両生類(ペット)

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両生類(ペット) - (2025/03/19 (水) 08:21:35) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2023/05/19 (金) 14:25:00
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ここではペットとしての両生類飼育について解説する。

**概要

一般人の間のみならず、マニア向けの専門ショップや飼育雑誌でも「爬虫・両生類」のように[[爬虫類>爬虫類(ペット)]]とワンセットで語られることが多いが、実際のところ、両生類飼育は爬虫類飼育とは多くの点で異なる。

まず、両生類の性質を思い出そう。

・常に湿った場所が必要(かといって蒸らしてもダメだし、ケージ内が常に湿っていると状態を崩す種も多い。乾いた場所と湿った場所のメリハリが重要)
・皮膚呼吸する他、水なども皮膚から吸収することが多い。不衛生な環境だと自家中毒に陥る

というのが重要なポイント。
このため、&bold(){霧吹きや水替え、掃除をサボるとあっという間に弱る}。
さらに、ごく一部の例外を除いて、極めて温度にうるさい。
夏場などは、数日暑い日が続くと、気がつくと死んでいたりする。
また、爬虫類と比べると総じて小型種が多く、すなわち体力が無い。また、一度痩せると戻すのが難しい。

このため、一部の例外を除き、&bold(){毎日こまめに世話ができる人にしか向かない}。
正直、爬虫類なら多少手を抜いてわりと平気で生きているものが多いのだが、両生類は手を抜くとあっという間に弱る。
ズボラな性格の人、仕事が忙しくてあまり観察できない人などは、よく考えて飼う種類を選んだほうがいい。

例外的に丈夫で飼いやすい四天王が&bold(){ツノガエル・イエアメガエル・アフリカウシガエル・タイガーサラマンダー}の四種(および&bold(){バジェットガエル})であり、初心者はまずはここから始めるのがいいだろう。

とはいえ、爬虫類と共通点自体が多いのは確か。基本的に爬虫類を取り扱うショップであれば(特定種の専門店でなければ)こちらも取り扱われてる場合がほとんどである。
飼育時の法律や専門用語、流通の仕組みなども共通しているのでその辺の大まかな基本情報は[[そちらの項目>爬虫類(ペット)]]を参照にされたい。

なお、その他の注意点として、両生類は原則全て&bold(){皮膚毒がある}と思ったほうがいい。
ワイルド((野生の個体のこと。飼育環境下で繁殖された個体はCBと呼ばれる。))の[[ヤドクガエル]]のような猛毒のものは流石に流通していない((ヤドクガエルは食事によって毒を生成しているのでCBは基本的に無毒))が、体質によっては素手で触るとかぶれまくる。
そもそも触ったり撫でたりするようなペットではないので、基本的には触らないように。
ましてやキスしたり頬ずりしたりなどは論外である。

しばしば、&bold(){「両生類は環境を飼うペット」}と言われる。
感覚的には、爬虫類などよりもむしろ熱帯魚や観葉植物を育てるのに近い。
触れあえるペットがいいという人は、素直に別のペットを飼おう。

**各グループ

***地上生カエル

地表を主な生活の場としているカエル。
ざっくりと、[[ツノガエル]]やアフリカウシガエルのような大型種と、ヤドクガエル・フキヤガエル・アデガエルのような小型種に分けられる。

ツノガエルとアフリカウシガエルについては、間違いなく&bold(){両生類の中でもっとも飼いやすい。}
飼われている数も一番多いだろう。
人為繁殖(CB)もののツノガエルには様々なカラーバリエーションもあり、またハイブリッド(種間交雑)個体も売られているなど、最も家畜化されている両生類と言っていいだろう。
飼育にもほとんど特別な設備は必要なく、プラケースに土などを敷いて湿らせたら、あとは餌をあげてたまにフンを掃除するくらいである。
難点はほとんど動かないことで、観察するにはあまり向かない。が、ベビーがエサを食べてムクムク大きくなっていくのは楽しい。
食べられそうな物はとりあえず食べようとするので、どういうことかというと指を見せると噛む。
後、大きくて何でも食いつくからと言って変なものをふざけて与えないこと。
何せ&bold(){ハムスターやタランチュラ}を与えて実際に食べようとした動画もある位なので…。

一方の小型種。これは難しい、というか人を選ぶ。
温度や湿度の管理も重要だが、何より餌をちゃんと食べさせるのが大変。
小型種で口も小さいため、かなり小さい虫しか食べられないのだ。
現実的には、[[コオロギ]]やショウジョウバエを自家繁殖するつもりでいたほうがいい。
とにかく小型ガエルは一度痩せると元に戻しにくい(たいていそのまま死ぬ)ので、エサだけは手を抜いてはいけない。
上手く飼えればかなり満足度の高いグループである。色とりどりのヤドクガエルが、自分の作ったレイアウトケージの中で元気で暮らしてくれているのを見るのは楽しい。

***樹上生カエル

主に木の上で暮らすカエル。アマガエルやアメガエルなど、わりと日本人が想像するカエルのイメージに近い。
カエルの花形ともいえるグループ。飼育は簡単ではない。
この中でもとびぬけて丈夫なのがイエアメガエルであり、まずはこれから始めるのがいいだろう。

木の上で生活するカエルなので、ケージの中にはカエルと一緒に観葉植物を入れてあげるといい。
植物と一緒にカエルを育てるようなイメージである。
というか、&bold(){観葉植物すら枯らす人には両生類飼育は無理}。

***地中生カエル

基本的に土の中で暮らすカエル。
そのかわいさでSNS上で人気になったアメフクラガエルや、チャコガエルなどを含む。
このグループだが、&bold(){まあ地上に出てこない}。餌を食べる時以外はまず出てこない。
飼っていてもほとんど姿を見ることが無い。もちろん、潜っているのは上手に飼えているからである。
その潜りっぷりは、&bold(){「まるで土を飼っているかのようだ」}と言われるほど。
可愛さに釣られて飼っても、まるで姿が見れないというジレンマ。
もちろんあんまりしょっちゅう掘り出していじったりしてもよくないので、そういう動物だと思っておこう。
飼育はほぼ「土の維持」である。

***水生カエル

一生を水の中で暮らすカエル。バジェットガエルやアフリカツメガエルなど。
このグループは、飼い方はほぼ熱帯魚と同じである。

カエル全般に言えるが、時として&bold(){信じられないくらい大きなものを丸のみにする}ことがあるので、同種・多種問わず他のカエルや、他の動物と一緒にするのは注意したほうがいい。

***陸生有尾類

有尾類とは、イモリやサンショウウオの仲間。
その中でも、大人になってからは主に地上で暮らすグループ。
子供のうちは水生であり、また繁殖期には水場が必要。

この中でも群を抜いて飼いやすいのはタイガーサラマンダーとファイアーサラマンダーの仲間。
これらは、爬虫類を飼ったことがある人なら飼えるだろう。

それ以上は、押しなべて&bold(){高難易度}。
とにかく温度に敏感で、暑い日が続くとあっという間に状態を崩す。
二四時間エアコン管理するのはもはや当然として、種によっては&bold(){専用冷蔵庫やワインセラー}が無いと飼えないものもいる。
爬虫類・両生類・熱帯魚飼育は、とかく電気代との闘いである。

生息地の破壊などで、野生の個体数が減っているものが多いのも気になるところ。
どうせ飼うなら繁殖を目指そう。

***水生有尾類

一生を水の中で過ごす有尾類。
有名なアホロートル([[メキシコサラマンダー]]の[[ネオテニー]]。場合によっては変態して上陸する)やミズアシナシイモリ、イベリアトゲイモリ(30cmにもなるイモリ科最大種)、サイレン、マッドパピー(泥の犬の意。狂った親父ではない)、ヘルベンダー(アメリカオオサンショウウオ。そう、種類によってはオオサンショウウオだって飼えるのだ!)など。

やはり飼育は熱帯魚とほぼ同じで、両生類の中でも比較的飼いやすいものが多い。
わりと難しいのがヘルベンダーで、水温・水質ともに敏感。
でも、たいてい状態を崩すとわかりやすくだらーんとなるので、状態が分かりにくい連中に比べたら対処はしやすい。
まあ、夏場は水槽用クーラーくらいはあったほうがいい。やはり爬虫類・両生類・熱帯魚飼育は、電気代との闘いである。
繁殖に関してはアホロートル、イベリアトゲイモリは比較的簡単だが後者は両生類としては珍しく決まった繁殖期がなく、成熟した雌雄がいるといくらでも卵を産んでしまい、手に余るほど増えてしまうので繁殖を狙わないときは雌雄別に飼育するなどの工夫が必要である。


……これらは前座に過ぎない。飼育可能かつ飼育が容易な有尾類の筆頭は&bold(){アカハライモリ}だ。

まず電気代が不要。夏場の直射日光を避ければ、基本的に室温で飼育できる。餌も固形飼料が有効。生餌を用意する必要もない。再生能力が強く、不慮の事故で負った傷も数か月で治癒する。身体は小さく、飼育スペースもとりづらい。しかも両生類の天敵ことカエルツボカビ病に対する抵抗能力が極めて高く、よっぽど雑な管理をしなければ病気にもならない。 これらはあくまで最低条件。与えれば生餌へ飛びつくし、水槽へ水草や砂を敷けば、その中で日長1日くつろぐ。自身の予算と手間の範疇の中で、精一杯可愛がってあげよう。

ただし絶滅危惧種のため、野外での乱獲、飼育個体の脱走や放流は絶対NG。健全な入荷元のショップでの購入か、知人から譲ってもらうと良いだろう。
それとアカハライモリは脱走の名人。「彼らのために!」と思い設置したエアレーションの隙間から脱走された事例は数知れない。エアレーションがなくとも飼育可能なため、不安なら設置しないほうが賢明だろう。


最後に警告を。本稿のアカハライモリをはじめ、巷には「●●類飼育、初心者推奨はコチラ!」との媒体が多い。それら全てが誤りというではない。だがたとえそれが1匹数十円のヒメダカであろうが、1羽数十万円のキバタンだろうが、どちらも同じ命だ。安易な飼育は厳に慎むべきであり、飼うならその個体の生涯に責任をもつべきである。


追記・修正はゴリアテガエルの繁殖に成功した人がお願いします。


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- ちなみにペットショップとかでよく売られてるけど、イモリって飼いやすいの?(よく見るのがアカハライモリ)  -- 名無しさん  (2023-05-19 15:01:41)
- 「狂った親父ではない」で大草原  -- 名無しさん  (2023-05-19 15:19:35)
- 環境を飼う、まさのそのまんまで笑った 環境維持が楽しみのほとんどだよな  -- 名無しさん  (2023-05-19 15:36:59)
- ↑*3飼いやすいよ。特に温度調節もいらんし。陸場、水中の足場の用意と脱走防止でいい。手に余った時は野生個体なら捕まえた場所で放してもいいし。  -- 名無しさん  (2023-05-19 17:49:51)
- THEALFEEの坂崎さんはそうとう高価な両生類のペットを何匹も飼っているらしいがあの忙しいスケジュールでどう時間をつくって世話しているのか謎。あと他のメンバー2人からヘビを飼ったら解散と言われてるらしい  -- 名無しさん  (2023-05-20 12:38:37)
- タフなアカハラといえど30度以上の水温が続くとヤバいので気をつけよう  -- 名無しさん  (2024-11-07 07:10:02)
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