ヘイラバズのドルイド/Harabaz Druid(MtG)

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ヘイラバズのドルイド/Harabaz Druid(MtG) - (2024/11/05 (火) 13:31:06) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2011/02/16(水) 21:12:15
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#center(){&font(#007700){「宝には興味がありません。地が私を招き、そこに私の歩む足が触れる間は休むわけにはいかないのです。」}}



[[マジック:ザ・ギャザリング>Magic the Gathering]]に登場するカード。
[[緑>緑/Green(MtG)]]のクリーチャー。ゼンディカーブロックのワールドウェイクに収録され、レアリティはレア。

以下カードテキスト。

>&bold(){&font(#007700){ヘイラバズのドルイド/Harabaz Druid (1)(緑)}}
>クリーチャー - 人間(Human) ドルイド(Druid) 同盟者(Ally)
>(T):あなたのマナ・[[プール]]に好きな色1色のマナX点を加える。Xはあなたがコントロールする同盟者の総数である。
>0/1

いわゆるマナ・クリーチャー。好きな色のマナを出せる点は[[極楽鳥>極楽鳥/Birds of Paradise(MtG)]]と似ている。

だがこのカードは同盟者の総数と等しい数のマナを生み出すことができる。
その点でも《宝革スリヴァー》と似ているように見えるが、こちらに至っては&bold(){この1枚で同盟者の数と同等の色マナを確保できる}のである。つまり同盟者が3枚出ていれば&bold(){タップするだけで3点の、しかも好きな色のマナを生み出せる}。
戦場に《ヘイラバズのドルイド》が2枚だけなら、それだけで4点のマナを生み出せる。これらは上記のマナクリたちにはない利点だ。

同盟者は「他の同盟者が戦場に出ること」か「自分がコントロールしている同盟者の数」を参照するカードが多い。
そのため自然と頭数が並びやすいので、このカードで3~4点のマナ加速は容易に可能である。
好きな色のマナを出せるため、同盟者の多色化にも大きく貢献してくれる。そして《カズールの大将軍》《変わり樹のレインジャー》などの重めの同盟者、当時スタンダードに存在していたキッカー持ちのカード、重量級のエルドラージなどにつないでいくことも視野に入る。
つまり&bold(){このカードが存在するだけで、同盟者の戦略は大きく幅を広げる}のである。


当然だが弱点は除去である。2マナ0/1という貧弱スタッツで大量にマナを生み出す能力なんて、「除去してください」と言っているようなもの。
ただでさえ部族デッキは全体除去に弱く、当時は《審判の日》《消耗の蒸気》《弱者の消耗》をはじめとして&bold(){全体除去が跳梁跋扈していたのでその点で大きな逆風を受けていた}。同盟者にろくなトーナメント実績がなかったのはこういう事情もある。
《ヘイラバズのドルイド》は確かに他に同盟者がいるときにはマナを産みだすが、&bold(){こいつ1人だと《ラノワールのエルフ》より弱い}。
つまり盤面のリカバリーの足掛かりにするには相当弱いカードなのである。

しかも当時のスタンダードは単体除去がやたら充実しており、ぱっと思いつく限りでも「黒に2マナの単体除去が3種類、1マナの単体除去が2種類」「赤に《稲妻》とそれを基準にした互換カードが3種類」「白に良質な単体除去が3種類」と冗談抜きでとんでもない時代。
遊戯王には「はいはい『地砕き』、『地砕き』、……」という有名な文言があったが、この時代のMTGは除去耐性のなさも相まって本当に&bold(){クリーチャーを出せば除去が飛んでくるような時代}だったのである。
ドルイド前提のデッキはドルイドが引けなければもっさりした動きになるし、相手が「この同盟者は重量級のカードを多く使っている」と判断したら、ドルイドを容赦なく狙い打って目論見を崩してくるだろう。
結果ドルイドなしでは真価を発揮できない重量級のカードだけが手札に残って、そのまま負ける。

というわけでこのカードはかなり強いのだが弱点も多く、&bold(){その弱点がそのままデッキの弱点につながってしまう}のである。


そして同盟者というデッキは、ぶっちゃけ《ハーダの自由刃》《オラン=リーフの生き残り》《アクームの戦歌い》といった小粒のビートダウン型同盟者に、
《カビーラの福音者》などでプロテクションをつけてブロック不可にして殴りぬけたほうがはるかに素早く強力で、全体除去に対してもある程度の耐性をつけることができる。
つまり&bold(){軽量カードだけで全然戦えるデッキ}なのである。


ということで、重量カードにつなぐための能力しか持たないドルイドは、採用すること自体がオーバーキルになりがち。
勝っている時にさらに勝つだけで、劣勢を覆すわけではないというカードの典型例なのだ。そして同盟者は、その「勝っている時にさらに勝つ」仕事がもっと上手なやつがたくさんいるのである。

ただ、ゼンディカー(第一期)の時点での同盟者デッキは上記の戦術を取るにしても頭数が若干足りなかった。そのため

・赤緑白でビートダウンを仕掛ける同盟者の色マナを安定させつつ《カズールの大将軍》のような大型同盟者や《欠片の双子》((同盟者につけてタップするだけで同盟者が戦場に出たことになるので、その分能力が誘発し、さらに増やした同盟者のETBも誘発する。))のような強力なギミックにつないで中期戦以降も勝てるようにする
・各種X呪文やエルドラージ、あるいはミラディンの傷跡以降増えたなんらかのマナ食いアーティファクトと組み合わせる。例えば《伝染病の留め金》など
・《変わり樹のレインジャー》と《異種移植》の無限[[トークン]]コンボを搭載する
・青や黒に寄せて《ハリマーの採掘者》や《ハグラの密教信者》、あるいは《マラキールの血魔女》(当時猛威を振るっていた《悪斬の天使》対策)をキッカーした《複製の儀式》で増やして即死コンボを狙う

などのアプローチを取る使用者も多く、そういう重めのカードや多色にまたがるデッキを使用する際に《ヘイラバズのドルイド》は大いに役立った。
特に下2つの即死コンボの場合、《ジュワーの多相の戦士》という青の同盟者専用《クローン》を採用することでさらに戦術に多様性を加えることができた。
特にドルイドで青マナを出して、出したジュワーでドルイドをコピーすると、次のターンからは生み出せるマナが一気に増えて、上記のコンボパーツを一気に展開できる。
[[ファンデッキ]]寄りではあるが部族デッキや安レアを使っている時の喜びは勝利とは別のおいしさをもたらしてくれるわけで、当時増えつつあったプレイヤーがこのギミックを使うことも多かった。

さらに当時のレガシーや最初期のモダンで同盟者を使う場合、多相を持つクリーチャーを入れて強引に頭数とする場合があった。
この場合も、《[[カメレオン]]の巨像》や《鏡の精体》との組み合わせが強烈だった。隣に彼らがいる状態でドルイドのマナ能力を起動すれば、最低でも2マナは保証される。
もちろん他にも頭数がいるだろうから、4マナ、5マナと増えていく。これらのマナを彼ら多相組につぎ込んでパンプアップするというギミックが一応存在した。


ただぶっちゃけそんな変なことを狙わず&bold(){普通にナヤ同盟者を組んで、モダンやレガシーなら《雄牛のやっかいもの》でも入れてがっつり速度と殺意を高める}アプローチのほうが結果を残せていた。
ドルイドは強いのだが、ドルイドで出したマナを生かすことを考えるよりそもそもそれに頼らないほどに戦術を一本化したほうがいいだろう、ってわけ。


頭数がすっかり増えた現在でも、モダンの同盟者に入れるレシピが散見される。
とはいえ、戦乱のゼンディカーで増えた軽量で殺意の高い同盟者や、ローウィンやカルドハイムで得た多相組のほうがデッキの戦術を一本に絞れるので主流とはいかないようだ。
面白いカードは使えるんだけど、勝ちにつながらないのなら仕方がないが「今後のご活躍をお祈りいたします」ってわけである。

最近では統率者戦において、《タズリ将軍》を統率者にしたときに採用されることもある。うまく次のターンまで生き残れば、アンタップギミックと組み合わせてやりたい放題できる。
ただ、《タズリ将軍》デッキは&s(){スタンダードの8円神話レアという投げ売り価格からは考えられないほどに}非常に強力であり、特に《食物連鎖》を利用したチェイン・コンボギミックが強烈とされている。
そういうデッキにはこんな召喚酔いする除去の的なんて入るわけもない。


つまりこのドルイド、デッキの戦術をブラッシュアップするにつれて抜けていくタイプの割としょうもないカードである。
書いてあることはめちゃくちゃ強いんだけどね……なんで同盟者じゃなくてこいつ単品の項目なんて立ってるんだろう?


追記・修正が為される間は休むわけにはいかないのです。

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- ふと気になって「同盟者」で検索してみたらこいつだけヒットした…  -- 名無しさん  (2015-07-13 21:11:10)
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