薪ストーブ

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薪ストーブ - (2024/10/21 (月) 20:59:48) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2011/10/21(金) 11:51:08
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&bold(){薪ストーブ}とは、基本的に鉄の箱に煙突と扉と空気の入り口をつけた暖房器具である。
寒さが厳しい地域の[[田舎]]では、今も現役でやすらぎとぬくもりを与えつづけている。

たき火が文化のはじまりであるとするなら、薪ストーブは火の文化の最終進化系といえる。
火をストーブに閉じこめ、薪の燃焼をコントロールしやすくした結果、熱効率が飛躍的に向上。
この二点において、薪ストーブはたき火の完成形といえるだろう。
 
国内でストーブを初めて製作したのは安政3年(1856年)。
[[北海道]]の寒さを克服するため、入港中の[[イギリス]]船で使われていたストーブを参考に作られた。
その後、鋳造技術の発達や外国から持ち込まれたストーブの影響を受けながら様々な改良が加えられ、ズンドウやダルマストーブの名で官庁関係を中心に使われる。
燃料は長らく石炭が使われていたが、しかし石油の需要が高まると石炭は手に入りにくい物となったため、徐々に消えていった。

その後、明治中期頃にブリキを材料にした薪ストーブが製作された。
現在にいたる時計型ストーブ、ダルマ型ストーブと呼ばれる原型だと思われる。
材料が薄板のために加工が容易で各地で作られ、耐久性はないが軽くて安価なため普及した。

 
……とまぁ、歴史的蘊蓄はここまでにして。


想像してみよう。

雪と寒風で冷えきった体。
帰宅すると、薪ストーブの近くに座るじいちゃんばあちゃんが「おかえり」と迎えてくれる。
冷えた手を薪ストーブにかざせば、遠赤外線の炎があなたを包み、体がじんわり温まっていく……。

「もう、お前から離れたくない…」



あるいは正月の風景。
網の上で膨らむ[[餅]]。
醤油をつけて再び網に乗せれば、垂れた醤油の焦げる香りが広がる。
醤油を吸ってほどよく焦げた餅の外側はパリッ、中は熱々もちーん。

 
&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){うまく焼けたらの話。}}}
&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){欲張って醤油つけすぎると形象崩壊する。ほんとに。}}}
&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){あと、魚も焼けるっちゃ焼ける。}}}
&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){室内に煙が充満するので換気扇を回すか、それが嫌なら普通にグリルで焼きましょう。}}}
薪ストーブカタログや初心者ガイドなどもあるので、薪ストーブライフに浪漫や情緒を感じた人は書店や通販サイトで探してみるといいだろう。



さて、肝心の燃料。
薪を購入する場合は、木の品質にもよるが一月2~6万円ほど。
山を所有しているなら適宜伐採し、薪割りをして積んでおくこと。
伐採したての木は水分があって燃えにくいため、その年ではなく来年の冬に使う。
また、木の種類によっては乾いても燃えにくいものがあるため、何でもいいから割って積んで乾かせばいい[[というわけ]]ではない。 
火種は松の根や、灯油を染み込ませた新聞などを使う。

慣れていないと火種だけが燃え尽きて終わったり、途中で消えてマッチを何本も使うハメに陥る。
最終手段は灯油噴射。
しかし、かけすぎると一瞬で燃え盛るので危険。


積雪地域のホームセンターは大体、秋が深まるあたりから雪が本格的に積もる頃まで、薪、薪ストーブ、煙突が店頭に並ぶ。

薪ストーブ本体の値段はピンキリ。安いものは錆びやすく、あまり年数も長くもたない。高いものは頑丈さと機能性、さらにお洒落な感じも追加される。
煙突は別売り。直径と長さを確認して買おう。
ストーブと煙突がかなり熱くなるため、小さい子どもがいてもいなくても柵はあったほうがいい。

年寄りはやかんを乗せておきたがるが、常にぐつぐつ沸騰している湯があるのは危ない。
水を足し忘れて空焚きの心配もある。


次にお手入れ。
煙突は専用の器具(でっかくて粗いタワシに長い棒がついたような感じ)を突っ込み、ゴリゴリ擦る。
そしてストーブ本体と逆さL字状になっている煙突の繋ぎ目付近の蓋を外すと、煤がどっさり落ちる。
火箸で煙突をガンガン叩いて落とす場合もある。
煙突掃除をする際、室内にあるものに煤がかからないよう覆いをしておくのも忘れずに。

ストーブ内に溜まった灰も定期的に掻きだす。
薪ストーブで紙類をやたら燃やすと、すぐに灰がいっぱいになるので注意。暖房器具であってnot焼却炉なのだから。


 
最後に問題。
安いストーブや煙突を長年使うと、ストーブを置いている部屋の壁や天井が真っ黒になる。
また、風がやたら強い日は煙が逆流する。洗濯物が室内に干してあると、見事に煙のにおいがついてしまう。


木を燃料にしているという点では、ペレットストーブも薪ストーブの仲間(むしろ進化系)といえるだろう。
値段は薪ストーブよりかなりお高く、設置費用等も同じく高い。薪ストーブも煙突用の穴を作る工事費がかかるが。
しかし、燃料代は先に書いた薪よりかなり安く安全性も高い。

また、薪に火がついても部屋が暖まるまで時間がかかる。
加えて自動着火装置なんてものもない。
寒い日の朝に部屋を暖めておきたいと思うなら石油ストーブを使う方が遥かに楽であり、燃料費も安く済む。
上記の様な手入れも薪割りも必要がなく、地震などでは自動消火もしてくれるため火事にもなりにくい。
調理や火を見たいならキャンプの焚き火グリルを買ってそこで薪を燃やすだけで十分楽しめるだろう。


だが、金で優劣を決めるのは愚問だ。
人類は火を拠り所にし、今日まで生活してきた。
電化製品に埋もれた生活の中、[[なんとなく]]見ていた番組内でさりげなく映る薪ストーブを「いいなぁ」と思った人はけっこういるのではないだろうか。
 






追記修正は、真冬に朝一番に起きて薪ストーブに火をいれてくれる人に感謝しながらお願いします。

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- 道は険しいなあ……  -- 名無しさん  (2014-01-16 13:51:15)
- ↑しかも焚いてる部屋の空気悪くなるから喉も痛めやすいのよこれが。でも焚いてるとこに集まって駄弁るのは楽しいからやっぱり憧れるな……  -- 名無しさん  (2014-01-16 16:44:00)
- 最近は薪ストーブ風の電気ストーブというのもある。それはそれでどうなんだろうか。  -- 名無しさん  (2024-03-19 13:55:18)
- 地元が田舎で林業やってる家が多いから、廃材を利用できる薪ストーブが未だに現役のところ多かったりする。でも廃材程度だとストーブの周囲しか暖かくならないんだよね。  -- 名無しさん  (2024-10-21 20:59:48)
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