一休さん(一休宗純)

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一休さん(一休宗純) - (2025/06/05 (木) 11:05:55) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2012/03/09 Fri 01:47:03
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 5 分で読めます

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1.実在の人物で、室町時代の臨済宗のお坊さん、詩人。

2.1975年から約7年間放送されていたテレビアニメ。一休さんの子供時代の説話が元になっている。
詳細は『[[一休さん>一休さん(アニメ)]]』を参照。


どちらも「このはし渡るべからず」や「屏風の虎退治」等の「頓知(とんち)」で有名である。


※以下、開始早々[[ネタバレ]]














&font(#800080,16){いつから私がとんちを言ったり、屏風の虎を退治したり、橋の真ん中を渡ったと思っていた?}


&font(#ffb74c,16){なん……だと……?まさか……}


&font(#ff0000,b,24){後 付 け だ}



一般的にはとんちのイメージが強い一休さんだが、とんち云々は江戸時代に一休さんをモデルとした『一休咄』という読み物の中の後付け設定が元である。
つまりあのキャラは&font(#ff0000){創作モン}。アニメや絵本等の一休さんは大体これが由来。


*★創作された一休さん
所謂、&bold(){キレイな一休さん}。
大体絵本とかだと幼少期は頓知小僧で、青年期には厳しい修行を経て名僧になっている。アニメだと若干の腹黒さが見られもするが。

幼少期には、決まって和尚や3代将軍足利義満をとんちでやりこめる話が挿入されたり、幼い頃から度胸があり優秀であることが描かれたりしている。
こんな感じで一休さんが描写されるのは親しみやすさを与える為だとか。

因みに実際の一休さんが生まれた頃には、&font(#ff0000){足利義満はもう将軍ではない}。
さらにいうと一休さんが実際に活躍したのは&font(#ff0000){義満の息子である6代将軍[[足利義教]]からその息子の8代将軍義政の時期}である。
&bold(){一休さんの誕生の半年後に義教が産まれており、同世代。}
『大権力者の息子として生まれるも跡取りになれない立場だったので寺に入れられ、学力で頭角を現す』と前半生は共通点が目立つ。


*★リアルな一休さん
前述の通り室町時代の人で京都出身。
実はかなり高貴な生まれの人らしく、&font(#ff0000){父親は後小松天皇、母親は藤原氏の血筋((楠木正成の孫娘を藤原氏の養女としたという説もある))}といわれている。((日本国及び宮内庁の公式見解では後小松天皇の皇子と公認しており、その墓を皇族のものとして管理下に置いている))
だが、天皇の寵愛を受けていた母親を気にくわない人物がいたらしく、罠に嵌められて母親は宮中を追われ、民間に入って一休さんを産んだとされる。

父親である後小松天皇は生涯息子を庇い切れなかった負い目を抱き続けていたらしく、成人した一休を呼び寄せて学問の講義をさせたり、死の間際に皇室に伝わる宝物の幾つかを形見として譲渡したりしている。
一休も天皇の形見を終生大切にしているので、父子の愛情は確かなもの、と世間から見做されるには十分だった様である。

幼名は千菊丸。6歳で仏門に入ってからは周建と名付けられた。
この他にも結構な頻度で名前を変えたらしいが、17歳以降は一休宗純に落ち着いたようだ。
なお「一休」という名の由来は、輪廻転生を繰り返して解脱を目指すという仏教の思想から、
「今の人生なんて、延々続く輪廻の中で、&bold(){ちょっと一休み}しているだけさ」という意味でつけられた。
アニメのアイキャッチで「あわてない、あわてない。一休み、一休み」と言うのはこれが由来か。


こっちの一休さんは詩才に優れ、漢詩も上手く、13・15歳の時の漢詩は周囲から絶賛されていたんだとか。また能筆家としても有名で、彼の書を欲しがって大勢の人が訪れていたらしい。
これらのことからも、かなりの教養人であったことは間違いないようだ。

&bold(){しかし、とんちに富んだ人だったという記録は無いという。}


だがそんな一休さんも一度&font(#ff0000){自殺をしようとしたことがある}。敬愛する師匠の死が原因らしい。
橋の上から川にダイブしようとした寸前に、一休を心配した母親の手の者に止められ、母の愛を知った一休さんは二度と自殺をしようとしなくなった。
因みに一休さんは&font(#ff0000){アニメでも自殺しようとしたことがある}。一応言っとくが子供向けアニメである。


その後はなんやかんや堅い人生を過ごしたらしく、88歳で死去。当時としては超御長寿、現在から見ても大往生である。

なお、悲しいことに歴史的には特に大きなことをした人でもないので、突出して書くことが無い。
絵本等であまり大人時代が描写されないのはこのあたりの事情がある為。
一休さんを歴史的に書くのはこのあたりが限度である。



……そう、歴史的には。
これだけだと、なぜ一休さんが後世まで有名になったかがイマイチわからないだろう。

ではなぜ有名になったかを一言で言うと……。




#center(){&font(#ff0000,b,20){変人だから}}




実際の一休さんはお坊さんにしては変わり者過ぎる人物なのである。
肖像画の外観も&bold(){無精髭を生やした汚いオッサン}みたいな感じである。小坊主時代の可愛らしい一休さんのイメージがぶち壊しになるほど。
余談になるが[[平成教育委員会]]で問題として出された時には、落語家の立川談志に似ていると複数の回答があった。

おまけに、その人柄は自由奔放で奇行が目立つ。&font(#ff0000){そりゃもう頓智話が創作だとか心底どうでもよくなるレベルで。}

実際に一休さんが行ったとされる奇行としては……

・&font(#ff0000){正月に杖の頭にドクロを設え、「ご用心、ご用心」と叫びながら練り歩く。}&br()つまり、周りが正月を祝っている時に&font(#ff0000){「新しい年が来るたびに死が一歩近づいている」}と言ってるようなモンである((アニメ版だと子供のころにこれをやって民衆に石を投げられたという描写になっているが、実際は大人になってからやっていたパフォーマンスである。))。

・様々な由緒ある文書を&font(#ff0000){火中にポイ}。

・仏教の戒律を破るのは当たり前。&font(#ff0000){飲酒・肉食や女犯を行い}、隣には側女がいた。一説には80を過ぎても30歳以上年下の恋人がいた((恋人とのそういう行為を日記に書き表しているほど))とか……お盛んなことで。

・親友である浄土真宗の蓮如のお寺に留守中勝手に上がりこみ、さらに&font(#ff0000){阿弥陀如来像を枕に昼寝}。因みに蓮如からのお咎めはなし(むしろ蓮如も爆笑する始末)。類は友を呼ぶ……。


……もう、&bold(){やりたい放題}である。

彼は天皇の息子と言う最高の血筋と、漢詩の天才と称された学力を併せ持ち、その気になれば出世し放題の人物なのである。

だがこうした行動には深い意味があり、&bold(){仏教の権威や形骸化を批判や風刺、仏教の伝統や教えの風化に対する警告の意味が含まれている。}
実際彼が属した大徳寺は、当時支配的だった五山派の禅宗の腐敗に抵抗し、本来的な立場から慈善活動などを行った勢力である「林下」の筆頭であった。
また幕府の権威に従わないという意思表示もあるかもしれない。

意外な事に、天台宗の歴代座主の中でも最上位クラスの宗教学者から将軍になったと言う異例の経歴の持ち主の[[足利義教]]は一休の事を気に入っていたらしく、此等の奇行も笑い飛ばしていたと伝わっている。
彼は比叡山の根本中堂を焼き払わせる等、既存の宗教組織に厳格な態度を取っていた将軍だったので、一休と同じく仏教組織の抱える諸問題に共感する部分があったとも解釈出来る。

また、一休さんはあの[[応仁の乱]]で焼け野原になった京都を経験しており、その原因である足利義政及びその妻・日野富子のことはボロクソに批判していた。
あの奇行もこういう悲劇があったからこそ始めたのかも……?

やっていることは変人の沙汰だが、その戒律や形式にとらわれない人間臭い生き方は共感を呼び、いつ頃からか一休さんは民衆の人気者になっていったのだ。

こうして、どこの誰かが江戸時代に『一休咄』に代表される頓知咄(とんちばなし)を創作し、
一休さんは今も&bold(){キレイに調整された状態で}語り継がれているのである。


因みに、死ぬ間際に言った最後の言葉は&font(#ff0000){「死にたくない」}だったらしい。


また自身の死に備えてか、弟子達に遺言書が入った箱を残し、

&font(#ff0000){「もしも自分達にどうしようもない困難が降りかかったらこれを開けろ。一度だけ困難から脱却する術が書いてある。」}

と言い残した。

弟子達は「一度しか使えないなら大事に取っておこう。」と思い、それ以後どんな困難も自分達で解決していった。

長い月日が経ち、年老いた弟子達は
「もう大きな困難は来ないだろうし、せっかくだからあの箱開けてみようぜ。」
と思い、例の遺言書を取り出すと、そこには…


#center(){&font(#ff0000){心配するな。何とかなる。}}


とだけ書かれていたらしい。……こんだけ?
弟子達は( ゜Д゜)ポカーンである。

ただ、この話に関しては原典が不明であり、創作の可能性も捨てきれないとか。
一休さん、よくわからん男である……。


さらに余談だが、アニメの方の一休さんは&font(#ff0000){超合金が発売されたことがある}。青年時代はありません。

おそらく、実在の人物(がモデルになったキャラクター)で超合金になった人は後にも先にもこの人くらいであろう。


*★創作での一休さん
-アニメ「一休さん」
昭和の日本が生んだ説明不要の長寿アニメ。

-特撮ドラマ「[[仮面ライダーゴースト]]」
歴史上の偉人の力を借りて戦う平成ライダー。
ゴースト眼魂の一つで、とんち力が高まる。主な使用者は[[天空寺タケル]]/[[仮面ライダーゴースト]]。

-「[[鬼灯の冷徹]]」
閻魔大王に仕える鬼のみなさんを描いたコメディ作品。
あの世の住人で、短髪&ヒゲの実像よりのキャラ造形。
弟子の一人が極卒の中でも偉い人になっており、彼女に会うため、たまに閻魔庁に顔を出す。CV:中博史。




追記・修正は画面の向こうのキャラを現実世界に引きずり出してからお願いします。

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- 髑髏の杖のエピソードは、確かアニメにもあったような  -- 名無しさん  (2013-08-08 08:47:11)
- 某図書エージェントアニメでは もの凄い悪役だった  -- 松永さん  (2013-11-04 19:44:32)
- 上で言ってる「友人のお坊さん」って本願寺蓮如なんだよね。さらにリアクションが「俺の商売道具を枕にするんじゃねえ!」・・・互いに仏教に精通していて気心が知れてるからできる行為なんだろうけどさ  -- 名無しさん  (2013-11-04 19:52:32)
- リアル一休さんって実にロック精神抜群な坊さんだったんだな…  -- 名無しさん  (2013-11-04 19:55:54)
- どこかのシスターが「イエス君自体が『いやおまえらの考えはおかしい』とか言ったロックなやつだからキリスト教もロックだよ」って言ってました  -- 名無しさん  (2013-11-07 23:13:45)
- 女性と関係を持つだけでなくどうやら男の方もいける両刀だったらしい…本当に自由奔放だな  -- 名無しさん  (2014-07-12 00:30:03)
- 破天荒すぎワロチ  -- 名無しさん  (2014-07-12 00:33:08)
- ↑↑そもそも昔の坊主共は「女の股はダメだけど男の尻なら問題ないよね!」みたいな言い訳で色欲発散してたからなぁ。  -- 名無しさん  (2014-07-12 00:45:32)
- 世界的に「乱世になると、ぶっ飛んだ宗教家が現れる」というジンクスがあるそうな。一休さんも、そんな「ぶっ飛んだ宗教家」の一人だったのだろう。  -- 名無しさん  (2014-07-12 00:59:23)
- 心配するな何とかなるって・・・弟子達に対して少々無責任じゃないか?  -- 名無しさん  (2014-07-12 01:01:05)
- 実際、何とかしてきた訳だし。  -- 名無しさん  (2014-07-12 01:02:25)
- 無責任も何も、弟子の問題は弟子の問題だろ。  -- 名無しさん  (2014-07-12 01:06:42)
- 一個だけ持ってた高級な袈裟を見た目で判断した人に事実上寄付した話って実話なのかな?  -- 名無しさん  (2014-07-12 01:10:46)
- 遺言の話でカードキャプターさくらを連想したのは俺だけでいい  -- 名無しさん  (2014-07-12 01:15:06)
- きっと弟子達は遺言書には師匠からのありがたい教えが書かれていると思っていたに違いないだろうな・・・なのにこのオチとは  -- 名無しさん  (2014-07-12 01:19:08)
- 逆に言えば弟子の事を信じていたんだろう。二次元でもよくある話だ  -- 名無しさん  (2014-07-12 07:41:40)
- いやぁ。「心配すんな。何とかなる。」は真理ですよ。「死にとうない」は、「俗極めて悟る」てヤツで。本当に尊敬出来る。因みに側女は盲目だったらしい。名前わすれたけど。  -- 名無しさん  (2014-07-12 10:12:49)
- このアニメのイメージが強くて、日本の坊さんは今でも皆毎日肉も魚も食べず、掃除して、習字の稽古して、托鉢だけで暮らしていると思ってた  -- 名無しさん  (2014-07-15 09:36:36)
- 私が見た子供向けの伝記では、立派な僧になることが自分の煩悩だって言って奇行に走ってたって書いてたけど。  -- 名無しさん  (2014-07-15 10:01:56)
- ↑一般に言われる「立派な僧」が、結局は出世欲の権化だったり(出世しないと立派とは見なされないしね)する姿を見て、なのかも。…考えようによっては、死ぬまで治らなかった厨二病。  -- 名無しさん  (2014-07-15 11:09:22)
- ↑×4ドラクエ3で遊び人のレベル上げたら賢者に転職できるみたいなのかな「俗極めて悟る」  -- 名無しさん  (2014-07-16 16:53:03)
- 悟りを開いたって言われる人物なんだよねぇ。悟った結果が釈迦と真逆な行動な辺り逆も真なりって奴なのかね  -- 名無しさん  (2014-07-16 18:01:07)
- ↑10 最高位である紫の袈裟を見知らん人にあげたって話はあるな  -- 名無しさん  (2014-07-16 18:02:55)
- ↑×2 苦しみから解脱するのが悟り、なので、形は色々ですよ。  -- 名無しさん  (2014-07-16 20:37:04)
- 肖像画見るとなんか談志師匠とそっくりなんだよなぁ  -- 名無しさん  (2014-07-16 21:12:58)
- 品川にも似てる  -- 名無しさん  (2014-07-16 21:29:13)
- 某閻魔の補佐官だと「地獄太夫」という遊女のお弟子さんがいたとかなんとか  -- 名無しさん  (2016-06-08 23:55:48)
- 煩悩無い、煩悩無い♪ 解脱する...解脱する...   -- 名無しさん  (2016-11-04 17:39:31)
- 当時に88歳まで生きたならとんでもない長寿だぞ。相当に頑丈な人だったんだろうなあ  -- 名無しさん  (2016-11-04 17:48:23)
- ↑我慢しない生き方のほうが長生きするってことかもしれないね  -- 名無しさん  (2016-11-04 17:51:35)
- 自分の読んだ伝記だと、「ぐだぐだ経を読んだり座禅してるヒマがあったら一人でも救うために走れ」が悟りだったな。ほんと当たり前のことに人間って気が付かないものだって自分も思ったよ  -- 名無しさん  (2017-10-10 10:31:44)
- 天皇の血筋ってのもあって、破天荒しても周囲があんまりきつく言えなかったのはあったそうな。  -- 名無しさん  (2019-02-26 09:47:04)
- ↑実は足利義満の子という説もある。母親が宮中を追放されたのもそのせいとか     -- 名無しさん  (2020-08-01 03:38:59)
- この方のお墓は宮内庁管轄で一般人は入れないんだよね。  -- 名無しさん  (2020-09-13 21:15:58)
- ちなみにこの項目で出てくる友人の僧侶は本願寺蓮如。この人も僧侶としてはかなりぶっ飛んでいるので恐らく類が友を呼んだのだろう  -- 名無しさん  (2021-10-26 07:17:08)
- 歴史バラエティ系番組内の寸劇で加藤茶(※結婚前)が演じた時は、女性の股間を拝んで命を産むところだからありがたいと言ってた。女性差別をしない人だったと脚本家は言いたかったようだが、史実にしろ伝説にしろ現在のコンプラじゃ放送自体無理そうだ…  -- 名無しさん  (2023-11-28 08:06:28)
- 歌詞は項目凍結の可能性が高まるため削除しました。ご了承下さい  -- 名無しさん  (2024-07-10 00:54:11)
- 信長にしろ水戸光國にしろ遠山金四郎にしろこの人にしろ、庶民には何だかんだで破天荒とか不良な人の方がウケがいいもんなんだな(※ただし功績も残している人に限る)  -- 名無しさん  (2024-07-10 19:14:00)
- ボロい衣と立派な衣の話は創作だったか  -- 名無しさん  (2024-07-10 22:02:10)
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