登録日:2010/12/27 Mon 22:11:04
更新日:2025/02/07 Fri 20:12:37
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我々には勇気がない。
未知なる危機にたった一つの生命は晒せない。
我々には力がない。
襲いくる危険から身を守るすべを知らない。
我々には機会がない。
この世界に、まだ余人の知らぬ秘境がいかほど残っていよう。
だが、それでも、我々は冒険を体験することができる。そのための方法が、我々には与えられている。
ロール・プレイング・ゲームだ。
勇気も、力も、機会も与えられなくてもよい。
想像力の翼があれば、我々は冒険を作り出すことができるのだ。
富士見文庫 ソード・ワールドRPGリプレイ集8 亡者の村に潜む闇 冒頭より
【概要】
TRPG(
テーブルトーク・ロールプレイングゲーム)とは数名の参加者達が架空のキャラクターを操り、
コミュニケーションや会話とルールブックに記載されているルールに従って物語やドラマを創造していく
ゲームである。
なお「テーブルトーク」は和製英語であり、英語圏では「Tabletop(卓上の)」と呼ばれている。
簡単に言うと皆で会話しながら進めるオンライン
RPGのようなもの。
ただし使うのは鉛筆や数種類のサイコロ、ルールブック等の道具と気の合う仲間達である。
ゲームをする際は事前にゲームマスター(GM)という司会進行役がシナリオを用意する。
ほかの参加者はプレイヤー(PL)となり、自分の操るプレイヤーキャラを作成する。
勿論、行動の基準になるルールブックの用意もお忘れなく。
ちなみに、
本来「RPG」はこちらを指す言葉であったのだが、日本では「コンピューターRPG(CRPG)」の方が先に「RPG」として定着してしまったため、そちらとの区別もあって日本では「TRPG」と呼ばれることとなった。
英語圏でも先述の通り綴りは違えど、そのまま「TRPG」で通じる。
また、世界各国でCRPGがメジャーな遊びとして認知されてきた影響で、近年は海外でも単に「RPG」と言うと「CRPG」を指す言葉になっている模様。
【歴史】
元々ボードゲームを作っていた人たちがいたが、PLの取り得る行動を拡張していくうちに臨機応変なルールが求められるようになってしまう。
そしてボードゲームの世界には、遠く離れた参加者が自分の手を郵送して遊ぶ遊び方があった。
将棋や
チェスなら相互に送り合うだけで済むが、多人数のゲームでは何通も出さなければならないため、「一人の所に集中して郵送し、その一人が結果の盤面を各PLに送る」という形式になる。
これを応用して進行を司るGMという役職が置かれ、TRPGが誕生した。
ちなみに先述の「一人の所に集中して郵送」形式自体は、後に商業多人数参加ゲーム形式「プレイバイウェブ(PBM)」、及びそれのネット版「プレイバイメール(PBW)」へと発展。
『蓬莱学園の冒険!』等人気PBM・PBWのTRPG化も行われるようになった。
日本では一部の好事家の趣味だったが、1989年に生まれた国産TRPG『
ソード・ワールド』の登場あたりから一気に裾野が拡大。
これを入口としてD&Dなど海外産のものも幅広く受け入れられるようになる。
富士見文庫の関連書籍は一般書店に普通に並んでいたほどで、コンベンションなどのイベントも活性化する。
2000年代後半からニコニコ動画等の動画サイトが台頭し、リプレイ動画が投稿され出したことによりその人気はさらに上昇。
特に、クトゥルフ神話TRPGはそれまでマイナーなものであった立場から一転、TRPGの代表格とも言える存在にまで成り上がった。アニオタの諸兄なら
SAN値という単語を聞いたことくらいはあるだろう。
残念ながら今でもそこまでメジャーな趣味では無いが、最近では
艦これや
このすば等、メジャーなタイトルがTRPGに参入することも多い。
そういったタイトルはTRPGを普段から遊ぶ人よりも、TRPGにあまり馴染みの無いであろう原作のファンをターゲットにしているため、初心者でも遊びやすいような作りになっているという特徴もある。
【ゲームの流れと目的】
TRPGには様々な種類があるが、どんなものでも基本的な進行は
- GMがプレイヤーに現在キャラクターが置かれている状況を説明する。
- プレイヤーはこの状況に対してどのような行動や判断、アクションをするか決定する。
- GMはキャラクターの反応に対してどの様に状況が変化したかを説明する。
というやりとりを繰り返す事で、シナリオの最終目標(
ダンジョンを踏破、モンスター退治、事件の解決など)の達成に向けて話を進めていく。
この一連の流れを
セッションと呼ぶ。
多くのTRPGでは、上記に
成否判定(ロール)を加えることでゲーム性を作っている。
これは主に
ダイス(サイコロ)を使って、プレイヤーの行動が成功したかどうかを判定するもの。
例えば「探す」「調べる」「勘が働く」といった行動が成功するかどうかである。
判定は用いるシステムやルールによって非常に細かく多岐にわたり、もちろん「攻撃する」「回避する」といった戦闘にも使う。
一例
GM「目の前の道が岩に塞がれていて通れない。両脇は崖になっている」
A「岩を登ることはできるかな?」
GM「2D6で○○以上なら成功。盗賊なら-3、重い鎧着てる人は+3だ」
A「楽勝!」
B「失敗したー」
C「やべ、俺ファンブった」
GM「Cが登ろうとして手を滑らせ、Bの上にドスン。あ、ダメージはなしで」
B「重いだろ馬鹿野郎!痩せろ!」
C「すまんすまん」
A「あれ?Cお前って腰に酒瓶を吊るしてる設定だったよな?割れねぇ?」
GM「追加でもう一度判定してみよう。4以上なら酒瓶は無事だ」
C「あー…すまんワハハ」
B「お前ー!俺のカラダになー!」
A「おお、くさいくさい」
こんな感じで行動と判定しながら進んでいく。
見ての通り、現実にそこにあるのは広い机と小道具だけで、キャラクターたちの活動は参加者各々の空想上に存在している。
全てGMとPLの想像力とその共有によって進行するのである。
ビデオゲームに慣れている人からすると、こうした明確な「画」のないゲームという有り方は少々イメージしづらいかもしれないが、ボードゲームなどの非電源ゲームや、ライブ感のある小説といった趣に近いものを想像して欲しい。
TRPGの魅力といえば、プレイヤーにとってはその世界観で自分が作ったキャラクターが様々な事件を解決したり、ダンジョンに眠っている財宝を入手してキャラクターを強くしていく事や、文字通りキャラクターをロールプレイ(演じる)する事での異世界感に浸ることであろう。
もし繰り返しセッションしていればいずれは国や世界を救う英雄になれるかもしれない(一回のセッションで世界を救ったりもするが、それはGMの匙加減である)。
GMは自分の作ったシナリオをプレイヤー達に遊んでもらい、セッションの終わりまで皆に(もちろん自分も)楽しんでもらう事が目的となる。
蹂躙…じゃなくて遊ばれることにより、自分が思ってもいなかった展開や結末を迎える事も醍醐味の一つだ。
また、シナリオの途中で悩んでいるプレイヤー達を見てにやけたり、助けたりするのも良いかもしれない。
その性質上、遊び方、ストーリーは正に無限に(王道の冒険物からネチョネチョな18禁物まで)存在するため、
やろうと思えばリアルにこれ一本(作)で100年遊べます。
【リプレイ】
TRPGの代表的な楽しみ方の一つに、セッションの様子を文章化した読み物
「リプレイ」
がある。
富士見書房やエンターブレイン社などから、
ライトノベル風の公式リプレイが多数発売されており、
同人誌やWeb小説などもある。
リプレイはTRPGがどのような遊びなのか雰囲気を掴むのに極めて有用な書籍なので、興味がある方はぜひ一度手に取ってみて欲しい。TRPGの入口として大いに役に立ってくれるはずだ。
また、動画サイトでは
「リプレイ動画」
があり、こちらも同様に参考になってくれるだろう。
これらは必ずしも実際にプレイされたものとは限らず、リプレイ風にキャラクターを動かして物語を作る動画も多く投稿されている。
注意点として、基本的にリプレイはいわば一流選手のアクロバットのようなものである事が挙げられる。
往々にして人気を博すのは「素人には真似できない」プレイが多いので、参考にする際もそれを踏まえておきたいところ。
実際、クトゥルフ神話TRPGなどはGM(キーパー)の仕事や負担が極めて大きく、そもそも初心者向けでないこともある。
ただ、こういった高度なリプレイも慣れてくれば非常に参考になる事は間違いないので、もし失敗してしまってもTRPGそのものを諦めないで欲しい。
【派生作品】
TRPGのリプレイから始まって小説やアニメへと派生した作品の代表例は『
ロードス島戦記』がまず挙げられるだろう。
近年のTRPGから派生した作品では『
レッドドラゴン(RPF)』がある。
リプレイが読み物として書籍化されている事からも分かる通り、
TRPGは小説化との親和性も高いのだ。(もちろん手直しは必要だが)
特にGMを経験すると、シナリオを作る経験だけでなく自分ではないPLの行動がキャラメイクの個性作成にも繋がる。
事前に予想される展開を仕込んでおき、その上で「人間がこの状況で何を思いつくか」という生の実例も得られる。
小説家にもTRPG経験者は多く、小説を書く上でTRPGの経験が活きると言う人も多い。
中には
ゲームブックシリーズから生まれた『アドバンスト・ファイティング・ファンタジー』や、
ゲームブックとTRPGの要素を併せ持った『ブラッド・ソード』、CRPGをTRPG化した『ウィザードリィRPG』といった、特殊なものも存在する。
2010年代では、舞台や設定をTRPGに見立てたライトノベル『
ゴブリンスレイヤー』が「GA文庫新作として異例のヒット」を飛ばして話題に。
この作品の主人公が運が絡む要素をなるべく排除し、確実性を重視した作戦や行動を取るのも、運の要素を削ろうとするプレイヤーが元ネタ。
2019年5月には、自身もTRPGプレイヤーである作者の蝸牛くも先生の全面協力を得てグループSNEが制作した『ゴブリンスレイヤーTRPG』が発売されている。
<TRPGと著名人>
少し話題は逸れるが、漫画・小説・ゲームにおける著名人には意外にTRPG経験者が多い。
- 遊戯王の作者である『高橋和希』先生は大のTRPG好きで、作中にTRPG(GMが俺ルールしまくるが)を何度か登場させたり、カードゲームであるM&Wのノリが完全にTRPG状態となっていたりする。
- 文豪ストレイドッグスの作者『朝霧カフカ』もTRPGプレイヤーであり、元々はニコニコ動画の人気TRPGリプレイ動画作者であった。
- FF2やサガシリーズのゲームデザインを担当した河津秋敏氏もヘヴィなTRPGプレイヤーとして知られており、彼がデザインしたCRPGにはTRPGの影響が色濃く見られる。
- ちょっと変わった所ではポヨポヨ観察日記の樹るう先生なども別著でTRPG経験者である事が仄めかされている。
- 複数リプレイに参加している鋼屋ジン、自キャラに「ナギ・スプリングフィールド」と付けた赤松健がメインの『アルシャードセイヴァーRPGリプレイ「モーニングムーン」』、奈須きのこ・虚淵玄等が参加した三田誠がGMを務めた『レッドドラゴン』等、作家陣がゲスト参加した商業リプレイも複数存在している。
- ニンジャスレイヤーの原作者であるフィリップ・N・モーゼズ氏はTRPGの大ファンであり、インタビューにも度々ダンジョンズ&ドラゴンズになぞらえた発言が見られる。それが高じたのか彼をメインデザイナーとしてニンジャスレイヤーTRPGを制作・公式noteで有料公開しており、最終的にKADOKAWAから書籍版のTRPGルールブックが商業販売された。
逆にTRPG畑から名をあげた作家もおり、元グループSNEの山本弘や三田誠、冒険企画局の宮澤伊織(プレイヤー参加時の名前「魚蹴」)等が代表か。
【TRPG論】
<プレイ上の注意>
TRPGは他人と対話して遊ぶゲームなので、対人でのTPOも弁える必要がある。
最も大事なのは信頼関係。
どんなTRPGでも様々な悪ふざけが起こり得るが、それらは互いの信頼があって初めて成り立つ。
そこをはき違えるとGM・PL問わずただの一人相撲になってしまう。
プレイヤーは、いくらそれなりに自由にキャラクターを動かせるとはいえ、GMや他人を困らせる行動は論外である。
コミュニケーションによって進行するゲームだという事を忘れてはならない。
ルールブックの確認などもその一環と考えて間違いない。
GMもまた無理難題をふっかけたり、プレイヤーを困らせる事を目的にしているようでは三流以下である。
尚、これらの中には市販のリプレイや解説本の中にも該当する様なものも多いが、
だからといって「公式でやっていた」とか「こうした方が面白い」という免罪符で行うのは慎むべきだろう。
<マンチキン>
TRPGで古くから存在する用語。
中でもプレイに関して障害となり得る「困ったちゃん」を総称したもの。略称マンチ。
日本で定着したマンチは元祖とも言うべきマンチキンと微妙に意味合いが異なるため、「和マンチ」と呼んで区別される事が多い。
いずれにせよ、場の空気を読まない・GMや他のPLに不満を抱かせる・場の空気を乱すといった共通点は同じ。
またGM版マンチキンと呼ぶべき用語に「吟遊GM」がある。名前の通り吟遊詩人を捩った和製用語で、PLの望まないシナリオを押し付けるGMを指す。
明確な和マンチの特徴として、データの最適化や効率を尊ぶというものがある。
ルールブックを隅々まで読み込み、状況を瞬時に把握し、その場における最適解を導き出す──
と、言えば聞こえはいいが、そうでないPLにとってはガチガチにゲームを押し付けて目立ちたがる効率厨に他ならず、これが不和に繋がるのである。
TRPGでは戦闘が大きなウェイトを占めるケースが多いため、必然的に「戦闘面で能力を追求するPL」「それを前提に難易度調整するGM」が産まれる。
後者に対抗するには和マンチでないとキビシイなんて事もあり、このせいで和マンチを単なる厄介者と断じられない一面もあったりする。
(そいつら同士で遊べ!という意見ももっともだが、世の中そう簡単ではない…)
また、和マンチ自体は紛れもない悪口雑言であるため、使用者本人の意思次第で意味合いが大きく変わる事もある。
データを読み込んでいるベテランとして肯定的に捉えて自称するプレイヤーや、和マンチな本人が他人を和マンチ呼ばわりして非難するといった使われ方もされるほど。
<よくないプレイングの例>
ここでの「よくない」はルールで明確に書かれてはいない、ルール違反ではないが「やったら相手に不信感を与えうる」「他者に明らかに負担を強いる」意味での良くないである。
ゲームマスター
- 初期作成シナリオでドラゴンを出す、そして皆殺し。
- 実際に戦闘を行うまで呪いアイテムの実際の効果を言わず「使っていたキャラクターは強化されたと錯覚していた」として嘘の効果を申告する。
- PC達を魔法一発で一蹴した敵ボスのとどめをNPCに刺させる。
- 紛らわしいモンスター表記でPLを混乱させて全滅させる(「ダイヤゴーレム‘」)。
- 国の王が偽情報と偽証人と偽造証拠を用いた偽装裁判でシナリオ報酬の大半を奪っていく。
- 「息子の敵を討ったら城をやる」→「黙っていたが息子は犬の事だったのだ」→報酬は犬小屋。
- ドラゴン退治で各関所で税金を取り立てて前報酬を吐き出させ、更に帰りも各関所で取り立てを行ってドラゴンの財宝も根こそぎ奪い、更に前報酬の返却税も取り立てる。
- 敵NPCに捕まり利用され、主要ボスはその敵NPCが倒す展開にする。
- 世界観に関わる重要なギミックを敵ボスの逃亡に用いて、「これは危険物です」「どうぞ壊して下さい」とばかりの演出をして破壊させる。
- 異常な数のアンデッドモンスターを出し、更に鬱展開を行ってPLの精神と判断力を消耗させたうえで「判断ミスした」としてシナリオ失敗&次回シナリオをバッド確定の展開にする。
- 妙に小賢しいPLを警戒し、彼がいない時にシナリオを進めて不利な展開にしたり、PCを呪いにかかり冤罪で投獄拷問され更に敵組織に誘拐される展開にする。
- 一見しただけで解かる人物特徴を「この地方では当たり前」「聞かれなかった」からとプレイヤーに伝えず、罠にはめる。
- 遺跡探索で必要アイテムを入手したが「そこの住人たちの配慮を怠った(あくまで遺跡にたどり着いた時に知った事であり、本来の目的ではない)」としてシナリオ失敗扱いにする。
- 状況的に罠の可能性もあり、普通は持ち運ぼうとは考えにくいアイテムを「PCへのボーナスアイテム」として配置、そしてそれを罠と判断してぶち壊すPC達。
- 明確にキャラの扱いに差をつけて主要キャラは専用武器やイベントで優遇し、不遇キャラの行動だけは(アドリブや後付けで)全て裏目に出るようにする。
プレイヤー
- どう考えてもまともなプレイが困難なキャラを作成して(リアルの人間関係を利用して)強引にねじ込む。
- 願いを叶えてもらうシーンで自分だけ能力上昇を頼んだり詭弁を用いてアイテムをねだる(他のキャラクターは死亡していたキャラクターの蘇生を頼んでいた)。
- NPCが出す情報を最後まで聞かずに決めつけたり無視しようとする、会話時に適当な返答でNPCをキレさせて状況を悪化させる。
- 通りすがりのNPCにいきなり「邪悪感知」等のスキルを使用。
- (技能も無いのに)勝手にサイコロを振って状況を悪化させる、他PCの見せ場を奪う。
- 勝手にNPCのセリフを被せて変なキャラ付けにする。
- ひたすらシナリオに絡まない。
- ひたすら沈黙し、行動指定すらしない。
- 選択肢を決める場面ですらひたすら引き伸ばし最終決定を決めない。
- 他のPCに、不快にさせる発言や挑発するような発言をする。
<想像力>
TRPGは参加者同士がある程度共有した
想像力
が必要なゲームでもある。
遊ぶ際はGMもプレイヤーのどちらにも豊かな想像力が求められる。
…といっても、なにも頭が沸騰するまで常にフル回転しろと言うわけではない。
キャラクターとして動くために、どんな世界で、どんな常識を持ち、どんな行動ができ、結果どうなるのかをなんとなく想像するのだ。
実は、これがTRPGの基礎の中で最も重要で、かつ難しいポイントの一つでもある。
ルールブックを読んだだけで身に付くものではないため、初めてTRPGに触れる人にとって最初の壁になりうるほどだ。
ぶっちゃけてしまえば「雰囲気を掴む」という事なのだが。
例えば、キャラクターメイキングの流れを少し想像してみよう。
まず容姿や性格の概要を作らなくてはならない。
すでに作ってみたいキャラクター案が脳に浮かんでいるのなら、それを他人に具体的に伝えられる形に仕上げる。
そうでない場合、例えばゲームの舞台が
ファンタジーRPGならば、その世界には様々な職業があり、武器があり、魔法があるのだから、
そこから要素を一つ決め、それを土台に肉付けしていくといった方法がある。
ルールに剣を扱うクラスがあるな。よし、これを採用して剣の達人を目指しているキャラクターにしよう。
性格は、ほどほどに熱血…と。
大まかなキャラクター像ができたら、来歴を想像してみたりする。
どんな人生を歩んでいたとしても、これまで生きてきた以上は必ず他人との繋がりを介した経験がある。
あるいは、そのキャラクターの一日を想像してみるのもいいかもしれない。
そうする事で、生活スタイルや行動原理、他人との接し方といったものが
なんとなく決定できるはずだ。
今は未熟だけど、達人を目指すストイックな性格で、金より名声を選ぶタイプにしよう。
でも今は貧乏で、夢のために傭兵稼業でなんとか凌いでいる若造かもしれない。
傭兵をしていたなら、他者との協調性はある程度やれるほうだろう。集団行動も苦じゃないだろうな。
ファンタジー系ならば、酒場などで他の参加者のキャラクターと出会い、パーティーを組んで冒険に出掛けるケースも多い。
であるならば、酒場で何をしていたのかも想像してみる。
酒を飲めるほど余裕はないし、次の傭兵的な仕事を探している最中ということにしとこう。
うーむ、ストイックは目指したいが、案外金にはきっちりうるさいキャラになる気がするな。
ここまでくればGMや他のプレイヤーに説明するには十分な造形ができているはずである。
もちろんこうした想像力の土台にはゲーム舞台への理解が必要不可欠だが、GMや他のプレイヤーと相談しながら、
どんな世界なのか擦り合わせをしながら作っていけば、決して難易度は高くない。
シナリオが始まったら、分身たるキャラクターをここまで作った通りに想像して動かす。
慣れるまで多少は不自然でも構わない。
シナリオには舞台がある。キャラクターの前に立ちはだかる障害も登場する。
それはモンスターだったり、陰謀だったり、果ては取るに足らない事件だったりもする。
そうしたキャラクターとその周囲の状況や風景を想像しながら、参加者はゲームを進めていくのである。
<自由度>
TRPGは自由度が高いゲームであるが、制約は多い。
この「自由」とは「他のPC、そして何よりGMが認める限り」「それをする事に納得するに足る理由と必然性を説明できるなら」という前提と言い換える事もできる。
ゲーム進行に大きな支障をきたすような「自由な行動」は決して認められないのだ。
例を挙げると、
「(このキャラは荒っぽい性格なので)自分の上司の執務室のドアを、普通に開ければ良いのに蹴って開けました」程度の自由は認められよう。
だが「(特赦されたサイコキラーなので)街中を探索中に友好NPCを唐突に皆殺しにしました」など到底認められない。
あらゆる突飛で不合理な行いを認めたなら、それはPLだけでなくGMすらもタガが外れて好き勝手暴れる事を意味するのだ。
複数人で一緒に遊ぶゲームである事を忘れた「手前勝手な自由」は最もダメな自由の例である。
つまり
「変態的なプレイングができる自由度」は(原則として)無い。
当wikiの
自由度(ゲーム)の項目を参照してもらえれば、
「寄り道をできる自由」「自由にオープンワールドを移動できる自由」「極端な構成で遊べるパーティ編成の自由」「友好NPCを特に意味も無く殺害する自由」「あえて良心に背いたりふざけた行為をできる自由」「いきなり
ラスボスに挑んでいく自由」「いつまでもメインストーリーを進めない自由」「ダンジョンを爆破する自由」など、
「近代のコンピューターゲームで言われる自由度」の実現はTRPGにおいてはほぼ不可能、
あるいは理論上は可能でもGMや他プレイヤーに多大な負担をかけてしまい現実的には困難であることがわかってもらえると思う。
TRPGにおいて「〇〇できる」という行為の全ては「GMや他PLが許せば」という前置きが付き、
そしてGMとPLは人間であるため能力が有限であるのが現実である。
無責任に自由度を誇張したがために誤解を招いてトラブルを引き起こす現象に対し、「自由度幻想」という言葉が古くからあるほどである。
また自由度を笠に着た反則技として有名なものに、
『モンスターの体液を汚水と見做し、汚水を浄化する魔法をモンスター相手に使用する事でその血液を真水化させ倒す』
というものがある。
ただのサポート魔法がダメージ計算もへったくれもない即死魔法に変貌する凶悪な使い方だが、
ゲームによってはこの様な「度が過ぎた拡大解釈」は
ルールで明確に禁止されている。
同じ理屈で、「土とは腐敗した植物の成れの果て→土を司る事は即ち植物を司る」と解釈し、
「
ものを腐敗させる能力で土を腐らせ、植物を操る」などといった使い方もTRPGでは到底認められる事はないだろう。
プレイヤーにしてもGMにしても、TRPGを進める上での「自由度」は必ず決められたルールの下で行使されなければならない。
何故なら、それが無ければ「口が達者で、話術に優れ、小狡い事を思い付く者」が他参加者をやり込め、好き勝手をさせる事を許してしまう為である。
TRPGは会話で進めるゲームであるが、
会話で相手を制圧し我を通すゲームではない事は覚えておくべきである。
現代は
スカイリム・
GTAシリーズ・
Falloutなど、「プレイングの自由度が高いゲーム」が多数存在する。
UNDERTALEや
Ibなど、「シナリオの評価が高いゲーム」も多数存在する。
しかしTRPGは好き放題プレイできたり、作者が作ったシナリオを楽しんでもらえる
一人用ゲームとは訳が違う。
TRPGは多くがソロゲーでもPvPゲームでもない。MMOに近い協力型ゲームである。
そして「シナリオに沿い、異なる意思を持つ複数のキャラクターがゴールを目指す」性質上、
TRPGは
みんなで物語を作るゲームとも称される。
「個人の自由度」より「
協調」「
調和」「
常識」こそが一番の大事である。
プレイヤーもキャラクターもGMも節度をもって行動しましょう。
例えばTRPGを基にした電子ゲーム「サイバーパンク2077」のシナリオでは、序盤で依頼を失敗した上に、仲間は死に、依頼人に裏切られる。
しかしこれは実際のTRPGでは推奨されないシナリオである。
なぜなら一人用ゲームのシナリオと違い、
犠牲や失敗はプレイヤーの責任になってしまうからだ。
ファイアーエムブレム 風花雪月のような「誰を救い誰を見捨てるか」を選ぶシナリオも同様である。
シナリオの話だと「善良な
ゴブリン問題」というケースがある。
善良なゴブリンが出ることでPL間でモンスターを殺すことの善悪が議論になってしまい、セッションが上手く進まなくなる現象である。
対策方法は善良なゴブリンを出さず全てのゴブリンを邪悪にするしかないが、
この問題は電子ゲームでは基本的に起こらず、善良なモンスターをいくらでも出すことが可能である。
ゲーム上の処理を優先すれば不自然になるし、自然さを優先すればルールと矛盾するという「首ナイフ問題」というものもある。
敵が人質の首にナイフを突き立て、「動けばこの人質を殺す」と脅している。
しかしパラメータ上、ナイフには人間を一撃で即死させる攻撃力は無い。
このような場合、ゲームの設定と処理を根拠に、敵が人質を即死させるのは不可能と判断し構わず行動する事は是か非か?
という思考実験である。
「適当なパラメータで判定を行い、成功すれば救出できたとする」「GMが『逆らえば確実に死亡するものとする』と先に設定してしまう」「人質は『確実に救出すべき人物(万が一にも死んでしまったらゲームに大きく支障をきたす人物)』と設定する」「『1回しか使えない不可能を可能にするスキルの使い所』として発生させるなら問題にはならない」等々……
PC視点、GM視点問わず様々な回答がTRPGプレイヤーからそうでない者まで色々と寄せられているが、結局のところは円滑なゲーム進行の為に「GMがこうといえばそうなる」で納得してしまう、というのが最も無難であろう。
しかし、ゲームシステムと演出の食い違いといういわゆる「ムービー銃」的な違和感に対し、反論できる余地がある事やそれによってジレンマが発生してしまうのも、ある意味ではTRPGならではである。
これらはTRPGの高すぎる自由度がかえってシナリオの自由度を下げている例といえる。
こうした自由度の高さから生まれる問題の一つに、「アルファストライク問題」がある。
プレイヤーが初手で
必殺技を撃って敵を即死させるのが最適解になってしまい、
他のPCの活躍の場が奪われる、耐えられた場合はリソース切れの状態でぐだぐだのバトルになる、というものである。
他にも「硬すぎるPCにダメージを通せる敵の攻撃が、他のPCを一撃で倒してしまう」など、複数人がPCを自由に作るゆえのバランス調整の難しさが付きまとう。
同時に、一人用のゲームを引き合いに出して「『TRPGは自由度が高い』なんて嘘っぱちだ!」「実際にはルールと制約で雁字搦めだ!」「TRPGに自由度など無い!」というのも言い過ぎである。
逆に言えば、
他PLとGMさえ許せば何でもできる。
例えば、PCが「10フィートの棒は持っていないが、代わりに槍で罠感知できないか?」と提案してみる、
GMもこのままではパーティーが罠に引っ掛かりまくりダンジョン探索どころではなくなってしまうだろう事を受け、
「10フィートの棒よりは低確率で感知できるものとして認めるよ」などとアドリブを効かせられる。
例えば、不運にもサイコロの出目が極端に偏ってしまいPC側パーティが敵拠点に侵入した直後に壊滅寸前に陥ってしまった場合、
GMが気を利かせて戦闘後に運良くアイテム倉庫を発見できた事にしてあげられる。
こういったアドリブを利かせられる自由度はTRPGならではのものであり、コンピュータゲームには不可能である。
「ある国の独占技術だが、バックにいる先進的な技術力を持った他の国や異星が独自に模倣した」として設定上は使用不可能な武器装備を使用する、
といった事も
GMが許可すれば
可能である。
他の仲間が火力or補助支援役を買って出てくれたので、他PCの了解を得た上でサシの殴り合いや、逆に敵を妨害する事しか考えていないビルドを作る、
「見た目は幼女だが熟練の格闘家」「飄々としたオカマの僧侶」といった「キャラメイクの自由度」もある。
先述の通り、ロールプレイの範疇かつムードを壊さない範囲でちょっとした小ボケを挟んでみる、逆にロールプレイを用いて空気を盛り上げさせる、
自PCもしくは他PCの出番に花を添える、更にはアドリブで元々は無かった設定を生やしてみる……といった遊び方はやはりTRPGならではである。
みんなで協力してクリアを目指し、常識の範囲で、節度を守って楽しむ分には、TRPGは間違いなく「自由度が高い」ゲームなのである。
…ここまで読んでピンときた人もいるかもしれないが、実は変態的な自由度を認める事は不可能ではない。
スムーズに進行し、GMも含む参加者全員を真に満足させられたなら、セッションは成功と言うことができる。
ただその場合はGMの負担が非常に大きいだけでなく、シナリオすら全部アドリブで無用となり、大抵は好き放題暴れて終わるだけでゲームも何もなくなる。
極限に慣れた「分かっている」GMとPLの組み合わせでなければ成立せず、現実的ではないのだ。
【TRPGの例】
1974年にアメリカのTSR社で生まれた世界初のTRPGであり、つまりCRPGを含めた
全てのRPGの原典とも言える存在。
設定はまさしくファンタジーの王道「
剣と魔法の世界」であり、近代の数多のファンタジーに影響を与えており、目に見えて強くリスペクトした著名作品も数多い。
初期の頃は
指輪物語風なものであったが、版を重ねていくうちに独自性の高い複数の世界が描かれるようになる。例としてアラビアンナイト風の「アル・カーディム」や魔術と機械が融合した「エベロン」などの独自世界が用意されており、これらの世界でプレイするには「キャンペーンセッティング」と呼ばれるサプリメントを導入することで可能となる。
1997年にはTSR社が大手TCG「
Magic the Gathering」でおなじみの「ウィザーズ・オブ・ザ・コースト」に買収されて以降は自社制作で販売されている。
2022年現在でも新作シリーズがリリースされており、それまではホビージャパン社が邦訳と販売を行っていたが、2022年からはウィザーズ社が完全に邦訳、販売を担当することとなった。
D&D発売の1年後、アメリカのフライング・バッファロー社から発売されたTRPG。
武器の種類が豊富(5版には
すい発銃もあった)・ダイズ判定がシンプルな割りにシビア等独自の個性があり、有名呪文が「これでもくらえ!」等愉快な要素も取り揃えている。
ダイスについても、D&Dが「4・6・8・10・12・20面ダイスを使い分ける」のに対し、T&Tは「6面ダイスを幾つも振る」方式。そして白兵戦は「攻撃力を全員分合計してぶつけ合う」という大雑把な処理なので、敵味方とも大人数だとサイコロ数十個が飛び交ったりも。
種族も豊富。更にバリアントの1つ『モンスター!モンスター!』では自分達がモンスターとなって人間共を襲うというプレイも用意された。
また結構ユーモアがあり、第5版(最初の日本輸入盤)→改定した5.5版の後、「ファンによる様々な発展形が第6版だ(意訳)」として6を飛ばして第7版を公式で出していたり。なお最新版は『Deluxe Tunnels & Trolls』(完全版)。
世界観は初期は普通の(ハードで異種族多数だが)ファンタジーだったが、後に公式で背景世界の年表が創られ
エルフの魔法王と
オーク出身の死の女王を中心とした種族抗争譚が判明し完全版に収録された。
ローカライズは一貫してグループSNEが担当しており、5版の時期には当時公式で設定がなかった「舞台となるドラゴン型大陸の竜胴体部分」を舞台にしたバリアント「ハイパートンネルズ&トロールズ」も展開していた。
あと、一人で遊べるゲームブック形式の「ソロアドベンチャー」が豊富に出回っているのも他には無い特徴。
ぼっちご用達
敵の表記を
MR(モンスターレート)という数値1つ
だけで済ませられるという簡易さもこれを後押ししている(トロール(MR24)等)。
- クトゥルフの呼び声(Call of Cthulhu, CoC)/クトゥルフ神話TRPG
クトゥルフ神話の世界観をベースにした現代ホラー系のシステムとなっており、
SAN値/正気度の元ネタでもある。
かの作品群に出てくる、理解の外側にある神や化け物の脅威に脅かされながら、プレイヤーは探索を行ったりNPCと関わったりしつつ生還を目指すこととなる。
神話生物は人類の常識を超越した存在であり、真正面から戦っても勝ち目が無いため、専ら「謎を解く」「生き延びる」方向で事態打開を目指す内容が多い。
判定方法が100面ダイス(大抵の場合は10面ダイスを二つ振って片方を10の位、片方を1の位とする)を振って出た目が目標値以下の場合成功と、成功率がパーセンテージでわかりやすい形式である。
6版ルールと7版ルールがあるが、6版ルールをベースにして遊ぶ卓が多い。
『
這いよれ!ニャル子さん』等、クトゥルフ神話を元ネタにした作品でも登場したりネタにしてたりする。
環境汚染と巨大企業(メガコーポ)の支配が進み、世界に魔法と異種族が復活したもう一つの21世紀を描くサイバーパンクファンタジーTRPG。
プレイヤーは様々な理由から「登録番号(SIN)を持たない『存在しない人材』シャドウランナー」として、企業支配の狭間を法に守られない無戸籍ゆえに出来る裏の仕事で渡っていく。
サイバー化による弊害が「魔法力にも関わり0になると死ぬ『エッセンス』の消耗」として明確化されており、魔法とサイバーの両立は(よほどの外法でない限り)難しくなっている。
人種差別の他に種族差別が加わったシビアな世界や、企業側からの依頼人が使う偽名「ミスター・ジョンソン」、強大な力で社会権力をも得たドラゴンへの警句「ドラゴンに関わるな」等が有名か。
日本では世界設定部分を独自に追加したグループSNE邦訳の第2版と、朱鷺田祐介と翻訳チーム「シャドウランナーズ」により新紀元社から展開される第4版・第5版が輸入されている。
英国ゲームズワークショップ社のミニチュアゲーム「
ウォーハンマーシリーズ」の一つである「
ウォーハンマーファンタジーバトル」を元にしたTRPG。
初期はゲームズワークショップ社が制作・販売を行っていたが、近年では「Cubicle 7」社が制作・販売を行っている。
そもそも
ミニチュアゲームとTRPGが近似した遊びなので、本作の存在はある種の自然な成り行きとも言えるだろう。
設定面は本家と共通であるため向こうの記事を参照してもらうとして、D&Dという重鎮を擁するTRPG界にあっても
ひときわダークな世界観が特色と言える。
ゲームバランスも設定相応にシビアだが、初期のみすぼらしい身分からだんだんステップアップしていき、最終的には立派な位階へと成りあがるという暗黒時代の立身出世が楽しめる内容となっている。
日本では大分人を選ぶような作品ながら
オタク心を掴み、上記の外国産TRPGらと並んで日本でも人気を博すこととなった。
2022年現在はCubicle 7によって第4版がリリースされており、国内ではホビージャパン社からスターターキットやルールブック、サプリメントが翻訳されて発売されており、今後も続刊が予定されている。
F.E.A.R.の現代ファンタジーTRPG。
レネゲイドウイルスによって超常の力に目覚めた人たちが、日常を守るために非日常の戦闘に身を投じる異
能力バトルもの。
GMやプレイヤーは良い意味で
厨二マインドを全開にする事が求められる。
F.E.A.R.のTRPGで、人外存在などを含む多種多様な「夜闇の魔法使い」が異界からの侵略者と戦う現代ファンタジーもの。
最初からメディアミックスを前提とした展開をしており、PLに声優を起用して話題性を与え、後に声をあてる際には当然彼らを起用したり、また初期のリプレイは「E-LOGIN」という
エロゲ雑誌で連載されたことで多方面にアピールし、その流れで
本当にエロゲも発売した。
そういった挑戦と共に生まれたリプレイシリーズは大きな成功を収め、
リプレイの人気キャラを中心としたアニメ化という快挙も成し遂げた。
滅んだ後の世界で、
ゾンビの少女となったプレイヤーが仲間達と協力しながら必死に生き抜いていく
ポストアポカリプス系のTRPG。
元はロボットものとして企画されていた影響で、体のパーツがポンポン壊れたりすることが特徴。
ディストピア世界で、各プレイヤーが反政府組織に属していることをGMである都市管理AIに隠しながら、
チームの仲間と協力したり、裏切ったりハメたり密告したり、蹴落としたり爆破したりZAPしたりしながらそれぞれの目的を達成することを目指すTRPG。
TRPGは個々人の好き放題よりも協調性こそが大切と上では何度も繰り返しているが、本作は協力どころか
蹴落とし合いこそがミソという点で独特。
上のSAN値同様、今や本作を飛び越えネットミームと化した感のある
「市民、貴方は幸福ですか?」「市民、幸福は義務です」「次のクローンはきっとうまくやるでしょう」といったフレーズの元ネタでもある。
冒険企画局によって製作された汎用ルール、およびそれを使った作品群の通称。
日本のTRPG界隈が培ったノウハウを感じさせる、コンパクトで洗練されたデザインを有する。
基本ルールブックとリプレイをセットにした1冊で発売するのが特徴で、2021年時点で10作品以上が発売している。
現代に生きる忍者の戦いを描く『シノビガミ』、ホラーもの全般(CoCみたいなのも)をカバーする『インセイン』なんかが特に有名。
艦これをTRPG化させたゲーム。前述のサイコロ・フィクションで作成された作品の一つ。
GMは「提督」となり、また各PCは必然的に既に用意されている艦娘をロールプレイする事になるが、
原作の設定上の自由度を反映し、艦娘の性格・個性・キャラ付けはいくらかPCの自由・勝手が利く仕様になっている。
また各キャラには「リアクション表」が用意されているためロールプレイに困ったらダイスロールに任せてみる事ができ、
必ずしもオッサンが裏声で艦娘の声真似をしなければならないという事はない。
何を聞かれても「胸が熱いな」で済ますある意味原作通りの長門とかも見れる。
因みに、「図上演習」という
ソロプレイモードも用意されている。
追記・修正は皆で話し合ってダイスの神に祈ってサイコロを振ってからお願いします
- ↑2 行動的自由度もそんなに高くないけどなー、「GMが処理出来る事」って言う絶対的な制約があるし(たまにこの制約を破ろうとする奴はいるが、当然だが近づいてはいけない)。 -- 名無しさん (2016-11-28 14:07:46)
- それも倫理的自由度の方に含まれるんじゃないか? 明らかにGMを困らるような行動を取らないかどうかもプレイヤーの倫理観が問われる事だし -- 名無しさん (2016-11-28 22:40:18)
- 自由に自己責任はつきものという話?世紀末ヒャッハー世界じゃ常々命を狙われてる抑圧空間で自由とは程遠いって話? -- 名無しさん (2016-11-28 23:51:09)
- コメント欄が長くなってきたのでリセットしました -- 名無しさん (2016-11-30 22:12:05)
- GM「部屋に入りました」プレイヤー「目星」GM「机を発見しました」プレイヤー「目星」GM「引き出しを発見しますた」プレイヤー「目星」GM「ミス、中身の重要アイテムが発見できないので詰みです」プレイヤー「やってられっか」 -- 名無しさん (2017-02-14 15:50:56)
- どっちをやるにしても、GMとプレイヤーは敵同士ではないということは覚えておこう -- 名無しさん (2017-02-14 16:19:44)
- 能力と時間が許すなら理論上の自由度はどこまでも上がるんだけど、現実的には大体上限が現代のCRPG以下に収まってしまうって事なのか? -- 名無しさん (2017-02-17 01:24:56)
- ↑TRPGの神髄は自由に振る舞うことじゃない!GMとPLとで自分たちの物語を築き上げることだっっ!! -- 名無しさん (2017-02-17 09:34:59)
- ↑6 責任もそうだが能力や状況も試みろって事だろう。 例えば自由だからって警官の前でフルチンで踊り狂う選択をしたキャラクターが捕まっても理不尽toha -- 名無しさん (2017-06-04 11:01:24)
- ↑記入ミス 理不尽とは思わず当然の結果だと思うだろう。 -- 名無しさん (2017-06-04 11:02:12)
- 「TRPGが自由というのは幻想であって嘘だ」と1999年に井上純弌が魔獣の絆で書いている -- 名無しさん (2017-06-04 11:11:54)
- まず拘束時間が長いし自分の物語を築きたいならSSでも書いて投稿すればいいしよっぽど複数人で集まって何かやるのが好きでもない限りはなぁ 人狼みたいに物語の構築じゃなく勝負の駆け引きタイプなら別だけど -- 名無しさん (2017-06-04 11:30:59)
- ↑まあ、そういう部類の人もいるんじゃない?シナリオ展開よりもNPCとの駆け引きや知恵比べを楽しむプレイヤーとか。 -- 名無しさん (2017-06-04 11:44:50)
- チームでの作業であることに意味があるんだよな。俺が俺がなタイプは向いてない。 -- 名無しさん (2017-06-05 16:59:41)
- ↑同時に引っ込み思案で関わろうとしないタイプも向いていない。 結構ハードル高いんだよな… -- 名無しさん (2017-06-05 21:09:07)
- ↑4 短くしようと思えば短くも出来るよ。30分シナリオ数本作ってる。もちろんちゃんと情報集めと整理しないとクリアできない。 -- 名無しさん (2017-06-08 16:08:18)
- 自由度だけを求めるなら、TRPGよりコンピューターゲームを延々とデバッグっぽく改良していった方がいいよね。 -- 名無しさん (2017-06-20 21:33:48)
- 問題解決のアイデアや戦術を柔軟に反映させやすい という意味での自由度の高さであって、GMが作ったシナリオを尊重するのは最低限のマナー。尊重したらクソみたいなGMだった?知らん、そんな事は俺の管轄外だ -- 名無しさん (2018-03-17 15:47:13)
- 闇バクラは良くないキーパリングを結構やってますね… -- 名無しさん (2018-03-17 15:53:43)
- 人並みの良識を持ったメンバーで遊べばこれほど楽しいものも無いんだけどね。 -- 名無しさん (2018-10-16 12:24:34)
- 「それをする正当性・妥当性と理由が説明できて、かつGMと他のPLが納得する限りは何でもできる」ゲームだからね。短気なキャラだから上司の部屋のドアを蹴破って入ったりしてゲーム進行に極度の悪影響を出さない限りは自由にやってみんなで笑える。俺が仲間内とプレイしてた分には実に自由度が高いゲームとして楽しんでたよ。っていうか「みんなでロールプレイする」という前提がある以上、ある程度は空気を読んだ行動はできそうなものだけどなぁ -- 名無しさん (2018-10-16 12:35:53)
- まあ、とりあえず通行人切ったら魔王の配下として王様倒しにいくシナリオぶっ混むことも可能だし -- 名無しさん (2018-10-16 12:47:25)
- キーパリング? マスタリングじゃなくて -- 名無しさん (2019-02-19 16:08:03)
- マスタリングだとGM側だけの話になってしまうが、ここではプレイヤーの行動も含んでいるから表記をキーパリングにしたのだと思われる。 -- 名無しさん (2019-02-20 12:43:42)
- ↑それならプレイング(プレーイング)でよくね? つか、「プレイヤーの行動も含む」と何でキーパリングになるの? -- 名無しさん (2019-02-20 22:56:44)
- ↑ キーパリングには「管理」、「(ルールを)守る」という意味合いもあり、プレイヤー側にも求められる部分があるから間違ってはいない。 -- 名無しさん (2019-02-21 07:05:42)
- ↑それだとますますおかしくならない? 項目は「よくないキーパリングの例」だよね -- 名無しさん (2019-02-21 07:49:11)
- ↑2そんな意味無いよ。マスタリングとはゲームマスターのゲーム運営手法を指す造語(和製英語か、音楽用語からの借用語)で、キーパリングはキーパー(「クトゥルフの呼び声」でのGMの呼び方)のマスタリングという意味の造語に過ぎない。今回の場合プレイヤー側の記述がある上に別にCoCに限定した話じゃないから、キーパリングじゃ二重の意味で間違いだ。プレイングが妥当。 -- 名無しさん (2019-02-21 13:28:29)
- よくない例の後半がSNEの公式リプレイだ… -- 名無しさん (2019-02-21 14:21:17)
- 皆と協力して話を進めてくのが面白いのであって、自分だけが出しゃばりたいならそれこそ電源ゲームやるなりなろう読むなりした方がいいものである。 -- 名無しさん (2019-07-09 22:10:41)
- その通り。それに出しゃばりプレイは周りが非協力的になるのでやるだけ損(という事が解ってないプレイヤーも多いが)。先んじて協力・アシストすることで周りも持ち上げてくれると理解できる人向け。 -- 名無しさん (2019-07-10 13:30:19)
- ボーダーランズ2のDLCでTRPGをモチーフにしたものがあって凄く面白くTRPGあるあるをやってくれてる。そのほかにもネタ満載です。 -- 名無しさん (2019-07-10 13:52:26)
- ↑2 極度の引っ込み思案や延々と悩むだけで物事を決めない優柔不断なくせにプライドだけはやたら高くて、助言やアシストプレイを「でしゃばられて活躍取られた。」とか「こちらの行動をコントロールしようとしてきた。」とか言ってくるプレイヤーもいるけどな… -- 名無しさん (2019-07-25 10:57:02)
- ↑3 ついさっき「ヒロインを犠牲にすれば世界が救われるシナリオで率先して差し出そうとした他プレイヤーから非難された。NPCなんてどうでもいいじゃん」って意見を目にしてめまいを感じたところだw -- 名無しさん (2019-07-29 09:13:59)
- リンク追記しようと思ったら既に貼ってあるやつで全てなんだね……まさかCoCやD&Dすら個別項目無いとは -- 名無しさん (2020-02-16 23:02:31)
- ↑意外だなぁニコニコ動画で笑い過ぎて怖くないクトゥルフとかめっちゃニコニ広告されてるのに。 -- 名無しさん (2020-02-20 08:54:29)
- なんでアールピージーは略称のままなんだ… -- 名無しさん (2020-04-10 14:06:34)
- 代表的TRPGって、これ主の知ってるの並べただけやろ。国産のどうでもいいタイトルが混ざりすぎだわ -- 名無しさん (2020-09-15 19:28:51)
- ↑というか「代表的」って書いてるんだから有名どころ2~3個でいいと思う -- 名無しさん (2020-09-15 22:10:35)
- 代表の整理。CoCとD&Dとページの存在するものだけを残して代わりにそれぞれの軽い説明を入れました。 -- 名無しさん (2020-12-04 20:53:36)
- 代表的だとガープスも入らね?今となっちゃ古臭すぎるが、TRPGはやってた頃はかなり主流の一つだったし -- 名無しさん (2021-01-25 10:51:00)
- 女神転生のもあったよね。リプレイ何冊か持ってるけど遊べないままだったのが悔やまれる。 -- 名無しさん (2021-03-21 21:22:05)
- ↑2 ガープスはリアルにこだわるあまり、手間と時間がかかるという欠点がねえ… -- 名無しさん (2021-05-23 00:03:18)
- 新型コロナで苦境らしい プレイヤーが「ルールを守る」人種なので余計に・・・ -- 名無しさん (2021-05-23 00:35:55)
- ↑3 メガテンTPRGはメガテンというより現代オカルト総集編TRPGなんだよね。面白いけどメガテンか?って言われると首をかしげざるを得ない。 -- 名無しさん (2021-06-04 16:07:57)
- まあ大司教がやりたいのは本来は新世黙示録みたいなゲームだったんだろうし……まあクソシステムだけど -- 名無しさん (2021-06-06 01:06:19)
- 日本では殆んど音沙汰ないから仕方ないけど、現行のヴァンパイアマスカレードの情報がない。今度FPSのゲームがあるから色々調べてみたものの、面白いけど古い情報しか残ってない -- 名無しさん (2021-06-06 02:17:48)
- 現行はVampire:the Masqueradeって名前じゃないよ。以前はWorld of DarknessシリーズとしてVampire:the Masqueradeが展開していたけど、今はChronicles of Darknessという新しいシリーズが展開していて、吸血鬼を扱うのはVampire: The Requiem -- 名無しさん (2021-06-06 10:19:41)
- 良くないキーパリングとは違うけど、初心者PLが他の卓でも通用するように(笑)とかいう理由でPLのキャラメイクにいちいち口出ししてくるKPもかなりうざい。その上ルルブをしっかり読んでもなくて、キャットルフで飼い猫がいるという理由で猫語を習得した際に「それをどうやって他のNPCに納得させんの?ねえねえどうすんのぉ?」と揚げ足取り気取りされたことがある。猫語についてはキャットルフのサプリにしっかりと基準が設けられている記述があるのにそれを知りもしないで煽られた時はかなり頭にきた。その他キャラクターの外見にケチつけたりもしてきたしな…そういうレベル低い人と卓やることになった時の絶望感はやばい。 -- 名無しさん (2021-09-13 23:36:33)
- コロナのせいでこの手のセッションイベントも壊滅状態だそうな… -- 名無しさん (2022-01-17 20:23:29)
- マスターシーンが長かったり、PL側が能動的に動ける場面が極端に少なかったりというGMを見ると、TRPGじゃなくてなろうにでも投稿すりゃいいのにって思う。大人数でワイワイ遊ぶ場であって、GMの空想を読み聞かせる場じゃないんだ -- 名無しさん (2023-03-16 23:42:43)
- ↑吟遊詩人はいつの時代にもいなくならない。そしてGM経験者ならだれもが一度は通った道ではある。問題はそこから成長できないGMなのよ…。 -- 名無しさん (2023-03-25 02:28:23)
- なんつーか10年位ごとに冬の時代と盛り上がる時代を繰り返してるイメージある。 -- 名無しさん (2023-04-07 22:26:35)
- なんか否定的な言葉多いね・・・。いや、なろうとか電源ゲームも面白いけどさ。 -- 名無しさん (2023-08-01 09:19:49)
- 敷居の高さは明確な難点だなぁ。GMで回すには経験も必要だし、セッションそのものにもある程度慣れが要るし、この手のコミュニケーションを要するゲームでまだセオリーも分からない初心者そっちのけで経験者が盛り上がり、後から空気の読めないやつみたいに言われてるは本当にいたたまれない。 -- 名無しさん (2024-12-12 15:43:21)
最終更新:2025年02月07日 20:12