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フレッシュボイス(競走馬)

登録日:2025/11/17 Mon 03:02:21
更新日:2026/05/28 Thu 13:32:00
所要時間:約 5 分で読めます


「大外一気の追い込みにさよなら――フレッシュボイス、引退。(優駿1990年2月号)」

「あとひとハロンの主役 フレッシュボイス(優駿1994年3月号)」

「雪は止んだ!(杉本清アナによる実況)」



フレッシュボイス(Flesh Voice)は、昭和後期及び平成初期における元競走馬、元種牡馬。
現在語られることはほぼなく、主役とは言い難いが、かつては男女問わず多くの者に愛されただけでなく、過去に不運に見舞われた己の生産牧場の悲願の1つを叶えた名馬であり、間違いなく皆の愛馬の1頭であった。
長きに渡り活躍し、幅広く様々な距離の重賞競争に出走して、出走競走をド派手に演出する、疾風迅雷及び電光石火の如き豪快すぎる大外一気及び直線一気によって多くの競馬ファンを沸かした個性派として知られる。
「切れ者」「ターフの刺客」「直線一気の豪脚」「異色の馬」「怒涛の末脚」と称された。

データ

性別:牡
生誕:1983年5月9日
死没:2007年6月12日(24歳没)
父:フィリップオブスペイン
母:シャトーハード
母の父:ダイハード
生産牧場:小笠原牧場
馬主:円城和男
調教師:境直行
生涯成績:26戦7勝
獲得賞金:3億3850万6800円
主な勝ち鞍:'86シンザン記念・毎日杯、'87安田記念・日経新聞杯、'88大阪杯

戦歴

戦歴については、「JRA Video Interactive」の「フレッシュボイス (昭和62年 安田記念)」を参考にまとめた。

2歳 個性派の初陣は快速でした

円城オーナーの所有馬かつ堺調教師の管理馬としてデビュー。
2歳10月、秋の福島開催でデビューしたフレッシュボイスは、新馬戦を逃げ切り、400万特別も勝利し2連勝。オープンの福島3歳Sではスピード負けの3着という結果に。

3歳 伝説の始まり「雪は止んだ!」

圧倒的すぎる末脚を用いて、シンザン記念、毎日杯と重賞2連勝。杉本清アナは毎日杯を実況して「雪は止んだ!フレッシュボイス1着!」と言った。皐月賞を目指して出走したが、惜しくもハナ差2着。だが、その電光石火かつ疾風迅雷の如き末脚の鋭すぎる切れ味は関東の競馬ファン達を驚愕させた。
皐月賞後は外傷を負い5ヵ月半の休養を取っているフレッシュボイスであったが、復帰後は神戸新聞杯、菊花賞、有馬記念で4、6、5着。

4歳 “マイルの帝王“を撃った“ターフの刺客“

日経新春杯を鮮やかな末脚で快勝したフレッシュボイスだが、続く阪神大賞典では末脚不発で1番人気を裏切る4着敗退。
目標を安田記念に定めることに。
この年の安田記念は、前哨戦の京王杯SCを快勝したニッポーテイオーが絶対視されていた。
レースは先頭に立ったアイランドゴッテスを交わし、ニッポーテイオーが速いラップを刻んで逃げる展開。このレースでフレッシュボイスと初めてコンビを組んだ柴田政人騎手は、最内枠スタートだったこともあり、ゆっくりとゲートを出して後方から。そこからうまく外に持ち出し、徐々に前との差を詰めにかかった。
この日の東京競馬場は前夜からの雨が降り続き重馬場状態。ニッポーテイオーは1000m通過・58秒4のハイラップを刻み4コーナーを迎えるが、“この馬場にしては速いな”と、柴田騎手は待機策がはまる予感を抱きながら、直線ではコースロスを気にすることなく馬場状態の良い大外へと進路を取る。
 ニッポーテイオーの追撃馬たちは次々と失速し、ニッポーテイオー自身も坂を駆け上がる頃にはさすがに余力のない状態。離れた位置からフレッシュボイスが襲いかかってきたときには、これに抵抗するだけの力は無かった。
フレッシュボイスは離れた大外から一気に接近すると、並ぶ間もなくニッポーテイオーを交わして突き放す。まるで逃げるものを全て飲み込むブラックホールの如き末脚であった。最後は1馬身1/4差をつけ、生涯唯一の栄冠を手にした。馬だから手はないけど。

5〜7歳  “若き野武士“など新世代に見せつけた旧世代の誇り

サンケイ大阪杯を豪快に差し切ったが、これが最後の勝利となった。これ以降、敗北を重ね続けて気づけば勝利のショの字もなかった。
気づけば7歳。宝塚記念に出走するが、二桁人気で期待すらされていなかった。しかし、ターフの刺客は決して諦めなかった。ニッポーテイオー、ダイナガリバーなど同世代の活躍馬はほぼ引退していた。オグリキャップなど第二次競馬ブームを起こした新世代に対し86年世代の誇りを見せつけてやるとハートは燃えていた。そして、なんとこの年の年度代表馬イナリワンをハナ差まで追い詰めた。これ以降は力尽きたのか、大敗を重ね引退が決定。
1990年1月15日の京都競馬場での引退式。安田記念の優勝ゼッケン「1」を纏い、長くコンビを組んだ田原ジョッキーが騎乗してキャンターがお披露目された。2人とも色んな意味で派手だったなあ。また、1人の女性ファンが「やめないでー!」とフレッシュボイスに対して叫んだという。

引退後

種牡馬として成功出来なかったが、豪快なる個性派の活躍に脳を焼かれた女性ファンが多く訪れていた。
種牡馬引退後は、乗馬の世界で活躍し、乗馬の世界も引退した後は、功労馬として余生を穏やかに過ごしたという。

余談

円城オーナーがフレッシュボイスと初めて対面した時は「男のわりに品のある馬」という印象を持ち、また体が小さくておとなしく、牝馬のような外見であると感じ取った。
JBIS Searchの「フレッシュボイス-全競走成績」によると、フレッシュボイスが制した毎日杯、日経新聞杯が開催された日は雪が降っていたり、フレッシュボイスが制した安田記念では小雨及び重馬場状態だったり、フレッシュボイスには雨男又は雪女(牡馬だけど)みたいな面もあった。
現役時においては、女性人気の高さ、激しすぎる気性、牝馬のような外見、直線一気及び大外一気のみしかできない不器用な馬であることでも有名だった。


追記・修正は帝王に勝利した方にお願いします。

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最終更新:2026年05月28日 13:32