ナイトメア(仮面ライダーゼッツ)

登録日:2025/11/18 Tue 09:24:00
更新日:2025/11/18 Tue 14:19:44NEW!
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ナイトメアとは、特撮テレビドラマ『仮面ライダーゼッツ』に登場する怪人である。

【概要】

人間の夢から生まれる怪人であり、その人間──通称「夢主」の欲望やトラウマを参考に、それを叶える悪夢を見せる。
そうして悪夢を見せていく事で、夢主の深層心理に繋がる「心の扉」という数枚の扉が開いていき、全てが開ききる事で夢主を取り込んで現実世界に顕現し、直接被害を及ぼそうとする。
しかも一度でもナイトメアが実体化してしまうと、そのナイトメアを起点に紫の蝶のような形をした「悪夢」が大量に飛び立って人々に感染し、さらなる夢主を生み出してしまう。
なお、この悪夢を見せる過程で発生した被害は現実世界にも反映されており、そのどれもが唐突かつ普通なら原因が分からないものである為、怪事課では「ブラックケース」と呼ばれ、未解決事件として扱われている。
「夢の中に生まれる」という性質上、統一された組織として動いてはいないものの、現時点ではノクスの指揮で活動している個体が多い模様。

「欲望を叶える為に悪夢を見せる」というと、夢主に不可抗力とはいえ落ち度があるように思われるが、実際のところナイトメアにとって悪夢を見せる行為は、現実世界に侵攻する為の手段に過ぎず、
そんな自分達の目的を遂行できるよう、夢主の思いや願望を見当違いな方向に自分勝手に曲解しているに過ぎず、加えて一度ナイトメアが実体化してしまうと、倒されない限り宿主は眠ったまま二度と目を覚まさないなど、夢主達は基本的に完全な被害者である。

ナイトメアが活動する悪夢では、時間を問わず空に大きく抉れた赤い月が昇る。
また例年の怪人のように倒されても爆発せず、眠るように力尽きながら霧散し、紫の蝶に吸い込まれるように消滅する……という演出も特徴的。


【一覧】

  • ガンナイトメア
身長:199.1㎝
体重:88.9kg
特色/ 力:銃器 / 射撃
CV:鶴岡聡

Case1に登場。「」の悪夢を体現するナイトメア。
名前の通り左腕が丸ごと銃になっており、リボルバー拳銃のシリンダーを模した顔面から六つの目を不気味に光らせている。
左腕や両肘からの銃撃を得意とし、奥の手としてチェーンで獲物を捕縛する。
莫の夢の中に出現して執拗に追いかけ回し、彼の心中の不安に付け込む形で「お前は……何もできない。誰も救えない」と精神的に追い詰めに掛かるも、莫がゼッツに変身した事で形勢逆転。ゼッツの初陣相手となる。

夢主は万津莫。
深層心理についての詳しい描写があまりない為、どういう心理から生まれたか不明な部分があるが、ガンナイトメアの発言からして「ひどい不運に何度も見舞われるせいで人助けしたくてもできない」現状に思うところがあったのだろうか。

  • ボムナイトメア
身長:199.5㎝
体重:93.4kg
特色 / 力:爆弾生成 / 爆破
CV:越後屋コースケ
スーツアクター:中田裕士

Case2とCase3に登場。「爆弾」の悪夢を体現するナイトメア。
赤と青の爆弾の導線が複雑に絡み合った屈強な体躯で、頭部は時限爆弾のタイマーそのもの。
手で触れた物体を爆弾に変える能力を持ち、さらに自分自身を爆弾としての自爆攻撃も可能。
たどたどしい口調で喋るなど頭はあまり良くなさそうだが、車を爆弾に変えて敵や目標に突っ込ませるなど、悪知恵は働く部類。
劇中で初めて心の扉に開く事に成功したナイトメアであり、その際の暴れぶりからナイトメアの現実への侵攻を許せばどうなるのかをまざまざと視聴者に見せつけた。

夢主は怪事課の課長・富士見鉄也。
富士見は内心で怪事課の仕事を理解しようとしない警察上層部への苛立ち、そして市民をブラックケースから守れない自分自身への憤りを抱えており、このナイトメアはそれを警察組織ごと吹き飛ばす事で実現しようとしていた。
ガンナイトメアの場合は夢主が莫である都合上、「夢主が自分で心の扉を開く」「夢主自身によってナイトメアが消される」イレギュラーが起こっていた為、「どうすればナイトメア側は作戦的に勝利となるのか」をしっかり説明したのはこの事件が本編中では初となる。

  • クロウナイトメア
身長:195.0㎝
体重:74.6kg
特色 / 力:飛翔 / 羽根の射出
CV:杉山優斗

Case4とCase5に登場。「カラス」の悪夢を体現するナイトメア。
全身が真っ黒な羽毛に覆われており、ペストマスクにも似たのっぺりした顔もあって死神のような印象を与える。
カラスらしく空気抵抗や物理法則を無視した高速飛行が可能で、無数の羽をダーツのように飛ばして攻撃する他、カラスの群れを分身として使役する事もできる。
自分の能力に怯える相手を見て嘲笑い、ゼッツに対しても煽りながら戦う愉快犯気質。

夢主は結婚を控えた花嫁・麻宮みゆき。
結婚式が襲われるというシチュエーションから当初は彼女自身が結婚を望んでいないのではと思われていたが、その心の内に秘めていたのは幼少期のトラウマから来る高所恐怖症。
即ちハネムーンで飛行機に乗る事への不安であり、クロウナイトメアはそれを飛行機に乗ったまま墜落するという悪夢を見せる事で叶えようとしていた。

もしこのナイトメアが現実に現れるような事になれば、どのような惨事が繰り広げられていたかは想像に難くない。

  • プリズンナイトメア
身長:888.8m
体重:10000t
特色 / 力:監禁 / 拷問
CV:なし

Case6とCase7に登場。「監獄」の悪夢を体現するナイトメア。
悪夢の中にそびえる監獄内に潜むナイトメア……ではなく、全長800mを超える超巨大監獄そのものが本体。TV本編におけるライダー怪人どころか、ウルトラ怪獣でもここまでデカい敵はそういない。
無数の牢屋が並ぶ体内は囚人を心身共に痛めつける為のトラップルームとなっており、そのトラップを掻い潜って脱出せんとする者には分身でもある拷問具者「ソウイビル」を差し向ける。
しかし敵を体内に閉じ込める事に特化している為、自身の直接戦闘能力は決して高くない。無論、こんな巨体が現実に出現したら大惨事になるのは目に見えているが……

夢主はねむの事務所の社長・美女木真澄。
児童養護施設からねむを引き取った彼は雇用主として、また父親代わりとしてねむを支え続けている。
しかし過去に起きた交通事故でねむは昏睡状態に陥ってしまい、「夢の中でもいいからもう一度一緒に暮らしたい」という願いが監獄の悪夢を作り出す要因となった。

  • ポイズンナイトメア
身長:196cm
体重:84.4kg
特色 / 力:毒 / 針 / 爪
CV:前川綾香(ノンクレジット)

Case8とCase9に登場。「」の悪夢を体現するナイトメア。
「毒」の原料である植物や細菌からの発想か、複数の毒々しい色をした植物が絡み合ったような肉体をしている。
全身に仕込まれた針や爪から相手に毒を流し込む他、肉体そのものを液状化して食物に見せかけ、食した相手を毒に犯す事もできる。
毒の威力は触れただけでコンクリートが融解するなど極めて有害で、ゼッツの装甲をも貫通してしまう。
また、笑い声や呻き声を発するのみで明確な言葉を離さないが、声からすると女性型である模様。
既に毒に犯された相手を執拗に攻撃したり、戦闘中に無関係なねむを急襲しようとしたりと、性格は陰湿で卑劣。

夢主は高級レストラン「ロワイヤル城金」のオーナーシェフ・山王廉太郎。
山王は病から首脳会議での仕事を最後に引退を考えており、弟子達に自分の作るソースの味を継いでもらいたいと考えていた。
このナイトメアはその想いを「ソースを毒で全て台無しにする」という最悪の形で曲解し、実現させようと目論んだ。

【余談】

名前の由来はそのまま悪夢の英訳で、個体名もシンプルに「〇〇ナイトメア」
生物的だった前作のグラニュートとの差別化する目的もあってか、無機質で不気味なフォルムでまとめられている。




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最終更新:2025年11月18日 14:19