SCP-2598

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SCP-2598 - (2020/05/25 (月) 18:56:03) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2020/05/19 Sun 21:31:52
更新日:2024/01/16 Tue 20:18:05
所要時間:約 5 分で読めます




SCP-2598はシェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクト(SCiP)の一つ。
オブジェクトクラスはSafe。危険と隣り合わせなSCPオブジェクトの中でも、コイツは正真正銘、安全が確認されてるオブジェクトである。
項目名は、『旅する蛾のセールスマン』。


概要

コイツが何かというと、ヤガ科モンヤガ亜科Large Yellow Underwing moth(Noctua pronuba)、要は蛾の一種である。

異常性は二つ、一つは頭部に小型のヘルメットを被っていること。それ以外の外見は、普通の蛾と変わらない。

二つ目は、モールス符号によって、人間と対話することが出来ること。モールス符号をヘルメットにぶつけることでメッセージのやり取りができ、返信もしてくる。加えて英語を理解している。


で、SCP-2598はこの能力を使って、セールストークを語りかけてくる。どうやらコイツはモスヘルムなる企業に属してるらしく、やたら自社の蛾専用ヘルメットをアピールしてくるのだ。
また、財団が提供した自動翻訳の機器を利用しようとしない。
収容プロトコルは、
  • サイト-19の標準昆虫封じ込め房に収容されること。
  • いつまでも食餌を供給する機構と、SCP-2598からの希望で吊り下げ式の光源を取り付けること。
  • インタビューの際は、事前に20時間のモールス符号の訓練を修了すること。

ちなみに、SCP-2598が財団施設から出たいという記述は記載されていない。

インタビュー

以下はリリャード・イーズ博士によって実施された、モールス符号によるインタビューの内容である。
リリャード博士はたまたま野外観察していた時に、最初にSCP-2598を発見し収容プロトコルを作成した人物であると同時に、モールス符号が得意だったためチームリーダーへと抜擢された経緯をもつ。


イーズ博士: 私の言うことが確かに聞こえるかね、理解できるかね、SCP-2598?

SCP-2598: 《はい博士。貴方のおっしゃることはとても良く聞こえます。それもそのはず、モスヘルムのテクノロジーのお陰で、音が拡大されているのです。》


ちゃっかり自社の製品のアピールをしてくる辺りが抜け目ない。


イーズ博士: 良かった。さて、SCP-2598、君たちはどこを由来にしているのか話してもらえるかね?

SCP-2598: 《かつての私は貴方のようでございました、博士。向こうにいる他の皆も同じようなものでございました。一生の目的無く生きておりました。しかし、それは以前の話。今の私はモルヘイムの美しさを知りました。さらに何と、モスヘルムはお子様が喉につまらせてしまうこともなく安全なのです。》

イーズ博士: わかった。つまり、以前は話し言葉を理解することや、コミュニケーションをすることは出来なかったと言っているのだね?今は、そのヘルメットを手に入れたから、理解できるようになったということかな?

SCP-2598: 《それはまるで、私の目の前のドアが開かれたかのような体験でした、博士、私は光を得たのです。それも何故ならモスヘルムのお陰。貴方もたった三回の分割払いで手にすることが出来るのですよ。お値段1999》


........博士からの質問をヘルメットの紹介にすり替えてからのお値段紹介、中々のやり手だこの蛾。
ここで博士が最もな疑問をぶつける。


イーズ博士: 当然気がついているだろうが、私はそのようなヘルメットをかぶることはできない。それは、あまりにも小さすぎるのだ。

SCP-2598はコミュニケーションを20秒間中断、その間、封じ込め房の照明を反時計回りで回っていることが観察される。


正論を言われてしまい、一旦黙ってしまった。しかしSCP-2598はあきらめない。


SCP-2598: 《そのとおりでございます、しかしですよ、貴方もガのご友人をお持ちでしょう。そのような時、モスヘルムの卓越した力がお役に立てます。また、クリスマスの靴下に入れるプレゼントにしてもお喜びいただけるでしょう。》

複写終了


普通は蛾のお友達なんていないんですけどねぇ。
加えてクリスマスプレゼントにはちょっとなぁ........。


追記・修正はセールストークを聞き流してからお願いします。


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