パワーアーマー(Falloutシリーズ)

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パワーアーマー(Falloutシリーズ) - (2019/11/10 (日) 09:39:26) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2019/11/09 Sat 11:24:42
更新日:2024/04/12 Fri 22:18:10
所要時間:約 5 分で読めます




パワーアーマーとはFalloutシリーズに登場する兵器の一つ。略称としてPAとも。
所謂強化外骨格、パワードスーツであり、シリーズ通してコストは掛かるが強力な防御能力を始めに、着用者に様々な恩恵を与える防具である事が多い。

元は戦前、西と東の過剰な技術競争によりありとあらゆる資源が軒並み食い潰されつつあった時代の最中。
アメリカ率いる資本主義陣営に対し、とうとう自領の石油資源を完全に使い果たした中国率いる共産主義陣営が支援を願い出るも、アメリカ側が無下にした事でその報復の為に世界最後の石油資源が眠る地であったアラスカに対し侵攻。
自国領であり最後の石油資源採掘基地があるアラスカを手離す事は断じて出来なかったアメリカは、奪還作戦を幾度も試みるが中共陣営の圧倒的な戦力を前に失敗を繰り返し、このままでは今度はアメリカ側が干上がりかねないと言うジリ貧の状況に追い込まれる。

そこで起死回生の手として歩兵に主力戦車級の防御力と火力を持たせるというコンセプトの元、アメリカ軍と戦前の企業「ウェイスト・テック」が共同開発を行い、誕生したのがパワーアーマー。
その性能はコンセプトの通りであり、投入されると瞬く間にアラスカに於けるパワーバランスを逆転。
中共陣営もパワーアーマーの弱点を突く為にステルスや電子戦に特化した戦術を編み出し抵抗を図るが、それでも差を埋めきる事は叶わず遂には最後の拠点であったアラスカ州アンカレッジからも叩き出された事で、遂にアメリカはアラスカを取り戻す事に成功した。

…ここまでにしておけば良かったのだが、この一件でパワーアーマーの性能に目を付けたアメリカは関連技術を集中的に進歩させ新型を大量に配備し、あろうことか「報復の報復」として中共領への逆侵攻を開始。
資源の完全な枯渇に加えてアラスカでの戦争で戦力を消耗した中共陣営に真っ向からこれを止める術は無く、アメリカ領内に侵入させたスパイを使ってのウィルス兵器散布等、搦め手で抗おうとしたものの殆ど効果は無く、とうとう共産主義陣営壊滅まで王手を掛けられてしまう。

その時、何処から放たれたか不明の一発の核ミサイルに両陣営の報復核システムが反応。
この謎の核ミサイルにより世界中に備えられていた全ての核兵器が撃ち尽くされ、共産主義も資本主義も何もかもが核の炎で焼き払われるというあまりにもアッサリとした、しかし悲惨な結末を迎えたのである…こうして見ればアメリカがパワーアーマーを開発した事が、結果的に世界の破滅、そしてFalloutシリーズの舞台へ繋がったと言っても過言では無いのかも知れない。

・性能


Fallout3まではその他の鎧同様、直接身に付けるタイプの防具だったのたが、Fallout4以降からパワーアーマーに関する設定の一新が行われ、基礎となるパワーアーマーフレームに動力源となる小型核融合炉フュージョン・コアを装填し、その上から必要に応じて頭部、胴体、右腕、左腕、右足、左足の部位に別れた装甲を装着、背部ハッチを開けてそこから乗り込むという形になった。
上述のフュージョン・コアはPAの弱点でもあり、破損すると最悪小規模な核爆発を起こして周囲に被害をもたらす。
だがこれを逆手に取り、敢えてオーバーロード状態にして不安定になったコアをパージし別のコアヘ交換しつつ、パージしたコアを一種の核爆弾にするという戦法も出来なくはない。

尚動かすというだけなら装甲の装着は必要無く、フレームのみでもある程度の戦闘は可能。
更に極端な事を言えばコアの装填すら必要無いが、その場合はフレームの補助電源のみに動力を頼る為になり、装着中のジャンプやダッシュ等の一部機能に制限が掛かる。

その防御力に関してはいずれのPAも圧倒的の一言であり、初期の状態ですらフル装備すれば合計で数百から千数百オーバーというのも珍しくはない。
特に放射能への耐性はどのPAでも一律で同じである為、重度の汚染地帯へ出向くなら後述の整備の事も考えて、敢えて性能は控えめだが現地修理も利きやすいPAで向かうのも一手。

パワーアーマーの整備の為にはパワーアーマーステーションという専用の設備が必要になり、そこにパワーアーマーを格納してから損耗、破損したパーツの修復や各部モジュールの換装等を行う。
大抵は自動車整備工場の跡地等、そこいらの町工場だった所や大規模なPA部隊を運用する勢力の拠点にあり、前者と後者で見た目が違うが機能は同一。
勿論知識と技術力があれば自作して設置も可能、整備拠点としてだけでなく、PAを飾るオブジェとしても中々映える。

・種類


特定の勢力や組織、または個人の手によるカスタムメイドやワンオフといった派生機種まで含めると膨大になるので、ここではあくまで基本機種を紹介していく。

  • T-45
    • 初出作品「Fallout3」
      戦前製PAとしては一番最初にロールアウトしたモデル。
      軍から求められた水準はクリアしていたものの、使用した兵士からは装甲板は只の鋼板である為に被弾時への強度の不安や、その重さと部位毎のクリアランスのタイトさによる動きづらさに加え排熱効率が悪い上に、電子部品の多くが露出していると評価は今一つであった。
      とはいえこの頃はまだPA関連技術は手探りの状態であった為にやむを得ないと言うべきか。
      それでもアラスカ戦線に初投入された本機は中共軍に対して凄まじい戦果を叩き出し、PAへの恐怖心を植え付けた。
      後継機種の配備が進むとT-45は民間への払い下げが率先して行われ、200年近く経った後の世でも完品状態の物が様々な場所で良く見付かっており、技術力が大幅に衰退した世界では最初期のモデルとは言えその防御力の高さから重宝されている。

      Fallout3のパッケージイラストを飾り、続編である4では恐らく多くのプレイヤーが最初に手にするパワーアーマー。
      防御力に関しては流石に低めだがそれでも並の防具の比では無い堅牢さに加えて、修理の際に必要な資材が胴体を除き鉄のみで済むというコストパフォーマンスの良好さが何よりの魅力(胴体のみ鉄に加えて電子回路が必要)。
      防御力もフル強化すればそこいらのレイダーやガンナーの使う銃火器程度ではビクともしない物になる為、コストパフォーマンスという点に着目するなら終盤まで使い続ける価値は十分にある。

  • T-51
    • 初出作品「Fallout」
      T-45の運用で洗い出された数々の難点の克服を図りながら、更なる性能の向上を目指して新規開発されたモデル。
      装甲は避弾経始を重視し人間のプロポーションに近付けられた丸みを帯びつつ、表面硬化処理され重量を軽減しながら防御力アップに成功。
      内部も人間工学に基づいたクリアランスの確保と排熱の大幅な効率化による着用時の負担の軽減、電子部位はほぼ全て内蔵に成功とT-45で見られた欠点が殆ど解決されており、T-45に続いて投入された本機は最早蹂躙と言える勢いでアラスカ戦線を席巻、アメリカ軍の主力となった。
      多少はプロパガンダによる誇張も入っているだろうが、T-51を装備したある兵士が戦車一台を含む中共軍の部隊と対峙した時、単身で戦車の主砲を含むあらゆる攻撃を容易く弾きながらも接近、取り付くと素手で砲身をねじ切った上で戦車をひっくり返して無力化し、それを見た残りの中共軍兵士は恐慌状態に陥って逃げ出したというエピソードも残っている程。
      それは兎も角中共軍にとってはアラスカ戦線に於ける最大の驚異となったのは間違い無く、故に後の世ではその隠密性能の凄まじさ故に語り継がれた中国軍ステルスアーマー、通称「黒鬼(ヘイグ)」を対抗策として開発する等、弱点を突く為の奇襲に特化した戦術に舵を切る事になる。
      しかし同時に性能の大幅なアップグレードはコスト面に大きく響き、舞台がアラスカ奪還から中共領土への侵攻へと移り変わると流石に無視できなくなった為に、アメリカは更なる新型の開発を迫られる事になる。

      記念すべき初代Falloutのパッケージイラストを飾ったモデル。ファンからは特に頭の形状からバケツ頭等の通称で親しまれており、4では大体ゲームに慣れ始めた頃で放置された物を見付けたり一部店頭に並んだりする。
      胴体の修理用の素材に何かと多用されるアルミニウムが加わった以外は鉄メインで修理出来るので、T-45からの乗り換えもしやすい。
      とは言えもう少し我慢すればより高性能なT-60が出るようになるので、スペックを重視するならそれまでの繋ぎになりがちなのが少々悲しい所。

  • T-60
    • 初出作品「Fallout4」
      完全な新規設計故にコストの高騰を招いてしまったT-51の反省点を生かし開発されたモデル。
      新規設計だったT-51とは対照的にこちらは原初のモデルことT-45の純粋な発展系となっている。
      最初期であるが故に運用データも豊富に揃っていたT-45をベースに更なる装甲を施しつつ、T-51の開発と運用から得られた技術を元に内部の改良を行った結果T-51とはまた別の形でT-45の問題点を解消しながらも、コスト面ではT-51の半分以下まで抑える事に成功した。
      しかしその重装甲化は特に首回りの視界悪化を招き単機での戦場認識能力に悪影響を及ぼす事になり、故に本モデルは運用方法までもT-45の頃に立ち返り、現実の戦車のような歩兵支援兵器的な運用がメインとなった。
      また本格的なロールアウトが侵攻作戦の終盤頃だったという事もあって数が少なく、主にエース部隊や本土の防衛部隊といった重要性の高い部隊に配備されるに留まっている。

      Fallout4のパッケージイラストを飾ったモデル。見た目はマッチョになったT-45と言った所。
      上述のように生産数は少ない筈なのに関わらず、4に登場するリオンズB.O.Sはこれを主力として大量に配備している。
      流石にパッケージを飾るだけはありレベルが高くならないと放棄地点に沸かず店頭にも中々並ばないが、その防御力はT-51を突き放している。
      問題は整備に要する資材も一気に増える点。鉄だけでなくアルミニウムは勿論の事、やや手に入りにくいプラスチックも全体的に要求され、鉄も一つの部位につき消費する数が増え、この為遠征しても適当に拾ったジャンクから現地修理という方法が取りづらい。
      故に常用よりは難所の攻略や強敵との決戦等、重要な場面に持ち出す様にすればその高い防御力を活かせるだろう。

  • X-01
    • 初出作品「Fallout4」
      世界が滅びた最終戦争後、米軍の僅かな残存戦力が結集して自分達の為に残された技術をかき集めて設計を行ったとされているが、開戦前のテーマパーク施設跡にスポンサーペイントの施された本モデルが展示されていたり、戦争から約30年後という比較的近い頃において旧ウェストバージニア州にてプロトタイプとその設計図が確認されている辺り、恐らく開発自体は戦前から行われていたと思われる。
      T-60並の重装甲を保ちつつ、その装甲板はT-51で採用されていた硬化処理された曲面とする事で避弾経始の向上を図り、尚且つ装甲を上半身に集中して配置する事で機動性の確保にも成功している。
      その性能はまさしくパワーアーマーの到達点と言うべきであるが、当然その現存数はT-60以上に稀少であり、本モデル自体が一種のお宝扱いされる事もしばしば。

      Fallout4で初登場し、Fallout76ではプロトタイプと言う肩書きを持つ故か、幾分かダウングレードしたものの続投したパワーアーマー。
      実は出現の為のレベルドリストは28からとT-51と同程度だが、その時点では確率が極端に低すぎるのでまずお目に掛かれない。まともに姿を見る事が出来るのはT-60がリストに並ぶ頃になって漸くマシな確率と言った所
      その防御力はT-60すら凌ぐ文句無しの最強PA。未強化の状態ですらフル強化したT-45に匹敵する硬さとタフネスさであり、これをフル強化した日には頑丈過ぎてパーツが一つ壊れる前に乗り手が先に息絶える有り様である。
      …が、T-60より更に嵩んだ整備コストがこのPAの運用を難しくしている。
      X-01では更に一部位辺りに消費する鉄の量が増えるだけでなく、プラスチックの代わりにそれ以上に希少な素材であるが要求され、更には電子回路、アルミニウムもフルで修理するならたんまり喰われる羽目になる。
      これを完璧に修理するだけの資材で小さな集落が一つ作れると言えばどれだけの金喰い虫か想像出来るだろうか。
      故にその頑丈ぶりと合わせてT-60と同じくここ一番という場面で持ち出すか、或いはそろそろ壊れそうな位まで使い込んでから街等の資材を調達しやすい所でゆっくり修理するのがお勧めである。





追記・修正はパワーアーマーを修理しながらお願いします

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