暴れん坊将軍

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暴れん坊将軍 - (2021/01/24 (日) 08:32:00) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/05/11(水) 07:09:59
更新日:2024/05/03 Fri 15:15:51NEW!
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アニヲタ…



余 の 顔 を 見 忘 れ た か !

【概要】

暴れん坊将軍とは、1978年から2002年まで放映された国民的時代劇で、”マツケンサンバ”の松平健のライフワークとも言える一世一代の代表作。
天下の大将軍が正体を隠して市井の人々と触れあい、闇で蠢く悪を懲らしめ世直しをしていく痛快娯楽時代劇である。
稀に下半身の元気が有り余ってる男性の通称になったりもする。

また、本作品とは縁もゆかりもないが、X JAPANToshIがライブ中のMCで観客に向かってよく「てめぇら!!暴れん坊将軍で行けオルアァ!!!」と叫ぶ。
…果たして『暴れん坊将軍で行く』と言うのはどういうことなのかね?

また、メインテーマは大阪近鉄バファローズのチャンステーマとして用いられていたことでも有名で、他球団の応援団がこれに追随したことでチャンテが定着した、いわば始祖とも言える存在である。。「代打逆転サヨナラ満塁優勝決定ホームラン」の時の打席で流れていたのもこれ。

かつて時代劇は長期に渡って放送されていたが、その中でも非常に放送期間が長く、第3作目までは各期ごとに200話近くも放送されていた。 
ただし、基本的な設定だけは軸として一貫しているが、流れが続いているシリーズもあれば、完全にリセットして仕切り直しているシリーズもある。

なお、第1作目だけは「吉宗評判記」というタイトルが付属していた。


【基本ストーリー】

基本的な話の流れは黄金パターンが確立されており、

  1. 巷を騒がせる悪事を聞きつけ、吉宗がその深刻さを憂慮する
  2. 吉宗がゲストと交流(襲われている所を助ける事が多い)
  3. 事態が急展開
  4. 怒り心頭の吉宗が敵の本拠地へ突入
  5. スマッシュブラザーズ開始(後述)
  6. エピローグ(基本的にはハッピーエンドだが、稀にもの哀しいビターエンドもある)

原則的にこのような流れで物語が展開する。
テレビスペシャルなどは江戸城が占拠されたりしてこの限りではない。

【殺陣】

クライマックスにおける殺陣は、松平健の力強く流れるように美しい剣技が冴え渡り、壮快でカタルシス抜群な血湧き肉躍る最大の見せ場。ここでも基本パターンが確立されている。

  1. 親玉の前に吉宗登場。主な登場パターンは以下の通り
    1. 事が進んで調子づく親玉の振舞いを、エコー付きの台詞で咎めながら出現
      (「その悪事、許すわけにはいかぬな」「その宴、この世の名残りの宴と知るがよい」等)
    2. 悪役がゲストを斬ろうとしている所に扇子(白地に「正義」の字を記したもの)を投げつけて乱入
    3. 画面外から悪事の証拠品をブン投げる(例:偽小判、手下、着火した爆弾(無論火薬抜き))
  2. 突然の来襲に驚く親玉を、吉宗が「余の顔を見忘れたか!」と一喝して平伏させる
  3. 親玉は一度は平伏するも結局反逆し、手下を呼び寄せて吉宗を襲わせる(後述)
  4. 吉宗が抜いた刀を肩の高さで構え、「カチャッ」と音を鳴らしながら刀を返すのを合図に殺陣開始。この際、ハバキ部分の三つ葉葵がアップになる
  5. 例のテーマをバックに吉宗が手下どもをなぎ倒す。数人倒す→ゆっくり歩いて親玉に迫る→また数人倒す、を繰り返し親玉を追い詰めていく。
  6. 10~15人ほど倒した所で「カーン!」の効果音と共に吉宗が親玉を睨みつけるアップが入る。
    御庭番の2人が助勢に入るのもこの前後。手下の筆頭格もこの辺りで処理される
  7. 最後は親玉自ら吉宗に斬りかかるも叩きのめされ、吉宗の「成敗!」の合図で御庭番に斬られる
  8. 吉宗が音を鳴らしながら納刀し、遠くを厳しく見つめるカットを以って殺陣終了

基本は吉宗と御庭番2人の合計3名だけで大勢の敵を蹴散らしていくが、時には越前など助っ人が加わる事も。
また、仇討ちを志す被害者の遺族がゲストの場合は、剣をたたき落された悪玉を隅に追いつめた後遺族に止めを任せることもあった。この場合、最後の「成敗!」がゲストに止めを促す台詞に差し変わる(「〇〇、本懐を!」など)。

ただしシリーズ初期の頃は、殺陣シーンなし・将軍である事を相手が知らぬまま敵の頭領と騎馬戦(スタントマンなし!)で一騎打ちなど、イレギュラーな話運びもあった。

【悪人の反逆】

ほとんどの場合、吉宗が正体を明かしたら悪人たちは一旦はひれ伏すものの、断罪の意志(「この場にて潔く腹を切れい!」、「天に代わって成敗してくれる!」など)を突き付けられると最終的には往生際が悪く牙を剥いてくる。これまた色々なパターンがある。

  • すっとぼけ型:「上様がこのような所に来られる筈がない!」「恐れ多くも上様の名を騙る不届き者じゃー!!」
  • 反逆型:「上様!お手向い致しますぞ」「ふっふっふ……飛んで火にいる夏の虫よのう」「吉宗、ここで死ねばただの人ぞ!!」
  • ヤケクソ型:「もはやこれまで…」「そこまでバレているならば、悪党らしく死に花を咲かせてくれるわ!!」

あの最強死亡フラグ「ものども、であえ!であえー!このものは上様の~~」な発言も連発する。

  • スペシャルだと正体明かされてもなお余裕な態度の奴もいる。
  • 特番では吉宗のライバルである尾張藩藩主・徳川宗春の勢力が敵として登場することがあり、「吉宗の首を我が殿、宗春公に差し出せ!」と殺る気満々で襲ってくる。
  • 一度だけ上方の商人が「これは好都合や!この世をもっと面白可笑しくするために、将軍はんにも変わってもらいまひょか!!」と言った事がある。

吉宗がこうした悪人の悪あがきに反応することは基本的に無く、さっさと刀を抜いて無双モードに移行することが多いが、構える前に一言呟く場合もまれにある。
(例:「愚か者!」、「どこまでも腐りきった奴らめ」、「俺の命は天下の命、三つ葉葵の風が吹くってな。貴様ら如き悪党に、渡すわけにはいかんのだ!」)


【成敗】

実は吉宗や越前は峰打ちを行っており、実際に人を斬っているのは御庭番だけである。
これは「上様の刀が汚れる」「上様に斬られたらかえって名誉になってしまうから」などの理由によるもの。親玉の成敗を御庭番にさせているのもこのせい。
しかし、何の罪もない善人が犠牲になっていたり、どうしても許し難い外道に対しては吉宗自身が直々に成敗を下すケースも存在する。
  • 御庭番が殉職して、マジ切れして殺戮マシーン化したことも。
  • 徳田としての自分の養父になるはずだった人物が落命した際も、怒りと哀しみで殺戮マシーン化した。

社会的地位のある親玉の成敗に関しては、公には病死や不慮の事故として処理され、お家断絶か後任の者が家督を継いでいる。
気絶させるだけに留まった手下は越前が召し捕っているという設定。

決着を付けた後、もしゲストがその場に立ち会っていれば土下座をして非礼を詫び、それに対して吉宗は笑って語りかける事で一件落着である。

【登場人物】


◆徳川吉宗(演:松平健)

誰もが知ってる江戸幕府八代将軍。
強く優しく正義感に溢れ、女心にやや疎いのも含めて、まさにヒーローとしての理想型。
市井に溶け込む際は、『め組に居候している貧乏旗本の三男坊”徳田新之助”』を名乗っている(新之助は実際の吉宗の幼名である)
何度か敵に捕まって拷問されているが、一晩中痛めつけられても呻き声一つあげない強靱な心身の持ち主。
アホみたいに強いが、将軍様の剣術指南役やシーズン最終話の吉宗と不思議のダンジョンのラスボスである佐渡奉行等、吉宗以上の剣士も居るには居る。
天然ジゴロであり、本人にその気はなくてもハートを射止めた相手は数知れず。命を狙ってきた女暗殺者も陥落させた他、御庭番のくノ一とフラグを立てた事も。
初期は大体め組でちやほやされるが、後期になると快活なおばんに良いようにこきつかわれたりもした。
シリーズ中、本人が見初めたのは第8作目でヒロインとして描かれた鶴姫だけ(だが、演者が結婚を機に引退したため、設定自体がなかった事にされた)。
まあ史実に合わせて子供とか出していたら、「長男をどう描くか」という問題が発生したかもしれないからしょうがないね。
人間関係には極めて恵まれている一方で家族愛・親子愛と縁遠い幼少期を過ごしていた(これは史実でもある)せいか、徳田としての自分に養子縁組の話が持ち上がった際は養父候補となった旗本と心を通わせ、「父上」と呼び慕うまでになったことも。
銀幕デビュー作品で、何故か仮面ライダーオーズと時空を越えて共闘する。
もちろん「成敗!」も言った。

そしてゲーム『仮面ライダー バトライド・ウォー2』にもゲスト出演。まさかのゲームデビューである。
声はもちろん松平健氏本人でオーズや「鎧武者」がモチーフとなる仮面ライダー鎧武達歴代の平成ライダーと競演を果たした。
更に一部ステージのみではあるがプレイアブルキャラクターとして使用可能となっており、本作では生身の人間でありながら仮面ライダーに匹敵する実力を持つという凄まじい設定。(レベルは最初からカンスト)
全並行世界の支配を目論む超巨大組織の大ショッカーが脅威と感じて直接抹殺に乗り出すというとんでもないことになっているが、彼らの末路は言うまでもない。
というか、映画では実現しなかったガラとの直接対決までやってのける。
恐ろしい。


◆じい(演:有島一郎/船越英二/高島忠夫/名古屋章)

御側御用取次。モデルは史実で吉宗が創設した同名の役職だが、キャラ名は「加納」・「有馬」と一部で名字を借りた以外はドラマオリジナルとなっている。
吉宗とのコミカルなやり取りは毎度の名物で、この存在なくして暴れん坊将軍は成立しない。
度々姿を眩ます吉宗に頭を悩ませたり、ことごとく見合いを進めたり、”ご隠居”として自分も町に繰り出して町人の文化にはしゃいだりする、愛すべきお爺ちゃん。
口やかましく窘めるが吉宗との絆は深く、吉宗が瀕死の重傷を負った時は、嵐の中で行水しながら無事を願い続けた事も。
役者さんが変わるごとに役名も変わっているが、いずれも性格や人物像の設定は大部分が共通している。

吉宗の生母とフラグを立てて、誰得色恋沙汰と思いきや微笑ましい展開してた爺ちゃんも居る。
その婆さん尼だけどな!


◆大岡越前守忠相(演:横内正/田村亮(ロンブーではなく田村正和の弟))

ご存じ”大岡裁き”の南町奉行で、本作のレギュラー版終了後テレ朝でも彼主演のドラマが作られるくらい人気の人物。
本作でもその暖かみのある裁量で町民から絶大な支持を得ており、吉宗の最も信頼する懐刀。
吉宗の失踪癖にも寛容だが、真面目なのでじいから愚痴をこぼされると困り果てる。

幾度となく失脚を狙う奸計で切腹寸前に追いやられているが、その度に吉宗と共に切り抜け、また奉行の立場を活かして徳田新之助(吉宗)の窮地を幾度となく救った。
実史でも目安箱や小石川療養所設立など、吉宗の時代に活躍しており、史実では晩年大名になった。
TBSで作られた彼主役の時代劇『大岡越前』では吉宗の方が色々無理言って困らせており、後にNHKで制作された同名作品でも似たり寄ったりの演出のため、こっちに慣れてると結構新鮮。まぁ自然な流れか。


◆御庭番

吉宗の側に控える男女一組で構成された密偵。
忍びの性質上あまり表に出る事はないが、それだけにスポットが当たった回は濃いドラマが描かれる。
将軍の側近なら当然だが非常に優秀な人材が揃っており、吉宗が悪を打ち倒せるのも彼らの尽力あってこそ。
基本的にシリーズごとに入れ替わるが、宮内洋演じる薮田助八など、吉宗を庇って殉職者が出て交代したケースもあった。
大概人質をとられて鉄砲で蜂の巣にされて殉職する。
くの一が度々負傷したり捕えられるイベントは起こったが、恐らく色んな年齢層の愚息さんが暴れん坊になって待ちわびたイベントだろう。

また、男の御庭番は仮面ライダー、スーパー戦隊OBが演じることが多い。(宮内洋荒木茂、五代高之、若松俊秀、松田悟志)


◆辰五郎(演:北島三郎)

町火消し”め組”を率いる江戸っ子全開の粋な親分。
徳田新之助の正体を初期から(レギュラーとしては)知っている数少ない存在で、吉宗とは確固たる信頼関係で結ばれた協力者にして親友。
初期の頃は、クライマックスで吉宗さえ取り逃がした悪党と対峙し、たった一人で叩きのめし引っ捕らえるという強さが描かれていたりもした。
シリーズ後期では後継者に頭の座を譲り、自身は昇進したり引退したりしている。

【余談】

実際の徳川吉宗は貨幣や米価の調整に奔走したため、”米将軍”と呼ばれていた。
だが、この作品があまりにもポピュラーだったせいで「吉宗は( )将軍と呼ばれた」という穴埋め問題『暴れん坊』と回答してしまう受験生が続出したという逸話が記されている。
また、ハワイのキクテレビでも、本番組を英語字幕スーパー付きで放送したため、ハワイのジモッティー達も松平を『Syogun-Yoshimune』と呼んでいる。

1995年、NHKが本番組に対抗すべく大河ドラマ『八代将軍吉宗』を放送した。こちらは西田敏行を吉宗役に起用し、吉宗の生涯を孫に至るまで忠実に描いた『将軍家のホームドラマ』をコンセプトとして制作したが、吉宗=マツケンのイメージを覆す事はできなかった。
ただし、本番組が当時土曜夜8時の放送に対して、こちらは、日曜夜8時の放送だったため、時代劇マニアは、週末に二つの吉宗を見て比較するのが定番となった。



追記修正を絶やしてはならぬと、Wikiに籠もり続ける吉宗であった

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