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エロイカより愛をこめて - (2025/05/19 (月) 20:52:33) のソース
&font(#6495ED){登録日}:2025/05/03(土) 00:30:00
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&font(#6495ED){所要時間}:約 20 分で読めます
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『エロイカより愛をこめて』は青池保子による[[漫画]]作品。
1976年から2012年まで『別冊ビバプリンセス』『月刊プリンセス』『プリンセスGOLD』で連載された(2025年現在は休止中)。既刊39巻。
*あらすじ
5年前、探検家の親に連れられたペルーにて、子供だけでナスカ高原の奥へと迷い込んだシュガー、レパード、シーザーの幼馴染の3人は、三日三晩歩き続け行き倒れになった時に不思議な老人に助けられ超能力を授けられる。
ある日「エロイカ」を名乗る美術品窃盗団が現れ、シーザーにその疑いがかかってしまう。
3人揃うことで力を最大限に発揮する超能力者達と美貌の怪盗・エロイカとの知恵比べが始まる!
・シュガー・プラム
16歳の美術学生。
五感に加え第六感に優れ予知能力・透視能力を持つ。ただし予知能力は3人に関すること限定。
好きな絵はブロンズィーノの『ビーナス・キューピッド 愚行の時』((作中では英名での呼称。日本では『愛の寓意』))。
シーザーをモデルにした等身大の石像を一週間でルネッサンス後期の物と鑑定させる程のクオリティで彫ることができる。
・レパード・ソリッド
19歳のスタントマン。
体力・運動能力に優れ、オリンピックに出場すれば全種目で超人的記録間違いなしの超タフガイ。
200km/hの暴走[[バイク]]から飛び降りてもかすり傷ですみ、一息で高い柵を飛び越え、シュガーを背に乗せながら海を泳ぐことも可能。
・シーザー・ガブリエル
18歳の大学講師。
天才的頭脳の持ち主。20ヶ国語を話し、15の博士号を持ち、日本の尺八からシンセサイザーまで演奏可能。美術品の鑑定眼も高い。
美青年ながらウブな奥手で初恋もまだ。
美青年なので伯爵に目をつけられ...
3人共通でテレパス能力を持ち、互いに交信できる。
・ドリアン・レッド・グローリア伯爵
キューピッドが青年になったと称されるほどの美男子。その正体は美術品泥棒「エロイカ」。
・タラオ・バンナイ
「エロイカ」の窃盗事件に駆り出されたインターポールの刑事。要に[[銭形警部>銭形警部(ルパン三世)]]ポジ。
資産価値の無い贋作が盗まれ、その作品を気に入ってたと言うだけの理由でシーザーを怪しみ3人を尾行し続ける。
名前の元ネタのように様々な姿を見せて先回りするため、彼もまたエスパーではないかと疑惑を持たれた。
追記・修正の行方は誰も知らない
#include(テンプレ2)
#center(){
&font(u){&color(whitesmoke){なんだこの記事は。こんな薄い内容を書いたやつはアラスカへ行け!}}
}
#include(テンプレ3)
* *
* + ガセネタではないです。
n ∧_∧ n
+ (ヨ(*´∀`)E)
Y Y *
*概要
そういえば最初はそんな人達もいたなぁ、と思い出す人もいるだろう。
当初の想定は超能力者3人組VS怪盗エロイカというロマンチックな少女漫画的構図のはずが、第2話に登場した(西)ドイツの軍人・エーベルバッハ少佐の登場によって作品のジャンルが&bold(){スパイ・アクションコメディ}へと変貌してしまったのである。
具体的には第2話の時点でシーザー以外の出番は数コマ、そのシーザーも第3話でフェードアウト。
&b(){つまり読者の声以上に作者の意向である。}
ついでに言うと&bold(){少女漫画なのに女性レギュラー皆無}。誰が呼んだか&bold(){少女漫画界の[[ゴルゴ13>ゴルゴ13(漫画)]]}。
タイトルの元ネタも[[007シリーズ>007シリーズ(映画)]]の『ロシアより愛をこめて』なので、スパイ物になるのは宿命だったのかもしれない。
以来、東西[[冷戦]]を背景に
機密情報を少佐が追う→伯爵が美術品を追う→何故か両者の所在地がバッティングする→(主に少佐が)嫌々ながら協力体制を取る
のがパターン化。
冷戦終結後の世界情勢は変化しつつも対テロリストなど国際安全を巡る情報を少佐が追い、やはり伯爵が追う美術品と所在地がバッティングし2人の関係は永遠不滅となっている。
休止期間を挟みながらの長期連載で登場人物は多彩ながら、スパイ物なのでメインのキャラクターの殆どに本名が設定されていないという異色作。
少佐の部下も当初は通行人Aと同じ意味合いで部下Aだったのが、アルファベット26文字で序列が表されたコードネームという設定が産まれ、「部下A」という名前のキャラクターとなり、中には主役を張っている者もいる。
作品の影響として大学の第二言語として[[ドイツ語]]の選択者を増やし、少佐と同名のエーベルバッハ市が存在することもあってドイツへの旅行者を増やしたという。
当然エーベルバッハ市は聖地となり、同市の[[日本語]]観光案内パンフレットには少佐が描かれており、日本人観光客を増やした功績から作者は名誉賞の称号と市のシンボルであるイノシシの彫像を送られている
&s(){なお、作者はエーベルバッハという町が存在することを後から知った}
基本的にはコメディながら作者の取材に基づいた描写は東西冷戦時はもちろん、冷戦終結後もNATOとロシア間のバルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)をめぐる緊張状態など、現在も続くNATOとロシア間の国際情勢の理解の一助になるかもしれない。
あと[[転売屋]]に怒り狂うマニアの姿を2000年代初頭の時点でやってたりする。
&s(){「純粋マニアと転売屋の見分け方を教えてやらねばなるまいぞ!」}
本作からコメディ要素を廃したスピンオフ作品として少佐が主役の『魔弾の射手』、少佐の部下で新米エージェントのZを主役に彼が成長する姿を描いた『Zーツェットー』が存在する。
また、作者の別作品『イブの息子たち』には番外編に本作のキャラが登場している他、同じく秋田書店の漫画『[[ブラック・ジャック>ブラック・ジャック(漫画)]]』のアンソロ企画「ブラック・ジャック ALIVE」で[[ブラック・ジャック>ブラック・ジャック/間黒男]]と共演を果たしている。&s(){こちらは主人公2人とBJ以上に、ある意味でジェイムズ君が活躍しているが。}
ちなみに様々な国の人間が登場する漫画では、「彼らは何語で会話しているのだろう?」という疑問はしばしネタにされるが、伯爵と少佐が対峙してる時はそれぞれ自分の母国語で会話してる事を伺わせる一コマがある。
アニメ化はされていないが、ドラマレコードが存在。主題歌はなんと[[水木一郎]]アニキ。%%絶叫と部下の名前は多分関係ない。%%
また、舞台化された際には前述の超能力者3人組に代わって絵画の『紫を着る男』を人間の役者が演じた。
*登場人物
**伯爵一派
・ドリアン・レッド・グローリア伯爵
CV:[[野沢那智]]
主人公その1。またの名を美術品窃盗犯『エロイカ』。
金髪巻き毛のゴージャスな美男子。キザなミーハーでナルシシストな男色家。その体重は経済状況によって変動する。
社交界では美術品愛好家の貴族として知られ、裏社会でもその華麗な仕事ぶりが評価され、その容姿には表と裏双方の社会からファンが多い。
インターポールに指名手配もされているが%%イタリア警察を除いて%%逮捕されたことはない。
『エロイカ』とはベートーヴェンの交響曲「英雄(Eroica)」の事。&s(){「エロい(Erotic)」ではないぞ、決して!!}
きらびやかな美術品を獲物にする事が多いが、好みは西洋美術から仏像、果てはビザンチン美術、&bold(){ローマ法王}と幅広く、それらの造詣も深く知識は豊富。スキあらばウンチクを披露しようとする。
美術品の真贋を見極める力も当然高いが、それが贋作であろうと自分にとっての美術価値があると見做せば「価値は私が決める」と言って憚らない。
一方、[[印象派]]や現代美術は対象外で扱いは冷淡。
当初エーベルバッハ少佐とは『紫を着る男』を巡って対立。美術品に全く興味を示さず、美しい絵画も戦車=鉄の塊の値段に換算することに反感を持つが、鋼鉄の美学に魅せられた男のロマンを抱く様と軍人としてのストイックな姿勢に次第に惹かれていく。
そんな少佐とは対照的に機械音痴で拳銃の取扱いも苦手とする。
怪盗らしく変装も得意で、少佐あるいは女性になりすますことが多く、正体が男性であると悟らせずにハニートラップをしかけることもある。
幼少期から女顔で3人の姉には化粧を施されていたという。
決めゼリフは『エロイカより愛をこめて』『Good luck』『私はプロだよ』。
『七つの海七つの空』の主人公である海賊キャプテン・レッド(ルミナス・レッド・ベネディクト)はご先祖様。
しかし家系図が疑われるレベルに船の運転は下手くそ。ちなみに爵位はルミナスが賜ったものである。
『紫を着る男』に描かれたティリアン・パーシモンは同作の悪役で、伯爵と少佐は先祖から続く因縁の関係である。
これは連載時期が被ったことによるお遊びだったのだが……(後述)
外見モデルは[[レッド・ツェッペリン>LED ZEPPELIN(バンド)]](ZEP)のボーカル:ロバート・プラント。
名前はオスカー・ワイルドの『ドリアン・グレイの肖像』から。
・ジェイムズ君
CV:[[古川登志夫]]
世界一ケチで優秀(?)な計理士。
伯爵に向ける愛情は強く嫉妬深い。
ツギの当てられたスーツに身を包み、カシオミニを片手に二言目には「[[お金]]がありません」とのたまい、小銭の落ちる音は聞き逃さない守銭奴。
おもらいさんに精を出し、[[イギリス]]上空に飛び散った100万枚の100マルク札を99万9999枚までかき集める程にお金に執着を見せる。
最初は[[イケメン]]だったのだが次第に童顔に。
それと共に腐った[[バナナ>バナナ(果物)]]を好物としゴミと[[ネズミ]]を操り黄金の匂いを物理的に嗅ぎ当て……と、加速度的に人間離れが進行。
あだ名は『ゴミ』『&bold(){ドケチ虫}』『宇宙人』
金銭欲から問題行動をしばし…というか毎回起こすため、伯爵はボーナムと別行動を取ることも多い。
外見モデルはZEPのギター:ジミー・ペイジ。
ドケチもジミーが吝嗇家であるというウワサを極端にしたもの。
・ボーナム
マッシュルームヘアにちょび髭、小太りの男。
気弱な性格ながら、逃走時の車の運転、ヘリの操縦から小道具・メカニックの作成、日常の身の回りのお世話まで荒事以外なら大抵なんでもこなせる伯爵の右腕以上の存在。
その有能ぶりは少佐がNATOへの引き抜きを考えるほど。
部下Aとはメル友同士で、少佐の執事とも難儀な主人に仕える共通の悩みからか馬が合うようである。
外見モデルはZEPのドラム:ジョン・ボーナム。
・ジョン・ポール
No.10「グラスターゲット」にて地下で少佐の怒号に耳を痛めていた伯爵の部下。
伯爵の部下ではジェイムズ、ボーナムを除く名有り、というかフルネームか判明していて一応の活躍がある珍しい人。それ以前に似たような姿のジョーンズくんも登場しているが同一人物かは不明。
名前を合わせてZEPのベース:ジョン・ポール・ジョーンズがモデル。
他に名ありの部下としてはNo.1「千のキス」にベックくん(おそらく元ネタはジェフ・ベック)が登場している。
番外編「ミッドナイトコレクター」から時系列としても直後のNo.11「9月の7日間」序盤にかけては大勢の部下がいたはずなのだが、同エピソード内であまりにも自然に消滅している。
当初の「エロイカ」がパリ、ニューヨーク、イギリスの美術館を同時に襲撃できる程の一大窃盗集団だった事を覚えてる読者はどの程度いることか。
**NATO(北大西洋条約機構)
(西)ドイツの情報部が主要メンバー
%%本当の(西)ドイツの諜報機関はBND(連邦情報局)でNATOに情報部が存在しないのは内緒%%
・クラウス・ハインツ・フォン・デム・エーベルバッハ少佐
CV:中田浩二
主人公その2。黒髪直毛のNATO(西)ドイツ支部の情報部将校。&s(){軍人にしては髪が長すぎると&b(){本物のドイツ軍人直々に}ツッコまれた。}その体重は任務の状況で変動する。
『鉄のクラウス』の呼び名で東側を始め各国のスパイから恐れられ、冷戦後の中国の諜報員からも「ヨーロッパで活動すれば必ず耳にし、その名を知らぬ者はいない」と評されている。
出身は戦車部隊で鋼鉄の美学に魅せられた男だが、KGBに捕われた際にはミグをぶん取って脱走し、ジャンボジェットがハイジャックされれば代わりに操縦を行い、海に逃げた伯爵を追って部下26名と自分だけで練習船を出航させているので、陸海空全部いけるのではないかと思われる。
極端なワーカホリックであり、ゆったりしてるのではなくセカセカしてるという意味でマイペースな猪突猛進型。部下にもそれを強要し、失態を犯せば「バカモノ!」と怒鳴り散らし、著しいものであれば「アラスカ行き」(=左遷)を通告する。実際、部下Zを除く25名全員同時にアラスカ行きを命じたこともある。
有能なのは確かなのだが、あまりにも部下を酷使しすぎる点から評価は芳しく無く『万年少佐』の烙印を押されている。%%一度出世したけど返品された%%
冷戦前後変わらず愛煙家で[[コーヒー]]はネスカフェ・ゴールドブレンド。
44マグナムを片手で撃てるが銃にこだわりがあるわけではないようで、その時々で使用する銃は異なる。
母を早くに亡くし、国防軍の戦車師団の一員だった父親と母親代わりの執事に育てられた。そんな父の影響か幼少期から1人で5人を返り討ちにするほどケンカに強く、そのまま成長したことから、大人になり子育てを経験した同級生からは「彼の父親は子供ではなく戦車を育ててしまった」と評された。
作者から黒髪サド目族と称される程の迫力の目力だが、就寝時は「メリーさんのひつじ」を歌うという可愛らしい習慣を持つ。
ドイツ人らしく[[ジャガイモ]]を好み、ギムナジウム時代に付けられたあだ名は『イモクラウス』。
その名がつけられるきっかけとなったのは教会のシスター・テレサに罰として命じられた芋の皮むきとその際に出されたフライドポテト。
母と死別したこともあり、シスターの優しさに淡い初恋を抱き、現在も[[尼僧>シスター/修道女]]には優しく接する。
またその頃の影響か、聖書由来のコードネームから元ネタの一節をさらっと暗唱してみせる一面も。%%でも特に信心深いということはない%%
父親には厳しく躾けられたため、現在でも頭の上がらない最大の弱点。
伯爵とは対照的に自他ともに認める美術オンチ。
絵画に描かれた女性も三段腹のおばさんや発育不全の娘としか映らず、自宅所蔵の名画もレオパルト戦車が買える値段としか思えない。
しかしベートーヴェンだけは彼の生家がボンにあることから「&b(){嫌でも仲良しになる}」という理由で詳しくなり、有名なオペラの一説も諳んじ、バリトンボイスを披露した事も。他にもチロリアンダンスを即興で踊ってみせるなど芸達者。甘い物は大の苦手なのにケーキも%%匂いをマスクで防ぎながら%%絶品を作ってみせる。
また女っ気は全く無いのに一目でスリーサイズを計測するという妙な特技も持つ。%%補正下着の発達で出番がなくなった%%
ハプスブルク家の末裔だが、カスティーリャ国王(スペイン)((『アルカサルー王城ー』のドン・ペドロ1世。ちなみに実在の人物))の血を引くイギリス海軍の大佐がご先祖様。
そのご先祖様である『紫を着る男』に描かれているのは、先に述べたように『七つの海七つの空』の悪役ティリアン・パーシモンなのだが、彼は作者自身の創作に対する姿勢を劇的に変えてしまったキャラであり、彼を主役とする『エル・アルコンー鷹ー』シリーズとして[[作品を乗っ取ってしまった>スーパーマリオランド3 ワリオランド]]ほど。
&b(){つまり作品の主役乗っ取りは先祖から伝わるお家芸である。}%%(伯爵はなんとか踏み止まった)%%
「[[金田一少年の事件簿]]」の[[猪川将佐]]警部の名前の由来はこのキャラである((「エーベルバッハ」はドイツ語で「猪の川」、「将佐」も「しょうさ」と読める。))。
根底にあるモデルは作者の義兄との事。
・情報部部長
少佐の上司にあたるハゲた頭に太鼓腹の中年男性。コーヒーには砂糖を10個投入する。
少佐の部下であるGやZをお稚児さんにしようと目論見、犯罪者である伯爵のファンというトンデモぶりとベタベタと暑苦しい振る舞いから敬意は払われず、少佐とは「万年部長」「万年少佐」と罵り合う陰険な漫才を毎度繰り広げる。
奥さんとはペアルックのパジャマで同じ寝室で寝ているため夫婦仲は良好。
若い頃は美青年だったという裏設定がある。
**少佐の部下たち
アルファベット26文字で序列が示されたコードネームを持つ26人の部下。読み方はドイツ語読み。
固定キャラとなってる主なメンバーは以下の通り。
%%初期はAとBの顔が入れ替わってるが、序列に変動が生じたわけではない。%%
・%%部下B%%部下&ruby(アー){A}
童顔。温厚で生真面目な性格で擬音は「きりっ」。
少佐の世話焼き女房的な序列1位。それ故に少佐の怒号を最も間近で聞く事になる立場にある。ちなみに階級は曹長。
上司の右腕的存在で通じるところもあってか、ボーナムとはメル友。
妻帯者で美人な奥さんがいるが、少佐に寝取られないか被害妄想を抱いている。
・%%部下A%%部下&ruby(ベー){B}
アフロのようなモジャモジャヘアが特徴的な、楽天家のラテン系。
サボり癖があり、よく物を食べている。
その「サボり」たるや同業者はまだしも、一般市民で構成された組織のメンバーからすら突っ込まれるほど。
・部下&ruby(デー){D}
・部下&ruby(エー){E}
冷戦以降コンビを組んでる2人。ガッシリとしたオールバックの方がD。
任務先でジェイムズ君など伯爵一行や、「仔熊のミーシャ」の第一発見者となる事が多い気の毒な2人。
%%冷戦前はやっぱり容姿が入れ替わってた上に直後はEがCと呼ばれていた%%
・部下&ruby(ゲー){G}
厚化粧の(コードネームからして)女装の部下。
少佐の部下に女性はいないため、その容姿をいかした調査を行う。冷戦後は専らZと行動を共にする。
彼が彼&b(){女}となるきっかけの任務は『イブの息子たち』番外編「グッドカンパニー」で見ることができる。
女装は伯爵くらいにしか見破られた事がないので、よくよく考えるとものすごい美青年……というか[[男の娘]]? &s(){正直他の女性キャラより可愛い。}
・部下&ruby(ツェット){Z}
CV:[[森功至]]
永遠のペーペー(新人)の序列最下位。
元は新米スパイの成長を描いたスピンオフ『Zーツェットー』の主人公で、同時期に『エロイカ』本編でも登場した。
真面目で心優しく、未熟ながら目端が利くこともあり、少佐からは「鉄は熱いうちに打て」とビシバシと厳しく躾けられている。
上述の通り冷戦後はGと行動を共にするが、先輩であるはずのGの暴走を止めることから&b(){出来の悪い姉を持った弟}とも称される。
**&ruby(カーゲーベー){KGB}(ソ連国家保安委員会)/SVR(ロシア対外情報庁)
・仔熊のミーシャ
CV:森山周一郎
その可愛らしいコードネームに反した硬派な強面で、スキンヘッドとサングラスがトレードマークの敏腕エージェント。
ヘルシンキオリンピックのボクシング金メダリスト((実際の同大会でのソ連の最高成績は銀メダル))の剛腕で、東西陣営に別れていた冷戦当時は幾度となく少佐と伯爵を窮地に陥れた。
冷戦終結後は世界平和のために少佐と協力体制を取る……が、反目し合って足並み揃わないことのほうが多い。%%警察を呼んで逮捕させようとするなど、任務の邪魔者である伯爵を排除する時は除く。%%
本編での披露の機会はないが、実はコサックダンスの名手らしい。
妻帯者で何故か全く姿を見せない息子のイワンと%%父親に似なくて良かった%%娘のアンナがいる。
外見モデルはテリー・サバラス。レコード収録のボイスドラマCVの森山周一郎はサバラスの吹き替えを担当していた。
コードネームはモスクワオリンピックのマスコット「こぐまのみーしゃ」から。こちらは可愛いクマさんです。
・白クマ
%%伯爵や少佐がどの国に行っても現れる%%ソ連大使館のお偉いさん。
硬派な強面の「仔熊のミーシャ」と対象的に知的な雰囲気を漂わせたロマンス・グレーの紳士。
「ミーシャ」と異なり事態の成り行きを冷静に見極めようとし、%%少佐のヘタクソなラクガキを勝手に深読みする以外では%%感情的になる場面は少ない。
%%初登場した時は米ソ首脳会談会場で赤ら顔で終始怒鳴り散らしてた?アレは名前が同じで容姿もよく似た別人です。(作者談)%%
少佐と「ミーシャ」の一触即発の険悪な仲を制止できる数少ない人物。
冷戦時代の役職は二等書記官。「ミーシャ」とは公私に渡る親友で、デスクには2人が写った写真を飾り、シベリアへ送られた彼を本部に戻す為に費やした努力は並々ならぬものと察せられる。
作中ではあまり上下関係を伺わせないが、実は「ミーシャ」の上司にあたる立場である模様。
**SIS(イギリス情報局秘密情報部)
・チャールズ・ロレンス
様々な[[スパイ]]の秘密道具を愛する、ジェームズ・ボンド気取りのエージェント。
英国人らしく[[紅茶]]を愛し、テーブルにはカップが常備され、キザったらしく「ふっ」と効果音を飛ばすのがお約束。少佐を一方的に盟友と見做してつきまとった事で少佐の英国人嫌いを加速させた。
初登場時はまだ漫画的に無能なスパイ程度だったのだが、やがて「遊び心」を合言葉に周囲を巻き添えに享楽的な趣味を主張し始め、&b(){存在するだけで想像を絶するストレスを与える最終兵器}とまで評されるに至った。その威力たるやあのジェイムズ君を素でドン引きさせられるほど。
伯爵からも過ぎた遊び心、芸術品の「ヌードか否か」という美意識の欠片もない判断基準、極め付きは「少佐の最大の理解者」という譲れない立場を巡った対立で嫌われているが、根の性格は似たところはあるため、パーティー等の企画があれば共に楽しんで行動する。%%要は同族嫌悪%%
本編のメインストーリーには殆ど関わらず、活躍の場は番外編。そのため「番外編の男」を自称する。
階級は少尉で上司のミスターL曰く「あれでなかなか役に立つ男」。%%でもいつもヒマらしい。%%
実際、少佐がKGB(と伯爵)と争奪戦を繰り広げた「ルビヤンカ・レポート」を%%誰もスパイだと思わないので%%東側に悟られることなくSISから西ドイツのNATOに送り届けた。
&bold(){眉毛の}モデルは初代ボンドのショーン・コネリー。
・ミスターL
その名の通り(?)に情報部部長以上の肥満体。2人は若い頃からの盟友同士。
ロレンス同様『007』のようなスパイのやりとりにロマンを感じており、少佐と接触するためにも回りくどい方法を取った。
%%そのせいで人形のスカートめくりをさせられた少佐は母娘連れにドン引きされた%%
孫のメリンダ(7歳)をかわいがっており、優秀なエージェントがいれば彼女の結婚相手とするべく声をかけている。%%ロレンスは声をかけられたことがないので、一応の見る目はある模様。%%
現在その相手として「鉄のクラウス」として名高い少佐にご執心。
やはり情報部部長と同様に若い頃はイケメンだったという裏設定がある。
**その他の人物
・執事(コンラート・ヒンケル)
エーベルバッハ家に少佐の父の代から伝える[[執事]]。
城内の家事を取り仕切る使用人の長。主を守るためならばその命を投げ出すことも厭わない。
母を早くに亡くした少佐の母親代わりとも言える人物で、少佐の就寝前の「メリーさんのひつじ」は彼の子守唄だったらしい。%%執事の歌うひつじの歌%%
少佐にとってはいい意味で「空気」のような存在。
当時はフサフサだった髪は見るも無惨なスダレ頭と化している。%%間違いなく主のせい%%
・ジャン・マリア・ボロボロンテ
イタリアマフィアのファミリーのボス。
裏社会の交流会で伯爵と知り合い、米ソ首脳の眼前で爆弾入りの花瓶を〝盗み〟出した大胆さに惚れこむ。それ以来、ヘヴィーでディープな愛を向け続け支援も惜しまない。
&bold(){愛人(女性)も全員が少佐も見間違えるほどに伯爵ソックリ}という念の入れよう。
伯爵と交流のある少佐にも一方的な友情を向け、部長とは伯爵談義に明け暮れお茶会まで開催した。
元はアシスタントとして参加した友人の漫画家によるモブだったのが、作者によって脇役へと昇格したキャラ。
名前は俳優のジャン・マリア・ヴォロンテから。
・バクチアル親子
ベイルート在住の裏社会の情報に通じる親子。
父親が特に伯爵の大ファンで息子を押しのけてでも伯爵と会話したがったり入浴中の伯爵を覗こうとする。また、サバーハが伯爵の情報を求めてきた時は、大絶賛して宣伝したという。
・サリーム・アル・サバーハ
クウェートのオイルダラーの息子。
その圧倒的な資本力は城やホテルを買い漁り、ジャンボジェットをチャーターして世界中に遊びに行けるほど。
好きでもない絵画を〝投資〟として買い漁る姿勢は伯爵の美意識では許しがたいものだが、本人が「投資で50万ポンド払うなら趣味には100万ポンド払う」と語るように、豊富な資金力は個人的趣味で絵画を購入する際にも発揮される。
しかし、そのプライドを利用され、伯爵に大量の贋作を掴まされて以来、両者は互いを不倶戴天の敵とみなしてる。
・Q(ルイ・サンドリエ)
DGSE(フランス対外治安総局)の諜報員。通称Q。
このQは少佐の部下のようなコードネームではなく、「Quatre(クァトル。仏:4)」の略で、所属諜報員リストの4番目に載っている事に由来する渾名。
元フランス外人部隊の指揮官で性格は機械的で冷徹な一匹狼。
&s(){お尋ね者の犯罪者だけど}民間人である伯爵に爆弾付きの首輪を装着させて人質とし、解除用リモコンを探させて任務の障害となる少佐を翻弄した。しかもこのリモコンから&bold(){電池を外しておく}という嫌がらせ付き。
別れ際の少佐の発言から出番はそれきりかと思われたが、まさかの再登場。
一匹狼のスカした性格から同僚にも「スカQ」と嫌われてる上に、独断専行から一網打尽にできたはずのテロリスト達を逃す失態を犯す。&s(){落とし穴にはめられてるのを見た伯爵は爆弾首輪の恨みを晴らさんと煽りまくった}
休暇と言う名の謹慎処分を受けるが、独自に少佐らと行動を共にしてテロリストを捕縛し意趣返しを果たす。
今度は自分で「オール・ボワール(また会おう)」と去っていった。
・ニッコロ・ニコリーニ
イタリア・ラヴェンナ地方の古書店の老店主。
深い学問的知識はボーナム君が花を咲かせる程の憧れの君。
裏の販売ルートを取り仕切り、独自の贋作工房ともつながりを持った正体の計り知れない人物。伯爵も訊ねたが「ラヴェンナの古書店主だよ。知らなかったのかね?」とはぐらかされた。
執事は強面。
*余談
・エーベルバッハ=Eberbachは日本語で「猪の川」の意。エーベルバッハ家の家紋も川を渡る猪の図案。かつて販売された複製原画セットにはエーベルバッハ家のコーヒーカップとソーサー%%と少佐の絵がプリントされたネスカフェ・ゴールドブレンド%%が付属していた。
・・前述のとおり、『金田一少年の事件簿』の「黒死蝶殺人事件」に登場した猪川将佐警部の元ネタがエーベルバッハ少佐である。
・No.11「9月の7日間」は任務のために各地を巡る6日間を終えた少佐と伯爵が最後の1日を休日として安らかに眠って締めくくられる。この詩的なエンディングに萩尾望都が「これは最初から決めてたんですか?」と訊ねたところ、作者の青池保子は&bold(){「1日余ってしまいました」}と返したとのこと。
・少佐がNATO所属なのは『秘密諜報員』『秘密諜報員ジョン・ドレイク』の影響。ドイツ人なのは第二次世界大戦を舞台にした作品などで悪役として登場することが多かったので主役側にしたかったからなのだとか。作中にもジョン・ドレイクという諜報員が登場している。
・・伯爵とジェイムズ君が登場する『イブの息子たち』番外編「プリズナー69」とゲストキャラのパトリック・マックグーハンも『プリズナーNo.6』と同作の主演、およびジョン・ドレイクの演者の名前が由来。
・ドイツ軍人が活躍する日本の漫画作品として[[ドイツ連邦軍]]の広報誌『Y.(イプシロン)』の2003年3月号で2ページに渡って紹介されている。&s(){そして少佐は「&ruby(ラングハーリッヒ){langhaarig}!(髪が長い)」とツッコまれた。}
・青池保子の漫画家生活60周年を記念した展覧会にて、当作の関連アイテムとして&b(){カシオミニが展示されていた}。
追記・修正は少佐の怒号とジェイムズ君の貧乏性にめげずにプロの技でお願いします。
#center(){
エロイカより愛をこめて。Goodluck。
}
#include(テンプレ2)
#right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,6)
}
#include(テンプレ3)
#openclose(show=▷ コメント欄){
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- 母親の本棚に置いてあったから名前だけ知ってたんだけど、これ『南国アイスホッケー部』もびっくりのコンセプトガン無視路線変更ギャグマンガだったのか…すごく真面目な漫画だと思ってた -- 名無しさん (2025-05-03 14:59:41)
- いやまぁ本人らは真面目にやってるからギャグ漫画かと言われると微妙なところもある -- 名無しさん (2025-05-04 01:28:57)
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