超兵器R1号(ウルトラセブン)

登録日:2012/09/22(土) 21:25:46
更新日:2021/08/18 Wed 19:45:49
所要時間:約 5 分で読めます








それは……血を吐きながら続ける、

悲しいマラソンですよ。





超兵器R1号とは、ウルトラセブン第26話のタイトルである。
脚本:若槻文三 監督:鈴木俊継



◆ストーリー

地球防衛軍が遂に、惑星一つをぶっ飛ばしうる超威力の弾道弾を開発した事から物語は始まる。
メインスタッフのセガワ博士、マエノ博士らが持ってきた超兵器「R1号」の図面を見て隊員達は歓喜。
R1号は新型水爆8000個分(地味にその水爆も凄くないか)の威力を有し、隊員の多くは「この存在があるだけ侵略者はいなくなる」、そう信じていた。
フルハシ「地球を侵略しようとする惑星なんか、ボタンひとつで木っ端微塵だぁ!」
アンヌ「使わなくても、超兵器があるだけで平和が守れるんだわ」

……しかし、一人浮かない顔をした隊員がいた。
我らがセブン、ダン隊員である。

ダン「地球を守る為なら、何をしてもいいのですか?」
そう、フルハシ隊員に問いただした。
しかしフルハシ隊員は「忘れるなダン、地球は狙われているんだ」と言い、実験を止めようと参謀室に向かったダンを制止する。
ダンは叫ぶ。


侵略者は超兵器に対抗して、もっと強烈な破壊兵器を作りますよ!


フルハシは平然と返す。


我々はそれよりも、強力な兵器をまた作ればいいじゃないか!



ダン「それは……血を吐きながら続ける、悲しいマラソンですよ




実験場(という名の見せしめ)として、生物が存在せず地球への影響もないと判断されたギエロン星が選択され、R1号が発射される。
実験は大成功し、ギエロン星は人間の手で宇宙から永久に抹殺された。

喜びもつかの間、ギエロン星の在った場所から巨大な破片と思われる影が現れる。
同時に、宇宙観測艇8号が何者かの攻撃を受けて通信を絶った。

ギエロン星のあった方角から真直ぐ地球に向かう奇妙な物体。
それは惑星を滅ぼされ、超兵器で変異したギエロン星獣だった。
生物が生息できないと判断されたはずのギエロン星には、そこに暮らす生物が存在したのだ!

因みにこの時セガワ博士は「この危機を救うものは、超兵器R2号だけです」と発言した。
またマエノ博士はそれに対し「そんな事をして、さらに巨大化したら!」と反対した。

一度はウルトラ警備隊の放ったミサイルの前に爆殺されたギエロン星獣だったが、驚異的な生命力で再生復活。
更に強化された五体で、故郷の仇とばかりに暴れ狂うギエロン星獣に対し、セブン(ダン)はやむなく応戦した。

アイスラッガーをも弾く頑丈な体と放射能を含んだガスに苦しめられるセブンだったが、
最後はギエロン星獣の片腕をもぎ取りアイスラッガーで喉笛を切り裂く事で息の根を止める。
美しい花畑の上でギエロン星獣は暴れ、のたうち、血液を撒き散らし、一帯を血染めにして死んだ。

放射能を浴びた為、メデイカルセンターで休む事になるダン。
一方、参謀室は重い空気が立ち込めていた。
マエノ「本当は美しい星ギエロンに住む平和な生物だったのかもしれません」
配慮の欠けた兵器実験が凶悪な化け物を生み出してしまった。
更に言えば、地球を守る兵器で地球に住む人間の生活を脅かしてしまった。

そして、タケナカ参謀はキリヤマ隊長と話し出す。
タケナカ「キリヤマ隊長、超兵器R2号が完成したら、地球の平和は絶対に守れると思うかね?」
キリヤマ「侵略者は、より強力な破壊兵器を作るかもしれません」
タケナカ「うむ、我々はさらに強力な破壊兵器を作る」

そしてキリヤマ隊長はダン隊員の言葉を思い出す。

キリヤマ「……そういえば、ダンがしきりにうわごとをいったんです。血を吐きながら続けるマラソン、だと……」
マエノ「人間という生物は、そんなマラソンを続けるほど、愚かな生物なんでしょうか?」


その後、ダンは参謀にR2号の開発中止を進言しようとするが、タケナカ参謀が聞く前に承諾し、マエノ博士も他の委員の説得をすると約束した。
悲劇を再び生まないために……。

だが……。


◆用語

【セガワ博士】
  • 地球防衛国際委員会の人
  • ハッキリ言って今作最大の元凶。ギエロン星獣の驚異に対し、惑星を粉砕できる威力のR2号を東京近郊で使おうとした。
  • 侵略者を倒すためにR1号だけでなくR2号や理論上だけでR3号、R4号と構想している。狂ってる。

【マエノ博士】
  • 宇宙生物学の第一人者
  • セガワの方が責任重大なのに彼以上に責任を感じている。

【惑星攻撃用超兵器「R1号」】
  • 新型水爆8000個の爆発力。
  • 実験用である。
もう一度言うが、実験用である。

【シャール星座第7惑星ギエロン】
  • 温度270度、酸素0.6%。
  • 金星とよく似た、燃えない焦熱地獄。
  • 住めるはずがありません(ジャミラ涙目)。
(調査期間6ヶ月) byマエノ博士
  • R1号で跡形もなく爆散。

【再生怪獣 ギエロン星獣
  • 木っ端微塵にされても再生できる。
  • ガスを吐いて東京を放射能塗れにした。
  • 弱点は首であり、頚動脈を切られて出血死。

【血を吐きながら続けるマラソン】

1.地球を侵略者から守るために超兵器を作る。
2.侵略者は、もっと強烈な破壊兵器を作る。
3.それよりも強力な兵器をまた作る。 →2に戻る。


≪余談≫


ウルトラマンメビウス アンデレスホリゾントではトリヤマ補佐官がかつてギエロン星獣と交戦した経験を語っている。
普段は怪獣の名前をよく間違える彼だが、この戦いでは同期が放射能を浴びて被爆し、今でも後遺症に苦しんでいることから強く覚えていたようだ。
ギエロン星獣だけでなく、上層部に振り回された現場の隊員たちもまた被害者であることも忘れてはならないだろう。

ウルトラマンオーブ』ではR1スパイナーという名前がよく似た新型爆弾が登場した。
(「スパイナー」に関してはキル星人およびグドンの記事を参照)

また31世紀が舞台の『ウルトラマン超闘士激伝』でも強化型のR1キャノンが登場したが、
ゼットンに対して打ち込まれそうになったのを見てウルトラマンが「もっと強化されてしまう」と断固として使用に反対し立ち消えとなった。

SFCウルトラセブンでギエロン星獣を倒した時だけリザルト画面の絵が専用のものになる。
音楽も暗く悲しい曲に変わり、メッセージは他の怪獣のように「○○ 撃破」ではなく「ギエロン星獣 永眠」となっている。

劇中リスが登場するが、台本では本編と微妙に異なっている。
元々はアンヌが基地内に忍び込んで弱っていたのを治していたとされ、物語の前・中・後に登場していた。
『血を吐きながら続ける、悲しいマラソン』の狂言回しがこのリスの役割だった。

また台本ではダンが「やめるんだ、もうやめるんだ、お前も……」と心の中で呟きながらリスを凝視して終わっている。


ちなみにこのリスは山村哲夫氏が飼っていたのを、営業部の末安正博氏に引き取ってもらっていたリスらしい。

GBA版の『ウルトラ警備隊Monster Attack』では、爆破されるのはペダン星に変更になっている。

また、この一件を反省し、超兵器の製造を取り止めた…かと思いきやそんな事は一切なく、
ウルトラマンタロウではヨーロッパの某国がトロン爆弾を製造、ムルロア星を爆破した為ムルロアが復讐の為地球を襲撃、暗黒の闇に包み込む事態になっており、
ウルトラマンレオでは25話でクリーン星にCS137ロケット弾を撃ち込み、爆破した事でサタンビートルが報復の為に飛来、同作39話では未使用に終わったもののコントロールを失い地球に衝突しそうになったウルトラの星を爆破する為にUN105X爆弾が製造され、
ウルトラマン80でも放置しておけば地球滅亡の危機があったとはいえ
はぐれ惑星レッドローズをレッド1で爆破した際にレッドローズはおろか後述する怪獣の故郷であるガウス星を含む他の4つの惑星まで巻き添えを
喰らって粉々に消し飛ぶ事態になっており、挙句に怪獣ガウスが地球を襲撃と悪い意味で歴史を繰り返している。

さて、話は逸れるが、

◎岩石宇宙人 アンノン
◎策略星人 ペダン星人
◎宇宙正義 デラシオン
◎超科学人 ダークバルタン
以上の面々は、それぞれ地球が侵略しに来たと判断して反撃に出たアンノンとペダン星人、地球人は他の星を脅かすと断じて消去しに来たデラシオン、
地球人はやがて自分達を侵略しに来るとして先手を打ちに来たダークバルタンである。
個々で見ると言いがかりに思えなくもないが、今回のギエロンの一件を思うと必ずしもそうではないと言える。
ただし、同時に地球が常に外敵の脅威を受けているからこそ、超兵器が作られている事とそして、作られていった兵器によって、地球を守っている事実も決して忘れてはならない。
そして、彼らの行動によってさらなる危機感を煽りより強力な兵器を…という考えに地球人が行く可能性もあるので危険だからと攻撃してきた彼らもまた血を吐き続けるマラソンを地球人たちに強きながら自分たちもそのマラソンを走っていると言える。
どちらか一方が走っているのではない。どちらも血を吐き続けるマラソンを走り続けているのである…それが血を吐き続けるマラソンなのだ。





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最終更新:2021年08月18日 19:45