&font(#6495ED){登録日}:2018/08/14 (火曜日) 17:36:00 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 2 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){渚に静かにしのびよる人類最後の日 スタンリー・クレイマー監督が描く地球の終末―――。} 『&bold(){渚にて}』とは、1957年にネビル・シュート((航空技術者兼小説家。[[パンジャンドラム]]の開発者としての方が有名かもしれない))によって書かれた同名の小説を映画化したものである。 1959年製作、監督はスタンリー・クレイマー。 原題は『ON THE BEACH』。モノクロ映画で、本編は135分。 【概要】 冷戦期に製作された映画。特徴として、『博士の異常な愛情』や『未知への飛行』、『[[世界大戦争]]』といった、核戦争勃発の危機を描いた作品と異なり、 「&u(){核戦争が起こってしまった後の}世界」を描いている。 作中では、徐々に放射能に侵されることに対する人々の恐怖心や、汚染によって滅んだ故郷への想いなどが切なく描写される。 戦後の世界を舞台としているため、核ミサイルなどによる爆撃シーンはなく、基本的に、舞台となるオーストラリアの南端の都市・メルボルンでの人々の交流がメインとなっている。 【[[あらすじ]]】 時は1964年。 第三次世界大戦を発端とした世界全土への放射能汚染によって、オーストラリア周辺を除き、人類は死滅してしまう。 ある日、メルボルンへ、アメリカの原子力潜水艦が入港。 本国へ帰国できなくなった潜水艦の艦長・タワーズは、現地の女性であるモイラと知り合う。 そんな時、解読不能の、謎の無電がアメリカから発信される。タワーズは、無電の調査のため、乗組員たちと共に、滅んだはずのアメリカへ向かう。 しかしその頃、オーストラリアにも、放射能汚染の影響が徐々に現れており……。 【登場人物】 ●ドワイト・タワーズ中佐(演:グレゴリー・ペック) 原子力潜水艦の艦長。 メルボルンに入港した後、アメリカから発信されている無電を調査するため、汚染されてしまった祖国へ向かう。 核戦争によって妻子を喪っており、後述するモイラを誤って妻の名前で呼んでしまう。しかし、交流を重ねるうちに、相思相愛の間柄になっていく。 調査後、世界の終わりが近づく中、オーストラリアに残るか、本国に帰還するかという決断を迫られる。 ●モイラ・デヴィッドソン(演:エバ・ガードナー) タワーズが出会った女性。 彼女もまた、核戦争で心に傷を負っており、自然体で接してくれるタワーズに惹かれていく。 タワーズに妻の名で呼ばれてしまったことに最初は傷つくが、後に彼に「自分を妻の代わりに」と迫り、最終的には彼を「あなた」と呼ぶ関係となった。 ●ジュリアン・オズボーン(演:フレッド・アステア) オーストラリアの科学者で、放射能に詳しい。タワーズらと共にアメリカへ向かう。 自分も核戦争の当事者だという意識を持っており、「何故戦争になったのか」という話題になった際、酔っていたとはいえ、声を荒げてしまう場面もあった。 年長者らしく、家族との関係で悩む者の相談に乗ってもいる。 モイラとはかつて関係を持っていたが、現在は破局している。しかし、関係自体は良好。 またひそかにフェラーリを手に入れており、夢はレースに出ること。そして帰港後、念願のカーレースに出場。次々とほかの車がクラッシュしていく中……。 ●ピーター・ホームズ(演:アンソニー・パーキンス) オーストラリアの若き軍人。ジュリアン同様に、潜水艦の乗組員として、タワーズの調査に同行する。 家族思いの良き父親だが、刻一刻と迫る破滅の時に焦りを感じており、町の有力者を通じ、[[安楽死]]の薬を入手する。 しかし、その薬の服用を巡り、妻と口論になってしまい、苦悩する。 ●メアリー・ホームズ(演:ドナ・アンダーソン) ピーターの美人妻。夫とは互いに愛し合っているが、前述した安楽死の件で「子供を殺すのか」と夫に反発する。 作中では徐々に迫る終わりに対する恐怖心が際立って描写されており、現実を受け入れられない人物として描かれている。そのため、情緒不安定気味。 【余談】 本作は第17回ゴールデングローブ賞作曲賞と第14回英国アカデミー賞監督賞、日本でも第11回ブルーリボン賞外国作品賞を受賞している。 その他、後年『エンド・オブ・ザ・ワールド』というタイトルでTV映画化した。 こちらの作品は、台湾をめぐるアメリカと中国の核戦争によって人類が滅亡したという設定で、その他にも原作・映画とは設定が異なる点がある。 『[[METAL GEAR SOLID 3: SNAKE EATER]]』に登場するパラメディックがゲーム内でこの映画について語っているシーンがある。同作がきっかけで映画の事を知った人も少なからずいるだろう。 追記修正は、「近ごろは」が口癖になってからお願いします。 &bold(){THERE IS STILL TIME .. BROTHER} #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,5) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - メタルギアソリッド3でパラメディックが語った映画だっけ? -- 名無しさん (2018-08-14 21:48:10) - オーストラリア大陸だけが比較的被害少なくて生き残る/戦後の世界の中心地な設定はこの時代の創作物あるある。米ソ両大国から遠い・広大で資源が豊富・白人国家で先進国etc.で。 -- 名無しさん (2018-08-14 22:27:59) - ネビル・シュートってあのネビル・シュート? パンジャンドラムの -- 名無しさん (2018-08-15 11:20:45) - 核戦争後の世界でも復興する作品がある中では情けない世界だな -- 名無しさん (2018-08-15 11:35:48) - パンジャンドラムはアレだったけど作家としては成功したみたいなんだよねネビルさん… -- 名無しさん (2018-08-16 15:36:39) - これ、核の汚染が徐々に南半球を侵食していくのが流れられない恐怖だった -- 名無しさん (2019-12-17 23:11:29) - これ、ポストアポカリプスですよね? -- 名無しさん (2024-06-08 22:23:40) - ↑×6ははぁ、それでわかったぞ。初代ガンダムのコロニーの落下地点がシドニーだったのは「パターン破り」のつもりだったのか。 -- 名無しさん (2025-03-05 20:45:52) #comment #areaedit(end) }