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ダブルクロス(TRPG)

登録日:2014/10/08 Wed 00:51:46
更新日:2026/07/09 Thu 00:41:12
所要時間:約 11 分で読めます




ダブルクロス

それは、裏切りを意味する言葉


ダブルクロスとは現代アクション物テーブルトークRPG。
ゲームデザイナーは下がる男クレバー矢野こと矢野俊策。
2009年に版上げされていて、2026年現在は第3版(『The 3rd Edition』)となっている。略称は『ダブクロ』『DX3』『DX3rd』など。


■概要

日常と非日常、人間と化け物の狭間で揺れ動く「超人の苦悩」を主軸とした、いわゆる現代アクションファンタジー
プレイヤーは、未知の因子“レネゲイドウィルス”によって超常の力に目覚め、大切な日常と絆を守るために非日常の闘争へと身を投じることになる。
「レネゲイドウィルスに侵食された現代社会」が基本的な舞台だが、追加サプリメントを導入すれば「第二次世界大戦の超人部隊」「学園島で学園モノ」なんかも出来る。

多種多様なデータの組み合わせとロールプレイによる必殺技演出によって、大概の異能力モノは再現できるのが魅力。
血の刃で居合切りしたり、電磁誘導砲と義肢内蔵砲をダブル撃ちしたり、巨大ロボットで大猿と殴り合ったり、何でもできる。
向き不向きは当然あるが、どのクラスにも「基本攻撃技」と言うべきものはあり、一定の戦闘能力は確保されている。

判定は10面ダイスを用いた上方判定。設定されたクリティカル値に達しているダイスは再度振りなおし、出た目をプラスする。さらに数値に達していればまた再度振りと、クリティカルしている限り出目をプラスし続ける。
場合によってはダイスを10個も20個も振るい、それに伴い火力もインフレしていく。
それは相手も同じであるため、PCキャラはボス戦だと大体即死→再生→また即死→また再生を繰り返す事になる。HPは飾り

■ルールブックとサプリメント

+ 現行版ルールブック及びサプリメント
  • 基本ルールブック1・2
1は2009年7月25日、2は2009年8月25日発売。
現行の3rd Editionのルールブック二冊。1には世界観説明を兼ねた王道シナリオ『Crumble Days』。
2にはUGNチルドレンに焦点を当てたシナリオ『World End Juvenile』、ある少女を中心としたシナリオ『True of Fiction』が収録。
ダブルクロスを遊びたいのなら、このルールブックの1と2の二冊をそろえるとよいだろう。

  • 上級ルールブック
略称は特になし。2009年9月19日発売。
1stから2ndの主要な事件の詳細と、UGNとFHの詳細などダブルクロスの世界観を構成する要素が記されており、ユニークアイテムも記載されている。
主な追加ルールとしては、「Sロイス」「Dロイス」「Eロイス」の三つが追加される。

  • パブリックエネミー
略称はPE
2010年2月19日発売。
FH(ファルスハーツ)をテーマにしたサプリメント。
FHのPCの作成ルールと名種ワークス、FHキャラ専用のDロイス・ユニークアイテムが追加され、FHの概要や歴史などのワールドパートも記載されている。
また、テンプレートの複数を組み合わせてシナリオを作る「シナリオクラフト」も記載されている。

  • ユニバーサルガーディアン
略称はUG
2011年10月17日発売。
UGN(ユニバーサル・ガーディアンズ・ネットワーク)をテーマにしたサプリメント。組織に属する者を表す「エンブレム」とそれに関するユニークアイテムのデータ、UGNの歴史や概要などが掲載されている。
「ダブルハンドアウト」のルールも追加されており、シノビガミ秘密などがダブルクロスで行えるようになる。
また、都築京香が設立したゼノスのレネゲイドビーイングではない通常オーヴァードのエージェントを作成できるようにもなる。
…ただし、上記のPEとともにほぼ絶版状態。そのためAmazonなどの通販サイトでは紙媒体はかなりお高めになっており、PEと本書はよほどのこだわりがない限り電子での購入をオススメする

  • インフィニティコード
略称はIC
2010年9月17日発売。
新規シンドロームはウロボロスで、新規のユニークアイテム・エフェクト・エネミーが収録。
ウロボロスは本書以外にも後に発行された別冊に能力の数値が記載されているが、ウロボロスの発見経緯やシンドロームの詳細などがあり、
本書のタイトルであり、オーヴァードが持つ名衝動に対応した「インフィニティコード」について記載されているため、シナリオのフックに困ったGMやウロボロスシンドローム罹患者は購入するのもようだろう。

  • レネゲイズアージ
略称はRU
2012年3月12日発売。
オーヴァードが抱える衝動を追求したサプリメント。
オーヴァードの衝動の詳細や、それにあえて身を任せることで使う「アージエフェクト」が掲載されており、ワールドセクションでは3rd Editionで刊行されたリプレイの紹介と、それらに関する追加データを「トレイルデータ」と称して記載されいる。ただトレイルデータを採用する卓はあまり多くないのだが

  • エフェクトアーカイブ
略称はEA
2012年10月17日発売。
基本ルールブック1・2からICまでに出たエフェクトをまとめて記載したサプリメント。
「リミットエフェクト」「メモリー」ルールが掲載。
既存のエフェクトの改訂や修正が行われていて、かつ新しく収録されたエフェクトも多く参照性に優れる一冊のため、実質的なルールブック3として採用を前提とする卓も多い。

  • リンケージマインド
略称はLM
2013年11月13日発売。
ダブルクロスのキモである「ロイス」「タイタス」をテーマにしたサプリメント。
PCの持っているロイスに属性を与え、タイタスに昇華した際に能力を発揮する「カラーロイス」のルールが掲載。また、今まで収録され修正されたDロイスとEロイスがまとめられており、参照しやすくなっている。
その参照性や一部Dロイスの修正・調整具合から、実質ルールブック4として扱う人もいる。
また、ロイスを大事にする人。もしくはロイスをリソースとして利用する人双方へのスタンスのガイダンスを行っていて、購入したのならば読んでみるのもよいだろう。

  • ヒューマンリレーション
略称はHR
2015年8月20日発売。
霧谷雄吾やコードウェル博士など公式NPCや、青峰ミユキや強羅瑠璃など公式リプレイ出身のNPCの概要やスケジュールなどを掲載したサプリメント。
公式NPCとロイスを結んで習得できる「リレーションデータ」や「リレーションアイテム」が記載されており、Dロイス「遺産継承者」で得られる遺産(レガシー)やその他シンドローム用ユニークアイテム、エンジェルハイロゥで近接戦闘が可能となるエフェクトなども追加されている。
公式NPCのスケジュール表やいままで関わってきた事件について記されるため、リプレイや公式NPCに興味がない人にとってはあまり魅力的ではないが、リプレイや公式NPCが好きな人、霧谷さんのブラックな日常生活を見たい人にとってはこの上なく魅力的なサプリメントになる。

  • アイテムアーカイブ
略称はIA
2023年07月20日発売。
今まで出たすべてのサプリメントのアイテムやエンブレムのデータを纏めたサプリメント。世界観の説明などはいっさい無いため、ある程度慣れた人向け。
アイテムルールの改訂や上方修正・下方修正などが行われていて、一部通常またはユニークアイテムの購入難易度が高くなったor購入がそもそも不可能になった…など良くも悪くもビルドに大きく影響する変更がされているが、その参照のしやすさからこれを必携する卓も存在する。
またエフェクトによって作り出す武器などは大幅にアッパーな修正が加えられていて、2026年現在時点で武器生成エフェクトの最先端ともいえるサプリメントでもある。ただ《インフィニティウェポン》は相変わらず強いのだが


ステージ

  • ディスカラードレルム
略称はDR
2011年3月16日発売。
オーヴァードたちが通う学園を舞台とした「オーヴァードアカデミア」。FHが世界の覇権を握った「エンドライン」。
北欧にある都市・ブラドホルトを舞台とした「ナイトメアプリズン」。日本のどこかにある魔街とよばれる街を舞台とした「デモンズシティ」。
内乱が続く東欧の国・クロドヴァを舞台とした「陽炎の戦場」の計5つのステージを収録しているサプリメント。
特に、みんなのアイドル・春日恭二が任務でミスを犯したことがない完璧なミスターパーフェクトとなり、リプレイ・デザイアの青峰ミユキ、大門寺朱香がアイドル〈オルトロス〉として活動しているエンドラインは人気が高い。

  • オーバークロック/タイムリゲイン
略称はOCTR
OCは2014年11月30日、TRは2016年1月16日発売。
アーサー王伝説を舞台とした「ホーリーグレイル」。平安時代の平安京を舞台とした「平安京物怪録」。
20世紀初頭の欧州を舞台とした「モダンタイムス」。古代ギリシアのトロイア戦争を舞台とした「エピックヒーローズ」。
時間犯罪者を追って様々な時代へと向かう「クロノスガーディアン」の計5つのステージが収録。TRはその中の「ホーリーグレイル」を主軸としたシナリオとリプレイが収録されている。

  • レネゲイドウォー/カッティングエッジ
略称はRWCE
RWは2016年11月19日、CEは2017年5月20日発売。
レネゲイドとオーヴァードの存在が露見し、オーヴァードがヒーローとヴィランとして活躍する世界を舞台としたステージ。
新規にエフェクトとDロイスなどが追加・収録されており、それらが強力・有能なため、ステージのサプリメントでありながら通常のサプリメントとして採用する卓も多い。

  • バッドシティ
略称はBC
2018年12月20日発売。
アウトローたちがひしめく港湾都市を舞台としたステージが収録されているサプリメント。
幽霊少女と化した都築京香や、V系ロックバンドベーシストの霧谷雄吾など今までのダブルクロスとまったく異なる人間になった公式NPCも収録。
こちらも収録された新規エフェクトが強力なため、ステージが関係なくとも採用する卓が多め。

  • クロウリングケイオス/ネームレスシティ
略称はCRCNC
CRCは2021年04月19日、NCは2021年12月18日発売。
クトゥルフ神話をテーマにしたステージを収録したサプリメント。
新規にステージ限定のシンドローム、アザトースが追加され、魔術超能力といった“力”を使えるようになる。
レネゲイドビーイングが邪神の使徒である。黄衣の王ハスターなどの旧支配者と、ニャルラトホテプなど外なる邪神が存在するなど既存のダブルクロスとは大きく異なる世界観が展開される。
ただし既存と大きく異なりすぎていることや大量の誤字脱字などから賛否両論が激しく、問題作として扱われることが多め
乗り物…いわゆるヴィークルを扱いやすくなるルールや、探索者として活動できるルール。雑魚戦を簡易的にするルールの複数が追加されるが、これらのために購入するのはダブルクロスに慣れてかつサプリメントの購入をある程度行ってからのがよいだろう。CRCとNCに収録されている丸太やら従来品の完全上位互換の武器などは上述のIAに調整されて再録されているため、アイテム目当てなら本サプリメントを購入する必要はあまりないのは禁句

  • アンチェインアームズ/ダマスカスフォージ
略称はUADF
UAは2024年12月20、DFは2025年12月19日発売。
ダブルクロス3rdの基本ステージから1年後。宇宙から“Ad(アドヴェント)レネゲイド”と呼ばれる未知のレネゲイドウイルスがやってきた地球を舞台とするステージを収録したサプリメント。
新しいシンドロームであるミストルティングレイプニルが追加。DFではもっぱら敵用のシンドロームであるグレイプニルをPCとして運用する方法や指針が記されている。
また、本ステージではAdレネゲイドに感染して地球生命の大量絶滅を目論むシャルヴという存在がいるため、不倶戴天の敵同士であるUGNとFH。第三者を標榜していたゼノスはいったん矛を収め休戦・共闘している。
RW・CE、BC同様新しく強力無法なエフェクトやDロイスが追加されており、ステージのサプリメントであるもののそのまま採用されることも多い。ただUAとDFを遊ぶためにはある程度のサプリメントをそろえておく必要も出てくるが


■レネゲイドウィルス

生物に取り付き遺伝子を書きかえることで常識を外れた力を与える未知の因子。
「ウィルス」とは言うが、振る舞いが似ているから便宜上そう呼んでいるだけであり、レネゲイドが実際なんなのかはイマイチ分かっていない
潜伏感染者が肉体的・精神的に強いショックを受けた時に活性化し、超人“オーヴァード”へと覚醒させる。
人だけでは無くモノや動物にも感染し、スーパーアニマルや超常オブジェクトに変えてしまうのだ。
  • 人間  → オーヴァード
  •    → A(アニマル)オーヴァード:人語を喋ったり、人間に変身できるようになったり
  • 日本刀 → EXレネゲイド:怪物殺しの妖刀
  • ヤカン → EXレネゲイド:なんやかんや秋葉で大暴れ
…物にも感染するってどんなウィルスだ。
オーヴァードは総じて、致命傷すら瞬く間に治癒する再生力、人間離れした身体能力、そしてエフェクトと呼ばれる様々な超能力を有する。
+ レネゲイドウィルスの歴史・起源について
レネゲイドウィルス自体は希少ながら昔から存在し、「オーヴァード」や後述の「ジャーム」が平安時代には「陰陽師」「鬼」として認識されていたりする。

そして現代(『3rd Edition』時系列からみて20年前)。
ある遺跡の出土品を積んだ輸送機が原因不明の事故を起こした際、出土品に含まれていたウィルスが成層圏で拡散、世界中に蔓延してしまった。

しかしレネゲイドウィルスにはリスクも大きい。
レネゲイドは徐々にオーヴァードの理性を蝕んでいき、湧き上がる衝動に負けたオーヴァードは理性なき怪物“ジャーム”と成り果てる。
一度ジャーム化した者は、二度と“こちら側”に戻ることは出来ない。

ウィルスの働きは侵蝕率という数値で表され、「物語(シーン)に登場する」「超能力(エフェクト)を使う」などといった“非日常”の世界へと関わっていくたびに上昇していく。
侵蝕率が上がるほどウィルスが活性化し、判定時に振れるダイス数が増えたり、より強力なエフェクトが解禁されるのだ。
しかしそれは人間性を捧げた強さに他ならない。ゲーム終了直前に侵蝕率を下げることができるが、それでもなお侵蝕率が100%を超えていたキャラクターはジャーム化=PCロストとなる。


■ロイスとタイタス

家族、親友、恋人、仲間、仇、ライバル、その他もろもろPCが抱いている強い想い、守るべき日常との繋がりを『ロイス』と呼ぶ。
この繋がりによって、オーヴァードはジャーム化の危険から遠ざかる*1残機っていうな

関係性が劇的に変わり(死別、裏切りなど)、PCにとって心の支えたりえなくなったロイスは『タイタス』へと変化する。
タイタスへの後悔や無念を「昇華」して己を振るい立てることで、オーヴァードはさらなる力を発揮できる。
タイタス昇華の効果は様々だが、大抵はクライマックス戦闘などで「復活する」効果を使うことになる。
しかし一度攻撃に用いれば、一撃必殺の威力を生み出す。絆パワーは強いのだ。

ただしロイスはオーヴァードが日常に戻るための大切な楔である。
タイタス昇華の乱用は、PCロストの危険に直結する。

▼タイタス使用例
(0M0)俺は、俺は、……俺は君が好きだった!君のことを大切に思っていた!!(ロイスをタイタス昇華)

バーニングディバイド/(ダイス判定)

(♯0M0)『ザヨゴォォォォォォォ!!!』(タイタスの効果により達成値がすごいことになる)

また、『上級ルールブック』を用いることで以下の三種類を使用出来る。
  • Dロイス:ディスクリプトロイス。特別な境遇や能力者であることを示す。ロイス枠と引き換えに特別な装備品の使用、特殊な判定・効果を用いることが出来る
  • Sロイス:スペリオルロイス。より思い入れのある大切な絆。護りきれば通常より多くの経験点を得られる他、タイタスとして昇華しても通常よりも強力な効果が得られる
  • Eロイス:エグゾーストロイス。エネミーキャラ専用。ジャームが人間であったころの人間性の残滓、強烈な妄執と欲望の塊であり、いずれも致命的かつ凶悪な性能を持つ。

■UGNとFH

ダブルクロス世界にはいくつかの組織が存在しているのだが、その中でも特に巨大なのがUGN(ユニバーサル・ガーディアンズ・ネットワーク)FH(ファルスハーツ)
UGNは「変質してしまっている日常は一般人に知られないように、世界の秩序を守ろう!」「オーヴァードと非オーヴァードが共に生きられる世界を目指そう!」とする秘密組織。大概のPCはこっちの一員ないしは協力者。
一方のFHは「一般人とか知るか!欲望のままこの力を振るうのだ!」「オーヴァードの方が優れているから支配しよう!」と主張するテロ組織。(セルと呼ばれる組織単位ごとに細かな目的は異なる)基本は悪役だが、FHのキャラクターでプレイすることもできる(要サプリメント『パブリックエネミー』)。
(UGNにも黒い側面があったり、FH側でも確固とした信念を持っていたりと、必ずしも勧善懲悪でない所もまた面白い。)

■シンドロームとエフェクト

火を出したり、変身したりといったオーヴァードの能力を、総称してエフェクトと呼ぶ。
そのエフェクトを分類・体系付けしたものがシンドロームと呼ばれる。
オーヴァードは最大3つまでのシンドロームを保有し、各々特徴的な能力を発揮する。

▼ブリード
幾つのシンドロームを扱えるかで決まる部類。
  • 1つ→ピュアブリード:一点特化型の純血種。能力の幅が無いため向き不向きが激しくなるが、基礎的能力や技の威力は最も高くなる。
  • 2つ→クロスブリード:最もメジャーな二種混合種。弱点の補強や利点を伸ばしやすいバランス型。
  • 3つ→トライブリード:『3rd』で追加された三種混合種。多彩な能力を持つため対応力は高いが一つ一つの性能は下がるため、器用貧乏に陥りやすい。

▼代表的なエフェクト
《ワーディング》
全てのオーヴァード、ジャームが使用出来るエフェクト。発動者を中心に一定範囲の非オーヴァードを「無力化」する。
周囲の一般人は失神したり意識が曖昧な状態になったりする。
オーヴァードやジャームの存在が世間に露見しにくくなっている一因。
灼眼のシャナ』の“封絶”や初期のプリキュアシリーズで見られた「戦闘時に一般人が気絶する現象」のイメージで大体合っている。
近年で言うならば『呪術廻戦』でいう“”だろうか?
特殊なマスクをつけていれば非オーヴァードもワーディングの影響下で活動できる。

《リザレクト》
こちらも全オーヴァード共通の能力。侵蝕率100%未満なら使い放題。ダブルクロスが死にゲーになる一因。
逆に言うと100%を超えてしまったジャームは使えない、PCの特権でもある。
首が飛んでも、心臓を撃ち抜かれても、全身を粉砕されても復活出来る。
即死させられては復活し……を繰り返す本作では正に生命線と呼べる能力。

《コンセントレイト》
アタッカーには(ほぼ)必須のエフェクト。『3rd』時にそれまで分散していた同種のエフェクト群がこれとリアクション判定版の《リフレックス》に統合されて生まれた。
正確には《コンセントレイト:エンジェルハィロゥ》というように、シンドロームを指定して取得する。
これが無いと攻撃判定の達成値が全然伸びない。
コンストラクション作成では強制的にLV2で取得する。

■シンドローム一覧

現在確認されているシンドローム。基本の12種+追加1種。
さらにクロウリングケイオスステージ専用1種、ステージ(UA)ステージ専用2種が存在する。

▼エンジェルハィロゥ

天使だ、なんて冗談じゃない。私の光はただの武器だ
人を貫き、惑わし、そして殺す
温かみなんてどこにもない
だから、――私をそんな目で見ないで

――“黒い天使”、任務後の一言

」を操る能力。
屈折率を操って敵の知覚を鈍らせ、逆に自らの知覚を強化して攻撃を避け、
回避不能のレーザービームを放って一掃…
など、遠近攻撃、妨害、支援、強化となんでもござれな戦闘万能型。近年は唯一苦手としていた白兵戦もこなせるようになった。
名の由来は使用者がほのかな光を発し、その様が天使の輪(エンジェルハィロゥ)のようにみえることから。
+ 主なエフェクト
《マスヴィジョン》
火力増強エフェクト。攻撃力を圧倒的に上昇させることができるが、1シナリオで数回のみしか使用できない。

《光の手》
卓越した感覚で光を操るエフェクト。
RC(レネゲイドコントロール)を【感覚】で行えるエフェクト。

▼バロール

生の始まりは暗く、死の終わりもまた冥い
幾千幾万の屍を踏み越えて尚、知りえぬ闇の中にあるらしい
ならば俺は闇となろう
生を喰らい死を飲み干し、万物を等しく滅ぼす狩猟者となるのだ

――“狩猟者(プレデター)”伊庭宗一*2、闇の中にて

魔眼と呼ばれる黒い球体を生み出し、それを媒介に「重力」や「空間」を操る能力。
超重力による物理攻撃強化、重力波での遠距離戦闘、ブラックホールで攻撃を吸い込みダメージをゼロにする、果てには時間を止めて相手の判定を強制失敗させる、など攻防秀でたシンドローム。
名前の由来はケルト神話の魔眼を持つ神バロールから。
+ 主なエフェクト
《時の棺》
時を止めて相手の行動を必ず失敗させるエフェクト。
PCにとっては頼れるエフェクトだが、同時にエネミー側も使う可能性があるので、敵にバロールがいた場合は警戒されることもある。

《孤独の魔眼》
自分を含む範囲攻撃を自分一人に変更するエフェクト。
ガード値を稼ぎやすいバロールと相性がよい。

▼ブラックドッグ

雷とは、天より下される裁きの鉄槌
だが、今の世に神はなく、正しき裁きもない
ならば、神に代わりて悪に誅罰を下すことこそ我が使命
我、応報の女神となりて裏切り者を滅ぼさん

――“審判の日(ドゥームズデイ)”、九十九回目の裁きの前に

体内の生体電流を任意に増幅して「電気」を、派生して「磁力」や「電波」「機械」を操る能力。
攻撃力や攻撃判定に使用するダイス数の増加による威力強化に長ける。
また機械を操る能力から、自在に動くサイボーグ義肢も再現可能。インターネットや電子機器を介した情報収集演出においても強力なシンドローム。
由来はイギリスに伝わる雷を引き連れた精霊、黒妖犬から。
+ 主なエフェクト
《ハードワイヤード》
身体のなかに武器や装置を内蔵できるエフェクト。
リニアキャノンを埋め込む、皮膚の下に金属の装甲がある、腕に刃を仕込むなどができる。また、サプリメントを追加することで《ハードワイヤード》用のアイテムが増えていく。

《ポルターガイスト》
電磁力により武器を遠隔操作するエフェクト。100%制限エフェクト。
自身の行う攻撃の攻撃力に、「破壊した武器」することができる。

▼ブラム=ストーカー

「滾れ、私の中の赫き赤!」
瞬間、私の手の中に細剣が出現した。色は赤、輝きは黄金
己の血を以て対することが、私が己に課した決闘者の掟
「あなたを倒すわ。この私の、血と誇りにかけて」

――“剣匠卿(ソードビート)”春日斬絵、決闘場にて声高らかに

血液」を操る能力。血液で武器を作ったりする
吸血鬼としての“不死性”に重きが置かれているのか、相手の血肉を自らの物とするドレイン攻撃や他者に血を与え癒す、死した者に血を与え復活させるなど、実に“らしい”能力が揃っている。
「攻撃力が高い代わりに一挙手一投足の度に減って行くHPを、攻撃を敵に当てる事で回復して補う設計」と表現すればテクニカルなキャラのようだが、
先述の通り本作はHPなどあって無いようなものなので、単純に攻撃力高めのクラスとして運用できる。
また、“従者”と呼ばれる分身を作り出して使役することも可能。
3rdでは非常に使いづらくなっている。例えば従者はリザレクトなどで戦闘に復帰出来ないため、召喚した従者を主人であるPCがかばうという光景が見られるとか…。
名の由来は怪奇小説の古典『ドラキュラ』の作者ブラム=ストーカーから。
+ 主なエフェクト
《赤色の従者》
従者と呼ばれる特別なNPCを召喚または作り出すエフェクト。

《赫き剣》
血液から白兵戦に使う武器を作り出すエフェクト。HPを消費することで攻撃力を設定できるが、その分HPも削られてしまうため一長一短。ボスの攻撃を食らえば大体即死なんだから貧血になるまで注ぎ込む人も多いが

《渇きの主》
攻撃と同時に敵のHPを吸い、自らのHPを回復させるエフェクト。
敵の防御を貫通できるが、基本ルールブック環境では攻撃の使用条件がやや厳しめかつHPの回復タイミングでやや問題がある。
なお追加ルールブック『エフェクトアーカイブ』を導入した環境では上記の《赫き剣》にこのエフェクトを乗せること可能となる。


▼キュマイラ

どうだよ、この顔は。誰もが恐れ、逃げだすだろう
どうだよ、この腕は。オマエを簡単に引き裂くことができちまう
――けど、信じてくれ
オレは、オレだ。怪物なんかじゃない、人間なんだ!

――とあるオーヴァード、狩られる前に

「肉体を獣化」させる能力。
はっきりとした異形化であり、ある意味ダブルクロスのテーマを最も端的に表したシンドローム。
ただでさえ一般人を上回る身体能力を持つオーヴァードだが本クラスはそれが顕著。
獣化せずとも凄まじい膂力を誇り、八歳児が片手で自動車を持ち上げた事例も。
獣化時の強さは言うに及ばず、単純な腕力勝負でいえば最強クラスの超脳筋シンドローム。
他にも獣性により本能に訴えかけ、野生動物を従えたり相手を萎縮させるなどといった能力も持つ。
名の由来はギリシャ神話に登場する混合獣キマイラから。
+ 主なエフェクト
《完全獣化》
キュマイラの代名詞的エフェクト。肉体を変化させて獣と化す。武器を持てなくなるため、必然的に素手を強化して殴りかかることになる。

《神獣撃》
キュマイラの代名詞エフェクト《完全獣化》のセット扱いのエフェクト。
80%制限で侵蝕も重ためだが、相応の威力を発揮する。

《魔獣の咆哮》
肉体でRCの判定をすることができる脳筋エフェクト。

▼エグザイル

指の一部を糸と化し、周囲に張り巡らせる
この糸は私の信念。どれだけ細くても、切れることはない
目を開けると、視線の向こうには一体のジャーム
覚悟を決めてこう告げる。――ここから先へは、進ませない

――“シルクスパイダー”玉野椿、K市某所地下通路にて

「肉体を変化」させる能力。
肉体変化という点ではキュマイラと同じだが、こちらは人間としての形はある程度保ったまま、腕を伸ばしての遠距離攻撃や骨を露出させて刃とするなどをの変化を行う。
悪魔の実的に言うならキュマイラがゾオン系でエグザイルはパラミシア系。
サンプルキャラにもある様に、超強度の爪を細長く伸ばして操る能力を持つ事から「糸使い」キャラはここに含まれる。
名の由来は日本神話の神、ヒルコ。骨なしの不具の子として生まれ、イザナミイザナギにより川に流されたことから追放者=Exileの名がつけられた。このシンドロームだけ妙に捻った由来である。
+ 主なエフェクト
《伸縮腕》
腕を伸ばして攻撃の射程を伸ばすエフェクト。どういうわけか「射程:視界」になるので、100mとか200m先でも届きうる。拳銃より遠くまで届く腕。

《吸収》
対象の一部を自身に取り込むエフェクト。
相手のダイスを減らすことが可能で、ダブルクロスの名NPCこと春日恭二もこれを習得している。

▼ハヌマーン

求めるのは“疾さ”。征くべきは、“音の向こう側”
今のオレでは遅すぎて、遠すぎて、弱すぎて。まだ届かない
けど、必ずたどり着く。追い付いてみせる
だからきっと、そこで待っていてくれるよな?

――“スピードキング”夜明けの路上にて

凄まじい「速さ」を有し、「」「振動」を操る能力。
速さこそ有能を地で行く万能型。ただしデータ的にはエンジェルハィロゥの方が速い。光速には勝てなかったよ…。
振動操作で衝撃波を放ったり、音波攻撃や歌による支援もこなすなど、割と器用。
名の由来はインドの叙事詩『ラーマーヤナ』に登場する神獣ハヌマーン
+ 主なエフェクト
《サイレンの魔女》
ハヌマーンの誇るぶっ壊れエフェクトその1。「射程:視界」に高火力の範囲攻撃をぶっぱなすことができる。
コンセントレイトが組み合わせられないというデメリットがあるがそのデメリットはろくに機能していない

《リミットリリース》
神経加速によって限界を突破するエフェクト。
判定のクリティカル値をマイナスすることができ、自身にも使える。

▼モルフェウス

“必要な物”は、なんだって手に入る
今だってほら、こんなにも強そうな武器を作り出せた
けれど、“欲しい物”だけは、どんなに頑張っても作れない
一体どうすれば、私はあんな素敵な笑顔を作り出せるのカナ?

――“ロストチャイルド”の素朴な疑問

物質の「創造」「変換」を得意とする、錬金術シンドローム。
質量さえも無視して、武器や乗り物をその場で創り出して戦う。ロボも創れる。
」という形で能力を用いる者もおり、一説にはこの「砂を操る力」こそがモルフェウスの真髄であるとも。
名の由来は“かたどる”という意味の単語『モーフィング』の語源、ギリシャ神話の神モルフェウスから。
+ 主なエフェクト
《インフィニティウェポン》《ハンドレッドガンズ》
白兵と射撃武器生成エフェクト。モルフェウスらしく自身で得物を用意でき、かつ威力と命中も申し分がない。
追加ルールブック『アイテムアーカイブ』ではただでさえ強いこの二つの攻撃力の上昇が行われている。

《砂の加護》
砂を操って味方を支援するエフェクト。
ラウンドに1回味方のダイスを増やせる支援エフェクトで、1ラウンドに1回のみのダイス増加は短期決戦が多めなダブルクロスでも魅力的で有用。

▼ノイマン

“限界”とは、常識という名の枷。思考せよ、洞察せよ、直観せよ、解析せよ
理解するのだ、君には“それ”が“出来る”のだと
君の脳に知り及べぬことなど何もないのだと
さぁ、超越への第一歩を踏み出せ!

――Dr.ビューティフルマインドかく語りき

「超頭脳」のシンドローム。ありていに言えば「天才になる」能力。あたいったら天才ね!
扱ったことのない銃器を専門家以上に扱う、知らない筈の知識を引き出すなど、その知性は様々な分野に及ぶ。
優れた頭脳が導き出す戦闘技巧を駆使しての直接戦闘や前線指揮、また交渉などの力技が通じない分野にも秀でた全方位万能型。
名の由来はコンピューターの基礎論理構造を作り上げた数学者フォン・ノイマンから。
+ 主なエフェクト
《コントロールソート》
思考したとおりに肉体を動かすエフェクト。【肉体】や【感覚】に劣るノイマンでも、白兵攻撃や射撃攻撃への適性を得られる。

《インスピレーション》
直観によって過程をすっ飛ばして正解を導くことができるエフェクト。
GMに直接質問ができるエフェクトで、シナリオの疑問点などを聞くことができる。しかし、ネタバレや答えづらい質問などは答えなくともよい。全国のノイマン諸君はこれを悪用しないように。

▼オルクス

止まりなさい。そこから先は私の“領域”よ
誰にも触らせないし、踏み込ませない。それでも進むつもりなの?馬鹿?
いいわ、あなたの執念が、“領域”をどれだけ侵蝕出来るか見届けてあげる
対価は、あなたの命だけどね

――“夜明けの使者(デイブレイク)”神城早月*3、襲撃者への宣言

空間支配」の能力……多分ただしドワォはしない。
“領域”と呼ばれる空間を作り出し、その中にある物質を意のままに操れる。
念動力に始まり、地形から因果律、果てには動物や植物まで、本当になんでも意のまま。
…能力の幅が広すぎてピンとこない?考えるな、感じろ。
戦場を自在に変化させるという特性から、支援役、指揮官役を担うことが多い。
名の由来はローマ神話の冥府の王オルクスから。
+ 主なエフェクト
《要の陣形》
攻撃や支援の対象を3体まで増やせるエフェクト。攻撃に使用した場合、「範囲攻撃」ではなく「3体を対象とする攻撃」になるため、一部の範囲攻撃メタをすり抜ることができる。

《妖精の手》
対象の行動を手助けするエフェクト。
対象のダイスを10にすることができるが、計算式が複雑になりがちなのがデメリット。

▼サラマンダー

矛盾を恐れるな
炎熱を支配するのは、氷の理性。氷雪を制御するのは、炎の激情
一見、相反する要素の調和こそが“力”を生む
相性最悪に思える奴ほど、案外、いいコンビになるってことさ

――“ドラゴンブレス”松波晶、相性最悪の相棒に

「熱量」を操る能力
名前のイメージから勘違いしがちだが、炎だけでなく氷も操れる
単に「燃やす」「凍らせる」だけに留まらず、体温を操っての自己強化や、火炎や氷壁で盾役もこなす。
でもやっぱり火力がすごいアタッカー気質。
名の由来は四大精霊の一つサラマンダーから。
+ 主なエフェクト
《結合粉砕》
ダイスをプラスし、相手の装甲を無視できるエフェクト。ピュアブリードしか取得できないが、攻撃のダイスを確保し、かつ敵の防御を貫けるため、Dロイスを使用してわざわざ取得するプレイヤーも一部存在する。

《プラズマカノン》
あらゆる物体を蒸発させるほどの熱量を持つプラズマを放つエフェクト。
100%の制限は付いているが、使用の制限や回数制限もない。効果力のエフェクトで、〈RC(レネゲイドコントロール)〉の攻撃の起点としてクロスやトライブリードでつままれがち。

▼ソラリス

私は一人の映写技師
夢という名の幻灯を、意識という名の銀幕に投影するの
所詮、人生は神経細胞が生み出す泡沫の劇場、人は哀れな道化役者
いっそ夢見るままに死ねるなら、それは素敵なことじゃない?

――S級エージェント“シネマパラダイス”のモノローグ

様々な「薬品を生成する」シンドローム。
能力者の肉体そのものが一種の化学プラントとなる。
生成した薬品は液化や気化も自由自在。毒ガスのように散布することで敵の行動を妨げ、味方の力を高める。
全体的に支援よりで、自ら殴るのは不得手。文字通りのドーピングで味方をブーストする。
名の由来は幻をみせる惑星が登場する小説『ソラリスの陽のもとに』から。
+ 主なエフェクト
《狂戦士》
ドーピングで味方を大幅にパワーアップさせるエフェクト。物騒な名前に反して、受けた側が暴走したりといったデメリットは特にない。何故だ。

《熱狂》
特殊な物質を投与して相手の理性を失わせ、怪力を与えるエフェクト。こちらもデメリットはない。なんで?
字面がかなり危ういものなのだが、それでも対象の攻撃力を与えるために活用されることも多い。


▼ウロボロス

喰らうがいい! 人の枠から外れた者を! 裏切り者どもを!
思う存分喰らうがいい!
喰らい、捕食し、進化するのだ! 究極の一となるその日まで!
……む。それでは、すべてのオーヴァードを喰らった後はどうなるのだ?
伝承どおり自分の脚でも喰うか? いやいやそれでは……

――狂気の科学者、ウロボロスを前にして

追加ルールブック『インフィニティコード』より追加された、13番目のシンドローム。
他者の「レネゲイドを吸収」し、「能力をコピー」する独特すぎる能力。更に影を操ることもできる。
全てのシンドロームの始祖とも、逆に進化の果ての究極系とも言われているが、真相はいまだ不明。
(ちなみに発見が遅れたのは、コピー能力のせいで他のシンドロームと誤認されていたため。)
コピーも影も非常に強力だが、侵蝕率はマッハで増えていく。
なお、こいつ専用のDロイス『傍らに立つ影(シャドウバディ)』の説明文がこの人の初登場シーンのやりとりに似ている。狙ったかF.E.A.R.!
+ 主なエフェクト
《原初の■》
「赤」「青」「緑」「黄」「紫」「白」「黒」「灰」「虹」「虚」の計10種からなるコピーエフェクト。
強力だがタイミングが常時のものはコピーできず、侵蝕率がかさんでしまう。
このコピー能力が遠因となり、ウロボロスシンドロームの発見には時間がかかった。

《無形の影》
あらゆる判定を【精神】で行えるようになる、万能エフェクト。
この手のエフェクトにありがちな「《コンセントレイト》を組み合わせることができない」という一文が存在しない、ぶっ壊れた超性能を持つ。

+ クロウリングケイオスステージ専用シンドローム

▼アザトース

見える……!
光が……すべてが入り混じったこの情報の渦こそが、心理だというのか……!
いや、違う! これが、こんなものが宇宙の真理であるはずがない! このフルートの音色はなんだ! 私は何を見ているのだ!? ああ……触れるべきではなかった! 知ろうとするべきではなかった! 知性は希望ではなかった、問いは答えではなかった、ただ宿命を否定するこれは……虚無……零……ああ……いや……白痴の王……!
オーヴァードは存在してはならなかった! ならなかったんだァァァァァ!

――葛城航一郎、UGN秘密研究施設で自殺の直前に

追加ルールブック『クロウリングケイオス』より追加された、14番目のシンドローム。
レネゲイドウィルスがクトゥルフと結びつけられたクロウリングケイオスステージにおいて、白痴の王・アザトースの名を与えられている。
このシンドロームは他の13のシンドロームが「科学的に定義可能な領域」に干渉する中、それ以外の「宿命」や「因果律」に干渉する能力を持つ。
データ的にもこれまでにない効果や、ステージ専用ルールと結びついたエフェクトが多い。
他のシンドロームだと障害となるバッドステータスのデメリットを無視してメリットにしてしまう、ステージ特有のルール上難しくなった一般人の無力化・情報統制などにも長けており、実は「ステージ特有のルールに慣れていないのでとりあえず通常ルールに近い感覚で遊ぶ」をやりたいなたオススメ出来たりする。その代わり、フレーバーテキストや慣れてきたプレイヤー向けの独自ギミックでクトゥルフ要素を楽しむ、といった方向性になる。
クロウリングケイオスステージは基本ルールブック2冊のみと合わせても遊べるのだが、このシンドロームは『エフェクトアーカイブ』時代を基準とした性能を持つ。
また2022年(最新のサプリメント発売時点)において、唯一シンドローム専用Dロイスが存在しない。
+ 基本ステージ〈UA〉専用シンドローム

▼ミストルティン

それは敵を殺すために作られた形。神を殺すという物語の元型(アーキタイプ)
それはあなたの命が生み出す武器。
世界が抵抗する意志、その具現。
それはこの世界を守るための力。
あなたに残された、最後のよすが。
もしも終わりを拒むのなら、あなたに一つ、提案があります

――“プランナー”都築京香

追加ルールブック『アンチェインアームズ』より追加されたシンドローム。
「アーキタイプ」と呼ばれる武器や防具、はてはヴィークルを作り出して戦う能力。乗り物に関してはある欠点があるのはナイショ
武器・防具、ヴィークルを造るという点においてはモルフェウスに似ているのだが、このシンドロームに感染したオーヴァードは、キャラクター1人につき1種類のものしか生み出すことができない。
もし槍のアーキタイプを作った場合、槍以外の武器を作れず、大剣のアーキタイプを作った場合、それ以外の武器は作れない。
また、同サプリメントで追加されたシンドローム『グレイプニル』に強く対抗できる特性を持つ。
……のだがエフェクト構成的には下記グレイプニルの封印エフェクトがぶっ刺さってしまうため、むしろグレイプニルと最も相性が悪いシンドロームという声も……
由来は、北欧神話にて光の神バルドルを殺したヤドリギの矢(剣とも槍ともされる)から。
+ 主なエフェクト
LO(リミットオーバー)(アーキタイプ)
短い間、アーキタイプの攻撃力を上げるエフェクト。
ただし、このエフェクトを使用すると自身の武器が破壊される。


▼グレイプニル

彼らは突然現れた。
神を自称する暴虐なる来訪者。
停滞を望まず、変化をもたらすために。
みずからの望む進化のためだけに。この世界を終わらせにやってきたのだ。
もし彼らが神ならばいったい誰が抗える?
その鎖に囚われるだけですべてが書き換えられてしまうのに。

――あるUGN研究員

追加ルールブック『アンチェインアームズ』より追加されたシンドローム。
「鎖」を使い、相手を束縛・妨害することができる。
地球の外、遥かな宇宙より来訪した存在がもたらした新たなシンドロームであり、いちおうPCも使えるのだが、鎖を使って相手を束縛、その存在を変質もしくは書き換えるなど極悪非道なエフェクトがめじろ押しでもっぱらNPC専用な部分もある。
『アンチェインアームズ』においては運用の指針とエフェクトのデータのみだったが、ステージUAのサプリメント『ダマスカスフォージ』では本格的なプレイヤーシンドロームとして運用できるようになっている。
ただし、GMの許可が必要かつ取得ロイスの枠がひとつ減ってしまうなどかなりピーキーで、少なくとも初心者向けとは言えない。
由来は、北欧神話にて魔狼フェンリルを縛った魔法の紐から。
+ 主なエフェクト
《禁止の鎖》《マインドボール》《剝奪の鎖》
凶悪エフェクト三種。
それぞれエフェクト封印・マイナーアクション封印・エフェクト奪取とかなり凶悪な性能を持つ。
ミストルティンはおろか、他シンドロームにも深く刺さってしまうため、使う際にはGMとプレイヤー間の十全な話し合いや紳士協定の規定などが必要となるだろう。

■余談

ちなみにダブルクロスの元ネタの一つとして『ワイルドカード』というSF小説が存在する。
『ゲーム・オブ・スローンズ』などで有名な小説家G.R.R.マーティンが主催したシェアード・ワールドノベルで、
WW2直後マンハッタン上空で宇宙人の細菌兵器が爆発、それによって世界中で突然変異の超能力者が発生した……という世界設定の根幹から、
能力者は「エース」と「ジョーカー」の二つに大きく分かれる、魔術や超科学に見えるものも能力に過ぎないといった点など、
その他多くの設定を『ダブルクロス』がオマージュしていたりする。
といっても『ワイルドカード』世界では能力者の存在は完全に認知されているので、異能伝奇ものではなく完全にアメコミのノリだが。
(『ダブルクロス』で再現するならレネゲイドウォーステージが一番近いかもしれない)
さらに『ワイルドカード』自体『ガープススーパーヒーローズ』キャンペーンが元ネタであるから、TRPGとは縁深い作品である。
本国では今だ展開が続いている人気作で、残念なことに本邦では翻訳企画主導者のかたが亡くなってしまったため中断したが、
能力者たちの誕生と現代史を描いた第一部、侵略者と戦う第二部、悪の秘密結社相手に能力者が集合する第三部までの全6巻は出版されているので、
興味のある人は手にとってみると良いだろう。


追記・修正、それはアニヲタwikiを意味する言葉…
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最終更新:2026年07月09日 00:41

*1 システム的に言えば、ボス戦後にロイス1つにつき1D10%だけ侵蝕率を下げられる

*2 公式NPC。戦闘狂の職業暗殺者

*3 公式NPC。巨大企業・神城グループの若き会長