&font(#6495ED){登録日}:2025/02/10 Mon 17:43:44 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 15 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){&bold(){&sizex(6){&color(green){「空前絶後の!阪神三冠ゴールイン!!」}}}} #right(){&bold()&sizex(3){ラジオNIKKEI 山本直アナウンサー}} 2022年第63回宝塚記念とは、2022年6月26日に阪神競馬場で開催されたGⅠレースである。 &bold(){[[タイトルホルダー>タイトルホルダー(競走馬)]]}が勝利して&bold(){レコードタイムを11年ぶりに更新}した。 #openclose(show=●目次){ #contents } *出馬表 15:40発走 / 芝2200m (阪神 右 B) / 天候:晴 / 馬場:良 斤量 4歳以上牡馬・セン馬:58.0kg 4歳以上牝馬:56.0kg |CENTER:&bold(){枠&br()番}|CENTER:&bold(){馬&br()番}|CENTER:&bold(){馬名}|CENTER:&bold(){性齢}|CENTER:&bold(){騎手}|CENTER:&bold(){単勝&br()オッズ}|CENTER:&bold(){人気}| |CENTER:1|CENTER:1|&s(){オーソリティ}|CENTER:&s(){牡5}|&s(){C.ルメール}|CENTER:-|CENTER:-| |~|CENTER:2|アフリカンゴールド|CENTER:セ7|国分恭介|RIGHT:122.0|CENTER:12| |CENTER:BGCOLOR(#000):COLOR(#fff):2|CENTER:3|[[メロディーレーン>メロディーレーン(競走馬)]]|CENTER:牝6|団野大成|RIGHT:210.3|CENTER:16| |~|CENTER:4|エフフォーリア|CENTER:牡4|横山武史|RIGHT:COLOR(red):3.3|CENTER:BGCOLOR(GOLD):1| |CENTER:BGCOLOR(#f80000):COLOR(#fff):3|CENTER:5|アイアンバローズ|CENTER:牡5|石橋脩|RIGHT:183.8|CENTER:15| |~|CENTER:6|[[タイトルホルダー>タイトルホルダー(競走馬)]]|CENTER:牡4|横山和生|RIGHT:COLOR(red):4.2|CENTER:BGCOLOR(SILVER):2| |CENTER:BGCOLOR(#0000cd):COLOR(#fff):4|CENTER:7|デアリングタクト|CENTER:牝5|松山弘平|RIGHT:COLOR(red):7.3|CENTER:4| |~|CENTER:8|ステイフーリッシュ|CENTER:牡7|坂井瑠星|RIGHT:78.1|CENTER:10| |CENTER:BGCOLOR(#ff0):5|CENTER:9|マイネルファンロン|CENTER:牡7|[[M.デムーロ>ミルコ・デムーロ]]|RIGHT:175.2|CENTER:14| |~|CENTER:10|ヒシイグアス|CENTER:牡6|D.レーン(豪)|RIGHT:COLOR(red):9.5|CENTER:5| |CENTER:BGCOLOR(#008000):COLOR(#fff):6|CENTER:11|[[パンサラッサ>パンサラッサ(競走馬)]]|CENTER:牡5|吉田豊|RIGHT:10.2|CENTER:6| |~|CENTER:12|ウインマリリン|CENTER:牝5|松岡正海|RIGHT:73.0|CENTER:9| |CENTER:BGCOLOR(#ff9900):7|CENTER:13|アリーヴォ|CENTER:牡4|[[武豊]]|RIGHT:12.0|CENTER:7| |~|CENTER:14|キングオブコージ|CENTER:牡6|横山典弘|RIGHT:114.3|CENTER:11| |~|CENTER:15|[[ディープボンド>ディープボンド(競走馬)]]|CENTER:牡5|和田竜二|RIGHT:COLOR(red):5.6|CENTER:BGCOLOR(#DBAA5C):3| |CENTER:BGCOLOR(#ff1493):COLOR(#fff):8|CENTER:16|グロリアムンディ|CENTER:牡4|[[福永祐一]]|RIGHT:142.3|CENTER:13| |~|CENTER:17|ギベオン|CENTER:牡7|西村淳也|RIGHT:276.4|CENTER:17| |~|CENTER:18|ポタジェ|CENTER:牡5|吉田隼人|RIGHT:22.9|CENTER:8| 1番のオーソリティは本馬場入場後に馬体検査となり右前跛行と診断されて競走除外。 *上半期を賑わせた豪華メンバーたち ファン投票1位となったのは[[昨年の菊花賞>2021年第82回菊花賞]]馬にして前走の天皇賞(春)で7馬身差で逃げ切り勝ちを決めた[[タイトルホルダー>タイトルホルダー(競走馬)]]。近年からweb投票が導入されて全体の票数が増えたのもあるが、過去最高だった1990年の[[オグリキャップ>オグリキャップ(競走馬)]]の152,016票を上回る191,394票を集めた((これ以降の1位票数は2023年に[[イクイノックス>イクイノックス(競走馬)]]が216,379票、2024年に[[ドウデュース>ドウデュース(競走馬)]]が238,367票と順々に更新されている。))。 天皇賞(春)からは2着の[[ディープボンド>ディープボンド(競走馬)]]も参戦。前走でGⅠ2着3回目の悔しさを受け止めながらもファン投票8位でGⅠ未勝利から唯一のトップ10入りとなり鞍上の和田竜二も&bold(){「もう2着はいらない」}と意気込む。 他では、ディープボンドと同期で未勝利戦からの長い付き合いであるアイアンバローズ、昨年のオークス馬ユーバーレーベンの半兄にして昨年の新潟記念勝ち馬のファンロン兄貴略してファニキことマイネルファンロン、タイトルホルダーの半姉にして長距離界のミニチュアアイドルこと[[メロディーレーン>メロディーレーン(競走馬)]]も参戦。 ファン投票2位は昨年の皐月賞馬にして天皇賞(秋)と有馬記念の[[秋古馬二冠>古馬三冠]]をもって年度代表馬となったエフフォーリア。前走の大阪杯で始動したもののまさかの9着大敗となってしまい、グランプリ連覇でのリベンジが期待される。 大阪杯からは、前年王者レイパパレを下したことで晴れてGⅠ初勝利となったファン投票4位のポタジェ、小倉大賞典で重賞初制覇となり大阪杯で3着に好走したアリーヴォも&s(){ここは勝算アリーヴォと}参戦。 他では、昨年の中山金杯と中山記念の勝ち馬ヒシイグアス、&bold(){Twitter(現X)をする馬}として話題になってから今年の京都記念を&s(){Twitter(現X)のアンケート通りに}逃げ切りで勝利したアフリカンゴールド、今年のAJCCを勝利したキングオブコージ、昨年の日経賞とオールカマーの勝ち馬ウインマリリンも参戦。 海外遠征組からは、ドバイターフで前年王者Lord Northと同着優勝となり「令和のツインターボ」から「世界のパンサラッサ」へと進化した[[パンサラッサ>パンサラッサ(競走馬)]]、レッドシーターフHCにドバイゴールドカップと海外重賞を連勝したステイフーリッシュ、ネオムターフカップを勝利してドバイシーマクラシックを3着に好走したオーソリティが参戦。 別路線からはダートOPまで4連勝するもアンタレスSで2着になって帝王賞の中央枠に入れなかったグロリアムンディが芝でGⅠ初挑戦。 そして、右前肢繋靱帯炎による1年間の休養から先月のヴィクトリアマイルで復帰した[[三冠牝馬]]デアリングタクトもファン投票7位で参戦。昨年の金鯱賞で逃げ切られたギベオンとも再会した。 以上の18頭が仁川の舞台に集結。 人気上位では、1番人気エフフォーリアは昨年の実績は抜けているものの前走の大敗で暗雲が立ち込めるところ。2番人気のタイトルホルダーは前走で圧勝もカラ馬のトラブルがあったため評価しづらく、また、絶対にハナを奪ってくる大逃げのパンサラッサを前にして逃げ馬として崩れずにいられるかといった不安要素があった。 GⅠ馬にしても3番人気デアリングタクトは長期休養から復帰して間もない2戦目、6番人気パンサラッサは昨年の有馬記念ではタイトルホルダーと逃げ馬同士争って13着に沈んでいたあたり距離延長が厳しい、8番人気のポタジェは大外8枠18番に加えて前走はエフフォーリアが沈んだのを始めとする大波乱もあって評価が難しく負かしたアリーヴォよりも人気しなかったり…と、全員に不安要素がありどんな結果になってもおかしくはなかった。 本馬場入場後にオーソリティの歩様の乱れを鞍上のC.ルメールが確認して馬体検査、右前跛行と診断されて競走除外となってしまった。 1枠1番が空席になったが17頭がゲートイン。 #center(){&bold(){&sizex(4){「皆さんの夢はエフフォーリアの復権か」}}} #center(){&bold(){&sizex(4){「タイトルホルダーの躍進か」}}} #center(){&bold(){&sizex(4){「それとも三冠牝馬の復活か」}}} #center(){&bold(){&sizex(4){「私の夢…というか願いは」}}} #center(){&bold(){&sizex(5){「メロディーレーンの無事完走です。」}}} #right(){&bold()&sizex(3){関西テレビ 岡安譲アナウンサー}} #right(){&bold()&sizex(4){[[暴君>オルフェーヴル(競走馬)]]「岡安。」}} そして灼熱のグランプリが幕を開けたーーー *スタコラサッサと全員サバイバル スタートではアイアンバローズがタイミングが合わず躓いてしまったのをよそに、タイトルホルダーが&s(){直前まで姉がいる方向によそ見してたのに}いの一番に前に出て最内に切り込みハナを主張。パンサラッサは両隣のヒシイグアスとウインマリリンに挟まれながらもグイグイ前に出て1コーナーまでにタイトルホルダーからハナを奪い取る。 1~2コーナーで出来上がった隊列は、先頭で逃げるパンサラッサから3馬身ほど離れてタイトルホルダーが2番手、それを追いかけんとするディープボンドと&s(){Twitter(現X)でも逃げ宣言していた}アフリカンゴールドが3~4番手、ウインマリリンが単独5番手、ヒシイグアス、ギベオン、マイネルファンロンが中団で並び、中団後方にエフフォーリア、デアリングタクトはエフフォーリアを見る位置についてステイフーリッシュがこれに続く。後方はポタジェ、アイアンバローズ、メロディーレーン、グロリアムンディ、キングオブコージとなり最後方でアリーヴォが待機。 #center(){&bold(){&sizex(5){「さあやっぱり行った!スタコラサッサとパンサラッサ!」}}} #right(){&bold()&sizex(3){関西テレビ 岡安譲アナウンサー}} パンサラッサとしてはハナ争いを制した後は大逃げでセーフティリードを確保したかったところだが、2番手のタイトルホルダーが向こう正面に入っても付かず離れず追いかけてくるため、&s(){スタコラサッサと}緩めることなく行かざるを得なかった。その結果、最初の1000m通過タイムは&bold(){&sizex(5){&color(red){57秒6}}}。 過去の例で言うと宝塚記念を逃げ切り勝ちした[[サイレンススズカ>サイレンススズカ(競走馬)]]の同タイムが&color(red){58秒6}なのだから飛ばしすぎである。 これほどのハイペースとなれば普通なら逃げ・先行勢が力尽きてズルズル下がってしまい、後方で脚をため続けた差し・追込勢が待ってましたとばかりに前をかわしながら末脚を伸ばす上り決着となるものだが… 逃げている2頭は、パンサラッサは距離延長への不安こそあれど大逃げで国内重賞を2勝してドバイターフは同着とはいえ逃げで1着、タイトルホルダーは菊花賞5馬身差に天皇賞(春)7馬身差といった長距離GⅠを大きな着差で逃げ切っていると言わずもがな、先行勢ではディープボンドは先行して阪神大賞典を連覇、天皇賞(春)で2年連続2着と生粋のステイヤー、アフリカンゴールドは京都記念を逃げ切ってるだけに侮るなかれ …といったように、逃げ・先行勢は実績・スタミナ自慢が多く自滅を期待して放ったらかしにすると痛い目にあいかねない実績馬たちであり、後続は前を行かせまいと追いかけざるを得なかった。縦長の隊列ではあったが全員がハイペースで追走することになってしまい&bold(){最後方のアリーヴォですら例年の宝塚の逃げ馬ペースで走ることを強いられる}事態になった。 *圧巻!仁川のレコードホルダー 3コーナーから4コーナーにかけて後続がハイペースでなかなか脚をためられずそれほど隊列が変わらない中で、タイトルホルダーが徐々に進出してパンサラッサとの差を詰めにいき、ディープボンドはグイグイ押して前を捕まえに行くも、アフリカンゴールドは4コーナーで脱落して逆噴射。タイトルホルダーがとうとうパンサラッサと並びながら最終直線に入った。 先頭を奪ったタイトルホルダーはその勢いで後続の先行集団を突き放していく。ハイペースの追走で精魂尽きかけてた先行集団が少しずつタイトルホルダーに離されていく中、道中中団に構えてハイペースの中でも脚をためてきたヒシイグアスが直線でパンサラッサとディープボンドをかわして馬群から抜け出し、2馬身ほど前にいるタイトルホルダーを捕まえようと上り3F35秒9の末脚を繰り出したのだが… #center(){&bold(){&sizex(4){「タイトルホルダーが先頭だ!」}}} #center(){&bold(){&sizex(5){「ヒシイグアスが!前に迫ってくる!前に迫ってくる!!」}}} #center(){&bold(){&sizex(6){&color(red){「しかし差が詰まらない!!!」}}}} #right(){&bold()&sizex(3){関西テレビ 岡安譲アナウンサー}} タイトルホルダーは道中の超ハイペースを2番手で進めていたにもかかわらず、ヒシイグアスと&bold(){0.2しか変わらない上り3F36秒1}の脚を繰り出していた。これでは差を詰めようがない。 最後にはとうとう一杯となったヒシイグアスの脚色がタイトルホルダーと同程度となり、最後までリードは詰まることなく決着を迎える。 #center(){&bold(){&sizex(5){「タイトルホルダー三連勝だ!!」}}} #center(){&bold(){&sizex(6){&color(red){「競馬界のエースは俺だ!!」}}}} #center(){&bold(){&sizex(6){&color(red){「タイトルホルダー!!!」}}}} #right(){&bold()&sizex(3){関西テレビ 岡安譲アナウンサー}} 結果はタイトルホルダーがそのまま後続を寄せ付けず2馬身差の完勝でゴールイン。天皇賞(春)に続いてGⅠ連勝となった。 その走破タイムは…! #center(){&sizex(6){&font(red,b,i){2:09.7}}} #center(){&sizex(5){&font(red,b,i){「2分9秒7!大レコード!」}}} #center(){&sizex(5){&font(red,b,i){「とてつもないレコードタイム! &s(){ウワーオドロイター!}」}}} #right(){&bold()&sizex(3){関西テレビ 岡安譲アナウンサー}} 超ハイペースを2番手で追走してそのまま押し切った高速決着の結果、2011年にアーネストリーが記録した2分10秒1の&bold(){レコードタイムを11年ぶりに更新}。宝塚記念のレースレコードおよびJRA阪神芝2200m3歳以上のコースレコードとなった。 2着のヒシイグアスはタイトルホルダーを捕まえることは叶わなかったが2分10秒0と以前のレコードタイムを上回るタイムで走破した。 勝ち馬以外ではメンバー中唯一の更新圏内であり、GI馬と遜色ないパフォーマンスは示せたと言っていいだろう。 無我夢中でタイトルホルダーを捕まえんと猛追したディープボンドと中団後ろから脚を伸ばしたデアリングタクトが横並びでゴールして3着争いとなり、結果はハナ差でデアリングタクトに軍配。 1番人気エフフォーリアは道中デアリングタクトに進路を封じられていたこともあって抜け出しでデアリングタクトに後れをとってしまい、最終直線で脚を伸ばすも6着までだった。展開や追走で一杯になっていた事を考えればむしろよく走った方ですらあるのだが、これで2戦連続の着外となった彼の王座陥落の感は否めなかった。 先頭で爆走してレコードペースを演出したパンサラッサは8着。滅茶苦茶なペースかつタフな仁川芝2200の舞台、何より「彼のペースに追走できる、能力があるので追われる立場にあり馬群を引き連れてしまう、それでいて垂れない」という最も相性の悪い敵に追われていた状況を思えば最下位に沈んでもおかしくないところだが、大逃げでふり絞ってきたスタミナは伊達ではなかったか。 あとはマイネルファンロンがヒシイグアスと同様に中団から脚を伸ばし14番人気ながら5着に突っ込んできたのもちょっとした見所になった。 展開が向いたと言ってしまえばそこまでだが、オークス馬の兄弟は伊達では無いということか。 *レース結果 **着順 |CENTER:&bold(){着順}|CENTER:&bold(){馬名}|CENTER:&bold(){タイム}|CENTER:&bold(){着差}|CENTER:&bold(){後3F}|CENTER:&bold(){コーナー&br()通過順}| |CENTER:BGCOLOR(GOLD):1着|&bold(){タイトルホルダー}|&color(red){&bold(){2:09.7&br()レコード}}|CENTER:‐|BGCOLOR(#DBAA5C):36.1|2-2-2-2| |CENTER:BGCOLOR(SILVER):2着|ヒシイグアス|2:10.0|2|BGCOLOR(GOLD):35.9|6-6-6-5| |CENTER:BGCOLOR(#DBAA5C):3着|デアリングタクト|2:10.3|2|BGCOLOR(SILVER):36.0|10-10-8-8| |CENTER:4着|ディープボンド|2:10.3|ハナ|36.6|3-3-3-3| |CENTER:5着|マイネルファンロン|2:10.6|1.3/4|36.5|8-8-6-5| |CENTER:6着|エフフォーリア|2:10.6|ハナ|36.2|9-8-8-10| |CENTER:7着|ウインマリリン|2:10.8|1.1/4|36.9|4-5-5-4| |CENTER:8着|パンサラッサ|2:10.8|アタマ|37.4|1-1-1-1| |CENTER:9着|ステイフーリッシュ|2:11.1|2|36.5|11-10-11-11| |CENTER:10着|ギベオン|2:11.4|1.3/4|37.2|6-6-8-8| |CENTER:11着|ポタジェ|2:11.5|3/4|36.9|12-12-11-11| |CENTER:12着|グロリアムンディ|2:11.9|2|37.1|14-14-13-13| |CENTER:13着|メロディーレーン|2:12.0|3/4|37.0|12-13-13-15| |CENTER:14着|アリーヴォ|2:12.1|1/2|36.9|17-17-17-17| |CENTER:15着|アイアンバローズ|2:12.2|クビ|37.2|15-15-13-15| |CENTER:16着|アフリカンゴールド|2:12.4|1.1/4|38.5|4-3-3-5| |CENTER:17着|キングオブコージ|2:15.5|大|40.5|15-15-16-14| |CENTER:除外|オーソリティ||||| **払い戻し |CENTER:BGCOLOR(hotpink):単勝|CENTER:BGCOLOR(#f80000):COLOR(#fff):6|RIGHT:420円|RIGHT:2番人気| |CENTER:BGCOLOR(red):複勝|CENTER:BGCOLOR(#f80000):COLOR(#fff):6|RIGHT:180円|RIGHT:3番人気| |~|CENTER:BGCOLOR(#ff0):10|RIGHT:250円|RIGHT:5番人気| |~|CENTER:BGCOLOR(#0000cd):COLOR(#fff):7|RIGHT:240円|RIGHT:4番人気| |CENTER:BGCOLOR(coral):枠連|CENTER:3-5|RIGHT:2,520円|RIGHT:14番人気| |CENTER:BGCOLOR(orange):馬連|CENTER:6-10|RIGHT:2,060円|RIGHT:8番人気| |CENTER:BGCOLOR(yellow):ワイド|CENTER:6-10|RIGHT:780円|RIGHT:10番人気| |~|CENTER:6-7|RIGHT:710円|RIGHT:8番人気| |~|CENTER:7-10|RIGHT:840円|RIGHT:11番人気| |CENTER:BGCOLOR(yellowgreen):馬単|CENTER:6→10|RIGHT:3,420円|RIGHT:12番人気| |CENTER:BGCOLOR(green):3連複|CENTER:6-7-10|RIGHT:5,150円|RIGHT:18番人気| |CENTER:BGCOLOR(paleturquoise):3連単|CENTER:6→10→7|RIGHT:25,220円|RIGHT:86番人気| *天に掲げるGⅠ3勝目 タイトルホルダーは本競走の勝利によってGⅠ3勝目。[[キタサンブラック>キタサンブラック(競走馬)]]が2017年に達成して以来の[[春古馬二冠>古馬三冠]]となり、天皇賞(春)と宝塚記念の連勝に限ればかの[[ディープインパクト>ディープインパクト(競走馬)]]が2006年に達成して以来&bold(){16年ぶりの快挙}となった。 鞍上の横山和生はGⅠ2勝目。タイトルホルダーの鞍上としてGⅠ初制覇となった前走の天皇賞(春)と同じく、祖父・富雄((1971年メジロムサシ))、父・典弘((1991年[[メジロライアン>メジロライアン(競走馬)]]、2014年[[ゴールドシップ>ゴールドシップ(競走馬)]]))に続く宝塚記念の親子3代制覇((ちなみに天皇賞(春)の方では祖父・富雄が1971年メジロムサシ、父・典弘が1996年[[サクラローレル>サクラローレル(競走馬)]]、[[2004年イングランディーレ>2004年第129回天皇賞・春]]、2015年ゴールドシップで勝利))となった。 馬主・山田弘氏、栗田徹調教師、生産者の岡田スタッドはこれが宝塚記念の初勝利となった。 そして宝塚記念といえば、タイトルホルダーの父である[[ドゥラメンテ>ドゥラメンテ(競走馬)]]の現役最後のレースにして、2着に敗れて取りこぼしたレースであり、レース直後の故障による競走能力喪失で現役の道を断たれた因縁のレースだった。 タイトルホルダーは父が挑むことすら叶わなかった菊花賞に加えて、もう1つの父の無念の象徴だった宝塚記念をも制して父の忘れ物を天に掲げたのだった。 IFHA(国際競馬統括機関連盟)((世界各国の競馬統括機関が加盟している国際組織。1961年にアメリカ・イギリス・フランス・アイルランドの4ヶ国による連絡委員会が発足したことからその歴史が始まった。日本は1973年の第7回から参加しており、現在では執行協議会の一員に名を連ねている。))が発表した「ロンジン・ワールド・ベスト・レースホース・ランキング(LWBRR)」((簡単に言うと「世界の競走馬の格付けランキング」。前身は1977年に英仏愛3か国が共同で開始し拡大されてきた「インターナショナル・クラシフィケーション」で、競馬の開催シーズンの分岐点が国・地域によって異なり世界規模の統一レーティングが出しづらいというデメリットを解消すべく、2004年よりそれを引き継いで発表が開始された。年2回(上位50頭は年5回程度)公表されており、前身のデメリットの解決が図られている。))で獲得したレーティングは&bold(){&sizex(4){&color(red){124}}}。2024年現在、歴代の宝塚記念では2012年[[オルフェーヴル>オルフェーヴル(競走馬)]]の127、2006年ディープインパクトの125、2019年リスグラシューの121(牡馬換算で+4して125)、2020年クロノジェネシスの121(牡馬換算125)に続き、2013年2014年[[ゴールドシップ>ゴールドシップ(競走馬)]]の124、2021年クロノジェネシスの120(牡馬換算124)と同率の5位タイである。 *出走馬のその後 1着タイトルホルダー、4着ディープボンド、9着ステイフーリッシュは事前登録していた&bold(){凱旋門賞}に出走を表明。この年のダービー馬[[ドウデュース>ドウデュース(競走馬)]]も合流して日本から4頭の挑戦となったが、タイトルホルダー11着、ステイフーリッシュ14着、ディープボンド18着、ドウデュース19着と敗戦に終わり、ステイフーリッシュはここで左前繋靱帯炎となり引退。ドウデュースは年内休養になった。タイトルホルダーとディープボンドは有馬記念を帰国初戦としたが、ディープボンド8着、タイトルホルダー9着とどちらも着外に終わった。 タイトルホルダーはこの有馬記念を勝利した[[イクイノックス>イクイノックス(競走馬)]]に年度代表馬の座こそ持っていかれたが、この年の最優秀4歳以上牡馬を受賞した。 タイトルホルダーは翌年は現役ラストイヤーとして初戦の日経賞を&bold(){不良馬場で8馬身差}の劇的な復活劇を見せるも天皇賞(春)では1番人気に推されるもまさかの競走中止。上半期は全休になり宝塚記念の連覇に挑むどころではなくなってしまったが、秋はオールカマーから復帰して2着。[[ジャパンカップ>2023年第43回ジャパンカップ]]5着、有馬記念3着を最後に引退、故郷のレックススタッドで種牡馬入りとなった。 ディープボンドは23年・24年の春天や京都大賞典で馬券内の好走を見せるも勝利することなく24年有馬を最後に引退。京都競馬場で誘導馬となり、25年の春天開催週から勤め始めることになった。 なおタイトルホルダーからすれば参戦した古馬G1には&bold(){必ずディープボンドがいる}と同期よりも対戦回数が多い相手でもあった。((ディープボンドとは21有馬、22春天・宝塚・凱旋門・有馬、23春天・JC・有馬の計8回も対決している、対戦成績は5勝3敗でタイトルホルダーが勝ち越している、同期ではエフフォーリアの21皐月・ダービー・有馬、22宝塚・有馬の計5回でこちらは1勝4敗でタイトルホルダーが負け越している)) 2着ヒシイグアスはこれ以降年内は音沙汰無くなってしまっていたが、復帰戦になる翌年の中山記念の目前で、宝塚記念を終えてからの美浦への輸送後に熱中症で生死をさまよう状態で入院と長期休養を余儀なくされていたことが明かされて騒然となった。そんな状況から立て直して予定通り中山記念で復帰してこれを勝利。無事に復活した。 だがこれが最後の勝利になり24年のクイーンエリザベスII世カップ5着を最後に引退、中山競馬場で乗馬になった。 3着デアリングタクトは下半期も現役を続行するもオールカマーとエリザベス女王杯をどちらも三冠牝馬の先輩[[ジェンティルドンナ>ジェンティルドンナ(競走馬)]]の娘であるジェラルディーナの6着に敗れ、ジャパンカップに中1週で参戦するも4着に終わった。翌年も現役続行の予定だったが歩様の乱れで予定を白紙にして10月の復帰を目途に運動を進めていたが繋靭帯炎の再発により引退となった。 別メディアの話になるが、宝塚記念から1ヵ月後に公開された[[ウマ娘 プリティーダービー]]のメインストーリーでノルマンディー勝負服と同じ柄のリボンを付けたウマ娘が登場。その後そのウマ娘の正体として&bold(){デアリングタクトが現役ながらウマ娘に参戦}することが発表された。プレイアブル化する前に残念ながら引退となってしまったがウマ娘ではどのような物語が描かれるか期待される。 5着マイネルファンロンはその後は京都大賞典など中長距離重賞に参戦したり途中で障害に挑戦したり&s(){相変わらずのサイコロローテ}したが、2024年9月のタイラントCがラストランとなり引退、新潟競馬場で乗馬になった。 6着エフフォーリアは春2戦の敗戦を受けて秋の予定が白紙に。有馬記念で復帰して斤量55.0kgの3歳牡馬と古馬牝馬には先着されたものの斤量57.0kgの中では最先着の5着と復調の兆しを見せた。しかし、翌年の京都記念で果敢に先行するも心房細動により競走中止。協議の結果ここで引退となり急遽の種牡馬入り。年度代表馬になって以降、復活勝利は叶わなかった。 7着ウインマリリンは札幌記念3着を経てエリザベス女王杯はライラックとの2着同着とまたGⅠに届かずだったが、その後に参戦した香港ヴァーズでそれまでの先行策から打って変わって後方待機となるも直線で末脚を発揮して勝利。香港の地で悲願のGⅠ初制覇となった。 繁殖関連の余談だが、タイトルホルダーとウインマリリンは翌年の有馬記念をラストランとしてともに引退、その後に新種牡馬タイトルホルダーの交配相手としてウインマリリンがいの一番に名乗りをあげて翌年3月に初仔が誕生したのだが、&bold(){2頭の最初の出会いとなったレース}がこの宝塚記念である。&s(){G1は婚活会場やないで}((なおタイトルホルダーとは宝塚・オールカマー・有馬の3度対決したが全てタイトルホルダーが先着している)) 8着パンサラッサは札幌記念2着を経て[[天皇賞(秋)>2022年第166回天皇賞・秋]]に参戦。宝塚記念に続いて果敢な逃げをもって名レースを演出した。&s(){詳しくは項目に譲るが同じ1000m57秒台でも隊列や流れは宝塚記念とまるで正反対だった} 翌年&bold(){ダート1800mの}サウジカップを勝つなど活躍するも[[23年のジャパンカップ>2023年第43回ジャパンカップ]]を最後に引退、アロースタッドで種牡馬となった。 10着ギベオンはその後は年内に2戦するも12月に現役引退。生まれ故郷の社台ファームで乗馬となった。 11着ポタジェはその後は毎日王冠や翌年の金鯱賞の6着が最高で、翌年大阪杯後は脚部不安により長期休養に入り1年以上の戦線離脱となってしまうも2025年1月のAJCCで復帰してその後はダートにも挑戦。2025年5月のかしわ記念で右前肢跛行により競走中止になってしまい2週間後に引退が決定。復帰後に復活とはならなかったがイーストスタッドで種牡馬入りとなった。 12着グロリアムンディはダート路線に戻ってGⅠチャンピオンズカップこそ12着に敗れるも翌年のダイオライト記念に平安ステークスとダート重賞を連勝した。 24年はブラジルC(L)で久々の勝利を挙げ、25年現在も船橋競馬場に移籍しつつダート路線で現役である。 再び繁殖関連の余談だが、タイトルホルダーが種牡馬入りしてから初仕事の交配相手がグロリアムンディの半妹にあたるダフィネ((父[[キタサンブラック>キタサンブラック(競走馬)]]。彼女も2024年が繁殖初年度であり初年度同士で交配となった。))であり翌年には&bold(){タイトルホルダー産駒第1号}の牝馬を出産した。つまりはこの宝塚記念はタイトルホルダーにとって&bold(){交配相手の兄…すなわちお義兄さんとの出会い}だったのである。&s(){G1は家族への挨拶の場やないで} 13着メロディーレーンは左前脚球節の腫れで休養になったがステイヤーズステークスで復帰。&s(){弟が勝った天皇賞(春)でやらかしてた}同父同期のシルヴァーソニックの重賞初制覇を見届けることになったが、自身は5着に入り2020年阪神大賞典以来1年9ヵ月ぶりの重賞入着となった。 24年の万葉Sでは馬券内に入る活躍を見せるも、メトロポリタンSの7着後故障で25年の復帰を目指したが叶わず引退、生まれ故郷で&bold(){繁殖入り}が発表された。 14着アリーヴォは左前脚球節炎を発症して長期休養を余儀なくされて、加えて翌年2月に右前浅屈腱炎も発症。結局2024年2月に引退となり復帰は叶わなかった。引退後は北海道札幌市の乗馬クラブであるモモセライディングファームで乗馬となった。 三度繁殖関連の余談だが、タイトルホルダーの初年度の交配相手にはアリーヴォの叔母(母エスメラルディーナの半妹)にあたるシーハーハー(([[Kis-My-Ft2]]のシングル曲「SHE! HER! HER!」が由来とのこと))がいて、翌年にはアリーヴォの[[いとこ]]にあたる牡馬を無事出産した。&s(){同父同期どころか近親の繋がりまでできてしまった} 15着アイアンバローズは翌年の天皇賞(春)で半弟ジャスティンパレスの勝利とこの宝塚記念でも対決していたメンバーたちの競走中止を見届けることになってしまったが、その後のステイヤーズステークスで逃げ切りを決めて重賞初制覇。しかしその後は勝ち星をあげられず2025年1月に&bold(){放牧先で病死}。残念ながら余生を送ることは叶わなかった。 16着アフリカンゴールドは翌年の阪神大賞典で4着と久々に入着。天皇賞(春)では序盤からなんとタイトルホルダーからハナを奪う展開になるも1コーナー前で先頭を取られたと思いきや心房細動で競走中止になってしまった。それでも&s(){&color(gold){ゴールド}がもう無いので走って稼ぐため}復帰して重賞に挑み続けて2024年京都記念を最後に引退。阪神競馬場で乗馬となった。 17着キングオブコージは大差で最下位の入線だったものの深刻な異常は無かったようであり現役を続行したがこの年の阪神カップを最後に引退。イーストスタッドで種牡馬入りとなった。 競走除外となったオーソリティは4日後に右第3中手骨骨折が判明して結局長期休養となってしまった。翌年に脚への負担を考慮してかダートのエルムステークスで復帰したが12着大敗。加えて左前脚種子骨靱帯の損傷による競走能力喪失と診断されて無念の引退。ノーザンホースパークで乗馬となった。 *阪神三冠 ゆえに、空前絶後。 #center(){&bold(){&sizex(5){「やりました!6番タイトルホルダー!!」}}} #center(){&bold(){&sizex(6){「またも!阪神の王者!!」}}} #center(){&bold(){&sizex(6){&color(red){「もう誰も破れない記録を!作りました!!」}}}} #right(){&bold()&sizex(3){ラジオNIKKEI 山本直アナウンサー}} タイトルホルダーは2021年下半期~2022年上半期の1年間でGⅠを3勝。その全てが阪神競馬場での開催だったため&bold(){&color(green){空前絶後の阪神三冠}}と相成った。 なんで空前絶後なのかというと、阪神競馬場で開催される例年のGⅠは朝日杯フューチュリティステークス、阪神ジュベナイルフィリーズ、桜花賞、宝塚記念、大阪杯の5つであり、出走条件を踏まえると1年間で阪神GⅠ3勝は牡馬では不可能、牝馬でも阪神ジュベナイルフィリーズ、桜花賞、宝塚記念を全て勝利してようやく達成という無茶でしかないものである。&s(){え?[[2007年のダービー馬>ウオッカ(競走馬)]]は1年間で全部出てた?日本ダービーを勝てる男勝りなんて持ち出されても困る} ところが、2020年11月~2023年3月は京都競馬場が改修工事だったため、例年では京都競馬場で開催される秋華賞、菊花賞、エリザベス女王杯、マイルチャンピオンシップ、天皇賞(春)が阪神競馬場での代替開催となった。この時期であれば1年間で阪神GⅠに3回以上挑戦することも不可能ではないが、こんな状況でしか手に入れるチャンスのない称号…&bold(){&color(green){阪神三冠}}はそんなレアな称号なのである。 阪神開催のGⅠで3勝をあげた競走馬には、この時期に現役だったラッキーライラック((GⅠ4勝のうち2017年阪神ジュベナイルフィリーズ、2020年大阪杯、2020年エリザベス女王杯(2020年のみ阪神開催)の3勝))とグランアレグリア((GⅠ6勝のうち2019年桜花賞、2020年2021年マイルチャンピオンシップ連覇(両方とも阪神開催)の3勝))がいるが、彼女らでもその3勝は1年間での実績ではなかった。 余談だが、ディープインパクトが勝利した2006年宝塚記念は阪神競馬場ではなく京都競馬場での代替開催であり、タイトルホルダーと同じく3歳下半期~4歳上半期の1年間で京都GⅠを3勝しているため、いわば&bold(){京都三冠}である。 追記・修正は&bold(){宝塚トップスター}の文字と立ち姿をあしらった&bold(){&color(#3B4EF0){トリ}コロ&color(#F54738){ール}の法被}を着ながらでお願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,1) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - タイトルホルダーの誕生日記念に作成しました。より良く面白い項目になってほしいと思っていますので本項目をよろしくお願いします。 -- 名無しさん (2025-02-10 18:21:20) - タイトルホルダー、ゴルシ以上の仁川に愛された仁川の申し子だったな -- 名無しさん (2025-02-10 20:54:10) #comment() #areaedit(end) }