エターナルスフィア

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エターナルスフィア - (2020/12/09 (水) 00:28:55) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2010/09/15(水) 20:33:13
更新日:2024/03/21 Thu 18:49:59
所要時間:約 8 分で読めます




Eternal Sphere



エターナルスフィアとは、スターオーシャンシリーズに登場する武器、または用語である。
また、同ゲームのポータルサイト名でもある。
某声優四人組ユニットよ、永遠に~的な意味は全くない。

『スターオーシャン』は開発当初は『エターナルスフィア』という名前であったが、「タイトル名でどんなゲームなのか想像出来ない」という理由で現在の物に変更された。
それでも開発スタッフにこの名前の思い入れが強かったのか、SO以降のシリーズに「エターナルスフィア」という言葉が用いられている。


【スターオーシャン SECOND STORY】

主人公クロード・C・ケニーの武器の1つで、本作に登場する最強クラスの剣。

◆性能◆
攻撃力:1600
ステータス補正:HIT+70、CTR+25、GUTS+40
吸収:光
無効:闇、負
半減:星
特殊効果:攻撃時星弾をばら撒いて追撃する



単純な攻撃力だけなら聖剣ファーウェル(1900)や魔剣レヴァンテイン(3000)に劣る。
しかし特殊効果の星弾が異常なまでに強力で、通常攻撃+星弾のみのハメ技だけで敵を葬る事も可能。*1
武器なのに何故か複数の防御属性を持っている事も何気に便利。

一部のボス等には上記のハメ技だけで敵を倒す戦法は通用しないが、この星弾が『バブルローション』と手を組むと途端にゲームバランスが崩壊する。
SO2初回出荷分には雑魚だけでなく全てのボスに即死効果が有効という致命的なバグがあり、
バブルローションを使用すると星弾全てに即死判定が付くため、攻撃が入りさえすればどんな敵もほぼ一瞬で死ぬ。


初回版以降では上記のバグは無いものの、星弾の威力は相変わらずなのでファーウェル、レヴァンテインよりも強いとも言われている。


まさに宇宙の理を破壊してしまう恐るべき剣である。


◆つくりかた◆

通常のRPGでこのような強い武器が手に入るのは終盤、もしくはクリア後である。

しかしこの剣、なんとDisk1の中盤で手に入れる事が可能なのだ。
エターナルスフィア作成の条件としては、

  • ラクール武具大会終了までストーリーを進め、『シャープエッジ』を入手する

  • 電波レベルを上げて『ミスリル』を二個入手

  • クロードのカスタマイズをエターナルスフィア作成可能レベルまで上げる

以上の条件が整えば実質最強の剣が中盤で作れてしまう。

SO3で例えるとマリアが登場した辺りで既にバトルブーツ×8個合成したレーザーウェポン(防御効果無し)を持っているようなものだ。
VPならレザード戦前に何故か魔剣レヴァンテインを手に入れてしまっているようなものか。

最終的にはファーウェルorレヴァンテイン+昴翼天使の腕輪で火力が超えられるとは言えこちらは手に入るのは隠しダンジョンという最終盤。
エターナルスフィアはそれまでの長きにわたり活躍するのでプレイヤーからの印象も根強いものとなった。

ただし、作成元のシャープエッジは武具大会のイベントで準優勝(優勝は出来ない)することで手に入る一振りのみなので、準優勝出来なかったり、失敗したり、
作成ルート以外の剣にしてしまったりした状態でセーブすると取り返しがつかなくなる。
特にレナ編だと大会中の操作が完全オートなのでレベル上げはしっかりとしたい。



以下ネタバレあり










【スターオーシャン Till the End of Time】

フェイト達が暮らす宇宙、つまりは世界そのものを指す。

物語終盤に、実はフェイト達の世界はFD空間(Four Dimension)に住むFD人によって作られた仮想空間である事が判明する。
エターナルスフィアの開発者であるルシファーらは、フェイト達の世界は単なるデータという認識だが、
ルシファーの妹のブレアや彼女の仲間達は高度に発展したエターナルスフィアは既に自分たちと別の世界のようなものであり、手出しを止めるべきという考え方をしている。


FD空間におけるエターナルスフィアとは、FD人が精神を内部のプログラム生命体に精神転送することで仮想世界の生活を疑似体験できるゲームであり、スフィア社のヒット商品になっている。
ただしプログラム生命体の作成や調整は出来るが、「操作」は基本的には一切行えない。
FD人が一方的に干渉してエターナルスフィアの生命体を操る事は出来ないのだ。
ただしプログラム生命体の操作以外は結構可能で、SO2において十賢者が解き放たれた原因もスフィア社の社員がゲームを面白くするイベントのために時間停止を取り除いたため。

このゲームのお陰で、ロストシティの中小企業の一つでしかなかったスフィア社は一躍都市を牛耳る程の地位を得た。

ちなみに、社長や消去肯定派の名前が悪魔のそれであるのは、消去否定派による嫌がらせ
つまり、「エターナルスフィア」というくくりは我々のいる現実世界もひっくるめたものである。



なおエターナルスフィアにおける『紋章術』とはエターナルスフィアを構成するプログラム言語であり、
紋章術によって起きる現象はエターナルスフィアの構成プログラムを書き替える事により起こる事象である。
ロキシ・ラインゴッドらが研究していた『紋章遺伝子学』も基本的にこれらと同様だが、エターナルスフィアからFD空間に直接干渉出来る力をもっている紋章術よりも遥かに高度な技術。
苦心してエターナルスフィアのシステムを開発してきたルシファーにとって、今まで開発していたシステムが自己進化をし、
ついには勝手に現実に実体化してきて自分たちを攻撃してくるまでに成長してくるとは夢にも思わなかっただろう。
なのでフェイト達の事を最後まで消滅すべき『バグ』として捉え、ブレアらの考えに迎合する事も出来なかったことは彼視点では当然である。
もちろんフェイト達にとってもそんな身勝手に滅ぼされてたまるかなんて話なので、両者の行動は当然である。

……てかエターナルスフィア側とFD世界側が繋がっている以上いつかエターナルスフィア側が大挙して侵攻してくる可能性もある上に、
この件が露見すれば運営している会社の信用もがた落ちということもあって、いくら愛着があるとは言えブレア達のほうがおかしいっちゃおかしいのだが。
そのためかどちらの陣営にもつかず中立的な立場の人や、かなりの思い入れがあるので直接の手助けはしないがフェイト達に親身に接している人も居る。
更に明言はされていないが事故によって世界に入ったままの人もいる…が、こちらはこちらでエターナルスフィアを大切にしていて、そしてそこでの生活を満喫している模様。



ラストバトルの後、ルシファーによってエターナルスフィアの全データが消去され一時は消滅したかと思われていたが、
高度に発展していたプログラム生命が「自分たちの世界」を認識していたため、
エンディング後にエターナルスフィアとFD空間は完全に切り離され、一つの世界として独立出来た。
フェイト達がラインゴット博士の研究によって、FD世界に具現化して更に紋章術を放つなど自在に行動できたことを考えれば、十分ありうる話である。

ちなみに小説版では本舞台はFD空間に対するパラレルワールドであり、
ルシファーは一つの世界を創造したつもりがそのパラレルワールドに干渉できるシステムを開発しただけだったという設定になっている。
…自分で一から創造した世界に干渉するよりもよっぽど凄いことな気がするのだが。そしてより酷いことをしている気がする。
ゲーム本編では後半が急展開で進み、エターナルスフィアの説明が不足なままエンディングを迎えてしまうため(エンディング以外は用語集でちゃんと説明されている)、
小説版の設定の方が正しいのではないかという意見もあるが、あくまでもゲーム本編とは別物である。
またどちらがより良い設定なのかは何とも言えないが、それでフェイト達からしてもルシファーからしてもやるべき行動に変わりはないので、本筋としては大差はない。

エンディングについてはプレイヤーが自由に想像出来るように、あえて説明を曖昧にしたと思われる。


どちらの設定でもこの設定は特に1、2をプレイした人とっては受け入れ辛いことが多く、SO3は戦闘システムは良いがストーリーが×というレビューが多い。
この設定だとエターナルスフィア=リアルで言うところのオンラインゲーム、という事になり1、2の冒険も陳腐なものに感じられるようになってしまうからだとか。

しかし実際のところはFDからの干渉もあるものの、それは本作の様なFDからすると致命的なバグが発生した時が主であり、
スフィア社のスタッフが拘りに拘った結果、最初の創造時以外はデバッグやイベントのための限定的な干渉はあるものの、なるべく手を入れない様に作られている。
そのためエターナルスフィアの出来事は基本的にはエターナルスフィア自身から生まれたものであり、ラティやクロード達の戦いも敵味方どちらも彼ら自身の意思であり、茶番でも何でもない。
SO1では実際に生存がかかっているし、SO2では宇宙が終わっていたところである(実際に崩壊が始まった場合は途中でFDからストップがかかっていたと思われるが、それでも被害が拡大していたであろうことは言うまでもない)。

それでもマイナスイメージが根深いのは、そもそもこの設定がシリーズの世界観と全く馴染んでおらず、既存作品や3本編でも培ってきたその世界観の壮大さ、奥深さという長所を台無しにしているところが問題なのだろう。
そもそもスターオーシャンという作品群自体、その名前の通り星の海、つまり宇宙を駆ける壮大なSF作品のシリーズだったはずである。様々な惑星を渡り歩いて冒険し、宇宙という広大な世界を体験することの面白さ、高揚と興奮がウリだったというのに、地球もロークもエクスペルもヴァンガード3号星も宇宙全部が(メタ的な意味ではなく劇中の設定においても)一ゲーム会社の何人かの人間に作られた、サーバーの中のデータに過ぎなかったんだぜ等と言われては、宇宙の広大さも何もない。
世界観そのもの、プレイヤーが主人公たちに感情移入して冒険してきた星の海そのものが実はチンケなもので、それを駆け抜けていい気になっていたプレイヤーや主人公たちは井の中の蛙だったと言われたような気分になるのも無理からぬことである。

加えて、如何にエターナルスフィアに対してはFD人と言えど無制限の干渉が出来ないと言っても、それはあくまでスフィア社=制作サイドが積極的に干渉をしない、デバック作業があまりない、という程度の話であろう。
プレイヤーに視点を向ければ話は別である。エターナルスフィアとは観賞用の箱庭ではない。これはバーチャルダイブ*2を楽しむシミュレーションゲームなのだ。エターナルスフィアにFD人が入り込んで(ゲームの仕様の範囲内で)好き勝手をやるというのが、寧ろ正しい遊び方であろう。
FD人がエターナルスフィアに干渉してくるのは当然というか、バーチャルダイブしたというのに本当に何に対しても干渉できないならそもそもゲームの体を成さない。プレイヤーがゲームの中のアイテムやキャラに干渉できない方がおかしいのだ。そもそも前述のとおり、十賢者の解放さえ、プレイヤーを楽しませるためのイベントとして行われたものである。
言い方を変えると、エターナルスフィア=スターオーシャン本編の世界とは、かつてからFD人(プレイヤー)の干渉を度々受けてきた世界ということになってしまうのだ。だが、これまでの作品ではそういったことを匂わせる様な設定はろくに無い。
そもそもFD人たちがどの様にしてこのゲームにログインし、どの様にプレイヤーキャラを操作し、エターナルスフィアの人間たち=NPCに対しどこまでの干渉が許可され、どの様にログアウトし、それをNPCがどう認識していたかも不明瞭である。
早い話、このエターナルスフィアという設定の登場は、単純にあまりに唐突すぎて脈絡もなければ伏線もろくになく、詳細も把握しきれないものだった。この手のどんでん返しが説得力やディティールを欠いたまま出されるのは、往々にして倦厭されるものなのである。

ちなみにSO1やSO3に出てくる惑星ストリームのタイムゲートはこの設定のおかげでタイムパラドックス問題が解消され、むしろスッキリする。
なぜタイムゲートなんてものがあるかというと、これは本来はスフィア社がデバッグするための関連施設らしく、タイムマシンはそれをエターナルスフィアの住民達に隠すための処置とかどうとか。
タイムゲートという時点でとんでもない代物なのに、実は機能の一端に過ぎないだなんてそうそう思いはしないだろう。
そしてFD世界と繋がりが深い(ラインゴット博士によるソフィアの能力で出入り出来るようになった)のもそのため。
また本作で敵として出てくるFDのスフィア社の社員はルシファー以外もとんでもないクズ揃いに見えるが、
こちらもあくまでもFD世界の視点において致命的なバグのせいであんな行動をしているだけで、実態としては狂っているわけではないことが伺える。



次のスターオーシャン4-THE LAST HOPE-ではこの設定は全く言及されていない…が、時代がSO1より前ということもあって当然である。
存在自体が3のネタバレな上に、知っても作中の誰もがあまり得しない世界の根本的な秘密であることや、
そもそもSO3のエンディングから、これまたFD世界から認識されずエターナルスフィア内からしてもよく分からない状態になっている。
更にフェイト達を始めとするFD世界のことを知っている者達からしても、SO3制作陣の意図的にも、
「元々が作られた世界だから何だって言うんだ!私たちは生きているんだ!」ということに過ぎないので、
今後もこの設定が出ることはそうそうないと思われる。


◆余談◆
FD空間の人間は何と一部の人間(スフィア社員など)を除いて労働禁止らしい。まさかのニート天国。
まあ、「無能な働き者」などの例もあるし、本当に有能な人間&機械だけで回す方が効率的ではある。


追記・修正をお願いします。

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