ダメージガエシ(ペーパーマリオRPG)

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ダメージガエシ(ペーパーマリオRPG) - (2025/03/12 (水) 18:42:27) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2018/09/16 Sun 15:05:54
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 9 分で読めます

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&tags()
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#center(){
&sizex(5){&bold(){スタッフは何故こんなバッジを作ったのか。}}
}



&bold(){「ダメージガエシ」}とは、ゲーム『[[ペーパーマリオRPG]]』に登場するバッジである。
そして、&color(RED){ゲーム内で屈指の性能を誇る装備でもある。}

*概要
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まずは、『[[ペーパーマリオRPG]]』を知らない人向けの解説から。
この[[ゲーム]]には「バッジ」と呼ばれる装備アイテムが登場する。
バッジには様々な効果が設定されていて、装備することで様々な恩恵が得られるようになる(ワザの追加、パラメータの上昇など)。
各バッジには「バッジポイント」と呼ばれるコストが設定されている。これとは別に[[マリオ]]にはBPと呼ばれるパラメータが設定されているのだが、装備するバッジは、バッジポイントの合計がBP以下でなければならない。例えばマリオの最大BPが「3」なら、バッジポイントが1に設定されているバッジを3個まで装備できる。
性能の高いバッジほどバッジポイントは高くなり、BPを圧迫して装備しづらくなる。

そして、ダメージガエシの性能はというと……

 マリオを ちょくせつ こうげきしてきた
 てきに ダメージの1/2を あたえる

バッジポイントは7。


これを読めば、本作を遊んだことのない読者にもその恐ろしさがわかるだろう。
//ダメージガエシには喰らう側のダメージ半減効果はない(攻撃力2の敵相手時は防御0のマリオは通常2ダメージでこれ装備でも2なのを確認)。ここは誤解を招く紹介は良くても嘘を書くところではないので半減前提の個所は削除・改変させてもらう。

要するに&bold(){相手が強烈な攻撃をすればするほどそれが己に返ってくるのである。}

//全部のダメージを1対1交換にしてしまうというのがまずおかしい。
//敵はどんなに殴っても一切アドバンテージを得られないのに、こちらは普通に攻撃して、敵のHPを減らす事ができる。
自分が逆の立場だった場合を考えてほしい。
『[[ポケットモンスター]]』の「もろはのずつき」などの「1/2の反動ダメージがある」という技はいずれも「強力だから」という理由でペナルティが付いているものであるのに、これはそういった要素のないただの直接攻撃の小技でさえペナルティつきにしてしまうのだ。
(ちなみに最低ダメージ保証があるので、たとえ1ダメージの攻撃でも攻撃者にダメージは返る。)

戦えば戦うほど自分が追い詰められていく……「ダメージガエシ」を使われた敵はただただ絶望するのみ。泣くしかない。

当然、これを入手してしまうことができれば、特殊なプレイでもしない限り『ペーパーマリオRPG』のボスキャラで戦いになる相手はいない。
//まず、自分が受けるダメージは半減するため、ほとんどのボスキャラが無力化する。
//ラスボスの「カゲの女王」(攻撃力7)でさえ、中盤のボスキャラ並みの攻撃力になってしまうのだ。
//そして、相手は勝手に弱っていくため、大して強化する必要もなくなる。「ムキムキボディ」やガツーン系バッジに頼らなくても勝てるようになり、ほとんどのボス戦が作業ゲーとなる。

数少ない欠点を上げるとすれば、バッジポイントが高いこと。7という数字は全てのバッジの最高値であり、6~7人の仲間を一同に戦闘参加させられる(も同然の)「スバヤクカワール」や、時々マリオが敵の攻撃を避けるようになる「ケッコウラッキー」と同じ値。
だが、これを入手したマリオは(よほど特殊なプレイをしない限り)向かうところ敵なし状態になっているので、&bold(){値の設定を論議するのは無意味。}

本当に、何故作ったし。


もちろん、そんなバッジの存在が許されていいはずがない。
何をかくそう、このバッジは入手難易度もおそろしく高く、本ゲームの裏[[ダンジョン]]「100階ダンジョン」を完全クリアしないと入手できないのだ。

その裏ダンジョンは
・クリアに&color(red){リアルタイムで数時間かかる}
・途中セーブ不可、死ぬか脱出したら最初からやり直し
・途中で宿屋の類はなく、アイテムの補給も乏しい&footnote(敵のドロップかぼったくりショップからの購入のみ。勿論どちらもランダムである)
・終盤にはラストダンジョンのザコキャラの強化版のさらなる強化版が登場し、本気で殺しにかかってくる
・最深部には[[ボスキャラ>ゴンババ/ブンババ/ゾンババ]]が待ち受けており、仲間から「[[ラスボス]]より強いかもしれない」と称されるほどの強敵
という、理不尽要素のオンパレードであり、実質クリア後のおまけ。その先で手に入るのが「ダメージガエシ」なのである。

つまり、このバッジは『ペーパーマリオRPG』を骨の髄までしゃぶりつくしてくれたプレイヤーへのご褒美のようなもの。
&bold(){「このダンジョンがクリアできるようならもう他に敵はいないので、このバッジを使ってこれからもゲームを楽しんでほしい」}
……そんなスタッフのささやかな心遣いである。GJ!

[[というわけ]]で「ダメージガエシ」は今なお世界中で、多くのマリオが装備している事だろう。
これから遊ぶやりこみ勢は是非このバッジをゲットして、悠々自適な完クリ作業を行ってほしい。


*余談
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ゲーム最初の街「[[ゴロツキタウン>ゴロツキタウン(ペーパーマリオRPG)]]」では、バッジの売買を行う「バッジ屋」が店を構えている。
ゲーム中1個しか入手できないバッジを売ることも出来る(買戻しも可能)のだが、このバッジの売値は&bold(){500コイン}。
買値は堂々の&bold(){999コイン}(カンスト値)である。

金に釣られて売ってみたらとんでもない値段が表示され、思わず腰を抜かした方もいるのではないだろうか。
(尤も、このバッジを売る物好きは相当まれだと思われるが……)
流石ラストダンジョン限定バッジ。貫禄ありすぎである。

ところで、一部のRPG作品では個数限定アイテムを間違えて売ってしまわないよう、売値を1Gにすることがある。
性能を考えると、思わず売ってしまいそうになるこの金額設定はいささか不親切と言えなくもないが、前述のように買い戻しもできるので安心してほしい。


追記・修正は、ダメージガエシをうっかり売ってしまった人がお願いします。

#include(テンプレ2)

#include(テンプレ3)






























   *   *
 *   + 一部うそです
  n ∧_∧ n
+ (ヨ(*´∀`)E)
  Y   Y  *






確かに、「マリオを直接攻撃してきた敵にダメージの半分を与える」というバッジの効果&bold(){自体}には嘘偽りはない。
理不尽難易度の100階ダンジョンの最深部に置いてあるのも事実だし、バッジポイントが最高値なのも、買値が[[カンスト]]級なのも実話である。

……そして、そんなスタッフのプッシュに反して&bold(){驚くほど弱い。}

//どれだけ弱いのかと言うと、ゲーム開始地点の船着き場にぽつんと置いてあったとしても、おそらくゲームバランスに一切影響を与えない。

そう、&bold(){見かけ上の強さに反して全くもって使えない。}所謂[[カスレア]]である。



**使えない理由1:返す分のダメージは自分も食らう
ではここで今一度説明文を読んでみよう。

 マリオを ちょくせつ こうげきしてきた
 てきに ダメージの1/2を あたえる

最初にこのバッジの説明文を読んだとき、難関ダンジョンの最深部で手に入る背景と併せて、こう思った人もいるはず。
「自分が受けるダメージの半分を相手が肩代わりするのか!チートじゃん!!」

だが、説明文には相手がダメージを請け負うとは一言も書いてない。
&bold(){ダメージは通常通り自分も食らうのだ。}

例えば、敵の攻撃力が6あったとすると、敵は3点のダメージを返されるが、マリオも6点のダメージを普通に食らってしまう。
&color(RED){……あれ、弱くね?}

『[[風来のシレン>不思議のダンジョン2 風来のシレン]]』シリーズに出る「バトルカウンター」やドラクエシリーズの「やいばのよろい」と似た効果と言えば分かりやすいだろうか。
しかしこれらは役立つと評される登場作品もあり、ダメージガエシと比較するのは失礼である。

**使えない理由2:食らうダメージに対して返すダメージが割に合わない
「それでも、半分は返してくれるんでしょ?」
残念ながら、それでも弱い。

バッジの性能を解り易くするため、このゲームのダメージの相場について見てみよう。
このゲームでは、レベルアップの度に
・HP5アップ
・FP(所謂MP)5アップ
・BP3アップ
のいずれかを選べるようになっている。
マリオの初期HPは10で、ラスボスを倒す頃には大体レベル30くらいになっている。
つまり、ラスボス到達時のマリオのHPは平均して60、最大でも大体160くらい。
一方、ラスボス「[[カゲの女王]]」のHPは150である。
また、マリオは最終的にデフォルトの攻撃力が6になる。

何が言いたいのかと言うと
・先ほどの例で言うなら6点も食らうのはかなり痛い。
・それで返せる攻撃はマリオの攻撃力の半分くらいにしかならない。
・ボスキャラになれば敵のHPの方が高く、2対1交換でもこちらが損。
要するに、&bold(){デメリットにメリットが見合っていない。}
先ほど『ポケットモンスター』の技を例に挙げたが、そちらは互いに近しい性能のキャラで戦うことを前提に調整された対戦ゲーム。一人用のゲームと一緒にしてはいけない。


**使えない理由3:マリオへの直接攻撃しか返せない
それでも、少しずつダメージを返せるのなら……という淡い希望も打ち砕かれる。
もう一度説明文を読んでみよう。

 マリオを ちょくせつ こうげきしてきた
 てきに ダメージの1/2を あたえる

&bold(){仲間への攻撃に対してはダメージを返せないし、返せるのは直接攻撃だけである。}
&s(){あっても誰も使わないためか}仲間用の「ダメージガエシP」は存在しない。((もっとも、仲間用があってもおかしくないバッジに仲間用バッジが無いのは「ダメージガエシ」だけに限った事ではなく、没データの中に「ケッコウラッキーP」や「フラワスイトールP」なるバッジのデータが入っているのが確認できる。))

本ゲームの戦闘は、マリオとその仲間一人によって行われる。
つまり、敵の攻撃の約半分はマリオを無視して仲間に飛んでくる。
また、敵の攻撃の中には[[飛び道具]]など、マリオを直接攻撃しない技も含まれる。

……要するに、
ただでさえメリットが多くないのに、それを活かせる機会すらも少ないのだ。

**使えない理由4:スーパーガード
そして、&color(RED){このバッジの存在を完全に否定するのがこのゲーム元来のシステムである。}

本作では「スーパーガード」というアクションが存在する。
敵の攻撃をくらった瞬間、タイミング良くBボタンを押す事で、&bold(){敵の攻撃を0ダメージにできる}という優れもの。
おまけに、直接攻撃してきた相手に反撃で1ダメージを返す事ができる。
通常のガードより「タイミングがシビア」という欠点はあるものの、慣れてくれば安定して使えるようになる。

無傷でやり過ごせるならば、当然スーパーガードをふんだんに活用することになるだろう。
スーパーガードを失敗しない限り、マリオへの直接攻撃が通る事は起きなくなる。

&bold(){……あれ?ダメージガエシいらなくない?}
そう。わざわざスーパーガードを失敗してまでダメージを喰らわないと使えないバッジにお呼びはかからない。
ただでさえ弱いのに、ゲームシステムにすら見放されているのである。せめて[[前作>マリオストーリー]]に出ていれば……

**使えない理由5:高すぎるバッジポイント(BP)
先ほども書いたように
・一部の攻撃でたくさんダメージを喰らうと少しだけ相手にダメージを返してくれる「ダメージガエシ」
・本来一人しか使えない仲間を実質総動員できる「スバヤクカワール」
・結構攻撃を避けられる「ケッコウラッキー」
これらのバッジポイントは同じである。

細かい説明は省くが、ぶっちゃけ&bold(){性能にバッジポイントが見合っていない。}
バッジポイントが7あれば、小粒な良性能のバッジを沢山つけることができる。それをおしてまで「ダメージガエシ」を付ける理由は……?
せめてバッジポイントが1〜3程度なら納得の性能だったのだが……

**使えない理由6:ぶっちゃけ「ビリビリーン」でいい
ダメージガエシの効果はいわゆる「しかえし」状態を永続的に発生させるものなのだが、しかえしより便利な状態異常を永続的に発生させるバッジがある。
それが「ビリビリーン」。

ビリビリーンを付けるとマリオは永続のビリビリ状態になるのだが、&bold(){ぶっちゃけこれの方がよっぽど強い。}
ビリビリ状態になったマリオに触れた敵は1ダメージ受けるようになり、チョロボン系統やバサバサ系統の吸血攻撃は触れた瞬間にキャンセルされて成功しなくなる。((また、ビリビリーンによるビリビリ状態は「イツーモゲンキ」の影響を受けない。))
使用するBPはダメージガエシの半分以下の3。
ダメージガエシと異なり反射ダメージは1固定とはいえ、ボタンガードが若干難しい吸血攻撃をそもそも「出来なくする」メリットはそれ以上に大きく、そんなものが半分以下のBPで付けられるならダメージガエシは別に要らない。
しかも、ダメージガエシの場合は「自分が受けたダメージの半分」なので意図的に大ダメージを受けるように調整しなければいけないが、ビリビリーンならボウギョプラス系で攻撃を0ダメにしてもダメージを与えられる。

加えて、そのビリビリーンは&bold(){100階ダンジョンの30階という比較的浅い階層で手に入る。}
より利便性が高いバッジが同じダンジョンの早い段階で手に入るのだから、ダメージガエシにとってはたまったものではない。

**使えない理由7:活用するのが恐ろしく大変なうえに手間に合わない
ダメージガエシの仕様上、マリオが大ダメージを受ければ受けるほど反射ダメージが大きくなる。
つまり、意図的に「HPが非常に高く」「防御力が壊滅的」なマリオを作ればまあ使えなくはないのだが、ニバイダメージ込みでも「敵の攻撃力分」しか普通は返せず弱い。
普通はマリオの防御力が0なのでこれ以上は不可能だが、あるバッジを付ければその限界を超えられる。
「モロハノヤイバー」というバッジで「マリオの与えるダメージと&bold(){受けるダメージを}」1ずつ変化させられる。
そして、HPは[[レベル上げ]]で200まで上げたら後はハートフエールを乗せて[[ドーピング]]すればいい。
必要バッジポイントはハートフエールが3、モロハノヤイバーが2なのでこれをたくさんつけたら反撃マリオの出来上がり。
毎回凄いダメージを受けるが、その分反射ダメージも上がるので確実に雑魚敵は即死させられる。
なんだ、使えるじゃないか!ダメージガエシ始まったな!
……&bold(){なんてことはない。}

ハートフエールはゆうぎ場で量産可能だが、モロハノヤイバーの量産は&bold(){期間限定ダンジョンでしか戦えない雑魚敵から盗みまくる必要がある}。
メガバッテンのアジトで出てくる「エリートぐんだんいん」が稀に持っている・落とすモロハノヤイバーをひたすらかき集めればいいのだが、クリアすると&bold(){2度と戦えない}。
そして、ドロップ率も装備率も低いので集めようとすれば&bold(){何百回もこのダンジョンに入りなおさないといけない}。
もしくは、100階ダンジョンの70階台に登場するトゲノコエースから手に入れるという手もあるが、いつでも会える代わりに手間が掛かるという難点が存在する。((なお、チュチュリーナの「チュードロボー」は相手が手ぶらの状態でもドロップ率依存でアイテムやバッジを手に入るので、十分なFP(とアイテムデールのバッジ)さえあれば量産は少しは簡単となる。))

それに、いくら受けるダメージを増やしたとしても、直接攻撃以外のダメージは反射できないまま。
飛び道具攻撃などは、&bold(){無駄に凄まじいダメージを受けるデメリットしか残らない。}
ステージ7のボスが「観客マシンガン」という飛び道具を使うのだが、例としてモロハノヤイバー10個とニバイダメージを装着したままアクションコマンド失敗して全部受けてしまうと(3+10)×2×10回=&bold(){260ダメージ食らう。}
ニバイダメージのデメリットの方が大きいのがよく分かるだろう。

仮に反射ダメージで敵を倒したとしても、受けた大ダメージを回復しなければならない。
攻撃を受ける前に敵を倒した方が安全かつ楽という結論に辿り着く。
そもそも、モロハノヤイバーを大量に装備すればマリオの攻撃力は相当上がるので、大抵の敵は攻撃を受ける前に倒せてしまう。ダメージガエシ必要ないじゃん。

**使えない理由8 :HP5マリオの存在
そして、モロハノヤイバー量産より簡単に攻撃力を上げられる有名な裏技が存在する。
このゲームには、レベルアップ時の能力上昇を後で調整することができる(何かの能力を上げて別の能力を下げる)システムが存在する。((このシステムの解禁にはバレルが必要になるため、ステージ5クリア後と中盤終わり辺りから使用可能))
マリオの初期「HP」は「10」だが、このシステムをつかうと「HP」が「5」、すなわち常時「ピンチ」状態まで下げられる。
あるいは、最大HPを10のまま現在HPを5以下を維持するようにプレイしてもよい。事故防止に「ナマクラヤイバー」や「ピンチデラッキー」「センセイサレナイ」もあれば良い。
その調整で「BP」をできるだけ上げておき、さらに「ピンチ」時にこうげき力が「2」上がる「ピンチデガンバル」というバッジが遊技場で売ってるので大量に交換する。そしてこのピンチ系バッジを大量装備。
すると超火力マリオが誕生。
この状態でツギツギジャンプを繰り出せばどんなザコ敵の群れでも1ターンで倒せ、レンゾクジャンプを繰り出せばボスだろうが1ターンで沈むようになる。
こうなると、&bold(){相手からダメージを受けないと効果を発揮しない}ダメージガエシの出る幕はもはやない。((というよりこのウラ技を使うと、トゲや炎を無効化できる状態のレンゾクジャンプでほぼすべての敵を倒せる。そのため攻略サイトなどでも、『ゲームの楽しさを損なうので、本当にどうしようもないときに使おう』という旨の注意書きが書かれている))

**使えない理由9 :手に入る頃には使いどころがない
ここまでボロクソに書いてきたが、とどめと言わんばかりにさらなる悲劇が待っている。

超難易度の100階ダンジョンをクリアしたと言う事は、もう既にラスボスを倒し終わっている可能性が高い。
そして、100階ダンジョンのボスであるゾンババより強いモンスターはゲームキューブ版には存在しない。(リメイク版については後述)
一応ラスボス撃破前に100階ダンジョンには行けるし、プレイ次第ではラスボス前にダメージガエシを手に入れることも不可能ではないが、先述したデメリットを考えると、多少入手時期が早まったところで評価は変わらない。
本作ではラスボスもゾンババも倒すと復活しないのも逆風になっている。

&bold(){……ここに来て戦闘を有利にする理由って何?}
仮にゲーム開始直後の船着き場で入手できたとしても微妙なのに、よりによってゲームの最後の最後で手に入るバッジなのだ。
残念ながらこのダメージガエシは、『100階ダンジョン制覇の証』でしかない。


前述の例えで言うなら、バトルカウンターが「[[もっと不思議のダンジョン]](不思議のダンジョンシリーズ恒例の最高難易度ダンジョン)」をクリアした時に手に入っても、全く嬉しくない。
やいばのよろいもゲーム中盤~終盤で入手できることが多く、決して&bold(){裏ボスを倒さないと手に入らない代物}ではない。

ちなみに、100階ダンジョンの80階には「ヤッツケーレ」が置かれている。
BPこそ重いものの、これがあるとマリオより弱い雑魚敵との戦闘をカットできるようになり、世界中をお気軽に探索できるようになる。((100階ダンジョンの雑魚敵には無効))
&bold(){……あれ?こっちの方がクリア後のご褒美にふさわしくない!?}

ドラクエで例えるならば、裏ダンジョンの道中の休憩ポイントに[[エンカウント]]率を0にするゴスペルリングが置かれ、裏ダンジョンのクリア報酬がやいばのよろい、みたいなものである。

**使えない理由その10 :別にこのバッジでなくともしかえし状態になれる
ここまでくると重箱の隅だが、このダメージガエシを使わなくとも、アイテム「しかえしのこな」やマリオ自体が使えるわけではないが[[バレル>バレル(ペーパーマリオRPG)]]の「ふれたらドカン」でもしかえし状態になれる。
わざわざ最大でも20しかない枠にしかえしのこなを割くかはともかく、こちらはクリア前(ホネノコなどのドロップやウスグラ村で購入できる)から使え、値段も10コインと安い方である。
バレルはバクハツ技の性能を考えればわざわざターンを消費してまで使うかは考えものだが、最大HPが高いため壁役として運用すると考えれば噛み合ってはいる。
どちらもターン数制限はあるものの、運用上1ターン使えればいいほうなので、デフォルトでBPを7も使うこのバッジを使うほどでない。

**ダメージガエシに明日は無い

というわけで、「ダメージガエシ」はその入手難易度にも拘わらず、徹頭徹尾使いどころのないバッジとしてプレイヤーの印象に深く刻み込まれる事になってしまうのであった。

しかし、彼には唯一の使いどころが残されている。

#center(){
&bold(){「ダメージガエシ」は コイン 500まいで 買いますが}
&bold(){お売りに なりますかっ!?}

☛&bold(){はい}
&bold(){ いいえ}
}

彼を葬って得た大金は、遊戯場で消費するなり料理の材料を集めるなり、お遊びがてら金塊を買うなり、好きなことに使ってあげよう。

時たまバッジ屋に拠ればラインナップにダメージガエシが並び、999コインという偽りの栄光を誇示することになる。そうしてプレイヤーは思う事だろう。


#center(){
&sizex(5){&bold(){スタッフは何故こんなバッジを作ったのか。}}
}

**リメイク版
2024年5月23日、ペーパーマリオRPGの[[Nintendo Switch]]版が発売された。
ダメージガエシも当然GC版同様100階ダンジョン最下層のボス撃破報酬で実装された。

#openclose(show=その性能は…!) {
&bold(){&size(24){特に変更はない。}}

BPが7なのも、返す分のダメージを普通に食らうのも、マリオへの直接攻撃しか返せないのも、全てGC版と一緒。
売ってコインにするか、Xに画像投稿して自慢する位しか使い道のないバッジで終わってしまった…。
ヤッツケアタックのBPが0になったり、ハンマーナゲールが防御無視攻撃になったりしてるのに……。((ハンマーナゲールは攻撃力が2固定になって使い勝手が悪くなったと言われることもある))

しかも、ゾンババを倒すとクリアボーナスで999コイン手に入るようになったため、唯一の使い所であった換金アイテムとしての立場も微妙になってしまった。

本作では一度100階ダンジョンをクリアし、ある条件を満たしたうえでもう一度最深部まで行くと、[[前に居座ってた奴よりやべー隠しボス>コブロン]]が待ち受けている。((ちなみにプレイヤーから攻撃しなければそのまま素通りできるが、当然なにも得られない))
なお、リメイク版では上述のボスを含む隠しボスが複数追加されており、中には&bold(){[[10ダメージ超えの連続攻撃をしてくる>プリンス・マッシュ]]}ような化け物も登場する。
ゾンババより強い隠しボスが追加され、ようやく使い道ができたか!?
……と思いきや、いずれの追加ボスも&bold(){ダメージガエシによる反撃は無効}。ただし、後者に対しては強力な連続攻撃を1発で止めさせたりFP吸収を防ぐ効果を持っている。このボスは仕様上コウラのまもりなどの手段に頼り切るわけにもいかず、真っ正面から攻撃を受けなくてはならない場面がある。そのため、ダメージ軽減手段としてはかなり優秀ではあり、しかも前述のビリビリーンではこれらの攻撃を防げない。しかしそのために100階ダンジョンを潜りBP7を割くことをどう捉えるかはプレイヤー次第であろう。また、前述のHP5マリオの他、チャージ及びチャージPのバッジを大量につけてチャージしてからの攻撃や、ナマクラヤイバーを23個つけてダメージを完全無効化するとか、実は即死技のイチゲキコロリが低確率で効くので戦闘開始直後に使って効かなかったらリセットして効くまで繰り返すとか、手段選ばなければもっと楽に倒す方法はいくらでもある。

追加ボス自体にはダメージガエシ無効だが、(前述の通り強力な連続攻撃を一発で止められFP吸収も無効化できるのでボス戦自体では役立つが)追加ボスの1人に会いに行くにはもう一度裏ダンジョンをクリアする必要がある。
リメイク版ではピンチデガンバルの交換に必要なモンテが値上げされ、前述のHP5マリオもハードルが高くなっている。
//&s(){換金アイテムとしては}使いどころが増えたかもしれない。
また、「キンピカール」の入手条件にバッジのコンプリートが含まれる((手に入れるにはバッジのコンプリートだけでなく、敵のものしりデータと料理のデータもコンプリートする必要がある))ので、そういう意味では多少存在価値は上がったのかもしれない。&s(){全く擁護になってないが}

//#region(余談)
ちなみに、先述したやべー隠しボスを倒すとアイテムを手に入れることができるのだが、そのアイテムは『だいじなもの』枠のアイテムで、ダメージガエシと違い売ることも装備することもできない。
なので、実用性があるという意味ではダメージガエシが勝っている。&s(){だからどうしたというわけではないが}
&size(9){ちなみにこの隠しボスは再戦が可能で、倒す度にHP,FPを大きく回復できるアイテム(リメイク前は個数限定品)が手に入る。…使い所はともかく、結局ダメージガエシは最終的に実用性でも負けてしまったのだった。}
//#endregion
}


追記・修正は、「ニバイダメージ」を併用したはいいものの、それでも全然使えない事に気づき、虚しさを覚えた人がお願いします。

#include(テンプレ2)
#right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,14)
}
#include(テンプレ3)

#openclose(show=▷ コメント欄){
#lsd()
#comment_num2(num=30)
}