おまえうまそうだな(映画)

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おまえうまそうだな(映画) - (2025/03/22 (土) 18:18:57) の1つ前との変更点

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&font(#6495ED){登録日}:2022/11/12 (土曜日) 01:29:50 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 ? 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){&bold(){&sizex(6){&color(darkgreen){最初は、食べるつもりだったのに…}}}} &bold(){「おまえうまそうだな」}とは、絵本作家・宮西達也の絵本作品で、またそれを原作とした日本のアニメ映画及びテレビアニメ。 本稿では2010年10月16日に公開された映画版について主に記載する。 監督:藤森雅也 アニメーション制作:亜細亜堂 主題歌:平原綾香「君といる時間の中で」 挿入歌:宙太「heart beat」、木村真紀「ハートの子守歌」 元々「おまえうまそうだな」は、[[恐竜]]をテーマとした「ティラノサウルスシリーズ」と呼ばれる連作絵本のうちの第一作であり、映画版はそれをメインに同シリーズの「きみはほんとうにステキだね」「あなたをずっとずっとあいしてる」の二作の要素を加え、一本のストーリーとして再構成している。 キャラクターデザインについては、宮西の画風の意匠を残しつつもリアルな恐竜とぬいぐるみの中間といった案配になっており、可愛らしいながらも弱肉強食の恐竜の世界をこれでもかと生々しく描いている。 マイルドな表現ではあるものの普通に&bold(){捕食シーン}も映るので、苦手な方はその点だけ要注意。 また、当時最新の恐竜の学説を盛り込んだ描写も多く、その辺りに注目して観ても面白いだろう。 少なくとも主演を務めた[[山口勝平]]氏は「『恐竜の図体・関節の動かし方を[[考証]]して尊重した上で、アクションをどうやるのか』という スタッフの努力が映像全体に、にじみ出ていた」と絶賛している。 2010年10月16、17日初日2日間の映画観客動員ランキングで初登場第10位。 ぴあ初日満足度ランキングで第1位。 **あらすじ 舞台は白亜紀後期の北アメリカ。 一頭の草食恐竜・マイアサウラの雌が、川から流れてくる一つの卵を見つけて巣に持ち帰るところから物語は始まる。 明らかに同族の卵ではないそれから孵化したのは、何と自分達の天敵である肉食恐竜・ティラノサウルスの赤ん坊であった。 今は無害な子供でも、大人になればどうなるか分からない。「肉食いの子なんて捨ててしまえ」と言う群れの仲間達だったが、彼女はどうしても見捨てる事が出来ず、自分の子供として育てる事を決意する。 #center(){ &bold(){&color(magenta){卵山の神様…どうかこの子たちをお見守り下さい}}} それから数年後。 ハートと名付けられたティラノサウルスの子供は、義兄のライトと共にすくすくと育っていた。 母はあれから群れを離れて森の中で3頭だけで暮らしていたが、それでも寂しさなど感じない幸せな日々だった。 しかしある時、好奇心から平原に出たハートは生まれて初めて自分以外のティラノサウルスの狩りを目撃。他の恐竜を仕留め、肉を貪り食う姿に怯えつつも目を離せない自分自身に困惑する。 さらに他のティラノサウルスから「草食いの匂いがする」と絡まれるが、群れのボス・バクーの取り成しで何とかその場は何とか難を逃れる事が出来た。バクーが何処か寂しそうに自分を見送った事には気付かず。 しかし森へ逃げたハートを追って来たティラノサウルスの一頭ゴンザは、ハートを出迎えたライトを嘲るように衝撃の一言を放つ。 #center(){ &bold(){&color(orange){僕の弟に手を出すな!}}} #center(){ &bold(){&color(darkblue){何であいつがお前の弟なんだよ?あいつは俺と同じ肉食い、平原の王者…『大顎』だよ!!}}} その言葉を泣いて否定しながら、ライトを守ろうとゴンザの尻尾を食いちぎったハート。 ゴンザを追い払う事は出来たものの、今まで母に与えられ来た赤い木の実だけでは食べ足りず、たびたびトカゲを咥えては飢えを誤魔化していた事を思い返し、ハートは食いちぎったばかりの尻尾の肉を呑み込む。 結果、自分はゴンザの言う通り草食いではなく肉食いであると遂に自覚。 #center(){ &bold(){&color(darkgreen){どうしようライト…お肉が美味しいよ…!}}} ショックを受けたハートはライトの制止を振り切り、一頭で森を飛び出して行方を晦ませてしまった。 そしてそれからさらに数年。 平原で一人暮らしをするようになっていたハートは、「草食いに育てられた肉食い」と同族たちに疎まれながらも一端のティラノサウルスとして逞しく生きていた。 そんなある日。平原に転がる一つの卵を見つけ、その卵から草食恐竜であるアンキロサウルスの子供が生まれてくる場に居合わせる。 肉食恐竜にしてみれば、生まれたての子供など簡単に食べられる御馳走。 #center(){ &bold(){&color(darkgreen){おまえ、うまそうだな}}} そう言って大口を開けるハートだったが… #center(){ &bold(){&color(pink){お父さん!}}} #center(){ &bold(){&color(darkgreen){お父さん!?俺が!?}}} #center(){ &bold(){&color(pink){うん!名前呼んだんだからお父さんだよね!『ウマソウ』ってとっても良い名前!でもどういう意味?}}} 何とそのアンキロサウルスの子供は、生まれて初めて見たハートを自分の父親だと思い込み、さらに先の発言を「自分をウマソウと名付けた」と勘違いしてしまう。 思いもよらず懐かれた事で子供…ウマソウを食べるに食べられなくなってしまったハート。さりとてこのまま置き去りにすれば、間違いなく他の恐竜の餌食になってしまう。 結局、「大きく育てたほうが食いでもあるだろう」ととりあえず自分を納得させ、こうして肉食恐竜と草食恐竜の奇妙な親子生活が始まった。 **登場人物…もとい恐竜 -&bold(){ハート} CV:[[山口勝平]]、 愛河里花子(子供時代) [[ティラノサウルス>ティラノサウルス(古代生物)]]。 マイアサウラの義母に育てられたはみ出し者で、他のティラノサウルスの縄張りでも構わず狩りをすることから同族から厄介者扱いされている。 彼自身もその微妙な立場については自覚しており、一頭でも強く生きていけるよう毎日特訓(貧弱な前脚を使った腕立て伏せ等)を欠かさず行っている。 そのため大顎が代名詞であるティラノサウルスでありながら、[[噛み付き]]よりも後ろ脚を用いた蹴りのほうが得意。 そんなある日、偶然見つけたアンキロサウルスの子供を食べようとしたところ、刷り込みによってか父親と思われて慕われるようになってしまう。 置き去りにする事も出来ず、「チビのうちに食うより、大きくしてからの方が食い応えがある」と理由を付けて、かつての義母のようにその子供・ウマソウを育て始める。 しかしだんだんと大きくなるウマソウを見ているうちに父性愛が湧き、このまま肉食いの自分と一緒に居ても幸せになれるのかと思い悩むように。 なお狩りはウマソウが寝ている間に行っている。 当初は山口氏は別の役での起用だったが、収録3日前にハート役に変更された。 役作りの猶予が与えられていなかった山口氏は、ハートに山口氏の実母との思い出を重ね合わせながら演じることで乗り切った。 -&bold(){ウマソウ} CV:加藤清史郎 [[アンキロサウルス>アンキロサウルス(古代生物)]]の子供。 上述の通り、「おまえ、うまそうだな」と自分を食べようとしたハートの発言を「自分にウマソウと名付けてくれた」と勘違いし、彼を父親と慕っている。 子供ゆえ性格は天真爛漫で、ハートだけでなく自分に赤い実を分けてくれたベコンの事も「おじいちゃん」と懐いている。 アンキロサウルスだけに尾の硬いハンマーが自慢で、またハートに鍛えられているだけあって小柄な体格に反して身のこなしも軽い。 実際、本物のアンキロサウルスもティラノサウルスの脚の骨をへし折る程のパワーがあったとされており、ある意味将来有望である。 -&bold(){ライト} CV:川島得愛、[[折笠富美子]](子供時代) ハートの義兄のマイアサウラ。 物心ついた頃からハートが自分や母と姿が違う事に気付いていたが、気にすることなく兄弟として接していた。 明らかに敵わない相手であっても弟を守ろうと立ち向かう勇敢な性格だが、その分だけハートが目の前で出奔した際は強くショックを受けており、塞ぎ込んだ母と共に群れに戻してくれるようリーダーに頼み込んでいた。 -&bold(){お母さん} CV:原田知世 ハートとライトの母のマイアサウラ。彼女自身の名前は不明。 卵だった頃のハートを拾い、彼が肉食いの子供だと分かった後も見捨てられず、自ら群れを離れて我が子としてライトと共に育てた。 まさにマイアサウラの名前の意味である「良き母のトカゲ」の通り愛情深く落ち着いた母親だが、ハートが行方不明になった後はすっかり塞ぎ込んで無口になってしまった。 -&bold(){バクー} CV:別所哲也 「平原の王」とも呼ばれるティラノサウルスのボス。他の同族の数倍以上の巨体を誇る。&s(){出る映画間違えてない?} かつて「南からやって来た大喰らい共」ことギガノトサウルスの群れが平原を荒らしまわった際、たった一頭で全て撃退したという逸話を持つ。 ハートとは子供の頃に対面した時から何処か気に掛けるような素振りを見せる。 ベコン曰くギガノトサウルスとの戦いの際に妻のカミィを喪い、さらにたった一つだけ残った卵までもを見失ってしまったらしいが…? -&bold(){ベコン} CV:矢田稔 ティラノサウルスの長老。 既に足腰が立たなくなっているため自力で狩りは出来ず、仲間達の相談(というより愚痴)を聞くついでに獲物を分けて貰って過ごしている。 「固くて歯が立たない」という理由でウマソウを食べようとはせず、赤い木の実を集めるのを手伝った事から「おじいちゃん」と呼ばれて懐かれている。 ハートを「草食いに育てられた肉食い」である事を知っており、現在ウマソウを育てている事も指して肉食いと草食いは相容れないと忠告した。 ちなみに実際のティラノサウルスも怪我をした仲間を庇い、治るまで世話をするだけの社会性があったとされており、そこから踏まえるにベコンの描写は不自然ではないと思われる。 -&bold(){ゴンザ} CV:桐本琢也 ティラノサウルス。 ハートとは子供時代に対面し、同族の筈の彼から草食恐竜の匂いがした事に疑問を感じて絡んだところ、マイアサウラのライトと一緒に居る場面に出くわす。そこでハートの正体を語るついでにライトを襲うが、激昂したハートに尻尾を食いちぎられてしまう。 それ以来ハートを目の敵にしており、たびたび縄張りを荒らす彼にキレ散らかしている。 なお食いちぎられた尻尾は大人になっても先端が短いままで、それをハートにからかわれてやっぱりキレている。 -&bold(){ガオー} -&bold(){グオー} -&bold(){ギャオー} CV:志村知幸(ガオー)、勝沼紀義(グオー)、井田国男(ギャオー) ゴンザの取り巻きのティラノサウルス三頭組。 ゴンザほどハートを嫌ってはおらず、二頭が諍うの見て「またやってるよあいつら」と言わんばかりの呆れ顔で苦笑していた。 ちなみにグオーは子持ち。 -&bold(){ペロペロ} CV:川村万梨阿 西の海に住む[[エラスモサウルス>首長竜(古代生物)]]。名前の通り、首だけでなく舌も長い。 崖から海に落ちたハートとウマソウと助けた事がきっかけで親睦を深め、平原から離れて砂浜で暮らす彼らを見守っていた。 一人称は「僕」だが喋り方や雰囲気は女性的で、現時点ファンの間でも性別不明。 原典は「きみはほんとうにステキだね」のキャラ。原作ではモササウルスに襲われてティラノサウルスに看取られながら落命するが、こちらでは存命。 -&bold(){マイアサウラのボス} CV:小室正幸 マイアサウラの群れのボス。他のマイアサウラより厳めしい顔をしている。 群れを守るという責任感のためか非情な性格で、(自分達の天敵とはいえ)生まれたばかりのハートを踏み潰そうとした。 -&bold(){トロオドン} あらゆる恐竜の中で最も知能が高いとされる小型獣脚類。 映画冒頭でマイアサウラの営巣地を集団で襲撃し、幾つもの卵を奪い去った。 お母さんも抵抗したが手元に残ったのはハートとライトの卵のみであり、この子達は絶対に守ると強く誓わせる事となった。 -&bold(){[[トリケラトプス>トリケラトプス(古代生物)]]} 三本角。白亜紀で最も繁栄していた角竜。 バクー曰く「厄介な相手」で、事実ゴンザらティラノサウルスに取り囲まれても全く怯まず、そればかりか反撃でティラノサウルスを一頭打ち倒してみせた。 実物のトリケラトプスも大柄で逞しい骨格をしており、それを捕食出来る生物はティラノサウルスだけだっただろうとされている。 -&bold(){アラモサウルス} -&bold(){パラサウロロフス} -&bold(){レプトケラトプス} 白亜紀の草食恐竜。ハートのご飯。 -&bold(){ケツァルコアトルス} 大型の翼竜。背景で飛んでいる他、ティラノサウルスの食べ残しを漁る姿が描かれている。 -&bold(){モササウルス} 「海の大顎」とも呼ばれる滄竜。劇中ではペロペロに襲い掛かったところをハートに返り討ちにされた。 白亜紀の海の頂点捕食者であり、よく見ると&bold(){何気にハートよりデカい}。 -&bold(){[[ギガノトサウルス]]} 南アメリカに生息していた大型肉食恐竜。かつて群れで北アメリカの平原を荒らしまわったが、バクーに撃退された事がベコンの口から語られた 全長12~13メートルとティラノサウルスと並ぶサイズだが、一方で体格はやや細身だったようで、劇中の作画でもそれが反映されている。 規格外の巨体を有するバクーにパワー負けしたのだろうか。 なおこちらも集団化石が発見されており、実際に群れを作って大型竜脚類を襲っていたと考えられている。 -&bold(){鉤爪} CV:宮西達也 ドロマエオサウルス。 ウマソウとはぐれたハートに散々追い掛け回され、泣きながら逃げていた。 声を担当したのは原作者の宮西達也本人。 -&bold(){マイアサウラのおばさん} CV:宮西美奈子 冒頭にて登場したマイアサウラの一頭。 生まれたばかりのハートを見て「卑しい肉食いの子だったら嫌だよ」と発言したのが彼女。 声を担当した宮西美奈子は、宮西達也の奥さん。 追記・修正はお母さんの顔を思い浮かべながらお願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,9) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 戦闘シーンがしっかり動いているアニメ -- 名無しさん (2022-11-12 06:29:13) - 結末とかが気になっちゃう -- 名無しさん (2022-11-12 09:50:48) - 話の繋がりはないけど2作目3作目もあったなこのシリーズ -- 名無しさん (2022-11-12 15:28:53) - ギガノトサウルスの群れをたった一頭で全て撃退……こいつゴジラザウルスじゃね? -- 名無しさん (2022-11-12 23:50:25) - 中の人がハムトラマン -- 名無しさん (2022-11-13 19:48:51) - キランタイサウルスは出ないのか -- 名無しさん (2023-12-10 15:51:22) #comment(striction) #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2022/11/12 (土曜日) 01:29:50 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 ? 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){&bold(){&sizex(6){&color(darkgreen){最初は、食べるつもりだったのに…}}}} &bold(){「おまえうまそうだな」}とは、絵本作家・宮西達也の絵本作品で、またそれを原作とした日本のアニメ映画及びテレビアニメ。 本稿では2010年10月16日に公開された映画版について主に記載する。 監督:藤森雅也 アニメーション制作:亜細亜堂 主題歌:平原綾香「君といる時間の中で」 挿入歌:宙太「heart beat」、木村真紀「ハートの子守歌」 元々「おまえうまそうだな」は、[[恐竜]]をテーマとした「ティラノサウルスシリーズ」と呼ばれる連作絵本のうちの第一作であり、映画版はそれをメインに同シリーズの「きみはほんとうにステキだね」「あなたをずっとずっとあいしてる」の二作の要素を加え、一本のストーリーとして再構成している。 キャラクターデザインについては、宮西の画風の意匠を残しつつもリアルな恐竜とぬいぐるみの中間といった案配になっており、可愛らしいながらも弱肉強食の恐竜の世界をこれでもかと生々しく描いている。 マイルドな表現ではあるものの普通に&bold(){捕食シーン}も映るので、苦手な方はその点だけ要注意。 また、当時最新の恐竜の学説を盛り込んだ描写も多く、その辺りに注目して観ても面白いだろう。 少なくとも主演を務めた[[山口勝平]]氏は「『恐竜の図体・関節の動かし方を[[考証]]して尊重した上で、アクションをどうやるのか』という スタッフの努力が映像全体に、にじみ出ていた」と絶賛している。 2010年10月16、17日初日2日間の映画観客動員ランキングで初登場第10位。 ぴあ初日満足度ランキングで第1位。 **あらすじ 舞台は白亜紀後期の北アメリカ。 一頭の草食恐竜・マイアサウラの雌が、川から流れてくる一つの卵を見つけて巣に持ち帰るところから物語は始まる。 明らかに同族の卵ではないそれから孵化したのは、何と自分達の天敵である肉食恐竜・ティラノサウルスの赤ん坊であった。 今は無害な子供でも、大人になればどうなるか分からない。「肉食いの子なんて捨ててしまえ」と言う群れの仲間達だったが、彼女はどうしても見捨てる事が出来ず、自分の子供として育てる事を決意する。 #center(){ &bold(){&color(magenta){卵山の神様…どうかこの子たちをお見守り下さい}}} それから数年後。 ハートと名付けられたティラノサウルスの子供は、義兄のライトと共にすくすくと育っていた。 母はあれから群れを離れて森の中で3頭だけで暮らしていたが、それでも寂しさなど感じない幸せな日々だった。 しかしある時、好奇心から平原に出たハートは生まれて初めて自分以外のティラノサウルスの狩りを目撃。他の恐竜を仕留め、肉を貪り食う姿に怯えつつも目を離せない自分自身に困惑する。 さらに他のティラノサウルスから「草食いの匂いがする」と絡まれるが、群れのボス・バクーの取り成しで何とかその場は何とか難を逃れる事が出来た。バクーが何処か寂しそうに自分を見送った事には気付かず。 しかし森へ逃げたハートを追って来たティラノサウルスの一頭ゴンザは、ハートを出迎えたライトを嘲るように衝撃の一言を放つ。 #center(){ &bold(){&color(orange){僕の弟に手を出すな!}}} #center(){ &bold(){&color(darkblue){何であいつがお前の弟なんだよ?あいつは俺と同じ肉食い、平原の王者…『大顎』だよ!!}}} その言葉を泣いて否定しながら、ライトを守ろうとゴンザの尻尾を食いちぎったハート。 ゴンザを追い払う事は出来たものの、今まで母に与えられ来た赤い木の実だけでは食べ足りず、たびたびトカゲを咥えては飢えを誤魔化していた事を思い返し、ハートは食いちぎったばかりの尻尾の肉を呑み込む。 結果、自分はゴンザの言う通り草食いではなく肉食いであると遂に自覚。 #center(){ &bold(){&color(darkgreen){どうしようライト…お肉が美味しいよ…!}}} ショックを受けたハートはライトの制止を振り切り、一頭で森を飛び出して行方を晦ませてしまった。 そしてそれからさらに数年。 平原で一人暮らしをするようになっていたハートは、「草食いに育てられた肉食い」と同族たちに疎まれながらも一端のティラノサウルスとして逞しく生きていた。 そんなある日。平原に転がる一つの卵を見つけ、その卵から草食恐竜であるアンキロサウルスの子供が生まれてくる場に居合わせる。 肉食恐竜にしてみれば、生まれたての子供など簡単に食べられる御馳走。 #center(){ &bold(){&color(darkgreen){おまえ、うまそうだな}}} そう言って大口を開けるハートだったが… #center(){ &bold(){&color(pink){お父さん!}}} #center(){ &bold(){&color(darkgreen){お父さん!?俺が!?}}} #center(){ &bold(){&color(pink){うん!名前呼んだんだからお父さんだよね!『ウマソウ』ってとっても良い名前!でもどういう意味?}}} 何とそのアンキロサウルスの子供は、生まれて初めて見たハートを自分の父親だと思い込み、さらに先の発言を「自分をウマソウと名付けた」と勘違いしてしまう。 思いもよらず懐かれた事で子供…ウマソウを食べるに食べられなくなってしまったハート。さりとてこのまま置き去りにすれば、間違いなく他の恐竜の餌食になってしまう。 結局、「大きく育てたほうが食いでもあるだろう」ととりあえず自分を納得させ、こうして肉食恐竜と草食恐竜の奇妙な親子生活が始まった。 **登場人物…もとい恐竜 -&bold(){ハート} CV:[[山口勝平]]、 愛河里花子(子供時代) [[ティラノサウルス>ティラノサウルス(古代生物)]]。 マイアサウラの義母に育てられたはみ出し者で、他のティラノサウルスの縄張りでも構わず狩りをすることから同族から厄介者扱いされている。 彼自身もその微妙な立場については自覚しており、一頭でも強く生きていけるよう毎日特訓(貧弱な前脚を使った腕立て伏せ等)を欠かさず行っている。 そのため大顎が代名詞であるティラノサウルスでありながら、[[噛み付き]]よりも後ろ脚を用いた蹴りのほうが得意。 そんなある日、偶然見つけたアンキロサウルスの子供を食べようとしたところ、刷り込みによってか父親と思われて慕われるようになってしまう。 置き去りにする事も出来ず、「チビのうちに食うより、大きくしてからの方が食い応えがある」と理由を付けて、かつての義母のようにその子供・ウマソウを育て始める。 しかしだんだんと大きくなるウマソウを見ているうちに父性愛が湧き、このまま肉食いの自分と一緒に居ても幸せになれるのかと思い悩むように。 なお狩りはウマソウが寝ている間に行っている。 当初は山口氏は別の役での起用だったが、収録3日前にハート役に変更された。 役作りの猶予が与えられていなかった山口氏は、ハートに山口氏の実母との思い出を重ね合わせながら演じることで乗り切った。 -&bold(){ウマソウ} CV:加藤清史郎 [[アンキロサウルス>アンキロサウルス(古代生物)]]の子供。 上述の通り、「おまえ、うまそうだな」と自分を食べようとしたハートの発言を「自分にウマソウと名付けてくれた」と勘違いし、彼を父親と慕っている。 子供ゆえ性格は天真爛漫で、ハートだけでなく自分に赤い実を分けてくれたベコンの事も「おじいちゃん」と懐いている。 アンキロサウルスだけに尾の硬いハンマーが自慢で、またハートに鍛えられているだけあって小柄な体格に反して身のこなしも軽い。 実際、本物のアンキロサウルスもティラノサウルスの脚の骨をへし折る程のパワーがあったとされており、ある意味将来有望である。 -&bold(){ライト} CV:川島得愛、[[折笠富美子]](子供時代) ハートの義兄のマイアサウラ。 物心ついた頃からハートが自分や母と姿が違う事に気付いていたが、気にすることなく兄弟として接していた。 明らかに敵わない相手であっても弟を守ろうと立ち向かう勇敢な性格だが、その分だけハートが目の前で出奔した際は強くショックを受けており、塞ぎ込んだ母と共に群れに戻してくれるようリーダーに頼み込んでいた。 -&bold(){お母さん} CV:原田知世 ハートとライトの母のマイアサウラ。彼女自身の名前は不明。 卵だった頃のハートを拾い、彼が肉食いの子供だと分かった後も見捨てられず、自ら群れを離れて我が子としてライトと共に育てた。 まさにマイアサウラの名前の意味である「良き母のトカゲ」の通り愛情深く落ち着いた母親だが、ハートが行方不明になった後はすっかり塞ぎ込んで無口になってしまった。 -&bold(){バクー} CV:別所哲也 「平原の王」とも呼ばれるティラノサウルスのボス。他の同族の数倍以上の巨体を誇る。&s(){出る映画間違えてない?} かつて「南からやって来た大喰らい共」ことギガノトサウルスの群れが平原を荒らしまわった際、たった一頭で全て撃退したという逸話を持つ。 ハートとは子供の頃に対面した時から何処か気に掛けるような素振りを見せる。 ベコン曰くギガノトサウルスとの戦いの際に妻のカミィを喪い、さらにたった一つだけ残った卵までもを見失ってしまったらしいが…? 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