コズミック 世紀末探偵神話

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コズミック 世紀末探偵神話 - (2023/05/14 (日) 15:25:52) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2015/03/23 (月) 06:14:41
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&font(#6495ED){所要時間}:約 10 分で読めます

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#center(){
#size(45){{{&font(#ff0000){犯 罪 予 告 状}}}}



#size(20){{{今年、&font(#ff0000){1200個}の密室で、}}}
#size(20){{{&font(#ff0000){1200人}が殺される。}}}
#size(20){{{誰にも止めることは}}}
#size(20){{{できない。}}}


#size(30){{{密 室 卿}}}
}


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#include(テンプレ3)







#center(){#size(20){{{&bold(){可 養 不 盈 壮 烈 志 老 終 騰 猶 神}}}}}
#center(){#size(20){{{&bold(){得 怡 但 縮 心 士 在 驥 為 蛇 有 亀}}}}}
#center(){#size(20){{{&bold(){永 之 在 之 不 暮 千 伏 土 乗 竟 雖}}}}}
#center(){#size(20){{{&bold(){年 福 天 期 已 年 里 櫪 灰 霧 時 寿}}}}}


#center(){#size(20){{{永 身 さ 長 壮 烈 千 老 や 空 い 神}}}}
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#center(){#size(20){{{な 心 ど 短 心 は の た て 騰 か は}}}}
#center(){#size(20){{{る も た く の 年 か る は る は 寿}}}}
#center(){#size(20){{{命 安 だ 定 已 老 な 駿 土 蛇 竟 し}}}}
#center(){#size(20){{{得 ら 天 め む ゆ た 馬 灰 は る と}}}}
#center(){#size(20){{{べ か 運 な こ る に は と 霧 時 い}}}}
#center(){#size(20){{{か に と き と と 夢 櫪 な に あ う}}}}
#center(){#size(20){{{ら 養 あ 命 は も を に り 乗 ら も}}}}
#center(){#size(20){{{ん え き の な   馳 伏 は る ん  }}}}
#center(){#size(20){{{  よ ら 期 し   す す て も    }}}}
#center(){#size(20){{{    む         も ん      }}}}
#center(){#size(20){{{    る                  }}}}
#center(){#size(20){{{    な                  }}}}


#center(){#size(20){{{曹操『歩出夏門行』より}}}}




『コズミック』は、1996年に刊行された[[清涼院流水]]の小説…………小説?
作者のデビュー作であり、第2回メフィスト賞を受賞した。また、シリーズ作品『JDCシリーズ』のひとつ。
発表当時「10年に1度の話題作」などと騒がれ、メフィスト賞を受賞した際にはミステリ界に論争を巻き起こした&bold(){&font(#ff0000){問題作}}である。
ノベルズ版の凄まじいページ数から「&font(#ff0000){鈍器}」、数百ページに渡り延々と人が死んでいくだけの前半、凄まじい言葉遊びへの執着、絶対に予想できないとんでもないオチなどから「&font(#ff0000){最低の推理小説}」「&font(#ff0000){史上最強のバカミス}」など、多くの愛(?)称を持つ。
&del(){……作者は、頑なに「この本は小説ではなく『流水大説』である」と主張している。}
一応、&bold(){ミステリー}である。…………推理できるかは保証できないが。


#size(20){{{&bold(){あらすじ}}}}
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>「今年、1200個の密室で1200人が殺される。誰にも止めることはできない」 ――密室卿

1994年1月1日午前0時1分、『犯罪予告状』が警察庁・マスコミ各社・JDC(日本探偵倶楽部)にファックスで送信された。その直後から次々と発生する奇怪な「密室殺人」。被害者は密室で首を斬られて殺され、その背中には、被害者自身の血で『密室』の文字が記されていた。
犯行のトリックは? 『密室卿』は誰なのか? 操作は混迷を極める。
同じ頃。[[イギリス]]では前世紀の悪夢が蘇る。&ruby(ジャック・ザ・リッパ-){切り裂きジャック}の後継者を名乗る連続殺人――[[日本>日本国]]とイギリス、遠く離れた地で起こっている2つの事件に関連はあるのか?
果たして、JDCの[[探偵]]たちは事件を解決する事が出来るのだろうか――!?


……&bold(){ミステリー}である。大事な事なので二回(ry



#size(20){{{&bold(){主な登場人物}}}}
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・&bold(){&ruby(Japan Detectives Club){日本探偵倶楽部}(通称:JDC)}
組織。簡単に言うと探偵の集団。[[京都>京都府]]に本部がある。
警察と協力して難事件の捜査にあたっている。
&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){ぶっちゃけ探偵と言うより&del(){変人}超能力者の集まりである。}}

&bold(){&ruby(あじろ){鴉城} &ruby(そうじ){蒼司}}
JDCの総代。
能力(!?)――『&bold(){集中考疑}』(全神経を事件の一点に集中させ、一瞬で推理を行う)
JDC創設以来20年以上、日本探偵界のトップに君臨し続けるカリスマ溢れる男。祖父・蒼神の勧めで[[不知火]]善蔵に弟子入りし、徹底的にしごかれ、集中考疑を体得した。彼がいなければJDCは崩壊すると言っても過言ではないだろう。
電話で事件を解決する、安楽椅子探偵ならぬ&bold(){電話探偵}である。
彩紋家事件で祖父・蒼神を、幻影城事件で息子・蒼也を亡くし、妻の水紀も事件に巻き込まれて亡くなるなど、家族運が薄い。
そのためか、九十九十九と不知火善蔵に家族のように気を許している。

&bold(){&ruby(やいば){刃} &ruby(そまひと){仙人}}
能力――『&bold(){ジン推理}』(弁証法推理)
第一班班長。
あだ名は「ジン」。「せんにん」ではない。九十九十九とはJDCの双璧と並び称される。
狂気に囚われた一族の生まれであり、彼本人も一度発狂しかかったことがある。狂気に飲み込まれまい、と探偵を志したという。

&bold(){&ruby(つくも){九十九} &ruby(じゅうく){十九}}
能力――『&bold(){神通理気}』(推理に必要な手掛かりが全てそろうと、一瞬にして真相を悟ってしまう)
第一班副班長。
旧姓は彩紋。6歳にして彩文家事件を解決した[[天才]]。チート過ぎる能力を持っているが、本人ですらどのように体得したのかは分からない。
腰まで届く長い黒髪と[[サングラス>サングラス(属性)]]が特徴。常にサングラスをしているのは、&font(#ff0000){あまりに瞳が美しいため目が合った人々が失神してしまうから}。(※本当です)
&del(){実際に本作ではテレビ中継で16万人を失神させている}
今回の事件時には連続切り裂き殺人の捜査協力の為[[イギリス]]にいる。
&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){彼が終盤で明かす事件の真相は本を投げたくなる程のとんでもないものである。}}

&bold(){&ruby(しらぬい){不知火} &ruby(ぜんぞう){善蔵}}
能力――『&bold(){懐疑推理}』
第一班の重鎮。不知火翁と呼ばれる。
九十九と共に鴉城の朋友であり、探偵としての師匠でもある。彩紋家事件にも間接的に関わる。
&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){本作のエピローグで死亡。}}

&bold(){&ruby(りゅうぐう){龍宮} &ruby(じょうのすけ){城之介}}
能力――『&bold(){傾奇推理}』
第一班。黒服に黒ズボン、黒ブーツ、黒[[マント]]、黒フェルト帽、黒手袋と、いつも黒ずくめの格好をしている。九十九兄妹とは幼い頃から親交があるらしい。
「&bold(){とんちの龍宮}」「&bold(){暗号解読の天才}」「&bold(){ねじれた頭脳を持つ男}」などの異名を持つ。異名の通り、暗号解読が得意。
一人称は「龍宮」。他人を呼ぶときは、女性は「~嬢」、男性は「~氏」と呼ぶ。

&bold(){&ruby(きりか){霧華} &ruby(まい){舞衣}}
能力――『&bold(){消去推理}』
第一班。消去推理の貴婦人。捨て子で、親の顔を知らない。過去に十九に助けられたことがあり、微かに恋心を抱いている。

&bold(){&ruby(ひきみや){氷姫宮} &ruby(ゆうや){幽弥}}
能力――『&bold(){統計探偵}』(統計を元に推理を組み立てる。)
第一班。十九の元助手。常にノートパソコンを持ち歩き、膨大な事件のデータを管理する。何故かドライバーグローブをはめている。
推理小説の愛好会で、様々な小説を推理に引用する。
捜査で作家・濁暑院溜水が関わってきた時にはただのファンと化していた。

&bold(){&ruby(つくも){九十九} &ruby(ねむ){音夢}}
能力――『&bold(){ファジイ探偵}』(曖昧な推理から核心に辿り着く。)
第一班。九十九十九の義妹。明らかに、十九に兄妹愛以上の感情を抱いている。
色覚障害を持つため、探偵として成功する自信がなかったが、十九の的確なアドバイスによって探偵として成長した。

&bold(){&ruby(あまぎり){雨霧} &ruby(ふゆか){冬香}}
能力――『&bold(){悟理夢中}』(眠りに落ちて推理力を高める。)
第二班班長。天城漂馬の元恋人。

&bold(){&ruby(あまぎ){天城} &ruby(ひょうま){漂馬}}
能力――『&bold(){潜探推理}』(自らの潜在意識を探ることで天啓を閃かせる。あくまで天啓であるため、いつ閃くかは分からない。)
第二班。潜在意識を探るために酒や睡眠に没頭することが多く、怠慢探偵などと揶揄されることもあるが、鴉城の理解もあって重用されている。「睡・酔・推」がポリシー。
張り込み中に自称1000歳の氷神仙才と名乗る老人に出会い……

&bold(){ピラミッド・&ruby(みずの){水野}}
能力――『&bold(){超迷推理}』(迷探偵。常に核心を外れた推理を披露する。今までに一度も事件を解決したことがない。)
第三班。かつては第七班きっての落ちこぼれ探偵だったが、鴉城によって「100%外れる天気予報は、50%しか当たらない天気予報より価値がある」という&font(l){何とも言えない}非凡さを見出され、第三班に抜擢された。
&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){作中で密室卿に殺害される。「ようやく推理が閃き、鴉城に伝えようとしたところで殺される」という、見事なフラグ回収をした。哀れ。}}

・&bold(){警察関係者}
&bold(){&ruby(あゆかわ){鮎川} &ruby(てつこ){哲子}}
京都府警警部。キャリア。幻影城事件の捜査にも参加したことがある。
妹・鶴美が密室卿事件の10番目の被害者となる。&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){その正体は……}}

&bold(){&ruby(さど){佐渡} &ruby(くとう){九冬}}
哲子の部下。炭酸飲料が好き。よく寝坊する。

&bold(){&ruby(かにば){蟹場} &ruby(ひろたか){尋高}}
警視庁の警視。「~決まっとる!」が口癖。
&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){後に密室卿に殺されるが、実は……}}

・&bold(){DOLL}
平たく言えばJDCの上位組織。

&bold(){ロンリー・クイーン}
[[アメリカ>アメリカ合衆国]]出身。長身痩躯で、金髪。ミステリー作家にして探偵[[エラリー・クイーン]]の隠し子のそのまた隠し子(W隠し子)。十九に匹敵する探偵であり、『&ruby(フーダニット・マジシャン){犯人当て魔術師}』の異名を持つ。
十九らとともに連続切り裂き殺人の捜査に協力している。

・&bold(){その他}
&bold(){&ruby(だくしょいん){濁暑院} &ruby(りゅうすい){溜水}}
小説家。24歳。本名・溜井秀鷹。自分の作品群を「流水小説」と命名。双子の妹(なぎさ)がおり、彼女も小説家を生業としている。幻影城殺人事件で死亡。
本作では、死んだはずの濁暑院の名義でJDCに謎の原稿『1200年密室伝説』が届けられる。
&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){当然だが、名前は清涼院流水のもじり。}}


…………&bold(){ミステ}(ry

ちなみに、今作で次回作の『ジョーカー』の未解決の謎が一部説明されている。


以下、衝撃の[[ネタバレ]]
未読者は絶対に見ないことをおすすめします。……&bold(){&font(#ff0000){いろんな意味で}}。














#center(){
#size(30){{{&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){&bold(){犯人は松尾芭蕉である。}}}}}}
}



&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){……別に筆者がふざけている訳ではなく、マジで犯人である。}}
&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){正確には、曹操→卑弥呼→松尾芭蕉が犯人。『密室殺人』は彼ら歴史上の偉人が開祖である宗教団体『密室教』によって引き起こされたもので、加害者も被害者も密室教の信者。}}
&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){事件に居合わせた目撃者も無論全員が密室教の信者であり、嘘の証言をして密室状態を『捏造』していた。}}
&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){動機(?)は『密室で殺されることによって記録や歴史の中で永遠の命を手にする』という教義のため。}}






#right(){&bold(){……いつまでも、語り継がれる追記がある。}}
#right(){&bold(){それは、決して解けない謎に守られている。}}
#right(){&bold(){君が耳を傾けたのは、追記という永遠の夢。}}
#right(){&bold(){華麗なる修正のために、儚い夢物語を聴く。}}
#include(テンプレ2)
#right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,4)
}
#include(テンプレ3)

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- この小説、「ジョーカー」と共に上下巻で文庫化されていて、"ある特殊な読み方"をすると、生涯未体験の驚くべき刺激に初めて出会えるらしい  -- 名無しさん  (2015-03-23 07:21:07)
- ところで隠してあるネタバレ系……マジでそれが事件の真相だったりするので?  -- 名無しさん  (2015-03-23 21:42:43)
- トリック自体は予想できたけど動機は本当に「は?」ってなった。  -- 名無しさん  (2015-03-23 23:04:51)
- 大説は大切に扱いましょう。  -- 名無しさん  (2015-03-23 23:15:04)
- まだ、トリックについては「可能性を絞り込んで真相にたどり着く」ことができるだけ、氏の作品ではマシなほう……  -- 名無しさん  (2017-03-05 22:16:36)
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