トムとジェリー

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トムとジェリー - (2018/10/18 (木) 14:50:47) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2012/02/07(火) 17:33:47
更新日:2024/03/29 Fri 23:52:52
所要時間:約 11 分で読めます




ト~ムとジェリ~♪
仲良く喧嘩しな♪


アメリカの映画会社『MGM』に所属していたウィリアム・ハンナとジョセフ・バーベラの2人が制作したカートゥーン・アニメ。略称は「トムジェリ」。

聡明な飼い猫「トム」と人家に巣食う凶悪ネズミ「ジェリー」の血で血を洗う抗争を描いた暴力表現たっぷりの凄惨な物語である。




……実際は2匹のどこか微笑ましい喧嘩を、ギャグとユーモアたっぷりに描いたドタバタ劇である。
暴力表現が多いのは嘘ではない。
1話完結型であり、どんなにカオスな結末を迎えても次回では全部元通りになる。

この作品の見所は2匹のドタバタは勿論、映像と音楽とキャラの動きが完璧にリンクしている点である。
台詞が無くともキャラの心情が簡単に読み取れ、秀逸なギャグも成立しており、話のテンポも悪くない。そのクオリティは50年以上前の作品とは思えないほど。
アカデミー賞も何度も受賞している。

ちなみにトムとジェリーは上記の通り原語版では台詞が無く、叫び声や口笛、鳴き声を出すくらい。
現在の日本語吹き替え版でも二人の台詞は手紙の文章など最小限に抑えられている一方、昔(60~70年代)の日本語吹き替え版ではかなり台詞が挿入されていた。

また派生作品として2匹の子供時代を描いた「トムとジェリーキッズ」という作品もあり、子供サイズによりデフォルメされた2匹が見られる。
元々身長も頭身も小さいジェリーはあまり変わってないが。


【登場人物】

  • トム
主人公。正式名称は「トーマス・キャット」
愛すべきバカ猫。体色はグレーまたは水色で、二足歩行ができる。
物語はだいたい、トムがジェリーをいじめているシーンから始まる。
最初は優位に立つものの、その後手酷い反撃を食らい、ジェリーにフルボッコにされて終了、というのがお約束。
トムの勝利回は全作品合わせて、なんと10作品にも満たない。
しかもその大半がジェリーの作戦の丸パクリだったり、単にトム優勢のままバトル続行というだけだったり、最終的にジェリーが自主的に撤退しただけだったりと、
正面きって実力で勝てたと言える作品は殆どない。

ギャグ補正の塊であり、真っ二つにされようが、串刺しにされようが、車に轢かれようが、ダイナマイトで吹き飛ばされようが、
サイコロステーキにされようがすぐさま復活する(ただし、何度かリアルに死亡したことがある。次の回には復活しているが)。
ちなみにそのトムの怪我を最後まで治させなかった奴もいる。

また有り得ないほどの多才であり、特に音楽関係では天才的である。
具体的には、主人がピアノを弾いているのを見て、自分も少し練習してみたら主人より遥かに上手くなったり、
演奏会でバイオリン・トランペット・ハイハットその他諸々を1匹で同時演奏したこともある。

スポーツも万能(テニス・ボウリング・サーフィン等)。ただしゴルフは苦手でPAR4のコースで30打以上打つほど。

ジェリーとは喧嘩ばかりだが彼が居なくなるととても寂しがったり、彼が死んだと勘違いした時は大泣きしたこともある。
まさに「喧嘩するほど仲が良い」関係である。

最新版での日本語吹き替えはスネオ(旧)
パチンコ版では珍しく主役(7)を張る。


  • ジェリー
もう一人の主人公。正式名称は「ジェリー・マウス」
体色は茶色で、トム同様二足歩行である。
体力バカのトムとは逆に頭脳が優れており、最終的に喧嘩ではジェリーが勝つのが殆ど。
ジェリーの方から喧嘩を吹っ掛けることもある。
ちなみに後述の親戚達同様に実は本人も結構強く、キレてトムを真正面からボコボコにした事もある。
余談だが「キッズ」に登場した母親も強い。多分そういう家系なんだろう。

至るところに巣を作っており、家の内外はもちろんビリヤードテーブルのポケットゴルフ場のカップグランドピアノの中にまで住んでいたことがある。

トム同様、ギャグ補正の塊で死ぬことはない(凍死しかけたことはある)。
普通なら絶対に脱出できない場所に監禁されてもすぐさま脱出し、トムを驚愕させる。

トムとは喧嘩が絶えないが、彼が家から放り出されそうになったときは家に戻れるように手を貸してあげたり、
共通の敵が現れた際は協力を持ちかけたりする等、本質的にはトムの事が大好き。
共闘の際には勝ちフラグが立っており、トムの身体能力とジェリーの知力が組み合わさり(ほぼ)100%成功させてみせる。
(「ほぼ」なのは、後述するが唯一敵わなかったのが自分のおじ・ペコスがいる為)

トムと同じく吹き替え担当は、何人かいるが最近当てているのは忍者ハットリくん


  • ブッチ
トムの悪友。恋のライバルを演じることが多い。作品ごとに境遇がコロコロ変わり、上は金持ち、下はホームレスと落差が激しい。
「空飛ぶほうき」では死んで墓の下に入っていた


  • スパイク
トムの天敵。トゲ付き首輪を嵌めたブルドック。
初登場時は非常に凶暴でトムはおろか、ジェリーにも吠え付いた。それからは段々丸くなり、ジェリーとは比較的良好な関係となっている。
しかし彼をトムにけしかける作戦に巻き込まれてわりと酷い目に合う事も多い。またジェリーの作戦が裏目に出て最終的にトムと和解した事もある。
作中最強クラスだがアリの大群には一度も勝利していない。また一度オチで保健所に捕まったままフェードアウトした事がある。
非常に子煩悩。

同じ会社が製作したアニメ『ドルーピー』シリーズにも登場。時々名前が上記の「ブッチ」になっている。

  • タイク
スパイクの息子の子犬。


  • お手伝い(メイド)
黒人の女性。足と手しか登場していない。だが一瞬だけ顔が見える話(「土曜の夜は」)がある(コマ送りでないと確認できないほどの「一瞬」ではあるが)。
トムの飼い主にも見えるがトムがジェリーを捕まえなければ外に放り出す、と何度となく発言している。
実際、ロボット猫を購入したりイナズマ(猫)を連れてきた際はトムをお払い箱にしてしまった。
(ロボット猫はジェリーの策略によって破壊され、イナズマはトムとジェリーの協力で追い出された)
宝石好きで多数の宝石を所有。
なお一応メイドらしいのだが主人の存在に触れられた事は一度もない。
というか作品によっては彼女の一人暮らしとしか思えない回も幾つかあったりする。

60年代からは彼女に代わってトムやスパイクの飼い主である夫婦が登場し、こちらは顔を見せる事が多い。

その後、2000年代の新シリーズでは白人キャラとして久しぶりにレギュラーに返り咲いた。相変わらず顔は見せない。


  • ジョージ
トムのいとこ。非常に臆病でネズミ恐怖症だが、数少ないトムの勝利回に貢献した貴重な存在。
彼が登場した「なにがなんだかわからない」は神回として有名……てか冷静に見ようが見なかろうが首と腕と脚が2倍って気持ち悪いもん ね。
最新版の吹き替えでの声はプーさん。実は昔トムの声を担当していた。


  • ニブルス
ジェリーのいとこ。タフィーという名前で呼ばれることもある。オムツ着用の子ネズミで非常に食いしん坊。彼が出てくると良い意味で場が掻き回され、ドタバタが激化する。
酒が入ると無敵になる。
ジェリー自身、彼の扱いには苦慮しているようにも見え、一杯喰わされた事もある。


  • マッスル
ジェリーのいとこその2。ジェリーの救援要請で家にやって来た。
尋常ならざる強さを持ち、トムはおろか彼が助けを求めたギャング猫3匹をあっという間にぶちのめした。
本作における最強キャラ候補の1匹。


  • ペコスおじさん
ジェリーのおじさん。TV出演の為、テキサスからやって来た。演奏中にギターの弦をよく切る為トムのヒゲを代替品として欲しがり、追い回した。
なんと人間の奥さんがいる
マッスルに並ぶ最強キャラ候補の1匹で、「おじさんに降参」では自分の甥とトムが夜中に起こしに来るペコスを止めようとするが、2匹協力してかかっても敵わなかった。


  • アリ
行進曲とともに現れる蟻。食料を強奪したり、トムを襲撃したりもした。スパイクが勝てなかった唯一の相手。


【余談】
  • 一見すると賑やかなドタバタ劇に見えるが、実はその中には結構社会風刺が含まれている。
    アカデミー短編アニメ賞の短編「台所戦争」を例にとると、インディアン(ネイティブアメリカン)の衣装をしたトムが、
    騎兵隊の衣装をしたジェリーやニブルスに敗北するというアメリカの開拓史がさり気なく描写されている。現代では、アメリカでも、普通のスラップスティックなアニメとして鑑賞されることも多いが、ある程度の年配者やアメリカの社会風俗を学んでいる人に対して、トムとジェリーを幼年向けのアニメ文化という前提で話すと困惑されることもあるので注意が必要である。

  • こちらもアカデミー短編アニメ賞を受賞した短編「ピアノ・コンサート」は、
    なんと同時期に製作された『バッグス・バニー』の短編と見事にネタが被ってしまい(ピアノで演奏する曲まで同じ)、
    互いに訴訟合戦になってしまった事も。ちなみに会社合併などを経て、今は二者とも同じ会社のアニメキャラとなっている。

  • 1940年代の短編アニメ映画全盛期を描いた『ロジャー・ラビット』には会社を越えて多数のキャラが出演したが、
    トムとジェリーは前述したとおり台詞の無いキャラである事、当時長編映画が作られていたことなどから残念ながら出演出来なかったと言う。

  • 上記の通り、リアルにやらかせば人死にが出るような内容が盛りだくさんなので、真に受けたガキんちょが本当にやらかして人死にを出した事例があり、
    海の向こうの国ではかなり深刻に社会問題化している。

  • DVD版では黒人差別と採られかねないシーンがカットされたり、トリミングで隠されたりしている。
    「南の島には土人がいたよ」から改題された「南の島」はその一例だが、タイトルコールが明らかに途中で音声を切っただけであったり、
    原住民の子供の姿をトリミングで隠したかと思いきや、大人は隠していなかったり、ジェリーを追いかけるシーンでは子供が映ったりと、
    ずいぶんと適当な修正が多い。



  • 1969年から放送中の『サザエさん』の放送開始当初は本作を参考にしたドタバタ超のギャグアニメ路線だった。



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