&font(#6495ED){登録日}:2015/06/18 Thu 19:17:19 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 6 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){&bold(){ブランドン・リーに捧ぐ・・・漆黒の哀しき復讐者。}} 「クロウ/飛翔伝説」とは、1994年に公開された[[アメリカ>アメリカ合衆国]]の映画。 ジェームズ・オバーのカルトコミックを映画化したヒット作であり、監督はアレックス・プロヤス。 原題は「The Crow」。[[日本>日本国]]ではこれが次作の題に使われたせいで少々ややこしい。 荒廃した近未来都市を舞台に、ゴス・メイクを施した[[不死身>不死]]のヒーローが繰り広げる復讐劇を描く。 監督のアレックス・プロヤスが徹底的に作り込んだビジュアルと血の通ったドラマ演出によって、誇張されたコミック世界に真実を与えることに成功しており、原作の暗い魅力はそのままに一級の娯楽作を完成させ、[[ダークヒーロー]]というジャンルの手本を作り上げた。 その後、続編やTVシリーズなどが何本も作られた。 主演は[[ブルース・リー]]の息子である&bold(){ブランドン・リー}。 愁いを帯びた純真さと凶暴な凄みを兼ね備えた佇まいは、まさに哀しき復讐者エリック役にぴったりであった。 原作コミックの大ファンだった彼にとって入魂の一作だったが、&color(red){撮影中に起きた発砲事故により、わずか28歳の若さでこの世を去った。}((なおこの事故、原因は小道具として用意された拳銃にあろうことか実弾が入っていたというもの。奇しくも、ブルースの遺作「死亡遊戯」作中で主人公が生死を彷徨うキッカケとなったシーンと殆ど同じシチュエーションであった。)) *【あらすじ】 退廃と欲望が渦巻く近未来都市&bold(){デトロイト}。 その街でロック・ミュージシャンの&bold(){エリック}は、犯罪王&bold(){トップ・ダラー}の一味によって恋人ともども惨殺されてしまう。 1年後、彼は現世と冥界を結ぶ&bold(){カラス}の魔力によって復活し、恋人を奪った一味への壮絶な[[復讐]]を開始する…。 *【登場人物】 -エリック(演:ブランドン・リー/吹替え:[[池田秀一]]) 本作の主人公。 婚約者であるシェリーとの結婚式を控えていたが、&color(red){“悪魔の夜(デビルズ・ナイト)”}と呼ばれる[[ハロウィン]]の前夜に突然アパートに押し入ってきた悪党共に恋人共々無残に殺されてしまった。 その1年後、カラスの魔力によって蘇り、恋人を奪った悪党共への復讐を誓う。 ピエロ風のメイクを施し、黒ずくめのゴスファッションに身を包んだ[[ダークヒーロー]]“&bold(){クロウ}“となったエリックは、1人、また1人と悪党を血祭りに上げながら、彼らの背後にいるトップ・ダラーとの最終決戦に臨むのだが…。 ビルの屋上でギターを演奏するシーンは必見である。 -カラス エリックの相棒(?)。 見た目は普通の[[カラス>カラス(野鳥)]]であるが、本作におけるカラスは死の国の使者という設定になっており、一度命を落としたエリックを魔力で蘇らせた。 蘇った人間は超人的なパワーを得て、刃物で刺されても銃で撃たれても瞬時に肉体を再生できる不死身の存在となる。 なお、カラスが無事である限り、蘇った人間は無敵であるが、&color(red){逆にカラスを傷つけられるとその人間は不死の力を失って弱体化してしまう}という[[弱点]]を持つ。 -サラ(演:ロシェル・デイヴィス/吹替え:坂本千夏) エリックの生前の友人であった少女。 以前自分を可愛がってくれたエリックとシェリーを殺され、母親は薬と男に溺れて半ば育児放棄気味になる等、孤独で荒んだ生活を送りながらもたくましく生きている。 ちなみに彼女は本作のナレーションも担当しており、続編である『[[THE CROW/ザ・クロウ>THE CROW/ザ・クロウ(映画)]]』にも登場している。 -アレブレヒト(演:アーニー・ハドソン/吹替え:[[大塚明夫]]) 黒人の警察官。 デトロイトで破壊と暴虐の限りを尽くしている犯罪者達を満足に取り締まれない警察の無力さを歯がゆく思いながらも、自身の良識に従い警察の良心としてあり続ける実直な人物である。 -トップ・ダラー(演:マイケル・ウィンコット/吹替え:麦人) 街を牛耳る悪の首領であり、本作の[[ラスボス]]。 毎年ハロウィンになると「悪魔の夜」と称して配下のギャング達を集め、街中に[[火]]をつけて回らせるなど、破壊と殺戮が何より楽しみな[[サイコパス]]である。 [[エイリアンに襲われた船長>エイリアン4]]でも[[近未来の科学者>ゴースト・イン・ザ・シェル]]でもない。 -グランジ(演:トニー・トッド/吹替え:[[大友龍三郎]]) トップ・ダラーの腹心の部下。 終盤でカラスを狙撃してエリックを弱体化させることに成功したが、その後に乱入してきたアレブレヒトに射殺された。 別の世界では[[カギ爪を付けた都市伝説の怪人>キャンディマン(映画)]]だった。 -トップ・ダラーの娼婦(演:バイ・リン/吹替え:雨蘭咲木子) 黒髪が特徴的なアジア系の美女。 実はトップ・ダラーの異母妹で娼婦。 エリックの弱点にいち早く気づき、パワーの源であるカラスを捕まえてペットにしようと目論む。 彼女の[[日本語]]吹き替えを担当した雨蘭咲木子氏は次作でホリー・デイズ役を演じていた。 -ティンティン(演:ローレンス・メイソン/吹替え:[[森川智之]]) 悪党その1 [[ナイフ>ナイフ(武器)]]使いであり、エリックの恋人シェリーを殺した張本人。 蘇ったエリックと再会した際には悪びれる様子も反省もなくシェリーの死を侮辱するようなセリフを言い放つなど、デトロイトの堕落ぶりを象徴しているような人物の1人である。 最期は上記の態度に激怒したエリックに敗北、ハリネズミのごとく体中にナイフを刺されて死亡した。 -ファンボーイ(演:マイケル・マッシー/吹替え:古田信幸) 悪党その2 ヤク中であり、サラの母親のダーラを愛人にしている。 他の仲間と共にシェリーを[[レイプ]]し、エリックに至っては何度も銃弾を胸に撃ち込んだ挙句にアパートの窓から突き落として殺害した。 中盤でダーラとイチャイチャしていたところをエリックに襲撃され、事件の時のように銃弾を撃ち込むも全く効かず、逆に無数の注射器を胸に打ちこまれて死亡した。 -Tバード(演:デヴィッド・パトリック・ケリー/吹替え:千田光男) 悪党その3 エリックとシェリーを殺した一味のリーダー格。 物語後半でエリックに脅されて[[海]]のそばまで車を走らされ、車内に閉じ込められる形でシートに縛りつけられて強引に[[アクセル]]を踏まされた挙句に車ごと爆散して海に沈んだ。 -スカンク(演:エンジェル・デヴィッド/吹替え:中村雄一) 悪党その4。 Tバードの腰巾着でオツムが弱い。 他の仲間が次々とエリックに殺される中、恐怖に怯えながら終盤まで生き延びたものの、トップ・ダラーの姦計でエリックをおびき寄せる為の囮にされた。 最期はかつて自分達がそうしたように、エリックと同じく自分も窓から突き落とされて死亡という因果応報な末路を辿った。 -シェリー(演:ソフィア・シャイナス /吹替え:[[井上喜久子]]) エリックの恋人。 生前はエリックと結婚する予定であったが、当時住んでいたアパートの立ち退きに反対していたのが原因でトップ・ダラーの一味に襲われて命を落とした。 -ダーラ(演:アンナ・トムソン /吹替え:さとうあい) サラの母親。 女手ひとつでサラを育てながら生活しているが、本編が開始する以前から薬に溺れ、情夫であるファンボーイにかまけてばかりでサラをほったらかしにする等、かなり自堕落である。 中盤でファンボーイを殺しにやって来たエリックと鉢合わせになった際には、サラとの関係を見かねたエリックに「母親としての務めを果たせ」と諭され、その場から逃げ出した。 その後、エリックの言葉で改心したのか、サラのために朝食を作り、たどたどしいながらも親子らしい会話と今までの自分を改めて生きていく決意を抱く等、サラとの和解・親子関係の修復を果たした。 -ギデオン(演:ジョン・ポリト /吹替え:島香裕) 質屋の店主。 序盤でティンティンが売りに出したシェリーの婚約指輪を買い取っていたが、それが原因で婚約指輪を取り戻そうと店に押し入ったエリックに痛めつけられ、店内にガソリンをばら撒かれた挙句に火をつけれられて店を吹き飛ばされてしまった。 その後、一文無しになって酒浸りになっていたところ、トップ・ダラーにエリックの情報を聞き出され、最期は用済みとして殺害された。 -トーレス(演:マルコ・ロドリゲス /吹替え:大滝進矢) アレブレヒトの上司である刑事。 融通が利かない性格で事あるごとにアレブレヒトを目の敵にしているが、良くも悪くも規則に忠実な人物である。 *【シリーズ一覧】 ◆劇場版 -クロウ/飛翔伝説 -[[THE CROW/ザ・クロウ>THE CROW/ザ・クロウ(映画)]] -クロウ/復讐の翼 -クロウ/真・飛翔伝説 ◆TVシリーズ -クロウ/天国への階段 ◆TV映画 -クロウ3 -クロウVSクロウ -デス・オブ・ザ・クロウ -クロウ ザ・リベンジ -クロウ/ウィッチクロウ #center(){&bold(){追記・修正は墓の上に1羽のカラスが舞い降りてからお願いします。}} #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,17) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 観たくなってきたw -- 名無しさん (2015-06-18 23:50:40) - ブランドン・リー、マジ惜しすぎる…… -- 名無しさん (2015-06-20 00:33:03) - やっぱり暗殺されたのかねえ… -- 名無しさん (2015-06-21 14:39:18) - もし生きていたらどうなったんだろうかねぇ… -- 名無しさん (2015-07-04 08:30:43) - 今日寄った古本屋に原作コミックの翻訳版があったんで買ってみたけど、絵がらからして物凄いパワーを感じられる作品だった。映画の方も面白いのかな -- 名無しさん (2015-07-05 21:59:32) - この映画って結構続編出てるんだな。ブランドンのインパクトが強すぎて一作目しか語られないけど -- 名無しさん (2019-09-22 09:08:56) - マリス時代のGACKTがエリックのコスプレをしていたのを雑誌で見た。GACKTの白塗りはかなりレア。 -- 名無しさん (2019-09-26 07:58:24) - 黄昏どきにかつての自分たちの部屋でギターを弾くシーンは本当に名シーン、そしてラストに流れる曲の訳を知るとぐっとくる -- 名無しさん (2021-12-21 21:51:13) - 悪役の手下の舌をジュ~とするのがね… -- 名無しさん (2023-01-27 18:28:59) - 一度立ち消えになったリブート版がようやく実現するらしいけど、クロウの中の人がペニーワイズで面白そう -- 名無しさん (2024-02-29 11:38:50) - 10歳になる前に父親が急逝、それから20年後に本人もこんな形で死んでしまうとは......どこかの政治家一家なのか。 -- 名無しさん (2025-02-03 21:56:55) - 主人公が不死身であるという設定なのに、その役者が不慮の事故で死亡......なんという皮肉な運命だ。 -- 名無しさん (2025-02-03 22:02:20) #comment #areaedit(end) }