龍と苺

「龍と苺」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

龍と苺 - (2025/09/29 (月) 19:33:35) の1つ前との変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

&font(#6495ED){登録日}:2022/06/08 Wed 1:05:00 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 11 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){&color(black){&bold(){藍田。何故そこまでなりふり構わず勝ちに来る?}}} #center(){&color(black){&bold(){公式戦でもない、負けても言い訳のきく二面指しの対局で}}} #center(){&color(red){&bold(){&big(){勝負に何故とか言い始めたら、そいつはもう終わってるよ}}}} #center(){&color(red){&bold(){&big(){勝ちたい以外に理由がいる奴は勝負に向いてない。投了したけりゃいつでもどうぞ}}}} #center(){&color(black){&bold(){&big(){ガキが……}}}} ●目次 #contents *&sizex(5){&big(){&big(){■}}&bold(){概要}} 『&ruby(りゅう){龍}と&ruby(いちご){苺}』とは[[週刊少年サンデー]]に連載されている漫画作品。 作者は柳本光晴。2020年25号から連載開始。 棋士の才能を秘めた女子中学生の主人公が女性のプロ棋士が1人もいない将棋界に挑む[[将棋]]漫画。 前作『[[響〜小説家になる方法〜]]』と似通った作風の、つまり&bold(){圧倒的な才能を持つエキセントリック天才少女とそれを取り巻く人々}の話である。 ただし響が1話時点で文芸界最強レベルの文才の持ち主であったことに対し、苺は1話の時点ではプロ棋士に程遠く、あくまで成長し続ける怪物である点で異なる。 それでも[[事実>藤井聡太]]は[[小説>りゅうおうのおしごと!]]より奇なりでお馴染みのインフレが進む昨今の将棋界にあってなお、 &font(#ff0000,b){中二から将棋始めた女の子が1年でA級棋士と互角に戦えるようになる}というファンタジーに現実が追いつくのはまだ先の話になるだろう。たぶん。 苺の活躍の結果、作中でも将棋をあまり知らない記者が取材することもあり、将棋関係者が彼ら(と読者)に将棋についての説明も行ってくれるので初心者にも理解できるよう配慮がされている。 クレジットには載っていないが、ちゃんと専門家に将棋の監修をしてもらっている。 ただ、その監修の方が「名前を載せないでくれ」と言ってきたらしく、ノンクレジットになったと作者のブログに書かれている。 この件について作者は「内容が内容だからかな」と受け止めている。 ちなみに本作がサンデーで連載されることになった理由は、作者が売り込んだから。 響連載後、色んな雑誌からスカウトのお誘いが作者の元にきたのだが、 響の掲載誌であるスペリオールと同じ小学館の週刊誌であるサンデーはまったく見向きもしなかった。 元々週刊少年誌での連載に憧れていた作者は、お誘いがないのに連載用ネームをスペリオール経由でサンデーに送り、連載が決まったのである。 『未だかつて女性棋士(女性のみのプロ枠である女流棋士ではなく、性別不問のプロ棋士四段以上)が誕生した事が無い』という点も本作のテーマに含まれていたが、折しも連載開始後の2022年に福間香奈が棋士編入試験に挑戦し不合格、次いで西山朋佳が2024年に受験資格を獲得し挑戦を表明している。 181話からは100年後の未来世界に舞台を移し、登場人物もほぼ一新している。 *&sizex(5){&big(){&big(){■}}&bold(){あらすじ}} 藍田 苺、14歳。命懸けでやれることが見つからず、満足いかない日々を送る。 スクールカウンセラーの宮村と賭け将棋をすることとなり、苺が懸けたのは&bold(){命}。 勝負に負けた苺は窓から飛び降りるも宮村に止められる。命を「預かった」宮村は、苺の中に秘めたる将棋の才能を見いだし、次々と将棋大会に参加させる。 将棋に勝ちたい。苺はその一心で強い相手との対局を重ねるたび、一手一手、着実に強さを増していく… 将棋界に真正面から挑む14歳の、"闘う" 将棋漫画!! *&sizex(5){&big(){&big(){■}}&bold(){登場人物}} **◆主要人物 -&bold(){&ruby(あいだいちご){[[藍田苺>藍田苺(龍と苺)]]}} 主人公。14歳。藤ヶ崎中学校2年生(本編開始時点)。 普通の日常に鬱屈さを感じ、本気で打ち込める何かを探していた。 宮村に将棋を教えてもらい、市内の大会に出場して以降、のめり込んでいく。 作中最高と言える途轍もなく抜きんでた将棋の才を持つ。 -&ruby(みやむらたつお){&bold(){宮村辰夫}} &s(){メインヒロイン。}76歳。藤ヶ崎中学校の元校長。現在は生徒指導のカウンセラーをしており、苺に将棋を教えた。 本人の棋力は素人以上大会レベル以下だが、主だった定跡を他人に教えられる程度には指せる。 奥さんとは10年前に死別しており子供が2人、孫が3人いる。 苺の才能に惚れ込み、両親に代わって保護者役として交渉やマネジメント、会場までの送迎を請け負っている。 穏やかな性格だが、苺が問題ある行動を行った場合はしっかり反省を促しており、メディアに注目されるようになってからは特に注意を促う等、教育者としての責任を果たしている。 苺からは当初邪険にされていたが、長らく行動を共にしたこともあってか「(古閑が彼女の師匠を買って出た際に)私の師匠はじいさんだから」と言うほど信頼されている。 只、年齢故に健康面での問題も抱え始めており… -&ruby(たきざわ){&bold(){滝沢}}&ruby(けいた){&bold(){圭太}} 15歳。藤ヶ崎中学校の3年生。 中学でただ1人の将棋部員であり、後に苺も入部する。苺からは「タッキー」と呼ばれている。 棋士を目指してはいたが、過去に奨励会の入会試験に落ちている。 当初は宮村から苺との才能の差に折れてしまうことを危惧されていたが、基礎を学び爆発的に成長していく苺を追いかけ自身も実力を高めていく。 再度挑戦した入会試験(1級)に合格して奨励会員となる。 さも将棋が取り柄の根暗デブという風体だが、&bold(){モテる。}何こいつ。 中学卒業後は蒲公英と同じ藤ヶ崎高校に進学し、将棋部に入る。 万全で指せば月子や蒲公英にも勝る実力があるが、(立場的に)格上相手には守勢に回ってしまう悪癖がある。 奨励会では、美少女2人と仲良くやってる姿から男性会員に睨まれているが気づく素振りがない。というか、2人を異性として見てる気配がない。 後にプロ入り。現役中にタイトルを計2期(王座1期、棋王1期)獲得し、将棋連盟の会長に就任した。 **◆奨励会 -&ruby(おおたか){&bold(){大鷹}}&ruby(つきこ){&bold(){月子}} 苺と同い年の14歳。和服が似合いそうなしっとりとした容姿だが、年に似合わぬ&bold(){巨乳}の持ち主。大鷹名人の娘で高い棋力を持つが、父親の反対により奨励会に入れず、アマチュアの大会で好成績を収めプロ棋士編入制度を利用してプロになろうとしていた。 苺が初めて出場した市主催のアマチュア大会の決勝で苺と出会う。序盤は圧倒するものの、乱戦になってから粘る苺との会話の中で、彼女が将棋歴わずか2日ということを知る。後半、持ち前の勝負勘で押し返す苺に対し、先の苺の発言や自身の境遇に対する切迫感から冷静さを失い、そのまま押し切られてしまう。 その後、父からベスト4に入って本戦に出場できれば奨励会入りを許すという約束を取り付け、東京代表としてアマチュア竜王戦に出場するも、1回戦で凛々に敗れ本戦には出場できなかった。 苺や凛々という自分よりもはるかに傑出した才能を持つ同性の存在を前に将棋の道を諦めようとするが、宮村や苺の言葉で自分がやりたいと思うことやろうと決意。半ば父を脅す形で入会試験(1級)を受け、合格し奨励会員となる。 -&ruby(かもじま){&bold(){鴨嶋}}&ruby(りり){&bold(){凛々}} 16歳。徳島代表としてアマチュア竜王戦の全国大会に出場した女性選手。&bold(){月子を超える巨乳。} 子供の頃から将棋にのめり込むも、周りには親友のすず以外で将棋を指す人が誰もおらず、彼女以外とはインターネット将棋のみで対局を続けていた。 何かにつけすずに頼りっきりの気弱な性格であり、動揺させられるようなことがあると目に見えて棋力が落ちてしまう。 自分の実力を測るためにアマチュア竜王戦に出場し、苺には敗れたもののベスト4に入り本戦への出場資格を得る。本戦の6組ランキング戦では3回戦で神崎に破れた後、奨励会の入会試験(1級)に合格して奨励会員となった。関西本部所属。 滝沢たちとは同期になるが、&bold(){入会から半年という奨励会最短ペースで三段リーグに昇格した。} 不安定なメンタルと、苺が突出しすぎているため過小評価されがちだが、全国大会では大鷹名人から「いつかプロになってもおかしくない」と評され、三段リーグ入り決定時点で苺から「りりは弱い棋士より強い」と言われる程の紛れもない大天才である。 後にプロ入り。&bold(){藍田苺に続く女性棋士第2号にして、奨励会から棋士になった初の女性となる。} 現役中にタイトルを計3期(叡王1期、王座2期)獲得する。 -&ruby(みずさわ){&bold(){水沢}}&ruby(たんぽぽ){&bold(){蒲公英}} 17歳。藤ヶ崎高校の2年生。中3で女流棋士となり、2年で女王((マイナビ女子オープンタイトルホルダーの通称))のタイトルを取った若手のホープ。&bold(){普通。} 苺には&bold(){ぽぽちゃん}と呼ばれるが、年下にそんな呼ばれ方をするのは嫌だと固辞する。もちろんその訴えは無視されている。 小さい頃から将棋道場に通っており、そこで滝沢と共に古閑に師事する。 女王のタイトルを返上し、奨励会の入会試験(1級)に合格して奨励会員となる。 -&ruby(つじい){&bold(){辻井}}&ruby(しゅうや){&bold(){修哉}} 21歳。奨励会員。三段。関西本部所属。 ベタな関西の兄ちゃんで、常に強い語気で機嫌が悪いように見えるがこれが彼のニュートラルである。 三段の中で最もプロに近い人間の1人とされ、凛々とは彼女が三段リーグ入りを決定した時期に一度フリーで対局し勝利している。 今年の竜王戦挑戦者決定戦と同時期に12勝4敗の単独2位(前期5位)で三段リーグの最終日を迎えるが、昇段は叶わず三段に残留した。 -&ruby(たかの){&bold(){高野}}&ruby(かほ){&bold(){香穂}} 25歳。奨励会員。三段。 周囲からはクールな美人と噂され滝沢達にも落ち着いた物腰で接しているが、頭の中では益体のないことをグルグル考えこんでしまうタイプ。 女性初の棋士に最も近い位置にいるのだが殻を破れておらず、三段リーグには3年通っている。そして足踏みをしている間に月子・蒲公英・凛々といった若く強い女性会員や、あらゆる意味で規格外の苺が現れ[[世代交代]]の波に飲まれかけている。 実は第1話の冒頭カラーページに登場しており、棋士への昇段が叶わず涙を流す場面が描かれている。その際遠巻きに取材していた記者達から酷く貶されていた(穏当な表現)。 今年の竜王戦挑戦者決定戦と同時期に11勝5敗の3位(前期17位)で三段リーグの最終日を迎えるが、昇段は叶わず三段に残留した。 **◆アマチュア -&ruby(すどう){&bold(){須藤}}&ruby(まさふみ){&bold(){正史}} 元奨励会員。最高段位は二段。プロ棋士の伊鶴航大とは同期。 伊鶴曰く昔から将棋が下手な分幹事役が得意だったそうで、退会後は大会運営の方面で力を発揮している。 自身も参加しているが、真剣勝負からは遠ざかっており、格下相手には指導対局じみた真似まで行っている。 「私は8歳から将棋を指してもう30年以上になる」という台詞から年齢は40歳前後と思われる。 -&ruby(あさい){&bold(){浅井}}&ruby(りく){&bold(){理久}} 35歳。元奨励会員。最高段位は三段。 口が悪く他人を貶す物言いが特徴。「将棋は性格が悪い奴が強い」が持論。 徹底して勝ちだけを追求した将棋を是とするが、反面慎重になりすぎる癖があり、苺は&bold(){「身を切る度胸のない人間が真剣勝負の場で勝てるはずがない」}と浅井の弱気を看破している。 アマでの活躍を重ねて棋士編入制度を使い、棋士になることを目指している。 アマチュア竜王戦[[神奈川県]]予選大会の準決勝で苺に破れ、将棋の道から足を洗うことを決意。会場を後にした。 -&ruby(つかはら){&bold(){塚原}}&ruby(だいき){&bold(){大樹}} 35歳。現アマチュア王将位。 将棋を始めたのは18歳からで、職場の先輩から教えられた。 それから将棋にのめり込み、経験を積んで地元では負け知らずとなったが、その頃には奨励会に入れない年齢となっていた。プロに最も近いアマの1人。 アマでの活躍を重ねて棋士編入制度を使い、棋士になることを目指している。 アマチュア竜王戦[[神奈川県]]予選大会の決勝戦で苺に破れるも、全国大会の出場権を得る。その後、苺と共に[[神奈川県]]代表として出場するが、ここでも決勝戦で苺に破れ準優勝。アマチュア枠として本戦の6組ランキング戦に駒を進める。 本戦では3回戦で高地に破れるも、その時点で対棋士戦績10勝以上かつ勝率6割5分を超えていたため、ついに棋士編入試験の受験資格を獲得。 苺の死闘と並行して動向が紹介されていたが、試験にも無事合格し念願のプロデビューを果たす。 その後は苺と戦ったことが縁となり、スーツ姿で苺の対局の現地中継を担当した。 自分の将棋人生を彩ってくれた苺には感謝している模様。 -&ruby(にぶ){&bold(){丹生}}&ruby(こっこ){&bold(){心子}} 藤ヶ崎中学校1年生。将棋部部員。 滝沢の卒業後に藤ヶ崎中学に入学した。 将棋は素人だが苺にカッコよさを覚え将棋部に入部した。 アホの子な面があり苺がどれほど偉業を成し遂げようが全く萎縮せず能天気に苺と接してくる。 参加した大会ではいずれも全敗で、特に2度目の団体戦の際は人生イチだという努力の結果を出せなかったことに悔しさを爆発させてしまう。 しかしその日の夜にたまたま祖父と将棋を指したところ圧勝し、自分が確かに強くなってる事を実感できた。 棋士を目指すも夢を叶わなかったが、子供か孫がいつか棋士になるよう&bold(){「丹生家の子は10歳までは毎日将棋を指すべし」}という家訓を作り、7人の子供全員に守らせた。((家訓は100年先まで残っている)) 子孫には「中学時代藍田苺の後輩で親友だった」「私が藍田苺を育てた」など事実と盛った逸話を混ぜて伝えている。 -&ruby(こばやし){&bold(){小林}}&ruby(けんご){&bold(){研吾}} 藤ヶ崎中学校1年生。将棋部部員。心子の同級生。 小5から[[小学校]]の将棋部に所属しており、中学でも将棋部に入部した。 -&ruby(ささき){&bold(){佐々木}}&ruby(しょう){&bold(){翔}} 藤ヶ崎中学校1年生。将棋部部員。心子の同級生。 小林とは同じ[[小学校]]の将棋部出身で、中学でも将棋部に入部した。 一応新入生3人組の中では一番勝率が高い。 彼か小林のどちらかが心子と結婚したことがわかっている。 **◆プロ棋士 -&ruby(こが){&bold(){古閑}}&ruby(たけと){&bold(){武人}} 棋士。七段。順位戦B級1組・竜王戦2組在籍。 将棋道場で滝沢と蒲公英を指導している。 苺の品行に問題を感じながらもこの子がどこまで行けるのか知りたいという思惑で師匠になることを買って出るが断られる。 その後は、棋士としての正規の料金(10万円)で苺からの挑戦を受けている。 「[[順位戦>名人/順位戦(将棋)]]」において、彼は名人1人・A級棋士10人の下のB級1組で去年5位であるため、本人の言を借りれば「世界で16番目に将棋が強い男」。 本人も最近まで知らなかったが、B1に10年残留するもA級昇格・タイトル獲得は叶っていないことから、若い棋士の間では密かに「&ruby(ボーダー){&bold(){境界線}}」と呼ばれている。 竜王戦2組ランキング戦に準優勝し決勝トーナメントに進む。 初戦で兵藤(3組優勝)に勝利するが、大鷹(1組2位)に敗れる。 後にA級・1組昇級を果たし多くの弟子を持った。後世では苺のアマ時代の師匠と見做されているが本人は当然否定している。 -&ruby(いづる){&bold(){伊鶴}}&ruby(こうだい){&bold(){航大}} 29歳。棋士。八段。順位戦A級・竜王戦1組在籍。大鷹門下。 苺に格の違いを見せつけた最初の男。苺と互いの財布を賭けて勝負を行うが、&bold(){市大会の決勝戦で月子が投了した盤面から指し次ぎ}、苺に逆転勝利を収める(一応は大会優勝者への指導対局という形になった)。 伊鶴に勝って財布を取り戻すことが苺の当面の目的となった。 現在は無冠だが、過去に棋聖と王座のタイトルを獲っている(計2期)。 苺の非常識さにツッコミを入れる側の1人ではあるが、 当の伊鶴も、中学で部活入部必須だったせいで適当に将棋部を選んだことで将棋に出会い、部員に「すごい才能だけど中1からではプロになるには遅すぎる」と言われたことで逆にやる気になり、まず&bold(){当時の最強棋士=大鷹を探して勝負を挑んだ}という、苺のことを言えたものではない波乱の将棋人生を送っている。 大鷹にボコボコにされた後彼の弟子になったようで、そこから2年後の15歳で大鷹の勧めもあって、高校生で奨励会に入った。 道玄坂によると、普通なら棋士は25〜26歳がピークでそこからどうやってピークを維持していくかとなるが、伊鶴は将棋を覚えたのが中学1年と遅かったことから、とんでもない速さで強くなり続けて未だにまだ強くなっており、全盛期に達していないとのこと。 竜王戦1組ランキング戦に優勝し決勝トーナメントに進む。 現役中の獲得タイトル数は計4期。 -&ruby(やまのべ){&bold(){山野辺}}&ruby(あきと){&bold(){彰人}} 25歳。棋士。現[[竜王>竜王(将棋)]]・棋王。6期続けて竜王位防衛中。 中学生(15歳)で棋士になり20歳で竜王のタイトルを獲った&bold(){現役最強の棋士。} 巨躯に強面、威圧するような物言いとヤクザのような男だが、将棋への自信とプライドは本物で普通のアマチュア・ファンや子供には大人らしく接している。 素の棋力は当然トップクラスだがそれ以上に研究家として知られており、最善の一手の追求よりもまず勝つことを是とする勝負師。 アマチュア竜王戦の全国大会の開会式であいさつした際、無礼な物言いで突っかかった苺に半ばキレて胸ぐらを掴み持ち上げた。 その後ケンカの続きをしに控室まで来た苺に応戦し、守屋会長と口論しながら片手間で圧倒。山野辺に勝つことは苺の目的の一つになった。 道玄坂や伊鶴とは奨励会の同期で道玄坂からは「ヤンマー」と呼ばれている。 プライベートでは体力作りのためにジム、免状を書くために書道教室に通っている。ちなみにジムでは「ドラキン((Dragon King(竜王)の略))」という異名で呼ばれている。 現役中の獲得タイトル数は計16期。本人は100年名前が残る棋士になることを目標としていたが、2124年時点では奨励会員も知らない無名の棋士となっている。 ただし、藍田苺は後に&bold(){「私と斎藤にとって山野辺は死ぬまで目標だった」「私の一番のライバルは斎藤じゃなく山野辺」}と語っている。 詳細は不明だが後に結婚したようで、2124年に子孫が登場している。 プロ入り時期・20歳で竜王を獲得し長く防衛した実績や風貌から元ネタは渡辺明だと思われる。 「お父さんすいません、ケチャップください。」 -&ruby(さいとう){&bold(){斎藤}}&ruby(れん){&bold(){蓮}} 18歳。棋士。現王位・叡王。順位戦A級・竜王戦2組在籍。関西本部所属。 将棋界最高の才能と呼ばれる天才棋士。三段リーグを1期で通過し、史上最年少の14歳3ヵ月でプロ入り、最年少でタイトルを獲得、最多連勝記録を更新するなど、近年の将棋界の中心に立つ男。 昨年の竜王戦挑戦者だが、山野辺竜王を3-0と追い詰めるもそこから巻き返され挑戦を退けられている。 また竜王戦直前に偶然山野辺と鉢合わせた際にいきなり彼に殴りかかり「ここで倒せばと思うとつい…」と発言するイカれた奴でもある(拳は掌で受け止められた)。 だが山野辺は山野辺で対局が始まり注目が集まっている中で、さっきのお返しとばかりに斎藤に殴りかかっている(こちらも拳は掌で受け止められた)。 苺とは関西の将棋会館でたまたま遭遇した際に勝負を挑まれる。この時斎藤は別の対局の持ち時間中であったが「20分だけ」と前置きし承諾。急戦で早く終わらせようとする斎藤に対し苺は持久戦でミスを誘う容赦ない打ち方をするが、そんなことを意にも介さずわずか60手足らずで勝利した。 竜王戦2組ランキング戦に優勝し決勝トーナメントに進む。(実際の竜王戦では挑戦者となりタイトルを獲得出来なかった場合、挑戦期の組数は関係なく翌期は1組に在籍する) 初戦の清水(1組3位)との対局の持ち時間にも&bold(){また}苺に勝負を挑まれ、今度はやや本腰を入れて返り討ちにする。結局1時間以上を費やしたが清水との対局にも勝利する。 次戦で大鷹(1組2位)に勝利し、挑戦者決定戦に臨む。 後の時代では&bold(){藍田苺と唯一対等に戦った伝説の棋士、終生のライバル}と評されている。 獲得タイトル数は通算63期で1500勝を記録。 詳細は不明だが後に結婚したようで、2124年に子孫が登場している。 斎藤と苺は2061年の苺の引退以降二度と顔を合わせなかったが、晩年の口癖は&bold(){「藍田はまだか」}だったそうだ。 モデルは関西所属の大型新人の下りから[[藤井聡太]]だと思われる。 「俺にとっての将棋ってのは勝ち負けより何より、面白い将棋を指したい。将棋は面白いからな。」 -&ruby(おおたか){&bold(){大鷹}}&ruby(ふうが){&bold(){風雅}} 51歳。棋士。現名人。竜王戦1組在籍。月子の父。大鷹世代筆頭。最新時点で12期連続名人位防衛中。 同年代の守屋や海江田と比べて若い容姿をしている。 14歳でプロ棋士になり、18歳で当時五冠の川谷名人から竜王位を奪取。25歳で名人以外の六冠を手にするが、その年の名人戦で川谷名人に破れ、七冠制覇は惜しくも夢と消えた&bold(){…と思われた。} &bold(){だが大鷹はその後1年間、所持している全てのタイトルを防衛し、A級順位戦を勝ち上がって名人戦の挑戦権を再度獲得。4勝0敗で名人位を奪い、ここに七冠独占という新たな伝説が生まれた。} それからも大鷹は棋界を牽引し、獲得タイトル数は&bold(){通算100期に達する}次元違いの怪物。 加瀬曰く「世間では大鷹世代と呼ばれているが、彼を僕らとは並べられない」。 ピークの時は対面して先後が決まったら終局図が見えたらしい。 さすがに現在は盛りを過ぎているが、名人戦に限っては未だに隙のない強さを見せる。 アマチュア竜王戦の全国大会の休憩時間に、正体を隠したまま苺と飛車角香車の4枚落ちで勝負に応じ接戦の末敗れる。 苺とはアマチュア竜王戦優勝直後にもハンデ無しの再戦を挑まれたが、その際はわずか42手で投了させている。 竜王戦1組ランキング戦に準優勝し決勝トーナメントに進む。初戦で古閑(2組2位)に勝利するが、次戦で斎藤(2組1位)に敗北。 この時点で&bold(){「僕も名人でいられるのはあと5年てトコだろうな…」}と呟いて加瀬にドン引きされているが、&bold(){本当に5年堅守した。} モデルは七冠制覇までの過程から[[羽生善治]]であると思われる。 -&ruby(もりや){&bold(){守屋}}&ruby(くらいち){&bold(){倉市}} 51歳。棋士。九段。現棋聖。順位戦A級在籍。将棋連盟会長。大鷹世代。 大鷹や海江田とは幼馴染で奨励会の同期。ちなみに祖父は総理大臣だったらしい。 高位の棋士の中では珍しく常識人で山野辺や苺の常識外れな行動に頭を抱えている。 将棋連盟会長の激務をこなしながら、衰えが出る50歳を超えてなお順位戦A級在籍かつ棋聖のタイトルホルダーを務めるなど彼もまた間違いなく怪物の一人。 モデルは羽生とタイトル戦で争い、永世棋聖を獲得、日本将棋連盟会長にも就任した佐藤康光だと思われる。 -&ruby(かいえだ){&bold(){海江田}}&ruby(たいが){&bold(){大河}} 51歳。棋士。九段。現王座。順位戦A級・竜王戦1組在籍。大鷹世代。 将棋界でも有数の研究家で、同世代では最も早く[[パソコン]](AI)を使い始め、流行の戦法を積極的に取り入れている。大鷹曰く棋戦ならナメクジ相手でも事前に研究するとのこと。 古賀によると「研究が生きた場面での海江田にはトップ棋士でも勝つのは難しい」と言われてる。 海江田と同じ大鷹世代の1人でもある加瀬からは、歳を取って体力の衰えなどがある今でも、並の若手棋士よりも研究にかけている時間は多く、更に若手の時はその倍の時間を研究にかけていた。 本人も年齢的にそろそろ第一線には留まれないことは自覚しており、少しでも抗うために努力しているとのこと。 大鷹、守屋とは11歳の時に将棋大会で出会ってからの幼馴染であり、奨励会も同期で入会している。 だが、すぐに頭角を現し段位を駆け上がっていった2人に対し海江田は伸び悩み、&bold(){20歳で初段、25歳でプロ入りと昇段は極めて遅かった。} 現在の風体は殆どヤクザの親分だが、&bold(){信じがたいことに若い頃は可愛らしい風貌の少年だった。} 奨励会員と研究会をしたり、学生向けのアマチュア大会に顔を出すなど、普及活動や後進育成にも積極的なお方である。 大鷹世代と呼ばれるのを嫌っている理由は、まだ奨励会に入っている自分とは違って、同世代が既にタイトル戦やA級と華々しく活躍する中、その牛歩の歩みは&bold(){「僕は大鷹世代に入れなかった」}と卑下しても仕方ないものであったが、30歳で悲願の初タイトルを獲得し、衰えが出ている50歳を超えた今もタイトルホルダーでありA級に在籍して、将棋界の最前線で戦う海江田は外から見れば歴とした大鷹世代の一員に他ならない。加瀬は海江田のことを「対局の後流行りの戦法や相手のことを研究し、50歳を超えた今でも昔と変わらない情熱を持っていて、僕もああ言う棋士になりたかった」と言っている。30歳で初めてのタイトルを獲得して、50歳を超えた今でもタイトルホルダーであり現役のA級棋士でもある、その棋士としての生き方には斎藤からも「尊敬します」と言われている。 また奨励会時代から棋士になって数年の海江田には&bold(){他人を想うあまり勝負に徹しきれない}という致命的な弱さがあり、大鷹世代と比較しても見劣りしない棋力を持ちながら昇段が遅れたのもそれが要因だった。 所謂&bold(){将棋は強くても勝負に向いていない人間}であり、海江田がそれを本当に克服できたのは大鷹らと出会ってから20年、初のタイトル挑戦者決定戦で1人の戦友に引導を渡したその時になる。 苺が市大会を終えた時期に棋王戦本戦で伊鶴に敗れており、その際、伊鶴と戦うために特別対局室に乱入してきた苺を怒号と共に殴り飛ばしている。 その後棋王のタイトルを獲得するが山野辺に奪われ、伊鶴から王座を奪っている。名人戦挑戦者にもなっているが1勝4敗で退けられている(大鷹の名人位12期連続防衛時)。 竜王戦1組ランキング戦に4位通過し決勝トーナメントに進む。 大鷹、守屋との幼少期のエピソードの下りは、羽生と幼少期から対局し奨励会入会も同期だった森内俊之の物が元ネタと思われる。 -&ruby(かわむら){&bold(){河村}}&ruby(たかし){&bold(){隆}} 棋士。大鷹世代。最終段位八段。&s(){[[寿司屋>河村隆(テニスの王子様)]]は継がない} 現在の将棋界に籍を置いていない。現役期間は同世代で最も短く、かつ世代で唯一のタイトル未経験にもかかわらず大鷹世代の1人に数えられる天才棋士。 加瀬は&bold(){「大鷹以外じゃ世代の中だと今もA級の海江田、守屋…それと河村君かな。彼らは別格です」}とまで称賛している。 奨励会では入会が遅かったものの実力は当時から認められていたが、生まれつき体が悪く万全の体調で対局できない日も少なくなかった。しかし「名人」への執着は人一倍強く、彼の&bold(){将棋に命をかける覚悟}は奨励会に入ってなおアマチュアの感覚で指していた海江田の意識を改めさせている。とはいえ悪癖は払拭しきれておらず、互いが棋士になってから初めての対局では自身の体調を慮り決着を急ごうとした彼の隙を突き一蹴した。 河村は棋士として優秀な成績を残す一方で病気の進行もあってタイトル獲得は叶っておらず、30歳を迎え「王位」挑戦者決定戦を翌日に控えた時期には見る影もなく瘦せ細った姿となっていた。 医者からは棋士としての活動を休止した上で療養を進められるも&bold(){「遅かれ早かれそろそろ死ぬでしょう。だったら、タイトルを獲って死ぬ」}と拒否。 対局相手は海江田大河六段。大鷹世代と呼ばれながらあと一歩で殻を破れずにいる無冠の2人。 外野は最後のタイトル挑戦と目される河村を応援し、河村本人も「俺には今しかない」と強い気持ちで指し続ける。だが病は無情にも彼を蝕み続け、盤面の読みに影響する程にまで蝕まれており、自身が既に詰んでいることにも気付かない程悪く、対局に勝利し挑戦者となったのは海江田だった。 それからすぐ病院に運ばれたが、既に限界を超えていた河村はそのまま事切れる。享年30歳。 モデルは羽生・佐藤の同世代の好敵手だったが早世した村山聖と思われる。 -&ruby(かせ){&bold(){加瀬}}&ruby(こういち){&bold(){紘一}} 棋士。九段。大鷹世代。 B級ながら現役の棋士であることがわかっている。落ち着いて洒落っ気のあるおじさんと言った風体だが、若い頃は相当の暴れ者だったらしい。50を超えた今では本人はその頃のことを「若気のいたり」と語っている。 実力の維持という意味では「三帝」の大鷹・守屋・海江田に劣るが、タイトル獲得回数は13回と大鷹に次いで多い。 15歳(二段)の頃、迷子の老婆を家まで送ったことで時間が無くなってしまい、対局時間に間に合うために&bold(){ノーヘルでバイクを飛ばしてそのまま将棋会館に突っ込んで扉とロビーを破壊し、頭から血を流しながら入室して平然と対局を始めた。} その後、加瀬の行動に文句を言いに駆け付けた職員に対し「対局中に関係ない人間は入ってくるな!」と一喝している。 -&ruby(おざき){&bold(){尾崎}}&ruby(じょういちろう){&bold(){丈一郎}} 棋士。大鷹世代。 現在の動向は不明。 奨励会時代は「丈一郎ではなく、蝶のように舞い、蜂のように指す…&bold(){バタフライ・ジョー}と呼んでください」と言っていた変人。 美しくいたいからとの理由で髪を伸ばして蝶の髪飾りをつけており、その長髪と髪飾りのせいで集中できなかったと文句を言った対局相手が、対局室では無くて別の場所で喧嘩をするために移動しようとしていたため&bold(){その背中に踵落としを決めて沈めている。} その際に吐いた台詞が&bold(){「正気ですか?これからケンカをしようって相手に背を向けるなんて」}。騒ぎを聞きつけて現れた職員にも、「そう!言ってやってください!この人ケンカの相手に背を向けたんですよ」と悪びれなく言っている。 ちなみにこの一件は加瀬[[バイク]]事件と同日同時刻に起こった。 -&ruby(たかまがはら){&bold(){高天原}}&ruby(たける){&bold(){尊}} 棋士。大鷹世代。 加瀬と同じくB級ながら現役の棋士であることがわかっており、宮下裂鬼の師となっている。 過去の加瀬バイク事件の際は加瀬のことをいつもながら騒がしい、どっちが非常識やらと言いつつも、&bold(){彼は彼でさも当たり前のように狐のお面をつけて対局する変人。} その奇行を目にして「お前らは将棋に対しての敬意が無いのか」と聞いてきた対局相手に対して、自分は将棋に敬意を持っているからこそ、自分の世界に集中するための面であると答えている。 本人曰く「自身らにとって大きな壁でもある、大鷹に追いつき追い抜くためには、イカれてないと」ということらしい。 ちなみに宮下が鬼の面を被るのはTV中継が入る対局やタイトル戦など注目度の高い対局だけなので、&bold(){イカれ具合なら師匠の方が数段上である。} -&ruby(とうじょう){&bold(){東条}}&ruby(だいすけ){&bold(){大輔}} 棋士。大鷹世代。 -&ruby(かわたに){&bold(){川谷}}&ruby(こうた){&bold(){康太}} 棋士。元名人。 大鷹世代より一つ上の世代の棋士で、18歳という当時の史上最年少でA級棋士入りした若手トッププロ。 大鷹は「当時の将棋を指す子供はみんな川谷先生に憧れていた」と語るが、普段は取り繕っているものの本人の性格はやや傲慢かつ陰険。だが人間性は悪い訳では無く、海江田と河村の対局の時には、河村の身体の限界を真っ先に察知して、誰よりも早く119番通報しており、救急車を対局に影響させないように、音を鳴らさないで来てくれと頼んでいた。 当時7つあったタイトルの内、最高位の「名人」を含む五冠を制し、全冠制覇目前まで迫るも、大鷹世代の台頭により「名人」を除く四冠を失う。 大鷹が六冠を制し全冠制覇に王手を掛けた際は、名人戦最終局で大鷹を破り名人の意地を見せた。 しかし、翌年の名人戦では再度挑戦者として現れた大鷹に0勝4敗のストレート負けを喫し、彼の全冠制覇を目の前で見せつけられる羽目になった。 モデルは名前や七冠独占を一度阻止した内容から[[谷川浩司]]と思われる((なお谷川が羽生から阻止したのは名人ではなく王将))。 -&bold(){マリオネット} 棋士。五段。竜王戦5組在籍。守屋門下。 苺はマリオネットという名前から外国人だと思っていたが、普通に日本人。 奨励会では一度も降級することなく三段になり、三段リーグを1期で通過。デビューから3年で五段になった若手有望棋士。 そんな自他共に認める立派な成績はまだ若かった彼を変な方向に暴走させるには充分だった。 &bold(){自分は神に選ばれた人間であるとして登録名を「&ruby(マリオネット){&bold(){神の操り人形}}」にしろと師匠の守屋に直談判してしまったのである。} 一応守屋は止めたものの&bold(){「認めてくれないなら人権侵害として裁判を起こす」}とまで言うマリオネットに根負けし&bold(){「わかったわかった。認めるよもー。言っとくが絶対に後悔するぞ」}と渋々承認。 守屋の忠告通り今はそれを後悔しており、なぜあの時止めてくれなかったと守屋を恨んでいるのだが、 自分から無理を通した以上今さら本名に変える真似もできないため、マリオネットを名乗っても笑われない最強の棋士になることを強いモチベーションとしている。ちなみに本名は誠。 竜王戦5組ランキング戦に優勝し決勝トーナメントに進む。1回戦で苺とぶつかる。 -&ruby(どうげんざか){&bold(){道玄坂}}&ruby(たつや){&bold(){達哉}} 29歳。棋士。六段。順位戦B級2組・竜王戦4組在籍。 山野辺とは奨励会の同期であり、&bold(){「僕の足元に及ぶ程度には強い」}と高く評価されている。ちなみに山野辺からは「たっつん」と呼ばれている。 あくまで若手の有望株だったマリオネットと異なり、道玄坂は棋士としてピークを迎えたタイトル挑戦の有力候補である。 また最近はバッティングセンター通いが趣味だが、&bold(){1ヵ月通って1球も当たらないくらい下手。}しかし本人は&bold(){「下から這い上がるからやりがいがある。勝って当然の勝負なんか意味がない。ケンカするなら自分より強い相手とだ」}とかなり前向き。 性格はお人よしの兄ちゃん、もしくは&bold(){アホ。} どのくらいアホかと言うと&bold(){棋戦数日前に自分が次に当たる相手に}対局を求められ、一度は断るもバッティング勝負で自分が勝ったら対局しろという誘いに乗るくらいアホ。 そしてバントも使うと言う尋常じゃなくレベルが低い勝負の末、結局&bold(){本番前に計5回、本気の指導対局をただでしてくれる超絶アホ。}((古閑からも「普通の棋士はそんなアホな勝負受けないぞ。アレは道玄坂がアホなだけだ」とばっさり言われている。)) 竜王戦4組ランキング戦に優勝し決勝トーナメントに進む。 山野辺からは「戦う時代が悪かった」と言われるが、現役中に王座のタイトルを1期獲得している。が、翌年苺に奪取された。 苺とは晩年もボーリング勝負をするなど交流を維持していた。 なんと&bold(){後に将棋連盟の会長に就任している。}享年85歳。 -&ruby(みやした){&bold(){宮下}}&ruby(ざき){&bold(){裂鬼}} 32歳。棋士。九段。順位戦A級・竜王戦1組在籍。高天原門下。関西本部所属。 元「王位」のタイトルホルダーであり、&bold(){鬼}の異名で知られている。 居飛車党で先手なら相掛かりが基本戦術。攻め将棋の権化と呼ばれ、道玄坂曰く「攻め合いで宮下九段に勝てる人はこの世に片手で数えるほどもいない。受け続けられるほど甘い攻めでもない」。 &bold(){対局の際は鬼の面を被って現れ、対局中も外すことは無いからその素顔は誰も知らない。} …というのはただの噂話。解説の女流棋士がそう言った時には、同じく解説者だった道玄坂は宮下の素顔を知っているとツッコミを入れており、道玄坂によると普段は素顔で指していて、鬼の面を被るのはTV中継が入る対局やタイトル戦など注目度の高い対局だけである。 だが棋士名鑑でも鬼の面をつけた姿で掲載されている事から、素顔を知ってる人は少なく、道玄坂も素顔を知ってる人は多くないかもしれないと言っており、棋士や将棋会館などで働いている人間以外だとベテランの記者ぐらいであり、宮下と会う機会の無い女流棋士や若手の棋士の中には素顔を知らない人間も多い。また親しい人からは名前から「ザキさん」と呼ばれていることで、彼の素顔を知らない人からすれば「宮崎?」「岡崎?」と勘違いされる事も。 決勝トーナメントで宮下との対局になった時に対局室で苺は、宮下について周りの人物たちに聞いた際に皆が揃いも揃って「鬼」と言っていたことについて疑問を持っていたが、対局室に宮下が鬼の面をつけて来て部屋に入って来たの見て、鬼の異名に納得していたが、本人曰く鬼の面をつけている理由は、&bold(){本気のA級はバケモノを超えており、気の弱い自分では鬼の面でもつけなければ相対せない。}からとのこと。 竜王戦1組ランキング戦に5位通過し決勝トーナメントに進む。 竜王戦敗退後、伊鶴と苺の対局日には将棋会館で別の対局をしており、対局を終えた後に道玄坂やマスコミらがいる部屋で伊鶴と苺の対局を見ていた。部屋に入った時には、道玄坂とベテランの記者以外はその人物が宮下だとは気がつかなく、謎の人とされていた。 苺が「入玉宣言法」での勝利狙いだと分かった時には、別の部屋で対局を見ていた守屋や大鷹が、「入玉宣言法」のルールの複雑さと判断の難しさから、記録係で奨励会員の月子だけだと手に余ると判断したことで、職員が道玄坂を呼びにいった際に、同じ部屋に宮下がいたことから、職員が宮下に立会人を頼み、鬼の面をつけて対局室に行き立会人を務めた。 後に斎藤から1度だけ王位のタイトルを奪い返している。 *&sizex(5){&big(){&big(){■}}&bold(){登場人物(未来編)}} **◆奨励会 -&ruby(やまのべ){&bold(){山野辺}}&bold(){ミク} 中学3年生。恐るべき子供たち。 2124年4月から三段リーグに上がった奨励会員。 山野辺彰人の曾孫にあたる。 -&ruby(にぶ){&bold(){丹生}}&bold(){アッコ} 同上。 丹生心子の曾孫にあたる。家訓によって丹生家の子供は代々将棋を指していたが、はじめてプロを目指せる才能を持って生まれたのがアッコである。 -&ruby(もりた){&bold(){森田}}&ruby(しおん){&bold(){汐恩}} 同上。 2030年代、40年代の藍田・斎藤時代において、唯一2人に対抗していたことで知られる&ruby(もりた){森田}&ruby(ガイア){大地}の曾孫にあたる。 **◆プロ棋士 -&ruby(くろだ){&bold(){黒田}}&ruby(ジョーカー){&bold(){道化師}} 棋士。20歳。現竜王・王将・棋王・王座・叡王。 竜王以下5つのタイトルを保持する&bold(){現役最強の棋士。} 寒河江以来の中学生棋士であり、近く全タイトルを獲ると目されている。 -&ruby(さがえ){&bold(){寒河江}}&ruby(ライラ){&bold(){雷々}} 棋士。現名人・棋聖・王位。 中学生で棋士になり、15年前には史上4人目となる八冠制覇も成したベテラン。ジョーカーの台頭までは長く一強時代を築いた。 -&ruby(さいとう){&bold(){斎藤}}&ruby(フルールノーブル){&bold(){高貴な花}} 棋士。14歳。竜王戦6組在籍。恐るべき子供たち。 親しい人間からは「ノブ」「ノブくん」と呼ばれる。 2123年12月にプロデビューして以来連勝を続けている同世代の筆頭。 斎藤蓮の曾孫にあたり、世間一般の常識である藍田苺最強説を否定し、斎藤蓮最強説を支持している。 実力は苺が「私があなたくらいの頃よりも強い」と評するほど。 -&ruby(さく){&bold(){佐久}} 棋士。25歳。四段。竜王戦6組在籍。 奨励会時代から常にホロアバターで対局していて、本人は一度も将棋会館に来たことがない。11歳から寝たきりでもう5年ほど目覚めていない。普段はVR空間で活動している。 筋萎縮性側索硬化症(ALS)という難病を患っているが、連盟の認めた3Dホロソフトを使い、対局中本人の傍に立会人をつけるという条件で棋戦ができている。 本名は&ruby(ちか){千華}。 -&ruby(にしだ){&bold(){西田}}&ruby(すい){&bold(){翠}} 棋士。30歳。四段。竜王戦6組在籍。 奨励会を通らず棋士編入試験で棋士となる。 佐久(千華)とは彼女がまだ起きて外で活動できていた頃からの友人であり、佐久が棋戦を行う際の立ち合い人になるためプロになった男。 竜王戦6組ランキング戦で斎藤を破り彼の連勝記録を止め、決勝戦で苺と対局する。 **◆将棋連盟 -&ruby(しみず){&bold(){清水}}&ruby(たいき){&bold(){大器}} 72歳。将棋連盟現会長。永世八冠。 2124年に現れた苺のことを当初は知らないふりをしていたが、実は協力者の1人。 引退した苺(当時85歳)と会っており、2124年において生身の藍田苺と対局した経験のある唯一の人間。 生前の滝沢連盟会長から「もし藍田がAIに挑戦する時私が生きていなかったら、君が藍田をバックアップしてくれないか」と頼まれていた。 -&ruby(いまい){&bold(){今井}}&ruby(じゅんいち){&bold(){純一}} 藍田苺を秘密裏に支援している謎の男。 苺の対局日に姿を隠すことから将棋ワールドの記者の綾田に疑念を持たれている。 実は「じいさん」こと宮村辰夫の曾々孫であり、詳細不明だが苺の竜王戦挑戦をサポートしている。 苺曰く「人の世話が生きがいで、勝ち負けにも自他の上下にも興味がない人間」「アンタが一番じいさんに似てる」。 **◆AI関連企業 -&bold(){ヨハン・レイ・ハワード} 時価総額世界トップのテクノロジー企業にして、将棋連盟の最大手スポンサー「Bird」のCEO。 停滞した現在の科学に鬱屈を感じ、世界を爆発的に進化させる何かを求める自称革命家。 *&sizex(5){&big(){&big(){■}}&bold(){用語}} 大体は[[将棋]]、[[現実の竜王戦>竜王(将棋)]]と同じなのでそちらも参照。 苺の目的は奨励会に入らず最短で伊鶴八段と戦うことだったので、まずはそのチャートを記す。 なぜ竜王戦なのかと言うと、アマチュア出場枠のあるタイトル戦は竜王戦と棋王戦だけであるため。 ・アマチュア竜王戦県予選 まずここから。[[神奈川県]]予選は優勝者・準優勝者が全国大会に出場できる。 ・アマチュア竜王戦全国大会 参加者は各都道府県代表54名+招待選手2名。 これまで女性の代表はいなかったが、苺が出た大会では苺を含め3名の女性選手が現れた。 ベスト4に残った4名は本戦の6組ランキング戦に出場できる。 これを含むアマチュア全国大会の優勝者は奨励会の三段編入試験の受験資格を得るが、満19歳以上だった場合は適用不可。 ・竜王戦本戦 所謂プロ(四段以上)の大会。強い者から1組から6組に分かれてランキング戦を行い、上位者が決勝トーナメントに進む。 組によって決勝に進める定員が異なり、1組は16人中上位5名が、2組は上位2人名、3・4・5・6組は優勝者だけが進める。 アマチュアは6組に招待選手枠で入る。 なおアマチュアが6組で優勝(または他のアマ参加公式トーナメントも含め勝率6割5分以上)した場合、棋士編入試験の資格を得る。なので&bold(){勝てば理論上奨励会に入らずにプロ棋士になれる道が開けることになる}((「奨励会不参加ながら試験合格でプロ棋士になったアマチュア」自体は2023年小山怜央(アマ戦での好成績から試験に)によって実現したが、女性による試験戦は2022年に里見香奈(元奨励会員)がチャレンジするも失敗に終わっている))。 ・竜王戦決勝トーナメント 本戦で優秀な成績を収めた選手で行われるトーナメント。優勝者は竜王に挑戦できる。 クラスによって決勝までの対局回数が異なり、1組優勝者は2勝、6組優勝者は6勝が必要。 ここで勝ち進むことでようやく伊鶴と戦うことができ、トーナメントに優勝すれば現竜王である山野辺と対局できる。 ・竜の羽織 山野辺が式典やタイトル戦で着用する背中に竜の絵が描かれた羽織。 藍田苺が竜王を獲った際に貰い受け、その後竜王が変わる度に代々受け継がれていく伝統になった。 ・奨励会 プロである将棋棋士の養成機関。 会員数およそ150人。プロ棋士の推薦を得た19歳以下の者が入会試験を受けられる。 6級〜1級から始まり、規定されている成績により昇級・昇段、あるいは降級・降段となり、四段に昇段するとプロ棋士の資格を得られる。 原則として21歳の誕生日までに初段、26歳の誕生日が含まれる期間の三段リーグまでに四段に昇段できないければ強制的に退会となる。 ただし、最後にあたる三段リーグで勝ち越しすれば、次回のリーグに参加することができる。以下、同じ条件で在籍を延長できるが、満29歳のリーグ終了時で退会となる。 ・三段リーグ 三段から四段への昇段は6級〜二段までのそれとはルールが異なる。 三段の会員で半年かけて計18回戦のリーグ戦を行い、全局終了時点の上位2名が昇段しプロ棋士となる。 ちなみに三段リーグ設立以降&bold(){一期で抜けた者はいても全勝した者は今に至るまで誰もいない。}大鷹、山野辺、斎藤といった怪物達もこの期間に黒星をつけられている。((山野辺、斎藤は共に13勝5敗で昇段。斎藤は一期抜けだが山野辺は二期かかった)) これは現実も同様で、プロデビュー後29連勝を達成した[[藤井聡太]]でさえ13勝5敗で昇段している(一期抜け)。 ・大鷹世代 大鷹風雅及び彼と同年代で抜きんでた実力を持っていた棋士たちのこと。 大鷹風雅・海江田大河・守屋倉市・加瀬紘一・&s(){バタフライ・ジョー}尾崎丈一郎・高天原尊・東条大輔・河村隆の8人を指す。 現在より25年前、大鷹(当時26)が7大タイトル((当時。現在のタイトルは8つ))を独占し史上初の1人の棋士による七冠制覇を果たす。 だが翌年に守屋に棋聖を、加瀬に竜王を奪われ、その後2人と同じく同年代の棋士たちが台頭。 &bold(){それまでいたトップ棋士もその後出てきた若手棋士も全て蹴散らし、10年間全てのタイトルを彼ら8人だけで独占した。} また大鷹六冠の年度は棋聖戦(川谷対大鷹)、王将戦(不明)、名人戦(川谷対大鷹)を除く4つのタイトル戦が大鷹世代同士の対局であり、この年のA級順位戦(名人位挑戦者決定戦)の出場者は9人中6人が大鷹世代だった。順位戦の成績は上から大鷹、尾崎、加瀬、河村と続く。 全盛期の大鷹を相手にタイトルを奪い合った猛者の集まりだが、中でも飛び抜けて強かったのはやはり大鷹であり、&bold(){10年の間タイトルの半分以上は彼1人が保持し続けた。} 要は現実の[[羽生世代]]に相当する集団。 ・三帝 大鷹世代の別名。このグループの中で未だ現役のA級棋士のことを指す。 該当者は大鷹、海江田、守屋の3人なので三帝。そのため六龍、五英傑、四皇帝など時代を経るごとに呼び方の頭の数が減っている。 この名前は大鷹世代という呼び名と他の棋士…特に海江田が嫌がっているためつけられたものだが、今一浸透していない。 ・中学生棋士 そのままの意味で、中学校に在学しながら既定の条件を満たし棋士になった者のこと。 その誰もが後に輝かしい戦績を刻み、トップ棋士が約束されたルートである。 明らかになっている該当者は2124年8月27日(第275期三段リーグ上半期最終日)時点で、大鷹風雅・山野辺彰人・斎藤蓮・藍田苺・清水大器・寒河江雷々・黒田道化師・斎藤高貴な花・川嶋蘭々の9名。 現実でも使われている概念であり、加藤一二三・谷川浩司・羽生善治・渡辺明・藤井聡太の5名が該当((全員が九段かつ名人・二冠以上経験者。谷川以降は全員竜王・賞金王経験者で永世称号も持っている。))。 ・オーラ 山野辺曰く「武道家が帯の締め方で強さを測れるように、ある程度以上のレベルの将棋指しは目で見えて相手の強さがわかるようになる」。 強く大きく迸るオーラの持ち主は疑いなく高い棋力を持つ強者だが、あまりにもレベル差が開いていると正確な強さを測ることすらできず、逆にオーラを感じ取ることで気圧され実力を発揮できなくなることもある。 「がっかりさせやがる。力の差に気づかねえほどガキだったか」「私の強さがわかるほどにはなったか?」といったセリフからもそれが察せられる。 ・持将棋 現在行われている対局を「引き分け」とみなして、改めて一から対局をやり直すこと。 より正確に言えば、このままでは勝負がつかないという「状況」になった時再対局となるルール。 「状況」の条件は 1.どちらかの玉が相手の陣地に入玉している 2.互いの駒の飛車と角を5点、玉以外のその他の駒を1点と見なして、両者の点数が24点以上になっている この上で互いが合意することで持将棋が成立し、30分の時間を置いて再対局となる。 再対局の際は持ち時間が少ない方が持ち時間1時間になるよう加算し、同じだけの時間を相手にも与える。また先手番が入れ替わる。 ・入玉宣言法 このルールを使って「宣言」すると&font(#ff0000,b){双方の合意無しにその時点で対局が終了}し、勝敗は点数で決まる。 「宣言」するための条件は 1.敵陣に入った駒が「玉+10枚以上」 2.自玉に王手がかかっていない 上の条件を達成していない、もしくは敵陣に入った駒の点数と持ち駒と合わせて23点以下なら宣言側の負け、24点から30点なら持将棋(再対局)、&bold(){31点以上なら宣言側の勝ちとなる。} 点数計算は持将棋に準ずる。 2013年10月から導入されたルールであり、大勢が決しながら優勢側が詰ませられない場合に、詰み以外の形で対局を終わらせる用途で使われる。 アマの大会では「優劣がはっきりしているのに詰ませられない」といった状況がよくあるが、宣言法を使うことで対局が延々と長引いてしまうのを防ぐことができる。 反面、何十手先の詰みを前提に指すプロの棋士同士であればそういう状況に陥ることはなく、更に&bold(){勝とうが負けようがぐちゃぐちゃになった汚い棋譜が残ってしまう}ため、普通は優劣がはっきりした時点で投了を選ぶ。 現実でも2022年7月のマイナビ女子オープン予選で&bold(){公式戦史上初のルール適用}が起こり、一部で話題となった。((只、棋士(男性)の棋戦では未だに使われていおらず、本作でも男性棋戦では一度も起きていない設定になっている。)) ・藍田ルール 藍田苺が竜王戦を勝ち進んだことで発生した本来なら起こり得ない不都合を解消するために作られた特別規約。現実には存在しないが、&bold(){プロを上回る棋力を持ちながら奨励会に入る気もプロになる気もない人間がアマ枠で棋戦を勝ち進み続けるようなことがあれば、似たような規約ができるかもしれない。} >1.棋戦において対局者のどちらか、あるいは両方がアマかつ未成年者の場合、21時以降の再対局指し直しは翌日9時以降に開始とする。 苺対鬼の&bold(){二度の指し直し、午前9時から翌朝の4時10分までの計19時間に及ぶ死闘}を受けて作られた。 件の対局の最中は「未成年者どころか中学生の藍田をそこまで(深夜まで)使っていいのか?労働基準法とかに触れるんじゃ…」といった疑問から、守屋は「藍田はアマチュアだから法的には労働ではない(対局料も出ていない)」「再対局は本人の希望なので拘束には当たらない」という言い訳、&bold(){「(ただ…できれば0時は超えないでくれ)」}という内心の懇願が噴き出す異常事態となった。&s(){結局超えてしまい守屋は頭を抱えた} 鬼戦から海江田との対局までの期間に急遽作られたルールである。 >2.アマチュアが棋戦の挑戦者決定戦に進んだ場合、棋士の資格を得る 苺対伊鶴の前日に通達された規約。 棋戦で指し続ける以上いつまでもアマでいてもらっては困るという事情で作られたが、当の苺が「自分だけ覚悟もなし試験もなしで棋士になるなんて納得できない」と拒否したことで保留となった。 >3.アマチュアで棋戦のタイトルを獲得した者は棋士の資格を得るものとする 苺対斎藤戦直後に通達された規約。 この際は苺も「タイトル取るってことは棋士の人達の憧れでしょ。アマがそこにいるのはアマの私でもなんか嫌だ」と棋士になることを受け入れた。 正式な規約ではあるが、守屋も「この先アマがタイトル戦に出ることはないだろう。今回だけの特例措置みたいなものだ」と付け加えている。 ・AI 「Artificial Intelligence」の略。日本語訳は人工知能。 この技術を応用した将棋ソフトを使えば、コンピューターとの対戦や一手ごとにその手が有効かそうでないかの検討が可能になる。 『龍と苺』の作中ではアマ棋士問わず将棋の研究は将棋ソフトを活用しており、海江田曰く「将棋の前に[[パソコン]]の勉強をしなきゃならんのだからな。恐ろしい時代になったもんだ」。 棋戦では現実同様に解説がAIの評価値の動きも加えて実況しており、盤面の優劣が外野にも読者にもわかりやすく伝わっている。 一方で「AIは今の一手を高く評価したので好手なのは間違いないが、解説の棋力ではなぜなのかわからない」といった場面や「対局している本人や解説者などが明らかに片方が有利な局面だと思うも、 AIの評価値が互いに50%の状態で動かなく、後々にある可能性があったから、AIの評価値が動かなかったことに納得したりする」展開もまま現れる。((当然だが対局している棋士から評価値は見えない)) ・シンギュラリティ 日本語訳は技術的特異点。 人間がAIの進化をし続けるといつかAI自身でAIを進化させ、その繰り返しで爆発的にAIが進化するという説。 2124年に至るまで現れたAIは人間より遥かに優れた能力を持つものの特定の命令に対応するだけの「弱いAI」であり、対して自律的に判断しAI自身で新たなものを作り出せるAIを「強いAI」という。 AIが欲求…"自我"を持った時それは起こると言われるが、仮にAIに自我が生まれたとしてそれを見極める方法がないのも問題の1つ。 20世紀から既に一部で提唱されていた概念だが、2124年においても起こっておらず、今では科学のおとぎ話とされている。 ・AI(未来編) 以降もAI研究は進み、2030年には日本の大手ソフトメーカーが将棋のAI研究に参入。2040年には海外のソフトメーカーも将棋AI市場に参入。 2050年以降はソフトメーカーの独自開発したAIロボによる将棋大会も開かれ、それぞれのメーカーの開発力を競う勝負の場となっている。 同時に将棋連盟のスポンサーにもIT企業が名を連ねるようになり、次第にAIのタイトル戦参加をスポンサー企業が望む声が強くなる。 そして2060年、&bold(){ついにAIによる竜王戦への参加が認められた。} ・竜王戦(未来編) 藍田苺が引退した2061年より竜王戦のルールも大きく変わり、まず竜王戦を制した人間の棋士は&bold(){暫定竜王位}とされ、続く竜王戦本戦という名の&bold(){AIを使った企業同士の性能比較会}にワイルドカード(特別枠)として参加することになる。 本戦のトーナメント表は将棋AIを開発している企業のこの1年のAI性能や評価を元に連盟が振り分ける。 ただしAI対局といってもレギュレーションがあり、参加機体は外部とデータのやり取りができないスタンドアローンタイプでなければならない。 この形になってから&bold(){人間がAIに勝ったことは一度もない。}竜王の本戦参加はあくまでセレモニーのようなものである。 ちなみに評価値の算出は無制限のコンピュータが行っている。 ・&ruby(ペンタゴン){五角形} 2124年における世界最大手AI企業である「N・B」「Heady Red」「Rabi」「The John」「Bird」の総称。 世界の株価時価総額の3割がこの5社で占められており、竜王戦ではここ7年「五角形」は「五角形」以外の企業に負けたことがない。 ・恐るべき子供たち 斎藤高貴な花と同世代で三段リーグに在籍する、近く棋士になるであろう若き天才たち。 一足先にプロ入りした斎藤を除き、既に三段の濱野・姉ヶ崎・川嶋に2124年4月から森田・丹生・山野辺が加わり、中学生棋士の称号を目指している。 追記・修正お願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,17) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - なんだかんだで成長して棋士たち尊敬し始めてる苺ちゃん好き -- 名無しさん (2022-06-08 01:44:27) - 「りゅうおうのおしごと」も藤井棋士が現れるまでは現実味が無いって叩かれていたし、そのうちアマ枠から竜王戦トーナメント無双も出てきそう -- 名無しさん (2022-06-08 03:29:08) - 竜王戦3回戦のA級の鬼には17時間かけてデバフかけまくって辛勝。ここからさらに化け物ぞろいでどう戦ってくのかワクワクする -- 名無しさん (2022-06-08 03:38:11) - ↑あの話が掲載された後、藤井聡太が2回千日手成立の指し直し局で敗れたんだよな。棋聖戦でプロ同士とは言え似たような偶然があるんだなぁとびっくりしたわ -- 名無しさん (2022-06-08 03:46:32) - 51歳にしては海江田、守屋は老けてるし大鷹は逆に若すぎる -- 名無しさん (2022-06-08 12:55:46) - 守屋会長は苺の再々戦が決まって椅子の後ろで頭を抱えている場面が笑えたけれど、詰みがわからないまま指し続ける河村を見てポーカーフェイスが崩れる若き日の姿は泣ける -- 名無しさん (2022-08-17 21:47:45) - 竜王戦なのにタイトルが『竜と苺』じゃなくて『龍と苺』なのは何でだろう? -- 名無しさん (2022-08-25 01:04:23) - 主人公の性格がアレだけど周囲の人間の性格も大概なので結果的にバランスが取れている -- 名無しさん (2022-09-14 08:46:00) - 良い影響もたくさんもらってると思うけどな。自分なりに部の後輩たちを世話する苺とか1話時点じゃ絶対想像できないでしょ -- 名無しさん (2022-09-14 09:25:31) - 今週のあれ見てマジかよってなったが、あんなルールあったんだな。まだ奇策があったのが凄いわ -- 名無しさん (2022-11-09 22:23:59) - あの展開は作者的には温めてあったのを現実に先を越されてしまったのか、それとも面白いから急遽作品に取り入れたのかどっちなんだろうか -- 名無しさん (2022-11-10 21:39:32) - あえて連載依頼をよこさなかったサンデーに売り込むとか作者自身が結構ロックなんやな -- 名無しさん (2023-01-31 04:17:54) - 「ぽっと出で棋歴ないためにデータもない伸び盛りの天才が」「(別のタイトルやら広報仕事やらに一切関わらず)準備期間全部竜王戦対策に使って」「その都度目の前の相手専用のガンメタ用意する」でなんとかA級上位のトップ層から勝ち星もぎ取ってる感じ。単純な棋力もA級相当(鬼・海江田とまともにやり合えるレベル)だとは思うけど -- 名無しさん (2023-02-24 03:48:45) - 最初の頃はプロ棋士に殴り込みするわ飛び降りるわと完全に将棋版響だったけど進むにつれそういう描写ほぼなくなったな -- 名無しさん (2023-03-11 12:14:09) - 今週読んで思ったがやっぱりじいさんがこの漫画のヒロインだな。当の本人からはツッコミ入れられてるが苺の「将棋の強さ」以外の人間的な成長も逐一見守って褒めてくれる -- 名無しさん (2023-06-02 22:28:20) - 最近は苺も問題行動がなくなってきて成長がわかる(かなりの年代の人にタメ口とかはまあフィクションならよくあることだしな) -- 名無しさん (2023-06-19 13:36:20) - やり口は無知な子供から数千万ふんだくる詐欺契約だけど「藤井聡太と3週間1日2回オンライン対局(チャット感想戦つき)」って考えたら1650万円でも破格に安いプランかもしれない -- 名無しさん (2023-07-06 15:14:07) - ここまでは規定路線だけどこの後どうなるか -- 名無しさん (2023-09-19 21:42:33) - サンデーうぇぶりで先週分が有料のみになってるらしい。こんな形でアレを実感するとは -- 名無しさん (2024-02-20 19:34:17) - 181話以降のキャラを追加する時は全部格納して隠そうか -- 名無しさん (2024-03-08 18:19:54) - ここで最終回なら綺麗に終わりそうだったのに何だか斜めの方向にボールが飛んでいったな -- 名無しさん (2024-03-08 20:02:22) - 凛々もそうだけどタッキーも現役中にタイトル取れたんだなって -- 名無しさん (2024-04-17 21:52:00) - 最初の頃は響みたいな傍若無人な主人公に露骨な男尊女卑するモブや棋士達に初登場の頃はめちゃくちゃ感じが悪いタッキー(初対面の苺に帰れブスとか言ったり)と見ててイライラする描写も多かったけどたまに変なキャラは出るとはいえここまで真っ当な将棋漫画になると思わなかったな -- 名無しさん (2024-04-19 18:37:07) - 完結したら買いたい作品の一つ -- 名無しさん (2024-06-29 04:07:11) - 宮村さん知っているかどうかが今の苺の正体のカギになるかと思ったけど、なんか普通に子孫と交流持ってるしますます正体よくわからんな… -- 名無しさん (2024-07-24 17:35:21) - とりあえずあの後先生に -- 名無しさん (2024-07-24 18:40:06) - ↑苺達は会ったんだろうけど果たしてどうなったのか… -- 名無しさん (2024-08-29 20:44:48) - 朗報、心子ちゃん苺に親友と思われていた。しかしどっちと結婚したのか -- 名無しさん (2025-01-08 20:00:51) - ぽぽちゃんの欄に「普通」が強調されていてクッソ笑った -- 名無しさん (2025-01-09 06:11:43) - AI戦始まったがこれまで少なからず勝利に貢献してた盤外戦術が効果ないけどどうするんだろうか苺ちゃん -- 名無しさん (2025-01-15 08:12:38) - ↑なんか盤外戦術が効果あるぞ。どういうことだ -- 名無しさん (2025-02-06 21:23:02) - どこかのSNSで既出だろうけど、当初の男女差のテーマは完全に無くなってるな。100年後の世界にはそれらしい理由を作者が用意してくれると思ってたんだが。(俺が見逃してるだけなら失礼) -- 名無しさん (2025-09-03 12:17:45) - ところでこの漫画、気付いただけでも飛車が香車や桂馬に描き間違えられているの見たことあるぞ。居飛車が香車に、地下鉄飛車が桂馬に。 -- 名無しさん (2025-09-03 12:22:30) - ところでこの漫画ヘンな名前ばっかだけどマリオネットから察するに作者はキラキラネームを馬鹿にしてくれてるって解釈で合ってるかなあ -- 名無しさん (2025-09-03 12:48:18) - >完結したら買いたい作品の一つ ←←←理解る、理解るぞ。何度も嫌な目にあったんだろ… -- 名無しさん (2025-09-03 12:55:53) - ↑4基本的に男性の方が女性より強いが飛び抜けた才能は性別関係なく現れるって話なので…あと苺と凛々が「強い女性棋士」の前例作ったからか100年後には女性棋士も珍しい存在ではなくなった -- 名無しさん (2025-09-03 13:08:23) #comment(striction) #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2022/06/08 Wed 1:05:00 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 11 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){&color(black){&bold(){藍田。何故そこまでなりふり構わず勝ちに来る?}}} #center(){&color(black){&bold(){公式戦でもない、負けても言い訳のきく二面指しの対局で}}} #center(){&color(red){&bold(){&big(){勝負に何故とか言い始めたら、そいつはもう終わってるよ}}}} #center(){&color(red){&bold(){&big(){勝ちたい以外に理由がいる奴は勝負に向いてない。投了したけりゃいつでもどうぞ}}}} #center(){&color(black){&bold(){&big(){ガキが……}}}} ●目次 #contents *&sizex(5){&big(){&big(){■}}&bold(){概要}} 『&ruby(りゅう){龍}と&ruby(いちご){苺}』とは[[週刊少年サンデー]]に連載されている漫画作品。 作者は柳本光晴。2020年25号から連載開始。 棋士の才能を秘めた女子中学生の主人公が女性のプロ棋士が1人もいない将棋界に挑む[[将棋]]漫画。 前作『[[響〜小説家になる方法〜]]』と似通った作風の、つまり&bold(){圧倒的な才能を持つエキセントリック天才少女とそれを取り巻く人々}の話である。 ただし響が1話時点で文芸界最強レベルの文才の持ち主であったことに対し、苺は1話の時点ではプロ棋士に程遠く、あくまで成長し続ける怪物である点で異なる。 それでも[[事実>藤井聡太]]は[[小説>りゅうおうのおしごと!]]より奇なりでお馴染みのインフレが進む昨今の将棋界にあってなお、 &font(#ff0000,b){中二から将棋始めた女の子が1年でA級棋士と互角に戦えるようになる}というファンタジーに現実が追いつくのはまだ先の話になるだろう。たぶん。 苺の活躍の結果、作中でも将棋をあまり知らない記者が取材することもあり、将棋関係者が彼ら(と読者)に将棋についての説明も行ってくれるので初心者にも理解できるよう配慮がされている。 クレジットには載っていないが、ちゃんと専門家に将棋の監修をしてもらっている。 ただ、その監修の方が「名前を載せないでくれ」と言ってきたらしく、ノンクレジットになったと作者のブログに書かれている。 この件について作者は「内容が内容だからかな」と受け止めている。 ちなみに本作がサンデーで連載されることになった理由は、作者が売り込んだから。 響連載後、色んな雑誌からスカウトのお誘いが作者の元にきたのだが、 響の掲載誌であるスペリオールと同じ小学館の週刊誌であるサンデーはまったく見向きもしなかった。 元々週刊少年誌での連載に憧れていた作者は、お誘いがないのに連載用ネームをスペリオール経由でサンデーに送り、連載が決まったのである。 『未だかつて女性棋士(女性のみのプロ枠である女流棋士ではなく、性別不問のプロ棋士四段以上)が誕生した事が無い』という点も本作のテーマに含まれていたが、折しも連載開始後の2022年に福間香奈が棋士編入試験に挑戦し不合格、次いで西山朋佳が2024年に受験資格を獲得し挑戦を表明している。 181話からは100年後の未来世界に舞台を移し、登場人物もほぼ一新している。 *&sizex(5){&big(){&big(){■}}&bold(){あらすじ}} 藍田 苺、14歳。命懸けでやれることが見つからず、満足いかない日々を送る。 スクールカウンセラーの宮村と賭け将棋をすることとなり、苺が懸けたのは&bold(){命}。 勝負に負けた苺は窓から飛び降りるも宮村に止められる。命を「預かった」宮村は、苺の中に秘めたる将棋の才能を見いだし、次々と将棋大会に参加させる。 将棋に勝ちたい。苺はその一心で強い相手との対局を重ねるたび、一手一手、着実に強さを増していく… 将棋界に真正面から挑む14歳の、"闘う" 将棋漫画!! *&sizex(5){&big(){&big(){■}}&bold(){登場人物}} **◆主要人物 -&bold(){&ruby(あいだいちご){[[藍田苺>藍田苺(龍と苺)]]}} 主人公。14歳。藤ヶ崎中学校2年生(本編開始時点)。 普通の日常に鬱屈さを感じ、本気で打ち込める何かを探していた。 宮村に将棋を教えてもらい、市内の大会に出場して以降、のめり込んでいく。 作中最高と言える途轍もなく抜きんでた将棋の才を持つ。 -&ruby(みやむらたつお){&bold(){宮村辰夫}} &s(){メインヒロイン。}76歳。藤ヶ崎中学校の元校長。現在は生徒指導のカウンセラーをしており、苺に将棋を教えた。 本人の棋力は素人以上大会レベル以下だが、主だった定跡を他人に教えられる程度には指せる。 奥さんとは10年前に死別しており子供が2人、孫が3人いる。 苺の才能に惚れ込み、両親に代わって保護者役として交渉やマネジメント、会場までの送迎を請け負っている。 穏やかな性格だが、苺が問題ある行動を行った場合はしっかり反省を促しており、メディアに注目されるようになってからは特に注意を促う等、教育者としての責任を果たしている。 苺からは当初邪険にされていたが、長らく行動を共にしたこともあってか「(古閑が彼女の師匠を買って出た際に)私の師匠はじいさんだから」と言うほど信頼されている。 只、年齢故に健康面での問題も抱え始めており… -&ruby(たきざわ){&bold(){滝沢}}&ruby(けいた){&bold(){圭太}} 15歳。藤ヶ崎中学校の3年生。 中学でただ1人の将棋部員であり、後に苺も入部する。苺からは「タッキー」と呼ばれている。 棋士を目指してはいたが、過去に奨励会の入会試験に落ちている。 当初は宮村から苺との才能の差に折れてしまうことを危惧されていたが、基礎を学び爆発的に成長していく苺を追いかけ自身も実力を高めていく。 再度挑戦した入会試験(1級)に合格して奨励会員となる。 さも将棋が取り柄の根暗デブという風体だが、&bold(){モテる。}何こいつ。 中学卒業後は蒲公英と同じ藤ヶ崎高校に進学し、将棋部に入る。 万全で指せば月子や蒲公英にも勝る実力があるが、(立場的に)格上相手には守勢に回ってしまう悪癖がある。 奨励会では、美少女2人と仲良くやってる姿から男性会員に睨まれているが気づく素振りがない。というか、2人を異性として見てる気配がない。 後にプロ入り。現役中にタイトルを計2期(王座1期、棋王1期)獲得し、将棋連盟の会長に就任した。 **◆奨励会 -&ruby(おおたか){&bold(){大鷹}}&ruby(つきこ){&bold(){月子}} 苺と同い年の14歳。和服が似合いそうなしっとりとした容姿だが、年に似合わぬ&bold(){巨乳}の持ち主。大鷹名人の娘で高い棋力を持つが、父親の反対により奨励会に入れず、アマチュアの大会で好成績を収めプロ棋士編入制度を利用してプロになろうとしていた。 苺が初めて出場した市主催のアマチュア大会の決勝で苺と出会う。序盤は圧倒するものの、乱戦になってから粘る苺との会話の中で、彼女が将棋歴わずか2日ということを知る。後半、持ち前の勝負勘で押し返す苺に対し、先の苺の発言や自身の境遇に対する切迫感から冷静さを失い、そのまま押し切られてしまう。 その後、父からベスト4に入って本戦に出場できれば奨励会入りを許すという約束を取り付け、東京代表としてアマチュア竜王戦に出場するも、1回戦で凛々に敗れ本戦には出場できなかった。 苺や凛々という自分よりもはるかに傑出した才能を持つ同性の存在を前に将棋の道を諦めようとするが、宮村や苺の言葉で自分がやりたいと思うことやろうと決意。半ば父を脅す形で入会試験(1級)を受け、合格し奨励会員となる。 -&ruby(かもじま){&bold(){鴨嶋}}&ruby(りり){&bold(){凛々}} 16歳。徳島代表としてアマチュア竜王戦の全国大会に出場した女性選手。&bold(){月子を超える巨乳。} 子供の頃から将棋にのめり込むも、周りには親友のすず以外で将棋を指す人が誰もおらず、彼女以外とはインターネット将棋のみで対局を続けていた。 何かにつけすずに頼りっきりの気弱な性格であり、動揺させられるようなことがあると目に見えて棋力が落ちてしまう。 自分の実力を測るためにアマチュア竜王戦に出場し、苺には敗れたもののベスト4に入り本戦への出場資格を得る。本戦の6組ランキング戦では3回戦で神崎に破れた後、奨励会の入会試験(1級)に合格して奨励会員となった。関西本部所属。 滝沢たちとは同期になるが、&bold(){入会から半年という奨励会最短ペースで三段リーグに昇格した。} 不安定なメンタルと、苺が突出しすぎているため過小評価されがちだが、全国大会では大鷹名人から「いつかプロになってもおかしくない」と評され、三段リーグ入り決定時点で苺から「りりは弱い棋士より強い」と言われる程の紛れもない大天才である。 後にプロ入り。&bold(){藍田苺に続く女性棋士第2号にして、奨励会から棋士になった初の女性となる。} 現役中にタイトルを計3期(叡王1期、王座2期)獲得する。 -&ruby(みずさわ){&bold(){水沢}}&ruby(たんぽぽ){&bold(){蒲公英}} 17歳。藤ヶ崎高校の2年生。中3で女流棋士となり、2年で女王((マイナビ女子オープンタイトルホルダーの通称))のタイトルを取った若手のホープ。&bold(){普通。} 苺には&bold(){ぽぽちゃん}と呼ばれるが、年下にそんな呼ばれ方をするのは嫌だと固辞する。もちろんその訴えは無視されている。 小さい頃から将棋道場に通っており、そこで滝沢と共に古閑に師事する。 女王のタイトルを返上し、奨励会の入会試験(1級)に合格して奨励会員となる。 -&ruby(つじい){&bold(){辻井}}&ruby(しゅうや){&bold(){修哉}} 21歳。奨励会員。三段。関西本部所属。 ベタな関西の兄ちゃんで、常に強い語気で機嫌が悪いように見えるがこれが彼のニュートラルである。 三段の中で最もプロに近い人間の1人とされ、凛々とは彼女が三段リーグ入りを決定した時期に一度フリーで対局し勝利している。 今年の竜王戦挑戦者決定戦と同時期に12勝4敗の単独2位(前期5位)で三段リーグの最終日を迎えるが、昇段は叶わず三段に残留した。 -&ruby(たかの){&bold(){高野}}&ruby(かほ){&bold(){香穂}} 25歳。奨励会員。三段。 周囲からはクールな美人と噂され滝沢達にも落ち着いた物腰で接しているが、頭の中では益体のないことをグルグル考えこんでしまうタイプ。 女性初の棋士に最も近い位置にいるのだが殻を破れておらず、三段リーグには3年通っている。そして足踏みをしている間に月子・蒲公英・凛々といった若く強い女性会員や、あらゆる意味で規格外の苺が現れ[[世代交代]]の波に飲まれかけている。 実は第1話の冒頭カラーページに登場しており、棋士への昇段が叶わず涙を流す場面が描かれている。その際遠巻きに取材していた記者達から酷く貶されていた(穏当な表現)。 今年の竜王戦挑戦者決定戦と同時期に11勝5敗の3位(前期17位)で三段リーグの最終日を迎えるが、昇段は叶わず三段に残留した。 **◆アマチュア -&ruby(すどう){&bold(){須藤}}&ruby(まさふみ){&bold(){正史}} 元奨励会員。最高段位は二段。プロ棋士の伊鶴航大とは同期。 伊鶴曰く昔から将棋が下手な分幹事役が得意だったそうで、退会後は大会運営の方面で力を発揮している。 自身も参加しているが、真剣勝負からは遠ざかっており、格下相手には指導対局じみた真似まで行っている。 「私は8歳から将棋を指してもう30年以上になる」という台詞から年齢は40歳前後と思われる。 -&ruby(あさい){&bold(){浅井}}&ruby(りく){&bold(){理久}} 35歳。元奨励会員。最高段位は三段。 口が悪く他人を貶す物言いが特徴。「将棋は性格が悪い奴が強い」が持論。 徹底して勝ちだけを追求した将棋を是とするが、反面慎重になりすぎる癖があり、苺は&bold(){「身を切る度胸のない人間が真剣勝負の場で勝てるはずがない」}と浅井の弱気を看破している。 アマでの活躍を重ねて棋士編入制度を使い、棋士になることを目指している。 アマチュア竜王戦[[神奈川県]]予選大会の準決勝で苺に破れ、将棋の道から足を洗うことを決意。会場を後にした。 -&ruby(つかはら){&bold(){塚原}}&ruby(だいき){&bold(){大樹}} 35歳。現アマチュア王将位。 将棋を始めたのは18歳からで、職場の先輩から教えられた。 それから将棋にのめり込み、経験を積んで地元では負け知らずとなったが、その頃には奨励会に入れない年齢となっていた。プロに最も近いアマの1人。 アマでの活躍を重ねて棋士編入制度を使い、棋士になることを目指している。 アマチュア竜王戦[[神奈川県]]予選大会の決勝戦で苺に破れるも、全国大会の出場権を得る。その後、苺と共に[[神奈川県]]代表として出場するが、ここでも決勝戦で苺に破れ準優勝。アマチュア枠として本戦の6組ランキング戦に駒を進める。 本戦では3回戦で高地に破れるも、その時点で対棋士戦績10勝以上かつ勝率6割5分を超えていたため、ついに棋士編入試験の受験資格を獲得。 苺の死闘と並行して動向が紹介されていたが、試験にも無事合格し念願のプロデビューを果たす。 その後は苺と戦ったことが縁となり、スーツ姿で苺の対局の現地中継を担当した。 自分の将棋人生を彩ってくれた苺には感謝している模様。 -&ruby(にぶ){&bold(){丹生}}&ruby(こっこ){&bold(){心子}} 藤ヶ崎中学校1年生。将棋部部員。 滝沢の卒業後に藤ヶ崎中学に入学した。 将棋は素人だが苺にカッコよさを覚え将棋部に入部した。 アホの子な面があり苺がどれほど偉業を成し遂げようが全く萎縮せず能天気に苺と接してくる。 参加した大会ではいずれも全敗で、特に2度目の団体戦の際は人生イチだという努力の結果を出せなかったことに悔しさを爆発させてしまう。 しかしその日の夜にたまたま祖父と将棋を指したところ圧勝し、自分が確かに強くなってる事を実感できた。 棋士を目指すも夢を叶わなかったが、子供か孫がいつか棋士になるよう&bold(){「丹生家の子は10歳までは毎日将棋を指すべし」}という家訓を作り、7人の子供全員に守らせた。((家訓は100年先まで残っている)) 子孫には「中学時代藍田苺の後輩で親友だった」「私が藍田苺を育てた」など事実と盛った逸話を混ぜて伝えている。 -&ruby(こばやし){&bold(){小林}}&ruby(けんご){&bold(){研吾}} 藤ヶ崎中学校1年生。将棋部部員。心子の同級生。 小5から[[小学校]]の将棋部に所属しており、中学でも将棋部に入部した。 -&ruby(ささき){&bold(){佐々木}}&ruby(しょう){&bold(){翔}} 藤ヶ崎中学校1年生。将棋部部員。心子の同級生。 小林とは同じ[[小学校]]の将棋部出身で、中学でも将棋部に入部した。 一応新入生3人組の中では一番勝率が高い。 彼か小林のどちらかが心子と結婚したことがわかっている。 **◆プロ棋士 -&ruby(こが){&bold(){古閑}}&ruby(たけと){&bold(){武人}} 棋士。七段。順位戦B級1組・竜王戦2組在籍。 将棋道場で滝沢と蒲公英を指導している。 苺の品行に問題を感じながらもこの子がどこまで行けるのか知りたいという思惑で師匠になることを買って出るが断られる。 その後は、棋士としての正規の料金(10万円)で苺からの挑戦を受けている。 「[[順位戦>名人/順位戦(将棋)]]」において、彼は名人1人・A級棋士10人の下のB級1組で去年5位であるため、本人の言を借りれば「世界で16番目に将棋が強い男」。 本人も最近まで知らなかったが、B1に10年残留するもA級昇格・タイトル獲得は叶っていないことから、若い棋士の間では密かに「&ruby(ボーダー){&bold(){境界線}}」と呼ばれている。 竜王戦2組ランキング戦に準優勝し決勝トーナメントに進む。 初戦で兵藤(3組優勝)に勝利するが、大鷹(1組2位)に敗れる。 後にA級・1組昇級を果たし多くの弟子を持った。後世では苺のアマ時代の師匠と見做されているが本人は当然否定している。 -&ruby(いづる){&bold(){伊鶴}}&ruby(こうだい){&bold(){航大}} 29歳。棋士。八段。順位戦A級・竜王戦1組在籍。大鷹門下。 苺に格の違いを見せつけた最初の男。苺と互いの財布を賭けて勝負を行うが、&bold(){市大会の決勝戦で月子が投了した盤面から指し次ぎ}、苺に逆転勝利を収める(一応は大会優勝者への指導対局という形になった)。 伊鶴に勝って財布を取り戻すことが苺の当面の目的となった。 現在は無冠だが、過去に棋聖と王座のタイトルを獲っている(計2期)。 苺の非常識さにツッコミを入れる側の1人ではあるが、 当の伊鶴も、中学で部活入部必須だったせいで適当に将棋部を選んだことで将棋に出会い、部員に「すごい才能だけど中1からではプロになるには遅すぎる」と言われたことで逆にやる気になり、まず&bold(){当時の最強棋士=大鷹を探して勝負を挑んだ}という、苺のことを言えたものではない波乱の将棋人生を送っている。 大鷹にボコボコにされた後彼の弟子になったようで、そこから2年後の15歳で大鷹の勧めもあって、高校生で奨励会に入った。 道玄坂によると、普通なら棋士は25〜26歳がピークでそこからどうやってピークを維持していくかとなるが、伊鶴は将棋を覚えたのが中学1年と遅かったことから、とんでもない速さで強くなり続けて未だにまだ強くなっており、全盛期に達していないとのこと。 竜王戦1組ランキング戦に優勝し決勝トーナメントに進む。 現役中の獲得タイトル数は計4期。 -&ruby(やまのべ){&bold(){山野辺}}&ruby(あきと){&bold(){彰人}} 25歳。棋士。現[[竜王>竜王(将棋)]]・棋王。6期続けて竜王位防衛中。 中学生(15歳)で棋士になり20歳で竜王のタイトルを獲った&bold(){現役最強の棋士。} 巨躯に強面、威圧するような物言いとヤクザのような男だが、将棋への自信とプライドは本物で普通のアマチュア・ファンや子供には大人らしく接している。 素の棋力は当然トップクラスだがそれ以上に研究家として知られており、最善の一手の追求よりもまず勝つことを是とする勝負師。 アマチュア竜王戦の全国大会の開会式であいさつした際、無礼な物言いで突っかかった苺に半ばキレて胸ぐらを掴み持ち上げた。 その後ケンカの続きをしに控室まで来た苺に応戦し、守屋会長と口論しながら片手間で圧倒。山野辺に勝つことは苺の目的の一つになった。 道玄坂や伊鶴とは奨励会の同期で道玄坂からは「ヤンマー」と呼ばれている。 プライベートでは体力作りのためにジム、免状を書くために書道教室に通っている。ちなみにジムでは「ドラキン((Dragon King(竜王)の略))」という異名で呼ばれている。 現役中の獲得タイトル数は計16期。本人は100年名前が残る棋士になることを目標としていたが、2124年時点では奨励会員も知らない無名の棋士となっている。 ただし、藍田苺は後に&bold(){「私と斎藤にとって山野辺は死ぬまで目標だった」「私の一番のライバルは斎藤じゃなく山野辺」}と語っている。 詳細は不明だが後に結婚したようで、2124年に子孫が登場している。 プロ入り時期・20歳で竜王を獲得し長く防衛した実績や風貌から元ネタは渡辺明だと思われる。 「お父さんすいません、ケチャップください。」 -&ruby(さいとう){&bold(){斎藤}}&ruby(れん){&bold(){蓮}} 18歳。棋士。現王位・叡王。順位戦A級・竜王戦2組在籍。関西本部所属。 将棋界最高の才能と呼ばれる天才棋士。三段リーグを1期で通過し、史上最年少の14歳3ヵ月でプロ入り、最年少でタイトルを獲得、最多連勝記録を更新するなど、近年の将棋界の中心に立つ男。 昨年の竜王戦挑戦者だが、山野辺竜王を3-0と追い詰めるもそこから巻き返され挑戦を退けられている。 また竜王戦直前に偶然山野辺と鉢合わせた際にいきなり彼に殴りかかり「ここで倒せばと思うとつい…」と発言するイカれた奴でもある(拳は掌で受け止められた)。 だが山野辺は山野辺で対局が始まり注目が集まっている中で、さっきのお返しとばかりに斎藤に殴りかかっている(こちらも拳は掌で受け止められた)。 苺とは関西の将棋会館でたまたま遭遇した際に勝負を挑まれる。この時斎藤は別の対局の持ち時間中であったが「20分だけ」と前置きし承諾。急戦で早く終わらせようとする斎藤に対し苺は持久戦でミスを誘う容赦ない打ち方をするが、そんなことを意にも介さずわずか60手足らずで勝利した。 竜王戦2組ランキング戦に優勝し決勝トーナメントに進む。(実際の竜王戦では挑戦者となりタイトルを獲得出来なかった場合、挑戦期の組数は関係なく翌期は1組に在籍する) 初戦の清水(1組3位)との対局の持ち時間にも&bold(){また}苺に勝負を挑まれ、今度はやや本腰を入れて返り討ちにする。結局1時間以上を費やしたが清水との対局にも勝利する。 次戦で大鷹(1組2位)に勝利し、挑戦者決定戦に臨む。 後の時代では&bold(){藍田苺と唯一対等に戦った伝説の棋士、終生のライバル}と評されている。 獲得タイトル数は通算63期で1500勝を記録。 詳細は不明だが後に結婚したようで、2124年に子孫が登場している。 斎藤と苺は2061年の苺の引退以降二度と顔を合わせなかったが、晩年の口癖は&bold(){「藍田はまだか」}だったそうだ。 モデルは関西所属の大型新人の下りから[[藤井聡太]]だと思われる。 「俺にとっての将棋ってのは勝ち負けより何より、面白い将棋を指したい。将棋は面白いからな。」 -&ruby(おおたか){&bold(){大鷹}}&ruby(ふうが){&bold(){風雅}} 51歳。棋士。現名人。竜王戦1組在籍。月子の父。大鷹世代筆頭。最新時点で12期連続名人位防衛中。 同年代の守屋や海江田と比べて若い容姿をしている。 14歳でプロ棋士になり、18歳で当時五冠の川谷名人から竜王位を奪取。25歳で名人以外の六冠を手にするが、その年の名人戦で川谷名人に破れ、七冠制覇は惜しくも夢と消えた&bold(){…と思われた。} &bold(){だが大鷹はその後1年間、所持している全てのタイトルを防衛し、A級順位戦を勝ち上がって名人戦の挑戦権を再度獲得。4勝0敗で名人位を奪い、ここに七冠独占という新たな伝説が生まれた。} それからも大鷹は棋界を牽引し、獲得タイトル数は&bold(){通算100期に達する}次元違いの怪物。 加瀬曰く「世間では大鷹世代と呼ばれているが、彼を僕らとは並べられない」。 ピークの時は対面して先後が決まったら終局図が見えたらしい。 さすがに現在は盛りを過ぎているが、名人戦に限っては未だに隙のない強さを見せる。 アマチュア竜王戦の全国大会の休憩時間に、正体を隠したまま苺と飛車角香車の4枚落ちで勝負に応じ接戦の末敗れる。 苺とはアマチュア竜王戦優勝直後にもハンデ無しの再戦を挑まれたが、その際はわずか42手で投了させている。 竜王戦1組ランキング戦に準優勝し決勝トーナメントに進む。初戦で古閑(2組2位)に勝利するが、次戦で斎藤(2組1位)に敗北。 この時点で&bold(){「僕も名人でいられるのはあと5年てトコだろうな…」}と呟いて加瀬にドン引きされているが、&bold(){本当に5年堅守した。} モデルは七冠制覇までの過程から[[羽生善治]]であると思われる。 -&ruby(もりや){&bold(){守屋}}&ruby(くらいち){&bold(){倉市}} 51歳。棋士。九段。現棋聖。順位戦A級在籍。将棋連盟会長。大鷹世代。 大鷹や海江田とは幼馴染で奨励会の同期。ちなみに祖父は総理大臣だったらしい。 高位の棋士の中では珍しく常識人で山野辺や苺の常識外れな行動に頭を抱えている。 将棋連盟会長の激務をこなしながら、衰えが出る50歳を超えてなお順位戦A級在籍かつ棋聖のタイトルホルダーを務めるなど彼もまた間違いなく怪物の一人。 モデルは羽生とタイトル戦で争い、永世棋聖を獲得、日本将棋連盟会長にも就任した佐藤康光だと思われる。 -&ruby(かいえだ){&bold(){海江田}}&ruby(たいが){&bold(){大河}} 51歳。棋士。九段。現王座。順位戦A級・竜王戦1組在籍。大鷹世代。 将棋界でも有数の研究家で、同世代では最も早く[[パソコン]](AI)を使い始め、流行の戦法を積極的に取り入れている。大鷹曰く棋戦ならナメクジ相手でも事前に研究するとのこと。 古賀によると「研究が生きた場面での海江田にはトップ棋士でも勝つのは難しい」と言われてる。 海江田と同じ大鷹世代の1人でもある加瀬からは、歳を取って体力の衰えなどがある今でも、並の若手棋士よりも研究にかけている時間は多く、更に若手の時はその倍の時間を研究にかけていた。 本人も年齢的にそろそろ第一線には留まれないことは自覚しており、少しでも抗うために努力しているとのこと。 大鷹、守屋とは11歳の時に将棋大会で出会ってからの幼馴染であり、奨励会も同期で入会している。 だが、すぐに頭角を現し段位を駆け上がっていった2人に対し海江田は伸び悩み、&bold(){20歳で初段、25歳でプロ入りと昇段は極めて遅かった。} 現在の風体は殆どヤクザの親分だが、&bold(){信じがたいことに若い頃は可愛らしい風貌の少年だった。} 奨励会員と研究会をしたり、学生向けのアマチュア大会に顔を出すなど、普及活動や後進育成にも積極的なお方である。 大鷹世代と呼ばれるのを嫌っている理由は、まだ奨励会に入っている自分とは違って、同世代が既にタイトル戦やA級と華々しく活躍する中、その牛歩の歩みは&bold(){「僕は大鷹世代に入れなかった」}と卑下しても仕方ないものであったが、30歳で悲願の初タイトルを獲得し、衰えが出ている50歳を超えた今もタイトルホルダーでありA級に在籍して、将棋界の最前線で戦う海江田は外から見れば歴とした大鷹世代の一員に他ならない。加瀬は海江田のことを「対局の後流行りの戦法や相手のことを研究し、50歳を超えた今でも昔と変わらない情熱を持っていて、僕もああ言う棋士になりたかった」と言っている。30歳で初めてのタイトルを獲得して、50歳を超えた今でもタイトルホルダーであり現役のA級棋士でもある、その棋士としての生き方には斎藤からも「尊敬します」と言われている。 また奨励会時代から棋士になって数年の海江田には&bold(){他人を想うあまり勝負に徹しきれない}という致命的な弱さがあり、大鷹世代と比較しても見劣りしない棋力を持ちながら昇段が遅れたのもそれが要因だった。 所謂&bold(){将棋は強くても勝負に向いていない人間}であり、海江田がそれを本当に克服できたのは大鷹らと出会ってから20年、初のタイトル挑戦者決定戦で1人の戦友に引導を渡したその時になる。 苺が市大会を終えた時期に棋王戦本戦で伊鶴に敗れており、その際、伊鶴と戦うために特別対局室に乱入してきた苺を怒号と共に殴り飛ばしている。 その後棋王のタイトルを獲得するが山野辺に奪われ、伊鶴から王座を奪っている。名人戦挑戦者にもなっているが1勝4敗で退けられている(大鷹の名人位12期連続防衛時)。 竜王戦1組ランキング戦に4位通過し決勝トーナメントに進む。 大鷹、守屋との幼少期のエピソードの下りは、羽生と幼少期から対局し奨励会入会も同期だった森内俊之の物が元ネタと思われる。 -&ruby(かわむら){&bold(){河村}}&ruby(たかし){&bold(){隆}} 棋士。大鷹世代。最終段位八段。&s(){[[寿司屋>河村隆(テニスの王子様)]]は継がない} 現在の将棋界に籍を置いていない。現役期間は同世代で最も短く、かつ世代で唯一のタイトル未経験にもかかわらず大鷹世代の1人に数えられる天才棋士。 加瀬は&bold(){「大鷹以外じゃ世代の中だと今もA級の海江田、守屋…それと河村君かな。彼らは別格です」}とまで称賛している。 奨励会では入会が遅かったものの実力は当時から認められていたが、生まれつき体が悪く万全の体調で対局できない日も少なくなかった。しかし「名人」への執着は人一倍強く、彼の&bold(){将棋に命をかける覚悟}は奨励会に入ってなおアマチュアの感覚で指していた海江田の意識を改めさせている。とはいえ悪癖は払拭しきれておらず、互いが棋士になってから初めての対局では自身の体調を慮り決着を急ごうとした彼の隙を突き一蹴した。 河村は棋士として優秀な成績を残す一方で病気の進行もあってタイトル獲得は叶っておらず、30歳を迎え「王位」挑戦者決定戦を翌日に控えた時期には見る影もなく瘦せ細った姿となっていた。 医者からは棋士としての活動を休止した上で療養を進められるも&bold(){「遅かれ早かれそろそろ死ぬでしょう。だったら、タイトルを獲って死ぬ」}と拒否。 対局相手は海江田大河六段。大鷹世代と呼ばれながらあと一歩で殻を破れずにいる無冠の2人。 外野は最後のタイトル挑戦と目される河村を応援し、河村本人も「俺には今しかない」と強い気持ちで指し続ける。だが病は無情にも彼を蝕み続け、盤面の読みに影響する程にまで蝕まれており、自身が既に詰んでいることにも気付かない程悪く、対局に勝利し挑戦者となったのは海江田だった。 それからすぐ病院に運ばれたが、既に限界を超えていた河村はそのまま事切れる。享年30歳。 モデルは羽生・佐藤の同世代の好敵手だったが早世した村山聖と思われる。 -&ruby(かせ){&bold(){加瀬}}&ruby(こういち){&bold(){紘一}} 棋士。九段。大鷹世代。 B級ながら現役の棋士であることがわかっている。落ち着いて洒落っ気のあるおじさんと言った風体だが、若い頃は相当の暴れ者だったらしい。50を超えた今では本人はその頃のことを「若気のいたり」と語っている。 実力の維持という意味では「三帝」の大鷹・守屋・海江田に劣るが、タイトル獲得回数は13回と大鷹に次いで多い。 15歳(二段)の頃、迷子の老婆を家まで送ったことで時間が無くなってしまい、対局時間に間に合うために&bold(){ノーヘルでバイクを飛ばしてそのまま将棋会館に突っ込んで扉とロビーを破壊し、頭から血を流しながら入室して平然と対局を始めた。} その後、加瀬の行動に文句を言いに駆け付けた職員に対し「対局中に関係ない人間は入ってくるな!」と一喝している。 -&ruby(おざき){&bold(){尾崎}}&ruby(じょういちろう){&bold(){丈一郎}} 棋士。大鷹世代。 現在の動向は不明。 奨励会時代は「丈一郎ではなく、蝶のように舞い、蜂のように指す…&bold(){バタフライ・ジョー}と呼んでください」と言っていた変人。 美しくいたいからとの理由で髪を伸ばして蝶の髪飾りをつけており、その長髪と髪飾りのせいで集中できなかったと文句を言った対局相手が、対局室では無くて別の場所で喧嘩をするために移動しようとしていたため&bold(){その背中に踵落としを決めて沈めている。} その際に吐いた台詞が&bold(){「正気ですか?これからケンカをしようって相手に背を向けるなんて」}。騒ぎを聞きつけて現れた職員にも、「そう!言ってやってください!この人ケンカの相手に背を向けたんですよ」と悪びれなく言っている。 ちなみにこの一件は加瀬[[バイク]]事件と同日同時刻に起こった。 -&ruby(たかまがはら){&bold(){高天原}}&ruby(たける){&bold(){尊}} 棋士。大鷹世代。 加瀬と同じくB級ながら現役の棋士であることがわかっており、宮下裂鬼の師となっている。 過去の加瀬バイク事件の際は加瀬のことをいつもながら騒がしい、どっちが非常識やらと言いつつも、&bold(){彼は彼でさも当たり前のように狐のお面をつけて対局する変人。} その奇行を目にして「お前らは将棋に対しての敬意が無いのか」と聞いてきた対局相手に対して、自分は将棋に敬意を持っているからこそ、自分の世界に集中するための面であると答えている。 本人曰く「自身らにとって大きな壁でもある、大鷹に追いつき追い抜くためには、イカれてないと」ということらしい。 ちなみに宮下が鬼の面を被るのはTV中継が入る対局やタイトル戦など注目度の高い対局だけなので、&bold(){イカれ具合なら師匠の方が数段上である。} -&ruby(とうじょう){&bold(){東条}}&ruby(だいすけ){&bold(){大輔}} 棋士。大鷹世代。 -&ruby(かわたに){&bold(){川谷}}&ruby(こうた){&bold(){康太}} 棋士。元名人。 大鷹世代より一つ上の世代の棋士で、18歳という当時の史上最年少でA級棋士入りした若手トッププロ。 大鷹は「当時の将棋を指す子供はみんな川谷先生に憧れていた」と語るが、普段は取り繕っているものの本人の性格はやや傲慢かつ陰険。だが人間性は悪い訳では無く、海江田と河村の対局の時には、河村の身体の限界を真っ先に察知して、誰よりも早く119番通報しており、救急車を対局に影響させないように、音を鳴らさないで来てくれと頼んでいた。 当時7つあったタイトルの内、最高位の「名人」を含む五冠を制し、全冠制覇目前まで迫るも、大鷹世代の台頭により「名人」を除く四冠を失う。 大鷹が六冠を制し全冠制覇に王手を掛けた際は、名人戦最終局で大鷹を破り名人の意地を見せた。 しかし、翌年の名人戦では再度挑戦者として現れた大鷹に0勝4敗のストレート負けを喫し、彼の全冠制覇を目の前で見せつけられる羽目になった。 モデルは名前や七冠独占を一度阻止した内容から[[谷川浩司]]と思われる((なお谷川が羽生から阻止したのは名人ではなく王将))。 -&bold(){マリオネット} 棋士。五段。竜王戦5組在籍。守屋門下。 苺はマリオネットという名前から外国人だと思っていたが、普通に日本人。 奨励会では一度も降級することなく三段になり、三段リーグを1期で通過。デビューから3年で五段になった若手有望棋士。 そんな自他共に認める立派な成績はまだ若かった彼を変な方向に暴走させるには充分だった。 &bold(){自分は神に選ばれた人間であるとして登録名を「&ruby(マリオネット){&bold(){神の操り人形}}」にしろと師匠の守屋に直談判してしまったのである。} 一応守屋は止めたものの&bold(){「認めてくれないなら人権侵害として裁判を起こす」}とまで言うマリオネットに根負けし&bold(){「わかったわかった。認めるよもー。言っとくが絶対に後悔するぞ」}と渋々承認。 守屋の忠告通り今はそれを後悔しており、なぜあの時止めてくれなかったと守屋を恨んでいるのだが、 自分から無理を通した以上今さら本名に変える真似もできないため、マリオネットを名乗っても笑われない最強の棋士になることを強いモチベーションとしている。ちなみに本名は誠。 竜王戦5組ランキング戦に優勝し決勝トーナメントに進む。1回戦で苺とぶつかる。 -&ruby(どうげんざか){&bold(){道玄坂}}&ruby(たつや){&bold(){達哉}} 29歳。棋士。六段。順位戦B級2組・竜王戦4組在籍。 山野辺とは奨励会の同期であり、&bold(){「僕の足元に及ぶ程度には強い」}と高く評価されている。ちなみに山野辺からは「たっつん」と呼ばれている。 あくまで若手の有望株だったマリオネットと異なり、道玄坂は棋士としてピークを迎えたタイトル挑戦の有力候補である。 また最近はバッティングセンター通いが趣味だが、&bold(){1ヵ月通って1球も当たらないくらい下手。}しかし本人は&bold(){「下から這い上がるからやりがいがある。勝って当然の勝負なんか意味がない。ケンカするなら自分より強い相手とだ」}とかなり前向き。 性格はお人よしの兄ちゃん、もしくは&bold(){アホ。} どのくらいアホかと言うと&bold(){棋戦数日前に自分が次に当たる相手に}対局を求められ、一度は断るもバッティング勝負で自分が勝ったら対局しろという誘いに乗るくらいアホ。 そしてバントも使うと言う尋常じゃなくレベルが低い勝負の末、結局&bold(){本番前に計5回、本気の指導対局をただでしてくれる超絶アホ。}((古閑からも「普通の棋士はそんなアホな勝負受けないぞ。アレは道玄坂がアホなだけだ」とばっさり言われている。)) 竜王戦4組ランキング戦に優勝し決勝トーナメントに進む。 山野辺からは「戦う時代が悪かった」と言われるが、現役中に王座のタイトルを1期獲得している。が、翌年苺に奪取された。 苺とは晩年もボーリング勝負をするなど交流を維持していた。 なんと&bold(){後に将棋連盟の会長に就任している。}享年85歳。 -&ruby(みやした){&bold(){宮下}}&ruby(ざき){&bold(){裂鬼}} 32歳。棋士。九段。順位戦A級・竜王戦1組在籍。高天原門下。関西本部所属。 元「王位」のタイトルホルダーであり、&bold(){鬼}の異名で知られている。 居飛車党で先手なら相掛かりが基本戦術。攻め将棋の権化と呼ばれ、道玄坂曰く「攻め合いで宮下九段に勝てる人はこの世に片手で数えるほどもいない。受け続けられるほど甘い攻めでもない」。 &bold(){対局の際は鬼の面を被って現れ、対局中も外すことは無いからその素顔は誰も知らない。} …というのはただの噂話。解説の女流棋士がそう言った時には、同じく解説者だった道玄坂は宮下の素顔を知っているとツッコミを入れており、道玄坂によると普段は素顔で指していて、鬼の面を被るのはTV中継が入る対局やタイトル戦など注目度の高い対局だけである。 だが棋士名鑑でも鬼の面をつけた姿で掲載されている事から、素顔を知ってる人は少なく、道玄坂も素顔を知ってる人は多くないかもしれないと言っており、棋士や将棋会館などで働いている人間以外だとベテランの記者ぐらいであり、宮下と会う機会の無い女流棋士や若手の棋士の中には素顔を知らない人間も多い。また親しい人からは名前から「ザキさん」と呼ばれていることで、彼の素顔を知らない人からすれば「宮崎?」「岡崎?」と勘違いされる事も。 決勝トーナメントで宮下との対局になった時に対局室で苺は、宮下について周りの人物たちに聞いた際に皆が揃いも揃って「鬼」と言っていたことについて疑問を持っていたが、対局室に宮下が鬼の面をつけて来て部屋に入って来たの見て、鬼の異名に納得していたが、本人曰く鬼の面をつけている理由は、&bold(){本気のA級はバケモノを超えており、気の弱い自分では鬼の面でもつけなければ相対せない。}からとのこと。 竜王戦1組ランキング戦に5位通過し決勝トーナメントに進む。 竜王戦敗退後、伊鶴と苺の対局日には将棋会館で別の対局をしており、対局を終えた後に道玄坂やマスコミらがいる部屋で伊鶴と苺の対局を見ていた。部屋に入った時には、道玄坂とベテランの記者以外はその人物が宮下だとは気がつかなく、謎の人とされていた。 苺が「入玉宣言法」での勝利狙いだと分かった時には、別の部屋で対局を見ていた守屋や大鷹が、「入玉宣言法」のルールの複雑さと判断の難しさから、記録係で奨励会員の月子だけだと手に余ると判断したことで、職員が道玄坂を呼びにいった際に、同じ部屋に宮下がいたことから、職員が宮下に立会人を頼み、鬼の面をつけて対局室に行き立会人を務めた。 後に斎藤から1度だけ王位のタイトルを奪い返している。 *&sizex(5){&big(){&big(){■}}&bold(){登場人物(未来編)}} **◆奨励会 -&ruby(やまのべ){&bold(){山野辺}}&bold(){ミク} 中学3年生。恐るべき子供たち。 2124年4月から三段リーグに上がった奨励会員。 山野辺彰人の曾孫にあたる。 -&ruby(にぶ){&bold(){丹生}}&bold(){アッコ} 同上。 丹生心子の曾孫にあたる。家訓によって丹生家の子供は代々将棋を指していたが、はじめてプロを目指せる才能を持って生まれたのがアッコである。 -&ruby(もりた){&bold(){森田}}&ruby(しおん){&bold(){汐恩}} 同上。 2030年代、40年代の藍田・斎藤時代において、唯一2人に対抗していたことで知られる&ruby(もりた){森田}&ruby(ガイア){大地}の曾孫にあたる。 **◆プロ棋士 -&ruby(くろだ){&bold(){黒田}}&ruby(ジョーカー){&bold(){道化師}} 棋士。20歳。現竜王・王将・棋王・王座・叡王。 竜王以下5つのタイトルを保持する&bold(){現役最強の棋士。} 寒河江以来の中学生棋士であり、近く全タイトルを獲ると目されている。 -&ruby(さがえ){&bold(){寒河江}}&ruby(ライラ){&bold(){雷々}} 棋士。現名人・棋聖・王位。 中学生で棋士になり、15年前には史上4人目となる八冠制覇も成したベテラン。ジョーカーの台頭までは長く一強時代を築いた。 -&ruby(さいとう){&bold(){斎藤}}&ruby(フルールノーブル){&bold(){高貴な花}} 棋士。14歳。竜王戦6組在籍。恐るべき子供たち。 親しい人間からは「ノブ」「ノブくん」と呼ばれる。 2123年12月にプロデビューして以来連勝を続けている同世代の筆頭。 斎藤蓮の曾孫にあたり、世間一般の常識である藍田苺最強説を否定し、斎藤蓮最強説を支持している。 実力は苺が「私があなたくらいの頃よりも強い」と評するほど。 -&ruby(さく){&bold(){佐久}} 棋士。25歳。四段。竜王戦6組在籍。 奨励会時代から常にホロアバターで対局していて、本人は一度も将棋会館に来たことがない。11歳から寝たきりでもう5年ほど目覚めていない。普段はVR空間で活動している。 筋萎縮性側索硬化症(ALS)という難病を患っているが、連盟の認めた3Dホロソフトを使い、対局中本人の傍に立会人をつけるという条件で棋戦ができている。 本名は&ruby(ちか){千華}。 -&ruby(にしだ){&bold(){西田}}&ruby(すい){&bold(){翠}} 棋士。30歳。四段。竜王戦6組在籍。 奨励会を通らず棋士編入試験で棋士となる。 佐久(千華)とは彼女がまだ起きて外で活動できていた頃からの友人であり、佐久が棋戦を行う際の立ち合い人になるためプロになった男。 竜王戦6組ランキング戦で斎藤を破り彼の連勝記録を止め、決勝戦で苺と対局する。 **◆将棋連盟 -&ruby(しみず){&bold(){清水}}&ruby(たいき){&bold(){大器}} 72歳。将棋連盟現会長。永世八冠。 2124年に現れた苺のことを当初は知らないふりをしていたが、実は協力者の1人。 引退した苺(当時85歳)と会っており、2124年において生身の藍田苺と対局した経験のある唯一の人間。 生前の滝沢連盟会長から「もし藍田がAIに挑戦する時私が生きていなかったら、君が藍田をバックアップしてくれないか」と頼まれていた。 -&ruby(いまい){&bold(){今井}}&ruby(じゅんいち){&bold(){純一}} 藍田苺を秘密裏に支援している謎の男。 苺の対局日に姿を隠すことから将棋ワールドの記者の綾田に疑念を持たれている。 実は「じいさん」こと宮村辰夫の曾々孫であり、詳細不明だが苺の竜王戦挑戦をサポートしている。 苺曰く「人の世話が生きがいで、勝ち負けにも自他の上下にも興味がない人間」「アンタが一番じいさんに似てる」。 **◆AI関連企業 -&bold(){ヨハン・レイ・ハワード} 時価総額世界トップのテクノロジー企業にして、将棋連盟の最大手スポンサー「Bird」のCEO。 停滞した現在の科学に鬱屈を感じ、世界を爆発的に進化させる何かを求める自称革命家。 *&sizex(5){&big(){&big(){■}}&bold(){用語}} 大体は[[将棋]]、[[現実の竜王戦>竜王(将棋)]]と同じなのでそちらも参照。 苺の目的は奨励会に入らず最短で伊鶴八段と戦うことだったので、まずはそのチャートを記す。 なぜ竜王戦なのかと言うと、アマチュア出場枠のあるタイトル戦は竜王戦と棋王戦だけであるため。 ・アマチュア竜王戦県予選 まずここから。[[神奈川県]]予選は優勝者・準優勝者が全国大会に出場できる。 ・アマチュア竜王戦全国大会 参加者は各都道府県代表54名+招待選手2名。 これまで女性の代表はいなかったが、苺が出た大会では苺を含め3名の女性選手が現れた。 ベスト4に残った4名は本戦の6組ランキング戦に出場できる。 これを含むアマチュア全国大会の優勝者は奨励会の三段編入試験の受験資格を得るが、満19歳以上だった場合は適用不可。 ・竜王戦本戦 所謂プロ(四段以上)の大会。強い者から1組から6組に分かれてランキング戦を行い、上位者が決勝トーナメントに進む。 組によって決勝に進める定員が異なり、1組は16人中上位5名が、2組は上位2人名、3・4・5・6組は優勝者だけが進める。 アマチュアは6組に招待選手枠で入る。 なおアマチュアが6組で優勝(または他のアマ参加公式トーナメントも含め勝率6割5分以上)した場合、棋士編入試験の資格を得る。なので&bold(){勝てば理論上奨励会に入らずにプロ棋士になれる道が開けることになる}((「奨励会不参加ながら試験合格でプロ棋士になったアマチュア」自体は2023年小山怜央(アマ戦での好成績から試験に)によって実現したが、女性による試験戦は2022年に里見香奈(元奨励会員)がチャレンジするも失敗に終わっている))。 ・竜王戦決勝トーナメント 本戦で優秀な成績を収めた選手で行われるトーナメント。優勝者は竜王に挑戦できる。 クラスによって決勝までの対局回数が異なり、1組優勝者は2勝、6組優勝者は6勝が必要。 ここで勝ち進むことでようやく伊鶴と戦うことができ、トーナメントに優勝すれば現竜王である山野辺と対局できる。 ・竜の羽織 山野辺が式典やタイトル戦で着用する背中に竜の絵が描かれた羽織。 藍田苺が竜王を獲った際に貰い受け、その後竜王が変わる度に代々受け継がれていく伝統になった。 ・奨励会 プロである将棋棋士の養成機関。 会員数およそ150人。プロ棋士の推薦を得た19歳以下の者が入会試験を受けられる。 6級〜1級から始まり、規定されている成績により昇級・昇段、あるいは降級・降段となり、四段に昇段するとプロ棋士の資格を得られる。 原則として21歳の誕生日までに初段、26歳の誕生日が含まれる期間の三段リーグまでに四段に昇段できないければ強制的に退会となる。 ただし、最後にあたる三段リーグで勝ち越しすれば、次回のリーグに参加することができる。以下、同じ条件で在籍を延長できるが、満29歳のリーグ終了時で退会となる。 ・三段リーグ 三段から四段への昇段は6級〜二段までのそれとはルールが異なる。 三段の会員で半年かけて計18回戦のリーグ戦を行い、全局終了時点の上位2名が昇段しプロ棋士となる。 ちなみに三段リーグ設立以降&bold(){一期で抜けた者はいても全勝した者は今に至るまで誰もいない。}大鷹、山野辺、斎藤といった怪物達もこの期間に黒星をつけられている。((山野辺、斎藤は共に13勝5敗で昇段。斎藤は一期抜けだが山野辺は二期かかった)) これは現実も同様で、プロデビュー後29連勝を達成した[[藤井聡太]]でさえ13勝5敗で昇段している(一期抜け)。 ・大鷹世代 大鷹風雅及び彼と同年代で抜きんでた実力を持っていた棋士たちのこと。 大鷹風雅・海江田大河・守屋倉市・加瀬紘一・&s(){バタフライ・ジョー}尾崎丈一郎・高天原尊・東条大輔・河村隆の8人を指す。 現在より25年前、大鷹(当時26)が7大タイトル((当時。現在のタイトルは8つ))を独占し史上初の1人の棋士による七冠制覇を果たす。 だが翌年に守屋に棋聖を、加瀬に竜王を奪われ、その後2人と同じく同年代の棋士たちが台頭。 &bold(){それまでいたトップ棋士もその後出てきた若手棋士も全て蹴散らし、10年間全てのタイトルを彼ら8人だけで独占した。} また大鷹六冠の年度は棋聖戦(川谷対大鷹)、王将戦(不明)、名人戦(川谷対大鷹)を除く4つのタイトル戦が大鷹世代同士の対局であり、この年のA級順位戦(名人位挑戦者決定戦)の出場者は9人中6人が大鷹世代だった。順位戦の成績は上から大鷹、尾崎、加瀬、河村と続く。 全盛期の大鷹を相手にタイトルを奪い合った猛者の集まりだが、中でも飛び抜けて強かったのはやはり大鷹であり、&bold(){10年の間タイトルの半分以上は彼1人が保持し続けた。} 要は現実の[[羽生世代]]に相当する集団。 ・三帝 大鷹世代の別名。このグループの中で未だ現役のA級棋士のことを指す。 該当者は大鷹、海江田、守屋の3人なので三帝。そのため六龍、五英傑、四皇帝など時代を経るごとに呼び方の頭の数が減っている。 この名前は大鷹世代という呼び名と他の棋士…特に海江田が嫌がっているためつけられたものだが、今一浸透していない。 ・中学生棋士 そのままの意味で、中学校に在学しながら既定の条件を満たし棋士になった者のこと。 その誰もが後に輝かしい戦績を刻み、トップ棋士が約束されたルートである。 明らかになっている該当者は2124年8月27日(第275期三段リーグ上半期最終日)時点で、大鷹風雅・山野辺彰人・斎藤蓮・藍田苺・清水大器・寒河江雷々・黒田道化師・斎藤高貴な花・川嶋蘭々の9名。 現実でも使われている概念であり、加藤一二三・谷川浩司・羽生善治・渡辺明・藤井聡太の5名が該当((全員が九段かつ名人・二冠以上経験者。谷川以降は全員竜王・賞金王経験者で永世称号も持っている。))。 ・オーラ 山野辺曰く「武道家が帯の締め方で強さを測れるように、ある程度以上のレベルの将棋指しは目で見えて相手の強さがわかるようになる」。 強く大きく迸るオーラの持ち主は疑いなく高い棋力を持つ強者だが、あまりにもレベル差が開いていると正確な強さを測ることすらできず、逆にオーラを感じ取ることで気圧され実力を発揮できなくなることもある。 「がっかりさせやがる。力の差に気づかねえほどガキだったか」「私の強さがわかるほどにはなったか?」といったセリフからもそれが察せられる。 ・持将棋 現在行われている対局を「引き分け」とみなして、改めて一から対局をやり直すこと。 より正確に言えば、このままでは勝負がつかないという「状況」になった時再対局となるルール。 「状況」の条件は 1.どちらかの玉が相手の陣地に入玉している 2.互いの駒の飛車と角を5点、玉以外のその他の駒を1点と見なして、両者の点数が24点以上になっている この上で互いが合意することで持将棋が成立し、30分の時間を置いて再対局となる。 再対局の際は持ち時間が少ない方が持ち時間1時間になるよう加算し、同じだけの時間を相手にも与える。また先手番が入れ替わる。 ・入玉宣言法 このルールを使って「宣言」すると&font(#ff0000,b){双方の合意無しにその時点で対局が終了}し、勝敗は点数で決まる。 「宣言」するための条件は 1.敵陣に入った駒が「玉+10枚以上」 2.自玉に王手がかかっていない 上の条件を達成していない、もしくは敵陣に入った駒の点数と持ち駒と合わせて23点以下なら宣言側の負け、24点から30点なら持将棋(再対局)、&bold(){31点以上なら宣言側の勝ちとなる。} 点数計算は持将棋に準ずる。 2013年10月から導入されたルールであり、大勢が決しながら優勢側が詰ませられない場合に、詰み以外の形で対局を終わらせる用途で使われる。 アマの大会では「優劣がはっきりしているのに詰ませられない」といった状況がよくあるが、宣言法を使うことで対局が延々と長引いてしまうのを防ぐことができる。 反面、何十手先の詰みを前提に指すプロの棋士同士であればそういう状況に陥ることはなく、更に&bold(){勝とうが負けようがぐちゃぐちゃになった汚い棋譜が残ってしまう}ため、普通は優劣がはっきりした時点で投了を選ぶ。 現実でも2022年7月のマイナビ女子オープン予選で&bold(){公式戦史上初のルール適用}が起こり、一部で話題となった。((只、棋士(男性)の棋戦では未だに使われていおらず、本作でも男性棋戦では一度も起きていない設定になっている。)) ・藍田ルール 藍田苺が竜王戦を勝ち進んだことで発生した本来なら起こり得ない不都合を解消するために作られた特別規約。現実には存在しないが、&bold(){プロを上回る棋力を持ちながら奨励会に入る気もプロになる気もない人間がアマ枠で棋戦を勝ち進み続けるようなことがあれば、似たような規約ができるかもしれない。} >1.棋戦において対局者のどちらか、あるいは両方がアマかつ未成年者の場合、21時以降の再対局指し直しは翌日9時以降に開始とする。 苺対鬼の&bold(){二度の指し直し、午前9時から翌朝の4時10分までの計19時間に及ぶ死闘}を受けて作られた。 件の対局の最中は「未成年者どころか中学生の藍田をそこまで(深夜まで)使っていいのか?労働基準法とかに触れるんじゃ…」といった疑問から、守屋は「藍田はアマチュアだから法的には労働ではない(対局料も出ていない)」「再対局は本人の希望なので拘束には当たらない」という言い訳、&bold(){「(ただ…できれば0時は超えないでくれ)」}という内心の懇願が噴き出す異常事態となった。&s(){結局超えてしまい守屋は頭を抱えた} 鬼戦から海江田との対局までの期間に急遽作られたルールである。 >2.アマチュアが棋戦の挑戦者決定戦に進んだ場合、棋士の資格を得る 苺対伊鶴の前日に通達された規約。 棋戦で指し続ける以上いつまでもアマでいてもらっては困るという事情で作られたが、当の苺が「自分だけ覚悟もなし試験もなしで棋士になるなんて納得できない」と拒否したことで保留となった。 >3.アマチュアで棋戦のタイトルを獲得した者は棋士の資格を得るものとする 苺対斎藤戦直後に通達された規約。 この際は苺も「タイトル取るってことは棋士の人達の憧れでしょ。アマがそこにいるのはアマの私でもなんか嫌だ」と棋士になることを受け入れた。 正式な規約ではあるが、守屋も「この先アマがタイトル戦に出ることはないだろう。今回だけの特例措置みたいなものだ」と付け加えている。 ・AI 「Artificial Intelligence」の略。日本語訳は人工知能。 この技術を応用した将棋ソフトを使えば、コンピューターとの対戦や一手ごとにその手が有効かそうでないかの検討が可能になる。 『龍と苺』の作中ではアマ棋士問わず将棋の研究は将棋ソフトを活用しており、海江田曰く「将棋の前に[[パソコン]]の勉強をしなきゃならんのだからな。恐ろしい時代になったもんだ」。 棋戦では現実同様に解説がAIの評価値の動きも加えて実況しており、盤面の優劣が外野にも読者にもわかりやすく伝わっている。 一方で「AIは今の一手を高く評価したので好手なのは間違いないが、解説の棋力ではなぜなのかわからない」といった場面や「対局している本人や解説者などが明らかに片方が有利な局面だと思うも、 AIの評価値が互いに50%の状態で動かなく、後々にある可能性があったから、AIの評価値が動かなかったことに納得したりする」展開もまま現れる。((当然だが対局している棋士から評価値は見えない)) ・シンギュラリティ 日本語訳は技術的特異点。 人間がAIの進化をし続けるといつかAI自身でAIを進化させ、その繰り返しで爆発的にAIが進化するという説。 2124年に至るまで現れたAIは人間より遥かに優れた能力を持つものの特定の命令に対応するだけの「弱いAI」であり、対して自律的に判断しAI自身で新たなものを作り出せるAIを「強いAI」という。 AIが欲求…"自我"を持った時それは起こると言われるが、仮にAIに自我が生まれたとしてそれを見極める方法がないのも問題の1つ。 20世紀から既に一部で提唱されていた概念だが、2124年においても起こっておらず、今では科学のおとぎ話とされている。 ・AI(未来編) 以降もAI研究は進み、2030年には日本の大手ソフトメーカーが将棋のAI研究に参入。2040年には海外のソフトメーカーも将棋AI市場に参入。 2050年以降はソフトメーカーの独自開発したAIロボによる将棋大会も開かれ、それぞれのメーカーの開発力を競う勝負の場となっている。 同時に将棋連盟のスポンサーにもIT企業が名を連ねるようになり、次第にAIのタイトル戦参加をスポンサー企業が望む声が強くなる。 そして2060年、&bold(){ついにAIによる竜王戦への参加が認められた。} ・竜王戦(未来編) 藍田苺が引退した2061年より竜王戦のルールも大きく変わり、まず竜王戦を制した人間の棋士は&bold(){暫定竜王位}とされ、続く竜王戦本戦という名の&bold(){AIを使った企業同士の性能比較会}にワイルドカード(特別枠)として参加することになる。 本戦のトーナメント表は将棋AIを開発している企業のこの1年のAI性能や評価を元に連盟が振り分ける。 ただしAI対局といってもレギュレーションがあり、参加機体は外部とデータのやり取りができないスタンドアローンタイプでなければならない。 この形になってから&bold(){人間がAIに勝ったことは一度もない。}竜王の本戦参加はあくまでセレモニーのようなものである。 ちなみに評価値の算出は無制限のコンピュータが行っている。 ・&ruby(ペンタゴン){五角形} 2124年における世界最大手AI企業である「N・B」「Heady Red」「Rabi」「The John」「Bird」の総称。 世界の株価時価総額の3割がこの5社で占められており、竜王戦ではここ7年「五角形」は「五角形」以外の企業に負けたことがない。 ・恐るべき子供たち 斎藤高貴な花と同世代で三段リーグに在籍する、近く棋士になるであろう若き天才たち。 一足先にプロ入りした斎藤を除き、既に三段の濱野・姉ヶ崎・川嶋に2124年4月から森田・丹生・山野辺が加わり、中学生棋士の称号を目指している。 追記・修正お願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,17) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - なんだかんだで成長して棋士たち尊敬し始めてる苺ちゃん好き -- 名無しさん (2022-06-08 01:44:27) - 「りゅうおうのおしごと」も藤井棋士が現れるまでは現実味が無いって叩かれていたし、そのうちアマ枠から竜王戦トーナメント無双も出てきそう -- 名無しさん (2022-06-08 03:29:08) - 竜王戦3回戦のA級の鬼には17時間かけてデバフかけまくって辛勝。ここからさらに化け物ぞろいでどう戦ってくのかワクワクする -- 名無しさん (2022-06-08 03:38:11) - ↑あの話が掲載された後、藤井聡太が2回千日手成立の指し直し局で敗れたんだよな。棋聖戦でプロ同士とは言え似たような偶然があるんだなぁとびっくりしたわ -- 名無しさん (2022-06-08 03:46:32) - 51歳にしては海江田、守屋は老けてるし大鷹は逆に若すぎる -- 名無しさん (2022-06-08 12:55:46) - 守屋会長は苺の再々戦が決まって椅子の後ろで頭を抱えている場面が笑えたけれど、詰みがわからないまま指し続ける河村を見てポーカーフェイスが崩れる若き日の姿は泣ける -- 名無しさん (2022-08-17 21:47:45) - 竜王戦なのにタイトルが『竜と苺』じゃなくて『龍と苺』なのは何でだろう? -- 名無しさん (2022-08-25 01:04:23) - 主人公の性格がアレだけど周囲の人間の性格も大概なので結果的にバランスが取れている -- 名無しさん (2022-09-14 08:46:00) - 良い影響もたくさんもらってると思うけどな。自分なりに部の後輩たちを世話する苺とか1話時点じゃ絶対想像できないでしょ -- 名無しさん (2022-09-14 09:25:31) - 今週のあれ見てマジかよってなったが、あんなルールあったんだな。まだ奇策があったのが凄いわ -- 名無しさん (2022-11-09 22:23:59) - あの展開は作者的には温めてあったのを現実に先を越されてしまったのか、それとも面白いから急遽作品に取り入れたのかどっちなんだろうか -- 名無しさん (2022-11-10 21:39:32) - あえて連載依頼をよこさなかったサンデーに売り込むとか作者自身が結構ロックなんやな -- 名無しさん (2023-01-31 04:17:54) - 「ぽっと出で棋歴ないためにデータもない伸び盛りの天才が」「(別のタイトルやら広報仕事やらに一切関わらず)準備期間全部竜王戦対策に使って」「その都度目の前の相手専用のガンメタ用意する」でなんとかA級上位のトップ層から勝ち星もぎ取ってる感じ。単純な棋力もA級相当(鬼・海江田とまともにやり合えるレベル)だとは思うけど -- 名無しさん (2023-02-24 03:48:45) - 最初の頃はプロ棋士に殴り込みするわ飛び降りるわと完全に将棋版響だったけど進むにつれそういう描写ほぼなくなったな -- 名無しさん (2023-03-11 12:14:09) - 今週読んで思ったがやっぱりじいさんがこの漫画のヒロインだな。当の本人からはツッコミ入れられてるが苺の「将棋の強さ」以外の人間的な成長も逐一見守って褒めてくれる -- 名無しさん (2023-06-02 22:28:20) - 最近は苺も問題行動がなくなってきて成長がわかる(かなりの年代の人にタメ口とかはまあフィクションならよくあることだしな) -- 名無しさん (2023-06-19 13:36:20) - やり口は無知な子供から数千万ふんだくる詐欺契約だけど「藤井聡太と3週間1日2回オンライン対局(チャット感想戦つき)」って考えたら1650万円でも破格に安いプランかもしれない -- 名無しさん (2023-07-06 15:14:07) - ここまでは規定路線だけどこの後どうなるか -- 名無しさん (2023-09-19 21:42:33) - サンデーうぇぶりで先週分が有料のみになってるらしい。こんな形でアレを実感するとは -- 名無しさん (2024-02-20 19:34:17) - 181話以降のキャラを追加する時は全部格納して隠そうか -- 名無しさん (2024-03-08 18:19:54) - ここで最終回なら綺麗に終わりそうだったのに何だか斜めの方向にボールが飛んでいったな -- 名無しさん (2024-03-08 20:02:22) - 凛々もそうだけどタッキーも現役中にタイトル取れたんだなって -- 名無しさん (2024-04-17 21:52:00) - 最初の頃は響みたいな傍若無人な主人公に露骨な男尊女卑するモブや棋士達に初登場の頃はめちゃくちゃ感じが悪いタッキー(初対面の苺に帰れブスとか言ったり)と見ててイライラする描写も多かったけどたまに変なキャラは出るとはいえここまで真っ当な将棋漫画になると思わなかったな -- 名無しさん (2024-04-19 18:37:07) - 完結したら買いたい作品の一つ -- 名無しさん (2024-06-29 04:07:11) - 宮村さん知っているかどうかが今の苺の正体のカギになるかと思ったけど、なんか普通に子孫と交流持ってるしますます正体よくわからんな… -- 名無しさん (2024-07-24 17:35:21) - とりあえずあの後先生に -- 名無しさん (2024-07-24 18:40:06) - ↑苺達は会ったんだろうけど果たしてどうなったのか… -- 名無しさん (2024-08-29 20:44:48) - 朗報、心子ちゃん苺に親友と思われていた。しかしどっちと結婚したのか -- 名無しさん (2025-01-08 20:00:51) - ぽぽちゃんの欄に「普通」が強調されていてクッソ笑った -- 名無しさん (2025-01-09 06:11:43) - AI戦始まったがこれまで少なからず勝利に貢献してた盤外戦術が効果ないけどどうするんだろうか苺ちゃん -- 名無しさん (2025-01-15 08:12:38) - ↑なんか盤外戦術が効果あるぞ。どういうことだ -- 名無しさん (2025-02-06 21:23:02) - どこかのSNSで既出だろうけど、当初の男女差のテーマは完全に無くなってるな。100年後の世界にはそれらしい理由を作者が用意してくれると思ってたんだが。(俺が見逃してるだけなら失礼) -- 名無しさん (2025-09-03 12:17:45) - ところでこの漫画、気付いただけでも飛車が香車や桂馬に描き間違えられているの見たことあるぞ。居飛車が香車に、地下鉄飛車が桂馬に。 -- 名無しさん (2025-09-03 12:22:30) - ところでこの漫画ヘンな名前ばっかだけどマリオネットから察するに作者はキラキラネームを馬鹿にしてくれてるって解釈で合ってるかなあ -- 名無しさん (2025-09-03 12:48:18) - >完結したら買いたい作品の一つ ←←←理解る、理解るぞ。何度も嫌な目にあったんだろ… -- 名無しさん (2025-09-03 12:55:53) - ↑4基本的に男性の方が女性より強いが飛び抜けた才能は性別関係なく現れるって話なので…あと苺と凛々が「強い女性棋士」の前例作ったからか100年後には女性棋士も珍しい存在ではなくなった -- 名無しさん (2025-09-03 13:08:23) - 女が男に勝てる訳が無い→人間がAIに勝てる訳が無い な気がする -- 名無しさん (2025-09-29 19:33:35) #comment(striction) #areaedit(end) }

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: