&font(#6495ED){登録日}:2021/08/12 Thu 21:56:15 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 5 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- &bold(){『MASKED RIDER SHIN EDITION -終わりの始まり、始まりの終わり-』}とは、『[[HERO SAGA]]』のエピソードの一つ。 ムック『S.I.C [[HERO SAGA]] Vol.4』刊行にあたり、書下ろしとして収録された作品。 題材となったのは『[[真・仮面ライダー 序章]]』。 様々な事情故に「序章」止まりで続編が製作される事なく幕を引いた同作の&bold(){後日談}として執筆されており、 映像作品にも登場したミュータントベビーが成長した&bold(){第二の仮面ライダーシン}の視点から物語を描いた内容となっている。 尤も、『真』と言う作品にとってある意味待望の続編とも言える内容ではあったが、後述するオリジナル作品の主人公・風祭真の扱いについては 読者間で多少物議を醸し出してしまったのも事実であり、正式な続編と言うよりもあくまで「&bold(){一つの“IFの後日談”}」と受け止めた方が正しいかもしれない。 *【物語】 ―――深夜帯の車が行き交うハイウェイは突如、地獄絵図と化した。 道路は悲鳴と怒号が轟く紅蓮の炎に包まれ、車両は十台以上も横転、そのうちの半数が玉突きとなり、漏れたガソリンに引火して辺り一面を焼き尽くした。 [[バイク]]のハンドルを握っていた「彼」も、大きな衝撃を受けて宙に投げ出されてしまう。 「彼」は一瞬何が起きたのか理解できなかったが、その原因の想像は見当がついていた。 「彼」は二つの組織から追われていた。 それは自身の有する能力を恐れ危険視するCIAの精鋭部隊と、『[[財団>財団(真・仮面ライダー 序章)]]』と呼ばれる謎の組織。 「彼」の&bold(){父親}は、その『財団』の日本支部『ISS』が軍事利用を目的とした改造兵士『サイボーグ・ソルジャー』の実験・開発に関わっており、 「彼」自身もまたその実験の犠牲者に他ならなかったのだ。 バイクから投げ出された「彼」が傷一つ負わずにすぐさま立ち上がれる強靭な肉体を得ているのも、その『サイボーグ・ソルジャー』の人間離れした能力を生来得ているからであった。 「彼」は、その力を「おぞましき呪われた力」と認識していた。 『財団』は「彼」の身体、そして生命そのものを、『サイボーグ・ソルジャー』実験の成功例として狙っていた。 周囲の被害も厭わない無差別攻撃ぶりから、肉片一つさえあればクローンとして復元できるからと、もはや生死は構ってないのかもしれない。 「彼」は、転倒したバイクのリアから『緑の仮面』と『戦闘服』を取り出した。 それは&bold(){ムカシ}の子供向けTV番組『[[仮面ライダー]]』のコスチュームを模したものであった。 戦闘を有利に進めるため急いで戦闘服に着替える「彼」であったが、その額にある&bold(){第3の眼}は既に強敵が、燃え盛る炎の中から襲来する事を予測していた。 #center(){&bold(){&color(#8b0000,#7cfc00){「お前を殺す!」}}} 強敵の思念が超感覚を通して「彼」に伝わってくる。闘争本能剥き出しの相手であった。 赤い炎に黒い影が浮かぶ。異形の姿であったが、「彼」の姿もその敵の姿と同じ、&bold(){改造兵士レベル3}。敵もまた、実験の成功例だったのだ。 この事から「彼」は、敵がセーラ深町率いるCIAではなく、『財団』である事を理解する。 [[バッタ]]の遺伝子情報を埋め込まれ、身体を根源的なレベルから強化した局地専用ゲリラコマンド。 人間にバイオ技術で別種の遺伝子を注入した存在であったが、もはや人間であった頃の記憶は残ってないだろうと「彼」は断言する。 そもそも改造兵士とは、手術を受けてから徐々に人間であった頃の記憶は不必要な要素として失っていくものなのだ。 しかし、同じ改造兵士であるはずの「彼」は記憶を失っていない。否、むしろ忘れる事は出来ないのだ。たとえそれが羊水に浸かっていた胎児の頃の記憶だろうと。 「彼」の母親は&bold(){明日香愛}と言う人間だった。ISSの所属だったが、観察対象である改造兵士レベル3・風祭真と恋に落ち、組織を裏切って命を落としていた。 つまり、「彼」は人間と改造兵士との間に生まれた、ハイブリッドとも言うべき存在だったのだ。 「彼」がミュータントベビーと呼ばれ、死した母親の身体から産み落とされたのも既に20年以上昔の前の事だった。 「彼」は、襲い来る敵の素性を既に理解し、自身にとって辛く厳しい戦いが始まるであろうことを理解する。 しかし、自身がこの世に産み落とされた瞬間、否、産まれる前から、この運命から逃れる事は出来なかったのであろう。 「彼」はこの戦いを宿命づけられて生まれてきたのかもしれない。 襲来する敵の名は、&bold(){改造兵士レベル3・風祭真……&font(red){「彼」の父親であった。}} *【登場人物】 ・[[&color(#8b0000,#7cfc00){風祭新/仮面ライダーシン}>ライダーベビー]] 本作の語り部。一人称は「オレ」。「風祭新((「新」にはルビがふられて無いため、「しん」なのか「あらた」なのかは不明。))」の名は収録ムックのジオラマ解説で語られたもので、本文では未呼称。 かつてミュータントベビーとも呼称された、&bold(){風祭真と明日香愛の間に生まれた子供}。 上述の通り産まれながらの人間と改造兵士のハイブリッドとも言える存在であり、それ故CIAと『財団』、双方の勢力に身柄を狙われている。 容姿は父親である風祭真の変身形態に酷似しているが、昔の子供向けTV番組『[[仮面ライダー]]』の姿を模した仮面と強化スーツを所持しており、有事にはそれを纏う。 挿絵のジオラマでは映像作品同様の[[仮面ライダー]]シンの姿に下半身だけ[[仮面ライダー]]を模した戦闘服を纏い、仮面を手に持った姿が描かれている。 新自身は仮面ライダーに思い入れがある訳ではないが、番組のナレーションであった「&bold(){仮面ライダーは人類の自由のために戦うのだ}」と言うフレーズは気に入っている模様。 何分、作品自体が&bold(){わずかムック1ページ分}の尺という事もあって、風祭新の人物像については伺うものが少ないのが実情だが、 少なくとも『財団』の無差別攻撃の巻き添えになった犠牲者に対して申し訳なく思う程度の最低限の良心は持ち合わせている様子。 ・[[&color(#8b0000,#7cfc00){風祭真/改造兵士レベル3}>風祭真/仮面ライダーシン]] 映像作品の主人公にして、&bold(){かつて「仮面ライダーシン」だった改造兵士レベル3}。 本作時点では既に、改造兵士の手術の弊害で&bold(){人間の頃の記憶を全て失って久しく、『財団』の走狗に成り下がってしまっている}という悲惨な立ち位置に置かれてしまった。 劇中唯一の台詞は「&bold(){お前を殺す!}」という新に向けられた闘争本能の思念を原語化したものであり、「風祭真」としての人格も失われてしまっている事は想像に難くない。 ……何から何まで悲劇だが、恐らくはこの物語の先に&bold(){息子の手で人として介錯され看取られる}結末が待ち受けているであろう事だけが唯一の救いと言えるか。 ・明日香愛 名前のみ言及。故人。 ・セーラ深町 名前のみ言及。CIAを率いている人物としてのみ語られる。 追記・修正は、この物語の「先」を待ち望む方がお願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,3) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 原作発表の時代(1992年)から約20年後というと現実世界ではフォーゼ・ウィザードあたりが放送されていた時期になるのか -- 名無しさん (2021-08-12 22:29:28) - 先の物語が無いなら記憶が戻って親子でダブルライダーしたっていいんだ -- 名無しさん (2021-08-12 22:34:22) - なんだこの仮面ライダーアマゾンズシーズン2の先駆けみたいな内容は… -- 名無しさん (2021-08-13 00:44:16) - 一応シンさん、フォーゼとダチになっていたような(ネット版だけど) -- 名無しさん (2021-08-13 00:50:31) - 財団の魔の手から逃れられなかったif -- 名無しさん (2021-08-13 01:38:17) - 本家の世界線なら早期に昭和ライダーと合流したんだろうな。理性問題も本郷や結城がどうにかしてくれたみたいな -- 名無しさん (2021-08-13 21:39:00) - こっちの続きも見てみたいね -- 名無しさん (2021-09-03 21:58:14) - 実はオールライダーに出てる真は新の可能性が.. -- 名無しさん (2023-02-12 11:34:38) #comment(striction) #areaedit(end) }