&font(#6495ED){登録日}:2010/05/02 Sun 01:41:41 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 7 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){&sizex(4){&bold(){死体はきりきざんで畑にまきなさあい&br()それが荒れ地を甦らせる早道じゃからねえ!!}}} &bold(){コウケツ}とは[[北斗の拳]]に登場する悪役の一人。 終章のリュウ編の一番最初のボスキャラとして立ちはだかる。 ボスキャラとされているが、コウケツ自身に戦闘力は無い。悪知恵で立ち回るジャコウタイプの悪役である。 目次 #contents *【人物】 世紀末には珍しく、純粋に知恵だけを使って[[モヒカン]]どもを統率し、大軍閥の長にまでのし上がっていった人物。 組織の経理、領地の経営も基本的には自分の知恵で管理・運営し、荒れ地を農地として復活させて自身の力にしている。 経営者としての実績だけをみれば一流である。 これまた世紀末の世界には珍しく、スーツを着用しており(両肩には[[北斗の拳]]の世界観らしく肩当てがついていたが)、両手の指に趣味の悪い指輪をはめている。まさに成金。 そして、何故か関西弁である。関西出身なのだろうか? しかしその性格は腹黒く、何かしら他人を見下したようなところがある(流石に公衆の面前では隠そうとするぐらいの分別はある)。 荒れ地を甦らせたといっても、それは&bold(){投入した農奴全員が過労死する}ぐらいのすさまじいブラック経営の結果、果たされたものであり、 しかも冒頭のセリフのごとく、農奴は死体さえも利用しつくそうとするなど、他者に対する共感や理解などはまったくない。 初登場時の時間軸ではすでに一軍閥の長ではあるが、一本の信念で立つような人物でもない。 一国の主のくせして、なぜか「長いものには巻かれろ」といった言葉が合うような人物でもある。 かつて拳王軍に所属していたが、どう見ても戦闘向きの人材ではなく、もっぱら[[馬]]係を任されていた。 でも拳王軍の馬ってあの[[黒王号>黒王号(北斗の拳)]]かリュウガの白馬ぐらいしかいないから、その係ってけっこうすごくね? 自身もそのことは自覚していたらしく、おべっかで成り上がろうとしており、[[ラオウ>ラオウ(北斗の拳)]]に媚びを売ろうとしたが、 逆にその態度が逆鱗に触れ、蹴っ飛ばされた上に&font(b,#762f07){「二度とそのツラを見せるな」}と一喝された。 武闘派揃いの拳王軍ではやはり軽蔑されてきただったようで、元上司のジンバ曰く「オレに張り倒されていつも小便をチビっていたわ!!」とのこと。 この頃の経験が体育会系への憎悪と[[ルサンチマン]]を育んだと思われる。 ただ、こうしたラオウからの罵倒やモヒカンたちの軽蔑の中で育ってきたからか、意外にも&bold(){人の情}に通じている部分もある。 もちろん善の方向ではなく&bold(){悪の方向}に全振りではあるが、 かつては武力の無さから軽蔑されていたはずなのに、現在ではその武力ではるか上の[[モヒカン]]たちを完全に統率しており、 後述のように元拳王軍幹部のジンバを瞬殺、同・バルガを効果的に使って人々の心を折る、 モヒカンたちではできない発想と冷酷さを垣間見せて、側近のモヒカンを&bold(){恐怖交じりに絶句させる}など、 「おべっか使い」だったころの拳王軍時代の彼と比較するとあきらかに成長している。 薄汚い小悪党であることは間違いないのだが、それでいて一章のボスキャラを張れたのだから、やはり&bold(){ただものではない}。 *【本編での活躍】 [[ケンシロウ>ケンシロウ(北斗の拳)]]が[[ラオウ>ラオウ(北斗の拳)]]の遺児・リュウを連れて旅に出る日のこと。 挨拶に回っている最中にリュウの乳母であるハクリ夫妻の土地を横取りしようとコウケツの部下が襲撃。 伝染病を患う者たちが暮らす隠れ里を浄めるべくコウケツ一味は[[火矢で村を焼き払い>汚物は消毒だ~!!]]、ハクリ夫妻は命を落とす。 残虐な行いに怒ったケンシロウ&リュウはコウケツに復讐を決意する。 一方町ではコウケツの部下・キスケが[[リンゴ>リンゴ(果物)]]など多数の農作物を見せつけてコウケツ農場で働かないか、と人々を勧誘しており、ケンシロウ及びその他大勢がその話に乗ってトラックに乗り込む。 しかしキスケの勧誘は嘘であり、その実態は連れてきた人間を農奴として死ぬまで働かせるというものであった。 かつての上司(?)だったジンバがコウケツ農場を奪おうとするも、すでに元ジンバの部下を組織内部に組み込んでおり、彼らの手によってジンバをボウガンで射殺させる。 &bold(){「食わせれば狼もブタになる!!」} &bold(){「狼の時代は終わった! 今は狼を番犬として飼う時代よ!」} 連れてきた皆を巨大な岩が転がっている草一本も生えていない荒野であるレッドバレーに送り、 そこでかつてラオウ軍で名を馳せた&bold(){名将・バルガ}がコウケツに従って農奴になっている姿を見せて人々を絶望させる。 しかしリュウによる人質(農奴の子供たち)の解放や農奴の反乱により劣勢に立たされる。 コウケツのいる場所にケンシロウとリュウが乗り込んでくるが、ケンシロウを自身が[[薬物を投与しまくって>ドーピング]]作り上げたマイペット(見た目は[[フランケン>フランケンシュタイン(1931年の映画)]])に相手をさせ、 リュウと二人で特別製のシェルターの中に閉じこもる。 ちなみにこのシェルターはコウケツ曰く10tの[[コンクリート]]と[[鋼鉄材>鋼(金属)]]を使っており、[[爆弾]]の爆風をも跳ね返す代物らしいが&bold(){ケンシロウの拳によって割とあっさり破壊された}。 シェルターでコウケツは自身がラオウにされた屈辱的な行いを回想し、その恨みを晴らすために連発式の[[ボウガン>弓]]でリュウを殺そうとするも(とことんみみっちい男である)、 マイペットごとシェルターをぶち破ってきたケンシロウに止められる。 その後、最終兵器・&bold(){&ruby(きじゅうけん){覊獣拳}}と称するマイペットの頭部に乗り「こ奴の肉体とワシの頭脳で最強」の合体を果たし[[トンファー>トンファー(武器)]]を使う&bold(){&ruby(はんぐはこん){煩苦覇棍}}で戦ったものの、 読者のおおかたの予想通りマイペットはケンシロウの[[手刀>チョップ(プロレス技)]]で真っ二つになりあっさり死亡。 その時にようやく自分の相手がケンシロウであることを知り、逃げ出す。 這う這うの体で逃げ延びたコウケツは後述のトラップのある部屋に入り、ケンシロウをおびき寄せて殺害しようとするが、 最後はケンシロウが壁を殴って落ちてきた食料を受け止めたことで自分自身が罠にかかり命を落とした。 &bold(){&font(#0000ff){「きさまにはドブネズミらしい最期こそふさわしい」}} *【余談】 **●死因のトラップ コウケツの用意していたトラップは “自分の体重以外の重さのものが部屋に入ったら、床から無数の[[槍]]が飛び出て串刺しにする” というものであったが、 ・コウケツ自身の体重が増えたらどうするの? ・備蓄している食料に傷付くだろ… ・むしろ食料入れる時どうするの? という具合に実にツッコミ所が多い。 それでも[[某五車の星>南斗五車星(北斗の拳)]]のトラップよりレベルが高く感じるが。 上のツッコミに対しても、体重は毎朝測って設定しなおす、食料運搬時はスイッチを切っておく、などの方法は考えられる。 また命の危機となれば食糧が傷ついてもいいと割り切ったのかもしれない。そもそも食べ物に穴が開いたって、料理するぶんには問題ないし。 **●食への意識・世紀末の必要悪? コウケツのセリフに &bold(){「食べ物を粗末にする奴は生かしちゃおけねえ…」} というセリフがあるが、 [[聖帝様>サウザー(北斗の拳)]]「今日のは口に合わぬ!!」ドカ~ン と比べてみても彼の食に対する意識はかなり高いものだと見てとれる。 世紀末の食糧事情からさも当然のセリフに思えるが、これは現代の飽食の時代における我々への警鐘なのではないだろうか。 是非とも今の小学生やらに聞かせたいセリフの一つである。 また、彼の言う「狼を番犬として飼う時代」とは、「食糧を奪い合う時代の終わり」「労働の対価によって食糧を手に入れる時代の始まり」とも取れる。 彼の台頭は、第2話で種モミを手に[[ミスミ>ミスミ(北斗の拳)]]が語った夢「食糧の安定供給を通じての平和」が叶いつつあるという希望の光なのかもしれない。 方法はどうあれ、世紀末の荒野に緑溢れる農地を復活させた手腕は本物。 読者の間でも ・コウケツ自身も少なからず苦労と試行錯誤をしていたはず ・これだけの成果を挙げるには多少の無茶はやむを得なかったのでは? ・実際問題、荒野を甦らせる手法自体は間違っていなかった などの意見も散見され、彼の存在は世紀末の荒廃した自然と社会を復活させる過程で生まれる必要悪とする見方もある。 私欲に走った行いや数々の非道な手段こそ許されるものではないが、その根底にある思想は新たな時代の幕開けを感じさせる。 「ここをこー編集してえ、するとこうなるわけや」 「ぷ~!!まわりはほんとバカばっかしや!!」 「カカカカカカ!!ええ項目になったの~ほほほ!!」 「コウケツ様!!」 「は!!な…なんだね」 「登録語句一覧に新しい語句が登録されていました」 「で……いくつが[[クソ項目]]だ!?」 「今回見た登録分全てです!!」 「プッ…くく…」 「今削除依頼を出しているところでございます」 「なに!?それは間違いよ!!」 「[[クソ項目]]は追記・編集しなさあい。それが荒れた項目を甦らせる早道じゃからねえ!!」 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,17) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 体重反応トラップは毎日測定した結果に変えてたり、備蓄の際は止めているのでは? というか世紀末なんだから赤外線とか監視カメラが用意できんかったから簡易物で済ませたとか -- 名無しさん (2013-08-09 22:57:47) - 正直 ラ王不在でヒャッハーな拳王軍を金の力?で再び組織化したんだから 世紀末に貢献してた気がする -- 松永さん (2013-08-09 23:11:29) - ヒャッハー!ミズダー!から買収が成立するレベルにまで経済観念を復興させていたのを見ると何しとんねん世紀末救世主としか言いようがないw -- 名無しさん (2013-08-10 04:00:38) - 吐き気を催す邪悪なやつら(と同時に愛すべき外道ども)がウヨウヨいた世紀末に於いて、こいつは悪党ではあってもいわば必要悪だったのではないかと思わずにいられない。彼の最期はケンシロウという方向性の異なる必要悪に喰われたもの…と考えるとかなり切ない…って考え過ぎかな? -- 名無しさん (2013-12-15 15:32:19) - 拳王軍の非戦闘部門代表…でいいのか? -- 名無しさん (2013-12-15 16:38:59) - 悪党なのに変わりはないけど、無闇やたらに略奪や搾取をしてなかった分、そこいらの野盗よりはマシだった気がする。やり口が下種いけど -- 名無しさん (2013-12-15 18:17:29) - ↑良心じゃなくて悪知恵の1面なんだよなあ -- 名無しさん (2014-09-17 09:03:49) - 項目の最後、上手いw -- 名無しさん (2014-09-17 11:42:23) - 欲しいものは力で奪う。が常識だったモヒカン連中を金の力で従わせるなんて、何気にとんでもないことをしてるんだよな。いったいどうやったのか、マジで気になる -- 名無しさん (2015-10-26 10:56:19) - ↑拳王軍全盛期のトップ5だったバルガ様を初めとした拳王軍残党を人質で私兵化出来て、略奪、侵略の心配はほぼ無くなっていた 後は労働と引き換えに安定した食料供給を見せれば人は寄ってくるでしょう -- 名無しさん (2016-03-29 19:01:17) - ↑続き 力無き者は今日の命もおぼつかないあの時代、働けば最低限でも飯が食えてモヒカンに怯えなくていいなんて一応好条件とは言わんでも妥協の範疇には入りうるだよ… -- 名無しさん (2016-03-29 19:06:05) - なかなか凄い事をしてるのに「不必要に敵を作らない」という知恵は無かった様子 -- 名無しさん (2016-07-23 22:10:02) - いろんなところで言われてるが「死体を肥料に」を知ってか知らずか先に実践してたのはケンシロウ本人 ミスミのじいさんの墓には人型に種もみが実っているんだろうか -- 名無しさん (2016-07-23 22:15:24) - 上の表現で『必要悪』という表現があったが言いえて妙だと思う、そんな悪党。同時に彼の存在は作中の世界が世紀末の混乱を乗り越えつつある証拠かもしれん -- 名無しさん (2016-12-18 12:44:26) - そもそも戦士でもないこいつが、なぜ拳王軍に所属していたのかが不思議だ。まあ悪知恵を使って、拳王軍に取り入ったと思うけど -- 名無しさん (2018-02-24 09:29:41) - おそらく土中の栄養が低いであろう世紀末で虫の湧きやすいりんご栽培を成功させたりマイペットを改造したりと薬に関して得意だったのかもしれない。もしかしたらメディスンシティーで働いてたんかも -- 名無しさん (2018-06-10 15:26:12) - リンゴ作れるならカレー大好きサウザー(イチゴ味)に採りいれるかも -- 名無しさん (2018-06-10 19:01:34) - 彼の不幸は、配下を奴隷、道具としか考えられなかったことだな。ちゃんと人間らしい待遇を与え、現代社会の上司と部下レベルに接してやれば、あんな結末を迎えずに済んだろうに。 -- 名無しさん (2018-08-05 07:28:58) - もしコウケツとジャコウが組んでいたら農業力と工業力の両面からガチで文明復興できたかもしれん。住民にとっては地獄だろうけど -- 名無しさん (2019-07-14 23:49:13) - 斎藤「だが、壬生の狼を飼うことは、誰にもできん!!」 -- 名無しさん (2019-07-15 13:36:58) - レッドベレー時代のカーネルが言っていた、「腐ったブタ」に似ている -- 名無しさん (2019-08-12 07:41:16) - 思えばカイオウを最後に初見時でケンと対等かそれ以上の拳力を持ったボスキャラは登場しなくなるけど、コウケツはその一番手として象徴的なキャラクターだとは思う -- 名無しさん (2019-08-12 07:51:48) - 有能ではあるがコイツを皮切りに悪党が経済で世界を牛耳る世の中になったら、ある意味北斗以上に悲惨なサイバーブルー的世界のできあがりなんだろうな… 何が言いたいかって言うと、暴力の時代を健全に終わらせるために、ケンシロウ、もっと仕事せい、と -- 名無しさん (2019-08-12 20:13:50) - > 彼の食に対する意識はかなり高いものだと見てとれる。 その数コマ前に反乱の報告聞いた時には食べ物飛ばしてましたよね? -- 名無しさん (2020-02-19 13:48:15) - 天の覇王の項目見たら黒王号以外にもついてきた馬がいたらしい 後付けではあるが… -- 名無しさん (2020-09-26 11:17:01) - 文官による統治は決して悪い事ではないんだけどな。 -- 名無しさん (2021-04-10 07:16:15) - モヒカンどももいつまでも略奪ばっかの不安定な生活は嫌、自分らが奪えば奪うほど製作者はモチベを失いいつかは奪うものすらなくなるんじゃないか…という不安な心理を突いて従わせのかな…?農作物を耕せるコウケツをケンシロウが倒しちゃったからまた略奪生活に逆戻りになるが… -- 名無しさん (2021-08-23 21:20:19) - 北斗の大ファンが、こいつに転生していれば、かなり平和の世界ができてたかもね。反省して、部下たちの扱いもよくするだろうし。 -- 名無しさん (2021-08-25 09:26:50) - いろんな意味で北斗の拳を終局を感じさせるキャラ。ここら辺からぼちぼち終わらせましょうかって話になってたのかな。変化球的な話になっていくし -- 名無しさん (2022-02-22 08:31:40) - 拳王軍の築いた屍の山のあとに緑が芽吹いていたことから土地を甦らせるアイデアを得たのかもしれない。 -- 名無しさん (2022-06-28 07:10:02) - 拳王軍の馬係を勤めていたことを察すると元は獣医か軍医だった可能性がある -- 名無しさん (2024-01-27 11:37:14) - 死者を利用してでも荒地を開墾しようとした、正に名前通り高潔な精神を持った漢 -- 名無しさん (2024-12-23 22:11:27) - 組織の運営能力だけで言えば作中トップクラスだと思う。ケンシロウと関わったのが運の尽き -- 名無しさん (2025-05-22 14:01:54) #comment #areaedit(end) }