阿久津渚

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阿久津渚 - (2025/07/04 (金) 21:55:23) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2025/07/04 Fri 19:29:01
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&font(#6495ED){所要時間}:約 11 分で読めます

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#center{&font(b,#696969,18){よお、お前。&br()そのまま怪我したフリして、誰かと代わってくんねえか。なあ~~~~~?}}

&bold(){&ruby(あくつ){阿久津}&ruby(なぎさ){渚}}は、漫画『[[アオアシ]]』の登場人物。

アニメ版声優:武内駿輔
舞台版俳優:橋本全一

**人物
東京シティ・エスペリオンのユースチームに所属する高校2年生。
主人公・[[青井葦人]]と同じく、ユースへの入団方法としては最も難しい狭き門であるセレクション(試験)を受けて入団した選手で、前年度では唯一の合格者だった。
ポジションはセンターバックで、進級前の1年生時点でレギュラーを掴んでおり、現ユースではダントツの天才・栗林晴久に次ぐ有力株とも言われる実力者。

細マッチョ体型で坊主頭、瞳は小さく目を見開く時以外は細目で描かれる鋭い目つき。
悪い顔ばかりする人間なせいもあってかなりの悪人ヅラであり、「渚」という中性的で爽やかな印象を与える名前とは全く似つかわしくない。
そのせいなのか(親しみにくいせいもあるだろうが)名前で呼ばれる場面は皆無。

口を開けば怒号・暴言・憎まれ口、といった感じの非常にひん曲がった性格。
本気で苛立って言っていることも少なくないが、意図的な挑発としてこうした態度に出ている場合もある。
この性格に加えて根っからの一匹狼で、周囲と交流を持つことはほとんどない。
それでもサッカー選手としての向上心は本物で、正真正銘サッカーに全てを賭けている人間であり、礼儀も弁える時は弁えている。

エスペリオンユースでの背番号は4。


**ストーリー上にて
最初のエピソードであるエスペリオンユースのセレクションから登場。
この時は阿久津以外のユース生はほとんど喋らないモブに近い扱いであり、セレクション編では阿久津が敵役を一手に担っている。

#center{&font(b,#696969,16){気の毒にな。お前じゃないぜ。お前の周りがだよ。&br()才能ねぇ奴が、努力とか挑戦とか…誰も幸せにならねぇ。知ってたか?}

&font(b,#696969,20){クズが!&br()&font(16){ここで引き返せ。球遊びに戻れ。お前みたいなのが来る場所じゃねぇ。}}}

セレクション生とユースが対戦することとなるが、力の差を考慮して新2年(この時点での1年)かつ控えで構成していたため、阿久津は線審をやらされていたが、アシトのことが一目見て気に食わなかった阿久津は、わざわざ申し入れてまで出場。
&s(){と言いつつ阿久津と同列じゃないとおかしい桐木や高杉も普通に混じってるのは気にしないでおこう。}
空中での競り合いから倒れ込んだ際に&bold(){不可抗力を装って掌底を押し込む}という卑劣な暴力まで行って痛めつけるが、最後には出し抜かれる。
それでもアシトが全く歯が立たないフィジカルに加えて、出し抜かれたのは阿久津自身ではなく味方が釣られたためで、そこからゴールカバーでシュートを一発は防ぐなどこの時点からちゃんと実力者としては描かれている。

初対面時は好青年を装って近づき、そこから急に掌を返すことでさらに心理攻撃をかけていたが、この猫被りはアシト以外にはほぼやっておらず、周囲からは普通に素の性格で認識されているため、ただアシトを攻撃するためにやっていた様子。
ただ、序盤では普段は無言の笑顔で立っているコマが散見されたので、連載と共に撤廃された設定なのかもしれない。

アシトはセレクションに合格したものの練習初日は散々な内容であり、それをしっかり見ていた((「下級生の練習を観戦して意見を言い合う」という練習メニューだったため。))阿久津はアシトの前に現れて久方ぶりの対面となりボロクソに罵る。

#center{&font(b,#696969,20){親も馬鹿だな。&br()&font(16){才能ねぇ息子に無駄な投資…愛媛から来させるくらいだ。本気で息子に夢見てプロ契約金でも当てにしてるんだろ?&br()ユースを勘違いしているお受験ママってのが毎年いるんだ。&br()前に お前の周りが気の毒って言ったが、気の毒なのはひょっとしてお前のほうか? クックックッ。}}

&font(b,#00bfff,18){親はやめろよ…&br()親はやめろ。関係ねーだろ!!!!}

&font(b,#696969,16){関係なくねーだろ、金出してんだろ―――&br()フッ。お前、ユースに来たらなんとかなると思ってただろ?&br()今はできないことも、誰かが教えてくれて、いつかできるようになると思ってただろ?&br()セレクションから進歩がねぇ。それが証拠だ。}}

何も言い返せず自分の覚悟の甘さを突きつけられたアシトは、破れかぶれで望コーチに頭を下げて助言を求めたり、阿久津の言葉が頭を離れず兄経由でユースの諸経費を教えてもらうなどの行動に出ることに。
以降もアシトが何か躓く・ヘコむ度に罵倒の言葉で追い討ちをかけてくる流れが何度も続く。
言い方はともかく筋は通っている罵倒なのが厄介なところで、アシトも黙って飲み込むか真っ向から反論するかのどちらかになりがち。


しかし、成長を重ねたアシトは阿久津と同じAチームに合流、そして試合に出られるところまで上り詰める。
そのうえ、その間にFWからサイドバックへとコンバートされたアシトは、DFを統括する阿久津としては嫌でも積極的に関わらなければならなかった。
個人として成長するために手本が欲しいアシト、チームメイトなのでアシトを成長させなければならない阿久津の利害は一致しており、お互い不承不承ながらに師弟的な関係を築くことになり、
そして阿久津のしごきもしっかりモノにして成長したアシトをもはや認めざるを得ず、そうそう態度には出さないながらもハッキリと信頼を置くようになった。


**選手としての能力
#center{&font(b,#696969,16){動くな。そこで待て。&br()背中をゴールに向けすぎなんだよ!&br()タッチラインに背を向けて、半身で中を向いて待ち構えろ。}}

作中どんな相手にも、世界レベルですら全く当たり負けることのない作中最強クラスのパワー、
その気になれば非常に広範囲をカバーでき、攻め上がっても驚くほど早く守備へ戻るスピードを併せ持つ、圧倒的なフィジカルの持ち主。
気性に反してサッカーIQも高く、的確な指示を出すディフェンスリーダーを務め上げるコーチング技能、
激しいタックルは多いが愚行として描かれることは通常なく、戦術的に正しい個人守備ができる判断力。
キック技術も高いと思われ、ロングフィードでチャンスの起点になる場面も多数。
作中描写としても現実に当てはめても&bold(){全方面で優秀な、非常に完成度の高いセンターバック}。高いレベルのプレーを理解できるようになったアシトをして「完璧な人」と言わしめた。

さらには&bold(){頻繁に前線に攻め上がってフィニッシャーとしてシュートを叩き込める攻撃センス}を持ち、当然ポストプレーもできる。
応急措置としてFWとしてプレーすることも普通にチームの選択肢に入っており、作中年度の高円宮杯プレミアリーグでチーム3位タイの7得点をマークしているほど。
対バルサユースでは&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){守備と攻撃の両面を一人で統括する古典的リベロまでやってのけている}}。
「攻め上がる時の意識は100か0。攻め上がる時は残る人間を全面的に信用するし、1%でも気になるなら残る」という指針を持っている。
それでもさすがに現実ではやりすぎな攻撃頻度の高さだが、プレーの流れで前に出た時にFW顔負けの攻撃センスを見せるCBというのは割と居る。


**人間関係
実力主義のユースの世界で、その並外れた実力と、問題児だが少なくともサッカーには本気で向き合っている姿勢もあってか、性格の悪さに反してチームメイトには概ね割と認められている。
初の代表招集で空回って荒れていた際には義経と高杉から口々に罵られるも、共通して「こういう時のアイツは発破をかけた方がいい」と思っての言葉であったり、
次期キャプテンを決める際には、実力・人格共に申し分ない候補筆頭だった高杉を中心として(阿久津以外の)2年生の総意で阿久津が据えられることに。
信じ難い提言に阿久津は驚愕するも断れず、キャプテンとしては持ち前のコーチング力も活かして彼なりにスパルタ路線でチームを引っ張っている。

天才・栗林をライバル視しており、チーム内でそういったスタンスを見せるのは他に、ポジション被りのせいで「ナンバー2」コンプレックスを抱く桐木だけである。
ほとんどのチームメイト(主人公であるアシトでさえ)は栗林がチームの絶対的エースであることは完全に認めている。
一方で栗林は「福田さんの理想のチームのためにはサイドバックが穴だと『二人で』よく話した」という発言など、サッカーを語り合える数少ない相手として阿久津を扱っている様子があったり、
阿久津も試合中などには「&bold(){栗}」と愛称のような異例の呼び方をしていたりと(普段は普通に「栗林」)、阿久津がツンデレなだけでお互いに強く認め合っているような印象も感じられる。

同室は中村平。
平のコミュ力の高さは阿久津相手でも発揮されており、最初に(一応)打ち解けたのも平だったらしい。
平が引退を表明した時はいつもの憎まれ口で「辞める気なら居ても邪魔だから今すぐ辞めろ」と嘯いて仲間と揉めたものの、
引退試合で平を出場させるチャンスをぶち壊してしまったアシトに対して、同じピッチに居た自分にも責任の一端はあるが故の苛立ちが重なって久しぶりに手が出るほど当たり散らし、
そこに現れた平に別れの言葉を贈られた時には呆然として憎まれ口一つ返せないといった反応からも、阿久津なりに仲間意識を持っていたのは間違いないだろう。


**過去
#openclose(show=【ネタバレ注意】){
父親はいつのまにか居なくなっていた母子家庭で、男遊びに明け暮れている母・千早から&bold(){ネグレクトを受けており、ゴミ屋敷で暮らしていた。}
サッカーを始めたのも母が&bold(){「外で遊ばせて放っておけるから」という動機でサッカーボールを買い与えた}だけ。
そんな彼がたまたま稀有な才能を持っていたおかげでエスペリオンのスカウティングに引っかかり、セレクションの合格を勝ち取り、育成部長の加瀬が親代わりとして引き取ったも同然の状態。
そのため加瀬と福田には強い恩義があり、彼らに対しての態度はかなり殊勝。

文字通りエスペリオンが唯一の居場所で、クラブの手厚い支援を受けられるユースのうちに成功してプロになりサッカーで食っていくしかないという、&bold(){一般的な日本のサッカー選手にはまずあり得ない過酷な環境}に立っていたのだった。
もっとも、作中でも語られるように海外なら後の名選手がこのくらいの劣悪な環境に生まれることも珍しくなく、作中の人物でもアルゼンチン育ちのラスボス・デミアンなどは同等以上の地獄を見てきている。
そのせいなのかデミアンを&bold(){「目の死に具合が俺と似てる」}と評する発言も。

また、同じく片親だが良き母親に愛されて育ったアシトとは、アシトを目の敵にしたのも宜なるかな……という風に見えるが、
初対面の時には阿久津がアシトの家庭環境を知れる要素はなく、「仲良くなろう」「全員で合格だ!」といった甘ったれた台詞に反応したものとして描かれているので、直接的に因果関係があるわけではないと思われる。
そのため、遠征しているという情報とボロボロのスパイクから「家族に無理を言ってやって来た貧乏人」だと推測、反応を見て罵詈雑言を組み立てていったような感じのはずである。
結果としては「お前の周りがだよ」も「親も馬鹿だな」もアシトには痛烈な一撃になっていたのだが……


無関心を貫いた母は入団以来完全に関係は絶たれていたが、突然母の名で病院の住所が書かれた手紙が送られてきて、意図のわからないその行為に動揺し、しばらくプレーに冷静さを欠きチームを低迷させることに。
向き合う覚悟を決めた阿久津が加瀬と共に向かった病院では、癌で余命幾許もない痩せ細った母の姿があった。
それでも憎まれ口を叩く母に苛立ちながら、なんのつもりで手紙を送ったのか問うと

#center{&font(b){ただ、……寂しくなった…………}}

その一言で、かつては母に一度でも自分を見てもらいたかったこと、
全てを失い死を待つだけの母の中に、曲がりなりにも最後に残っていたのは自分の存在だったということを悟り、憎悪を克服。
こんな言葉一つでこれまでの仕打ちを許せるはずもなく、どのような言葉を交わしたかは定かではないが、その日一日は病室に残り、亡くなるかどうかというタイミングであろう年末年始も母の病室で過ごした。}



&font(b,#696969){てめェよォ…追記・修正もできるぐらいにならなきゃ、どうしようもねぇぜ。}

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