ジュラシック・パークⅢ(映画)

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ジュラシック・パークⅢ(映画) - (2018/06/28 (木) 13:52:52) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2015/08/12 (水) 23:23:42
更新日:2024/04/25 Thu 00:49:55
所要時間:約 7 分で読めます




未だ見たことのない世界があった…




概要


01年に公開された米映画。
パニック映画『ジュラシック・パーク』のシリーズ第3弾。

前2作の監督スティーブン・スピルバーグは製作に回り、
監督は『ロケッティア』や『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』などを手掛けるジョー・ジョンストンに交代。
また、今回からマイケル・クライトンの原作から離れ、映画オリジナルのストーリーとなる。

今作は上映時間は1時間半とコンパクトにまとまっており、
前作までの遺伝子科学の要素は省かれ、恐竜たちがひしめく孤島でのサバイバルアドベンチャーに終始している。
また、ホラー要素よりも冒険要素の方が高く、単体でも楽しめるのが特徴。




物語


生きた恐竜の生息するテーマパーク「ジュラシック・パーク」の事故から数年。
パーク本島であるイスラ・ヌルブラと研究島イスラ・ソルナは恐竜の生息する「失われた世界」と化していた。

そんな中、ジュラシック・パークの事件の生存者、アラン・グラント博士は実業家を名乗るカービー夫妻から、
イスラ・ソルナ周辺の飛行ツアーのガイドを依頼される。
研究資金の提供と、「周辺を飛ぶだけ」との説得と相まって、グラントはそれを了承。

しかし、ツアー当日、周辺を飛行するだけのはずだった飛行機は島へと着陸。
憤るグラントだったが、その直後森の中で恐竜に遭遇した彼らは慌て、緊急離陸の衝撃で飛行機は森の中へと墜落してしまった。

実はその8週間前、カービー夫妻の息子エリックがイスラ・ソルナ近海で、セーリング中に行方不明になっていた。
今回のツアーもエリックを探すためのものだったのだ。
脱出不可能になったグラントたちは肉食恐竜たちの魔の手から逃れながら、島を彷徨い歩いていく。

だが、今まで見たことのない種類の恐竜たちは彼らの想像を超えていた…。



登場人物


アラン・グラント
演:サム・ニール/吹き替え:小川真司
第1作目からお馴染みの恐竜博士。
エリーとは破局したが相変わらず恐竜の研究を続けている。
ジュラシック・パークでの体験を汲まれてお騒がせ夫婦の子供を探しにあの忌まわしい恐竜の島へと舞い戻ることに。
恐竜の恐ろしさについては身をもって体験済みであり、不慣れな他メンバーを統率していく。
子供の扱いにも大分慣れたようで、エリーの子どもから「恐竜男」というあだ名を付けられる。
ジュラシック・パークの恐竜を研究しないのかという問いには、「アレは遺伝子操作で作られたテーマパークの怪物だ」と答えており*1、本来の恐竜ではないというスタンスを取っている。
それでも植物食恐竜の群れを見たときには嬉しそうな顔をしている辺り、なんだかんだで根は恐竜を愛しているのが見て取れる。
ちなみに前作の事件の時には特に関与してないことが明かされる。

「違う。神への冒涜だ」

ポール・カービー
演:ウィリアム・H・メイシー/吹き替え:納谷六朗
自称会社を経営している実業家。
…というのは嘘で実際は小さなタイル塗装屋。
見た目からして頼りないヘタレ親父だが、息子のピンチに体を張って立派な父親に成長する。

アマンダ・カービー
演:ティア・レオーニ/吹き替え:渡辺美佐
ポールの妻。
繊細な美人だが神経質でヒステリック。
作中は絶叫しっぱなしで典型的なお荷物ヒロイン。

ビリー・ブレナン
演:アレッサンドロ・ニヴォラ/吹き替え:内田夕夜
グラントの教え子の一人で、グラントに同行し島へと向かう。ラプトルの発声器官を再現した笛を作るなど、なにげに優秀。
明るい好青年だが密かに野心を抱いており、欲望に負けて島で発見したラプトルの卵を持ち帰ろうとし、
一同をラプトルが追跡されるきっかけを作り、グラントに激しく叱責される。
プテラノドンに襲われるエリックを救うために身を挺して彼を庇い、姿を消すが…?
過去に無謀なことをやらかして死にかけた経験があり、それを知ったグラントに「愚か者が生き残るのは進化論に反する」と苦笑交じりで皮肉られている。

なお、スピノサウルスを見た時にバリオニクスまたはスコミムスではないかと主張したが、グラントにスピノサウルスだと訂正されている。そのため一部ファンから「恐竜の研究者なのにスピノサウルスも知らないのか」と突っ込まれた。*2

エリック・カービー
演:トレヴァー・モーガン/吹き替え:北尾亘
ポールとアマンダの息子。12歳。
母親の知り合いとコスタリカ沖でクルージングを楽しんでいたが、パラセール中に恐竜に襲われイスラ・ソルナに遭難してしまう。
そのまま8週間も島で独力でサバイバル生活を過ごし、恐竜から逃げる術を身につけた。ティラノサウルスの排泄物を集めるなど、たくましい少年。
捜索部隊と合流した後は、グラントやビリーに懐いていた。
ちなみにマルカムのことは「自画自賛もいいとこだね」と批判的な発言をしている。

ナッシュ
演:ブルース・A・ヤング/吹き替え:辻親八
飛行機の機長。衛星携帯電話ごとスピノサウルスに喰われる。

ユデスキー
演:マイケル・ジェッタ―/吹き替え:佐々木敏
飛行機の副機長。ラプトルに襲われ、死体を罠として利用される。

クーパー
演:ジョン・ディール/吹き替え:落合弘治
銃撃のプロ。飛行機に乗り遅れて飛行機の前に飛び出した瞬間スピノサウルスに喰われ、それと同時に飛行機が恐竜に衝突し墜落した。

エリー・デグラー
演:ローラ・ダーン/吹き替え:安藤真吹
グラントの元助手で元恋人。現在は一児の母。
旦那様は外交官で、国務省に勤務しており玉の輿に乗った。




登場恐竜


スピノサウルス
今回初登場の肉食恐竜。背中の大きなヒレが特徴。
T-レックスに代わる大型恐竜として、キービジュアルに採用されるなどプッシュされている。
体長17メートルと、T-レックス以上の巨体を持ち、大きな顎で敵を噛み砕く。
水陸両生で、陸上だけでなく水中から敵を襲い、双方の意味で一同を苦しめた。
なお、後の研究では魚食性で恐竜はあんまり喰わず、チャンスはあればたまに喰うくらいらしいことが判明している。

ちなみに顎の咀嚼力でいうとT-レックスには及ばず、
体重も一説によると華奢で4tから6tとサイズの割に軽めらしいのでタイマンでやりあうと実際は不利であろうと言われている。
(少し小さいティラノが約5~6tなので、体格との割合ではティラノの方が重い)
同時期に同じ地域に住み同じくらいのサイズだったカルカロドントサウルス的要素もあったのだろうか。

なお、「パンフレットには、実際はティラノが圧勝するだろうとコメントされている」というのが長年ネット上に書かれてきたが、これはデマである。実際には、やや意訳的だが、「顎のパワーではティラノが圧倒的だろうが、対峙するスピノが大型個体ならば勝負の行方はわからない」とされているのである。上記の通り、ティラノの圧勝を願う?意見もあるが、近年でもスピノの大型個体が良い結果を残すだろうという説に賛成する意見もある。

そもそも、ホームグラウンドが全く異なる生物同士の強さ議論はナンセンスである。陸と空ならまだしも、水中と陸上だと、例え波打ち際や浅瀬に場所を設定したとしても、両者が本来のポテンシャルを活かせる訳ではないのだ。


ヴェロキラプトル
ご存知、恐竜の中のハンター。
恐竜の中でも高い知能を持っていることで定評があるが、
今回は仲間同士の会話や罠を使って敵をおびき寄せるなど、頭と統率力の良さに拍車がかかっている。
そして終盤、グラントとの知恵比べが繰り広げられる。*3
制作されていた頃には羽根が生えている恐竜としての側面も言われ始めていたが羽根は生えていない。
次作でも生えていないのでいよいよ本物のヴェロキラプトルから乖離しつつある。


プテラノドン
肉食の翼竜。前作ラストでチラ見せしたが、今回満を持して本格登場。
谷底に巣を作り、無数の群れで上空から鋭いくちばしで獲物を狩る。
ラプトル以上に数の暴力で厄介な存在。

なお、40kgはある少年をぶら下げて飛んだりしていたが、骨格などから推定される体重は最大で20kg程度。
とてもじゃないが物を掴んでの飛翔は無理である。
そもそも飛行スタイルも気流を捉えて滑空するアホウドリスタイルなので、
あの環境で力強く羽撃いていた本作のプテラノドンはファンタジーの住人に近い…のかも。

この点もちゃんとパンフレットでは解説されており、「実際にはプテラノドンは人間を捕まえたまま飛ぶことはできません、勘違いしないように」というやはり映画の余韻ぶち壊しな解説がしっかり書かれている。
公式で主人公補正宣言されてる奴その2


ティラノサウルス・レックス
肉食恐竜の王者(…のはず)。
今回はスピノサウルスの前に現れ一対一の勝負を挑むが、敢え無く敗退した。
平たく言えば、スピノの噛ませ犬にされただけの出番だった
前作のジュニアなのかどうかは不明。

ブラキオサウルス
大型雷竜。長い前脚と鶏冠のある頭がトレードマーク。


アンキロサウルス
背中を硬い骨板で覆われている鎧竜の最終進化形。有名恐竜だが、シリーズではこれが初登場となる。
ほぼ背景扱いで、その活躍は次作に持ち越しとなる。


コンプソグナトゥス(コンピー)
小さいが怖い肉食恐竜。今回は出番は少ない。
エリックからは危険な動物と認識されているようである。


パラサウロロフス
長い鶏冠が自慢の草食恐竜。
一作目から出てるのに影の薄い奴ら。


コリトサウルス
よーく注意してみるとパラサウロロフスの群れに混じっているのがわかる。
シリーズ初登場の割にすごく影が薄い。


ステゴサウルス
前作に引き続き登場。


トリケラトプス
ティラノ、ラプトルと並んでシリーズ皆勤賞。今回もメインストーリーには絡まないものの名脇役っぷりを見せる。


ケラトサウルス
水辺のシーンでちょっとだけ登場。こちらも初登場。
れっきとした中型肉食恐竜なのだが、人を襲うわけでもなく、見せ場を貰えなかったかわいそうな奴。
ちなみに実際のケラトサウルスとは、細部がやや異なる。

スピノvsティラノの戦闘について

映画が公開されてからずいぶん経つが、当時も今もこの結果に納得しない声は少なくない。英語でのスレとかを覗いてみると、それはもう…。

「この映画がラジー賞を取ったのは、ティラノが負けたからだ!」なんて陰謀論チックな感想を持つ人までいる。

なお、映画の制作にも携わっていたジョン・ホーナー氏やニザール・イブラヒム氏およびポール・セレノ氏という恐竜研究界の重鎮は、2001年発売の海外版のDVDや2014年発売のナショナルジオグラフィックで、このように述べている。

「恐竜のヤバさのレベルをサイズ準拠にして言うなら、肉食恐竜ではスピノサウルスが一番。ティラノサウルスはスカベンジャーだった可能性もあるが、スピノサウルスはプレデターだった。」

「スピノサウルスが一番大きい獣脚類だから目玉恐竜にした。」

「スピノサウルスが水中生物&四足歩行だった可能性も挙がってきたし、他の捕食者との戦闘が起こっても、映画での描写とは全く異なるものになるかもしれない。」

「大型の捕食者同士は、お互いに避けていたという可能性が高いね。スピノサウルスが上陸しても、他の獣脚類などとドンパチやらなかったと思う。」

「もし戦ったら、最初に強力な噛みつきが決まった方が勝利するだろう。」

「そもそも、ティラノもスピノも、棲んでた時代も大陸も全く違うんだがね。」



「僕の見立てだとWiki籠りには2種類いる。新規作成タイプか追記修正タイプだ」


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