ウルトラマンオメガ(作品)

登録日:2025/08/20 Wed 06:54:44
更新日:2025/10/04 Sat 00:14:55
所要時間:約 5 分で読めます






オレの名はオメガ!

「ソラ」から落ちてきた宇宙人(ウルトラマン)


宇宙人(ウルトラマン)×地球人×怪獣(カイジュウ)

響き合え友情の絆!



『ウルトラマンオメガ』とは、2025年7月5日からテレビ東京系にて放送中のウルトラシリーズの特撮ドラマ作品である。
令和ウルトラマンとしては第7作目、ニュージェネレーションヒーローズとしては第13作目にあたる。


【概要】

2025年4月24日に情報解禁された、新たなウルトラマンのテレビ作品。
本作は「今まで怪獣が出現した事がない世界」が舞台となっており、生態が未知数な巨大生物の襲撃に為すすべない人類の前に突如光の巨人が現れ…という切り口から序盤のストーリーが展開される。
ヒーローであるウルトラマンオメガは記憶喪失の謎の宇宙人で、カプセル怪獣の系譜にあたるメテオカイジュウと協力して怪獣に立ち向かうのも見所の一つ。

メイン監督の武居正能氏によれば、テーマは「ウルトラマンの物語」
これは『ウルトラマンコスモス』から助監督としてシリーズに参加して以来ずっと疑問に思っていた「ウルトラマンは何故地球を守るのか?」という問題にメスを入れつつ、主人公・ソラトとウルトラマンオメガが同一の存在であることを意識したという。
また、若者の成長劇の側面があった過去のメイン担当作品との差別化としてこのテーマに踏み切ったとも語っている。

さらに『ウルトラマンR/B』から久しぶりに防衛チームに該当する組織が序盤の段階では存在せず、レギュラーキャストも製作発表会の時点で3名のみの少数精鋭となっているのも特徴。
これは監督曰く予算の都合などではなく、世界各地で起きている紛争といった放送時点での現代の社会状況を踏まえた上で、メインターゲットの子供たちに明るく楽しいヒーロー番組を提供する意図があっての判断とのこと。

商品展開においても、従来のなりきり玩具に加えてソフビ人形とオメガメテオにスターターガイドを付けた『ソフビ&メテオスターターセット』や廉価版の『ミニウルトラなりきりオメガスラッガー 』など、視聴者層の購買意欲を刺激した新しい商法がなされている。*1

スタッフ

メイン監督は『ウルトラマンR/B』『ウルトラマンデッカー』に続いて3度目のメイン登板となる武居正能、
シリーズ構成は『デッカー』でも組んだ根元歳三・足木淳一郎コンビが担当。
武居監督は企画段階で玩具開発にも携わり、オメガスラッガーなどの監修も行っている。

各話監督には、越知靖・市野龍一・鈴木農史・田口清隆・辻本貴則といったニュージェネお馴染みの面々が参加。
特に市野監督は『劇場版 ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』以来5年ぶりのシリーズ復帰となった。
各話脚本は、本田雅也・三好昭央・鶴田幸伸・中野貴雄・兒玉宣勝・吉上亮・安達寛高(乙一)が担当。

音楽はロックバンド『COALTAR OF THE DEEPERS』のメンバーで、『UN-GO』や『BEATLESS』といったアニメ作品の劇伴も手掛けたNARASAKIが担当。
大槻ケンヂらと共にバンドユニット『特撮』のギタリストとしても活動しているが、特撮作品そのものに参加するのは本作が初めてとなる。


【主題歌】

歌:ASH
第1話ではエンディングテーマとして使用。

歌:MindaRyn feat. ASH


【ストーリー】

遥か宇宙のとある惑星にて、宇宙甲獣 ヴァグセクトの大群と戦っていた赤き巨人はその猛攻に耐え切れず地球に墜落してしまう。
それから少し経ち、倉庫で働く青年・ホシミ・コウセイは、昼食の焼きそばを盗み食いする記憶喪失の男に出会う。
そんな最中、街に突如熱線怪獣 グライムが出現!
街の人々は未だかつてない事態を前にパニックに陥る中、謎の男が徐に手を挙げると、赤き巨人・ウルトラマンオメガに変身。
グライムを撃破した謎の男は、断片的にだが自分の名を思い出し、コウセイにこう告げた。


俺の名は…オメガ!

平凡な地球人と謎の多い宇宙人(ウルトラマン)との『共同生活』がここに始まった。


【登場人物】

本作のネームドキャラのクレジットはカタカナ表記だが、書類上の漢字表記は設定されている。
一方、ラジオ番組のMC2名は例外として苗字が漢字、名前がカタカナ表記となっている。

メインキャラ

先述した通り、本作のレギュラーキャストは僅か3名の少数精鋭となっており、記憶喪失など難しい芝居が多いため、いずれも演技経験が豊富な役者が揃えられている。
また、男性レギュラーとヒロインが別々の職場で働いていて事件の時に出くわすという、『ウルトラQ』に立ち戻ったような人間関係なのも特徴。

レギュラーキャスト3名は対比で見てソラトだけ背が高いように見えるが、実際はソラト役近藤氏184cm、コウセイ役吉田氏180cm、アユ姉役工藤氏170cmという全員が高身長の顔ぶれになっている。
普段は大きく見えないコウセイやアユ姉もゲスト出演者と並ぶとその背の高さは際立つ。


演:近藤頌利

本作の主人公。
地球に不時着した赤き巨人・ウルトラマンオメガの人間としての仮の姿。
シリーズのお約束に漏れず、ウルトラマンの姿は地球上で急激にエネルギーを消耗するため、普段は人間の姿で過ごしている。
記憶喪失であり、最初は自分が何者なのかすらも分かっておらず、様々な出来事を経ながら少しずつ記憶を取り戻している。
名前を思い出した当初はそのまま『オメガ』と名乗っていたが、第2話にてコウセイに『オオキダ・ソラト』と咄嗟に命名された事でそう名乗るようになる。
詳細は該当項目を参照。

演:吉田晴登

ひょんなことからソラトと共同生活を送ることになった平凡な地球人の青年。21歳。
高校時代は陸上部に所属しており、実力も相応にあったが、最後の県大会で敗退したことをきっかけにオリンピックへの道を諦めた過去を持つ。
卒業後は様々なアルバイトを転々としたのち、現在はオオヤ・サブロウ(演:木之元亮*2)がオーナーを務める『太陽倉庫商会』の管理人として住み込みで働きながら将来の夢を模索する日々を送っている。

前向きで責任感の強い性格で、困っている人を見過ごせない性分。
第1話では避難所で母親とはぐれた少女に手を差し伸べ、そんな少女に目も暮れずに揉めている大人達に対して『子供が泣いてるのが分からないんすか!?』と正論をかます優しさと度胸を見せつけ、ソラトから「お前、『優しい』なんだな」と評された。
また、料理も得意でカレーライスや焼きそばといった定番メニューなら簡単に作れる。

記憶喪失のソラトを『自分の従兄弟』ということにして倉庫で面倒を見るようになり、彼のマイペース振りに手を焼きつつも少しずつ信頼を築いていく。
第3話からメテオカイジュウを操れるようになり、オメガの相棒として戦いをサポートする。
公式Xでは彼の視点から本編の内容を振り返る『コウセイの秘密の日報』が投稿されている。
詳細は該当項目を参照。

  • イチドウ・アユム【一道 歩】
演:工藤綾乃

『国立自然研究センター』で働く生物学者の女性。27歳。
専門は日本の絶滅危惧種に関する研究だが、怪獣が出現した時のみ、政府の特別対策室からの要請を受けて調査を行うようになる。
第11話からは怪獣出現に際して新設された対策チーム・NDFと共同戦線を張るようになる。

群馬県伊林市に調査に向かっていた所をソラトとコウセイと出会い、そのままドグリドとオメガの戦いを目の当たりにする。
それ以来ソラトとコウセイからは『アユ姉』と呼ばれるようになり*3、怪獣の知識を持っている彼らに興味を持つが、ソラトの正体については(コウセイに止められているのもあって)知らされていない。

一人前の学者になれるよう愚直に地道な努力を続ける頑張り屋さんで、誰に対しても礼儀正しい性格の持ち主。


ラジオ番組「丹下マサルのエブリディがトレンディ」

コウセイが仕事の合間に聴いているラジオ番組。
パーソナリティーのマサッさんこと丹下マサル(CV:真木駿一)とアシスタントの佐那河内レミ(CV:潘めぐみ)の2名が進行役を務める。
早い話が本作のレギュラー声優枠で、次回予告も彼らが同時に、もしくは交互に担当している。
ウルトラマン公式YouTubeチャンネルに投稿された『「オメガダンス」みんなもおどってみよう!』動画では、真木氏がマサッさん役で顔出し出演*4してソラトと共に「オメガダンス」を披露した。


【ウルトラマンオメガ】

本作の主役ウルトラマン。
詳細はソラトの項目を参照。


【メテオカイジュウ】

本作における味方怪獣。
普段は手足を格納したスリープモードと呼ばれる手のひらサイズの待機状態で管理されるが、コウセイが戦闘時に掲げることでカイジュウモードに変形・巨大化する。
意思をリンクさせたコウセイの命令以外は聞かず、活動時間も10分前後が限界となる。ウルトラマンより3倍以上長いのは禁句。
そのため、メテオカイジュウ使用後のコウセイは急激に体力に消耗する。
また、カプセル怪獣ディメンションカード怪獣と異なり、同時に2体の使役は不可能な模様。

詳細はコウセイの項目を参照。

【登場怪獣】


怪獣達の…目覚めの(とき)………


本作の世界における怪獣は有志以来1度も確認された事がなく、出現当初は『巨大生物』と呼称されていた。
その後、第4話にて政府が『怪獣』と呼称すると発表し、以降は従来通りその呼び名で定着している。
怪獣の名前は過去作出典の個体も含めてソラトが『思い出して』判明するケースが多い。

因みに武居監督曰く、本作の世界観では『怪獣』という概念そのものが存在しないわけではなく、創作物としての巨大生物・モンスター文化自体は存在するとのこと。
ブレーザー』『アーク』に続いて新怪獣が多く登場するが、ドグリドやテリジラスのように過去作の着ぐるみからの改造と見られるケースが前2作より多め。(現時点で公式からの発表はなし。)

  • 宇宙甲獣 ヴァグセクト
身長:25m(小型)
体重:20,000t(小型)
スーツアクター:新井宏幸

第1話の冒頭でオメガと戦っていた甲虫型の宇宙怪獣。
半壊した巨大な惑星型要塞に潜んでいる。
小型の個体と大型の個体の2種類が複数体で行動し、両腕の鋭い鎌で獲物を狙う。
現時点でその生態は謎に包まれている。


  • 熱線怪獣 グライム
身長:54m
体重:45,000t
スーツアクター:高橋舜
デザイナー:キセン

四足歩行と二足歩行のどちらでも活動ができる怪獣。
両腕の鋭い爪で土を掘削して地中を進み、肩書の示す通りドリル状の角から硬い岩盤をも溶かす熱線を発射する。

作中世界で初めて存在が確認された怪獣で、第1話では大仁市に出現して町中の人々を混乱に陥れたが、続けて現れたオメガのオメガスラッガーによる一撃で敗れ、爆散することなく死亡。
第11話では栃木県・石船山に別個体が出現。


  • 水棲毒獣 ドグリド
身長:52m
体重:60,000t
スーツアクター:大村将弘
デザイナー:宮川秀男

湿気のある場所や暗い場所を好む巨大な両生類。群馬県・伊林市(架空の地名)に生息している。
怒ると硫酸のような毒液を体内で分泌、背中から『プッシュー!』と噴射して攻撃する。


  • 無重力怪獣 ペグノス
身長:57m
体重:38,000t
スーツアクター:新井宏幸
デザイナー:宮川秀男

オホーツク海上から出現したとされるペンギン型の怪獣。
脚部に冷凍ガスを噴射する器官を持ち、そこから噴射したガスで無重力状態を生み出すことで空中を自在に飛行出来る。


  • 刃爪怪獣 テリジラス
身長:45m
体重:20,000t
スーツアクター:高橋舜

白亜紀に生息していた実在の恐竜・テリジノサウルスが巨大化した怪獣。
長く伸びた鋭い爪で敵を切り裂くだけでなく、光学迷彩のような透明能力も持っている。


身長:2〜100m
体重:100kg〜1万t
操演士:新井宏幸、高橋舜
デザイナー:宮川秀男

金属類を主食とする蛇型の怪獣。
詳細は該当項目を参照。


  • 猛突怪獣 ゲドラゴ
身長:56m
体重:25,000t
スーツアクター:新井宏幸

大仁市ヤガミ岳の地中深くに巣穴を巣食って生息しているモグラ型の怪獣。
光に弱く、メスは太陽の光を浴びただけで直ぐに死んでしまったほど。
しかしオスには光を遮る保護角が頭頂部に生えているため、僅かな時間だが地上で活動出来る。
クチナガダンスモグラ*5という絶滅危惧種のモグラに似た姿と習性を持つが、関連は不明。


  • 爆進細胞怪獣 エルドギメラ
身長:65m
体重:56,000t
スーツアクター:新井宏幸
デザイナー:わたべまさひこ

尻尾の先にある『第2の口』で標的を捕食する怪獣。


【エピソード】

  • 本編
話数 タイトル 登場怪獣・宇宙人 脚本 監督
第1話 宇宙人がやってきた 宇宙甲獣 ヴァグセクト
熱線怪獣 グライム
根元歳三 武居正能
第2話 俺と宇宙人と学者さん 水棲毒獣 ドグリド
第3話 急な寒波に御用心 無重力怪獣 ペグノス 足木淳一郎
第4話 爪痕の謎を追え 刃爪怪獣 テリジラス 越知靖
第5話 ミコとミコト 伝説蛇獣 オオヘビヌシノミコト 本田雅也
第6話 怪獣の探しもの 猛突怪獣 ゲドラゴ 三好昭央
第7話 カゼになる 古代怪獣 ゴモラ 鶴田幸伸 市野龍一
第8話 霧降山の伝説 破壊獣 モンスアーガー 中野貴雄
第9話 カネナリ怪獣パーク 深海怪獣 グビラ 兒玉宣勝
第10話 密着!2人の素顔 溶鉄怪獣 デマーガ 三好昭央
第11話 グライム再び 古代怪獣 リオド
熱線怪獣 グライム
爆進細胞怪獣 エルドギメラ
足木淳一郎 武居正能
第12話 俺のやりたいこと 爆進細胞怪獣 エルドギメラ
水棲毒獣 ドグリド

  • 番外編
話数 タイトル 登場怪獣・宇宙人 構成 演出
SP1 ウルトラマンオメガ
直前スペシャル
電脳生物 パグ
第1 - 4話までの登場怪獣
足木淳一郎 中山剛平
SP2 特別総集編1
アカジナリアキの日常
第1 - 8話までの登場怪獣 武居正能


【余談】


  • 放送開始後の7月18日にはYouTuber『SEIKIN』のチャンネルにてバンダイの全面協力の下本作とのコラボ動画が公開されている。



Wiki籠り達の…追記・修正の(とき)………



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最終更新:2025年10月04日 00:14

*1 実際前者は担当者の狙い通り一瞬で売り切れになった店舗もあったという。

*2 放送直前PVのナレーションも担当。

*3 ただし外見的に同年代のソラトからこう呼ばれることはやや不服な様子。

*4 概要欄によるとこれが声優デビュー後初の顔出し出演との事

*5 架空の生物で劇中ではゲドラゴのスーツの色を加工して表現されている。