Spec Ops:The Line

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Spec Ops:The Line - (2022/11/25 (金) 05:29:05) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2016/01/31 (日) 14:30:00
更新日:2024/04/06 Sat 00:10:00
所要時間:約 2 分で読めます




Yager Developmentが開発し、2K Gamesより販売されているTPS。プラットフォームは PC(Steam)、Xbox 360、PlayStation 3で、ローカライズは日本語字幕のみ。

「Spec Ops」の題を冠しているものの、従来のシリーズとの関連性はない。
ストーリーはジョゼフ・コンラッドの小説「闇の奥」(映画「地獄の黙示録」の原作)を下敷きにしている。


ストーリー


――世界の富が集まり、中東の宝石と言われたドバイ。今、その姿は見る影もない。かつて経験したことのない砂嵐によって、全てが砂漠の海に消え、武装グループのはびこる戦場へと変貌していたーー。

米国陸軍デルタフォースのチームリーダー、主人公マーティン・ウォーカー大尉に中東ドバイへの着任命令が下る。ゲリラが占拠するドバイ旧市街に侵入し、ドバイでの任務中に行方不明になったジョン・コンラッド大佐を救出するのが任務だ。マーティンを待つ過酷な戦場、そこは善悪のモラルを試される過酷な運命が待ち受けているのだった・・・

(日本版公式サイトより転載)

登場人物


◇ マーティン・ウォーカー大尉

主人公。 砂嵐に飲み込まれたドバイの生存者の有無および、コンラッド大佐の生死を調査するべく3名のデルタフォース隊員の一人で、任務の指揮を務める。
コンラッド大佐にかつて命を救われており、彼を英雄と崇めている。
ゲーム中盤の「ある出来事」を切っ掛けにして精神が錯乱していき……

◇ アルフォンス・アダムス中尉

ドバイに派遣された3名のデルタフォース隊員の一人。任務にストイックな黒人兵士。
ゲーム終盤で33部隊に包囲された時点で徹底抗戦を主張し……

◇ ジョン・ルーゴ二等軍曹

ドバイに派遣された3名のデルタフォース隊員の一人。任務中でも軽口と喧嘩腰の態度を崩さない生意気な若者だが、非人道兵器の使用には真っ先に反対したり、命令に背いてでも民間人を救う選択をしようとしたりと根は良い奴。
チームが散り散りになった際に逃げ込んだ避難民キャンプで……

◇ ジョン・コンラッド大佐

アメリカ陸軍第33歩兵大隊の指揮官。砂嵐によって外界と遮断されたドバイへの救助任務への参加に志願したものの、 砂嵐が激しさを増す中、脱出を断念。砂の中でラジオ塔を残して外部との連絡手段を失い、孤立した33部隊は難民と共にドバイ市内に留まることになる。6ヶ月後にアメリカ軍に届いた彼からのメッセージが、物語の発端となる。

◇ "DJ"

戦場と化したドバイで33部隊のプロパガンダ放送を続ける男。
町中に仕掛けたスピーカーで事あるごとにウォーカー達を煽ってくる。ルーゴと結構音楽の趣味が合う。

◇ グレイフォックス部隊

ドバイに潜入していたCIAの特殊部隊。
ドバイの民間人に武器を供与して民兵を組織し、33部隊が管理する水資源の強奪を計画しているようだが……?




















                                          奴のせいで人殺しだ!

                    俺たちは……助けようと……

                                               人殺しめ!

  ドバイは数日で死の街になる

    どうしちまったんだ! ウォーカー!

                どんな選択をしようと、あなたは良い人間だ

                                暴力でしか物事を解決できねえのか?

      そいつはあと二日で除隊だったのに!

                              君と同じく、私は正気だ

狂気のストーリー

砂に閉ざされたドバイ内部では市民を圧政で支配する33部隊と、それに抗う民兵たちが銃撃戦を繰り広げる戦場の様相を呈していた。
コンラッド大佐を信頼するウォーカーは「33部隊内部でクーデターが発生したに違いない」と、戦争犯罪に与する33部隊兵士を指揮から外れた脱走兵と判断して殲滅。この時点で任務は完了しているのだが*1、ウォーカーは真実を求めて部下二人と共にドバイの調査を続ける。

中盤において、暴走した33部隊を白リン弾で始末したとプレイヤーが思った所からストーリーはおかしくなり始めていく。
真実は、33部隊が保護していた民間人の集団も巻き添えに爆撃で殺害してしまったのだった
罪悪感から呆然自失とするウォーカーを嘲笑うかのようにコンラッド大佐からの通信が届く。水を巡って殺し合う暴徒を鎮圧するために戒厳令を敷くうち、大佐は治安維持の名の下に手段を選ばない性格になっており、33部隊の暴走も全て大佐の指揮によるものであった。
そこからウォーカーの目に映るのは現実なのか、妄想なのか分からない世界が広がっていき……。


登場人物の末路


◇ グレイフォックス部隊

本当の目的は「33部隊の暴走」という不祥事の揉み消し工作。つまり民間人を含めた全当事者の抹殺。
民兵には33部隊が管理する水資源の強奪を呼びかけ扇動していたがこれは建前で、実際は水を奪うのではなく破壊することで街全体を干乾びさせるのが狙いだった。
しかし所詮民兵では元正規軍の相手は荷が重く、グレイフォックスメンバーは次々と33部隊に狩り出され始末されていったが、デルタフォースというイレギュラーが民兵側に付いた事で戦況は逆転。
最終的にグレイフォックスは全滅したものの水資源の破壊には成功。砂漠の生命線である水を失ったことでドバイの住民たちは急速に死へと向かっていく。


◇ "DJ" ロバート・ダーデン

ラジオ塔に踏み込まれると、即座に降伏する。しかし、ルーゴ二等軍曹はそれを無視して射殺。
本名は「ロバート・ダーデン」。ただのゴシップジャーナリストだったが、滅び行くドバイ、その状況を何とか立て直そうとするコンラッド大佐を目撃してジャーナリスト魂に覚醒。かつて大戦中にラジオ放送で人々に勇気を与えたエドワード・R・マローに倣って、ドバイの人々を鼓舞すべく善意で放送を始めたらしい。


◇ ジョン・ルーゴ二等軍曹

DJを始末してからラジオ塔を脱出するヘリコプターに乗り込むも、墜落して離れ離れ。見付けた時はドバイの住人キャンプでリンチをされていた。
救出するも時すでに遅し、すぐに息を引き取った。ここからウォーカーの幻覚がますますひどくなっていく。


◇ アルフォンス・アダムス中尉

ルーゴ二等軍曹の死が切っ掛けとなり、明確にギスギスした態度を取るようになる。
コンラッド大佐のいるビルに乗り込む際に、33部隊に包囲されるのだが抗戦を選んだアダムス中尉は射殺される。


◇ ジョン・コンラッド大佐

全ての元凶かと思いきや、ドバイの状況を収集しようとして逆に悪化させた責任に耐え兼ねて既に自殺していた。
本拠地のビルのペントハウスには彼の腐乱死体があるのみ。


◇ マーティン・ウォーカー大尉
仲間や民間人を犠牲にしてたどり着いた真実。
それは、これまでに見ていたコンラッド大佐の全ての声や姿は彼自身が行動の正当化のために生み出した幻覚に過ぎなかったということ。
身勝手な英雄願望に部下を付き合わせた挙句に白リン弾で民間人を虐殺してしまった罪悪感から逃れるため、責任を幻覚のコンラッド大佐に転嫁し、存在しない彼を追い求めて突っ走った結果、ドバイ全滅という最悪の結果を招いたのであった。

そして彼は四つの結末を選ぶ事となる。


それを選ばなかった場合。
数日後、米軍小隊はドバイの捜索にやってきた。そこで銃器を手にしていたウォーカー大尉は……

  • 一欠片残った正気で、捜索にやってきた米兵と共に祖国に帰還する。
「ここに来る途中、街で多くを目にしました。あんな中をどうやって生き延びたんです?」
「生きてなどないさ」

  • 完全に狂気に侵されたウォーカー大尉は……
米軍小隊との撃ち合いをするも敗北。走馬灯の中で、戦場からの帰還を頑なに拒んでいたコンラッド大佐の台詞を思い出す。
「我々には越えなければならない一線がある。成すべきことを成して死ねれば本望だ。私が望んだのは平和だ」

  • 勝ってしまった場合は……
完全なる狂気に侵されたウォーカー大尉はドバイの廃墟の中に消えて行った。
「ドバイへようこそ」









Do you feel like a hero yet?(英雄らしい気分になってきたか?)


追記・修正は連中に白リン弾を撃ち込みまくってからでお願いします。




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