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殺無生 - (2025/02/09 (日) 08:36:11) の1つ前との変更点
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&font(#6495ED){登録日}:2025/01/18 (土) 17:27:58
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#center(){
&font(18px,b){&color(indigo,dodgerblue){剣の道は必然の探究。}}
&font(18px,b){&color(indigo,dodgerblue){いずれ斬ると決めた者とは巡り会ったその時から既に勝負が始まっている。}}
&font(18px,b){&color(indigo,dodgerblue){そう弁えた者だけが一流だ。}}
}
&b(){&color(indigo,dodgerblue){&ruby(セツムショウ){殺無生}}}とは、特撮人形劇『[[Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀]]』シリーズの登場人物の一人。
CV:[[檜山修之]]
キャラクターデザイン:Niθ
二つ名:&b(){&color(indigo,dodgerblue){&ruby(メイホウケッサツ){鳴鳳決殺}}}
*概要
初登場は第1期の4話。[[凜雪鴉]]が世話になっているという老人・廉耆の前に立ち塞がった。
切れ長の鋭い目をした、凜雪鴉とはまた別の意味で美丈夫であり、左目にはシースルーの布が巻かれている。
物騒な肩書きの割には装飾が華美で、いわゆる「ヴィジュアル系」の見た目。
東離にはその名を知らない者はいないほどの悪名高き&b(){「剣鬼」}であり、裏の世界では随一の剣術を持ちながら、それを残虐な殺人のためにのみ振るう殺し屋として恐れられていた。
「剣の道は必然の探求」が信条であり、出会った者を一目で「如何に戦い、如何に斬るか」のシミュレーションを脳内で行い、殺す機会を心待ちにしている。
即ち、出会った人間全てを殺さずにはいられない性質であり、「それらは全て必然」と絶対の自信を持つ。
だが、今は掠風竊塵こと凜雪鴉の抹殺のためだけに彼を付け狙っており、彼の縁者や接点のある者を片っ端から当たっては殺している。中には本当に居場所を知らない者もいたが、その件に関しては全く気にも止めていない。
凜雪鴉には並々ならぬ恨みを抱いており、第1期の1年前、「命より重いもの」を奪われたから彼を絶対の標的とし、追い続けていた。
一方で、凜雪鴉は「心当たり」はあるものの、逃げ足の速さを活かしてのらりくらりと立ち回っていたようだ。
*戦闘面
我流の剣術を極めており、2本の剣を完璧に操り、敵を確実に仕留める。
前述のように戦闘での直観力が凄まじく高く、一瞬の脳内での戦闘シミュレーションから、自身の勝利の道筋を完璧に掴むことが可能。
ただし、最終的に対峙した[[蔑天骸]]には自分の敗北しか読み取ることができなかった。
**必殺技
・殺劫・百鳥朝鳳
大量の気功を短剣の形に形成し、敵の周囲を取り囲んで放つ。この時、本物の暗器も一緒に放つとより効果的。
・殺劫・黑禽夜哭
他人が放出した闘気を吸収して自らの気功に上乗せする秘技。劇中では獵魅を瞬殺した。
*過去
かつて殺無生は名家の生まれであったが、彼の数奇な運命はその誕生から始まった。
出産当日には、家の庭で邪鳥、鬼鳥が鳴き喚き、それが凶報だったかのように、出産直後に母親が死亡。
産婆は咎を助手に押し付けようとしたが、それにより口論が殺し合いに発展。異変に気づいた父親が目の当たりにしたのは、死体の山と血の海で産声を上げる赤ん坊の姿だった。
これにより父親は発狂し、赤ん坊の頭を割り、剣道場も兼ねていた寺に我が子の討伐の依頼の手紙と共に、赤ん坊を置き去りにした。
こうして、不憫に思った道場の主である鐵笛仙により命を救われた赤ん坊は、殺無生と名付けられ剣の道を極めるようになった。
だが、結局生まれの暗い影と殺人剣の追求に心を奪われた彼は師匠と袂を分かち、殺し屋稼業と道場破りの日々に身をやつす。((虚淵玄氏曰く「クラウドファンディング道場破り」をしていたとのこと。))
そんな折、知り合ったのが、同じく東離で悪名を轟かせていた盗賊・凜雪鴉だった。
凜雪鴉の用心棒を務めていると凄腕の剣客が次々と現れるので退屈はせず、また凜雪鴉自体にも好感を抱くようになったので自然と彼の側に居座るようになる。なお、「掠」の愛称でも呼んでいた。
そんなある日、殺無生は凜雪鴉から、「殺し屋以外の別の道は進まないのか」と問われ、「別の名前で剣の大会に出て汚名をすすぐ」ことを提案される。
そうして彼は、奇しくも元師匠の鐵笛仙が主催する劍技會に出場。
凜雪鴉から付けられた「鳴鳳決殺」の名前で出場した彼は、初戦の殘凶が降参したこと((この時、殘凶との再戦を約束したが、彼とは再会せずして命を落とした。))を機に「相手を殺さずして勝利を得る」ことにも好感を覚え、可能な限り殺さずして勝ち進む。
大会で優勝した暁には、凜雪鴉が冗談混じりに提案した、道場を開くという真っ当な道すら夢見るようになった。
しかし、鐵笛仙との決勝戦で、彼からの強烈な殺意を受けて雲行きが怪しくなり、いよいよ殺人剣を解放することになったが、突然飛んできた矢に足を撃たれた鐵笛仙は、殺無生の剣に体を貫かれて絶命。
この時、鐵笛仙からは「何故こんな卑劣な真似を」と詰られた挙句、「こんなことならお前を助けるのではなかった」と呪詛までかけられてしまった。
そして、殺無生は覚えのない「度重なる反則」により衛兵達に処刑されそうになる。
そこで追い打ちをかけるように、凜雪鴉が&b(){「劍技會で起こった諸々の不可解な出来事は自分の仕業であり、全て殺無生を陥れるためのものだった」}と暴露してしまう。((まず狩雲霄を弓矢で暴れさせて大会を中止させ、鐵笛仙には「首謀者は殺無生」と吹き込み、大会を殺無生討伐のためのものに変えておく。更には矢で怪我をした殘凶、毒を盛っておいた参加者と対決させて殺無生の卑劣さを仄めかしておいて、仕上げに鐵笛仙を殺させる。殺無生に放たれた矢は談笑ついでに笛に改造し、証拠を隠滅しておく。))
友の思いもよらぬ裏切りに愕然とするも、その動機が&b(){&color(snow,paleturquoise){「君を見るのが愉快だから」}}と、自分を玩具としてコケにするためだけに仕組んだものと言われ、凜雪鴉への感情が完全に憎しみと殺意に転じた。
なお、凜雪鴉が劍技會を潰したのは&b(){&color(snow,paleturquoise){「たかが殺人剣の優劣のために名誉だと抜かすのは虫唾が走る」}}という、自分が剣技を極めたが故の完全な逆恨みである。
衛兵達を皆殺しにしたものの、[[狩雲霄]]の放った矢によって阻まれた彼は凜雪鴉に逃げられ、それ以降、凜雪鴉の抹殺のために縁者と思しき者を片っ端から殺すようになったのだった。
*殺無生の「驕慢」
この殺無生に対する凜雪鴉の仕打ちは&b(){「あまりに酷過ぎるのでは?」}とファンの中では議論の的となっている。
&b(){「『悪党』の驕慢を打ち砕くのが凜雪鴉の信条なのに何も悪いことをしていないからただの『弱い者虐め』では?」}という意見も少なくなかった。
ちなみに、殺無生の声を担当した檜山氏も、&b(){「ひっでぇ…」}と悲痛なコメントをこぼしている。
殺無生の過去を描いた小説の原作はシリーズの総監修を務めた[[虚淵玄]]氏ではないこともこの説に拍車をかけた。しかし、映画版は虚淵氏が脚本を担当しており、多少の台詞回しは変更しているが、大筋に大差はない。
しかし、殺無生は生来の「剣鬼」であることは明白であり、出会った剣客を殺さずにはいられないのが彼の性分であった。
そして、自身の剣技には何より大きな矜恃を持っていたのも事実である。
それでも、彼に「驕慢」があったとすれば、「凜雪鴉が自分の最大の理解者である」という思い込みだろう。
その思い込みから、凜雪鴉に友情を感じた彼は自分の過去を喋ってしまい付け入る隙を与え、結果彼に陥れられ、これまでの友情と信頼は凜雪鴉の「遊び」に過ぎないと思い知らされた。
つまり、殺無生が一番怒っているのは&b(){「友情を踏み躙り自分を玩具にしたこと」}であり、それに伴い矜恃を砕かれたという、「自分のための怒り」によるものが大きい。
現に、映画版のエピローグでは「自分を笑った」と言いがかりをつけて凜雪鴉の被害者を殺しており、彼の執念は「汚名を着せられた復讐」によるものでも「師匠を殺された復讐」によるものでもない。
すなわち、凜雪鴉が奪った殺無生の無自覚の驕慢、それは敢えて言うなら&b(){「絶対だと思い込んでいた信頼関係」}であったのだ。
なお、凜雪鴉は殺無生の殺人衝動を更生させるのは不可能だと断じており、交流時代に彼をその気にさせた道場を開く案は全て出鱈目。
寧ろ殺人鬼としての殺無生に好感すら抱いている。
更には「私への執着により迷いを断ち切れたのだから感謝して欲しいくらい」と身勝手極まりない言い訳をしている。
*活躍
**第1期
凜雪鴉の手がかりを察知し、彼と会う約束をしていた道具作りの名手・廉耆を待ち伏せる。
ちなみに、廉耆が凜雪鴉と合流するという確証はなく、&b(){&color(indigo,dodgerblue){「廉耆がまだ凜雪鴉と縁がある」「凜雪鴉の居所を訪れる」「その手がかりを廉耆が持っている」}}というほんの僅かの可能性に賭けて、彼を最初から殺すために待ち伏せていた。
これに対し廉耆は「馬鹿馬鹿しい理由」「貴様の命が軽い」と侮蔑するが、凜雪鴉の所業を考えたら説得力がない。&s(){さすがはあの凜雪鴉の盟友である}
そのまま二人は剣を抜いての殺し合いとなるが、最早勝負にもならず、殺無生は廉耆を殺害し、彼が持っていた「迴靈笛」を奪った。
そのまま、彼は廉耆が本来、凜雪鴉と落ち合うはずだった寺に待ち伏せ、凜雪鴉と同行していた[[殤不患]]達とはそこで初対面した。
早速凜雪鴉を殺そうとしたが、阻止しようとした[[狩雲霄]]、[[捲殘雲]]、[[刑亥]]と戦闘になるも一歩も譲らず、結果凜雪鴉の判断で一同は撤退する。
迴靈笛は魔脊山のトラップの一つである闇の迷宮を抜けるために必要だったため、殺無生を如何に攻略するかが一同の難問だったが、その夜、殤不患が殺無生の泊まる宿に説得に現れる。
放っておけば捲殘雲が翌朝、無謀な勝負を挑もうとしたからだ。
奇しくも、殺無生は昼間、唯一自分の力量を見計らい、戦いを静観していた殤不患を「只者ではない」と思い、彼との戦いを望んでいた。
話し合いは平行線となり、二人がまさに戦おうとした瞬間、凜雪鴉が現れ、提案を持ちかける。
それは、&b(){&color(snow,paleturquoise){「我々の旅に同行し、迴靈笛を吹く役目を果たす。その代わり、闇の迷宮を抜けたらこの首を差し出す」}}というものだった。
この無謀な提案を殺無生は快諾し、冷やかしがてらに旅の仲間に加わったのだった。
魔脊山では上陸直後からその剣技を大いに披露。
先陣を切った捲殘雲をあっさり追い越し、玄鬼宗幹部の獵魅を軽々しく討ち取った。&s(){OPであれだけ狩雲霄のライバル感出しときながらこんな退場と相成った獵魅ちゃん、マジドンマイ}
しかし、道中では「笛を吹くのが役目」として特に戦闘はせず、殤不患の奮闘も高みの見物を決め込むだけだった。
この時、殤不患の剣の切り口が「荒すぎる」ことから、「一流の剣士ではない」と判断し、彼の評価を下げている。
ちなみに、殤不患は木刀に気を流して切れ味を作るという達人級の離れ業を披露していたのだが、剣に執着していた殺無生にはそれが見抜けなかった。
闇の迷宮を迴靈笛を使って通り抜けた殺無生達は、凜雪鴉の罠で蔑天骸に捕まった丹翡と殤不患を見て、ようやく得心がいく。
凜雪鴉や「仲間」達の裏切りに嘆く丹翡には、&b(){&color(indigo,dodgerblue){「そもそも最初に疑うべき一人を間違えた」}}と、同じく凜雪鴉に騙された境遇として彼女を憐んでいた。
やがて、天刑劍を手に入れたい狩雲霄と刑亥が策を巡らす中、殺無生は一同から離れ、七罪塔に正面から侵入。
玄鬼宗の郎党らを次々と殺戮し、蔑天骸の歓待を受けていた凜雪鴉に真っ向から対峙する。
凜雪鴉は&b(){&color(snow,paleturquoise){「闇の迷宮を一緒に抜けてはいないから契約は不成立」}}と屁理屈をこねるが、殺無生には通用しない。
だが、ここで彼は「目的」を変えた。
**剣鬼としての生き様
凜雪鴉の始末は先送りにして、目の前にいる「剣の覇者」たる蔑天骸がそこにいたからだ。
彼は蔑天骸との「剣の真髄」を問うための果し合いを望み、蔑天骸もそれに応じる。
#center(){
&font(18px,b){&color(whitesmoke,black){八手……いや、九手で詰みか。}}
&font(18px,b){&color(indigo,dodgerblue){然り。三手を交え五合を打って、次の九手目が……答えだ。}}
}
凄まじい剣戟の後、背後からの蔑天骸の一撃で致命傷を負う殺無生。
最早勝負の結果は目に見えていたが、殺無生は「必然の探求」として、実際に負けなければ気が済まなかったのだ。
そして、彼は仇敵・凜雪鴉を見ながら不敵に笑う。
#center(){
&font(18px,b){&color(indigo,dodgerblue){凜雪鴉、次も俺が先回りして待ち伏せだ。}}
&font(18px,b){&color(indigo,dodgerblue){貴様とて冥土の旅路は避けられぬ。フフフ、待っているぞ……。}}
&font(18px,b){&color(snow,paleturquoise){ああ、いずれはな。}}
}
そうして倒れた殺無生は、凜雪鴉に抱えられ、凄絶に命を散らした。
この出来事に、凜雪鴉は「自分より強い者と戦えて本望だろう」と語り、感傷には浸らなかった。
蔑天骸は、同じ剣客としての殺無生に敬意を表し、丁重に荼毘に伏すよう部下に指示。
彼の遺体は魔脊山の一角に埋められ、得物の剣が墓として建てられたのだった。
*その後
あの世で凜雪鴉を待つと宣言した殺無生だが、凜雪鴉は暫く死ぬつもりは露ほども思っていなかった。
更には、蔑天骸相手に凜雪鴉は凄まじい剣術を披露し、「殺無生を退けたはずなのに何故逃げ回っていた」という問いに対して、
&b(){&color(snow,paleturquoise){「あの男は自分より強い奴を求めていたのだろう?私を殺したがっている男を悦ばせる理由がどこにある」}}と、どこまでも殺無生を玩具以上のものとは思っていないと強調している。
第2期以降は、[[婁震戒>諦空/婁震戒]]や禍世螟蝗といった蔑天骸以上の実力者がポンポン出てきたにもかかわらず、その恩恵に預かれなかったのも彼の不遇ぶりが現れている。
ただし、凜雪鴉的には殺無生は実に良い反応をしたお気に入りの玩具だったようで、
第3期冒頭では魔脊山侵入の際に「験担ぎ」として彼の墓参りをして親しげに語りかけている。
もっとも、殺無生からしてみたらこれ以上ない嫌がらせだろうが……。
更に第4期で、凜雪鴉は魔神化した刑亥に本気の剣技を見せた際、&b(){&color(snow,paleturquoise){「あの世で殺無生に自慢するがいい」}}と自分の腕前の伝言(?)を頼んでいる。
自分と戦えないことをあの世で悔しがっていろ、ということなのだろうか。どこまでも性格の悪い男である。
*余談
・凜雪鴉との関係性や彼から受けた仕打ちから同情票も含めてファンが多い。
そも、俺が気にかける事柄は一つ。
その時目の前にある項目が俺の追記修正に見合う敵手かどうか。
#include(テンプレ2)
#right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600)
}
#include(テンプレ3)
#openclose(show=▷ コメント欄){
#areaedit()
- あんな仕打ちを受ければそりゃ殺意も持つよなって過去で驚いたわ -- 名無しさん (2025-01-18 18:00:40)
- あの話の後の殤不患編で、偽殤不患に殺無生について「人間には意外な側面というものがあるのだ!」と言わせるのなんだかにくい演出だね -- 名無しさん (2025-01-18 18:11:21)
- 小説版によると殺無生の驕慢は「殺人鬼の癖に平凡な光ある場所で生きられると勘違いした事」との事 -- 名無しさん (2025-01-18 22:02:33)
- 小説版読んでから本編一期見直すと、何となく凜雪鴉を殺すのを先送りにしているようにも思えた。 -- 名無しさん (2025-01-19 00:26:39)
- 邪鳥鬼鳥の泣き喚く中生まれて、"鬼鳥"によって悪鬼に堕とされるのほんま畜生 -- 名無しさん (2025-01-19 06:56:05)
- まぁ凛の正体を知ったらまぁ「そうなるわな」というね -- 名無しさん (2025-01-19 17:00:50)
- 「剣の道は必然の探求」負けるとわかっていてもそのポリシーに殉じた戦闘狂の鑑 -- 名無しさん (2025-01-19 21:56:21)
- 「あんだけ人を殺しておいて今更そんな道があると思ってるの?」って煽り散らかすの本当にカス、二期の最初に墓で飲んでたのはマジでどういう感情なんだよあいつ -- 名無しさん (2025-02-05 10:00:48)
#comment
#areaedit(end)
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CV:[[檜山修之]]
キャラクターデザイン:Niθ
二つ名:&b(){&color(indigo,dodgerblue){&ruby(メイホウケッサツ){鳴鳳決殺}}}
*概要
初登場は第1期の4話。[[凜雪鴉]]が世話になっているという老人・廉耆の前に立ち塞がった。
切れ長の鋭い目をした、凜雪鴉とはまた別の意味で美丈夫であり、左目にはシースルーの布が巻かれている。
物騒な肩書きの割には装飾が華美で、いわゆる「ヴィジュアル系」の見た目。
東離にはその名を知らない者はいないほどの悪名高き&b(){「剣鬼」}であり、裏の世界では随一の剣術を持ちながら、それを残虐な殺人のためにのみ振るう殺し屋として恐れられていた。
「剣の道は必然の探求」が信条であり、出会った者を一目で「如何に戦い、如何に斬るか」のシミュレーションを脳内で行い、殺す機会を心待ちにしている。
即ち、出会った人間全てを殺さずにはいられない性質であり、「それらは全て必然」と絶対の自信を持つ。
だが、今は掠風竊塵こと凜雪鴉の抹殺のためだけに彼を付け狙っており、彼の縁者や接点のある者を片っ端から当たっては殺している。中には本当に居場所を知らない者もいたが、その件に関しては全く気にも止めていない。
凜雪鴉には並々ならぬ恨みを抱いており、第1期の1年前、「命より重いもの」を奪われたから彼を絶対の標的とし、追い続けていた。
一方で、凜雪鴉は「心当たり」はあるものの、逃げ足の速さを活かしてのらりくらりと立ち回っていたようだ。
*戦闘面
我流の剣術を極めており、2本の剣を完璧に操り、敵を確実に仕留める。
前述のように戦闘での直観力が凄まじく高く、一瞬の脳内での戦闘シミュレーションから、自身の勝利の道筋を完璧に掴むことが可能。
ただし、最終的に対峙した[[蔑天骸]]には自分の敗北しか読み取ることができなかった。
**必殺技
・殺劫・百鳥朝鳳
大量の気功を短剣の形に形成し、敵の周囲を取り囲んで放つ。この時、本物の暗器も一緒に放つとより効果的。
・殺劫・黑禽夜哭
他人が放出した闘気を吸収して自らの気功に上乗せする秘技。劇中では獵魅を瞬殺した。
*過去
かつて殺無生は名家の生まれであったが、彼の数奇な運命はその誕生から始まった。
出産当日には、家の庭で邪鳥、鬼鳥が鳴き喚き、それが凶報だったかのように、出産直後に母親が死亡。
産婆は咎を助手に押し付けようとしたが、それにより口論が殺し合いに発展。異変に気づいた父親が目の当たりにしたのは、死体の山と血の海で産声を上げる赤ん坊の姿だった。
これにより父親は発狂し、赤ん坊の頭を割り、剣道場も兼ねていた寺に我が子の討伐の依頼の手紙と共に、赤ん坊を置き去りにした。
こうして、不憫に思った道場の主である鐵笛仙により命を救われた赤ん坊は、殺無生と名付けられ剣の道を極めるようになった。
だが、結局生まれの暗い影と殺人剣の追求に心を奪われた彼は師匠と袂を分かち、殺し屋稼業と道場破りの日々に身をやつす。((虚淵玄氏曰く「クラウドファンディング道場破り」をしていたとのこと。))
そんな折、知り合ったのが、同じく東離で悪名を轟かせていた盗賊・凜雪鴉だった。
凜雪鴉の用心棒を務めていると凄腕の剣客が次々と現れるので退屈はせず、また凜雪鴉自体にも好感を抱くようになったので自然と彼の側に居座るようになる。なお、「掠」の愛称でも呼んでいた。
そんなある日、殺無生は凜雪鴉から、&b(){&color(snow,paleturquoise){「殺し屋以外の別の道は進まないのか」}}と問われ、&bold(){「別の名前で剣の大会に出て汚名をすすぐ」}ことを提案される。
そうして彼は、奇しくも元師匠の鐵笛仙が主催する劍技會に出場。
凜雪鴉から付けられた「鳴鳳決殺」の名前で出場した彼は、初戦の殘凶が降参したこと((この時、殘凶との再戦を約束したが、彼とは再会せずして命を落とした。))を機に「相手を殺さずして勝利を得る」ことにも好感を覚え、可能な限り殺さずして勝ち進む。
大会で優勝した暁には、凜雪鴉が冗談混じりに提案した、道場を開くという真っ当な道すら夢見るようになった。
しかし、鐵笛仙との決勝戦で、彼からの強烈な殺意を受けて雲行きが怪しくなり、いよいよ殺人剣を解放することになったが、突然飛んできた矢に足を撃たれた鐵笛仙は、殺無生の剣に体を貫かれて絶命。
この時、鐵笛仙からは&bold(){「何故こんな卑劣な真似を」}と詰られた挙句、&bold(){「こんなことならお前を助けるのではなかった」}と呪詛までかけられてしまった。
そして、殺無生は覚えのない「度重なる反則」により衛兵達に処刑されそうになる。
そこで追い打ちをかけるように、凜雪鴉が&b(){&color(snow,paleturquoise){「劍技會で起こった諸々の不可解な出来事は自分の仕業であり、全て殺無生を陥れるためのものだった」}}と暴露してしまう。((まず狩雲霄を弓矢で暴れさせて大会を中止させ、鐵笛仙には「首謀者は殺無生」と吹き込み、大会を殺無生討伐のためのものに変えておく。更には矢で怪我をした殘凶、毒を盛っておいた参加者と対決させて殺無生の卑劣さを仄めかしておいて、仕上げに鐵笛仙を殺させる。殺無生に放たれた矢は談笑ついでに笛に改造し、証拠を隠滅しておく。))
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なお、凜雪鴉が劍技會を潰したのは&b(){&color(snow,paleturquoise){「たかが殺人剣の優劣のために名誉だと抜かすのは虫唾が走る」}}という、自分が剣技を極めたが故の完全な逆恨みである。
衛兵達を皆殺しにしたものの、[[狩雲霄]]の放った矢によって阻まれた彼は凜雪鴉に逃げられ、それ以降、凜雪鴉の抹殺のために縁者と思しき者を片っ端から殺すようになったのだった。
*殺無生の「驕慢」
この殺無生に対する凜雪鴉の仕打ちは&b(){「あまりに酷過ぎるのでは?」}とファンの中では議論の的となっている。
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ちなみに、殺無生の声を担当した檜山氏も、&b(){「ひっでぇ…」}と悲痛なコメントをこぼしている。
殺無生の過去を描いた小説の原作はシリーズの総監修を務めた[[虚淵玄]]氏ではないこともこの説に拍車をかけた。しかし、映画版は虚淵氏が脚本を担当しており、多少の台詞回しは変更しているが、大筋に大差はない。
しかし、殺無生は生来の「剣鬼」であることは明白であり、出会った剣客を殺さずにはいられないのが彼の性分であった。
そして、自身の剣技には何より大きな矜恃を持っていたのも事実である。
それでも、彼に「驕慢」があったとすれば、「凜雪鴉が自分の最大の理解者である」という思い込みだろう。
その思い込みから、凜雪鴉に友情を感じた彼は自分の過去を喋ってしまい付け入る隙を与え、結果彼に陥れられ、これまでの友情と信頼は凜雪鴉の「遊び」に過ぎないと思い知らされた。
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現に、映画版のエピローグでは「自分を笑った」と言いがかりをつけて凜雪鴉の被害者を殺しており、彼の執念は「汚名を着せられた復讐」によるものでも「師匠を殺された復讐」によるものでもない。
すなわち、凜雪鴉が奪った殺無生の無自覚の驕慢、それは敢えて言うなら&b(){「絶対だと思い込んでいた信頼関係」}であったのだ。
なお、凜雪鴉は殺無生の殺人衝動を更生させるのは不可能だと断じており、交流時代に彼をその気にさせた道場を開く案は全て出鱈目。
寧ろ殺人鬼としての殺無生に好感すら抱いている。
更には「私への執着により迷いを断ち切れたのだから感謝して欲しいくらい」と身勝手極まりない言い訳をしている。
*活躍
**第1期
凜雪鴉の手がかりを察知し、彼と会う約束をしていた道具作りの名手・廉耆を待ち伏せる。
ちなみに、廉耆が凜雪鴉と合流するという確証はなく、&b(){&color(indigo,dodgerblue){「廉耆がまだ凜雪鴉と縁がある」「凜雪鴉の居所を訪れる」「その手がかりを廉耆が持っている」}}というほんの僅かの可能性に賭けて、彼を最初から殺すために待ち伏せていた。
これに対し廉耆は「馬鹿馬鹿しい理由」「貴様の命が軽い」と侮蔑するが、凜雪鴉の所業を考えたら説得力がない。&s(){さすがはあの凜雪鴉の盟友である}
そのまま二人は剣を抜いての殺し合いとなるが、最早勝負にもならず、殺無生は廉耆を殺害し、彼が持っていた「迴靈笛」を奪った。
そのまま、彼は廉耆が本来、凜雪鴉と落ち合うはずだった寺に待ち伏せ、凜雪鴉と同行していた[[殤不患]]達とはそこで初対面した。
早速凜雪鴉を殺そうとしたが、阻止しようとした[[狩雲霄]]、[[捲殘雲]]、[[刑亥]]と戦闘になるも一歩も譲らず、結果凜雪鴉の判断で一同は撤退する。
迴靈笛は魔脊山のトラップの一つである闇の迷宮を抜けるために必要だったため、殺無生を如何に攻略するかが一同の難問だったが、その夜、殤不患が殺無生の泊まる宿に説得に現れる。
放っておけば捲殘雲が翌朝、無謀な勝負を挑もうとしたからだ。
奇しくも、殺無生は昼間、唯一自分の力量を見計らい、戦いを静観していた殤不患を「只者ではない」と思い、彼との戦いを望んでいた。
話し合いは平行線となり、二人がまさに戦おうとした瞬間、凜雪鴉が現れ、提案を持ちかける。
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この無謀な提案を殺無生は快諾し、冷やかしがてらに旅の仲間に加わったのだった。
魔脊山では上陸直後からその剣技を大いに披露。
先陣を切った捲殘雲をあっさり追い越し、玄鬼宗幹部の獵魅を軽々しく討ち取った。&s(){OPであれだけ狩雲霄のライバル感出しときながらこんな退場と相成った獵魅ちゃん、マジドンマイ}
しかし、道中では「笛を吹くのが役目」として特に戦闘はせず、殤不患の奮闘も高みの見物を決め込むだけだった。
この時、殤不患の剣の切り口が「荒すぎる」ことから、「一流の剣士ではない」と判断し、彼の評価を下げている。
ちなみに、殤不患は木刀に気を流して切れ味を作るという達人級の離れ業を披露していたのだが、剣に執着していた殺無生にはそれが見抜けなかった。
闇の迷宮を迴靈笛を使って通り抜けた殺無生達は、凜雪鴉の罠で蔑天骸に捕まった丹翡と殤不患を見て、ようやく得心がいく。
凜雪鴉や「仲間」達の裏切りに嘆く丹翡には、&b(){&color(indigo,dodgerblue){「そもそも最初に疑うべき一人を間違えた」}}と、同じく凜雪鴉に騙された境遇として彼女を憐んでいた。
やがて、天刑劍を手に入れたい狩雲霄と刑亥が策を巡らす中、殺無生は一同から離れ、七罪塔に正面から侵入。
玄鬼宗の郎党らを次々と殺戮し、蔑天骸の歓待を受けていた凜雪鴉に真っ向から対峙する。
凜雪鴉は&b(){&color(snow,paleturquoise){「闇の迷宮を一緒に抜けてはいないから契約は不成立」}}と屁理屈をこねるが、殺無生には通用しない。
だが、ここで彼は「目的」を変えた。
**剣鬼としての生き様
凜雪鴉の始末は先送りにして、目の前にいる「剣の覇者」たる蔑天骸がそこにいたからだ。
彼は蔑天骸との「剣の真髄」を問うための果し合いを望み、蔑天骸もそれに応じる。
#center(){
&font(18px,b){&color(whitesmoke,black){八手……いや、九手で詰みか。}}
&font(18px,b){&color(indigo,dodgerblue){然り。三手を交え五合を打って、次の九手目が……答えだ。}}
}
凄まじい剣戟の後、背後からの蔑天骸の一撃で致命傷を負う殺無生。
最早勝負の結果は目に見えていたが、殺無生は「必然の探求」として、実際に負けなければ気が済まなかったのだ。
そして、彼は仇敵・凜雪鴉を見ながら不敵に笑う。
#center(){
&font(18px,b){&color(indigo,dodgerblue){凜雪鴉、次も俺が先回りして待ち伏せだ。}}
&font(18px,b){&color(indigo,dodgerblue){貴様とて冥土の旅路は避けられぬ。フフフ、待っているぞ……。}}
&font(18px,b){&color(snow,paleturquoise){ああ、いずれはな。}}
}
そうして倒れた殺無生は、凜雪鴉に抱えられ、凄絶に命を散らした。
この出来事に、凜雪鴉は「自分より強い者と戦えて本望だろう」と語り、感傷には浸らなかった。
蔑天骸は、同じ剣客としての殺無生に敬意を表し、丁重に荼毘に伏すよう部下に指示。
彼の遺体は魔脊山の一角に埋められ、得物の剣が墓として建てられたのだった。
*その後
あの世で凜雪鴉を待つと宣言した殺無生だが、凜雪鴉は暫く死ぬつもりは露ほども思っていなかった。
更には、蔑天骸相手に凜雪鴉は凄まじい剣術を披露し、「殺無生を退けたはずなのに何故逃げ回っていた」という問いに対して、
&b(){&color(snow,paleturquoise){「あの男は自分より強い奴を求めていたのだろう?私を殺したがっている男を悦ばせる理由がどこにある」}}と、どこまでも殺無生を玩具以上のものとは思っていないと強調している。
第2期以降は、[[婁震戒>諦空/婁震戒]]や禍世螟蝗といった蔑天骸以上の実力者がポンポン出てきたにもかかわらず、その恩恵に預かれなかったのも彼の不遇ぶりが現れている。
ただし、凜雪鴉的には殺無生は実に良い反応をしたお気に入りの玩具だったようで、
第3期冒頭では魔脊山侵入の際に「験担ぎ」として彼の墓参りをして親しげに語りかけている。
もっとも、殺無生からしてみたらこれ以上ない嫌がらせだろうが……。
更に第4期で、凜雪鴉は魔神化した刑亥に本気の剣技を見せた際、&b(){&color(snow,paleturquoise){「あの世で殺無生に自慢するがいい」}}と自分の腕前の伝言(?)を頼んでいる。
自分と戦えないことをあの世で悔しがっていろ、ということなのだろうか。どこまでも性格の悪い男である。
*余談
・凜雪鴉との関係性や彼から受けた仕打ちから同情票も含めてファンが多い。
そも、俺が気にかける事柄は一つ。
その時目の前にある項目が俺の追記修正に見合う敵手かどうか。
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- あんな仕打ちを受ければそりゃ殺意も持つよなって過去で驚いたわ -- 名無しさん (2025-01-18 18:00:40)
- あの話の後の殤不患編で、偽殤不患に殺無生について「人間には意外な側面というものがあるのだ!」と言わせるのなんだかにくい演出だね -- 名無しさん (2025-01-18 18:11:21)
- 小説版によると殺無生の驕慢は「殺人鬼の癖に平凡な光ある場所で生きられると勘違いした事」との事 -- 名無しさん (2025-01-18 22:02:33)
- 小説版読んでから本編一期見直すと、何となく凜雪鴉を殺すのを先送りにしているようにも思えた。 -- 名無しさん (2025-01-19 00:26:39)
- 邪鳥鬼鳥の泣き喚く中生まれて、"鬼鳥"によって悪鬼に堕とされるのほんま畜生 -- 名無しさん (2025-01-19 06:56:05)
- まぁ凛の正体を知ったらまぁ「そうなるわな」というね -- 名無しさん (2025-01-19 17:00:50)
- 「剣の道は必然の探求」負けるとわかっていてもそのポリシーに殉じた戦闘狂の鑑 -- 名無しさん (2025-01-19 21:56:21)
- 「あんだけ人を殺しておいて今更そんな道があると思ってるの?」って煽り散らかすの本当にカス、二期の最初に墓で飲んでたのはマジでどういう感情なんだよあいつ -- 名無しさん (2025-02-05 10:00:48)
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