&font(#6495ED){登録日}:2024/07/01 Mon 00:32:00 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 7 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){&size(15){&bold(){永き時を生きる魔女と呪われし王の出会いが}}} #center(){&size(20){&bold(){世界の&color(#F54738){〈運命〉}を変える}}} #center(){&color(purple,gold){&bold(){魔女と王が織りなすハイファンタジー}}} 「&bold(){Unnamed Memory}」は、古宮九時によるライトノベル作品。 元々は2008年以前に作者の個人サイト「no-seen flower」で連載されていたWEB小説であり、後に「[[小説家になろう]]」や「[[カクヨム]]」にも掲載された((現在はなろうからは撤退・削除済))。 2019年~2021年において、電撃の新文芸から書籍化もなされた。全6巻。 略称は「&bold(){アンメモ}」 **【概要】 誠実さと大胆さを備え、後に国王になる主人公のオスカーと、魔女であるヒロインのティナーシャの出会いと馴れ初め、それぞれの成長を&color(green){大河ドラマのような歴史的観点}をもって描かれている。 オスカーもティナーシャも常人離れした能力を有しているが、&color(green){近年のなろう作品にみられるようなチート能力による無双展開はあまり見られず、}策謀や罠、裏切りといった陰謀に向き合いながら、成長していく二人を丁寧に描いているのが特徴。 主人公のオスカーも、ヒロインであるティナーシャもそれぞれに&color(#F54738){重たい境遇}を背負っている。それぞれの抱く価値観の違いを乗り越えて2人の想いが1つになっていく流れが見どころ。 また、これまでの伏線から思いもよらない展開を招いたり、作者が好きなのもあり[[ミステリー]]的な要素も盛り込まれていたりしている。 本作は「World -Memoriae-」シリーズの中軸に位置する作品であり、他にも世界観を同じくする外伝・続編的な作品が色々ある。 気になる人は同じく書籍化作品である「Babel」((最初は電撃文庫で展開されるも休止していたが、本作のヒットに伴い電撃の新文芸に移籍して完結している。))あたりに手を付けてみるといいだろう。 メディアミックス展開としては、越水ナオキによるコミカライズ版が刊行され、2024年4月~6月にかけてテレビアニメ第1期が制作された。また、続編にあたる第2期が2025年1月~3月にかけて放映された。 **【あらすじ】 絶大な力を操る五人の魔女が、人々にとって畏怖の象徴となっていた時代――。 大国ファルサスの王太子・オスカーは、 幼い頃に受けた「子孫を残せない呪い」を解呪するため、 荒野の塔に棲む“青き月の魔女”ティナーシャのもとを訪れる。 どんな望みも叶えるという“魔女の塔”の試練を乗り越えたオスカーが望んだのは ティナーシャを妻として迎えることで……。 魔女の契約者となった王太子と、王太子の守護者となった魔女。 二人の出会いは“魔女の時代”に変革をもたらし、 やがて、世界の〈運命〉を書き換えることになる。 &bold(){オスカーとティナーシャの行く手に待ち受ける物語とは――。} #right(){(アニメ公式HPより引用)} **【キャラクター】 &bold(){&color(blue,gold){・オスカー}} CV:中島ヨシキ 本作の主人公 本名はオスカー・ラエス・インクレアートゥス・ロズ・ファルサス 大国ファルサスの次期王位継承者。 5歳の頃、「沈黙の魔女」の呪いをかけられ、&color(#F54738){彼は子孫を残せない呪い}をかけられることになってしまった。もちろん王族にとってはお家断絶にもつながる深刻な問題であり、彼自身も解呪の方法を文献で探したり遺跡を訪れるなどをしたりしたが、当てになるものはなかった。 その中で魔女の中でも最も力を持つとされる「&color(#F54738){青き月の魔女}」ことティナーシャの元へ赴き、彼女の能力で解呪してもらうことを考え、青き月の塔の試練に挑むことになる。 幼少の頃より部門と学問の両方を収め、周囲からは期待される存在になったが、呪いの存在がネックになっていた。 見事、塔の試練をクリアし、望みの通りティナーシャが呪いをはねのけることが可能な女性の存在を探していたが、なかなかに難航してしまう。そこで、ティナーシャ自身を嫁に迎えることを提案。魔女と婚姻を結ぶという常識破りの提案に、最初彼女は抵抗したが、妥協案としてオスカーの守護者として1年間王宮で共に暮らすという契約を結ぶことになった。 努力家で業務もそつなくこなす器用な性格。 一方で、時には大胆な策に打って出たり、城を抜け出そうとしたりして部下やティナーシャからツッコミ気味にたしなめられるなど、いささか子供っぽい一面も存在している。ある意味親しみやすさがあるともいえる。 &color(green){ティナーシャには一途で、彼女のためならば助力を惜しまない。} 一方で彼女が無茶なことや隠し事をした際には&s(){ほっぺむにーやグリグリ攻撃といったイチャイチャ}お仕置きをすることもある。 オスカーにとってティナーシャを構うことは趣味の一つでもあり、好きあらば彼女に服を買って着せ替え人形にしようとする。 ファルサスに伝わる王剣である「アカーシア」を装備している。あらゆる魔法を防げる剣のため、ティナーシャは彼に手を出せず苦虫を嚙み潰す表情をすることもしばしば。 &bold(){&color(red,gold){・ティナーシャ}} CV:[[種﨑敦美]] 本作のヒロイン。 数百年を生きたとされる「&color(blue,gold){青き月の魔女}」。 どこの国にも属さない荒野の塔の最上階に棲み、数々の試練を乗り越えてそこに到達した者の願いを叶えると言われている。 (なお、脱落者に対しては記憶を適当に弄って大陸のどこかに転送している。さらに子どもの病気を治して欲しいといった要望については失格扱いでも治しているというお人よし) &color(green){外見は16歳くらいの少女で、初見のオスカーは驚愕してしまった。} ある目的のために自らの身体の成長を止め、数百年の時を生きている。なお、オスカーの曽祖父とも面識がある。(彼女曰く「&color(#F54738){馬鹿王}」。なお彼との出来事についてティナーシャが意図しない形で伝説として広まってしまっている) 後に戦闘で大きな負傷をした際は傷口をふさぐために成長を3年程促進させた。 塔の試練を達成したオスカーの望みに応え、呪いを解くべくオスカーの元で暮らし始める。オスカーからは妻にならないかとアプローチされまくっているが、本人からすれば「&bold(){魔女の血を王族に入れるなんて正気ですか!?}」と取り合わないようにしている。 事実、魔女である故に彼女のことを反発する臣下や貴族もいる。しかし、彼女のために全力を尽くす彼を内心憎からず思っており、その想いは彼と共に数々の事件を潜り抜けるごとに強くなっていく。 王宮ではオスカーとの契約と呪いの解決のために、魔法士の見習いという立場でやってくる。オスカーの部屋にいる際は自由が効くのか浮いていることも多い。オスカーとのやり取りは夫婦漫才を思わせるボケとツッコミの応酬になっているときも(主に漫画版)。 オスカーには頭をよく撫でられたり、からかわれたりしている。 なおティナーシャの煎れるお茶は美味しいというのはオスカーの談。 (本人は女官みたいな役回りをさせられていささか不服気味) **【用語】 &bold(){〇ファルサス} 本作の舞台 オスカーはここの王太子。温暖な気候に恵まれ、強大な軍事力を有している。 15年前におきた失踪事件により王位継承権を持つのはオスカーのみ。 &bold(){〇魔女} 大陸に5人しかいない絶大な能力によって異質とされる女性 「閉ざされた森の魔女」 「水の魔女」 「呼ばれぬ魔女」 「沈黙の魔女」 「青き月の魔女」 が存在するとされている &bold(){〇魔法} 魔力を使って、構成を組み、発動される術。 効果は魔法法則に基づき、法則に反することはいかに強力な魔力の持ち主でも実行不可。 魔法を行使するものは「&color(#F54738){魔法士}」と呼ばれる。 &bold(){〇塔} ティナーシャが住んでいた塔。この塔の試練をクリアした者は青き月の魔女より望みをかなえることができると言われている。 なお普通は10人以上で上り、さらには数十年は制覇者は出ていなかったが、オスカーはほとんど単独で踏破してのけてティナーシャを驚かせた。 &bold(){〇アカーシア} ファルサス王位継承権を持つ者に代々受け継がれてきた剣。 &color(green){魔法を無効化する効果があり、魔女からすれば天敵になるアイテム} なお血のよって受け継がれるため、王位継承権者しか使えない。 &bold(){〇呪いと祝福} 呪いは自然の力の流れを個人の意思によって遮ったり曲げたりするもの。必ずしも解けないものではないが、強力な効果も持つこともできない。 祝福は「対象が元来持つ力を後押しする」効果を持つ魔法であり、オスカーの呪いも厳密にはこちらに該当する。 &bold(){〇使い魔} 魔法士が使役する存在。 ティナーシャにはリトラと呼ばれる使い魔がいる。 &bold(){〇トゥルダール} ファルサスの西側に存在する大国。 魔法の技術は大国随一とされる。 &bold(){〇書き換えられた歴史} 400年前にオスカーがティナーシャを救った(つまりは過去改変をしてしまった)ことにより、2期以降の物語の展開に大きな変化を与えてしまった(例:本来滅亡・存在しないトゥルダールが存続するなど) **【テレビアニメ版】 2024年4月から6月にかけて第1期が放送された。 当初は2023年放送予定とされていたが、製作上の都合を理由に延期がされた過去がある。これについては同じ監督・制作会社であった「[[艦これ いつかあの海で>艦隊これくしょん -艦これ-]]」の制作スケジュール破綻にともなう延期の連続の余波を受けたと指摘する声もある。 1期の予定調和的な展開が、12話の最終話での大きくひっくり返る展開になり、衝撃を受けた視聴者も多かったという。 2期は2025年1月から3月の期間で放送された。 1期ラストで別れた2人の因果を越えた巡り合いを軸に描いている。 監督は三浦和也・アニメーション制作はENGI。 アニメーション制作にあたり、監督の三浦氏は作中、肉体年齢が変わるティナーシャの違いをどうアニメーションで表現するか苦戦したという。(13歳の容姿はともかく、16歳と19歳では違いをつけにくかったとのこと) また、ティナーシャが人間とは違う魔女であることを分かりやすく表現する要素として猫に変身する展開も盛り込んだ。その際はやるかどうか迷ったが、原作者の古宮氏から「やりたい!」という後押しもあり実現させたという。 ***主題歌 &bold(){OP「呼び声」} 丁による1期[[オープニングテーマ]]曲 &bold(){ED「blan_」} 夏吉ゆうこと大和のユニット「Arika」による1期[[エンディングテーマ]]。 &bold(){OP「Unsung ballad」} TRUEによる2期オープニングテーマ。 &bold(){ED「inclusion」} 夏吉ゆうこと大和のユニット「Arika」による2期[[エンディングテーマ]]。 追記・修正は2人(オスカーとティナーシャ)の未来の行く末を見届けてからお願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,8) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - オスカーの伴侶にティナーシャが同レベルの呪い(という名の超バフ)をかけるとかでも行けるんじゃないかと思った -- 名無しさん (2024-07-01 18:56:09) - むかーし個人サイト掲載時代に読んだけど、「よくまあこんな話を思いついたうえにしっかり畳んだなあ」と呻らされた記憶がある。どんでん返しがエグすぎるんよ -- 名無しさん (2024-07-01 20:50:04) - 1期があの終わり方だったから2期はどんな始まりになるのかめっちゃ気になる -- 名無しさん (2024-09-23 05:13:01) - 序盤しか観てないが、世界を書き換える代償はタダで済むのか? -- 名無しさん (2025-01-13 10:47:22) - 種崎敦美の最高傑作のひとつなのになんか知名度が薄い -- 名無しさん (2025-05-09 09:25:12) #comment #areaedit(end) }