&font(#6495ED){登録日}:2017/07/11 Tue 18:24:30 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 23 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- **【基礎知識】 [[「星界」シリーズの世界>星界の紋章]]では、銀河系の大半に領域を広げた星間国家が複数存在している。 しかし同様の規模の文明を実現している他のSF(スターウォーズとか[[スタートレック>スタートレック(ドラマシリーズ)]]とか)と比べると、その技術レベルはかなり低め。 星界シリーズの人類はいまだに[[相対性理論>相対性理論(物理)]]の壁も超えられていないため、&bold(){ワープ航法}、あるいは&bold(){超光速通信}などといった便利なものは存在しない。 では光速以下の速度でどうやって文明を銀河系規模に広げ得たのかと言うと、これには&font(b,#a3a3a3){「平面宇宙」}という星界世界独自の「自然」のおかげ。 平面宇宙とは、通常宇宙とは別に存在する、二[[次元>次元(物理)]]空間の宇宙(二次元と言ってもそういう意味ではなく、文字通り上下と前後しか存在しないという意味)。 電子の4倍ほどの質量を持つ「素粒子大の四次元空間」である&font(b,#a3a3a3){「時空粒子」}によって満たされている。 平面宇宙と通常宇宙は、それぞれの宇宙の至る所にある&font(b,#a3a3a3){「門」}と呼ばれる特異点によって局所的につながっているが、二つの宇宙は重なっているわけではなく、&b(){通常宇宙の「門」同士の位置関係は平面宇宙におけるそれとイコールではない。} わかりやすく例を挙げてみると &b(){1.地球軌道に門A、冥王星軌道に門Bが存在すると仮定} &b(){2.通常宇宙における門Aと門Bとの距離は5.5光時(光速で5.5時間の距離)} &b(){3.平面宇宙における門Aと門Bとの距離は1光秒(光速で1秒の距離)} この場合&font(b,red){通常宇宙では光の速度でも5.5時間かかる}が、&font(b,blue){門Aに入って平面宇宙を経由し門Bから出れば、わずか1秒でこの距離を踏破できる}。 つまり&b(){船自体は光速を越えているわけではない}が、&b(){移動距離は光速の限界をはるかに越えている}ということになる。 このように星界シリーズでは(SF的に言うと)若干イカサマめいた航法によって超光速航法を実現しているため、その他の基礎的な科学技術という面ではまだそこまで発展していない。 よって宇宙戦艦の装備も[[ブラックホール兵器>ガンバスター]]とか位相光線砲とか[[波動砲>波動砲(宇宙戦艦ヤマト)]]とか偏向シールドとかいった超兵器は積んでおらず、現代の科学理論の延長線上にある兵装が殆どである。 まだ理論レベルでも確立していない超技術となると、&b(){重力制御機関}ぐらいのものだろうか。 **【平面宇宙と戦術】 星界シリーズの軍艦の大きな特徴は、何と言っても平面宇宙の戦闘に対応していることにある。 平面宇宙はまあSF的に言ってみれば&bold(){「ワープ空間」}なわけだが、殆どのSFではワープ時の通行にしか使われないこの空間が、星界ではむしろ主戦場なのである。 平面宇宙は通常宇宙と物理法則が全く異なるが、戦艦の機能と言う面からすると &font(b,#a3a3a3){▼ 通常宇宙の物体は、保護力場によって形成される「時空泡」と呼ばれる「切り取られた通常宇宙」の中にいなければ物質として存在できず、消滅してしまう。} &font(b,#a3a3a3){▼ 時空泡はエネルギーを消費して動作し、搭載にそれなりの容積を要する「時空泡発生機関」によって形成される。} &font(b,#a3a3a3){▼ 時空泡の移動速度は泡内の質量にのみ依存する(軽ければ早く、重ければ遅い)。} &font(b,#a3a3a3){▼ 時空泡同士が重なると「時空融合」して1つの大きな泡になるが、泡1つに入れる質量には限界がある。限界を超えると泡が「弾け」て、ランダムに分裂してしまう。} &font(b,#a3a3a3){▼ 自分以外の時空泡は、質量波と呼ばれる平面宇宙上の波動を観測することでその存在を確認できるが、泡内部の質量以外の情報を知ることはできない。} などの点が特徴的。 時空泡に包まれていない物質は光であろうが素粒子であろうが消滅してしまうため、敵艦に対する攻撃手段としては &b(){1.時空泡発生機関を内蔵した無人の小型艦艇を発射し、平面宇宙を航行して敵艦に到達させ自爆攻撃させる} &b(){2.敵時空泡と時空融合して、互いに通常兵器で撃ち合う} のいずれかしかなく、星界世界の軍艦は全てこの基本ルールに基づいて作られている。 **【動力と推進力】 動力は基本的に[[反物質]]燃料を使用した&b(){対消滅機関}が使われている。 燃料である[[反物質]]は[[未知の原理でホイホイ精製できたりする>高槻涼(ARMS)]]わけではなく、粒子加速機によって反粒子・通常粒子を対生成するという現代と同様の原理で地道に作られている。 またその貯蔵方法に関しても、SF的な超技術ではなく「強い磁場で通常物質と接触しないように閉じ込めておく」というストレートな方法が取られている。 このため艦の反物質燃料槽がやられた場合、もれだした反物質が片っ端から反応して一瞬にして艦は木っ端みじんに吹っ飛んでしまう。[[コワイ!>ニンジャスレイヤー]] 推進機も同様に&bold(){「対消滅推進」}で、反物質を推進剤と反応させて爆発的に膨張させ、その反動によって加速する反物質ロケットである。 推進剤に使われているのは、人間が生存できる環境ならどこでも存在する「水(海水などでも大丈夫)」だが、燃料の反物質に比べて航行中の消耗が早く、頻繁な補給を必要とする。 **【機動性能と操縦系】 運動性はこういった「宇宙戦艦」にしては非常に高く、重力制御機関なしだと10G~20Gの加速度に相当するような高機動も平気でこなす。 よって操作性で言うなら&b(){戦闘艦と言うよりむしろ超高速戦闘機}であり、高機動時などの操艦には人間の限界を超えた処理能力が要求される。 このため星界軍以外の軍艦は操艦をコンピュータに任せているが、星界軍では脳内に&b(){「航法野」}と呼ばれる特殊情報処理機能を持つ&b(){アーヴ}の操艦を前提としているため、艦長や砲術士の単独による手動操作方式が採られている。 **【軍艦の兵装と艦種】 物語時点で、星界軍の軍艦が装備する兵装は以下の通り。 ***&font(b,#c90000){『&ruby(イルギューフ){電磁投射砲}』} 電磁力によって砲弾を光速の1%、つまり秒速4000km近くに加速して射出する[[砲熕兵器>大砲(兵器)]]。 所謂[[EML]]だが、コイルガンなのか[[レールガン]]なのかは不明。語源は「いしゆみ(弩)」。 実戦で使用される砲弾は単なる金属の塊ではなく、[[核融合爆弾>核兵器]]が内蔵された弾頭を持ち、推進器による姿勢制御機能、ある程度の知性なども備えた高性能スマート砲弾。 &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){核爆発の威力より砲弾自体の運動エネルギーの方がデカそうなのは禁句。}} 基本的に&bold(){対艦攻撃に用いられる砲}で、直撃すれば大型艦にも余裕で致命傷を与えられる。 しかし砲システム自体が極めて巨大(アニメでは砲身が艦の全長の2/3ぐらいはある)で反動も大きいため、ある程度大型の艦にしか装備できない。 また機雷(後述)の迎撃にも使用されることもあるが、射角や弾速の関係上、効率はあまりよくない。 ***&font(b,#c90000){『&ruby(ルニュージュ){反陽子砲}』} 反陽子[[ビーム>ビーム/レーザー]]を照射する荷電粒子砲。敵艦に到達した反陽子は艦の装甲(通常物質)と反応し、装甲表面で対消滅を起こす。語源は「[[つるぎ(剣)>剣]]」。 電力だけで発射できるため砲弾を必要とせず、また電磁投射砲に比べれば小型であり反動もないため、小型の艦にも装備可能。 しかし威力面では電磁投射砲に比べて大きく劣り、特に原理上どうしても防御磁場でかなり弾かれてしまうのが痛い。 搭載できる艦が総じて小型なのも相まって、大型艦の高出力防御磁場に対してはほとんど有効打とならない場合が多い。 電磁投射砲同様、対艦攻撃にも防空用にも使われる。 ***&font(b,#c90000){『&ruby(ヴォークラーニュ){凝集光砲}』} 凝集光とはあまり聞きなれない言葉だろうが、要するにレーザーのこと。語源は「おお(大)」「[[かたな(刀)>刀]]」。 反陽子砲同様に低反動なので小型艦でも装備可能、かつ光速で照射される上に磁場などの影響も受けないので、命中精度も高い。 しかしサイズが威力に直結するため艦載砲では威力に限界があり、時空泡に包めるサイズでは敵艦の主装甲に対して致命傷を与えることはほとんど不可能。 艦対艦戦闘の場合は主にその速射性と弾速を活かした可動式の副砲(防空砲)として使われるが、電磁投射砲が使えない程の近距離戦などでは対艦用としても使われることがある。 しかしそこまで近づいても敵艦のバイタル部分にダメージを与えるのはやはり難しく、同サイズの艦同士の攻撃でも砲塔や推進器など、装甲の薄い部分にしか通用しない。 一方、サイズという制限を無視すればいくらでも高出力化が可能なので、時空泡に包む必要がない要塞砲などで使われるものは超威力・超弾速の砲として猛威を振るう。 ***&font(b,#c90000){『&ruby(サテュス・ゴール・ホーカ){機動時空爆雷}』} 先述した「時空泡発生機関を持つ、自爆攻撃を行う無人小型艦艇」に相当する兵器。語源は「いかづち(雷)」「よ」「うごく(動く)」。略称機雷(ホクサス)。 発射されると自艦の時空泡内を通常の推進器で進み、時空泡を発生させて時空泡から分離、平面宇宙を航行して敵の時空泡まで到達し、時空泡内で再び通常推進に切り替え、敵艦を捕捉して[[自爆]]攻撃を仕掛ける。 自爆攻撃と言っても核融合弾頭などは持たず、敵艦に接触して破損することで艦内の燃料槽を自ら破壊し、漏れだした燃料で対消滅爆発を起こすことで敵艦を攻撃するようになっている。 つまり運用法的に言えば艦対艦ミサイルなのだが、&bold(){時空泡発生機関}、それを稼働させる動力源である&b(){対消滅機関}、及びその&b(){燃料槽}、さらに通常宇宙で推進を行うための&b(){推進機}と&b(){推進剤}、おまけに敵の迎撃に対抗するための&b(){防御磁場}や分厚い&b(){装甲}、それら&b(){諸機能の制御系}などを備えており、構造的に言えば&b(){「居住機能を排除した艦艇」}に近い。 このため機雷自体のサイズがバカでかく、兵器としては極めて有効性が高いにも関わらず小型艦では搭載することすら不可能。 主に平面宇宙で敵艦への長距離攻撃に使われるが、敵から発射された機雷を迎撃するために使われることも多い(防御機雷戦)。 ***&font(b,#c90000){『&ruby(スネセーブ){防御磁場}』} 反陽子砲対策として搭載されている防御兵装。語源は「しらかべ」。 磁力によって荷電粒子(この場合反陽子ビーム)を屈曲させる、あるいは減衰させるという単純な原理の[[バリア]]だが、効果は極めて高い。 軍艦の場合は、宇宙[[放射線]]を防ぐための防御磁場発生器と兼用していると思われる。 しかし磁場の出力は基本的にエンジン出力に依存しているため、大型艦では強力だが、小型艦では不十分なものしか張れない。 また直撃を防げるといっても完全ではないため、弾ききれなかった反粒子が装甲に到達して微小なダメージを受けることも多い。 そして当然ながら防げるのは反陽子砲(あるいは近距離で爆発した機雷からまき散らされた反陽子など)だけであり、他の兵器に対しては防御効果がない。 ***&font(b,#c90000){『&ruby(セビュール・セラ){硝子霧}』} 凝集光砲に対して使用される防御兵装。語源は「けむり(煙)」・「きらきら」 反射率の高い物質を霧状にしたもので、高密度に展開することで通過した凝集光を拡散、減衰させることができるが、当然ながら凝集光の軌道線上に撒かれていなければ役に立たない。 敵の位置が固定されている対要塞戦などでは大いに有効だが、敵味方とも激しく動き回る艦対艦戦闘ではほとんど役に立たない。 **【艦種・艦カタログ】 といった感じで艦載兵装にはそれぞれに&font(b,blue){一長}&font(b,red){一短}があり、また平面宇宙の物理法則上重量制限が極めてシビアなので、基本的に搭載兵装と運用法、そして艦種が強くリンクしている。 また原作では各艦種の設定こそ詳細に明らかにされているが、個々の艦の具体的な性能緒元については不明な点が多く、ほとんどの設定がアニメ版のそれに依拠している。 ※ゲーム版ではまた異なる設定が多いが、この項目では基本的に原作版・アニメ版を基準としている ***&font(b,#368712){『&ruby(レスィー){巡察艦}』} 全長1200~1500mに達する巨艦で、通常空間(通常宇宙と、平面宇宙で融合した時空泡内の双方)戦闘における主力艦。語源は「せき(関)」。 &b(){主力兵装は大型の半固定式電磁投射砲}だが、平面宇宙での遠距離攻撃用に&b(){若干の機雷も搭載している}。また艦体各所に可動式の反陽子砲、凝集光砲も多数装備し、防空性能も高い。 大型艦でエンジン出力も高いため防御磁場の強度も高く、大出力推進器によって速力も申し分ない。 &font(b,blue){ハイレベルで走・攻・守のバランスが取れた万能艦}であり、通常宇宙での戦闘はもちろん、平面宇宙での機雷戦や、時空融合時の近接戦などあらゆる状況に対応できる抜群の汎用性も強み。 質量が速度に直結する平面宇宙での機動性でこそ小型艦種に劣るが、それ以外の点ではほぼ完全な上位互換であり、まさしく星界軍における主力艦種と言える。 だが大型で多機能な分&font(b,red){単価も高い}ため、人類世界最大の規模を誇る星界軍であっても艦隊編成に占める割合は限定的。 他国では同タイプの艦船が&b(){「巡洋宇宙艦」}と呼ばれている。 &font(b,#9e00b3){▼ ビルシュ級巡察艦 ▼} 帝国歴952年に主力として配備されていた巡察艦。アニメ版での威嚇的に尖りまくった攻撃的デザインが記憶に残る。 全長は1500mに及ぶ大型艦で、主砲である大型電磁投射砲は前方に向けて4門、後方に向けて2門を搭載。機雷搭載数も巡察艦としては多めの12発になっている。 952年には既に旧式化しつつあり、新型艦であるロース級の配備が開始されていたが、急な開戦によりしばらく現役にとどまることになった。 -&b(){「ヘールビルシュ」} --偵察分艦隊「フトゥーネ」旗艦。&br()スポール準提督が同分艦隊司令官として搭乗していた&font(l){毒々しい}真紅の巡察艦。&br()アニメ版では赤いカラーリング以外にも色々と独自色が出されており、主砲がビルシュ級の標準型ではなくロース級のそれに換装されていたりする。 -&b(){「ダーンビルシュ」} --流砂艦隊総旗艦。&br()帝国元帥にして皇太子ドゥサーニュの乗艦で、帝国歴945年にこの艦に率いられた流砂艦隊がハイド星系を侵略したことが、主人公リン・ジントの物語の始まりとなった。 &font(b,#9e00b3){▼ ロース級巡察艦 ▼} 帝国歴952年当時の最新型巡察艦。ロースはアーヴ語で「有翼竜」の意味で、語源は「たつ(辰)」。 前級のビルシュ級に対し&b(){「性能を維持したまま小型化」}という方向性に進んだ艦で、全長は2回りほど小さく1282mになったが、技術の向上により基本性能については互角のレベルを維持している。 また小型化=軽量化された分、平面宇宙での巡航速度ではビルシュ級を上回る。 主砲は前方4門、後方2門で砲撃力に関してもビルシュ級と変わりないが、小型化が響いたか機雷搭載数は10基に減少してしまった。 952年には[[テスト]]も終わり本格的な生産が開始されようとしていたが、開戦後に新型のカウ級が急ピッチで実用化されたためあまり生産数は伸びなかった模様。 -&b(){「ゴースロス」} --練習艦隊に所属する就役間もない新造艦。乗員は艦長レクシュ百翔長以下220名。&br()ラフィールが修技生として乗り込んでいた艦で、慣熟航行中に首都ラクファカールに向かうためジントが便乗した。&br()しかしその航行中、極秘で帝国への攻撃準備を進めていた人類統合体平和維持軍の襲撃を受ける。&br()奮戦して10隻の攻撃型駆逐宇宙艦(星界軍式でいう突撃艦)中9隻を撃沈するも、残りの1隻によって轟沈。この戦争における星界軍最初の戦没艦となった。 &font(b,#9e00b3){▼ カウ級巡察艦 ▼} 開戦後に生産が始まった最新鋭巡察艦。 猛烈な速度で配備が進んでおり、950年代後半にはほとんどの艦隊で主力を張っている模様。 アニメでは主砲が収容式のスリムな外見になっており、シルエットではビルシュ級、ロース級の前2級と全く別物レベルに違って見える。 -&b(){「サンカウ」} --帝国艦隊司令長官ドゥサーニュ帝国元帥の乗艦であり、実質的な星界軍総旗艦。&br()一応はカウ級巡察艦という区分になっているが、移動する総司令部として指揮機能に特化した大幅な改修が施されており、ほとんど別物になっている。&br()最大の特徴は機雷の運用機能が廃されていることで、これによって空いたスペースに総司令部としての機能(大型の作戦室やそこに勤務する幕僚の居住区など)を詰め込んでいる。&br()機雷が使えない分単艦での戦闘能力は低いが、その分指揮性能は高い。 -&b(){「ラーシュカウ」} --幻炎第一艦隊旗艦にして、スポール提督の乗艦。&br()&font(l){スタッフがスポール台所なためか}アニメではやたらと優遇されており、例によって真紅のカラーリングとシルエットレベルでのカスタマイズが施されている。 -&b(){「スカーカウ」} --幻炎艦隊副司令長官ビボース提督の乗艦。&br()アニメでのカラーリングは紫色だが、ラーシュカウに比べるとカスタマイズは控えめ。&font(l){ビボース台所はいないのですか?} -&b(){「ガフトノーシュ」} --アーヴによる人類帝国の皇帝は例外なく星界元帥を務めたことのある[[「戦う皇帝」>ラインハルト・フォン・ローエングラム]]なので、いつでも戦場に赴けるよう専用の皇帝御座艦が用意されている。&br()伝統的に最新鋭の巡察艦が御座艦に選ばれることになっており、帝国の国章にもなっている幻獣「[[ガフトノーシュ>八岐大蛇]]」の名を代々襲名する。&br()しかし帝国が肥大化した現在では皇帝親征の機会もあまりなく、演習や儀式などで近衛艦隊の旗艦を務める程度の使用が主となる。&br()このため実質的な総旗艦である皇太子用のサンカウなどに比べると指揮機能に特化した改修は控えめで、&b(){玉座艦橋などの装飾的な部分を除けば一般的な旗艦仕様のカウ級と大差ない}。 &font(b,#9e00b3){▼ ディジュ級巡察艦 ▼} 作中での登場回数が少なく、いまいち詳細がわからない巡察艦。開戦時には既に配備されており、最新刊まで戦い続けている息の長い艦である。 アニメでは後述のケールディシュが登場するが、主砲が収納式になっている点で後のカウ級とのつながりが感じられる。 -&b(){「ケールディジュ」} --トライフ艦隊司令長官の旗艦にして、トライフ提督の乗艦。カラーリングは青。 &font(b,#9e00b3){▼ アイクシュ級巡察艦 ▼} 1世紀以上前に主力巡察艦として配備され、現在ではとっくに退役している旧式巡察艦。 しかし人類社会の戦争技術に関してはここ200年ほど大きな進歩がなかったため、100年前の艦とは言え、[[F-22>F-22(戦闘機)]]とフォッカー Dr.Iのような別次元レベルでの性能差があるわけではない。 -&b(){「ガフトノーシュ・ドゥラド」} --著しい功績のあった船を動態保存する部隊「武勲艦隊」に配備されている[[記念艦>アイオワ級戦艦]]。&br()ドゥラドとは「旧」の意で、その名の通り100年以上前のシャシャイン戦役時に「ガフトノーシュ」として活躍したアイクシュ級である。&br()シャシャイン戦役の勝利を記念して保存されていたのだが、首都ラクファカールの陥落時、帝国宝物の輸送任務のため一時的に現役復帰した。 ***&font(b,#368712){『&ruby(ゲール){突撃艦}』} 正面戦闘に使用される軍艦の中では最も小型の部類に入る高機動艦。語源は「[[やり(槍)>槍]]」 小型のため機雷や電磁投射砲といった威力の高い兵器は搭載できず、&b(){主力兵装は艦首に設置された半固定式の大型反陽子砲}になる。 防空用の可動凝集光砲の数が少ないため、機雷攻撃に対しては非常にもろい。1発ならともかく、一度に2発の機雷が時空融合した場合となると殆どなすすべがない。 また装甲も薄く防御磁場の出力にも限界があるため、耐久力にも不安が残る。 一方で質量が速度に比例する平面宇宙では、その高速性が大きな武器となる。 当然ながら通常宇宙での機動性・運動性も抜群に高く、艦長が直接船と主砲を操作するため反応速度も速い。 この機動力を活かした高速三次元戦闘こそが突撃艦の主戦術であり、機能的には言ってみれば「全長数百メートルの戦闘機」に近い。 総じて&font(b,red){火力・防御力を大幅に犠牲として}&font(b,blue){機動性を追求した}艦であり、その速力を活かした補助戦力としては非常に有効だが、正面戦闘に関してはかなり非力。 巡察艦など相手にしよう場合は10倍以上の数で袋叩きにする必要があり、しかもそこまでしてもなおかなりの犠牲を強いられるほど。 長らく星界軍の艦編成において重要な一角を占めてきたが、帝国と同等の軍事力を誇る3か国連合との戦争が本格化するに従って損耗率が激増し、その非力さが問題視されるようになった。 このため星界軍では、より大型の襲撃艦(後述)への移行を進めようとしている。 &font(b,#9e00b3){▼ ロイル級突撃艦 ▼} 955年時点での最新型突撃艦。ロイルはアーヴ語でジガバチの意味で、語源は「すがる(蜾蠃)」 一般的な突撃艦の様式に倣い、艦首主砲として反陽子砲、防空用の副砲として2門(アニメ版設定)の凝集光砲を搭載している。 乗員は20名で、内訳は艦長以下操艦・砲術・航法を司る飛翔科翔士3名、事務と艦内運営を司る主計科翔士1名とその部下3名、艦のハードウェアをつかさどる軍匠科翔士1名とその部下12名。 アニメ版では主人公たちの乗艦に相応しいヒロイックな流線型シルエットを与えられており、人気も高い。 また主砲発射時には上下に分かれた二又の艦首ユニットが展開し、中央の反陽子砲がせり出してくるという素敵ギミックも持っている。 -&b(){「バースロイル」} --やっと出てきた主人公たちの乗艦。ラフィールが艦長としてジントが書記として搭乗し、突撃分艦隊ラトゥーシュ第1058突撃戦隊・第1突撃隊に配属された。&br()性能は一般的なロイル級とまったく同一だが、艦長と書記がいずれも貴族なので、名目上&b(){「艦内に二つも貴族城館(といっても士官個室だが)がある突撃艦」}として変な方向に有名。&br()しかし主役メカの割に[[主人公補正]]が足りておらず、2度目の戦いとなった955年のアプティック防衛戦で敵弾を受け大破、乗員脱出の後に爆散した。&br()その後同型艦が補充され同じくバースロイルの名を襲名するが、こちらは首尾よく生き残り、ラフィールたちの転任後に無事後任の艦長に渡したと思われる。 -&b(){「ガムロイル」} --バースロイルが所属する第1突撃隊の旗艦。突撃隊司令兼艦長を務めるのはアトスリュア百翔長。&br()正確に言えば嚮導突撃艦という区分に属し、通常の突撃艦に比べ乗員が2名(参謀と副官)多い。 &font(b,#9e00b3){▼ ガムフ級突撃艦 ▼} 原作ではほとんど名前しか登場していない突撃艦。 アニメ版では「ロイル級の前級にあたる旧式突撃艦」として設定され、デザインも起こされている。 ***&font(b,#368712){『&ruby(ソーバイ){襲撃艦}』} 前述したとおり3か国連合との戦争で突撃艦の非力さが指摘されるようになったため、その役割を置換すべく約2世紀ぶりに開発された新型艦種。語源は「こばや(小早)」 星界軍が&b(){独自に新開発した艦種}なので、他国に同様のタイプは(現段階では)存在しない。 艦体は突撃艦に比べはるかに大きく、&b(){主砲として巡察艦同様に大型の電磁投射砲を搭載できる}サイズになっている。 機雷に弱すぎた突撃艦の戦訓を踏まえて防空機能も強化されており、巡察艦同様多数の可動砲塔を持つ。また可動砲塔は威力が[[中途半端]]な反陽子砲を廃し、凝集光砲で統一されているのも特徴。 一方で巡察艦の主武器の一つであった&font(b,red){機雷の運用機能はまったく持たず}、あくまで通常空間(あるいは平面宇宙内での時空融合後)での戦闘に特化した艦となっている。 とまあ戦場での役割としては突撃艦のそれを代替すべき艦なのだが、艦の構造としては「機雷の運用機能を廃した巡察艦」に近い。操艦も巡察艦同様、艦長ではなく砲術士が担当する。 ただし機雷運用機能を外したことで得た構造上の余裕は非常に大きく、艦体強度(加速限界)や防御力、運動性など&font(b,blue){基本性能では全体的に巡察艦を上回っている。} 艦種名を決める時に&bold(){「重突撃艦と呼ぶべき派」}と&bold(){「軽巡察艦で決まりだろ派」}の間で激しい論争(殴り合い含む)が交わされ、最終的に喧嘩両成敗の形で襲撃艦に落ち着いた。 &font(b,#9e00b3){▼ コーヴ級襲撃艦 ▼} 実用化された最初の襲撃艦で、コーヴはアーヴ語で「有毒竜」の意。語源は「[[はぶ>ハブVSマングース]]」。 958年にはコーヴ級を主力とする初の艦隊「第一蹂躙戦隊」が編成され、演習によってデータ収集を行った。 その後艦隊は解散し、所属艦と乗員は各部隊に分散配置されて実戦に投入されたが、実戦での評価はまだこれからといったところ。 主砲は艦種4門、艦尾2門で巡察艦の一般的な配置と同様。可動凝集光砲塔は8群搭載されている。 アニメでは主人公ペアが乗らなかったためあまりクローズアップされていないが、ロイル級突撃艦を大きくしたようなデザインになっている。 -&b(){「フリーコヴ」} --第一蹂躙戦隊所属のコーヴ級で、ラフィールとジントが搭乗した&b(){主役メカその2}。&br()あまり目立った活躍がなかったバースロイルに比べて順調に戦果を積み重ねており、数度の戦いを無事生き延びている。[[VOB>VOB(ACfA)]]をつけてかっ飛ぶなど、絵的に映える活躍も多い(アニメ化されてないけど)。&br()しかしラフィールは襲撃艦艦長に就任したことで、艦を操縦する立場ではなくなってしまったことにこっそりと不満がある模様。 ***&font(b,#368712){『&ruby(アレーク){戦列艦}』} 機雷の運用に特化した艦種で、航空母艦ならぬ機雷母艦。平面宇宙戦闘におけるメイン火力となる。語源は「あたけ(安宅)」 30発~100発という大量の機雷を搭載しているため、その運用装備と整備保守人員、及びその収容施設によってサイズが肥大化しており、質量で言えば巡察艦の約3倍にも達する。 あまりにでかすぎる&乗員が多すぎるため、なんと艦内に託児室まで設けられており、平時なら子連れでも問題なく勤務できる。&font(l){ホワイト企業星界軍。} 大型で鈍重な上、機雷以外では防御用火器しか持たない。 &font(b,red){このため通常宇宙での戦闘となれば突撃艦相手ですら苦戦する}が、&font(b,blue){平面宇宙における火力は圧倒的で、巡察艦すら圧倒的密度の雷撃によって葬ってしまう。} &font(b,#9e00b3){▼ ソーフ級戦列艦 ▼} 作中で確認されている唯一の戦列艦。 -&b(){「カイソーフ」} --双棘第一三艦隊打撃分艦隊グデルス第一戦隊所属の戦列艦。艦長はベルソート百翔長。&br()ラフィールの弟ドゥヒールが次席通信士として搭乗した戦列艦だが、959年の雪晶作戦中に敵の奇襲を受け、乗員の脱出後に自爆させられた。 ***&font(b,#368712){『&ruby(レート){護衛艦}』} 機雷迎撃に特化した艦種で、戦列艦がメイン火力ならこちらは[[メイン盾>ブロントさん]]。語源は「たて(盾)」。 6隻で編隊を組み、発射された敵機雷に時空融合してこれを撃破することを主任務とする。 サイズとしては突撃艦とほぼ同クラスの小型艦で、操艦はやはり艦長が直接担当している。 突撃艦と違って艦種主砲を持たないが、その分可動砲塔が充実しており、&font(b,blue){迎撃性能では圧倒的に勝っている。} ただし&font(b,red){対艦火力は皆無なので巡察艦や突撃艦に襲われるとひとたまりもなく}、基本的に友軍のそれら艦種と組み合わせて運用する必要がある。 &font(b,#9e00b3){▼ ヘージュ級護衛艦 ▼} 作中で確認されている唯一の護衛艦。 アニメではデザインがあるが、原作では固有名詞がある艦すら搭乗していない。かわいそう! ***&font(b,#368712){『&ruby(イサーズ){輸送艦}』} 読んで文字通りの輸送艦。語源は「いかだ(筏)」 &font(b,#9e00b3){▼ クテール級輸送艦 ▼} 長さ1000m、幅200mの甲板を5つ持つ大型の輸送艦で、兵員輸送型ならゆうに8000人は搭乗できる。 作中では最も多く登場している輸送艦で、様々な派生モデルが確認されており、そのスペースを活かしていろんな用途に用いられている模様。 &font(b,#9e00b3){▼ タルス級輸送艦 ▼} 巡察艦のみで攻勢された高速艦隊「偵察分艦隊」に配備されている小型輸送艦。 平面宇宙での巡察艦に追従できるようサイズは抑えられており、兵員輸送型でも1500人が定員となっている。 某提督は[[参謀長>クファディス・ウェフ=エスピール・セスピー]]の制止を振り切って2万5000人の捕虜を詰め込もうとしていたが。 ***&font(b,#368712){『&ruby(ルソーミア){強襲輸送艦}』} 空挺科(地上部隊)で使われている特殊な輸送艦。語源は「つっこむ」「や」。 基本的に惑星上の戦闘を軽視しきっている星界軍において、大気圏突入/離脱能力を持っている唯一の艦種である。 &font(b,#9e00b3){▼ セース級強襲輸送艦 ▼} 作中で確認されている唯一の強襲輸送艦。 大気圏内での運用を想定されているため、普通のアーヴにはまったくなじみのない艦外拡声器が搭載されている。 アニメ版では『星界の戦旗II』の実質的な主役メカだったため、&font(l){なんかイカっぽい}詳細なデザインが起こされている。 ***&font(b,#368712){『&ruby(ペリア){連絡艇}』} 軍艦と言うか小型の艦載艇で、時空泡発生機関を搭載できる限界サイズの小型艇。語源は「パシリ」 平面宇宙内では時空泡同士での通信がろくにできない((一応時空泡の表面を変形させて時空粒子を突き動かし、別の時空泡に信号を伝えるという「泡間通信」なる方法はあるが、伝達距離が短い上に遅く、一度に送れる情報量もアルファベット1文字レベル))ため、詳細な情報伝達は平面宇宙航行機能を持つ連絡艇を介することで行われる。 艦が危険になった時の退艦時などでも使われる。 時空泡発生機関を持っていないタイプの連絡艇もあるが、そういった艇は機関搭載タイプが作る時空泡の中に入ることで平面宇宙を航行する。 -&b(){ゴースロス搭載連絡艇} --詳細な艇種別などは不明な主役メカその3。星界の紋章1、2巻に渡ってラフィールとジントを乗せて活躍した船で、状況が状況だったためか、後のバースロイルやフリーコヴに比べて明らかに主役補正を受けている気がする。 ちなみにCOMICメテオの漫画版では、作者の米村孝一郎が自作したペーパークラフトの画像データが公開されている。[[→参考リンク>http://comic-meteor.jp/seikaino/special/]] #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,5) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 米村版艦艇のゴチャゴチャしてること・・・ -- 名無しさん (2017-07-11 22:07:28) - アニメでの艦隊戦の演出凄く上手だな。最近のアニメも見習って欲しい -- 名無しさん (2021-04-05 17:18:17) - ロイル級の凝集光砲は原作でも2門だと思う エクリュアが休眠弾頭潰してる時に「連装凝集光砲」って記載があったはず -- 名無しさん (2022-01-18 23:12:23) #comment #areaedit(end) }