3式機龍(メカゴジラ)

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3式機龍(メカゴジラ) - (2016/07/31 (日) 15:58:01) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2009/10/30(金) 21:02:49
更新日:2024/04/17 Wed 19:05:56
所要時間:約 7 分で読めます






いくよ、機龍!!



本項では2002年公開の「ゴジラ×メカゴジラ」、2003年公開の「ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS」に登場するメカゴジラを説明する。


正式名称「三式機龍」
型式番号:MFS-3 (Type3:Multi-purpose Fighting System)
全長:60m
総重量:4万t(重武装型)
    3万6千t(高機動型)

1999年に再出現したゴジラに対する「対ゴジラ用兵器」として日本政府主導の下、特生自衛隊が建造した『生体ロボット』。
この時、実弾兵器すら内蔵した*1機龍の開発法案可決に当たって日本が再び軍事国家になるのではないかという批判が各国や国内マスコミからあり、
当時の首相である柘植真智子は説得にかなり苦労したようだ。

房総半島沖から回収された芹沢博士のオキシジェン・デストロイヤーで肉体を溶かされた初代ゴジラの骨をメインフレーム化しており、
情報伝達システムには二進法のデジタルより優れた4つの因子を利用した「DNAコンピュータ」を使用をしている。
そのため、ある意味で本当に「メカゴジラ」となった。

当初、この「DNAコンピュータ」はゴジラの骨に残留していた骨髄間質細胞を使用していた為、
ゴジラの遺伝子と同一だったため影響を受けやすく、初出動時にゴジラの声により干渉・暴走事故を引き起こす要因となった。

アニヲタ的に無理矢理わかりやすく説明すると多分ゴジラ版エヴァンゲリオン。暴走するし。
骨だけだから厳密には違うけど、まぁそこはモノのたとえだからどうでもいい。そして……(後述)
※後の修復作業によりDNAの塩基を書き換えられ、一旦は暴走はなくなった。


正式名称の3式機龍の「3式」は2003年完成という設定によるもの。
メタ的な視点で言えば、昭和VSシリーズに続く「三代目のメカゴジラ」と言う意味にも取れる。
MFS-3という形式番号は『多目的戦闘システム三式機龍』の略称である。また武装は自衛隊の命名方法を元にしている。

本体各部にメンテナンス用のコントロールブースがあり、そこで手動で操縦する事も可能になっている。

だが、戦闘中はコントロールブース内部に凄まじいGが掛かるため人間には耐えられない。
ちなみにコントローツブースまでの通路にはゴジラの放射能を除去するための放射能除去装置がある。

そのため、操縦は輸送機「AC-3 しらさぎ」から行われ、
「しらさぎ」から送信されたコントロールコマンドを内蔵するスーパーコンピュータで処理する半自立型操縦である。

機龍自身も状況に応じて自動的に攻撃を避けたりもできる。


現場までの移動には、しらさぎ2機でワイヤーによって牽引される。
どんなワイヤー使ってんだ……?(ここはキングコング対ゴジラ方式ってことで)

機体背部や太もも・バックユニットなどにバーニアが内蔵されており、
自らの自重どころかゴジラを抱えたまま空中移動を行えるほどの推進力を持つ。
ただしさすがにGフォースメカゴジラのように長距離移動できるほどの力はない。(推進剤的な意味で)

東京SOSでは前作×メカゴジラにおいて機龍が姿勢を正常に戻すのに時間がかかるスキをゴジラに狙われた教訓を生かしたのか、
さらにバーニアの数を増やしており、自重を支えながら短時間ながら空中浮遊を行えたり、
手を使わずにすぐさま正常な姿勢に戻すことができるように改良されている。


また、ゴジラの骨を使っているためゴジラに似たフォルムを持っている。(口内でゴジラの歯が露出している)
これは非常に戦闘に適したものでゴジラと互角以上に渡り合えるある種の完成形である。


核駆動の平成メカゴジラと違い、バッテリー稼働の機龍の駆動可能時間は約2時間と制限されている。

長時間戦闘を行う際のエネルギー供給は、最寄りの自衛隊基地からしらさぎを経由し、
マイクロウェーブでエネルギーを背鰭のアンテナに転送し供給される。


重装備型では遠距離からの砲撃、高密度弾幕によるダメージ。
高機動型ではタックルや殴り合い、尻尾を使った延髄斬り。

バーニアを使ってジャイアントスイングを行うなど、DNAコンピュータの処理能力もあって素早い動作を実現し、
目の前で放たれた熱線を回避できるほどの高い運動性を持っている。



ちなみに純日本製である。

日本ハンパねーな



なお、本来のオキシジェン・デストロイヤーは骨すら溶かす威力がある設定だが(実際にゴジラでは骨も解ける描写もある)、
『ゴジラ×メカゴジラ』の回想シーンでは骨は残ったという設定。
そのため初代ゴジラの死亡シーンは一部新規撮影シーンとなっている。


尚、日本政府は機龍開発に必要なゴジラのDNAを保存してあるため、量産可能らしい。
それどころかこれまで日本に出現した全ての怪獣のDNAを保存しているため、やろうと思えば怪獣ロボット軍団を組織できるとか……

やめて!

まあやりたくても金銭面で無理だろうが。




【武装】
◇99式二連装メーサー砲
機龍の口内に装備された小型メーサー砲。従来のメーサー殺獣光線車のものより小型で出力は60%ほどだが、
二基のアンテナを共振されることで90式の最大約240%の威力を発揮する。
そこまでやってもゴジラに対しては有効打にはなり得ないが、光線車のメーサー同様一応顔面に当てればすごく嫌がる程度の威力はある。


◇0式レールガン
両腕部に装備された二連装型レールガン。威力は低いが高速連射が可能。

◇メーサーブレード
0式レールガンに内蔵されている刃。突き刺してから放電することで、ゴジラの強固な表皮の下に直接ダメージを与える。
食らったゴジラが悶絶していたので威力自体は高かったと思われるが、積極的にゴジラに近付き組み合うのは重武装型のコンセプトから外れていたため、
改修後は排除された(高起動型に内蔵すれば、という視聴者からの意見もあるがおそらく難しいと思われる。スパイラルクロウがその代わりというべきか)。

◇4式レールガン
改修型に装備された新型レールガン。
色が藍色から本体と同じ銀色に変更されている。


◇バックユニット
  • 「87式多連装ロケットランチャー MRL-2 MKⅣ(680mmロケット弾)」×2
  • 「95式470mm多目的誘導弾 AXM-1」×8
  • 大型バーニア

二種の火砲と照準センサーと大型バーニアを合わせた多目的装備。背中に背負う形で装備される。
品川戦ではロケット砲が破壊されデッドウェイト化したが、茜の機転によってゴジラ目掛けてバックユニットを強制排除。
ゴジラの体力を消耗させることに成功した。

◇バックユニット改
  • 「04式680mm多目的ロケット砲」×2
  • 「98式320mm多目的誘導弾」×16
  • 大型バーニア×2
  • 小型バーニア×4

「ユニット特攻」が有効と判断されたため、それを前提に可変バーニアや自爆機能を加え再設計。
構造も本体接続部と左右武装部の3つのユニットで構成されている。
上部に誘導弾発射筒が追加され、縦軸を使った三次元的攻撃が可能になった。またレールガン同様、色も本体色と同じ銀色になっている。


◇3式絶対零度砲(アブソリュート・ゼロ)
機龍の胸部ハッチに内蔵された機龍最強の武装。発射時には胸部装甲が展開して発射体制をとる。
絶対零度(-273.15℃)の光弾を発射して目標を一瞬で冷却・凍結。目標は僅かな振動程度で分子レベルまで崩壊現象を引き起こす。
要するに『エターナルフォースブリザード』

略称は「アブゼロ」で、これは劇中の登場人物も使用している。

一発撃つのに全エネルギーの約40%を使用してしまうがその威力は圧倒的で、
完成披露の式典にて公開された実験映像でビル一棟を完全に粉砕して世界中のプレスがその破壊力に驚愕した。
また、制作するのに直径1450mmの共有結合性結晶(ダイヤモンド)が必要である。
これが予算の都合上二作目では用意できなかったために修復不可能となった。

資料媒体によって「3式」が付いたり付かなかったりする。

また目標との間に海水などがあると威力が軽減される。


◇4式対獣掘削装置(スパイラルクロウ)
海中で放たれたゴジラの熱線により破損した右腕を完全機械化修復する際に装備された近接戦闘用武装。
右手の「超硬質アイアンクロー」を銛状に収束して目標の体皮を貫き、高速回転して抉る。要するに『ドリル』である。
圧倒的な威力を持ち、ゴジラの下腹部に風穴を開けた。飛び散る肉片がちょっとグロい。


◇4式三連装ハイパーメーサー砲
ゴジラとの戦いでの零距離発射により修復不可能となった「アブソリュート・ゼロ」に代わり、改修後に胸部に換装された武装。
アブゼロと比べると破壊力は大幅に低下しているが、消費するエネルギーも下がっている。

大型パラボラ三機を共鳴させて放つため通常のメーサーの680%もの出力を誇り、
更に口腔部の二連装メーサーと同時発射することで圧倒的な威力を発揮する。

劇中ではスパイラルクロウで抉ったゴジラの腹を集中攻撃し、ゴジラを戦闘不能に追い込んだ。


【MB-3】
前述したメンテナンス用のコントロールブースの一つ。
機龍二部作では湯原博士が最初に調整のために乗り込んだ後、
主人公の家城茜、中條義人両名が直接乗り込むことになるストーリー上かなり重要な場所。


【地球産メカゴジラとして】
23世紀の技術を解析して建造したVSシリーズ版メカゴジラとは違い、
機龍は日本の先端技術の粋を結集し、「技術大国・日本」として開発したかのような機体。


この両機はともに『メカゴジラ』の名を冠している為、よく比較対象にされる。

丸みを帯びたVS版と比べ、機龍は直線的でゴジラに似たフォルムになっており、
DNAコンピュータなどの設定で生物的な素早い動きをするが、ダイヤモンド・コーティングを持つVS版に対して装甲強度などの点で劣る。

アブソリュート・ゼロの装備で瞬間的な最大威力は引けを取らないが、
動力や使用している技術などから、総合的な火力はやはりVS版メカゴジラに軍配が上がる。
ただし運動性の高さや接近戦用装備により、格闘戦能力では機龍が勝っている。

しかし全長60mの機龍と120mのスーパーメカゴジラその差は2倍である、ガチンコの格闘戦は正直無理がある。
結局の所、想定した相手が違うのだから比べるのはナンセンスである。同じ大きさなら変わってくるが。


【設定面】
このメカゴジラは手塚監督曰く、一応存在について説明がつくようにしてあり、
各大学からDNAコンピュータの理論やロボット工学についてのアドバイスをいただいている。
特にDNAコンピュータの小型化に関しては「大丈夫です。これを僕らはやろうとしているんです。」とお墨付きをいただいている。

また機龍をデザインした西川伸司氏は『VSメカゴジラ』の時にもメカゴジラのデザイン案を出している。
今回の機龍はその時のものを洗練したものらしい(正確に言うとちょっと違うとのこと)。
川北監督も新世紀にふさわしいメカゴジラと語っている。

『VSメカゴジラ』では「勝敗を決めたのは命だったな」というセリフがある通り、命のないメカゴジラは敗北したが、
機龍は『×メカゴジラ』のテーマにもあるが、生命を守るために戦い。生命を半分持っていると言えるため、機龍は引き分けたという面もある。

ちなみに件のマイクロウェーブ描写はもともと『VSメカゴジラ』でやろうとしてたものをそのまま持ってきたもの。
ヤシマ作戦とかサテライトキャノンとか言われちゃうけど、どちらかといえば種死のデュートリオンビーム。


【ゴジラ対エヴァンゲリオン】
上記の通り、公開当時からファンの間では度々「エヴァっぽい」と指摘されていたが、
2016年夏の『シン・ゴジラ』公開を記念して開催された『新世紀エヴァンゲリオン』とのコラボ企画では、
まさかまさかの機龍とエヴァを組み合わせた商品がいくつか制作されている。ゴジラよりは似合っている


そして……

なんとこの企画名義でゴジラがスーパーロボット大戦X-Ωにてスパロボシリーズに参戦。
同時に機龍もスパロボに参戦することが決定した!



【活躍】
初陣でDNAコンピュータがゴジラに干渉され暴走。運用はおろか機龍隊、果ては特生自衛隊の存続が危ぶまれる事態を招く。

復旧作業後、再びゴジラと相見え、辛くも撃退に成功するが、
海中でのアブソリュート・ゼロとゴジラの熱線との撃ちあいの末に右腕、アブソリュート・ゼロを破損してしまう。

そのため東京SOSでは全体の37%を損傷したために一年かかっても修理は未完了。
ゴジラ出現に対しては一部駆動回路、アブソリュート・ゼロは未修復で出撃することになる。

傷を癒やし上陸したゴジラに対し、右腕、武装、ついでにオペレーターを新たにし、五十嵐隼人総理の判断でモスラの救援に出陣。
双子の幼虫モスラとの連携もあって善戦し、スパイラルクロウで抉った傷に3連ハイパーメーサーを叩き込んでゴジラを戦闘不能に追い込む。
その後、トドメをさして機龍を投棄する手筈が、直後流れた小美人の歌声に導かれれたかのように機龍の自我が覚醒。

幼虫モスラの糸に拘束されたゴジラを抱え、最後はゴジラと共に日本海溝に身投げした。

身投げする際、最後まで整備を続けてくれた整備士の中條義人を脱出させ最後にメッセージを送る。


S A Y O N A R A
Y O S H I T O


それは初代ゴジラの意思か、機龍の意思か……それは誰にもわからない。




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