&font(#6495ED){登録日}:2024/09/19 Thu 14:45:22 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 8 分で読めます #hr(height=8,color=#0000ff) &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() #hr(height=8,color=#000000) 「&bold(){&RUBY(モノ){MONO}}」は文具メーカーのトンボ鉛筆が展開するブランド。 語源は「唯一の、比類なき」などを意味するギリシャ語「monos」。 *鉛筆 トンボ鉛筆と東京大学の故赤松教授が開始した芯改良プロジェクトにより生まれた最高級鉛筆「&bold(){&ruby(ホモ){HOMO}}」を前身とする。 東大教授を迎えた産学協同で世界最高を目指した製図用鉛筆の開発プロジェクト「鉛筆の芯を科学する」が1949年に始動して3年目の1951年、世界に先駆けて鉛筆に国家規格JIS Z 6605[鉛筆(黒シン)]が制定されたJISによる品質管理の恩恵も得て、品質・価格ともに最高級を誇る最高級製図用鉛筆「HOMO」が1952年に完成。9Hから6Bまで17硬度が揃えられた。 鉛筆芯は固くなるほど濃度が下がってしまうがHOMOは9Hでも鮮明な描線を残し日本の戦後の産業の発展に貢献した。 軸木にはファーストクラスのインセンスシダーを厳選し、その美しい木目を生かすため透明なラッカー塗装を施すなどの丁寧なつくりも話題になった。 「HOMO」という名前は英語のhomogeneous(均一、同質)に由来し、芯が超微粒子として均質にできていることの証として名付けられた。 余談だが「ホモ牛乳」「ホモソーセージ」もこの意味からつけられている。&s(){[[アッー!]]的な意味だと思ったやつ表出ろ。} さて、最高級製図用鉛筆として華々しく登場したHOMOも、その後同業各社の追い上げを受け、新たに研究を重ねた結果、芯の原料黒鉛と粘土の究極までの細粉化に成功。1963年に今度は世界最高水準の品質を備えた「1ミリ立法に80億個の粒子をもつ、書き味、強度、濃さすべておいての最高級鉛筆」MONOを完成し、再び最高級製図用鉛筆のトップに躍り出て「MONO」ブランドの誕生となった。 こちらも、HOMOと同じく技術指導に当たった東京大学の故赤松教授による命名である。 初期の頃はロゴの「O」の中に六角形の鉛筆断面がデザインされていた。 製図用鉛筆の品質はライバルとの競争で世界のレベルを超えるところまでヒートアップした。MONOの完成から4年後の1967年、トンボ鉛筆創立55年を記念して「MONO」の高品質にさらに磨きをかけた1ミリ立方に100億個にまで高められた微粒子から名付けられた究極の製図用鉛筆「MONO100」が発売。 この鉛筆には優れた品質に加えて消しゴムできれいに消せるという特長を実感してもらうため、当時は珍しかったプラスチック消しゴムがサービス品として1ダースに1個添付されていた。 この消しゴムが良く消えると評判になり、1969年に単体で製品化されたのが「MONO消しゴム」である。 1971年にはザ・ドリフターズをイメージキャラクターとしてCMに起用し、「MONO」を1ダース購入すると貰えるドリフメンバーのフィギュア「首ちょんぱ人形」が人気を博した。 この人形の首が飛ぶギミックが元で、現代でも[[首切断>首ちょんぱ/首切断]]などのことを「首ちょんぱ」と言う人もいる。 *[[消しゴム]] 先述の通り、1967年に発売された最高級鉛筆「MONO100」のおまけに1ダースに1ケサービスにつけた消しゴムが、その品質の優秀性に多くのユーザーから単独での販売希望が殺到し、1969年に単体で製品化したもの。 MONO消しゴムはビニール系樹脂がベースで従来の生ゴム由来の消しゴムと比較して経時変化による劣化がきわめて少なく、消字性に優れ消し屑も少ないなど、その優秀性で消しゴムのカテゴリーでトップに立った。 付属品だったころは白・黒のケースに緑のバンドだったが、単体販売にあたって小さな消しゴムが店頭で目立つように、三色旗をイメージしてデザインされた青・白・黒のトリコロールが最大の特徴。 このデザインは2017年に日本国内第一号の「色のみからなる商標」として登録されている。 また、受験生向けに青白黒ストライプのみで文字の無い「文字無しMONO消しゴム」も発売している。 スタンダードなMONO消しゴムは5サイズ。 [[消しゴム落とし]]に大きいサイズを持ち出してきた覚えのある人もいるだろう。 他には汚れに強いブラックタイプ、折れ、割れ、カケに強い、「モノタフ」、軽く消せる「モノ LIGHT」、[[消しクズ>練り消し(カス)]]がまとまり指でつまんで捨てられるので紙面や机の上を汚さずきれいに使える「NON DUST」、天然ゴム、硅石粉を使用した非塩ビの消しゴムでインクを紙ごとけずることでボールペンで書いた文字や印刷された字を消す砂消しゴムなどもある。 野茂英雄ブームの時にMONO消しゴムの「MO」と「NO」を入れ替えてNOMO消しゴムにした人もいるだろう。 しかし2005年、力を入れても消しゴムがスリーブに食い込みにくくするためスリーブの角を丸くカットしたので、今やこの加工は難しくなっている。 Uカットを施すことに伴い、スリーブの長さも見直し、 1.5 ミリ~ 3.0 ミリ 長くなっている(2番目に大きいサイズは変化なし)。 ポリ塩化ビニル製のプラスチック消しゴムには柔軟性や弾性を与えるために可塑剤が添加され、その消しクズも可塑剤を豊富に含有する。 消しゴムに使用されている可塑剤が筆箱にも馴染む性質であった場合に、その可塑剤が移行することでポリスチレン製の筆箱や定規と融合してしまうことがある。 高温環境下ではこの現象はより短期間のうちに進行する。 「欧州RoHS指令」(電気・電子機器における特定有害物質の使用制限)において2018年春から「フタル酸エステル使用」の製品が規制されたため、非フタル酸系の代替可塑剤が使用されている。 消しゴムや消しクズが、塗装面やプラスチック面などにくっついたり溶かすことがあることには変わりないので、使用後にはスリーブに入れよう。 2007年、ホルダー消しゴム「MONO zero」が発売された。 「ピンポイント消し」を極めた精密極細ノック消しゴムで、2.3mm径の丸型は発売当時、世界最細サイズだった。 0.7mmの「ショートピッチノック機構」や消すところが見やすい「金属ロングパイプ」など、製図ペン感覚で小数点やイラストのニュアンスまで微細に修正でき、2010年度デザイン賞を受賞している。 2013年発売の5.5mm 厚の消しゴム「モノスマート」はA/B罫ノートの一行消しに最適な薄型形状でMONO消しゴムで、携帯に便利手にフィットし、力を入れやすい形状ながら特殊配合で薄さとしなりづらく細部から広範囲まできれいに消す強度を両立し、2013年度デザイン賞を受賞している。 *修正テープ 1991年、最初のマウス型修正テープ「モノホワイトテープMS」を発売。 1993年にトンボ鉛筆のタイ工場で生産を開始した修正テープ「MONOホワイトテープYN」はヨコ引きタイプ改良版で細部修正用4mm、スタンダードタイプの5mm、マスキング用に6mm幅と幅ラインナップをはじめて揃え、1994年度グッドデザイン賞を受賞。 開発した協力企業から実施権を得て、トンボ鉛筆の大量生産技術で低コストを実現した結果、世界的に進出を果たした。 2001年には巻き戻しボタンを付け使い勝手を重視したデザインのコンパクトな修正テープ「MONOホワイトテープCF」を発売。コストパフォーマンスにも優れ、2001年度グッドデザイン賞を受賞。 2002年にはペンタイプの使い切り修正テープ「MONO PL」を発売。ペンのように持てて筆箱やペン立てにも収納しやすく、携帯に便利なクリップとスライドヘッドカバー付きで2003年度グッドデザイン賞を受賞。 2002年にはさらに横引きタイプのつめ替え式修正テープ「MONO YX」を発売。自然な動きで使え安定感に優れ、さらに簡単・確実なスライドカートリッジ式で経済性をプラスしてこれも2003年度グッドデザイン賞を受賞した。 2004年にはヨコ引きタイプで、ペン感覚で持てるスリムボディの修正テープ「MONO YS」を発売。ヨコ引きの安定性と、持ちやすさを両立し、テープの密着不良を防止する手ブレ補正ヘッドやスライドヘッドカバーを搭載して2005年度グッドデザイン賞を受賞。 2012年、修正テープに消しゴムも付いた複合修正具「MONO 2way」を発売。 片方が修正テープ、もう片方が消しゴムでボディにあるボタンをスライドさせると修正テープヘッドが出てリングをまわすともう一方の消しゴムが繰り出される。2023年廃盤。 2013年、誰でも上手に使える&ruby(エルゴノミクス){人間工学}形状の修正テープ「モノエルゴ」発売。 金沢大学柴田教授との共同開発により、自然に最適な持ち方に誘導されて、2013年度レッドドット・デザイン賞を受賞。 2015年、テープの供給をコントロールする独自機構「エアータッチシステム」を搭載した修正テープ「モノエアー」発売。 修正ヘッドを押し当てたり離したりする力を利用してテープを切るための抵抗が不要となり、使い始めから使いきるまで軽いタッチで消せて2016年度グッドデザイン賞を受賞。 *筆記具 1984年水性ボールペン「MONO BALL」 を発売。 低価格の水性ボールペンとしては初めて高級万年筆の内圧制御に使用される蛇腹と通称されるインクフィーダーを搭載した。 従来の主流であった中綿式に代えて大容量の顔料を使用した耐水性インクを軸内に直接液状で注入してあるのでインクの残存量が一目でわかり、 金属性チップと超硬ボールの組み合わせで長距離筆記が可能で長期保存に優れていた。 2014年、消しゴム付きシャープペンシル「モノグラフ」発売。 軸は青白黒のストライプで透明のクリップ。必要な時に回転して繰り出すMONO消しゴムを搭載。軽く振るだけで芯が繰り出せるノック機構と誤動作を防ぐロック機構を装備して2014年度グッドデザイン賞を受賞。 2021年、書きやすさを追求したボールペン「モノグラフライト」発売。 高精度ニードルチップと超低粘度油性インクの相乗効果で滑らかな書き味を実現。ペン先が見やすく2021年度グッドデザイン賞を受賞。 追記・修正はMONOを使ってお願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,2) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - ノンケになっちゃったワケか -- 名無しさん (2024-09-19 15:08:03) - 因みにホモ牛乳やホモソーセージもhomogeneous、Homogenizeから取ってる。野茂英雄が流行った時はケースを切り貼りして「NOMO消しゴム」とかやってるやついたなぁ…(オッサン並感) -- 名無しさん (2024-09-19 15:30:16) - MONO消しゴムなら致し方なし -- 名無しさん (2024-09-19 16:22:46) - ここの消しゴムは日本人なら大抵の人間が世話になってるだろうね -- 名無しさん (2024-09-19 20:53:27) - というか『HOMO』という言葉自体が同質とか均一を意味する接頭辞で、同性愛を意味するホモ・セクシャルも「同質」「性的指向」で『自分と均一な性への性的指向=同性愛(者)』の意味なので、根っこは繋がっていると言えば繋がっている(またこの語源から分かるように、実は「男性の同性愛」に限定する意味はない) -- 名無しさん (2024-09-19 21:17:03) - ライバルの uni も「唯一の」と同じような意味で、実はブランド的にはこっちの方が先だったりする -- 名無しさん (2024-09-20 10:13:32) - やっぱこれだね -- 名無しさん (2024-09-20 13:33:42) - ↑3 そもそも儂等だって学名:Homo sapiens sapiens だもんね -- 名無しさん (2024-09-20 14:10:42) - あっち系単語とちょっとかぶる部分があると言葉狩り的に拾われるからね仕方ないね -- 名無しさん (2024-09-20 15:28:49) - 「いいものやるよ」と言われて受け取ったのがMONOの消しゴムというネタがあったな -- 名無しさん (2024-09-20 16:20:08) - この項目要る? -- 名無しさん (2024-09-20 19:47:40) - MONO zeroはマジで布教したいレベルの名品 -- 名無しさん (2024-09-20 21:10:15) - よく消せる素晴らしい消 -- 名無しさん (2024-09-21 19:07:05) - ↑(追記) しゴム -- 名無しさん (2024-09-21 19:07:45) - 砂消しは鉄道模型の通電復旧に使えるって知ったわ -- 名無しさん (2024-09-22 02:39:38) - MONO ONEの消しゴム(ダストキャッチ等)が流用できる「モノグラフワン」やずっしり重くて書きやすい上に消しゴムがかなり細くてピンポイントで消せる「モノグラフゼロ」も良かったんだ。どっちも廃番したがね……。 -- 名無しさん (2024-09-22 15:44:43) #comment() #areaedit(end) }