&font(#6495ED){登録日}:2022/12/26 Mon 01:39:44 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 42 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){&font(b,16){&color(peru){俺は誓ったはずだ。この世界では、本気で生きると。}}} 『無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜』とはMFブックスより刊行されている[[ライトノベル]]。 作者は理不尽な孫の手。イラスト担当はシロタカ。 公式略称は「無職転生」。 ●目次 #contents *◇概要 元々は作者の理不尽な孫の手が「[[小説家になろう]]」で連載していたオンライン小説。 &bold(){現在多く刊行されている、いわゆる「異世界転生もの」「なろう系小説」の中でも初期に当たる作品であり、パイオニア的な存在。} 本作に影響を受けたことを公言するライトノベル作家もおり、本作のヒットが、後に続く「異世界転生もの」が数多く生み出されるきっかけとなったと言っても過言ではない。 物語は異世界転生した主人公ルーデウスの家族を始めとした周りの人との絆と、立ちはだかる数多くの苦難や困難を乗り越えていくルーデウスの人生その物を主軸にして物語が紡がれている。 書籍化された後もなろう版は削除されておらず、読むことができる。 書籍化に当たり大まかな点は変わっていないが、細かい点は加筆されている。 本編は2022年11月に完結。全26巻。 本編の完結時に開設された完結記念サイトでは関係者や作家仲間が数多くのお祝いコメントを寄せた。 また、本編のその後を描いた外伝も刊行予定(2022年12月時点)。 コミックフラッパーにてコミック版も連載されており、こちらは既刊18巻(2022年12月時点)。 2022年1月時点でシリーズ累計発行部数は1000万部を突破している。 満を持して2021年より[[アニメ化]]を開始。 まず少年期を扱った6巻までを分割2クールで[[アニメ化]]。 制作に当たったスタジオバインドは&bold(){「『無職転生』のアニメ化にあたり、プロジェクトを継続的、長期的、計画的に進めていく体制が必要と判断した」として本作の制作のためにWHITE FOXとEGG FIRMの共同出資で起こされた新しい制作会社}であり、本作への力の入れようが伺える。 2023年7月から9月まで第2期の1クール目が放送。2024年4月からは転移迷宮と帰還までを描いた2クール目が放送開始。 2クール終了直後に3期の制作も発表している。 *◇あらすじ ただ部屋に引きこもって[[ゲーム]]やネットに明け暮れるだけの34歳の[[ニート]]男は両親が死んだ際、葬式にも出ず引きこもっていたことから、兄弟に無一文で家を追い出され、自分の人生が完全に詰んでいたと気付く。 己を後悔していた矢先、彼はトラックに轢かれ呆気なく死んでしまう。 ついで目を覚ました場所は――なんと剣と魔法の異世界だった!! ルーデウスと名付けられた赤ん坊として生まれ変わった彼は、「今度こそ本気で生きて行くんだ……!」と後悔しない人生を送ると決意する。 少年ルーデウスとして生まれ変わった男が、前世の記憶と後悔を糧に、 出会いや試練に直面しながら「今度こそ本気で生きていく」姿と 壮大な冒険が描かれる大河[[ファンタジー]]! *◇主な登場人物 **◆主人公たち ・&bold(){[[&color(peru){ルーデウス・グレイラット}>ルーデウス・グレイラット]]} 声 - 内山夕実、[[杉田智和]](前世) 本作の主人公。 愛称は「ルディ」。 現代日本からの転生者。茶髪の少年で泣きボクロがある((異世界では濃いめの[[イケメン]]が人気なので、一般的な容姿の評価は別に悪くはないという程度))。 アニメでは普段の声は内山夕実、モノローグでは前世の声である[[杉田智和]]が演じるという演出になっている。 前世では少しお調子者だが勉強も運動も悪くなく正義感が強い善良な人間ではあったが、中学の頃にネット趣味に目覚め成績が下降、やや我が強く他人とぶつかるような面があり、それが災いして高校時代に不良に目をつけられて壮絶な虐めを受け、それが原因で34歳まで引きこもるようになり、作品タイトル通り転生前は無職の引きこもりだった。 引きこもってからも当初は両親や兄弟、友人などに気にかけられていたが、そうした気遣いを受け入れられずに突っぱねていくうちに周りからも気に掛けられなくなり、孤立すると同時に自身も性格拗らせていく。 その後34歳の時に両親が他界したが、その葬式にも出なかったため、堪忍袋の緒が切れた兄弟に家から追い出され((原作では葬儀に訪れていた姪を盗撮し、その画像で[[オナニー]]していたことから家から追放されたが、漫画ではなかったことにされた))、己の人生を後悔、直後に居眠り運転のトラックに轢かれかけた高校生3人を助けようとして事故死した。 その直後に作品世界のアスラ王国フィットア領ブエナ村に、前世の記憶を持ったままの状態で転生、前世で何事も投げ出し続けた後悔から、今度こそ本気で生きようと決意する。 前世での反省から、努力と鍛錬を怠らず、常に誰にでも礼儀正しくあるように努め、相手と接する時には相手の立場を考え、相手とぶつかり合った際にも自分の悪かったところなども考え、一方的に責めないようにする温厚な性格となる。 ただしイジメは絶対に見逃さないと決めており、内心ビビることはあっても複数で一人をイジメるような場面に遭遇した際はいじめっ子と衝突する事も辞さない。 一方で根はお調子者であり、とんでもなく好色で女好きの性格。 前世では引きこもりを続けていたため、対人経験や社会経験をほとんどしておらず、内心では前世同様に他人を見下す一面などのダメな面も残っている。 また、前世での経験は[[トラウマ]]として残っており、自分を過剰に卑下する卑屈な一面や、一度挫折すると自分1人でなかなか立ち直れない心の弱さも持っている。 そうした面が災いして失敗することも多いが、それを乗り越えて次第に成長していく。 後のなろう系作品の主人公に多いいわゆるチート能力のようなものこそ持ち合わせていないが、前世の反省から幼少から自分で魔術の訓練をし((運動は身体が出来上がってからでいいと考えた))、元々魔術の才能に恵まれたことやロキシーの英才教育もあって、無詠唱で攻撃魔術や、2つの魔術を同時に使う「多重詠唱」といった高等技術も使いこなせるようになった。 得意魔法は岩の砲弾を射出する土系統中級魔術の「ストーンキャノン」と、相手の足元にぬかるみを発生させて動きを封じる水系統と土系統の混合魔術の「泥沼」。 また、優秀な剣士である父親のパウロと剣王ギレーヌから剣術を教わっていたこともあって、剣術もある程度までは扱うことができる((ただしパウロは適性を考えず、合わない剣神流を教えた。ギレーヌは剣神流が適性に合わないのに気づいて別の教師を紹介しようとしたができなかった))。ただし剣術の才能がなく、闘気を纏えないので中級止まり。 後に『魔界大帝』キシリカから数秒先の未来が見える「予見眼」を与えられ((ただし、相手の動きが見えてもルーデウス自身がそれに反応できなければ意味はない))、それを使うことで上級剣士程度なら魔術なしでも勝てるようになった。 そうした数々の能力から、その実力は世界有数の実力者たちからも認められているが、それでもまだまだ上には上がおり、最上位の実力者たち相手にはとても歯が立たず、小細工でなんとか逃げ延びるのが精一杯となっている。 転生してからも5歳になるまでは前世の[[トラウマ]]から家の敷地より外に出られなかったが、家庭教師のロキシーに外に連れ出され、それを克服する。 ロキシーからの魔術教育卒業後、いじめられていた[[シルフィエット]]を助けことで仲良くなり親友となるが、次第に共依存の関係となってしまい、2人の将来を危惧したルーデウスの両親と[[シルフィエット]]の両親の判断で、引き離すような形で半ば強引にフィットア領領都のロアに送られ、エリスの家庭教師になった((このことについては、やり方は強引過ぎたが判断自体は間違っていなかったとルーデウス自身も納得している。ただしそれ以降、うまくやっているという話だけで満足し、会いに行こうとせず、兄と面識のない妹たちとの仲が拗れる原因になるなど、パウロが失敗していない訳ではない))。 エリスの家庭教師となった当初はエリスの凶暴さに手こずるも、なんとか打ち解けることに成功する。 しかし、10歳の誕生日の翌日に起きたフィットア領転移事件でエリスと共に魔大陸に飛ばされ、絶体絶命のところをスペルド族のルイジェルドに助けられ、3人で冒険者パーティ「デッドエンド」を結成、アスラ王国を目指す。 途中でパウロとの再会・喧嘩・和解、リーリャとアイシャの救出、オルステッドとの邂逅などの出来事を経て3年かけてフィットア領に到着するも、サウロス、フィリップ、ヒルダの死を聞かされて愕然とする。 エリスと別れたことで一時目標を見失うが、行方不明のゼニスを探すことに決め、まだ捜索が行われていない中央大陸北部へ旅立つ。 2年間の捜索の旅で一流の冒険者となり、「泥沼のルーデウス」との通り名で知られるようになる。 その後合流したエリナリーゼからゼニスがベガリット大陸にいること、パウロたちが同地に向かったことを知り、ベガリット大陸に渡ろうとするも、冬の到来に阻まれ出発を断念。 同時期にラノア魔法大学から特待生としての入学招待状が届き、ベガリット大陸へ行くか入学するで悩むも、エリナリーゼの勧めやヒトガミのお告げにより入学することを決め、ゼニスの捜索をパウロ達に託し了承をもらう。 大学ではアリエルの護衛となっていた[[シルフィエット]]と再会する。 前世のことは転生してからしばらくの間は後悔や反省点はあっても、未練や帰りたいという気持ちは特に感じていなかったが、転生して多くのことを経験するうに、次第に両親や兄弟の当時の気持ちを慮るようになり、前世の家族に対する対する後悔を感じるようになっていく。 詳しくは[[項目>ルーデウス・グレイラット]]を参照。 ・&bold(){[[&color(yellowgreen){シルフィエット}>シルフィエット]]} 声 - [[茅野愛衣]] ブエナ村に住むクォーターエルフの少女。愛称は「シルフィ」。父はロールズで、祖母はエリナリーゼ。 緑色の短髪で線の細いボーイッシュな外見をしており、最初はルディに少年だと間違われた。 髪の色が悪魔と呼ばれて恐れられている魔族「スペルド族」と同じ緑色だったため、村の子どもたちからイジメられていたが、ルーデウスに助けられて彼にとって初めての友達になり、次第に好意を抱き始める。 性格は大人しく従順だが、ルーデウスと接するうちに彼に依存するようになり、そのことを危惧した互いの両親に心配されて引き離される。 ルーデウスが村を出た後一時は落ち込むが、彼が帰ってきた時に力になれるよう、ゼニスから魔術の稽古をつけられたり、リーリャから礼儀作法や家事などを教わりながら生活し、精神的にも大きく成長した。 フィットア領転移事件では両親を失い、自身もアスラ王宮の上空に転移。 偶然その場で魔物に襲われていたアリエル王女を助けたが、その際に激しい魔力切れを起こし、その影響とショックから髪の色が白に変化した((漫画版では一時的な[[記憶喪失]]になっている))。 その後、男装して「フィッツ」の偽名でアリエル王女の護衛となった。 第一王子派から暗殺されそうになったことで、アスラ王国の脱出とラノア魔法大学への留学決めたアリエルについて行く形で自身もラノア魔法大学へ入学する。 大学でルーデウスと再会するも、自身は一目で成長したルーデウスに気づくも、特徴的だった緑の髪が白髪に変わっていたうえに男装姿だったためルーデウスには[[シルフィエット]]だと気づかれずにショックを受ける。 その後も自分の正体を言い出せずにしばらくの間「フィッツ」としてルーデウスと接し続けたが、アリエル達の後押しもあって正体を明かし、ルーデウスと結婚することになり、後に一児を出産する。 ルーデウスに教わってから研鑽を重ね続けた魔術の実力は高く、ラノア魔法大学でもトップレベル。 攻撃魔法こそルーデウスに劣るものの、治癒魔法についてはルーデウスよりも秀でており、ルーデウスには出来ない無言詠唱での治癒魔法を扱うこともできる((使用できる治癒魔術のランク自体はルーデウスの方が上になる。))。 普段正体を隠すために口数を少なくしていたことと相まって、「無言のフィッツ」の[[二つ名]]で大学では広く知られている。 詳しくは[[項目>シルフィエット]]を参照。 ・&bold(){[[&color(royalblue){ロキシー・ミグルディア}> ロキシー・ミグルディア]]} 声 - 小原好美 魔族「ミグルド族」の魔術師。 青髪を三つ編みにし、ジト目で小柄な少女。ルーデウスの師匠((ロキシー自身は師匠と仲違いした経験から師匠とは呼ばないようにルーデウスに言っている))。 寿命200年の種族の特徴で年の取り方が人族と異なり、初登場時で外見年齢は14歳の小柄な美少女だが実年齢は37歳でれっきとした成人女性である。(ルーデウスの中身と同年)。 魔大陸のミグルド族の村に生まれるが、ミグルド族特有の能力である「念話」を使うことができずに疎外感を覚えて村を出奔する。 出奔後は冒険家としての活動を続けた後ラノア魔法大学に入学、卒業後に職を探していたところ、ルーデウスの家庭教師としてグレイラット家に雇われた。 水魔法を得意としており、冒険家時代の活躍が[[吟遊詩人]]の詩になるほどの腕前である。 勤勉で努力家。一見無愛想だが、実際は面倒見のいい性格。 一方で、乗せられると調子に乗りやすく、物事に時間をかけずに最速でやろうとする癖で、確認不足でミスをするドジな一面もある。 成人しているとはいえ種族ではまだ年頃なので、俗な欲求や異性への好みは有る。 冒険者時代は[[ダンジョンに出会いを求めて>ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか]]迷宮に入り浸っており、『&bold(){&color(#daa520){男らしく背がスラッと高くて、でもまだ子どもっぽい表情をする青年}に&color(#3B4EF0){迷宮の奥底で}偶然助けられるんです。そしてそのまま力を合わせていくうちに互いに恋が芽生えて迷宮を脱出したところで…}(アニメ原文ママ)』という夢物語が理想。 2年に渡って住み込みでルーデウスの家庭教師を務めたことでグレイラット家からは家族同然に受け入れられており、ロキシー自身も魔族の自分を受け入れて家族のように接してくれた、グレイラット家やルーデウスへの思い入れは強い。 ルーデウスの外に出られない[[トラウマ]]のことは知らなかったが、卒業試験の際に偶然ルーデウスを外に連れ出すことに成功し、その[[トラウマ]]を解消した。 2年間師事した事や、トラウマ解消の件もあり、ルーデウスからは&s(){盗んだパンツを御神体にして生涯大事にしたりキャストオフ可能な土人形を作ったりして}神のごとく崇められている。 ルーデウスの卒業試験後はブエナ村を去り、シーローン王国の王宮で教師を務めていたが退職後に、フィットア領転移事件のことを知って、ルーデウス達の捜索を行うことに決める。 その際に出会ったエリナリーゼ、タルハンドとパーティを組み、共に魔大陸の捜索を行うが、ルーデウスとは絶妙にすれ違ってしまった。 その後、魔界大帝キシリカの助けで行方不明になっているゼニスがベガリット大陸にいることを突き止め、ルーデウスへの伝令をエリナリーゼに任せ、自身はタルハンドと共にパウロと合流し、ゼニスが囚われているベガリット大陸の迷宮都市ラパンの転移の迷宮攻略に挑む。 その迷宮攻略の道中でトラップを踏んで一人[[無限ループ]]部屋に迷いこんでしまい、そこで1ヶ月も無補給で生き延びる羽目に。 食料も魔力も尽きて無尽蔵に湧く魔物に追い詰められたギリギリのタイミングでルーデウスが壁をぶち破って助けられ、以後パーティと行動を共にする。&bold(){…あれ?} 幼い頃からルーデウスに修行をつけてきたため、主要人物の中では数少ないルーデウスの弱さをよく理解している人間の1人でもある 詳しくは[[項目>ロキシー・ミグルディア]]を参照。 ・&bold(){[[&color(red){エリス・ボレアス・グレイラット}>エリス・ボレアス・グレイラット]]} 声 - [[加隈亜衣]] ルーデウスの2歳年上の再従姉。 アスラ王国の上級貴族ボレアス・グレイラット家の令嬢。 ウェーブのかかった赤い髪が特徴。 ルーデウスは親戚筋のツテを通じて彼女の家庭教師になる。 ボレアス・グレイラット家の気性の荒さを強く受け継ぐ、凶暴な性格であり、「狂犬」とまで呼ばれ、両親も手を焼いている。 一方で正義感が強く、受け入れた相手に対しては素直で大切にし((セクハラなどされない限りは自分から殴ったり、悪く言ったりしない))、相手のことを思いやる優しさも持っている。 ルーデウスのことは当初は受け入れていなかったが、その後に発生した誘拐事件((ルーデウスがエリスの両親や使用人らと結託して狂言誘拐を企てたが、協力した使用人の1人が裏切り、本当の誘拐事件になった。))でルーデウスに助けられたことで彼を認める。 ルーデウスに勉強を教わっていく過程でルーデウスに好意を抱くようになる。 勉強は不得手だが、剣術に関しては才覚があり、幼いころからギレーヌに教わっていたことから、その力量はかなりのもの。 15歳の時点でロキシー、シルフェットよりも強く、ギレーヌやルイジェルトも自分よりも強くなれると評している。 フィットア領転移災害事件はルーデウスと共に魔大陸に飛ばされる。 見知らぬ土地で自分を気遣うルーデウスの足手纏いにならないよう、ルイジェルドに修行をつけてもらいながらフィットア領への帰還を目指す。 しかし、フィットア領への到着直前に出会った龍神オルステッドにルーデウスが殺されかけた際に何もできなかったことで強い無力感を抱く。 たどり着いたフィットア領で両親と祖父の死を知り、孤独感からルーデウスに迫り、一夜を共にする。 しかし、それによって逆に自分が年下のルーデウスに頼り切りであったことを思い知り、今の自分ではルーデウスのそばにいるのにふさわしくないと感じる。 そのため、次こそ足手まといにならずにルーデウスを守れるよう、ギレーヌと共に剣神の元で修行することを決意、ルーデウスを心配させないように書き置きを残して剣の聖地に向かう。 ところが、語学の勉強が足りなかったこともあってその書き置きの内容は&bold(){「今の私とルーデウスでは釣り合いません。旅に出ます。」というあまりに言葉足らずの内容であったため、}直前にオルステッドに不用意に話しかけて殺されかけたことで自信を無くしていたこともあり、ルーデウスは&bold(){「エリスを何度も危険に晒したためにエリスに愛想を尽かされた」}と思い込み、返って強いトラウマになってしまった。((最もルイジェルドがルーデウスにエリスを子供扱いしていると注意したり、ルーデウスからエリスに対してセクハラ以外に愛情を伝えるような事をしていないなど、ルーデウスの自業自得な面もある。)) お互いの初めてを捧げた翌日、朝っぱらから姿を消したため、&bold(){「下手くそ」}という罵倒にも認識され、ルーデウスはショックで不能となってしまった。((なおこの出奔の後、余計な面倒を防ぐため残された家臣によって「貴族としてのエリス」は書類上死んだ事にされている。))。 詳しくは[[項目>エリス・ボレアス・グレイラット]]を参照。 **◆ルーデウスの家族 ・&bold(){[[パウロ・グレイラット]]} 声 - [[森川智之]] ルーデウスの父親でブエナ村の駐在騎士。 アスラ王国の上級貴族であるノトス・グレイラット家の生まれだが、厳格な家と折り合いが合わずに出奔し、冒険者となる。 その後、同じ冒険者パーティだったゼニスと結婚、冒険者を引退してフィットア領ブエナ村駐在騎士の職に就き、息子のルーデウスを授かる。 ブエナ村は片田舎の小さな村であり、駐在のパウロが実質的な村長となっている。 北神流、水神流、剣神流の剣術三大流派を全て習得した剣士であり、その実力は折り紙つき ((指導者としては感覚派なので擬音で説明したり、相手の適性を考えなかったりとできが悪い))。 また、人種などにも偏見を持たずに接し、決断力や判断力にも優れるなど、優秀な冒険者だった。 一方で女性関係にはだらしがなくルーデウスに負けず劣らずの女好きで、家族のこととなると感情的になって周りが見えなったり、追い詰められると卑屈になって酒に逃げたりといった問題点も抱えている。 それゆえに、かつてパーティーのでは、最終的に仲間関係を否定して喧嘩別れとなって、エリナリーゼやタルハンドらからは嫌われている。 ルーデウスからも「剣士や冒険家、リーダーとしては優秀だが、父親としてはあまり褒められたものではない」と評されているが、ただし厳格な父親への反発から、子の言い分を聞き、無闇に縛り付けるような真似はすまいと心掛けるようにしているほか、家族に対する愛は本物であり、なんだかんだでルーデウスからは好かれている。 ゼニスとの間に第二子のノルンを授かった同時期に、[[メイド]]のリーリャと浮気をして彼女を妊娠させてしまう。 このことで一夫一妻を是とするミリス教徒であるゼニスに大激怒されるが((パウロ自身はミリス教徒ではないが、結婚の条件が他の女性に手をださないだった))、ルーデウスの取りなしで許してもらい、リーリャを第二夫人として迎え入れる((作中世界では、個人の考え方は別として、重婚自体は珍しいものではない))。 その後、ノルンが誕生したのと同時期にリーリャとの間の第三子であるアイシャが産まれた。 幼い頃から魔術の才覚を見せ始めていたルーデウスには多大な期待を寄せているが、[[シルフィエット]]との間で共依存となり始めたことに危機感を覚え、親戚である上級貴族ボレアス・グレイラット家へルーデウスを実力行使で奉公に出した。 ((強引ではあるが彼なりに広い世界に触れて欲しいという親心もある。しかしこれはかつて自分が父親にやられて嫌だった事だと外伝で判明し、嫌いな父親と同じ事をしている)) フィットア領転移事件では、ノルンと共にアスラ王国南部に転移。 幸運にも転移先がアスラ王国内だったのでいち早く帰還するが、転移災害がフィットア領全土に及ぶ大規模なものであったことに愕然とする。 その後、転移災害被災者救済のために結成された「フィットア領捜索団」の団長となり、被災者救済活動の中心となって動く傍ら、自らもノルンを連れて家族を捜索する。 しかし、1年以上が経っても家族の手がかりが得られず、その一方でブエナ村の人間の人間をはじめとした被災者の死亡報告が次々に届いてくる状況に追い詰められ、酒に溺れるようになる。 ミリス神聖国のミリシオンでルーデウスと再会するが、パウロがルーデウスに向けて定期的に発信していた家族捜索支援を依頼する伝言をルーデウスが一切受け取れていなかったこと、ルーデウスが災害の全容を把握しておらず、家族が巻き込まれていることを知らなかったことを知り、元々ルーデウスにかけていた過度な期待もあって失望し、ルーデウスと殴り合いの大喧嘩になる。 その後、元仲間であるギースからルーデウスの置かれていた状況を聞かされると同時に、パウロがルーデウスに向ける期待が子供に向けるには過剰すぎることなどを諭されて自身の振る舞いを後悔し、翌日ルーデウスに謝罪して和解した。 ルーデウスとしばらく一緒に過ごした後は気力を取り戻し、再び別れて捜索をしていたが、ルーデウスがリーリャとアイシャを発見したことで彼女らと合流する。 その後、ロキシーとタルハンドからゼニスに関する情報を聞き、ルイジェルドにアイシャとノルンをルーデウスの拠点に行くまでの護衛を託し、自身はペガリット大陸に向かう。 詳しくは[[項目>パウロ・グレイラット]]を参照。 ・&bold(){ゼニス・グレイラット} 声 - [[金元寿子]] ルーデウスの母親で金髪の巨乳美人。 明朗快活で面倒見の良い性格だが、少々親バカでルーデウスを溺愛している。 元はミリス神聖国の伯爵家の出身だが、両親との喧嘩の末に家を飛び出して冒険者となり、パウロのパーティに拾われ、しばらく一緒に冒険者として過ごした後に彼と結婚した。 冒険者時代はヒーラーで治療魔術と解毒魔術を中級まで使うことができ、村の診療所で働いている。 文字も教えていない3歳のルーデウスが中級魔術を使った際も天才だと素直に喜び、我が子として惜しみなく愛情を注いでいた。 一夫一妻を教えとするミリス教の教徒であり、ノルンを妊娠中にパウロとリーリャが浮気をした際は一家離散になりかけるくらい激怒するも、ルーデウスの取りなしにより、元々リーリャとは仲が良かったこともあってリーリャを第二夫人として迎え入れることを許した。 フィットア領転移事件ではどこに飛ばされたのか全く手掛かりが見つからなかったが、魔界大帝キシリカの魔眼によりベガリット大陸にいることが判明し、ギースの情報から迷宮に囚われている事が判明する。 ・&bold(){リーリャ・グレイラット} 声 - [[Lynn]] グレイラット家の[[メイド]]を務める女性で眼鏡をかけた暗め茶髪の巨乳美人。 真面目で義理堅い性格だが、時に天然な一面を見せることもある。 パウロとは元々知り合いで、悪童時代のパウロに純潔を散らされた事があり、恨みの様なものも抱いていたが、家庭を持ったパウロが素直に謝罪した事から見直し、絆される。 最初は転生者ゆえにしばしば子供らしくない振る舞いをするルーデウスを不気味に思い『&bold(){悪魔憑き}』だと思い苦手意識を持ち距離を取っていた。 後にパウロと浮気してアイシャを妊娠、家を追い出されそうになるが、ルーデウスの取りなしによって第二夫人として迎え入れられる。 以降は許してくれたゼニスに恩義を感じるとともに、窮地を脱してくれたルーデウスに対して少々過剰なまでに敬意を払うようになった。 フィットア領転移事件ではアイシャと共にシーローン王国に転移。 教師を辞職したロキシーをおびき寄せるための人質としてシーローン王国の第七王子であるパックスにアイシャと共に軟禁されていたが、ヒトガミのもたらした情報により助けに来たルーデウスにより解放される。 その後はルーデウスと別れ、パウロと合流し、パウロと共にベガリット大陸にゼニス救出のため同行する事になる。 ・&bold(){ノルン・グレイラット} 声 - [[会沢紗弥]] パウロとゼニスの娘でルーデウスの妹。 ゼニス同様ミリス教徒だが、ルイジェルドと出会いルイジェルドに面倒を見てもらったことから魔族に対しての差別意識はなく、ルイジェルドを慕っている。 年相応に平均的な普通の女の子。 ルーデウスとアイシャが天才としてもてはやされ、自分だけ普通なのにコンプレックスを持っている((特にアイシャとは7歳で再会してから、何かと比べられて、アイシャも産まれのコンプレックスからノルンが失敗するたびに見下すので仲は悪い))。 ルーデウスのことはノルンが赤ん坊の時でまだ物心つく前に彼が奉公に出されたことから、再会するまで顔を覚えていなかった。 フィットア領転移災害では、偶然にも抱きかかえられていたパウロと共に転移。 以後はパウロと共に行動し、自分を常に護ってくれたので強く信頼し慕っている。 ミリス神聖国でパウロとルーデウスが殴り合いの大喧嘩をしている最悪のタイミングでルーデウスと再会し、以降ルーデウスに対して嫌悪感と恐怖心を抱く。 その後パウロからことの顛末やパウロとルーデウスが和解したことを聞かされるが、当時幼かったノルンは理解できず、そのわだかまりはルーデウスと分かれてから再会するまで解消されることはなかった。 パウロがゼニス救出のため魔物の多い危険なペガリット大陸に行くことになったため、ルーデウスにアイシャと共に預けられ、家庭の方針からラノア魔法大学に通うことになる。当初はルーデウスへの不信から大学内の寮で過ごす事を希望するが、"天才ルーデウス"の妹という色眼鏡により、どこへ行っても家庭の事情から逃れられないプレッシャーなどから一時は折れてしまう。 ルーデウスが自分と何ら変わらない一人の人間である事を理解するとある程度は融和し、ゼニス救出も最終的には託す事で彼が現地へ向かう決意へと至る。だが、さすがに父パウロの死には号泣して悲しみ、形見として使用していた剣を引き取る。 ルーデウスが第二夫人としてロキシーを迎え入れようとした時には激怒して反対。とはいえ理性的なものではなく感情的な所が大きく((直前にパウロが死んだと聞かされて動揺しているところに、話す事では無いと作者も認めている。実際にエリスを迎えいれる際は事前に相談していたので、反対するような事は無かった。))、第一夫人の[[シルフィエット]]から「パウロさんを否定するの?」と言われると口を噤んでいた。 ・&bold(){アイシャ・グレイラット} 声 - [[高田憂希]] パウロとリーリャの娘でルーデウスとノルンの異母妹。 家事や勉学など、あらゆることに才能を持つ天才児。 母のリーリャからルーデウスに仕えるように厳しい教育を受けて育てられた。 明るい性格だが、その聡明さから自分の妾の子としての立場を早くから理解して拗らせた劣等感を抱いてしまっている((周囲が出来の悪いノルンばかり構うので、自分は優秀じゃないと愛されないと考えいる))。 フィットア領転移事件ではリーリャと共にシーローン王国に転移し、リーリャと共に軟禁されたが、ルーデウスによって助け出され、救出後にルーデウスを兄として慕うようになった((漫画版では、かねてから抱いていた劣等感から、自分たちはパウロやルーデウスから見捨てられると考えていた))。 その後はリーリャと共にルーデウスと別れ、パウロと合流し、後にノルン同様ルーデウスの拠点に預けられることになる。 **◆フィットア領の関係者 ・&bold(){フィリップ・ボレアス・グレイラット} 声 - [[小野大輔]] エリスの父親でパウロの従兄弟。 フィットア領城塞都市ロアの町長。 思慮深くやや腹黒な性格だが、ルーデウスのことは高く評価しており、何かと世話を焼いてくれていた。 しかし、フィットア領転移災害で妻のヒルダと共に紛争地帯に転移してしまい、転移先の国で[[スパイ]]と扱われ、ギレーヌの救援も間に合わず死亡する。 ・&bold(){ヒルダ・ボレアス・グレイラット} 声 - [[柚木涼香]] エリスの母親。 エリス以外に産んだ男子は養子という名目で((ボレアス・グレイラット家の伝統で、男児は次期当主の家で育てられる))、取られてしまった事からルーデウスのことは気に入っていなかったが、ルーデウスの10歳の誕生日に家族がそれぞれの事情により来なかったことで同情し、ルーデウスのことを許す。 フィットア領転移災害で紛争地帯に転移してしまい、夫のフィリップと共に死亡する。 ・&bold(){サウロス・ボレアス・グレイラット} 声 - 高岡瓶々 フィットア領の領主。 ボレアス・グレイラット家の当主でエリスの祖父。 豪胆で厳格かつ苛烈な性格だが孫に甘く、エリスのことを甘やかして凶暴な性格にしてしまった張本人((しかし、そのおかげでエリスは家族との仲は良好で、かつてのパウロのように家に居場所がない訳ではない。本来の歴史でエリスが王族の護衛となって家の立場を上げる事を考えると教育は正しかったとも言える。))。 一見すると傲慢なようにも見えるが、その言動には筋が通っており、ルーデウスなど外の人間や立場が下の人間の意見であっても積極的に聞き入れる器の広さも持つ。 ルーデウスのことはフィリップ同様高く評価している。 フィットア領転移災害ではいち早くフィットア領に帰還し、私財を投げ打って被災者救済と復興のために動くが、政敵であるダリウスに陥れられ、フィットア領転移災害を引き起こした責任者として処刑されてしまう。 ちなみに、その後フィットア領は息子のジェイムズが引き受けるも、自身の保身しか考えていないため停滞したが、本編完結後の「スペシャルブック」収録短編では一人領に残ったサウロス時代の遺臣アルフォンス等の尽力で長い月日を経て新たに小さな城が立つまで復興する事になる。 ・&bold(){ギレーヌ・デドルディア} 声 - [[豊口めぐみ]] 右目に眼帯をした猫系獣族「デドルディア族」の女剣士。 元々はパウロとゼニスと同じパーティに所属していた冒険者であり、2人とは古くからの知り合い。 2人の結婚によってパーティが解散した後はボレアス・グレイラット家に護衛兼エリスの剣の師匠として雇われ、長年にわたり仕えてきた。 それゆえにボレアス・グレイラット家への忠義は厚く、また、エリスに対しては娘か妹のように大切に思っている。 「剣王」の称号を持つ超凄腕の剣士だが非常に脳筋で学がなく、それ故に苦労した経験や、知識不足で死にかけたこともある。 それ故にルーデウスがボレアス・グレイラット家に来てからは、ルーデウスに剣を教える代わりに、エリスと共に語学、算術、魔術をルーデウスから教わることにした。 フィットア領転移事件では紛争地帯に転移し、同じく扮装地帯に転移したフィリップとヒルダを救援に向かうも間に合わなかった。 フィットア領に帰還後、サウロスが陥れられて処刑されたことを聞いてからは、その仇を討つことを誓う。 ルーデウスとエリスが帰還してからは、エリスの今後についてルーデウスと結婚を提案したが、最終的にエリスの決意を汲み、彼女と共に剣の聖地に向かう。 **◆冒険者たち ・&bold(){ルイジェルド・スペルディア} 声 - [[浪川大輔]] 転移災害で魔大陸に転移した直後にルーデウスが最初に出会った人物。 緑の髪と額の魔眼が特徴の世界中で「デッドエンド(会うと死ぬ)」と呼ばれて恐れられている魔族「スペルド族」の戦士。 500年以上の戦闘経験を持ち、戦闘能力はギレーヌ以上で帝級剣士と同等と極めて高い。 後にスペルド族であることを隠すため、髪剃って魔眼を額当てで隠すようになる。 400〜500年前に発生した人族と魔族の戦争である「ラプラス戦役」では魔族のトップである魔神ラプラスの親衛隊長だった。 戦役中期、スペルド族の戦士団はラプラスから新たに強力な力を持つ槍を与えられ、それによって戦いに貢献するが、その槍は力の代償として精神を狂わす呪いの槍であり、次第に槍に精神を蝕まれていったスペルド族の戦士団は敵味方の区別が付かなくなり、周りの者を見境なく攻撃するようになった。 この出来事が、スペルド族が世界中で恐れられる原因になっている。 ルイジェルドも同様に正気を失い、自分の息子を殺めてしまった。 この際、息子が呪いの槍を折ったことで正気を取り戻して魔神ラプラスへの復讐を誓い、戦役末期にラプラスが封印された魔神殺しの三英雄と魔神ラプラスの最後の戦いで三英雄に手を貸し、ラプラスに一矢報いた。 その後は世界に散り散りになった同族との合流と、失墜したスペルド族の名誉回復のために旅をしている。 誇り高く、面倒見がよくて優しい性格だが、寡黙で頑固でもあり、あまり融通がきかない。 その過去から、「戦士は子どもを守り、仲間を大切にするもの」という矜持を持ち、敵対する者、特に子どもを傷つける相手には容赦がない。 フィットア領転移事件で魔大陸に転移してきたルーデウスとエリスを助け、フィットア領まで護衛に付くことを約束。 そのお礼にルーデウスはスペルド族の名誉回復に協力することにし、ルーデウス、エリスと3人で冒険者パーティ「デッドエンド」を結成する。 また、その道中でエリスとルーデウスに戦闘の稽古をつけ、2人にとっては師匠の1人となっている。 頑固な性格が災いし、価値観の違いなどからルーデウスと何度か揉めるが、最終的に強い信頼関係を築いた。 3年の旅を経てフィットア領に到着した後は、スペルド族の同胞を探すため「この旅のおかげで一族の名誉回復に希望の兆しが見えた」とルーデウスに感謝を伝えて別れた。 その後の足取りは不明だったが、ルーデウスと[[シルフィエット]]の元にノルンとアイシャを届けに行く護衛役として登場。 その道中で特にノルンからの信頼を得つつもルーデウスへの不安を隠せない彼女へフォローしていた。 ルーデウス宅で一夜を過ごした後に出立し、偶然遭遇したバーディガーディと短い会話の後に旅を共にする。 ・&bold(){ギース・ヌーカディア} 声 - 上田燿司 猿っぽい顔をした魔族「ヌカ族」のシーフ。 飄々とした性格のお調子者。 元々はパウロとゼニスと同じパーティに所属していた冒険者であり、2人とは古くからの知り合い。 剣術や魔術といった戦闘技術についてはからっきしだが、斥候、罠の解除、料理、商人との交渉、アイテムの鑑定など、それ以外のことは一通りできる便利屋。 ただし個々のメンバーが尖り過ぎていた『黒狼の牙』がイレギュラー過ぎただけで、本来であればパーティ全員がそこそこできるのが前提なので((高ランクパーティーなら専門家がいる))、"戦闘ができない"という欠点を補えるものではなく、稼業としてはやっていけなかった。なので専らギャンブルで身をやつす日々が続いている。 フィットア領転移事件にパウロやゼニス達が巻き込まれたことを知り、行方不明になったパウロの家族を探すために単身で行動する。 ミリス大陸の大森林を探索中にドルディア族の村に人族の子どもが捕まったという情報を入手し、ドルディア族にわざと捕まる形で村に潜入し、ルーデウスと出会う。 その時に牢名主ごっこをしていたルーデウスから「新入り」と呼ばれ、それに付き合いルーデウスを「センパイ」と呼んでいる。 ルーデウスがパウロとゼニスの子供であると確信し、パウロのいるミリス神聖国のミリシオンまでルーデウスを送り届けたが、引き合わせる前に2人が偶然再会し、パウロの誤解から喧嘩になってしまう。 ことの顛末を知ったギースはルーデウスに過剰な期待を寄せ続けたパウロを諭し、2人を和解させることに成功した。 その後は再びルーデウスやパウロとは別行動をとっていたが、ゼニスに関する情報を聞き、ベガリット大陸へと向かう。 ゼニスの居場所を特定したもののS級ランクの迷宮攻略に苦戦したため増援を要求し、ルーデウスとエリナリーゼを招集。 ヒュドラ戦では初戦の後退と怒りに身を任せたパウロの宥め役となり、戦後はリーリャら待機メンバーへの報告役を務めた。 ルーデウスらを自宅へ送り届けた後は暫く近所に滞在し、その後また冒険者稼業へ戻っていった。 ・&bold(){エリナリーゼ・ドラゴンロード} 声 - 田中理恵 金髪を縦ロールにしたエルフの女戦士。年齢は不詳でお嬢様口調で話す。 元々はパウロとゼニスと同じパーティに所属していたベテランの冒険者。パーティでは敵を引きつけるタンク役を務める事が多く、盾で攻撃を受け流し細剣で攻撃する戦闘スタイルが得意。 仲間関係を否定し、一方的にパーティを解散したパウロのことは嫌っており、パウロの話題になると渋い顔をする。 「定期的に男性の精をあびないと死ぬ」という呪いに犯されており、フリーの男性を見境なく漁っている。 近しい関係にある複数人と同時に関係を持つこともあるが、気遣いのできる性格で刃傷沙汰まで発展することはめったにない。 普段はその弊害を気にせずむしろ奔放な性生活を楽しんでいるかのように振舞っているが、かつてはその呪いによって故郷を追放されるなど苦しめられてきており、今の性格はそれに折り合いをつけるための反動とも思われる。 また、子供や孫が自分のせいで迫害されるのではないかと気にしており、子供ができた際には自立するまで育て、その後は縁を切るなどしている。 転移災害にパウロやゼニスたちが巻き込まれたことを知ってタルハンドと共に捜索することを決め、途中で出会ったロキシーも加えてパーティを組む。 魔大陸で出会った魔界大帝キシリカの助けでパウロの家族の所在が分かった後は、パウロに伝えに行くロキシー、タルハンドと別れて中央大陸北部のルーデウスのもとへ向かう。 ルーデウスと合流後は、ラノア魔法大学から特待生としての入学招待状が届き入学するかどうかで悩むルーデウスに「任せられることは家族に任せ、ルーデウスは今しかできないことをするべき」と入学を勧め、自分もラノア魔法大学に入学する。 そこでルーデウスを通して出会ったクリフに告白され、一度は断ろうとするが、その情熱と真っ直ぐな告白に絆されで交際を始めて結婚に到るまでの仲に発展する。 実は[[シルフィエット]]の父のロールズは彼女の息子であり、彼女は[[シルフィエット]]の祖母に当たる。 一目見てエリナリーゼ自身はそのことに気が付いたが、呪いのこともあってそのことを言い出せずにいた。 一方、[[シルフィエット]]の方も父親から聞かされていた祖母の経歴や特徴が彼女と一致していたことから、薄々そうではないかと考えていた。 [[シルフィエット]]とルーデウスの結婚式でそのことを告白して受け入れてもらい、以後は家族としてもルーデウスと[[シルフィエット]]の結婚生活の相談に乗るようになる。 その後はギースからゼニス救出の救援の要請が出た事からルーデウスと共にパウロ達に加勢に行くことを決め、過去にトラブルのあったパウロとも和解し転移の迷宮攻略に挑む。 ヒュドラ戦では従来通りタンク役を務めるも、堅牢な鱗に攻撃を通せずパウロ頼りになってしまう。 パウロ戦死後に憔悴しきったルーデウスを抱くよう他パーティから要請されるも渋り、その会話を聞いていたロキシーが独断で実行したため行為後に会話している。 ルーデウスの帰郷には付き添い、彼に「ミリス教徒でないのなら多妻は問題無いし、ロキシーの気持ちも汲んでやれ」と助言。更にシルフィには「ルーデウスは貴方を愛している」とサポートしてもいる。 ・&bold(){厳しき大峰のタルハンド} 声 - [[大塚芳忠]] 長い髭を蓄えたドワーフの老魔術師。男色家で大酒飲み。 元々はパウロとゼニスと同じパーティに所属していた冒険者であり、エリナリーゼらと同じくパウロの話題になるとあまりいい顔をしない。 鈍足なので鎧に身を包み戦闘では前衛・後衛を臨機応変に立ち回る。 上記の通り転移事件後はエリナリーゼ、ロキシーと組んで捜索にグレイラット家の捜索にあたった。 魔大陸で出会ったキシリカの助けでパウロの家族の所在が分かったあとはエリナリーゼと別れてロキシーとともにパウロと合流、ゼニスがいると思われるベガリット大陸に向かう。 **◆ラノア魔法大学の関係者 ・&bold(){ザノバ・シーローン} 声 - 鶴岡聡 シーローン王国第三王子。 外見は面長で丸い眼鏡をかけた貧弱そうな印象だが、実際は生まれつき怪力と頑強な体を持つ「怪力の神子」であり、並大抵の物理攻撃では傷もつかない((魔術耐性は普通なので、火魔術だとあっさりダメージが通る))。 しかし、その力のコントロールができておらず、かつて生まれたばかりの弟や結婚したばかりの妻を誤って殺してしまった過去を持つ。 芸術品への造詣が深く、特に人形や彫刻が大好きな人形マニア。 逆にそれ以外のことにはあまり関心がなく、最初こそその力から未来の戦力化を期待していた王家すら、上述の2つの死亡事件以降は「イカれた奴だが人形を与えていれば無害(意訳)」と半ば見放していた。 また、人形のことやルーデウスのこととなると暴走することも多いが、王族だけあって場面に応じた礼儀や所作も身につけている。 ルーデウスが土魔術で作った人形(ロキシーとルイジェルドのフィギュア)を偶然入手して感銘を受け、ルーデウスが作者だと知った後は弟のパックスに軟禁されていたリーリャ達を助けに来たルーデウスに手を貸す。 その後、この時の騒ぎが原因でラノア魔法大学へ留学という形で国外追放されるが、後にラノア魔法大学に入学してきたルーデウスと再会。以後ルーデウスを師匠と呼んで慕うようになり、彼の親友の1人となる。 しかし、その能力ゆえに繊細な人形作りには不向きで、直接人形作りに関与できないことを気にしている。 そのため人形制作は別の者にやらせた方がいいのではという方向に動き、奴隷市場でドワーフ族の少女ジュリを購入。語学や魔術をルーデウスが教え、ザノバが芸術に関する知識や感性を教え込む役目を担った。 ルーデウスが[[シルフィエット]]と結婚し構えた民家で出没した人形を鹵獲した際には、複雑な魔法陣で構成された人形の解析などを一手に引き受けている。 ・&bold(){クリフ・グリモル} 声 - [[逢坂良太]] ミリス教団教皇の孫。 祖母がホビットなため小柄で背が低いのが特徴。 自らを天才と自認して憚らない自信家だが、攻撃魔術・治癒魔術を合わせた8系統のうち結界以外の7系統の魔術を上級まで使える、新たな魔道具を作成するなど、それに見合うだけの実力を持つ。 誠実で困った人を積極的に助ける善良な人間である一方で、空気が読めず喧嘩っ早い一面もある。 魔族融和派のミリス教徒なので、魔族に対する差別感情は持たないがミリス教徒は一夫一妻が原則なので女性関係にだらしない人間に対しては辛辣な態度で接している。 ミリス教団の権力闘争に巻き込まれ、危険を感じた祖父の手によりラノア魔法大学に留学という形で亡命する。 以前エリスに助けられたことがあり、その際にエリスに恋をするが、その直後にエリスからルーデウスの話を聞かされ、即失恋した。 その一件もあってルーデウスの入学当初は彼を一方的に[[ライバル]]視していた。 後にエリナリーゼに一目ぼれし、ルーデウスに紹介してもらう。 エリナリーゼから呪いのことを聞かされるが、それでも構わないと熱意のある告白をし、交際するようになり夫婦になるまでの関係に発展する。 それからはルーデウスとのわだかまりも解消され、彼の親友の1人となった。 また、以降はエリナリーゼの呪いを解呪するための研究をしている。 ・&bold(){リニアーナ・デドルディア} 猫系獣族「デドルディア族」の少女。愛称は「リニア」。 ギレーヌとは親戚。 語尾に「ニャ」とつける口調が特徴。 幼馴染のプルセナと常に一緒に行動している。 2人合わせてラノア大学の番長的な存在になっており、しばしば他の生徒に喧嘩を吹っかける。 刹那的な感情で生きていて迂闊な一面のある性格。 以前些細なことでザノバと決闘になり、その際にザノバのロキシー人形プルセナと共に壊した。 それを知って怒ったルーデウスにプルセナ共々決闘を申し込まれ、戦うが敗北、顔への落書きという制裁を受けた。 それ以来デドルディア族の『強い者に忠実』の風習に倣ってルーデウスを「ボス」と呼んで慕っている。 ・&bold(){プルセナ・アドルディア} 犬系獣族「アドルディア族」の少女。 語尾に「なの」とつける口調が特徴。 幼馴染のプルセナと常に一緒に行動しており、2人合わせてラノア大学の番長的な存在。 2人で一緒に行動しているが、何かあるとしばしばリニアを売る。 リニアと同じく、ザノバとの決闘の際にザノバロキシー人形を壊したことでルーデウスの怒りを買い、リニア共々倒されて落書きの制裁を受ける。 それ以来ルーデウスを「ボス」と呼んで慕っている。 肉に目が無く何かと骨付き肉を頬張り、状況次第では食べ物欲しさに欲をかいて失敗する事もある。 ・&bold(){アリエル・アネモイ・アスラ} 声 - [[上田麗奈]] アスラ王国第二王女。 ラノア魔法大学の[[生徒会長]]であり、[[シルフィエット]]が仕える主人でもある。 金髪で編みこみの入ったサラサラのロングヘアと、聴いていて心地よいカリスマ性のある声が特徴。 性格は基本的に相手に対しては真摯に接し、友達思いな性格である。 一方で王族らしい腹黒さと、アスラ王国貴族では珍しくない倒錯的なフェチズム((元々性的嗜好がバイのサディストだったが、[[シルフィエット]]に拒絶された際の抵抗でマゾヒストに目覚める。更に公衆の面前で失禁する事に興奮を覚えると発言した。))を持つ。 王位継承権は3位で、第二王子のハルファウスが本人にはやる気がないので、実質的には第一王子のグラーヴェルと一騎打ち状態となっている((第一王女は嫁いだため王位継承権を持たない))((年齢差から戦力では、第一王子どころか第二王子とも勝負になっていない。実質的に一方的に攻撃されているだけである))。 元々は王位には興味がなかったが、フィットア領転移災害でアスラ王宮に転移してきた魔物から自分を庇って死んだ守護術師のデリックの「アリエルが王になれば良いアスラ王国を作れる」という遺言を受けて王位を目指すことを決める((魔物はこの時に転移してきた[[シルフィエット]]が倒した))。 この時、転移してきた[[シルフィエット]]を保護して守護術師にし、以来共に行動している。 第一王子派の暗殺計画が激化したため、ラノア大学へ留学という形でアスラ王国を脱出し、今は様々な事情でラノア大学へ訪れる各国の要人やその子供と接触し、地盤固めをしている。 そのためルーデウスに対しても噂と[[シルフィエット]]からの要望で味方に引き入れる事に精力的で、二人を結ばせるための作戦を練るなど積極策を提供した。 ・&bold(){ルーク・ノトス・グレイラット} 声 - 興津和幸 アリエルの守護騎士。 アスラ王国の上級貴族ノトス・グレイラット家の次男でルーデウスの従兄弟(ルークの父のピレモンがパウロの弟。) 茶髪をオールバックにした美形で、女好きで巨乳好きのプレイボーイ。 アリエルの配下では最古参であり、彼女からは信頼されている。 [[シルフィエット]]に対して異性としては無感情だが、仲間かつ友人として大切に思っている((ただし、一時シルフィエットに惚れた時期がある。))。 ルーデウスに対しては血縁と[[シルフィエット]]に対する態度から当初は不快に思っていたが、同じ男としてEDを治すために全力を注ぐなどの過程を経てある程度は融和している。 &s(){ただしルーク本人もグラマラス嗜好故にスレンダーなシルフィに『魅力を感じないと』ストレートにダメージを与えたが} ・&bold(){サイレント・セブンスター / ナナホシ・シズカ(七星静香)} 声 - 若山詩音 白い仮面を被った長髪の少女。 その正体はルーデウスが前世で死ぬ直前にトラックから助けようとした3人の高校生の1人である女子高生。 ルーデウスが転生して10年目にこの世界に転移した。 本名は「ナナホシ・シズカ」だが、この世界では「サイレント・セブンスター」の偽名を名乗っている。 ルーデウスと違って&bold(){転生}ではなく&bold(){転移}であり、容姿も元のまま。 また、この世界に来てから年をとっておらず、ルーデウスと違って魔力も一切持たない。 彼女の転移と同時にフィットア領転移事件が発生したことから、転移事件と何らかの関係があるのではと考えられている。 倫理観から食べ物の味まで何もかもが異なる不便なこの世界を嫌っており、元の世界に帰りたいと強く願っている。 何もない草原で途方に暮れていたところを異変に気づき様子を見に来た龍神オルステッドに拾われ、彼についていき旅しながら元の世界に戻るための手段を探す。 ルーデウスがオルステッドに殺されかけた際、その言動からルーデウスが元の世界と何らかの関係がある可能性を感じ、オルステッドに進言してルーデウスを救命してもらったことでルーデウスは命拾いした。 その後、元の世界への帰り方を研究するため、オルステッドと別れてラノア大学へ入学する。 大学に入学してからは基本的に研究室に閉じこもっており、大学では召喚魔術の第一人者として知られている。 気丈にしているが、実際はメンタルは弱く追い詰められやすい性格。 数か月かかって製作した大規模召喚魔術の術式で失敗した時には大きく取り乱し、自暴自棄にまで陥っていた。 大学でルーデウスと再会した時には、召喚魔術の知識提供の代わりに召喚魔法行使の協力を要請。 ルーデウス側が特に生前の彼女を知っていたという同郷のよしみから何かと気にかけられており、食生活だけでもとおにぎりやポテトチップスなどを作成しては提供している。 **◆その他の登場人物 ・&bold(){ヒトガミ} 声 - くじら 時折ルーデウスの夢の中に現れる謎の存在。 のっぺりとした白い人型の姿をしている((ルーデウス視点ではモザイクがかかったようにぼんやりとしか見えない))。 異世界人であるルーデウスに興味を持ったと言い、不定期にルーデウスへと接触し、お告げと称して様々な助言を与える。 なお、ルーデウスの異世界転生には特に関与していない様子。 とにかく言動が胡散臭く、ルーデウスもヒトガミが信用できる存在とは思っていない。 一方でヒトガミに従った結果うまく行くことが多いことや、リーリャたちの監禁に関する情報など、ヒトガミの持たらす情報が正しいことも事実であり、結局ルーデウスはヒトガミのお告げに沿う形で行動している。 尚、六面世界に置いてヒトガミを『識る』存在は殆ど居らず、オルステッドを除けば直に邂逅した経験がある人物程度にしか知られていない。 ・&bold(){オルステッド} 声 - %%社長繋がりで%%[[津田健次郎]] ルーデウスがフィットア領へ帰還直前に出会った人物。 銀髪に金色の[[三白眼]]で剣呑な雰囲気の男性。 その正体は七大列強第二位「龍神」であり、世界最強の存在。 極めて強い戦闘能力を持ち、ルーデウス、エリス、ルイジェルドの3人で立ち向かってもまるで歯が立たなかった。 この世界に召喚されたナナホシを発見・保護して彼女と、世界中を旅している。 ヒトガミとは何らかの因縁があるようで強く憎んでおり、「夢にヒトガミがでてくる」と言ったルーデウスを「人神の使徒」と呼んで攻撃し、致命傷を与える。 しかし、ルーデウスが元の世界の関係者であることを察したナナホシがオルステッドにルーデウスを治療するよう進言し、その進言を受け入れてルーデウスを治療し、その場を去った。 尚、遭遇時にエリスとルイジェイドの両名はオルステッドから「根源的な畏怖」を感じ慄いていたのだが、これは彼が全ての生物から嫌悪される呪いにかけられているのが所以。 ただしナナホシやルーデウスなどの別世界からやってきた者には通用していない。 ・&bold(){バーディガーディ} 魔大陸のビエゴヤ地方を治める魔王。 黒曜石のような肌に紫色の長髪をなびかせる筋骨隆々の大男。 胴体から六本の腕が左右三組ずつ生えているが、腕を引っ込めて数を減らしたり、腕の太さを変える事もできる。 不死身の肉体と高い再生能力を持ち、大ダメージを受けてバラバラになっても、その後復活するといった芸当もできる。 その肉体によった力任せの豪快な戦いが得意で、その戦闘能力は剣帝と互角。 常に物事を笑い飛ばす豪快かつ陽気な性格で、酒や宴をこよなく愛する。 婚約者の魔界大帝キシリカからルーデウスの話を聞いて興味を持ち、ラノア魔法大学までやってきた。 大学に到着後、ルーデウスに「ルーデウスの最高奥義を自分にはなち、もし自分が無傷なら自分の勝ち。傷をつければルーデウスの勝ち」という決闘を申し込む。 結果、ルーデウスの岩砲弾を受けて爆散、すぐに上記の能力で復活し、今後は一撃を与える事で引き分けという事で手打ちにした。 その後は特別生としてラノア魔法大学に入学し、以降ルーデウスとは友人として付き合うようになる。 ・&bold(){キシリカ・キシリス} 声 - [[井口裕香]] 魔大陸でルーデウスが出会った少女。 2本の角を生やし紫色の髪、そしてやたらと際どい服装が特徴。 その正体は人魔大戦で魔族を率いた「魔界大帝」((今の姿は不完全な状態で、完全体になると大人の姿になる))。 歴史書にも出てくる人物であり、ルーデウスも彼女のことは知っていた。 また、バーディガーディの婚約者でもある。 自堕落かつ退廃的で、何も考えずその場の雰囲気で行動するいい加減な性格。 死んでも復活する能力の持ち主で、今まで何度も死んでいる((本人によると殺されたのは人魔大戦の2回だけだが、餓死などで何度も死んでいるらしい))。約300年前に復活。 しかし、ラプラス戦役で魔神ラプラスが魔族のトップになったので、いい加減で魔族の立場を落とした彼女を相手にする者は少なく、常に食うに困っている。 戦闘能力は低いらしいが((不完全な幼女の姿でも、聖級剣士並みの身体能力の相手を簡単に押さえているので、トップクラスを基準にした話しかもしれない))、体内に12の魔眼を持ち、気に入った相手に魔眼を授ける。 それゆえに「魔眼の魔帝」の別名を持つ。 また、自身の体内に隠し持った12の魔眼で、未来視、遠隔視、魔力可視、透視など、あらゆるものを見透かす能力を持つ。 ヒトガミのお告げで食料を持って街の路地裏を徘徊していたルーデウスと出会い、食料を分け与えたルーデウスに礼として「予見眼」を授ける。 その後、ロキシー達とも出会い、飲食代を出してくれた礼としてルーデウスの家族の居場所を魔眼で探り、ロキシー達に教えた。 ・&bold(){テレーズ・ラトレイア} 声 - [[金元寿子]] ゼニスの妹でルーデウスの叔母にあたる、ミリス神聖国神殿騎士団「盾グループ」の中隊長。 記憶の神子の護衛中に暗殺者に襲われるが、偶然居合わせたエリスに助けられる。 アニメではカットされてしまったが、原作ではその後にウェストポートに滞在したルーデウス達と会合。 [[成人前くらいの年齢が好き>ショタコン]]という趣味を持っており、ルーデウスとの対面では体を弄りながら「(性的な意味で)食べちゃいたい」と臆面も無く言ってしまうほどの残念美人。母親と喧嘩して出ていったという事もあってか婚期を逃しつつあり、仲の良い男女を見ると嫉妬していまう。 ミリス教徒なので魔族は嫌いだがルイジェルドだけはルーデウスの恩人という事で我慢し、彼の渡航を援助した。 ・&bold(){ターニングポイント4の老人} 幸福の絶頂で輝かしい未来を夢見るルーデウスの元に遥か彼方より訪れた敗残者の男。 #openclose(show=その正体は… ※原作小説ネタバレ注意){ #center(){&font(#a0522d){そう。俺は、今から大体50年後の、お前だ}} 老人は約50年後の未来から過去転移魔術でやってきたルーデウス・グレイラット。通称、老デウス。 直前の夢でヒトガミから「地下室の様子を見に行ってほしい」と言われたルーデウスの前に現れ、地下室へ行くなと警告する。 その理由は、地下には&u(){魔石病}という不治の病に感染した鼠がいて、その鼠が原因で&bold(){ロキシーが魔石病に感染し死亡する}からと言う。 『他人が知るはずの無い転生前の本名』を告げた事でルーデウスも聞く耳を持ち始め、様々な助言と日記を受け取る。 だが老デウスは急速に体調を悪くしていき、話もそこそこにルーデウスの前で息絶えてしまう。 その腹には内臓がほぼ存在せず、遺体は焼却のうえパウロの墓に埋葬された。 50年後のルーデウスだけあって魔術の実力は桁違いに強化されており、重力を操る魔術・電撃を操る魔術・声を操る魔術を身につけ、不完全ながら過去転移魔術を開発していた。 更に&ruby(マジックアーマー){魔術鎧}という魔力で身体能力を強化する強化装甲を開発し、列強下位相手に立ち向かえるくらいまで戦闘能力が上昇している。 なお既存の魔術に関しても治癒魔術が聖級まで上達している事が言及されていた。 #openclose(show=老デウスが遺した日記の内容){ それは&bold(){ヒトガミの言うとおりに地下室への扉を開けた世界線の日記}だった。 日記の内容は非常に凄惨で、&color(#e60000){&bold(){ほぼ全てのルーデウス関連の人物が非業の死を遂げる}}というもの。 &bold(){&color(royalblue){ロキシー}}は魔石病に罹り、懸命な努力も虚しく半身が石化してお腹の赤ちゃんと共に&color(#e60000){&bold(){病死。}} &bold(){&color(yellowgreen){シルフィエット}}はロキシーの死に絶望したルーデウスへ献身的に寄り添うが、八つ当たりされ、娼婦を抱いた事で一晩中泣いて自室に籠った翌日にアスラ王国へ出奔。その後アリエルが破れかぶれに起こした蹶起に参加するも失敗して&color(#e60000){&bold(){アリエルらと共に処刑され、遺体は目も当てられないほど痛めつけられたうえで晒されていた。}} &bold(){&color(red){エリス}}はそもそも和解すらできずにすれ違いを繰り返すが、何があってもエリスはルーデウスを見限らず何処へ行っても側にいた。だが最期は魔王アトーフェと対峙したルーデウスの危機を救い&color(#e60000){&bold(){命を落としてしまう。}} それ以外の人物にしても、&bold(){アイシャ以外の家族は全員ルーデウスを見限り家を離れ}、クリフは魔石病治療のためにミリス国大聖堂に忍び込んだ際に追手から毒攻撃を受けそのまま&color(#e60000){&bold(){死亡}}。婚約者の死を知ったエリナリーゼは身重のまま何処かへ姿を消し、ナナホシは転移魔術の失敗続きで未来を絶望視し&color(#e60000){&bold(){自殺}}した事が示唆されている。 クリフと共にミリス国大聖堂に侵入したザノバは国際指名手配犯となり、ジンジャーとジュリそしてアイシャと共に神殿騎士団によって&color(#e60000){&bold(){惨殺}}されてしまう。なおザノバは物理攻撃が効かない神子だったが、&bold(){火の魔術で黒焦げにされる}という無残な最期だった。 リニアやプルセナなどの学生時代の一部友人、タルハンドやギレーヌといった冒険者仲間、オルステッドなどはほぼ出てこないが、関係者が不幸に見舞われているため少なくともルーデウスとの関係も絶たれていると思われる。 唯一交友関係を続けていた甲龍王ペルギウスに関しても、何かを隠しているような言動に内心苛立ちと殺意を覚えていた。 ルーデウス本人もロキシーの死をきっかけに堕落の一途を辿り、娼婦を抱いたのを始めに多数の女性と関係を持ち、時には[[犯罪行為>レイプ]]に手を染め、さらにジュリにまで手を出そうとし、報復心によるものとはいえラノア王国民や神殿騎士団を殺戮している。 しかしザノバの死により周囲の人間ほぼ全てに不幸が満ちた事で改めてヒトガミへの復讐心が灯り、魔術の研究やヒトガミへ至るための調査を開始する。その甲斐もあって世界の構造とヒトガミの居場所まで突き止めるに至るが、時間が足りず失意に暮れてしまい「&bold(){ヒトガミに一矢報いる}」事を決意した。 }} *◇世界観 **◆地理・国家・組織など ***中央大陸 この世界で最も大きい大陸人族が人口の大半を占める。 赤龍山脈によって南北西の3つに分割されており、人族が全般的に人口の割合を占めている。 西部はアスラ王国統治下に置かれた肥沃な大地が特徴で、低ランクの魔物しか存在しないほどに治安も良い。 北部は魔法三大国が有する西域と紛争地域でもある東域に別れ、更に積雪の影響で作物が育ちにくく過酷な環境となっている。 南部は北域が小国家の多い紛争地域で、南部にはシーローン王国や王竜王国が点在。 ・&bold(){アスラ王国} 中央大陸西部全域を支配するこの世界最大の国家。 物語最初の舞台であるブエナ村やフィットア領もこの国に属する。 肥沃な大地によって食べ物が豊富で魔物も少なく、世界で最も豊かな国。 一方でその繁栄が長く続いたことから貴族の腐敗が進んでおり、&s(){変態的性癖持ちばかりな}王族での争いも絶えない。 ・&bold(){ラノア王国} 中央大陸北部西側を支配する魔法三大国の同盟主国にして北部最大の国。 魔法都市シャリーアにラノア魔法大学や魔術ギルド本部などを置いており、国力も侮れない程度に保有している。 ラノア魔法大学にルーデウスが入学して以後は、ここに家を構え本格的な居住生活を送る事となる。 &bold(){【ラノア魔法大学】} ラノア王国にあるこの世界で最大の教育機関。 魔法三大国及び魔術ギルドをスポンサーとして抱えており、その影響力はアスラ王国やミリス神聖国ですら容易な干渉が不可能である。 それ故に大学内はある種の治外法権が敷かれており、しばしば様々な理由で自国にいられなくなった王族の亡命先としても使われる((とはいえ限界はあり、魔王バーディガディがやってきた時には隣国が即時に警戒態勢に入り大学周辺に危機が及んだ))。 こうした背景から学内には獣族に配慮した独自ルールや、学食の身分差による使用制度など様々な部分で区分けが行われている。 学生の在籍期間は7年から9年で、入学時の年齢や種族、身分などは問わず、入学金の支払いと入学試験の合格さえできれば入学できる。 なので入るのは比較的簡単だが卒業するのは難しく、入学時に2000人いた生徒が卒業時には500人程度になる程((魔術課の卒業に必要な修士課程は小説と漫画で異なるが、少なくとも上級魔術以上の習得は最低限必要となっている))。 また名前から誤解されやすいが、魔術以外にも算術課や軍学課などの立場や目的に応じた課が存在する。 ・&bold(){シーローン王国} 中央大陸南部にある国。 中央大陸南部で最大の国である王竜王国と同盟を組むことで国を維持しているが、国力差から属国扱いされている。 アスラ王国と異なり王位継承権は親衛隊の数で左右される慣わしで、善政を行えば数が増え、悪政を行えば減らされる。ただし王子同士の取引で親衛隊の譲渡は黙認されており、ザノバはロキシー人形欲しさに最後の1人をパックスへ譲渡している。 ***魔大陸 中央大陸から見てリングス海を挟んで北東に位置する大陸。 大陸の大半が乾燥した荒野で、強い魔物が多い。 大戦以後、人族が外交的手段を用いて長い時間を掛け魔族を封鎖した魔大陸へと追放していったが、ラプラス戦役以降は封鎖は解除された。 魔神ラプラスの封印後は全土の支配者は存在せず、各地に魔王が君臨し小規模ながら統治している地域がある。 全域にわたって土地が枯れ、頻繁にC級以上の魔物が出現する危険地帯。 通貨は価値が低くミリス大陸や中央大陸で使用される硬貨とのレート差があるものの、同時に物価自体が低いため困窮しているわけではない。 ・&bold(){ウェンポート} 魔大陸南部に位置する港町で、ここから海路でザントポートへ至る。 魔大陸北西部が閉鎖されているので事実上この港町を経由する方法しかミリス大陸と魔大陸を行き来する方法は無い。 航路代は種族ごとで異なるがスペルド族だけ危険視され非常に高額である。 ミリス大陸と海を挟んで接している土地柄か、神殿騎士団が在留していた。 ***ミリス大陸 中央大陸から見て、リングス海を挟んで南東に位置する大陸。 青竜山脈を挟んで、獣族が支配する大森林が広がる東部と、冒険者ギルドの本部がありミリス神聖王国が支配する平野の西部に分かれる。 ・&bold(){ミリス神聖国} ミリス大陸西部を支配する大国。 世界最大の宗教であるミリス教の本拠地であり、アスラ王国に次ぐ世界第2位の国力を誇る。 静謐を信条とした国家体制で建造物もそれを反映させた白色や銀色基調のものが多いが、教団内部の腐敗は凄まじく魔族への差別意識も高いため見てくれだけの高潔さといえる。 大森林に近いが三か月の大降雨は結界魔術で阻み、国内の天候には影響を及ぼしていない。 ***ベガリット大陸 中央大陸から見て南西に位置する大陸。 大陸のほとんどを砂漠が占めるうえ、魔物は魔大陸に次いで強い。 太古の遺跡や迷宮([[ダンジョン]])が多いことで知られており、財宝を目当てに多くの冒険者が集まる。 ・&bold(){迷宮都市ラパン} ベガリット大陸東部に位置する大都市で、町の周りを巨大なベヒーモスの肋骨が囲っているのが特徴。 迷宮都市の異名はこのベヒーモスの遺体を魔物が食い漁った穴が多量にできたことから由来されている。 冒険者ギルドの支部が存在し、ここでルーデウスはパウロたちと合流している。 ***リングス海 この世界の中央に位置する海。 海族が支配しており、取り決めで指定された航路以外では船の使用が禁止されている。 この海の底には闘神鎧というラプラス戦役で使用された武具が沈んでいる。 **◆種族 ・&bold(){人族} 元から人の世界に住んでいた種族。この世界では最大勢力で、人族語を使用する。 種族固有の特殊能力を持たないが粘り強く、戦争ではどれだけ追いつめられても敗北宣言をせず最終的には勝っている。 発想力に長け、新しい物の発明を多くしてきた。 なお、この世界では人族以外にも人間とされる種族が数多くいる。 15歳で成人とされ、誕生日は5歳毎に盛大に祝われる習慣がある。 ・&bold(){魔族} 歴史上最後に起きた人族と魔族の戦争であるラプラス戦役で、魔族側についた種族の総称。 多くはミグルド族やスペルド族など数々の亜種族に分かれており、人型ではない種族も多くいる。 人族との間で何度も戦争が起きており、現在でも人族の中にはミリス教徒など魔族に差別意識を持っている者もいる。 寿命は人族よりも長い。魔族語を使用している。 ・&bold(){獣族} 大森林に多く住まう哺乳動物の特徴を持つ種族たちの総称。獣族語を使用している。 猫族の「デドルディア」や犬族の「アドルディア」など多数の種族がいる。 鋭い五感を持ち、排他的な者が多いが上下関係に厳しく、上と認めた存在には忠実。 固有魔術として、声による相手の無力化や探知を可能とする吠魔術を使える。 秋ごろに[[発情期]]を迎える。 ・&bold(){長耳族(エルフ)} 長い耳に美しい容姿と脂肪の少ないスラリとした体つきが特徴の種族。 非常に長命で寿命は1000年から2000年ほど。 方向感覚に優れる一方、長寿故か子供ができにくいという欠点を持つ。 ・&bold(){炭鉱族(ドワーフ)} 低い身長と筋肉質な体が特徴の種族。 非常に手先が器用であり、優れた職人が多い。ただし技術は己の手で磨くもので魔術は忌避する傾向にある。 大戦で国家を失い、現在は小規模な集落で暮らしている。 集落内では同年に生まれた者を全員が兄弟として扱うため、多いと50人の兄弟を持つ。 独特な文化を持ち、7歳になると得意な物や好きな物から名前を付けられる。 ・&bold(){小人族(ホビット)} 背の低い小柄な体格が特徴の種族。 その体格から身体能力は高くない。 ・&bold(){龍族} 人の姿に銀色の髪と金の瞳が特徴の種族。 この世界で最強の種族とされるが、太古に住んでいた龍の世界が滅び、繁殖力も低いため現在は僅かな生き残りが存在するのみ。 **◆戦闘技術 ・&bold(){魔力} この世界に満ち溢れているエネルギー。 世界のあらゆる存在が持つとされるが、異世界転移者のナナホシだけは魔力を持たない。 魔術のエネルギー源になるほか、人や物が特殊な能力を身に着ける、動物や植物を魔物に変える、土地に異常な気象を起こすなど様々な影響を与えている。 また、自身の魔力は魔術などを使うと消費され、その総量は個人によって異なる。 消費した魔力は休息を取れば自然と回復していくが、少なくなる、あるいは使い切ると極度の疲労困憊や気絶などを引き起こし、これを「魔力切れ」と呼ぶ。 生まれた時点で魔力総量はほぼ決まっているとされているが、実は第二次性徴前辺りまでは使用に応じて伸びるという性質がある((但し個人差はあり、ルーデウスはトップクラスなのに対して[[シルフィエット]]はロキシーと同程度))。 ・&bold(){魔術} 魔力を操って超常現象を起こす技術。 攻撃魔術4系統(土・水・火・風)・治療魔術4系統(治療・解毒・神撃・結界)・召喚魔術2系統(魔獣召喚・精霊召喚)がある((他にも各種族の独自魔術が存在する))。 魔術には基本的には詠唱か魔法陣が必要だが、術者本人の魔力制御の技能が上がれば詠唱の短縮や無詠唱といったことも可能になる。 ・&bold(){詠唱魔術} 現在の主流な魔術の発動方法。詠唱する事で術式発動に必要な魔力コントロールをある程度自動化して発動させる。 現在の魔術は詠唱魔術が基準となっており、規模ごとに初級・中級・上級・聖級・王級・帝級・神級の七段階に定義されていて右にいくほど大きく強い。 習得した魔術に応じてこの階級も上がっていき、水魔術の聖級クラスを習得できれば「水聖級」という具合に呼ばれる。 ・&bold(){魔法陣} 魔力結晶を粉砕した塗料で図形を形成し魔力を注ぐ事で効果を発揮する。 基本的には一度きりしか使えないが、それは塗料が蒸発するからであって、石板など消失しない方法で魔法陣を残せるものであれば複数回の使用が可能。 詠唱魔術とは異なり魔力さえあれば王級魔術の行使も可能。詠唱魔術より遥かに高度な事ができる。ただしその分魔法陣の形成にかかるコストは高く、下手をすると国家予算並みとされている。 ちなみに既に新しく魔法陣を形成する技術は失われており、現存するものは壁画や既存のスクロールから写し書きされたものを利用しているだけ。 ・&bold(){剣術} 魔物が跋扈していることもあり、この世界の多くの人間が護身用に武器の使い方を学ぶが、スペルド族の影響もあって槍などの長柄の武器は悪魔の武器とされて好まれず、威力に頭打ちがある弓は闘気の存在から強者には通用しないため、基本的にほとんどの人間が剣術を学ぶ。 剣術は相手に攻撃することを主眼に置いた速度と攻撃力重視の剣神流、受け流しやカウンターを主体とした防御特化の水神流、様々な派閥が存在し、剣以外の道具の使用や技術を組み合わせる実戦的な北神流が三大流派として存在する。 使い手は力量が認められれば聖・王・帝・神の称号が与えられ、右にいくほど強い((ただし神の称号は別格で、北神以外の神の称号はそれぞれ1人しかいない))。 例えば、剣神流で王の称号を持つ者は「剣王」、北神流で帝の称号を持つ者は「北帝」と呼ばれる。 北神流は門派が多い事と兵法こそが真髄という事からか、作中で最も使い手が多く登場している。 剣神流は奥義である光速剣の存在で三流派最強とされる。 ・&bold(){闘気} 自身の体内にある魔力を使用し身体能力を上昇させる技術。人族のみならず魔族や魔物も備えているケースもある。 普通、体を鍛えれば自然と使い方がわかるようになってくると言われており、鍛えることで攻撃の威力や防御力を高めることができる。 当世界で弓術使いがサラ以外に登場しないのは魔術と闘気の存在があるからで、攻撃と防御の両面でメリットが無い事が窺える。 **◆その他 ・&bold(){魔物} 動植物が魔力異常によって変異した存在。非常に凶暴で危険。 体内に魔力袋が存在し魔力の濃い場所ならある程度食べなくても生きることができる。 そのため、魔大陸やベガリット大陸のような食糧に乏しいが過酷な環境でも大量に存在する。 人間の死体も、魔力の濃い場所に放置すればレイスやスケルトンなどの魔物に転ずる可能性がある。 ・&bold(){七大列強} この世界で最も強いとされる7人の総称。 現在の七大列強は一位から順に技神、龍神、闘神、魔神、死神、剣神、北神とされる。 七大列強の中でも四位以上と五位以下の間には歴然とした力の差があり、四位以上は『上位列強』、五位以下は『下位列強』と区別されている。上位列強は『別格の強さを持つ化け物』と言われているが詳細や所在の分からない者が多く、逆に下位列強は序列外八位~序列外十五位ぐらいまでとはあまり差がないと言われている程。 序列の変化は基本的に「下から上への挑戦」により発生し、敗者の生死に関わらず勝者が上に入れ替わるが、タイトル所有者の死亡等の脱落による繰上り程度はある模様((逆説的にこの石碑に刻まれている者は存命もしくは復活が確実であるという証明になる))。 なお、石碑はメインの石碑に描かれた内容を世界各地にあるサブの石碑に映し出すというもので、石碑自体は列強の管理ができる物ではない。列強の格付けをどうやって管理しているかは不明。 上記の通り行方不明者が大半を占めているせいで、次第に知名度を落とし現在では認知度が低い。しかし、三大流派の長が2人列強入りしている事もあり相応の立場の人間は知っている。 ・&bold(){冒険者カード} 過去の龍族によって作られた[[魔道具]]の一種であり、冒険者ギルドへ登録する際に記入する身分証。 種族別の言語に対応しており、他言語への変更も可能である。ただし種族などは自動で表示されるため、偽造は不可能。 これにより大陸間を跨いでの冒険が可能になるが、世界共通の貨幣は存在しないので広域を旅する者は少ない。 ・&bold(){黒狼の牙} 主人公ルーデウスの父であるパウロがかつてリーダーを務めていた冒険者パーティ。甲龍歴400年~甲龍歴406年に主に中央大陸で活動し、僅か数年でS級冒険者パーティとなるなどメンバーは強者揃いであったが一癖も二癖もある面子の集まりなので、トラブルになることも多く何かと話題になっていた。 メンバーは、リーダーで剣士のパウロ、シーフで雑用係のギース、ドワーフの老魔術師であるタルハンド、戦士で主にタンク役を務める長耳族のエリナリーゼ、パーティ名の黒狼の牙の由来になった黒狼の異名を持つ獣人族の剣士のギレーヌ、僧侶で後にルーデウスの母になる治癒術師のゼニスの6人から構成され、パウロとゼニスの結婚を機にパーティは解散することなった。 ・&bold(){ミリス教} 聖ミリスを開祖とするこの世界最大の宗教。 世の中の平和と安寧を願う宗教で、教徒は真面目で義理堅い者が多い……が、権力闘争で相手の家族を殺そうとするなど腐敗は進んでいる。 元々は魔族を排斥していたが、約300年前に「いかなる種族もミリスの下に平等である」という文言を見た神父が「魔族も平等である」と主張した事で、魔族排斥派と魔族迎合派に分裂して勢力争いを続けている 本拠地のミリス神聖国やアスラ王国に教徒が多く、ミリス神聖国では国民のほとんどが教徒である。 教えの中には一夫一妻を是としている信条があるため、ミリス教徒は重婚をせず、また離婚をする事も無い。 余談だが結界魔術と神撃魔術の権利を所有しているせいか、この二種に限っては初級以上を学ぶにはミリス教の許可がいる。 ・&bold(){フィットア領転移事件} ルーデウスが10歳になった直後の甲龍暦417年に起こった&bold(){壮絶な魔力災害}で作中最初に起こった大きな転換点となる災害。 突如ルーデウスの故郷ブエナ村がある「フィットア領」が白い閃光に呑み込まれ、&bold(){そこにあった全てのものが消失}。 その後少なくとも&bold(){フィットア領にいた人間は世界各地に転移していた}事が判明したが、転移先で事故等に巻き込まれ死ぬ者((空中に放り出された者や水中に転移した者など、転移先の状況によっては即死するケースもあった))、訳も分からず奴隷になる者等&bold(){犠牲者が多数発生する大惨事}となった。 また召喚・転移の権威である甲龍王ペルギウス、あらゆるものを見通す魔界大帝キシリカ、世界最強のオルステッド、ヒトガミすら発生直前までこの事態をまったく予測出来ておらず、なぜこんな災厄が起きたかは謎に包まれている。 ただサウロスは発生するしばらく前から、後の発生地点らしき場所に謎の赤い玉を見ており、ちょうど発生と同時期にナナホシ・シズカがこの世界に現れているが…。 追記・修正してから本気出す。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,5) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - ラストまでの内容を入れるのは流石に無理なのでとりあえず2期の範囲になりそうなコミック最新刊くらいまでで作成 -- 名無しさん (2022-12-26 01:47:55) - パッと見なろうテンプレなんだけど内容自体は中々ハードなんだよな。 -- 名無しさん (2022-12-26 02:38:34) - オリ主二次泣かせのやべーやつ -- 名無しさん (2022-12-26 03:42:47) - ファンタジー大河小説としても十分読めるのはすごいよなぁ。 -- 名無しさん (2022-12-26 05:04:27) - むしろ今まで立ってなかったのかよwなろう系でもかなりの古参株&完結済みの大御所なのにw -- 名無しさん (2022-12-26 07:14:34) - ボリュームあり過ぎて下手に立てられないってのもある。いわゆるトラック転生してるけどステータス閲覧とかのゲーム的な奴は無いし、主人公の前世への深い悔恨やさらっと書かれてるけど5歳まで外出できなかったとかで、村の外に出るのに書籍版で1巻丸々使ってるほどスローな展開とか、今の異世界転生物から見るとむしろ異端ですらあるがこの辺細かく書くと冗長すぎるだろうし。 -- 名無しさん (2022-12-26 07:51:09) - 考察wikiがかなり充実してるしまとめもむずいやろしね…… -- 名無しさん (2022-12-26 11:48:17) - ↑2 確かに作品のボリュームが大きすぎて気軽に読みにくいという印象はある。これは完結したけど、必要以上にスケールを大きくし過ぎたりしてオチがつけにくくなる作品もいっぱいある。 -- 名無しさん (2022-12-26 15:25:08) - 長かったり媒体が派生してるとまとめるの難しいしな。本好きとか専用wikiものすごい文章量になってるし -- 名無しさん (2022-12-26 23:43:52) - どれだけチートスキルがあろうとも、心の傷はどうしようもない&周りの人間と触れ合って自力で治すしか無いってのも裏テーマよね。この作品は -- 名無しさん (2022-12-27 09:26:53) - 最近でいうところの「ヘンダーソン氏」の作風に近いのかな -- 名無しさん (2022-12-28 08:09:47) - 書籍完結したの先月で二度見した サイト掲載分は2015年完結 -- 名無しさん (2023-01-05 18:17:53) #comment(striction) #areaedit(end) }