龍虎の拳2(漫画)

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龍虎の拳2(漫画) - (2025/06/12 (木) 21:49:35) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2011/07/17 Sun 20:45:28
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 6 分で読めます

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#center(){サバイバルシティ}
#center(){サウスタウン……}
#center(){謎の暴動事件から一年が過ぎた……}
#center(){平和な日々は忌まわしい事件を忘れさせつつあった}
#center(){一部の者を除いて……}




#center()&font(#ff4500,25px,b){龍虎の拳2}




『龍虎の拳2』は94年から95年にかけて今は無きアーケードゲーム情報誌『ゲーメスト』に連載されていた天獅子悦也の作、画。ゲーメスト編集長の石井ぜんじのストーリー協力による漫画作品(全2巻)。
好評を博した前作『[[龍虎の拳>龍虎の拳(漫画)]]』から間を置かずに発表された直接の続編で、その名の通り『[[龍虎の拳2]]』のコミカライズ作品である。

連載開始時には「理想のコミカライズ作品」と謳われた前作の完成度から来る作者への期待感と、原作となるSNKゲーム『龍虎の拳2』の稼働時期と連載が重なると云うタイムリーさもあって大いに話題を集めたようだ。

肝心の内容も、興奮をもって迎えられた前作を更に凌ぐ内容となっており、新声社から刊行されたコミカライズ作品としては中平正彦の『ストリートファイター』シリーズと並び称される評価を得ている。


 

*【概要】
前作の設定、話題を見事に昇華させたアクションエンターテインメント作品となっており、前作がリョウとロバートを中心に据えた活劇として描写されていたのに対し、本作では前作の戦いで「完成された」主人公となったリョウと、文字通りの「悪の天才」として描写されるギースと云う二人の巨人の対立軸をベースに(この両者は一段上のパワーバランスに置かれるている)、他の登場人物の活躍が余す所無く配置された群像劇となっている。

設定的には、より原作となるゲームに近くなった一方で、前回も好評を得た作者によるリアリティある考察が今回も加えられており、僅かな時間しか登場しないキャラクターであっても、深い人物描写により強い印象を残す事に成功している。

また、群像劇と化した事による見所、名勝負率が高い事でも知られており、内容を知る人間からはゲームのコミカライズ化と云う事実を越えた、格闘漫画としても完成された作品として、高い評価を得ている。

 

*【登場人物】

・[[リョウ・サカザキ]]

&bold(){「武道はゲームと違って終りはない……闘い続ける限り未来がある」}

クールさとイケメンぶりに磨きが掛かった本作の主人公。
一年前のMr.カラテ(タクマ)との激闘の中で秘拳「龍虎乱舞」の境地に致った極限流最強の男。
人を超人に変える「極限流」の中でも、特に恐るべき可能性を秘めたその「力」を畏れてか闘いからは身を引いていたが……。


・[[ロバート・ガルシア]]

&bold(){「オレはただのエエシのボンやない!極限流空手家や!」}

一年前の「組織」との戦いの中で師タクマを奪還……再開された「極限流空手道場」で後輩の指導に当たる一方で、自らの修行を進めていた。
本作では常に一歩先を行く親友リョウへの想いや、自らの極限流空手家としての誇りと云った内面が丹念に描写されており、かなりの男前。


・[[ユリ・サカザキ]]

&bold(){「ガルシア家のドレスはステキだけど……今はまだ極限流の道着が似合う女のコになりたいの」}

一年前の誘拐事件で無力であった自分を恥じて「極限流」を学んだ……と云う設定は原作と同じだが、流石にゲームの様なキャラクター崩壊はしていない。
ロバートの直接指導により、未熟さや非力さを補う闘い方を描写される等、衝撃の変身にも説得力が与えられている他、持ち前の気の強さは正義感の現れから来るものとされている。

 
・[[キング>キング(龍虎の拳)]]

&bold(){「運命とはなユリ……自分に課せられた十字架の重さのことだ!自分の十字架がどれほど重いか知るものは負けはしない!」}

真のヒロインとして名高い。
リョウと共に特に作者に愛されているキャラクターで、対リョウ戦はロマンスにすら見える程。
その闘いに込められた「想い」からか、作中でも屈指の名勝負としてファンからは根強い人気を誇る。
対ユリ戦では、ユリの変身が自分との出逢いにあった事を知って苦笑する等、本来の人間性に触れた描写も多い。
……辛い事情を抱えつつもリョウに挑まずには居られなかった情の深いイイ女。


・テムジン

&bold(){「名刀たって抜き身のままだば人斬り包丁ダス。刀はサヤがあって真の名刀ダスよ!」}

モンゴル出身の移民の男で、貧しい子供達を救うべく「大会」に参加した。
モンゴル相撲(ボフ)の猛者で、港湾の荒くれ者共を腕っ節で従えている磊落な男。
リョウ不在時に「極限流道場」に乗り込み、実力の劣る筈のユリに慢心の隙を突かれて敗れる事になる。
後に父を探すユリに協力する等、街を救うべく「極限流」に協力する。


・[[藤堂竜白]]
&font(#ff0000){※影二にやられました。}
その出番わずか4コマ。前作では貴重な味方ポジションだったのに……。
でも出番がある分だけ『ART OF FIGHTING 龍虎の拳 外伝』が出るまで消息不明状態だったゲームよりマシかもしれない。%%だいたいこの人の娘さんなんて、プレイアブルキャラなのに続編漫画でオミットされちゃったし……。%%

 
・ジャック・ターナー

&bold(){「久し振りだ……うれしいぜえ!もう一度おまえを倒すチャンスがめぐってくるとはよ!」}

一年前の借りを返すべくリョウに挑戦して来る怪力、巨漢のバイカー。
相変わらずリョウの底知れぬ実力に興味があるようで、戦っている最中の彼は実に嬉しそう。
一年前はリョウとキングが協力してやっと倒した程の相手だったが……。
とはいえ覇王翔吼拳まで使わせた上に、メタ的なことを言えば%%ブヨブヨの巨漢のくせに%%扉絵にまで抜擢してもらえていたので、そこまで扱いが悪いというわけでもない。


・ミッキー・ロジャース

&bold(){「オレのカムバックロードを邪魔する気ならKO覚悟でくるんだな!」}

再起を期して「大会」に参加して来たダークサイド・ボクサー。
リベンジを果たす意味もあってか、ロバートに挑戦して来る。
地の利を活かした闘いを見せるが……。


・リー・パイロン

&bold(){「拳には拳を……じゃが刃を向ける相手には本物の鉄の爪で応えるが礼儀じゃろうて」}

「大会」への参加は見送ったが、その裏にある陰謀を感じ取り密かに「極限流」のバックアップを行っていた。
深手を負ったタクマを狙って来た如月影二に“爆弾”を仕掛ける事に成功するも、自らもダメージを受けてしまう。
影二がルール無視でかかってきた事を受け、前作とは違いゲーム準拠の[[鉤爪]]を装備。切り裂きの他、爪一本を使って点穴突きという使い方も見せた。


・リー・ガクスウ
タクマとの漢の友情が胸熱のチャイナタウンの重鎮。
如月影二を羅刹と評した。

 
・如月影二

&bold(){「忍は自らを語らず……故に忍という。だが冥土の土産におぼえておけ……!如月流忍術を!」}

師に当たる人物から聞いた「極限流」を倒すべく米国にやって来た忍者の業を受け継ぐ男。
高度な闘気技と洗練された接近戦の腕前を持つかなりの手練れ。
図らずもコミッショナーの手駒として「極限流(リョウ)」を追い詰める為の手駒として働かされる。


・若い男
恐らくは30前後の中国拳法を学ぶ青年。
チャイナタウンを出るタクマを護衛する役を買って出るがその正体は……?
閃光拳なる、気をまとった技を使う。


・[[タクマ・サカザキ]]

&bold(){「天才を越えうるものは殺気!それが格闘の本質なのだ!」}

嘗てMr.カラテの名で恐れられた地上最強の男。
一年前の戦いの後に息子達の許に戻り「道場」を再開していた。
……一方で、長年の闘いによるダメージの蓄積からか以前の様な実力を発揮出来なくなっており、奇襲を仕掛けて来た如月影二に深手を負わされる事に……。

 
・ジョン・クローリー

&bold(){「野良犬と生粋の軍用犬の戦闘能力の違いを教えてやる!」}

戦友ジェームズ(Mr.ビッグ)の計画に加担し「大会」を混乱させる為に乱入して来る。
一年前の戦いではロバートの実力を侮り敗北しているが、本作ではCQB(接近戦闘)のプロとしての実力を遺憾なく発揮……ミッキーを難なく撃破しガルシア家の本宅に侵入してくる。
前作では披露できなかったゲーム中の必殺技も、本作では遺憾無く発揮してくれる。


・Mr.ビッグ

&bold(){「このビルをきさまの巨大な墓標にしてやる!帝王気どりも今日までだギース!」}

「組織」の大幹部だが、一年前の「黒い金曜日」作戦を「極限流」と裏切り者によって阻まれて以降は姿を消していた。
裏切り者の開催した「大会」を利用し、自らの居場所を奪った裏切り者=ギース・ハワードを倒そうとするが……。


・[[ギース・ハワード]]

&bold(){「ギース・ハワードは生まれついての支配者だ!誰の部下だった事もない!」}

サウスタウンの完全な支配を目論む「組織」の若き大幹部。
一年前のMr.ビッグの計画を利用し、ほぼ「組織」を支配する事に成功しており、自らの支配をより完璧な物とするべくコミッショナーとして今回の「大会(THE KING OF FIGHTERS)」を開催する。
……今作の影の主役とも呼ぶべき人物で、作者が惚れぬいたキャラクターでもある。
真の「天才」の理論を聞かせてくれる。

 


*【余談】
前作の項目でも触れたが、版元の新声社の倒産以降は復刊が叶っていない事を嘆く声が非常に多い。
実際に目にした事がある人間は勿論、噂のみで聞いた人間までをも虜にしているらしく、天獅子悦也の名前を目にする機会も多くなった今こそ……と思わずには居られない。
その後、2025年4月に、本作含め天獅子氏が手掛けた龍虎の拳シリーズが復刊ドットコムより電子書籍として配信開始された。

天獅子悦也は、この後もSNKゲームを原作とするコミカライズ作品を手掛けているが、いずれも主人公には悪役や脇役が選ばれており、正統派の本作は寧ろ珍しい構成となっている。


巻末には作者が世界観を深める為に用意した独自の設定資料が掲載されている。
……いずれも納得の出来である。







ギース「生命まで賭けさせられては……追記とはいえんな」

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- 本当ねえ…格闘漫画としてもいい作品なんだわこれ。個人的にミッキーを手玉に取るジョンがすげえカッコいい。挑発して踏み込ませ、パンチをガードしつつローでカウンターのとこが最高  -- 名無しさん  (2022-12-04 17:21:48)
- 如月影二の霞斬りをワイヤーを巻き付けて引き切る技にアレンジしてたのが好き  -- 名無しさん  (2023-05-08 03:53:08)
- ミッキーはもっと見せ場増えてほしかったなぁ。ボクシング漫画で一本やれるでしょ、このスピード感。  -- 名無しさん  (2023-05-08 04:09:34)
- リメイクしたら修羅の門みたいに出来そうなレベルなのよね。  -- 名無しさん  (2025-02-16 21:32:00)
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