ピンクじじい

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ピンクじじい - (2024/10/01 (火) 19:31:45) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2023/02/27 (月) 09:13:00
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&font(#6495ED){所要時間}:約 3 分で読めます

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ピンクじじいとは、[[フジテレビ]]で2000年4月7日に放送された「第25回爆笑!スターものまね王座決定戦スペシャル」で放送されたネタである。

演者はモノマネ番組ではお馴染みのベテラン・清水アキラ。

露出度の高いピンク色の衣装という奇抜ないでだちで、ピンクレディーの「サウスポー」のメロディにのせて

&bold(){「私ピンクのエロじじい~♪」}

というお下劣な[[替え歌]]とダンスを披露し、スタジオを大爆笑の渦に巻き込んだ。




と、ここまで読んだ方は誰しも疑問に思うだろう。

&bold(){「いや、ピンクじじいって誰やねん」}

と。

当時そういう芸人なりCMキャラなりがいたのか、と思ったかもしれないが、実はそうではない。
実はこのネタ、&bold(){現在では絶対に放送できない}ギリギリのネタだったのである。


まず、この頃世間を賑わせていた「ある事件」について説明しないといけない。
1999年末、お笑い芸人でありながら長い議員経験を経て大阪府知事を務めていた&bold(){横山ノック氏}(本名:山田勇)((余談だが横山の初議員当選同期には後に東京都知事になる青島幸男と石原慎太郎がおり、特に青島とは知事になるのも同期であった。))に、選挙活動中の選挙カーの中でウグイス嬢にわいせつ行為を行ったという疑惑が持ち上がった。
被害者の女性は横山知事を大阪地検に告訴。
横山知事はこれに対して真っ向から否定、逆に女性を虚偽告訴で告訴するなどの応酬を行ったこともあり、報道はヒートアップ、事件は日本中の注目を集めていた。

ここで、「ピンクじじい」の[[替え歌]]の歌詞をもう一度見てみると……


&bold(){「白い手袋のウグイス嬢が相手~♪」}

&bold(){「シーンと静まった~、車の中~♪」}

&bold(){「熱い気分は不倫の気分よ~♪」}


……と、&bold(){この事件を知っていた視聴者なら、誰が聞いても「これは横山ノックのことだ」とわかる}内容だったのである。
さらに清水のメイクも、横山知事を明らかに意識したものだった。


実際、&bold(){スタジオで収録した時には、はっきり「横山ノックのモノマネ」と言っていた}らしい。


ところが、&bold(){収録後に事態が急展開}。

1999年12月21日、横山知事は在宅起訴され、府知事を辞任。
さらに一転して罪を認め、被害者に謝罪するという展開になったのである。

さすがにこれでは、お笑い番組で「横山ノックのモノマネ」というネタを流すことはできない。

現在であれば、このネタごとお蔵入りになるところであろう。
&s(){そもそもウグイス嬢とはいえ一般女性へのわいせつをネタにする時点で大問題なのは秘密。}

しかし、当時の[[フジテレビ]]のスタッフたちは違った。


&bold(){「これは横山ノックではなく、「ピンクじじい」という人物のモノマネである」}


と言い張るという手段に出たのである。

そのために、わざわざ清水のセリフと歌を&bold(){アフレコで撮り直し}、すでに収録していた映像に重ねることで、「横山ノック」というワードが出ないようにした。

その結果、清水は&bold(){誰も知らない「ピンクじじい」という人物のモノマネをする}という珍妙な事態になったのである。

しかし、前述のとおり、この事件を知っている人が見れば、&bold(){このネタが横山ノックのことであることは一目瞭然}であったため、果たしてこの配慮にどれだけ意味があったのかは……
色々とおおらかであった当時でないと、絶対に放送できない内容であろう。


ちなみに、このネタのインパクトが強烈すぎたせいで忘れられがちだが、この「第25回爆笑!スターものまね王座決定戦スペシャル」では、&bold(){横山ノックを演じたネタがもう一つあった}。
ダチョウ俱楽部によるネタで、久米宏・大島渚・そして上島竜兵演じる&bold(){上島議員}という謎の人物の3人で「帰ってきたウルトラマン」の替え歌をやるというネタである。
この「上島議員」、やはり一見して「ああ、あの人だな」とわかる外見な上、オチは&bold(){上島議員が大島渚の尻を撫でる}というもので、やはり横山ノックのセクハラ事件をネタにしていることは一目瞭然であった。
でも、あくまで「横山ノック」ではなくて「上島議員」のモノマネだと言い張る勇気。((しかもものまね王座ではお馴染み針すなお先生の似顔絵も「上島に似た議員」のイラストにする芸の細かさである))
最低限の配慮をしている分、余計にシュールさを感じてしまう。
なお、このネタはものまね王座決定戦DVDスペシャルの第3巻に収録されているので、機会がある人は視聴するべし。


ちなみに、最終的に横山氏は執行猶予付きの有罪判決となり、猶予期間明け後の2004年に一時芸能活動を再開するも、2007年に病死した。


追記・修正はピンクじじいのモノマネで優勝してからお願いします。

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- 時代だなぁ…今じゃ絶対に通らんネタだわ(白目  -- 名無しさん  (2023-02-27 14:45:31)
- ↑今どころか当時ですら何故通ったのか分からないレベルじゃないかな・・・  -- 名無しさん  (2023-02-27 16:27:57)
- は、初めて知った…  -- 名無しさん  (2023-02-27 20:09:23)
- 2000年か。進ぬ!電波少年とかやってた頃だし、企画が通ったのも解らなくはないかな。(90年代やそれ以前よりは厳しくなってる方だとは思うけど)  -- 名無しさん  (2023-02-27 23:41:27)
- 感心する…過激だけどこういうの好きだ、不謹慎かもしれないけれど笑ってしまう。本当に「おバカ」な事やってるって点ではお笑いとこういう事件って親和性あるのかも、漫才でも危ない時事ネタ扱える人って面白い。でももうこんなのは無理か…  -- 名無しさん  (2023-02-28 09:50:49)
- 笑いっていうのは基本的に何かを下に見て馬鹿にすることで成り立つ攻撃的なものなんだ。お行儀よく枠に収める良識は邪魔になる  -- 名無しさん  (2023-08-11 07:04:59)
- 番組の進行や形式の都合上、ネタの差し替えも難しいし、飛ばすと尺とか勝敗結果とか訳わからなくなっちゃうしな  -- 名無しさん  (2023-08-11 07:27:10)
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