気の目で睨みつけて呪い殺す}恐ろしい姿を見せた。 #endregion #endregion *本作に登場する場所・アイテム ■呪いのビデオ これを見た者が、初めて見てからちょうど一週間後に心臓発作で死亡してしまうというビデオテープ。 雅美の話によると、この映像の出どころは伊豆パシフィックランドのB4号棟のテレビであり、 とある少年が、そのテレビには番組が映らないと知らずに、野球中継を録画するためにビデオテープをセットしたことで、 この恐ろしい映像が録画されたビデオテープが誕生したとされる。 そして、このビデオテープは同施設を訪れた智子たち三人によって発見され、 その後、管理人が所持していたものが、智子たちの死の真相を探る浅川の手に渡ることになった。 テープを再生するとしばらくの砂嵐のあと荒く不気味な映像が7つの映像が流れる。 ・真っ黒の画面の中心に円がポッカリ空いておりそこに男の上半身が斜めに映っている光景 ・壁にかかった鏡に女性が髪をとかしているのが写る光景。一瞬鏡が移動しその際の鏡には少女が写っており、鏡が戻ると女性は恐らく少女を見て微笑む。 ・文字が蠢いている新聞。「山が噴火」という言葉のみ確認できる。 ・何人もの人間がもがき苦しんでいる光景 ・頭を布で隠した人物が画面左手前に指を差している光景 ・画面全体に写っている目。瞳には小さく反転された「貞」の文字が。 ・奥に木々が生い茂る平地に井戸がポツンとある光景が映る。 (ちなみに浅川がダビングしたビデオの方には映像が消える直前に井戸から&bold(){何かが現れようとしている}のが映っている。ダビングを繰り返せば&bold(){映像の続き}が見れるのかもしれない) ビデオを見終えると電話が鳴り、受話器からはビデオを再生したときの軋むような音が鳴り続ける。 しかし浅川の家で高山が再生した際には電話は鳴らず、これが貞子を見つける重要なヒントとなる。 ビデオの謎を探るうちに山村貞子に辿り着いた浅川と高山は、彼女の遺体を見つけてやれば貞子は成仏し、呪いも消えると推測して動くのだが…。 作中ではオリジナルのビデオテープと浅川が高山の頼みで調査用にダビング、後に陽一が再生してしまったテープの二種類が登場した。 原作やTVSPドラマ版は不気味というよりはミステリアスな印象が強かったのだが本作では不気味さを徹底したものになった。 ちなみにビデオを全部見なかった場合は霊感を持つようになり、この世とあの世の間が見えるようになるらしい。((「リング2 恐怖増幅マガジン」の質問コーナーでの高橋洋氏の回答)) #region() 呪いを解く方法は貞子の死体を発見することではなく、実際に浅川は生存したものの、高山は死亡してしまった。 高山の死を知った浅川は、自身と彼の行動の違いを洗い出すと共に、自宅で見た高山らしき幻影の人物の行動から、 真の呪いを解く方法は&bold(){「ダビングした『呪いのビデオ』を他人に見せること」」}と推測した。 #endregion ■井戸 ビデオのラストにポツンと写っている井戸。当初は特に意味がないものと思われていたが... #region(ネタバレ) 「呪いのビデオ」を見た後に、謎の電話が鳴ったのは伊豆パシフィックランドだけであることを突き止めた浅川と高山。 そして、伊豆パシフィックランドに向かった二人は、その床下にビデオで見たものと同じ井戸があることを発見し、 そこに触れた高山の超能力によって、二人は伊熊によって貞子が井戸に突き落とされて殺されるビジョンを幻視する。 この井戸こそ、&bold(){生前の貞子が無惨な最期を迎えた場所}にして、&bold(){「呪いのビデオ」に映る映像を生み出した場所}だったのだ。 なお、撮影では入り口から底までが一つのセットとして製作されたが、 それ故に撮影は大変だったようで、翌年の『リング2』では3つに分割して再製作されている。 #endregion ■伊豆パシフィックランド [[静岡県]]の伊豆にある貸別荘。 いくつかの建物が存在し、その一つであるB4号棟に「呪いのビデオ」があった。 雅美の話などから推測するに、B4号棟で件のビデオを見た時のみ、直後に無言電話が掛かってくるようだが…。 #region(ネタバレ) &bold(){B4号棟は伊熊が貞子を殺害した場所に立っており、かつ、彼女が死亡した井戸は部屋の真下に現存していた。} 無言電話が鳴るのがB4号棟で見たときだけなのはこのためである。 #endregion ■山村荘 伊豆大島の差木地にある旅館でかつて志津子と貞子が住んでいた場所。 現在は山村敬とその息子夫婦が住んでおり、経営はその息子夫婦が行っている。 志津子のことで調べに玲子と高山が訪れそのまま一泊した。 ある一室には鏡が壁に掛けられていたのだが、そこはビデオで志津子が髪をとかしていた場所であった。 *余談 ■本作で強烈なインパクトを残した「貞子の目のアップ」であるが、あれは監督助手の宮崎紀彦氏が演じたもので&bold(){眼科でまつ毛を全部抜いて撮影している。} 本来は専用のキャストがする予定だったようだがまつ毛を抜くことを拒否して降板してしまったようで、そんな中、宮崎氏が中田監督と偶然目が合&del(){ってしま}ったことで抜擢されたという経緯がある。 なお「呪いのビデオ」の方の目のアップも宮崎氏である。 ■井戸から出た貞子がこちらに迫ってくる描写と立ち上がる描写は映像の逆回しにしたもので、実際の演技では後ろに後ずさったり床に伏せている。 ■呪いのビデオの1シーンに登場するのたうち回る人々を演じたのは「[[少女革命ウテナ]]」の合唱曲などを作ったJ・A・シーザーが率いる劇団である「演劇実験室万有引力」の人々。 「リング2 恐怖増幅マガジン」では「二時間もかけて撮影された」とネタっぽく描かれている(本当かどうかは不明)。 ■ラストの浅川の乗る車が道路を走っていくカットは車が次第に消えていくように写さなければならなかったため、&bold(){時速200キロの超スピード}で走らせて撮影してる。 ■音楽の川井憲次氏は製作中度々ちょっとしたイタズラを中田監督に仕掛けることがあったらしく、音楽をダビングしたビデオで貞子が歩く度に[[鉄腕アトム]]の歩く音が鳴るようにしたことがあったとか。 ■1999年には稲垣みさおによるコミカライズ版が上下巻で発売。 基本的には本作をベースにしているが、呪いのビデオの映像の構成や貞子の死の描写・殺人の犯人など原作の要素も取り入れたものになっている。 ■映像ソフトはいくつか存在。 VHS:本編前にビデオCMを複数収録。廉価版では削除された。 LD:インタビュー映像「Behind the リング」を収録。 DVD:ジュエルケース版とトールケース版(orレンタル版)の二種類が存在。 キャスト&スタッフ[[プロフィール]]、「リング」「らせん」TVスポット二種、「リング」台湾版TVスポット三種、「リング2」「死国」予告編、関連メディアの紹介(静止画)を収録している。 ムック本「世界名作シネマ全集」にも特典として同一内容のディスクが封入。 DVD(Hi-Bit Edition):画質・音質をグレードアップしたもの。その影響か否か特典は一切収録されていない。メニュー画面は上記のDVDとは異なる。DVD-BOXにもこれと同一内容の物が収録。 BD:「貞子3D」公開に伴って発売。特典は特報と劇場予告編のみ。 #right(){ &size(20){&bold(){&font(#0000ff){その恐怖は「らせん」につながる。}}} ***TO BE CONTINUED [[&color(blue){らせん}>らせん(映画)]] } #right(){ &size(20){&bold(){&font(#008000){リングの恐怖は、始まりにすぎなかった。}}} ***ANOTHER CONTINUATION [[&color(green){リング2}>リング2(映画)]] } #right(){ &size(20){&bold(){この&color(red){呪い}は、&color(red){変異}して、&color(red){拡散}する。}} ***FURTHER POSSIBILITY [[&color(black){貞子}&color(red){DX}>貞子DX(映画)]] } #left(){ &size(20){&bold(){すべての恐怖は、ここから始まった。}} ***PREVIOUS [[&color(black){リング0 バースデイ}>リング0 バースデイ(映画)]] } 呪いのビデオを見た人は追記・修正をお願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,14) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 2022年、再び -- 名無しさん (2022-05-03 22:16:27) - DBDに出演して、割とホラーやってるとか言われている貞子。ホラゲーなのに、おかしいね(棒) -- 名無しさん (2022-05-03 23:26:52) - ドラマ版の記事も楽しみにしています --   (2022-05-04 01:09:07) - ほぼ「くーるーきっとくるー」しか流されない主題歌、一見明るい曲調に見えて歌詞はかなりキテる内容という -- 名無しさん (2022-05-04 01:15:03) - え、今まで記事無かったっけ…? -- 名無しさん (2022-05-04 07:28:43) - 原作の記事はあった -- 名無しさん (2022-05-04 08:19:17) - 怖い怖いと聞いてたからビビって見なかったがいざ見てみると怖いより面白くてなんでウケたか分かった。後女優さん達の美しさにもビビる -- 名無しさん (2022-05-04 09:19:25) - 2000年代では貞子がネット上でネタキャラ扱いされてしまって、あまり怖い存在じゃなくなってしまったんだよな……。原作者はよく怒らなかったなと感心するわ。 -- 名無しさん (2022-05-04 20:34:37) - リング(輪)の中にマネキン人形みたいな女性の顔が浮かぶ、不気味な広告ビジュアルも有名。らせんもそうだが、あまりにも象徴的でセンスを感じる。 -- 名無しさん (2022-05-04 22:49:57) - ↑2 よく怒らなかったなも何も作者自身が「貞子なんて俺の創作物なんだから怖がんじゃねえ!」とか公の場で言っちゃうような人だから… -- 名無しさん (2022-05-04 23:16:56) - 陽一君。無事デスゲーム継続中(合掌) -- 名無しさん (2022-05-05 00:24:42) - 超有名ホラー映画なのに、これまで項目なかったんだ。 -- 名無しさん (2022-05-05 08:34:29) - 笑う犬シリーズで「わっか」というパロディがあったな -- 名無しさん (2022-05-05 10:46:23) - ↑懐かしいwアレ確かビデオから出てきた貞子説得してオトして普通にハッピーエンドだったよねw -- 名無しさん (2022-05-05 11:02:03) - 映画版は浅川と高山の「離婚した元夫婦」という微妙な距離感が面白かった。なお、二人が離婚に至った経緯は特に明言されていないが、劇中での描写から察するに高山の持つ超能力関連のことでお互いの間に埋まることのない深い溝ができてしまったからなのではないかと思った。 -- 名無しさん (2022-05-05 20:23:31) - 川井憲次の恐怖をあおる本作のBGMはアンビリバボーの心霊コーナーで多用され、今でも心霊番組など使われる。 -- 名無しさん (2022-05-06 16:27:02) - 90年代後半及び最後にして2000年代の呪怨、仄暗い水の底から、着信アリなどの新しい日本ホラー作品の幕開け。貞子の名前は伽耶子、美々子にも影響を与えているとされる。 -- 名無しさん (2022-05-07 16:35:38) - 主題歌は怖かった時のたけしの家庭の医学のイメージが強い -- 名無しさん (2022-05-07 23:31:15) - 呪いのビデオの最初の犠牲者は智子達4人で間違いなく、浅川が冒頭で取材していた女子高生の噂話とはまったく無関係とされたが、「一週間後に死ぬ」「伊豆が発祥で電話が来る」などの内容は一致している。浅川の調査では電波ジャックはなく、浅川より先にB4号に侵入した誰かがダビングしてコピーを作った可能性も考えられるが、4人以外に心臓麻痺で死んだ者はいないため噂の出どころは最後まで不明。浅川もこれに疑問を呈しており、それに対して高山は「不特定多数のそうなってほしいという期待では?」と述べている。単に貞子がビデオに念写したから呪いのビデオが生まれたのではなく、恐怖と超常の力を持った存在が見たいという人間達の念が貞子を呼び覚まし、噂を事実に変えたというのが事の真相ならば結局、一番怖いのは貞子でも異界の魔物(貞子の本当の父親)でもなく、ただの人間という事になる。 -- 名無しさん (2022-05-08 11:21:36) - ↑最初の犠牲者は玲子が冒頭でインタビューしてたJCたちが言ってた小学生の男の子で間違いない。ちなみにペンションの中で玲子が見ていたノートにあった家族みんなデブという落書きを書いたのもその男の子という裏設定がある。 -- 名無しさん (2022-05-08 20:34:11) - ↑漫画版ではその少年は生きてるらしいけど時間があればその子も犠牲者1号として描かれただろうか。そうすると呪いのビデオの噂と事実の合致の振り出しに戻るが、噂の内容では貞子が一週間後に死ぬと宣言されるなどの違いもある。さらに貞子からの電話は噂では場所を問わずかかってくるとされるが、実際には伊豆のB4号のみで智子も浅川もそれを体験。自分としてはただの偶然とはどうしても思えない。 -- 名無しさん (2022-05-08 22:32:34) - ↑おそらくだけど噂が広がっていく中で話が変化していったのでは?例えば貞子がテレビに映って死の宣告を行うという話は智子たち以前に呪いのビデオを見た者の近くに誰かいて、その誰かが貞子がテレビから出てくるところを目撃し、テレビから怖い女が出てきたという話が変化していってテレビに怖い女が映ったという話になったのでは?電話のことも伊豆のペンションでしか鳴らなかったという事実に気付いたのは劇中では玲子だけだったので、もともとはペンションにいた時に鳴った電話がいつの間にか自宅で鳴ったことに話が変わっていったのかもしれない。同じようにビデオも家に帰ってからでなく、ほんとはペンションの中で見ていたのかもしれない。 -- 名無しさん (2022-05-09 19:33:44) - ↑速攻でリング1見て、文庫の映画版脚本集リング・リング2読んだけど、脚本では少年は東京に帰って見たと雅美が述べている。そうすると真の犠牲者1号はいた?しかし、ラストのJC達(声のみ)は助かる方法であるダビングまで知っていた事から犠牲者となるはずだった少年(仮)は呪いのビデオをプロによるイタズラビデオと誤解(本能的にやばい奴だと直感で気付いた可能性もあり)、オリジナルをそのままB4号に残してダビング、これが香苗(リング2)と清美(リング0)の知る噂の呪いのビデオとなった可能性もある。 -- 名無しさん (2022-05-09 21:39:07) - ↑×2 原作及び最初の映像作品では噂としての呪いのビデオの設定はなく、最初の犠牲者は智子達4人のみ。映画版の噂の設定は口裂け女(劇中では岡崎と浅川の会話に登場)から来ているとされ、智子達や少年(仮)がビデオを見る前により先に噂自体はすでに存在していた可能性もまたある。そもそも脚本が女優霊の高橋洋である事を考えれば、 -- 名無しさん (2022-05-09 23:39:01) - ↑続き 実在しない架空の存在が実体を持ち、暗躍する怪物を書きたかったために呪いのビデオの噂という設定も追加されたのかもしれない。 -- 名無しさん (2022-05-09 23:41:27) - ハリウッドリメイク版の企画が持ち上がった時、アメリカの映画会社の人たちが「日本製のホラーなんて大したことないでしょ」って笑ってたけど、いざ試しに本編を見てみたら終盤頃には「分かった、怖いのは認める、だからもうやめてくれ!!」って阿鼻叫喚の騒ぎになったとか何とか -- 名無しさん (2022-05-10 00:31:12) - これ公開実験の少女貞子による大量殺人の記憶だと思ってたけど後から考えたらバースデイの劇団飛翔全滅事件にもとれるな>何人もの人間がもがき苦しんでいる光景 -- 名無しさん (2022-06-25 05:50:48) - このシリーズのヒットは全国の貞子さんにとっては最悪の風評被害だよなぁ……自分の名前が悪霊の代名詞の一つとして定着するとかキツすぎる -- 名無しさん (2022-11-06 10:37:23) - 忌怪島見てきたけど、貞子ならイマジョをどう思うか。 -- 名無しさん (2023-06-17 17:33:12) - ↑2身の回りに「貞子」って名前の人はいないけど昔ならある程度はいた名前なの? -- 名無しさん (2023-07-04 15:19:15) - 呪いのビデオテープが出来る前でもB4号棟では何かしら怪奇現象はあったのかね -- 名無しさん (2023-12-04 17:50:38) - 浅川が岩田を介抱したのはTVSPと連続ドラマで原作だとタクシー運転手の木村が介抱して一月近く後に木村のタクシーに乗った浅川がその時の話を聞かされるという形だったはず -- 名無しさん (2024-05-28 02:26:42) - 自宅のTVから怨霊の怪物としての貞子(リング2では幻覚ではなくビデオを見ていない雅美も目撃)が出現、それを見て心臓麻痺というのが智子と高山の死因となっているが、岩田、辻、能美の場合はTVがなく、貞子がどこからともなく現れて心臓麻痺を起こさせたとされる。貞子DXでは森にある井戸の幻覚という形に解釈している。 -- 名無しさん (2024-06-11 18:30:08) #comment #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2022/05/03 Tue 20:50:01 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 26 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){ &size(25){&bold(){&b()&color(red){ビデオに殺されるなんて。}}} } 1998年1月31日に公開された日本のホラー映画で、1991年に発表された鈴木光司の小説『[[リング>リング(小説)]]』の映画化作品である。 続編『らせん』と共に「鈴木光司原作デュアルムービー」のキャッチコピーで公開された。 #openclose(show=●目次){ #contents } *概要 『リング』の映像化作品としては、1995年放映の2時間ドラマ「リング 事故か! 変死か! 4つの命を奪う少女の怨念」に続いて二度目、 メディア化というカテゴリであれば、同じく1995年放送のラジオドラマ版も含めて三度目となる作品。 監督は謎の映像に写る女の恐怖を描いた「女優霊」で一躍注目を浴びた中田秀夫氏。脚本は同じく「女優霊」の高橋洋氏が務めた。 音楽には『[[機動警察パトレイバー the Movie]]』や『[[科捜研の女]]』に携わり、 本作の後には『[[機動戦士ガンダム00]]』シリーズや『[[ウルトラマンジード]]』のBGMを手掛けた川井憲次氏が担当した。 物語の大筋は原作やこれまでのメディア化作品と同じで、  「二人の人間が呪いの映像を見てしまい、死が訪れるまでの一週間のタイムリミットの中で謎を解いていく」 という流れになっているが、登場人物や呪いに関する設定はいくつか変更、削除されている他、 何よりミステリー色が強く、逆にホラーとしての毛色は抑え気味だったこれまでのメディアと異なり、 上記の『女優霊』に近い、「呪い」の要素を強めた純然たるホラー映画として作られているのが大きな特徴。 「呪いのビデオ」の映像はこれまでより不気味なものになっている他、 キーパーソンである「山村貞子」についても、原作とはかなり異なるキャラクター像にアレンジされている。 『女優霊』の要素を引き継いでいる個所もあり、そういう意味では同作の進化版か精神的続編ともいうべき映画となっている。   中田監督と高橋氏による恐怖演出と原作の持つホラーミステリー要素の親和性の高さがあってか、恐怖と戦慄のサスペンスホラーとして完成されており、 予告編のスリリングでスタイリッシュな演出や&bold(){あの恐怖の展開}の強烈なインパクトもあって興行収入20億円という大ヒットを収めた。 そうしたこともあってかその後もホラー映画がしばらくの間毎年のように製作されることとなり、 いわゆる「ジャパニーズ・ホラー」と呼ばれるジャンルを確立させることとなった。 主題歌はPSゲーム「GALERIANS」のエンディングテーマを担当したりした音楽ユニットのHIIHが歌う「feels like "HEAVEN"」を、 本作の音楽を担当した川井憲次氏がホラーチックに編曲した&b()「feels like "HEAVEN" X TRA Sound scape mix」((エンドクレジットでは原曲のタイトルになっている。))。 予告編やCMでは「きっとくる」のフレーズを印象付けさせ本作を象徴する楽曲となった。 *あらすじ 「それを見ると、そのきっかり一週間後に死亡する」という「呪いのビデオ」の取材をしていたTVディレクターの浅川玲子。 浅川は、謎の死を遂げた姪である智子と、彼女と同じ車の中で変死していた男女の死亡した日付と時刻が同じであることに着目し、調査を始めたが、 その結果、件の「呪いのビデオ」を発見し、それを見てしまった。 浅川は元夫の高山竜司に助けを求め、彼と共にビデオの調査に乗り出すが、その最中、向かった実家で息子・陽一までビデオを見てしまう。 こうして、家族全員の命が残り数日となる中、浅川と高山はビデオに映っていた超能力者の女性・山村志津子が住んでいた伊豆大島へと向かった。 そして、彼らはその伊豆大島で、志津子の娘であり、念じるだけで人を殺すことができたという人物・山村貞子のことを知る。 「呪いのビデオ」はその山村貞子が作り出したものだと確信する浅川たちだったが、タイムリミットは間近に迫っていた。 はたして彼らは、貞子の呪いを解くことが出来るのか…。 *登場人物   ■浅川玲子 演:松嶋菜々子 主人公。TVディレクターで、息子・陽一とマンションで二人暮らしのシングル・マザー。27歳。 姪・智子の死の謎を追う中で「呪いのビデオ」を見てしまい、その呪いを解くため奔走する。 息子の陽一のことを何よりも大切にしており、それ故に彼までも「呪いのビデオ」を見てしまったことや、 その呪いのタイムリミットが迫りくることに体力・精神共に追い詰められてしまう場面も。 ちなみに、原作とTVSPドラマ版、後の連続ドラマ版では「浅川和行」という男性で、職業も新聞記者であり、年齢も35歳となっている。 #region(ネタバレ) ビデオを見てから一週間後の日に貞子の亡骸を発見することに成功。 その時には一週間前にビデオを見た時刻を過ぎており、それでも生きていることから、貞子の呪いが解かれたと安堵するが…. #region(さらなるネタバレ) 呪いが解かれていたのは、彼女が&bold(){呪いの本当の解き方を知らないうちに実行していた}ためであった。 高山の死と彼が残したヒントから呪いを解く方法として&bold(){あること}を推測した浅川は、 愛する息子を救うため、ビデオとビデオデッキを持ち出し、陽一のいる実家まで車を走らせる…。  #endregion #endregion ■高山竜司 演:真田広之 浅川の元夫である数学講師。35歳。 浅川に助けを求められ、共に「呪いのビデオ」について調べることになる。 実は超能力者であり、触れた相手の記憶を見たり、逆に相手に自分が見たビジョンを見せることができ、 浅川が高山を頼った理由の一つも、この能力にあると思われる。 旅館での浅川とのやり取りや後作での舞との会話を見るに、自分の能力にはコンプレックスを感じている模様。 基本的に冷静沈着であるが、終盤では精神を擦り減らして弱気になった浅川を叱咤激励するなど、 家族のために最後まで諦めずに抗う強さを見せた。 原作では哲学講師で浅川とは高校時代の同期の仲。 超能力は持っておらず性格も冗談を言うお気楽な性格の持ち主となっている。 なお数学講師になったのは超能力者は数字やパズルの世界にいるという監督の印象によるもので、 超能力者なのは&b()映画独自の設定で話を進めやすくするため設けられたものである。((同じ超能力者の志津子のことを知っていたり山村老人の記憶から貞子の人物像を知るところ等。連続ドラマ版の高山も超能力者設定がついている。)) #region(ネタバレ) 浅川が貞子の亡骸を見つけたことと、一週間前にビデオを見た時刻を過ぎても彼女が生存していることから、 貞子の呪いは解かれたと判断し、浅川と別れて自宅に戻ると、仕事に戻ることにするが…。 #region(さらなるネタバレ) 実は浅川と違って、高山に掛けられた呪いは解呪されていなかった。 そして、一週間前にビデオを見たのと同じ時間に自宅に出現した貞子によって、高山は&bold(){苦しみながら呪い殺されてしまう。} 高山の死を知った浅川は嘆くと共に、陽一に掛けられた呪いが解呪されていない恐れに思い至る。 自宅に戻りながら「何故自分は助かり、高山は助からなかったのか」について考えていた浅川は、 テレビのブラウン管に、ビデオに出ていた人物のように&b()頭を布で隠した高山と思わしき人物((顔がわからないのではあるが服装が同じことやヒントを与えたとしか思えない行動から十中八九高山と思われる))の幻影を見る。 その人物が指差す先にあった浅川の鞄…いや、ビデオから、浅川は貞子の呪いを解く本当の方法を悟るのであった…。 #endregion #endregion ■浅川陽一 演:大高力也 浅川と高山の一人息子。6歳。 基本的に無口で物静かな立ち振る舞いであるが、実家のシーンでは祖父と明るく戯れるなど年相応の子供らしい一面も見せる。 智子とも仲が良く、彼女の部屋にあった写真では智子共々満面の笑みだった。 実家に来た日の夜にダビング(コピー)された方の「呪いのビデオ」を見てしまい、呪いに巻き込まれることになる。 また、父から超能力を受け継いでいると思わしき描写があり、葬式のシーンでは意味ありげに智子の部屋を見つめる、 その後智子の死が呪いのビデオによるものだと発言する、高山がある状況に陥った直後何かを感じとったかのように上を見上げるといったことがあった。 この超能力を受け継いでいることに関して、高山と陽一が面と向かい合ったシーンや旅館での浅川との会話から高山は後悔に近い感情を抱いていることがうかがえる。 陽一の方は物心つく前に浅川と高山が離婚したため父親の顔をはっきりとは知らないようで、高山に対してはうっすら父親ではないかと思ってるがそれ以上踏み込めないようだ。 原作では陽子という2歳の女児であり、TVSPドラマ版ではまだ胎児という設定。連続TVドラマ版では本作同様陽一となっている。(ただし[[幼稚園]]児の設定) ■大石智子 演:竹内結子 浅川の姪で陽一の従姉妹。17歳。 物語冒頭、友人の雅美と共に「呪いのビデオ」について話をしていた際に、 友人の岩田、辻、能美と伊豆パシフィックランドのB4号棟で泊まった時「呪いのビデオ」を見てしまったことを話す。 それに怯える雅美を冗談だと茶化すが、実際には話の内容は本当に智子たちが経験したことであり、 雅美がトイレに立っている間に、何者かに出くわしてしまった智子は変死を遂げてしまう。 母良美が押し入れの中で発見したその亡骸は、&bold(){恐怖に叫んだよう}な表情であり、死因は心臓発作だった。 死後も浅川の夢枕等に立つが、既に彼女は貞子の呪いの影響か&b()悪霊と化してしまったらしく((高山曰く「もう智子ではない」とのこと。))、 &b()浅川に陽一の幻影を見せ、本物の陽一には「呪いのビデオ」の視聴を唆した。((それ以前にも葬式のシーンで陽一が階段を駆け上がる智子の足を目撃するシーンがある。ただこれに関しては過去の記憶が見えたともとれるが)) ■倉橋雅美 演:佐藤仁美 智子の友人。彼女家で一緒に勉強をしながら呪いのビデオの噂を話した後そのビデオを見たことを告げられる。 トイレに行くため智子と一旦離れるが、戻った際に&bold(){何か}を見てしまったらしく、 精神病院に入院することになった上に&bold(){テレビには絶対に近づかない}ようになってしまった。 ■辻遥子 演:池田真紀 智子の友人で共に伊豆パシフィックランドで呪いのビデオを見てしまった女子高生。 智子が死んだ日と同日同時刻に彼氏の武彦と共に車で&del(){これからエッチしようってところで}心臓発作で死亡。%%ホラーお約束%% 発見された彼女の顔は智子同様の表情であった。 ■能美武彦 演:高山隆志 遥子の彼氏で智子たちと共に呪いのビデオを見た大学生。車の中で遥子と一緒に心臓発作で死亡した。 ■岩田秀平 智子たちと共に呪いのビデオを見た大学生でB4号棟で呪いのビデオを見つけた人物。 智子の葬式に参列していた彼女の友人達の話から、[[バイク]]を運転中に心臓発作を起こし事故を起こしてそのまま死亡したと思われる。 冒頭の会話から知り合いの女子たちからモテていたようだ。 原作では序盤に死亡直前のところを主人公の浅川和行に介抱される形で登場するが本作では会話に上がるだけで未登場である。 ■高野舞 演:中谷美紀 高山の教え子である女子大生。22歳。 高山の家で彼と浅川がビデオを調べている際現れ、出版部の伝言を伝えた。高山とは親しい間柄で彼の黒板に落書きすることも。 #region(ネタバレ) ビデオの呪いで死んだ高山の第一発見者となり彼の部屋の前で呆然としていた。高山の死に顔に強烈なインパクトを受けた模様。 #endregion ■大石良美 演:しみず霧子 智子の母で浅川の姉。 智子が死亡した日は夫と共に野球観戦に行っており不在だった。 娘の死に大きなショックを抱えており、浅川に押し入れの中で変死していた智子を発見したときのことを話す。 ■吉野賢三 演:松重豊 浅川の上司。彼女と共に車で死亡した男女の映像を見ながら事件の状況を説明した。 ■岡崎 演:柳ユーレイ(現:柳憂怜) 浅川の部下。浅川の依頼で車で変死した女子高生の学校を調べる。その後も浅川の頼みで貞子と伊熊の行方を調べていた。 演じた柳氏は中田監督の映画デビュー作である「女優霊」で主演を務めた縁での友情出演である。 ■山村敬 演:沼田曜一(現在)、武田敏彦(青年時代) 山村志津子の従兄弟。息子夫婦が切り盛りする旅館・山村荘に住んでいる。 志津子の話を聞きにやってきた玲子と竜司を最初は何も知らないと突っぱねる。 翌日、高山の超能力によって&bold(){過去に志津子の超能力に目を付け公開実験を開いて見世物にすることで金儲けを企んだ}ことを暴かれ、 さらに志津子の娘・貞子が人を殺せるほどの超能力を持つ「化物」だったことを知られる。 悪事を働いたことに関しては今では負い目を感じていたらしく、嵐のせいで大島を離れることができない浅川と高山を助け、自分の船に乗せて本土へ送り届けた。 ちなみに原作やTVSPドラマ版では悪事を働いてはおらず、貞子に対しても嫌悪感は微塵も感じていない設定である。 ■山村和枝 演:梶三和子 山村敬の義理の娘(息子の妻)で、彼と共に暮らしながらかつて志津子と貞子が暮らしていた家である旅館「山村荘」を営む女性。 嫁いできたのは志津子らの騒動が起きた後で、志津子や貞子とも面識はない。&del(){重苦しいムードの}浅川と高山に伊熊と志津子が写った写真を見せた。 ■伊熊平八郎 演:伴大介 山村志津子の超能力を研究していた学者。 志津子の超能力を証明しようと公開実験を開いたが失敗、そのまま姿を消してしまった。 劇中の竜司のセリフから、妻がいながら志津子とは研究の協力者を越えて不倫関係に発展しており、貞子の父親でもあった模様。 #region(ネタバレ) 智子たちがビデオを見た伊豆パシフィックランドの部屋の下で浅川と高山が井戸に触った瞬間、 伊熊が貞子を殺害し井戸の中に突き落とすイメージが脳内に出現し、&bold(){彼が貞子の力を恐れ、彼女を殺害した}ことが発覚。 さらに、井戸に降りていく浅川は、そこから下を見下ろす高山を見た際に、ビデオの最初の映像が脳裏にフラッシュバックしたことで、 「呪いのビデオ」の最初に出てくる円の中の男の正体は、貞子を殺し、井戸の中を見下ろす伊熊であったことを知る。 なお、志津子と不倫関係にあったことから貞子の父親と目されているが、貞子の父親は別人である可能性も高山の発言などから示唆されている。 ちなみに、原作やTVSPドラマ版では結核で倒れて療養中であり、貞子を殺害したのは別の人物。 #endregion ■山村志津子 演:雅子 ビデオの鏡のシーンに登場した女性で伊豆大島の三原山の噴火を予知した超能力者。 千里眼を持ち合わせており隠された物を当てたりできた他、相手の心を読むこともできる。 山村敬の話では海で&bold(){人のものではない}言葉を発したりすることもあったようだ。 三原山の一件で伊熊に協力を申しだされ、超能力の実証の実験(箱の中にある紙に書かれた言葉を言い当てるというもの)を行うが、 記者達からはトリックであると非難され、後述の貞子の行動もあってか精神を病んでしまい、やがて三原山に身を投げて自殺してしまった。 ■山村貞子 演:伊野尾理枝、白井ちひろ(少女期)、&font(#ffffff){宮崎紀彦(目のアップ)} 「呪いのビデオ」の鏡のシーンで一瞬写っていた少女の正体で、山村志津子の娘。 念じるだけで相手を殺害することができるほどの超能力を持っており、 志津子の公開実験で彼女の超能力が記者達に非難された際、最初に批判した記者を超能力で殺害してしまう。その後の消息は不明とされているが…。 原作やTVSPドラマ版では、恐ろしいほどに美しくミステリアスな魔性の女として描かれていたが、 本作では恐ろしい力を持っていること以外は全く不明の不気味な存在として描かれている。 #region(ネタバレ) &bold(){「呪いのビデオ」を生み出した張本人}であり、この物語の元凶とも呼べる人物。 高山の超能力により、貞子の力を恐れたと思われる父親の伊熊によって、井戸に突き落とされて死亡したことが判明する。 その殺害現場には後に伊豆パシフィックランドのB4号棟が建てられたが、貞子の遺体がある井戸はB4号棟の真下に未だ&b(){蓋をされた状態で存在}しており((蓋をしたのは恐らく伊熊と思われるが、しかし後の作品で伊熊邸が廃墟となったあとも井戸には蓋がされていないシーンがあるため別の誰かによる可能性もある。))、 そこを訪れた浅川たちによって発見された貞子の白骨化した遺体は、後に警察に引き渡された。 ちなみに、原作では女性ながら睾丸も持つ「睾丸性女性化症候群」であったが、本作ではその設定はない。 #region(さらなるネタバレ) 死体が発見されたことで、貞子の霊も成仏した…&bold(){なんてこともなく}、発見後も現世に留まっており、 終盤、ビデオのラストカットの井戸がテレビに映り、その井戸から這い上がってこちらへ向かってきてそのまま&b()&bold(){テレビを越えて現実に出現}すると、 「呪いのビデオ」を見てから一週間が経っていた高山を&bold(){怒りと狂気の目で睨みつけて呪い殺す}恐ろしい姿を見せた。 #endregion #endregion *本作に登場する場所・アイテム ■呪いのビデオ これを見た者が、初めて見てからちょうど一週間後に心臓発作で死亡してしまうというビデオテープ。 雅美の話によると、この映像の出どころは伊豆パシフィックランドのB4号棟のテレビであり、 とある少年が、そのテレビには番組が映らないと知らずに、野球中継を録画するためにビデオテープをセットしたことで、 この恐ろしい映像が録画されたビデオテープが誕生したとされる。 そして、このビデオテープは同施設を訪れた智子たち三人によって発見され、 その後、管理人が所持していたものが、智子たちの死の真相を探る浅川の手に渡ることになった。 テープを再生するとしばらくの砂嵐のあと荒く不気味な映像が7つの映像が流れる。 ・真っ黒の画面の中心に円がポッカリ空いておりそこに男の上半身が斜めに映っている光景 ・壁にかかった鏡に女性が髪をとかしているのが写る光景。一瞬鏡が移動しその際の鏡には少女が写っており、鏡が戻ると女性は恐らく少女を見て微笑む。 ・文字が蠢いている新聞。「山が噴火」という言葉のみ確認できる。 ・何人もの人間がもがき苦しんでいる光景 ・頭を布で隠した人物が画面左手前に指を差している光景 ・画面全体に写っている目。瞳には小さく反転された「貞」の文字が。 ・奥に木々が生い茂る平地に井戸がポツンとある光景が映る。 (ちなみに浅川がダビングしたビデオの方には映像が消える直前に井戸から&bold(){何かが現れようとしている}のが映っている。ダビングを繰り返せば&bold(){映像の続き}が見れるのかもしれない) ビデオを見終えると電話が鳴り、受話器からはビデオを再生したときの軋むような音が鳴り続ける。 しかし浅川の家で高山が再生した際には電話は鳴らず、これが貞子を見つける重要なヒントとなる。 ビデオの謎を探るうちに山村貞子に辿り着いた浅川と高山は、彼女の遺体を見つけてやれば貞子は成仏し、呪いも消えると推測して動くのだが…。 作中ではオリジナルのビデオテープと浅川が高山の頼みで調査用にダビング、後に陽一が再生してしまったテープの二種類が登場した。 原作やTVSPドラマ版は不気味というよりはミステリアスな印象が強かったのだが本作では不気味さを徹底したものになった。 ちなみにビデオを全部見なかった場合は霊感を持つようになり、この世とあの世の間が見えるようになるらしい。((「リング2 恐怖増幅マガジン」の質問コーナーでの高橋洋氏の回答)) #region() 呪いを解く方法は貞子の死体を発見することではなく、実際に浅川は生存したものの、高山は死亡してしまった。 高山の死を知った浅川は、自身と彼の行動の違いを洗い出すと共に、自宅で見た高山らしき幻影の人物の行動から、 真の呪いを解く方法は&bold(){「ダビングした『呪いのビデオ』を他人に見せること」」}と推測した。 #endregion ■井戸 ビデオのラストにポツンと写っている井戸。当初は特に意味がないものと思われていたが... #region(ネタバレ) 「呪いのビデオ」を見た後に、謎の電話が鳴ったのは伊豆パシフィックランドだけであることを突き止めた浅川と高山。 そして、伊豆パシフィックランドに向かった二人は、その床下にビデオで見たものと同じ井戸があることを発見し、 そこに触れた高山の超能力によって、二人は伊熊によって貞子が井戸に突き落とされて殺されるビジョンを幻視する。 この井戸こそ、&bold(){生前の貞子が無惨な最期を迎えた場所}にして、&bold(){「呪いのビデオ」に映る映像を生み出した場所}だったのだ。 なお、撮影では入り口から底までが一つのセットとして製作されたが、 それ故に撮影は大変だったようで、翌年の『リング2』では3つに分割して再製作されている。 #endregion ■伊豆パシフィックランド [[静岡県]]の伊豆にある貸別荘。 いくつかの建物が存在し、その一つであるB4号棟に「呪いのビデオ」があった。 雅美の話などから推測するに、B4号棟で件のビデオを見た時のみ、直後に無言電話が掛かってくるようだが…。 #region(ネタバレ) &bold(){B4号棟は伊熊が貞子を殺害した場所に立っており、かつ、彼女が死亡した井戸は部屋の真下に現存していた。} 無言電話が鳴るのがB4号棟で見たときだけなのはこのためである。 #endregion ■山村荘 伊豆大島の差木地にある旅館でかつて志津子と貞子が住んでいた場所。 現在は山村敬とその息子夫婦が住んでおり、経営はその息子夫婦が行っている。 志津子のことで調べに玲子と高山が訪れそのまま一泊した。 ある一室には鏡が壁に掛けられていたのだが、そこはビデオで志津子が髪をとかしていた場所であった。 *余談 ■本作で強烈なインパクトを残した「貞子の目のアップ」であるが、あれは監督助手の宮崎紀彦氏が演じたもので&bold(){眼科でまつ毛を全部抜いて撮影している。} 本来は専用のキャストがする予定だったようだがまつ毛を抜くことを拒否して降板してしまったようで、そんな中、宮崎氏が中田監督と偶然目が合&del(){ってしま}ったことで抜擢されたという経緯がある。 なお「呪いのビデオ」の方の目のアップも宮崎氏である。 ■井戸から出た貞子がこちらに迫ってくる描写と立ち上がる描写は映像の逆回しにしたもので、実際の演技では後ろに後ずさったり床に伏せている。 ■呪いのビデオの1シーンに登場するのたうち回る人々を演じたのは「[[少女革命ウテナ]]」の合唱曲などを作ったJ・A・シーザーが率いる劇団である「演劇実験室万有引力」の人々。 「リング2 恐怖増幅マガジン」では「二時間もかけて撮影された」とネタっぽく描かれている(本当かどうかは不明)。 ■ラストの浅川の乗る車が道路を走っていくカットは車が次第に消えていくように写さなければならなかったため、&bold(){時速200キロの超スピード}で走らせて撮影してる。 ■音楽の川井憲次氏は製作中度々ちょっとしたイタズラを中田監督に仕掛けることがあったらしく、音楽をダビングしたビデオで貞子が歩く度に[[鉄腕アトム]]の歩く音が鳴るようにしたことがあったとか。 ■1999年には稲垣みさおによるコミカライズ版が上下巻で発売。 基本的には本作をベースにしているが、呪いのビデオの映像の構成や貞子の死の描写・殺人の犯人など原作の要素も取り入れたものになっている。 ■映像ソフトはいくつか存在。 VHS:本編前にビデオCMを複数収録。廉価版では削除された。 LD:インタビュー映像「Behind the リング」を収録。 DVD:ジュエルケース版とトールケース版(orレンタル版)の二種類が存在。 キャスト&スタッフ[[プロフィール]]、「リング」「らせん」TVスポット二種、「リング」台湾版TVスポット三種、「リング2」「死国」予告編、関連メディアの紹介(静止画)を収録している。 ムック本「世界名作シネマ全集」にも特典として同一内容のディスクが封入。 DVD(Hi-Bit Edition):画質・音質をグレードアップしたもの。その影響か否か特典は一切収録されていない。メニュー画面は上記のDVDとは異なる。DVD-BOXにもこれと同一内容の物が収録。 BD:「貞子3D」公開に伴って発売。特典は特報と劇場予告編のみ。 #right(){ &size(20){&bold(){&font(#0000ff){その恐怖は「らせん」につながる。}}} ***TO BE CONTINUED [[&color(blue){らせん}>らせん(映画)]] } #right(){ &size(20){&bold(){&font(#008000){リングの恐怖は、始まりにすぎなかった。}}} ***ANOTHER CONTINUATION [[&color(green){リング2}>リング2(映画)]] } #right(){ &size(20){&bold(){この&color(red){呪い}は、&color(red){変異}して、&color(red){拡散}する。}} ***FURTHER POSSIBILITY [[&color(black){貞子}&color(red){DX}>貞子DX(映画)]] } #left(){ &size(20){&bold(){すべての恐怖は、ここから始まった。}} ***PREVIOUS [[&color(black){リング0 バースデイ}>リング0 バースデイ(映画)]] } 呪いのビデオを見た人は追記・修正をお願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,14) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 2022年、再び -- 名無しさん (2022-05-03 22:16:27) - DBDに出演して、割とホラーやってるとか言われている貞子。ホラゲーなのに、おかしいね(棒) -- 名無しさん (2022-05-03 23:26:52) - ドラマ版の記事も楽しみにしています --   (2022-05-04 01:09:07) - ほぼ「くーるーきっとくるー」しか流されない主題歌、一見明るい曲調に見えて歌詞はかなりキテる内容という -- 名無しさん (2022-05-04 01:15:03) - え、今まで記事無かったっけ…? -- 名無しさん (2022-05-04 07:28:43) - 原作の記事はあった -- 名無しさん (2022-05-04 08:19:17) - 怖い怖いと聞いてたからビビって見なかったがいざ見てみると怖いより面白くてなんでウケたか分かった。後女優さん達の美しさにもビビる -- 名無しさん (2022-05-04 09:19:25) - 2000年代では貞子がネット上でネタキャラ扱いされてしまって、あまり怖い存在じゃなくなってしまったんだよな……。原作者はよく怒らなかったなと感心するわ。 -- 名無しさん (2022-05-04 20:34:37) - リング(輪)の中にマネキン人形みたいな女性の顔が浮かぶ、不気味な広告ビジュアルも有名。らせんもそうだが、あまりにも象徴的でセンスを感じる。 -- 名無しさん (2022-05-04 22:49:57) - ↑2 よく怒らなかったなも何も作者自身が「貞子なんて俺の創作物なんだから怖がんじゃねえ!」とか公の場で言っちゃうような人だから… -- 名無しさん (2022-05-04 23:16:56) - 陽一君。無事デスゲーム継続中(合掌) -- 名無しさん (2022-05-05 00:24:42) - 超有名ホラー映画なのに、これまで項目なかったんだ。 -- 名無しさん (2022-05-05 08:34:29) - 笑う犬シリーズで「わっか」というパロディがあったな -- 名無しさん (2022-05-05 10:46:23) - ↑懐かしいwアレ確かビデオから出てきた貞子説得してオトして普通にハッピーエンドだったよねw -- 名無しさん (2022-05-05 11:02:03) - 映画版は浅川と高山の「離婚した元夫婦」という微妙な距離感が面白かった。なお、二人が離婚に至った経緯は特に明言されていないが、劇中での描写から察するに高山の持つ超能力関連のことでお互いの間に埋まることのない深い溝ができてしまったからなのではないかと思った。 -- 名無しさん (2022-05-05 20:23:31) - 川井憲次の恐怖をあおる本作のBGMはアンビリバボーの心霊コーナーで多用され、今でも心霊番組など使われる。 -- 名無しさん (2022-05-06 16:27:02) - 90年代後半及び最後にして2000年代の呪怨、仄暗い水の底から、着信アリなどの新しい日本ホラー作品の幕開け。貞子の名前は伽耶子、美々子にも影響を与えているとされる。 -- 名無しさん (2022-05-07 16:35:38) - 主題歌は怖かった時のたけしの家庭の医学のイメージが強い -- 名無しさん (2022-05-07 23:31:15) - 呪いのビデオの最初の犠牲者は智子達4人で間違いなく、浅川が冒頭で取材していた女子高生の噂話とはまったく無関係とされたが、「一週間後に死ぬ」「伊豆が発祥で電話が来る」などの内容は一致している。浅川の調査では電波ジャックはなく、浅川より先にB4号に侵入した誰かがダビングしてコピーを作った可能性も考えられるが、4人以外に心臓麻痺で死んだ者はいないため噂の出どころは最後まで不明。浅川もこれに疑問を呈しており、それに対して高山は「不特定多数のそうなってほしいという期待では?」と述べている。単に貞子がビデオに念写したから呪いのビデオが生まれたのではなく、恐怖と超常の力を持った存在が見たいという人間達の念が貞子を呼び覚まし、噂を事実に変えたというのが事の真相ならば結局、一番怖いのは貞子でも異界の魔物(貞子の本当の父親)でもなく、ただの人間という事になる。 -- 名無しさん (2022-05-08 11:21:36) - ↑最初の犠牲者は玲子が冒頭でインタビューしてたJCたちが言ってた小学生の男の子で間違いない。ちなみにペンションの中で玲子が見ていたノートにあった家族みんなデブという落書きを書いたのもその男の子という裏設定がある。 -- 名無しさん (2022-05-08 20:34:11) - ↑漫画版ではその少年は生きてるらしいけど時間があればその子も犠牲者1号として描かれただろうか。そうすると呪いのビデオの噂と事実の合致の振り出しに戻るが、噂の内容では貞子が一週間後に死ぬと宣言されるなどの違いもある。さらに貞子からの電話は噂では場所を問わずかかってくるとされるが、実際には伊豆のB4号のみで智子も浅川もそれを体験。自分としてはただの偶然とはどうしても思えない。 -- 名無しさん (2022-05-08 22:32:34) - ↑おそらくだけど噂が広がっていく中で話が変化していったのでは?例えば貞子がテレビに映って死の宣告を行うという話は智子たち以前に呪いのビデオを見た者の近くに誰かいて、その誰かが貞子がテレビから出てくるところを目撃し、テレビから怖い女が出てきたという話が変化していってテレビに怖い女が映ったという話になったのでは?電話のことも伊豆のペンションでしか鳴らなかったという事実に気付いたのは劇中では玲子だけだったので、もともとはペンションにいた時に鳴った電話がいつの間にか自宅で鳴ったことに話が変わっていったのかもしれない。同じようにビデオも家に帰ってからでなく、ほんとはペンションの中で見ていたのかもしれない。 -- 名無しさん (2022-05-09 19:33:44) - ↑速攻でリング1見て、文庫の映画版脚本集リング・リング2読んだけど、脚本では少年は東京に帰って見たと雅美が述べている。そうすると真の犠牲者1号はいた?しかし、ラストのJC達(声のみ)は助かる方法であるダビングまで知っていた事から犠牲者となるはずだった少年(仮)は呪いのビデオをプロによるイタズラビデオと誤解(本能的にやばい奴だと直感で気付いた可能性もあり)、オリジナルをそのままB4号に残してダビング、これが香苗(リング2)と清美(リング0)の知る噂の呪いのビデオとなった可能性もある。 -- 名無しさん (2022-05-09 21:39:07) - ↑×2 原作及び最初の映像作品では噂としての呪いのビデオの設定はなく、最初の犠牲者は智子達4人のみ。映画版の噂の設定は口裂け女(劇中では岡崎と浅川の会話に登場)から来ているとされ、智子達や少年(仮)がビデオを見る前により先に噂自体はすでに存在していた可能性もまたある。そもそも脚本が女優霊の高橋洋である事を考えれば、 -- 名無しさん (2022-05-09 23:39:01) - ↑続き 実在しない架空の存在が実体を持ち、暗躍する怪物を書きたかったために呪いのビデオの噂という設定も追加されたのかもしれない。 -- 名無しさん (2022-05-09 23:41:27) - ハリウッドリメイク版の企画が持ち上がった時、アメリカの映画会社の人たちが「日本製のホラーなんて大したことないでしょ」って笑ってたけど、いざ試しに本編を見てみたら終盤頃には「分かった、怖いのは認める、だからもうやめてくれ!!」って阿鼻叫喚の騒ぎになったとか何とか -- 名無しさん (2022-05-10 00:31:12) - これ公開実験の少女貞子による大量殺人の記憶だと思ってたけど後から考えたらバースデイの劇団飛翔全滅事件にもとれるな>何人もの人間がもがき苦しんでいる光景 -- 名無しさん (2022-06-25 05:50:48) - このシリーズのヒットは全国の貞子さんにとっては最悪の風評被害だよなぁ……自分の名前が悪霊の代名詞の一つとして定着するとかキツすぎる -- 名無しさん (2022-11-06 10:37:23) - 忌怪島見てきたけど、貞子ならイマジョをどう思うか。 -- 名無しさん (2023-06-17 17:33:12) - ↑2身の回りに「貞子」って名前の人はいないけど昔ならある程度はいた名前なの? -- 名無しさん (2023-07-04 15:19:15) - 呪いのビデオテープが出来る前でもB4号棟では何かしら怪奇現象はあったのかね -- 名無しさん (2023-12-04 17:50:38) - 浅川が岩田を介抱したのはTVSPと連続ドラマで原作だとタクシー運転手の木村が介抱して一月近く後に木村のタクシーに乗った浅川がその時の話を聞かされるという形だったはず -- 名無しさん (2024-05-28 02:26:42) - 自宅のTVから怨霊の怪物としての貞子(リング2では幻覚ではなくビデオを見ていない雅美も目撃)が出現、それを見て心臓麻痺というのが智子と高山の死因となっているが、岩田、辻、能美の場合はTVがなく、貞子がどこからともなく現れて心臓麻痺を起こさせたとされる。貞子DXでは森にある井戸の幻覚という形に解釈している。 -- 名無しさん (2024-06-11 18:30:08) - feels like HEAVENてこれで知られた曲ではあるんだけど、ホラーっぽい曲だと思われてるのある意味風評被害だよな... -- 名無しさん (2025-09-13 00:55:08) #comment #areaedit(end) }

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