レンタル妹を借りてみた件(ぱげらった)

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レンタル妹を借りてみた件(ぱげらった) - (2023/07/16 (日) 16:55:44) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2020/01/03 Fri 22:51:43
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 4 分で読めます

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『&bold(){レンタル妹を借りてみた件}』とは、ぱげらった氏による8ページ(+おまけ2ページ)の短編漫画。
元々は氏のTwitter上にて発表された作品で、2019年5月17日に前編、同年5月19日に後編とおまけが公開され、
後に同年10月12日に商業で発売された著者の短編集『拡散的エモーション』に書き下ろし1ページを加えて収録された。


*ストーリー解説
ある日、一人の青年の自宅を、[[ブレザー]]に身を包んだ「レンタル妹」が訪れる。
満面の屈託ない笑顔で「&font(b,red){ただいま~お兄ちゃん}」と言う彼女を見て、大興奮の青年。
何せ、見た目も性格も青年が事前に指定した「願望」そのものだったのだ。
和気藹々としながらも、自分の部屋で[[ゲーム]]をして遊ぼうと、青年はレンタル妹を誘う。

かくして訪れた青年の部屋は、美少女モノのフィギュアにポスターが飾られた典型的な「[[オタク]]部屋」。
レンタル妹は、業務だから仕方ないとはいえ、自分の仕事が毎度毎度[[オタク]]相手ばっかりという現状に内心辟易する。
そんな彼女の心情を知ってか知らずか、青年は「&font(b,blue){奈々花マリカー好きだろ}」と、ゲームで遊ぶ事を提案。
青年がレンタル妹に要求した注文は「&ruby(ななか){奈々花}」という名前や趣味嗜好も含めて非常に細かかったらしく、
彼女は思いのほか厄介な客ではないかと不安になる。

そんなレンタル妹の不安をよそに、[[ゲーム]]で遊ぶ二人。
中々ゲームで勝てないレンタル妹に対し、青年は「&font(b,blue){じゃあ次はハンデつけてやるか いつもみたいに}」と提案。
青年の「いつも」という言葉……まるで&bold(){「奈々花」という妹が元から居た}かのような青年の態度に、レンタル妹は少し恐怖を感じる。
そんなこんなで時間は過ぎていったが、青年は[[トイレ]]に行くといいつつ、レンタル妹を残して部屋から姿を消した……


*登場人物

・レンタル妹
&font(b,red){(はぁーまたキモオタ…このバイトの客ほんとキモいやつばっか…)}
文字通り「レンタル妹」の派遣業務で働いている少女。アルバイトらしい。
仕事だから仕方ないと割り切ってはいるが、仕事相手が所謂「[[オタク]]」系統の人間ばかりである事に内心辟易している。
とはいえ、それでも表面上は青年のリクエストした「理想の妹」を演じきった仕事のプロ。
ちなみにレンタル妹の料金は一時間8000円。

・青年
&font(b,blue){(うおおおおおおお レンタル妹キタ――――ッ!!)}
レンタル妹を依頼した若い青年で、レンタル妹曰く「[[オタク]]」。
依頼に際しては容姿・性格・趣味嗜好・名前に至ってまで事細かく注文しており、
まるで最初から「&bold(){奈々花}」という妹がいたかのような言動から、レンタル妹から訝しがられている。










#center(){&font(b,red){以下、ネタバレ注意!}}










いつまで経っても戻って来ない青年に痺れをきらし、自身も部屋を出て彼を探しに行くレンタル妹。
すぐに青年は見つかったが、何故か彼は[[トイレ]]ではない部屋にうずくまりながら号泣していた。
彼の手に握られていたスマホ、そこに映し出されていた人物は――――

&font(b,blue){「奈々花…どうして俺を置いて逝っちゃったんだよ……」}

実は青年には&bold(){「奈々花」という名の実の妹がいたが、飲酒運転のドライバーが引き起こした交通事故によってその命を奪われていたのだ}。
妹の死があまりにも突然すぎた事もあり、未だに事実を受け入れ切る事ができておらず、
レンタル妹に要求した細かすぎる各種注文も、いなくなってしまった妹を忠実に再現しようとした結果であったのだが、
結局「代役」に過ぎないレンタル妹を目の前にして、空しさが募るばかりの結果に終わってしまった。

そうこうしている間に、レンタル妹の契約時間の一時間はとっくに過ぎていた。
一連の事実を打ち明けられたレンタル妹に対し、青年は金を使ってまで妹の影を追い求めた自分の事を「バカみたい」と自嘲するが……

&font(b,red){「そんなことないですよ…気持ち少し解かります」}

青年とは少し違う境遇ではあるが、レンタル妹もまた、幼少期に父親を亡くしていた身であり、
自分も未だにもし父親が生きていればと思う事も少なくないと、青年に胸の内を明かし、
青年がレンタル妹に実妹の影を追い求めたのは決しておかしいことでは無いと、彼を諭す。

だが、今回の件を通し、今は亡き妹の影に縋っても、結局悲しくなるだけだと気付いた青年は、前に進む事を決意。
彼は将来[[司法試験]]を受けるために勉強していた学生であり、妹の死後は手が付くはずもなく放置気味になっていたのだが、
それでも、夢を叶えるためには頑張らねばならないのだ。
レンタル妹も、本来なら自分の立場ならば客は沼に引き込むべきなのだろうと言いながらも、青年の決意を肯定する。

気付けばすでに契約時間は過ぎて久しく、レンタル妹は帰宅の準備を始めていた。
と、帰り際に振り返ったレンタル妹は、「契約時間外のサービス」と前置きしつつ、満面の笑みで青年に言葉を投げかけた。

&font(b,red){「勉強頑張ってねお兄ちゃん!奈々花は前向きなお兄ちゃんが一番好きだよ…!」}

それを見た青年の顔に、初めて「本当の笑顔」が灯るのであった……










*後日談

……後日、青年とレンタル妹は、同じ大学の敷地内で再会を果たすのであった。

&font(b,blue){「同じ大学の先輩だったんですか…?」}
&font(b,red){「まぁ私は事前情報で知ってましたけどね」}

レンタル妹の本名は「&ruby(すみだ){住田}」。青年と同じ大学に通う&bold(){先輩}で、つまり&bold(){青年より年上}。
彼女がレンタル妹のバイトをしているのは、上述の通り母子家庭という事もあり、家庭を助けるために実入りのいい仕事を探した結果。
そこまで青年とベンチで話した彼女は、次なるバイトがあると言って席を外しつつ、
彼に対して報酬さえあればいつでも話し相手になると言い残す。

&font(b,red){「一回ジュース一本 お友達料金です」}

彼女は妹にこそなれなかったが、青年との間にまた一つの絆の形を結んだのであった……




追記・修正は、レンタル妹を依頼してからお願いします。

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- 記事建て乙 自分、涙いいっすか?  -- 名無しさん  (2020-01-04 16:25:33)
- こういう話、嫌いじゃないわ!  -- 名無しさん  (2020-01-04 18:30:30)
- 年取るとこういうベッタベタな話に弱くなるから困る  -- 名無しさん  (2020-01-04 20:40:12)
- 実際、こんな感じの需要ありそうである。  -- 名無しさん  (2020-01-05 18:56:15)
- 量産型話って感じの項目が増えてきたなあ…  -- 名無しさん  (2020-02-12 09:54:42)
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