會川昇

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會川昇 - (2017/01/28 (土) 00:55:41) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2012/06/13(水) 02:59:47
更新日:2024/01/28 Sun 20:14:16
所要時間:約 9 分で読めます




會川(あいかわ)(しょう)は日本の脚本家。本名は会川(あいかわ)(のぼる)。東京都出身。
読みが同じなのでよく間違えられるが、決してVシネの帝王ではない。

アニメ、特撮の両面で活躍しており、仮面ライダー、スーパー戦隊、ウルトラマンの3大ヒーロー番組でメインを張った事のある稀有な人物。

OVA全盛期だった90年代、様々なOVAで脚本を担当していた。


<経歴>
「亜空大作戦スラングル」でデビュー。それ以前は雑誌の編集者をやっていたらしい。

師匠は人造人間キカイダーや快傑ズバットのメインを担当した長坂秀佳。
直接は関係無いが、劇場版・空の境界やテイルズ・オブ・リバースを担当した平松正樹は會川の兄弟弟子に当たる。


<作風>
一言で言うならばドSである。

登場人物の大半は設定の段階で何かしらのしがらみやトラウマ、悩みを抱えている事が多い。
それらに日々、悩まされまくっていたのに、ストーリー開始と同時に更なる災難に襲われてしまうのである。

その災難が話を進める毎に苛烈になっていき、見てる方が気の毒になってしまう事も。

そういった積み重ねの末に雰囲気が陰鬱になり、情勢の整理が着かなくなるため内容に着いて行けず視聴を切る者も多い。

しかし、登場人物それぞれの境遇への向き合い方が非常に人間くさく、
そんな境遇でも自分なりの生き方を貫こうとする姿勢を描いていくストーリーを推す層は少なくない。

余談だが、キャラの複雑な心情をセリフで説明しようとして、かなり長々と要領の得ないセリフをキャラが喋る事が時々ある。


<原作からの乖離>
「アニメにはアニメなりの演出があるんだから、そのままアニメ化して面白くなる訳が無い」
という類の考えの持ち主であり、彼が担当した原作有のアニメは世界観や作風を意図的に変えられる。

大江戸ロケットやUN-GOのように根幹から変えてる物もあれば、鋼の錬金術師や屍姫のように表面上の設定はそのままだったりとニュアンスは異なるが、
原作からかけ離れた物が出来上がるので原作レイプと騒がれる事は少なくない。

この事もあってか彼が担当した作品の原作ファンからはかなり警戒されており、辛辣な目で見られている。


<降板>
実はかなり我が強い人物で有名。
前述のような苛烈な展開が行き過ぎて咎められる等の行為が発端として他のスタッフと衝突する事が多く、
結果的に事態が収束せずに會川がそのまま降りたとされる番組がそれなりの数に上る。

他者との衝突がアニメ制作以外の舞台でも多いのか、担当作品のノベライズを執筆した際にもリリース直前になって発売中止になった作品が多い。

近年では仮面ライダーディケイドでの降板が話題に出やすいが、彼の全盛期を知るアニヲタからすれば「いつもの事」だったらしい。
もしかしたら降板しない方が珍しい脚本家なのかもしれない。


<途中降板したとされる番組>

  • 獣神ライガー
第1話を担当。普通ならそのままメインを担当するはずだが4話を書いて降板。

  • THE八犬伝
OVA。第1期の脚本を担当するも新章は1話で降板。

  • 七星闘神ガイファード
3人いた脚本家の一人だったが、第二部以降に唯一参加せず。

  • 十二国記
45話中40話担当。ラスト5話を別の人間が担当。

  • 獣拳戦隊ゲキレンジャー
2クール目から参入。深見ゴウ関連の話を主に執筆するも3クール目以降には参加せず。
(中島かずきにゴウ関連の話を書かせたからだとチラホラ)

  • 仮面ライダーディケイド
メインだったが1クールで降板。本人曰く「不幸な事があった」が詳細は不明。よっぽど急な降板だったらしく、會川は一時期無職に。
ちなみにこの後に特撮関連の仕事からしばらく離れるが2013年3月31日に逝去した長石多可男監督を偲ぶ会にて宇都宮孝明Pに声をかけられ、
彼の担当作品仮面ライダーウィザードの52話で4年と半年ぶりに復帰した。

その他にも降板した疑惑のある番組が幾つかあるが真偽は不明。


<総評>
これらの要因が重なってか彼や担当作品に対する情報量とその見方で評価が二転三転する脚本家である。
原作や會川が関わってない前作がある作品を担当した場合、それらの知識があるファンの大半から批判が挙げられるのは避けられない。

しかし、誤解してはならないが彼が改変した世界観は非常に完成度が高く、伏線もちゃんと回収する。
ストーリー終盤において解釈の難しい展開が起こる事もあるがそのストーリーを組み立てる手腕から、前知識のない新規視聴者からの評価は高くなりやすい。


ちなみに90年代にラジオでパーソナリティを担当しており、その時に放った様々な慇懃無礼な発言の記憶から彼を嫌う者も居る。


<交友関係>
10代の頃のライター・エディター時代に取材を通して知り合った井上敏樹とは30年来の付き合い。
一緒に飲みに行った際のエピソードを會川が雑誌に載せる事が多く、その際の「電王には参加する」「東映の用心棒」といった発言は井上のアンチが活発になる原因になる事が……ホントに仲良いんだろうか、この2人。
またアイアンリーガーでは、腕相撲で骨折した井上の代わりに會川が脚本を担当したというエピソードがある。

井上「最初は仲が悪かったんだよ。あいつ生意気じゃない?いつもドヤ顔してるしな(笑)。まあ腐れ縁で今でもたまに飲むね、メシ食ったりね」


ウルトラマンGで組んだ小中千昭とはウマが合った様子で、一緒に映画を見に行くなどかなり仲が良かった模様。
近年は疎遠だったそうだが『ヒーロー、ヒロインはこうして生まれる』の対談で再会した。
(因みにその際、會川の余りにもディープなヲタトークに小中すら付いて行けず、最早小中が聞き手に回ってしまっていた)



<担当作品>



途中降板したとしても追記・修正をお願いします。

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