TRPG

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TRPG - (2020/09/15 (火) 22:10:35) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2010/12/27(月) 22:11:04
更新日:2024/04/03 Wed 21:12:29
所要時間:約 13 分で読めます




テーブルトークアールピージー(以下TRPG)とは数名の参加者達が架空のキャラクターを操り、
コミュニケーションや会話とルールブックに記載されているルールに従って物語やドラマを創造していくゲームである。

簡単に言うと皆で話し合うオンラインRPGのようなもの。
ただしコンピューターなどの電源機器は使わず、使うのは鉛筆や数種類のサイコロ、ルールブック等の道具と気の合う仲間達である。

というか本来ロールプレイング・ゲームというのはこちらを指す言葉だったのだが、
日本ではルールブックなどの普及が遅く遊ぶ層も一部に限られている……

ゲームをする前にGM(ゲームマスター)という司会者役を一人決めシナリオを用意する。
ほかの参加者はプレイヤーとなり、自分の操るプレイヤーキャラを作成する。
勿論、行動の基準になるルールブックの作成もお忘れなく(どの程度まで行為が可能かなど)。

概要

基本的な進行は

GMがプレイヤーに現在キャラクターが置かれている状況を説明する。
  ↓
プレイヤーはこの状況に対してどのような行動や判断、アクションをするか決定する。
  ↓
GMはキャラクターの反応に対してどの様に状況が変化したかを説明する。


このようなやりとりをシナリオの最終目標(ダンジョンを踏破、モンスター退治、犯人を捕まえるetc)に達するまで繰り返していく。
この一連の流れをセッションと呼ぶ。

TRPGの魅力といえば、プレイヤーにとってはその世界観で自分が作ったキャラクターが様々な事件を解決したり、
ダンジョンに眠っている財宝を入手してキャラクターを強くしていく事や、
文字通りキャラクターをロールプレイ(演じる)する事での異世界感に浸ることであろう。

もし繰り返しセッションしていればいずれは国や世界を救う英雄になれるかもしれない(一回のセッションで世界を救ったりもするが、それはGMの匙加減である)。

GMにとっての魅力は自分の作ったシナリオがプレイヤー達に蹂躙…じゃなくて遊ばれることにより、
自分が思ってもいなかった展開や結末を迎える事だろう。

また、シナリオの途中で悩んでいるプレイヤー達を見てにやけたり、助けたりするのも良いかもしれない(まあその場合は程々に)。

その性質上、遊び方、ストーリーは正に無限に(王道の冒険物からネチョネチョな18禁物まで)存在するため、
やろうと思えばリアルにこれ一本(作)で100年遊べます。

歴史

元々ボードゲームを作っていた人たちがいたが、PLの取り得る行動を拡張していくうちに臨機応変なルールが求められるようになってしまう。
そしてボードゲームの世界には、遠く離れた参加者が自分の手を郵送して遊ぶ遊び方があった。
将棋チェスなら相互に送り合うだけで済むのであるが、多人数のゲームでは何通も出さなければならないため、
「一人の所に集中して郵送し、その一人が結果の盤面を各PLに送る」という形式になる。
これを応用して進行を司るGMという役職が置かれ、TRPGが誕生した。

元は日本では一部の好事家の趣味だったが、2000年代後半からニコニコ動画等の動画サイトでリプレイ動画が投稿され出したことによりその人気は上昇。
特に、クトゥルフ神話TRPGはそれまでマイナーなものであった立場から一転、TRPGの代表格とも言える存在にまで成り上がった。アニオタの諸兄ならSAN値という単語を聞いたことくらいはあるだろう。

残念ながら今でもそこまでメジャーな趣味では無いが、最近では艦これこのすば等、メジャーなタイトルがTRPGに参入することも多い。そういったタイトルはTRPGを普段から遊ぶ人よりも、TRPGにあまり馴染みの無いであろう原作のファンをターゲットにしているため、初心者でも遊びやすいような作りになっているという特徴もある。

注意

注意としては、他人と対話して遊ぶゲームなので、最低限のTPOを弁えたること。
いくらそれなりに自由にキャラクターを動かせるとはいえ、GMや他のプレイヤーを困らせる行動はよした方が良い*1
特にルールブックの確認は入念にする必要がある。

またGMも無理難題をふっかけたりしないように*2

尚、これらの中には市販のリプレイや解説本の中にも該当する様なものも多い。
公式でやっていたとかこうした方が面白いという免罪符で行うのは慎むべきだろう。

(よくない*3プレイングの例)

ゲームマスター

  • 初期作成シナリオでドラゴンを出す、そして皆殺し。
  • 実際に戦闘を行うまで呪いアイテムの実際の効果を言わず「使っていたキャラクターは強化されたと錯覚していた」として嘘の効果を申告する。
  • PC達を魔法一発で一蹴した敵ボスのとどめをNPCに刺させる。
  • 紛らわしいモンスター表記でPLを混乱させて全滅させる(「ダイヤゴーレム‘」)。
  • 国の王が偽情報と偽証人と偽造証拠を用いた偽装裁判でシナリオ報酬の大半を奪っていく。
  • 「息子の敵を討ったら城をやる」→「黙っていたが息子は犬の事だったのだ」→報酬は犬小屋。
  • ドラゴン退治で各関所で税金を取り立てて前報酬を吐き出させ、更に帰りも各関所で取り立てを行ってドラゴンの財宝も根こそぎ奪い、更に前報酬の返却税も取り立てる。
  • 敵NPCに捕まり利用され、主要ボスはその敵NPCが倒す展開にする。
  • 世界観に関わる重要なギミックを敵ボスの逃亡に用いて、「これは危険物です」「どうぞ壊して下さい」とばかりの演出をして破壊させる。
  • 異常な数のアンデッドモンスターを出し、更に鬱展開を行ってPLの精神と判断力を消耗させたうえで「判断ミスした」としてシナリオ失敗&次回シナリオをバッド確定の展開にする。
  • 妙に小賢しいPLを警戒し、彼がいない時にシナリオを進めて不利な展開にしたり、PCを呪いにかかり冤罪で投獄拷問され更に敵組織に誘拐される展開にする。
  • 一見しただけで解かる人物特徴を「この地方では当たり前」「聞かれなかった」からとプレイヤーに伝えず、罠にはめる。
  • 遺跡探索で必要アイテムを入手したが「そこの住人たちの配慮を怠った(あくまで遺跡にたどり着いた時に知った事であり、本来の目的ではない)」としてシナリオ失敗扱いにする。
  • 状況的に罠の可能性もあり、普通は持ち運ぼうとは考えにくいアイテムを「PCへのボーナスアイテム」として配置、そしてそれを罠と判断してぶち壊すPC達。
  • 明確にキャラの扱いに差をつけて主要キャラは専用武器やイベントで優遇し*4、不遇キャラの行動だけは(アドリブや後付けで)全て裏目に出るようにする*5

プレイヤー

  • どう考えてもまともなプレイが困難なキャラを作成して(リアルの人間関係を利用して)強引にねじ込む。
  • 願いを叶えてもらうシーンで自分だけ能力上昇を頼んだり詭弁を用いてアイテムをねだる(他のキャラクターは死亡していたキャラクターの蘇生を頼んでいた)。
  • NPCが出す情報を最後まで聞かずに決めつけたり無視しようとする、会話時に適当な返答でNPCをキレさせて状況を悪化させる。
  • 通りすがりのNPCにいきなり「邪悪感知」等のスキルを使用。
  • (技能も無いのに)勝手にサイコロを振って状況を悪化させる、他PCの見せ場を奪う。
  • 勝手にNPCのセリフを被せて変なキャラ付けにする。
  • ひたすらシナリオに絡まない。
  • ひたすら沈黙し、行動指定すらしない。
  • 選択肢を決める場面ですらひたすら引き伸ばし最終決定を決めない。


自由度

かつてTRPGは「自由度が高い」と宣伝された時代もあったが、
現実には前述のように他のGMやプレイヤーを困らせてはいけないので見えない制約が非常に多い。

当wikiの自由度(ゲーム)の項目を参照してもらえれば
「寄り道をできる自由」「自由にオープンワールドを移動できる自由」「極端な構成で遊べるパーティ編成の自由」
「あえて良心に背いたりふざけた行為をできる自由」「いきなりラスボスに挑んでいく自由」「ダンジョンを爆破する自由」など
「コンピューターゲームで言われる自由度」の実現はTRPGにおいてはほぼ不可能、
あるいは理論上は可能でもGMや他プレイヤーに多大な負担をかけてしまい現実的には困難であることがわかってもらえると思う。

とはいえこれは仕方なく、TRPGの自由度が高いと言われていたのは (ファミコン時代のドラクエなどと比べて) などと注釈が付く時代の話であり、当時は事実だった。
現代の感覚でいえば、一人用のスカイリムなどの方が「自由度が高いゲーム」であると感じる人が多いだろう。

TRPGにおいては「自由度」より「協調」こそが一番の大事である。
プレイヤーもキャラクターもGMも節度をもって行動しましょう。


リプレイ

また、富士見書房やエンターブレイン社などよりTRPGのプレイした様子をライトノベル風に書き起こした「リプレイ本」が発売されている。

TRPGがどのような遊びなのか興味がある方はぜひ一度手に取ってみて欲しい。
ただしそれのみで満足し完結してしまう所謂「リプ専」化するケースも有るが。
近年は動画サイトにてリプレイを動画化、またリプレイ風にキャラクターを動かして物語を作る動画なども多く投稿されている。

ただしリプレイ本やリプレイ動画はいわば一流選手のアクロバットのようなものであり、素人が真似するのは大変危険である。
それでいて往々にして人気を博すのは「素人には真似できない」ようなプレイばかりであるため、
リプレイからTRPGに興味を持ち、リプレイの真似をしてミスをする初心者が後を絶たない。

例:「粉塵爆発」を起こそうとして却下される

TRPGにおいて「〇〇できる」という行為の全ては「GMや他PLが許せば」という前置きが付き
そしてGMとPLは人間であるため能力が有限であるのが現実である。
無責任に自由度を誇張したがために誤解を招いてトラブルを引き起こす現象に対し、「自由度幻想」という言葉が古くからあるほどである。

「本や動画で見たから」などとして勝手なことをするのは、
他人だけでなく自分も不快になっていいことが全くないので、絶対にやめましょう。
重ねて書くが、複数人のアドリブで遊ぶという構造上、TRPGは現代の一人用ゲームと比べて自由度が少ないのだ。


著名人

遊戯王の作者である『高橋和希』先生は大のTRPG好きで、
作中にTRPG(GMが俺ルールしまくるが)を何度か登場させたり、カードゲームであるM&Wのノリが完全にTRPG状態となっていたりする。
文豪ストレイドッグスの作者『朝霧カフカ』もTRPGプレイヤーであり、元々はニコニコ動画の人気TRPGリプレイ動画作者であった。

小説家にもTRPG経験者は多く、小説などを書く上でTRPGの経験はかなり活かせるとか(シナリオ作ったり、GMをやると特に鍛えやすいらしい)。
実際、TRPGから小説・アニメへと派生していった『ロードス島戦記』のような例も存在する。
近年のTRPGから派生した作品ではレッドドラゴン(RPF)がある。

中にはゲームブックシリーズから生まれた『アドバンスト・ファイティング・ファンタジー』や、
ゲームブックとTRPGの要素を併せ持った『ブラッド・ソード』、コンピュータRPGをTRPG化した『ウィザードリィRPG』といった、特殊なものも存在する。

2010年代では、舞台や設定をTRPGに見立てたライトノベル『ゴブリンスレイヤー』が「GA文庫新作として異例のヒット」を飛ばして話題に。
主人公が運が絡む要素をなるべく排除し、確実性を重視した作戦や行動を取るのも、運の要素を削ろうとするプレイヤーが元ネタ。
2019年5月には、自身もTRPGプレイヤーである作者の蝸牛くも先生の全面協力を得てグループSNEが制作した『ゴブリンスレイヤーTRPG』が発売されている。


代表的なTRPG一覧

・アドバンスト・ファイティングファンタジー
・アニムンサクシスTRPG
・アリアンロッドRPG
・アルシャード
・異界戦記カオスフレア
・異能使い
・インセイン
・ウィザードリィRPG
・ウィッチクエスト
・ウォーハンマーRPG
・Aの魔法陣
・エムブリオマシンRPG
・エンゼルギア 天使大戦RPG
・央華封神RPG
・カードランカー
・ガープス
・風の聖痕RPG
・艦これRPG
・ガンドック
・ギア・アンティーク
・CuteSisterTRPG
・巨神戦記ギガントマキア
・キルデスビジネス
・クトゥルフの呼び声(Call of Cthulhu, CoC)
・クリスタニアRPG
・ゲヘナ〜アナスタシス〜
・サヴェッジ・サイエンス
・サタスペ
・シノビガミ
・シャドウラン
・シルバーレイン
・深淵
・神曲奏界ポリフォニカRPG
・真・女神転生RPG
・スターオーシャンTRPG
・ストームブリンガー
・セイクリッド・ドラグーン
・世界樹の迷宮SRS
・絶対隷奴(18禁)
・セブン=フォートレス
ソード・ワールドRPG
・ソード・ワールド2.0
・大帝の剣RPG
ダブルクロス
・堕落世界
・ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)
・デモンパラサイト
・テラ:ザ・ガンスリンガー
・天下繚乱RPG
・天羅万象・零
・トーキョーNOVA
・TORG
・ドラゴン・ウォーリアーズ
・ドラゴンハーフRPG
・とらぶるエイリアンず
・トンネルズ&トロールズ
・ナイトウィザード
・ナイトメアハンター
永い後日談のネクロニカ
・バイオレンス
・パグマイア
・パラサイトブラッド
PARANOIA
・パワープレイ
・ハンターズ・ムーン
・番長学園!!大吟醸
・ピーカーブー
・ビーストバインド トリニティ(BBT)
・秘神大作戦
・ファンタズム・アドベンチャー
・フォーチュン・クエストRPG
・扶桑武侠伝
・ブラッド・ソード
・ブルーフォレスト物語
・ブレイド・オブ・アルカナ
・フレイムギア
・放課後奇譚RPG
・蓬莱学園
・魔獣戦士ルナ・ヴァルガー
・無限のファンタジア
・迷宮キングダム
・メイドRPG
・メタリックガーディアンRPG
メタルヘッドエクストリーム
・メックナイツ
・モノトーンミュージアムRPG
・ゆうやけこやけ
・りゅうたま
・ローズトゥロード
・六門世界RPG
・ルーンクエスト
・ワールド・オブ・ダークネス


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