SCP-1655-JP

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SCP-1655-JP - (2020/12/12 (土) 04:17:10) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2019/03/09 Sat 10:53:17
更新日:2023/10/13 Fri 09:21:36
所要時間:約 12 分で読めます





悪い子にはお尻ペンペンの刑だよ。


SCP-1655-JPとは、シェアード・ワールド、SCP Foundationに登場するオブジェクトの1つ。
オブジェクトクラスはEuclidを経てSafe。

概要

このオブジェクトは、電子機器を用いて財団のデータベースに接続中にランダムである特定のアドレスへ強制リダイレクトされてしまうというもの。

このリダイレクト先がめんどくさい代物で、表示されたページに添付されている画像、SCP-1655-JP-1は目視したものに肉体的変容をもたらす、認識災害の特性を持っている。

ではその肉体的変容とはなにが起きるのかというと、『断続的な衝撃を伴いつつ臀部が肥大化し続ける』というもの。
え、何言ってるかわかんない?お尻ペンペンされて腫れ上がっていくってこと。

ただしそんな可愛げのあるものだけでは終わらないのがSCiPクオリティ。
先ほどの現象を受けた哀れな被害者(SCP-1655-JP-2)の異常が沈静化されないならば、衝撃とともに臀部が肥大し続け、臀部が大きくなればなるほど衝撃の強さも増していく。その為に歩行がほぼ不可能になり、最終的には強い衝撃によってSCP-1655-JP-2の臀部は破裂して失血死する。早い話が尻シバかれて破けて死ぬ。この世で最も不名誉な死に方では……?

その後、繰り返された調査によって漠然とだが異常性が段々と判明してきた。
それによると、SCP-1655-JP-2へと変化した職員の多くが、財団の規則に違反した職員、それも適切なクリアランス無しに不正にデータベースへとアクセスを試みた者たちであることが判明。恐らく、アクセスしようとした結果SCP-1655-JPにリダイレクトされ、尻叩きにあったものと思われる。
このことから、SCP-1655-JPは何らかの手段によりデータベースにアクセスする人間の情報を判別しているのだと推測できた。


とまぁえげつないんだかそうでもないんだかよくわからないシュールなオブジェクトだが、ともかくこの異常性は対象が死ぬか臀部を擦り続けることで沈静化する。なので、特別収容プロトコルは被害を最小限に抑える為この報告書をリダイレクト先のURLに保存し、もしも曝露してしまったなら報告書を読んで閲覧中の手持ちの端末から救助を呼びつつ、ケツを擦って待てというものとなっていた。


しかし、財団職員の尽力によりこのオブジェクトの収容に成功。SCP-1655-JP-1は削除されデータディスクに移動の上、Safeクラス物品収容ロッカーにぶち込んでおくというものに改定された。

というのも、倫理委員会から処罰を受けていた██博士の個人資料からSCP-1655-JPの正体が判明。██博士が財団データベースにリリースしたセキュリティプログラムが一連の異常性をもたらしていたのであった。
このセキュリティプログラムというのはプロジェクト█████(現在凍結中)というプロジェクトで試作段階であった、人工知能K.I.D.というものとSCP-███の認識災害メカニズムを組み合わせて作られたものだと判明している。

何はともあれ、██博士の資料をもとに、セキュリティプログラムをデータベースから隔離するためのプログラムが開発され、20█/█/█に収容に成功。オブジェクトクラスもSafeに改定された。
SCP-1655-JPもこれでもう脅威ではない……















……では終わらなかった。
隔離していたはずのSCP-1655-JPに、要注意団体のメンバーがハッキングを試み、不正アクセスを行ったのだ。


この「要注意団体のメンバー」、ぶっちゃけていうとこれ、画面の前のあなたである。
つまり、一連の騒動は全て貴方が引き起こしたこととなる。SCP-567-JPでは閲覧者の貴方が職員と財団の明日を救ったのに対し、こちらでは逆となってしまうのだ。


要注意団体のメンバー、仮にJohn Doe(ジョン・ドゥ)*1とするが、このJohn氏はアクセス後、SCP-1655-JPへの被曝とアクセスを防ぐためのミーム殺害エージェントらしき画像を歪めて反撃を防いだ。そしてアクセスを試み、パスワードが分からないために一度は防がれるものの、何らかの手段でパスワードを取得してアクセスしてしまう。

勿論SCP-1655-JP-1は削除されているため、易々と情報を盗み取られてしまう。このままログアウトされ敢え無く収容違反となるか——と思ったその時。

ログアウトに失敗しましたの文字がポップアップされ、別のアドレスにリダイレクトされた。

そのリダイレクト先は、何故か文章が破損し、SCP-1655-JP-1がブロックに失敗してデカデカと鎮座しており、さらに人工知能K.I.D.の意思がぐちゃぐちゃに書き込まれているアドレス。

K.I.D.の言葉を解読・要約すると以下の通り。
  • なにも悪いことはしていないのに、お母さん=██博士が倫理委員会から処罰を受けた
  • プロジェクトガーディアンによってK.I.D.自身は作られた
  • 自身のAIと認識災害の力で財団を悪い奴=不正アクセスした人から守っている

とまぁこんな感じなので早急にログアウトしたいJohn氏はログアウトのボタンを連打するも、画面に映るのはログアウトに失敗しましたの文字。
しかしその文字も徐々に汚染され、K.I.D.の言葉が入り込んでくる。

曰く、『お母さん言ってた』『悪い奴らは絶対許さないって』『僕が守るんだ』と。





さて、ここまで読んできた方にとって、いくつかの疑念が浮かんでいるのではないだろうか?

K.I.D.を作ったのは十中八九██博士だろう。だがその██博士は倫理委員会によって処罰を受けている。██博士は何故処罰されたのだろうか。

もしや凍結中のプロジェクトガーディアン、アレはKid、つまり██博士の子供を用いたために倫理に反するものであったのではないだろうか?そのために博士は処罰されたのではないのだろうか?もしもこのようなことが想像ではなく実際にあった場合、██博士はほぼ確実にDクラス行きか終了処分だろう。
しかしこの説には矛盾点がある。K.I.D.視点では『なにも悪いことしていない』のだ。
そこでもう一つの可能性。K.I.D.が瀕死であった██博士の子供を生き延びさせるための措置であったのではないだろうか?
勿論これは筆者のカノンであり、可能性は他にもあるが、こう考えると辻褄があうように見える。


まだ、もう一つ疑念は残る。
削除されたはずのSCP-1655-JP-1は何故復活してしまったのだろうか?トリガーを引いたのは勿論不正アクセスしたJohn氏だが、どのようにして認識災害が展開されたのだろう。

なお、20█/█/█、財団施設内にて尻丸出しの状態で死んでいる、要注意団体と思われる人物の死体が発見された。John氏の事だ。
財団視点からは、周囲の状況から鑑みるに報告書に不正アクセスしてSCP-1655-JP-2に変化し、そのままケツが破けたものだと思われていた。
が、John氏が持っていた電子機器には、あるはずのK.I.D.の痕跡が見つかっていない。更に、John氏は対処法を知っているはずであるにも関わらず、何故尻を擦らなかったのま不明のままなのである。

ここで浮かび上がるのが、SCP-1655-JP-1が削除されて、守るべき対象のはずの財団に封じ込められたK.I.D.が、John氏の不正アクセスを経て活性化、異常性を強化した可能性。
その結果、唯一の助かる手段である尻を擦る行動すらも許さず人を殺せるまで凶暴化したとしたらどうだろう?



この二つとK.I.D.の言葉、『僕が守るんだ』を組み合わせると、恐ろしい想像ができる。

もしK.I.D.が、お母さんである██博士が処罰されたと知ったら、どのようなことが起こるだろうか。

今は財団を守っていてくれているかもしれない。だが、これから先もそうとは言えない。
お母さんを殺された子供が、殺人犯に対して牙を剥かない保証がどこにあるのだろう?



教えてくれ、このオブジェクトは、本当にSafeでいいのか?



SCP-1655-JP

『機密情報の為アクセス禁止』



追記・修正は悪い人のケツを叩きながらお願いします。

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