学校の階段(ライトノベル)

登録日:2009/10/19(月) 03:29:21
更新日:2020/08/24 Mon 14:47:04
所要時間:約 5 分で読めます





悪いことだってわかってる。はた迷惑だって小学生でも知ってるよ。でもね
走り出したらやめられないんだ!

レーベル:ファミ通文庫
著者:櫂末高彰
イラスト:甘福あまね
本編10巻+短編集1巻
シリーズ全11巻

第七回えんため大賞優秀賞受賞作品。
これを原作として実写映画化がされた。
2009年7月にシリーズが完結。



【あらすじ】

4月、私立天栗浜高校に入学した神庭幸宏は学校の階段にて放課後の静けさをかきみだしながら階段を全力疾走する小柄な女子生徒と遭遇する。
これが学校における校内を走り回る迷惑集団『階段部』との出会だった。

強引で無茶苦茶な自分論理を展開する、小学生にすら見える小柄な少女・九重ゆうこに、無理やり階段部に入部を迫られるが、
様子見のためという理由で、なんとか仮入部という形に収めた幸宏はこのまま仮入部期間を流してしまおうと決意する。

クラスメイトや他の生徒にとどまらず、学校全体からとても風評の悪い嫌われ者、非公認階段部。
「こんな厄介な集団に関わるのは良くない」と思いつつも、仮入部期間の中で幸宏は何かわからない小さな違和感を感じる。

仮入部期間を終え、普通の学校生活に戻る幸宏。「もうあんな変な集団にかかわることもないだろう」と思いつつも、頭の隅に階段部というワードが引っかかる。
しかしそれをねじ伏せ、もう何も考えまいと普通に戻る決心をした幸宏の前に『階段』が現れる。
なんの変哲もないただの学校の階段。胸の中から沸き上がる欲求。無意識に感じる高揚感。膨れる違和感。それが最高潮に達した時、

ふいに 背後から 風が吹いた。

駆け去ってゆく足音。静寂の戻る校舎。その中で幸宏は違和感の正体に気がつき駆け出す。
「とにかく階段を走りたい!」
こうして幸宏は自ら非公認な日常へと身を投じて行く。



【階段レース】

階段部のメイン活動。
その実態は階段だけでなく廊下・屋上・グラウンド、果ては壁・プール施設の飛び込み台のような危険なショートカットコースから、
誰も実行してはいないが職員室内を全力疾走で突っ切るなどの「学校全体を使った危険ではた迷惑な障害物競走」
「障害物」に「人」も含まれ、常時・下校時間・部活動の活動場所・特別行事の際における生徒総量の下調べ等が重要視され、
刻々と変化する障害物の状況によって最適なコースを選び出さなければいけない。
「ただ足が速いだけ」では決して勝ち抜けることの出来ない、「体技」と「頭脳」の両方が要求される異種競技である。

競技内容は下記の3つに分類される。

  • ショットレース
ある建物の一階から最上階までの一連の階段だけを使い、最下から最上階まで走り、壁にタッチして出発点まで戻る。
  • スタンダード
ある建物の一階から階段をかけ上がり、最上階の廊下を突っ切って反対側の階段を下り、最後に一階の廊下を突っ切ってゴール。
  • ラリー
いくつかのポイントが指定され、その全てを通ってくればコースは指定されない。ただし特定数の階段を通過すること等の条件が定められている。



【登場人物】

○神庭幸宏
主人公。高1。あだ名は缶バッチ。
家庭の都合で従姉の4人姉妹と暮らす。
異様にモテる。

○九重ゆうこ
高3。2つ名は《静かなる弾丸》
非常に強引で我が侭な階段部部長兼創部者。
元陸上部障害物競走のエース。
陸上時代に培った高能率加速と最短歩数での無駄の無い走りが得意。
各部員の走りにちなんだ2つ名はこの人が付ける。

○刈谷健吾
高3。2つ名は《必殺Vターン》
階段を走るという行為に最初に取り憑かれた副部長。
武器は階段の踊り場を、高速で鋭角に一歩で曲がりきる走法『Vターン』。
階段部最強。

○天ヶ崎泉
高2。2つ名は《黒翼の天使》
校内3大美人の1人。
下り階段を壁や天窓を蹴って高速で飛び降りる降下走法を得意とする。
大富豪の令嬢。

○三枝宗司
高2。2つ名は《天才ラインメーカー》
メガネで元電脳研。しかしノリと面倒見の良いイイ人。
走りのスタイルは校内の情報を収集・記憶する事で、瞬時にリアルタイムでの最適なラインを導く。

○井筒 研
高1。あだ名2つ名無し。
不良顔で単純熱血。
九重に憧れて階段部に入部する。

○神庭4姉妹
幸宏の4人の従姉。
みんな美人。



3月より芳井アキにより漫画がネット配信されている。
ファミ通のホームページに行けば無料で見れるので是非チェックしよう。


主人公の奇行の数々が『衝動』の一言で片付けられてしまうため、読み手を選ぶ作品かもしれない。
他人に理解してもらえないことに自分は全力で取り組みたい人。
理由などなく衝動的な、本能のおもむくままに生きている人。
そんな『衝動』を持って生きている人は、きっとこの本の核心に共感して楽しむことができるはずだ。




追記修正は衝動の赴くままに……

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最終更新:2020年08月24日 14:47