&font(#6495ED){登録日}:2016/05/27 Fri 23:32:52 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 7 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- いわゆる[[能力バトル]]などと呼ばれるジャンルの作品では[[超能力]]や魔法といった、多種多様な力の持ち主が活躍する。 そんな中、作中における「能力」を持たない人間達の扱いは低くなることが常である。 基本的には冒険に関わらない日常担当、悪の能力者や怪物に襲われる哀れな被害者、能力者に向かっていき返り討ちに遭う[[かませ犬]]etc.……。 能力者達は異能という強力な武器を持っており、それを持たない一般人達は丸腰同然なのだから当然と言えば当然である。 しかしながらごく稀に、能力を持たない一般人の身でありながら、 能力者や異形の怪物を相手に立ち向かい、時には互角以上の戦いを繰り広げ、とうとう勝利してしまうような場面が描かれることもある。 物語としては大きな意外性を演出できる上、強大な能力に慢心をしている敵に下剋上をする展開は、大きな爽快感を与えてくれる。 更に、特別な力がなくても努力や工夫次第で戦える、仲間の力になれるというのは、一般人の一員である読者・視聴者に希望を抱かせてくれる。 但し、やりすぎると「能力自体が大したことないんじゃない?」といった印象を、 読者・視聴者に抱かせてしまう恐れがあるので、あまり多用はできない諸刃の剣でもある。 そういった事情もあってか、最初から最後まで全て無能力者の一般人が戦うという場面はかなり少数派になる。 実際のところは他の能力者から何かしらのサポートを受けていたり、 敵を追い詰めたとしてもトドメを刺せるほどの力はないので、決着は仲間の能力者に譲ったりすることも多い。 加えて「こんな戦い方ができるのはこのキャラクターだけ」「勝利できたのはこの場面でしか使えない綿密な作戦の賜物」、 「偶然や運命をも味方につけた上での勝利」といったように、「コツさえ掴めば、誰でもいつでもこの戦法を使える」といった描き方がされることはまずなく、 かなり限定的な戦い方であるという描写がされることがほとんど。 しかしだからこそ、そんな戦い方ができる「一般人」の存在が輝くのである。 なお、ここで言う「一般人」とはあくまで作中における「能力」を持たない、 あるいは、[[一応能力を持ってはいるが非常に弱いもの>三雲修(ワールドトリガー)]]、直接戦闘では使えない種類のもののことを指し、&font(#008000){軍人や裏社会の人間なども一般人に含むものとする}。 (「主人公達をサポートする組織の人間」を一般人とするかは微妙である。彼らは最前線で戦う適性が無いだけで指揮や補給で十分戦力になっているのだから) 当たり前の話だが、後述の要素こそがその作品における「能力バトル」に相当するという作品も除外する。 (例えば、[[ゴジラシリーズ]]などは無能力の軍人や科学者・政治家が異能の存在と戦うことも多いが、 異能なしの人間の力、すなわち科学力・財力・分析・勇気などで(怪獣と)戦うのが一般的であるため、「作中における『能力』がない」という文脈とは外れる) また、[[作中における「能力」抜きでも強い奴は強い作品>ONE PIECE]]のキャラクターや、 [[作中の社会では無能力者扱いされているけど実際のところは立派な特殊能力を持っているようなキャラクター>上条当麻]]などは、ここではあまり語らない。 ちなみに「諸事情で最新鋭兵器が出てこれないだけで、戦力的にはもともと互角以上」というパワーバランスの場合は[[地球なめんなファンタジー]]というまた別の分類になる。 #contents() ---- *●最新鋭の科学技術・兵器で武装する #center(){&bold(){ [[かがくのちからってすげー!]]}} 科学の力こそ人間の力、まさしく人間の戦い方であると言える。 しかしながら、[[科学技術が未発達なファンタジー世界に>ゼロの使い魔]][[現代兵器を持ち込んだ……>ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり]]などのパターンを除き、 基本的にバトル物の作品では兵器の類は噛ませ犬にしかならない。 [[機関銃]]の一斉射撃を避けられた、謎のバリアーで防がれた、 弾丸は当たったはずなのにまるで効いてない、吹き飛ばしたと思ったら再生された……というのは基本パターン。 また、能力バトルの多くは人目につかないところで秘密裏に行われるので、強力な武器を持って駆けつけることが難しいというのも原因の一つか。 そもそも現代兵器で倒せるのなら、悪と戦う正義の能力者など必要ないという話になってしまうため、これは仕方ない。 能力者や怪物に対抗するには、相手の予想を上回る超兵器や、能力者との戦闘に徹底した戦術・戦略を用意するのが望ましい。 それでも、異能の力を相手にするのは苦しい場合が多く、 ・[[最新鋭の強化外骨格および強化外筋システムを装備しても怪人相手には力不足で、装着者の成長と強化を施された後継機の登場でなんとか互角に渡り合えるようになる>仮面ライダーG3/G3-X]]、 ・[[世界一ィィィィィ!!のナチスの科学でほぼ全身を機械化し、敵の怪物を基準にした運動能力と武装で、主人公に加勢する>シュトロハイム(ジョジョの奇妙な冒険)]]、 ・[[体の各部をサイバネ化し、飛行用ジェットパックと高性能拳銃で武装。アイサツ中のアンブッシュというニンジャが行えばスゴイシツレイの評価は免れない戦術と、無理な戦いは極力避けるという徹底した戦闘哲学をもってようやくサンシタのニンジャを倒せる>ニンジャスレイヤー]] ……というように、生半可な武装と精神ではとても真似できない戦い方で、 なんとか食い下がっているというタイプの人達がしばしば存在している。 一方、[[アメコミで活躍する>バットマン(人物)]][[社長系ヒーロー>トニー・スターク/アイアンマン(MCU)]]のように「頭脳および科学技術が現実を逸脱した異能レベルに達している」タイプは、 本人の身体能力が人間の範疇だったり狭義の異能を身に着けていなくても、一般人とはあまり呼ばれない。 ---- *●異能力を上回る強靭な肉体・格闘技術で対抗する #center(){&bold(){ [[レベルを上げて物理で殴ればいい>ラストリベリオン]]}} きわめてシンプルかつ原始的な戦い方。 無論、並大抵の格闘能力では話にならず、[[&font(b,#ff0000){もはやどちらが能力者なのかわからない}>○○で真っ先に死ぬタイプの体育教師]]と思わせてしまうほどの超人的、あるいは怪物的な格闘能力が必要とされる。 そのため、[[パートナーのインパクトがありすぎて、本来メインの魔物の影が薄くなる>ツァオロン&玄宗]]といったような問題点が発生することもしばしば。 上述の「能力抜きでも強い奴は強い」タイプも、分類するならこちらに当てはまる。 当然、これほどの格闘能力をいかにして身に着けたのかという疑問が発生することになるのだが、 そもそも超能力の使える相手を殴り合いで制するという無茶をやらかしているわけなので、理由づけも無茶になりがち。 [[YAMA育ちで特別な格闘術を身に着けている>TYPE-MOON]]、[[忍術を少々嗜んでるから究極生物兵器にも勝てる>高槻巌(ARMS)]] [[熱い魂のこもった鉄拳を武器に強敵と戦い続けるうちに自身もどんどん鍛えられ、究極体デジモンを殴り倒せるほどにまでなった>大門大(デジモンセイバーズ)]]、 特訓で身に着けた投げ縄を駆使して[[ウルトラマンさえ倒す大怪獣>ベムスター]]の頭に飛び移り、その両目にナイフを突き刺して戦闘不能にした、 [[「飯食って映画見て寝るッ! 男の鍛錬は、そいつで十分よッ!」>風鳴弦十郎]] [[「腕立て伏せ100回、上体起こし100回、スクワット100回、そしてランニング10km、これを毎日やる!!!」>サイタマ(ワンパンマン)]] ……といったように、冷静になって見ると「理由になってないだろ!」と、 突っ込みたくなるような人達もしばしばいるが、実際そのシーンを見てみると妙に納得できてしまうような、不思議なパワーがあるのも事実である。 あるいは、[[異能力が一切使えない代償に強大な身体能力を得る>伏黒甚爾(呪術廻戦)]]と、異能力が身体能力に該当しそうなパターンも。 達人級の「技」を繰り出すのか、化け物じみた「力」で押すのかは人それぞれ。 中には[[たった一人の超能力者を殴るために、自身の天才的頭脳をフル活用した超高精度の拳法を身に着ける>木原数多]]といったような、 頭いいんだか脳筋なんだか分からないような絶技を繰り出す人もいる。 但し、能力者の中には「戦闘は能力に頼り切りなため運動面はからきし」、 「基本的に後方支援担当なので接近されると弱い」といった人も少なからずいるため、 そういった人相手だと文字通り一般人レベルの格闘技能であっさり倒せてしまうこともある。 ---- *●能力者特有の弱点を突く 簡単に言ってしまうと[[吸血鬼]]相手に日光、十字架、ニンニクetc.……のパターン。 作品によっては能力に何かしらのデメリットが付加されていることも多く、特定の条件下で能力が使えなくなる、 能力に制限時間や射程距離が存在する、能力を使いすぎると不調が発生する……といった弱点をうまく突いて戦うのである。 また、異形の怪物相手に&bold(){食欲}を利用した罠を張る、&bold(){酒}で酔払わせる、というのも古典的だが有効な手段である。 古典的な作戦すぎて、こんな作戦でやられてしまう怪物は「やっぱりマグロ食ってるようなのはダメだな」と言われてしまうが…。 [[一生カナヅチ>悪魔の実]]のようにわかりやすく、全能力者に共通するものならよいのだが、 弱点の内容は能力者によって様々だったり、当然能力者自身も弱点に気を配っていたりするので、簡単なようで結構難しい。 前述の吸血鬼などのように妖怪変化や幽霊の類は、妖怪としての伝承や習性、幽霊になる前の記憶などが明確な弱点になりやすい。 児童文学などで普通の少年少女がお化け退治をする時は、味方のお化けや霊能力者でもいない限り、こうした弱点を突くことが基本になる。 能力が使えなくなるタイプの弱点であった場合、[[無効化]]系の能力者と戦い方が似てくるかもしれない。 ……無効化系の能力者にとって、本項で説明されているタイプのキャラクターは天敵であるが。 ---- *●権力・財力などを駆使したり人質をとるなどの謀略で追い詰める このパターンは主人公やその仲間よりも、むしろ敵役に多い。 単純に金と権力で集めた兵隊による&bold(){数の暴力}で押したり、能力者にとって大切な存在を人質にとって抵抗できなくする等。 上述のような科学技術や武力をふんだんに使用したりすることもあるが、 真に恐ろしいのは「&font(b,#0000ff){社会的に殺す、無力化する}」タイプの戦い方。 いかに超人的な力を持っていようと、人である以上は社会の中で生活せねばならない。 特に、主人公タイプのキャラクターは戦いの無いときはごく普通の日常生活を送っていたりすることが多い上、 立場や性格上強引な手段をとることも難しく、社会のルールを悪用されたりすると何もできずに窮地に立たされてしまうことが多い。 [[スーパーマン>スーパーマン(人物)]]の宿敵が、肉体的にはただの人間であるレックス・ルーサーであるように、 一定以上の超人を相手にするにはこれが一番効果的であるのかもしれない。 ---- *●知恵と勇気 &font(b,#ff0000){最重要。} 人類の手にした最初にして最高の武器。 ここまで説明した一般人の持ちうる武器も、知恵と勇気があればこそ、その力を発揮することができるのである。 ……とはいえ、基本的には能力者に対抗するための力を揃えた上で、 最後の一押しに必要になるのが知恵と勇気であり、本当に知恵と勇気だけで能力者と渡り合うような人はかなりの少数派。 比較的可能性が高いのが、ある程度ルールの存在する戦いで、 [[凡骨の意地を見せて神の力を持つ敵にまで食い下がり、ルール上はほぼ勝利>城之内克也]]、 [[バトルの基本ルールと特殊なバトルフィールドの性質を最大限活用して敵を出し抜く>森あい(うえきの法則)]] ……などのように、かなり苦しい戦いではあったが、知恵と勇気を総動員して異能の敵に対抗した人達も存在する。 しかし中には、 [[特殊な背景を持ちながらも手にした「力」をほぼ使うことなく「はったり」や「説得」を武器に戦いを切り抜け、勝利する者>川村ヒデオ]]がいたり、 [[驚異的な貫通性能を持つビームを全身からぶっ放し、爆風で飛ばされた人間に余裕で追い付くほどの体力も兼ね備えた超能力者>麦野沈利]]を、 [[小型拳銃を一丁持ってるだけのただのチンピラ>浜面仕上]]が倒したり、 [[時間を操る能力さえ手に入れた凶悪殺人鬼>吉良吉影]]を、[[特別な力を何一つ持たない小学生>川尻早人(ジョジョの奇妙な冒険)]]が追い詰めたり、 [[星を滅ぼすレベルの異能を持った様々な種族を、ただの引きこもりゲーマーが計算と心理誘導のみで次々に撃破したり>ノーゲーム・ノーライフ]]することさえある。 追記・修正は異能者を特殊能力を使わないで倒してからお願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,29) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #lsd() #comment_num2(num=30) }