家城茜

登録日:2014/07/10 Thu 23:33:07
更新日:2024/04/05 Fri 22:26:58
所要時間:約 5 分で読めます





行くよ、機龍!!


家城茜とは『ゴジラ×メカゴジラ』の主人公兼ヒロインである。
続編の『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』にもゲスト出演している。

キャストは釈由美子(スタント担当者は野川瑞穂)。



概要

人物紹介

特生自衛隊に所属している自衛官。階級は三尉。28歳(2003年時)。

4年前の1999年ではメーサー隊に所属していた。
この時は同僚であった富樫とともに館山でゴジラの骨格のサルベージ作業に参加している(運転手)。

オペレーターとしても非常に優秀な人物である。


身寄りが無くストイックな雰囲気で、滅多に感情を出さないクールビューティー。
しかし湯原親子と少しずつ心を通わせていくことで、笑顔を徐々に見せていくようになる。


性格は前述した通り、非常にクールで富樫や同乗していたメーサー隊員の雑談にも返答はしなかった。

冷静沈着で機転もきき、雨で威力が低下したメーサーを咄嗟にゴジラの目に向けて照射したり、
デッドウェイト化した機龍のバックユニットをゴジラ目掛けて強制排除しゴジラの体力を消耗させることに成功した。
後述のバックユニット強制排除の戦法は後に機龍のバックユニットに機能が正式採用されている。


孤独な影の中に限りない闘志を秘めた彼女を中心に物語は進んでいく……。


劇中での活躍

「ゴジラ×メカゴジラ」

館山でゴジラの骨格のサルベージ作業に参加後、上陸したゴジラに対して
台風13号による猛嵐の中メーサー殺獣光線車に乗って参加する。

しかしその戦渦、放たれたゴジラの熱線に眩惑した彼女は操縦するメーサー殺獣光線車を仲間の車両に激突させ、
崖下に転落させてしまい、その車両は無残にもゴジラに踏み潰され、葉山二尉を含む搭乗者全員を死亡させてしまう。

また彼女もその光景に呆然としてしまいゴジラのしっぽによる攻撃でメーサー車ごと叩き落とされる。
命は何とか助かったものの、茜は仲間を死に追いやったという自責の念を拭い去ることが出来ないまま、
責任を問われる形で資料課への転属を命じられることになる(なお、本人はどんな処分でも受けると言っている)。

しかし機龍開発プロジェクトの話を知り、ゴジラへのリベンジのため必死で一人黙々とトレーニングを重ねていた。

そして4年後(3年半後)、第1機龍隊に配属となり、機龍を遠隔操縦するオペレーターに任命され、再びゴジラとの戦いに身を投じることになる。

しかし機龍隊には、館山で殉職した葉山二尉の弟も配属されていた。
事実上、兄を死に追いやった茜に対してあるごとに葉山は茜に対して憎しみをあらわにし、牙をむく。
富樫によって隊のチームワークに影響するから、と制されても、葉山の態度が改まることはなかった。
また、茜の過去を知る機龍隊メンバーの態度も、どことなく冷ややかだった。


そのころ茜に好意を抱き、そして葉山の確執に気付いていた湯原は、彼女の身を案じた。

それでも言葉は少なく心を開いていなかった茜だったが、沙羅が「眠り草」を育てていると知ったことをきっかけに、わずかながら心を開く。
茜もまた両親も兄妹もいない天涯孤独の身で、幼い頃、眠り草を育てていた……と。そして自分は「のけ者にされるのは慣れている」と打ち明けた。

「私が持ってたのは、うんと小さい時。いつまでも持ってるものじゃないわ」

そう茜は言い残し、ひとり歩み去っていった。


そして機龍のテスト機動が開始されたとき、ゴジラが東京湾に出現。
茜を含む機龍隊は機龍を発進させ、ゴジラに向かう。

しかしゴジラが天に向かって咆哮すると、機龍がコントロール不能に陥ってしまい突然街を破壊し始めた。
葉山の乗るしらさぎは機龍の誘導に失敗し撃墜されてしまう。爆発しかけるしらさきから彼を救ったのは茜だった……。

暴走し大惨事を引き起こした機龍、および機龍隊の存続が危ぶまれる中で、
茜の捨身の行為を見た機龍隊では、彼女の孤立感は薄らいでいた。

それでも葉山は助けられてもなお、茜への憎しみが消えることはなかった。「あんたに借りがあると思うと虫唾が走る」などと葉山になじられる茜。
しかし、葉山と共に、茜に命を救われた関根が彼にこう言った。

「真面目に聞け。お前の敵は家城なのか、ゴジラなのか。今は仲間割れをしてる場合じゃない」


そのころ、機龍ドックのブリッジで、沙羅はひとり、機龍を見上げていた。

この子もちゃんと生きているのよ…?どうして仲間のゴジラと闘わなければならないのかって、きっと思ってる!」
「水爆でゴジラを産んで、今度はゴジラのサイボーグ!一番悪いのは人間よ!
大人は命の大切さをみんな言うけど、本当はそうじゃない!誰もこの子の事を可哀そうと思わないでしょ!

沙羅は、湯原と茜に「機龍の命をないがしろにする大人への怒りと悲しみ」をぶつけ、ひとり去った。

そんな沙羅に茜は、確かに機龍は生きている、だが、その命は、求められない命なのだと語る。
そしてそれは、誰にも受け入れられず世の中と戦っていた自分も同じ、生きてちゃいけない命なのだと……。

だが、沙羅は、生きてるだけでいい、生きてちゃいけない命なんてない、と強く反論する。
その言葉を茜は強く噛み締めた。


そして品川埠頭にゴジラが姿を現した。


特自の攻撃をものともしないゴジラは品川に上陸し、市街地を火の海へと変えていった。
この事態に五十嵐総理は、ついに機龍出動を決断。茜は機龍とともに現場に向かう。

ゴジラを倒すべく品川の街に降り立つ機龍。茜は決死の覚悟で戦いを挑む。

やがて、茜との蟠りが解けた葉山がしらさぎでゴジラの顔面へ突撃。

「今ならゴジラは熱線を吐けない、アブソリュート・ゼロを撃て!」

突破口は開かれ、茜はゴジラへと突貫する。

そして……






……戦いは終わり、ゴジラとの戦いは引き分けに終わったと湯原親子に語る茜。
引き分けの場合は自分が奢ると言った後、ドックから出る際に戦友・機龍に敬礼し、物語は終了する。



「ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS」

研修のため葉山や関根と共にアメリカに1年間派遣されることになる。29歳。二尉。
派遣前夜の壮行会後に機龍のドックで中條義人に会った際、彼と似た部分があると感じる。

それと同時に彼に「機龍を残して日本を離れるのは残念」「機龍はもう戦いたくないのかもしれない」と思いを語り、機龍の後見を託した。
同時に彼女は「このまま修理されない方が、機龍は幸せ」とも語っている。
彼女の背中を見て、義人は何を思ったのだろうか……。

そのままアメリカに行った為、機龍の最期を彼女は見届けられなかった。



主なセリフ

「大切にしてるのね。私も昔育ててたわ、話し相手がいなくて…
私、親も兄弟もいないし、この世で一人っきりなの…だから、のけ者にされるのは昔から慣れっこなの」

「私が持ってたのは、うんと小さい時。いつまでも持ってるものじゃないわ」

いいえ、ゴジラは機龍でしか倒せません」

「あなたそこに逃げ込んでるだけじゃない。
人はね、怖くても前に進むしかないの…戦って戦って、自分の居場所を勝ち取る…私はそうやって生きてきた」

「そうね、確かに機龍は生きてるわ。
あいつも私と同類、求められない命…生まれてきたことさえ疎まれて、本当は生きてちゃいけない命…」

「機龍を空中で切り離す!」

「見せてやるわ、機龍の性能を」

「機龍、お前にはわかるよね…お前と私は仲間だって事
さあ、そろそろ行こうか…OK、機龍起動!」

機龍ぅうううう!! 力を、私に力をぉおおお!!!

いくよ、機龍!!

「ありがとう。あなたに力をもらった、皆からも力をもらった
生きてちゃいけない命なんかない、あなたの言葉を信じてみるわ」

「あれは勝ちじゃない。勝負はついてない。引き分けの場合は…私がご馳走するって約束だったわよね」


「機龍を残して日本を離れるのは残念…ゴジラとはまだ決着はついていない。
もしかすると機龍はもう戦いたくないのかもしれない…このまま修復されずにいる方が幸せなのかも……」




【スーパーロボット大戦シリーズでの活躍】

◇スーパーロボット大戦X-Ω
まさかのゴジラ&機龍参戦に際し、3式機龍のパイロットとしてスパロボに参戦!
肖像権の問題を回避するためか、ゴーグルの下の目元に影を落としたメット姿になっているが、彼女を主人公としたシナリオも存在する。
実質的ながら特撮作品から初めてスパロボに参戦した人物となった。



【余談】

●家城茜役の釈由美子は彼女の前作である「修羅雪姫」を観た手塚監督がオファーした。
女性自衛官が主人公というのは手塚監督の前作「ゴジラ×メガギラス G消滅作戦」とダブってしまうのだが、それを指摘された手塚監督が田中美里(×メガギラスで辻森桐子役の人)に相談し、「釈さんが演じれば、それは全然違う作品ですよね」と言われて吹っ切れたとのこと。

●演じた釈由美子曰く「クールで孤独、そして寡黙なヒロインですね。何事にも頑張る責任感の強い女性だと思います。私とは正反対の女性です」とのこと。

●家城茜のキャラクターが良かったのか、釈由美子が良かったのかは不明だが、今作のゴジラのスーツはゴジラシリーズ唯一の「役者の名前が入った略称」でも呼ばれる(機龍ゴジとも言われるが)ゴジラスーツとなっている(本人は後のインタビューで初めて知った模様)。

●釈氏は機龍の事を「相棒というか戦友みたいな大事な存在」と言っており、作中の茜とほぼ同じ価値観を持っているらしい。
また機龍のオペレーター役でもあったことで「ロボットを操縦する夢が叶いました」とのことである。

●DVDのオーコメによれば役作りのために『機動戦士ガンダム』を視聴した結果シャア・アズナブルのファンになったらしく、上記のセリフの一部は彼をオマージュしたアドリブとのこと。ちなみに『×メカゴジラ』と同時期に発売されたGジェネレーションNEOのイベントでもシャアのコスプレをして登場したことがある。

●東京SOSでは前半の登場のみで出番が終わっているが、上述のように価値観も含めて機龍の事を一番わかっていたのは彼女であり、
機龍二部作ファンや×メカゴジラファンの中では家城茜が機龍の最期を見届けられなかったのは残念という声も多い。

●「ゴジラ×メカゴジラ 東宝特撮ヒロイン メモリアル・アルバム」ではそのタイトル通り、当時最新作だったゴジラ×メカゴジラのヒロインである家城茜が表紙を飾っている。

●(一部とはいえ)ポスターにて怪獣映画で怪獣達をバックにセンターをとった珍しい主人公である。



追記・修正はゴジラと引き分けてからお願いします。


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最終更新:2024年04月05日 22:26