自来也豪傑物語(NARUTO疾風伝)

登録日:2014/06/01 Sun 20:42:27
更新日:2019/10/08 Tue 12:36:29
所要時間:約 8 分で読めます




※ネタバレ注意



まっすぐ自分の言葉は曲げない。そしてどんな時も諦めない。

それがお前の忍道ならナルトよ、ワシはお前の師匠だ。
弱音を吐くわけにはいかんのう…

何故なら、弟子の忍道は師匠譲りと相場が決まっとるからのぉ…



「自来也豪傑物語」とは、『NARUTO ‐ナルト‐』2部を原作とするアニメ『NARUTO ‐ナルト‐ 疾風伝』の第133話(通算353話)のエピソード。
原作コミックス42巻のNo.380からNo.383に相当する内容だが、時系列と構成が原作と若干異なる事、アニメオリジナルの魅力も大きい事から、
あくまでアニメ版について記述する。


【放送データ】
脚本:武上純希
脚本協力(忍術創案):彦久保雅博
絵コンテ・演出:熊谷雅晃
作画監督:金塚泰彦
作画監督補:堀越久美子
放送日:2009年10月29日


【あらすじ】

のリーダー・ペインが雨隠れの里に居ることを突き止めた自来也は、単身雨隠れに潜入。
ペインと接触し、輪廻眼からその正体をかつての弟子・長門だと推察する。

二大仙人のフカサクとシマを口寄せして仙人モードを発動させ、二大仙人の幻術も活用して、途中口寄せされた二人を含む三人のペインを倒すが、
新たに現れたペインに不意打ちを喰らい、左腕を失ってしまう。
倒したはずの三人のペインも蘇り、自来也の前に六人もの輪廻眼を持った忍が現れる。
更にその内の一人天道と呼ばれるペインはかつての自来也の教え子である弥彦だった。


【登場人物】

自来也
我らがエロ仙人。伝説の三忍の一人。
大ガマ仙人に『自来也の弟子が忍の世界に大きな変革をもたらすが、自来也の選択によりその者が平和をもたらすか破滅をもたらすかが決まる』
と予言され、大ガマ仙人の夢の通りに本を書きながら弟子探しの旅に出た。

劣勢に立たされ、深まる輪廻眼の謎に困惑するが、何とか一人だけ倒すことに成功したペインを見てある可能性に行き当たり、
それを確かめるためもう一度ペインの元へと向かう。

綱手
伝説の三忍の一人にして五代目火影。
火影として里を離れる訳にはいかず、雨の降る木ノ葉で、単身雨隠れに向かった自来也の事を気に病む。
賭け事に恐ろしく弱いため、雨隠れに向かう自来也に『お前はワシが死ぬ方に賭けろ』と言われる。
「帰ってきたら、そろそろカッコつかなくさせてやるかな…」

ペイン
暁のリーダー。天道、人間道、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道の六人が存在し、
全員が伝説の六道仙人が持っていたとされる輪廻眼を持つ。
「我々はペイン…神だ」

◆フカサク
妙木山の二大仙蝦蟇の一人。
仙人モード発動の為にシマと一緒に自来也に口寄せされて自来也の肩に乗っている。
夫婦共々仙術や幻術で自来也の戦いをサポートする。
途中で自来也に倒すことに成功したペインの死体をシマと一緒に持ち帰る様に言われるが、
『それは母ちゃんだけで十分』と言って自来也と共にペインの元へ向かう。
「終わったら自来也ちゃんと飯を食いに帰る」

◆シマ
妙木山の二大仙蝦蟇の一人でフカサクの妻。
仙人モード発動の為にフカサクと一緒に自来也に口寄せされて自来也の肩に乗っている。
途中で自来也に一人だけ倒すことに成功したペインの死体を持ち帰る様に言われ、自来也と別れる。
「晩飯までには戻りんさい」




【選択の時】

結界に引きずり込んで何とか一人だけペインを倒すことに成功する自来也。
弥彦の顔で長門の輪廻眼を、しかもペイン全員持っている事に益々困惑するが、
倒したペインの額の傷を見て、それがかつて旅の途中で手合せした風魔一族の忍である事に気付く。

今こそが大ガマ仙人に予言された選択の時だと感じた自来也は、ある事を確かめるために再びペインの元へ向かう。


「こいつら全員ワシの一度会ったことのある忍だ…!そうか…分かったぞ、ペインの正体!」
「遅かったな、気付くのが」

ペインの正体を突き止めた自来也だが、ペインの攻撃によって鉄の棒の様なもので串刺しにされてしまう。
自分が分かったことをフカサクに伝えようとするが、喉を潰されて声を出す事が出来ない。

「くそう…これでは…駄目だ…気が遠くなる…。ワシは…死ぬの…か…。失敗…なのか…」
血が溢れ、髪も乱れ、光を失った目は閉じていく―――。


「忍は生き様ではなく死に様の世界。
忍の世界はどうやって生きた来たかではなく、死ぬまでに何をしたかでその価値が決る。
思い返せばワシの人生は、失敗ばかりだった。綱手に振られ続け、を止めることも出来ず、弟子を守ることも出来なかった。
火影達が成した偉業に比べれば、ワシのしてきたことは、とるに足らぬ下らぬことばかり。ワシも歴代火影達のように死にたかった。

物語は最後の結びの出来で決まる。失敗も一興。その試練が己を磨いてくれたと信じ、生きて来た。
その代わり、今までの失敗をチャラにするような大きな偉業を成し遂げ、立派な忍として死ぬ、その筈だった。
だがその結び、死に様がこれか…。

大ガマ仙人はワシを、変革者を導く者と予言した。忍の世界の安定と破壊に関わる大きな選択をする者と。
ここでペインを倒し、暁を止め、忍の世界を救う。結局その選択も失敗してしまった…。

情けないのう…これが自来也豪傑物語の結びだとはのう…。
下らぬ物語だった…」


「いやぁ、そんな事はないです!この物語は素晴らしいです」

自来也の書いた『ド根性忍伝』を褒め称えるミナト

「この本の主人公、最後まで諦めなかった所がカッコ良かった。先生らしいですね、この主人公」
「で、オレ思ったんです。今度生まれてくる子供もこんな主人公みたいな忍になってくれたら良いなって。
だから、この小説の主人公の名前、頂いても良いですか?」

「お、おい、そんなんでいいのか……? ラーメン食いながら適当に決めた名前だぞ?」

クシナ「ナルト…素敵な名前です」
自来也「クシナ…おほほ、ったく、ってことはワシが名付け親かの?ワシなんかで本当にいいのか?」
ミナト「先生だからこそです。本当の忍の才能を持つ立派な忍者で貴方ほどの忍は居ませんからね」



「そうだ、そうだった…ワシはあの子に…」


ナルト「オレってば火影になる!そんでもってどの火影をも超える火影になるんだ!
まっすぐ自分の言葉は曲げねぇ、それがオレの忍道だ!」


自分の弟子であるナルトがどんな時も諦めずに頑張ってきた事を思い出す自来也。

「ナルト…思えばお前はあの小説の主人公通りだ…。
ミナトとクシナの思い、願いをちゃんと受け取っていた…それなのにワシは…」


「先生だからこそです。本当の忍の才能を持つ立派な忍者で貴方ほどの忍は居ませんからね」

自来也の指が、僅かにだが動く。


かつて自分が大蛇丸に向けた言葉が蘇る。
「忍者とは“忍び堪える者”のことなんだよ。一つテメーに教えといてやる、
忍の才能で一番大切なのは持っている術の数なんかじゃねぇ、大切なのは諦めねぇド根性だ!」


「まっすぐ自分の言葉は曲げない、そしてどんな時も諦めない。
それがお前の忍道ならナルトよ、ワシはそのお前の師だ。弱音を吐くわけにはいかんのう…
何故なら弟子の忍道は師匠譲りと相場は決まっとる、なあそうだろうナルトよ、のぉ…!」

動かないはずの自来也の体が動き出す。


自来也の意を察したフカサクは前に出て背を向ける。
最後の力を振り絞って指でフカサクの背中にダイイングメッセージを書き記す。
諦めねぇ…!、それこそがワシの取るべき本当の選択だった…!」

だがペインが自来也が息を吹き返したのに気付き、止めを刺そうと攻撃を放つ。

「ナルト…予言の子は間違いなくお前だ。後は…全て託すぞ…!」
メッセージを受け取ったフカサクは攻撃から逃げることに成功、自来也の体は深い水の底へと沈んでいく。




「自来也豪傑物語、これでちったぁマシな結末になったかの…

最終章…井の中の蛙大海で散るの巻か…ふふふ、程々に天晴れ、天晴れ…



さて……そろそろペンを置くとしよう。





おお……そうだ。続編のタイトルは何が良いかの?







そうだのう…












『うずまきナルト物語』…うむ…それが良い…!












場面が変わり、空は青く晴れ、鳥が囀る中ナルトが森の中を移動するシーンへ。
ナルトの肩を自来也の手が、ポンッと叩く。

何かに気付き左肩に目をやるナルトだが、そこには何もない。
しばしの間木漏れ日の射し込む枝に止まり、周りを見渡すナルト。


雨の上がった木ノ葉では綱手が池で黄昏ていた。
一匹のカエルが水に飛び込んだのに気付く綱手。


そしてラストは一匹のカエルが大海原を漂うシーンで締めくくられた。



【注釈】

  • 原作では自来也対ペイン戦、七班・八班とトビの接触、サスケイタチ戦が同時進行で描かれているが、
    アニメでは自来也対ペイン戦→七班・八班とトビの接触→サスケ対イタチ戦→イタチの真相→サスケ対八尾戦→
    アニメオリジナルストーリー(六尾発動の章)→ナルトが木ノ葉に帰還、という流れになっている。
  • この回の見所は何と言っても原作補完として挿入されたシーンと演出の素晴らしさ。
    ペイン六道と自来也の戦闘、結界での戦闘(片手で印が結べないため螺旋丸で畜生道を倒す等)、
    自来也がナルトの肩を叩くシーンやラスト等が追加されている。
  • 絵コンテ・演出は丁寧で堅実な演出に定評のある熊谷雅晃氏が担当しており、自来也の心情に寄り添って見る事が出来る。
    誠実に作りこまれた画面や大塚芳忠氏の熱演など全編見所の多い回であり、原作派の人も是非見てほしい。
  • また戦闘シーンや自来也が最後の力を振り絞るシーンも気合が入っており、作画的にも見応え十分である。
    自来也が息を吹き返す辺りの作画は山下宏幸氏の担当。
  • 09年9月24日には自来也の半生を纏めたスペシャル(第127・128話(通算347・348話)「ド根性忍伝 ~自来也忍法帖~」)が放送されており、
    こちらも見ておくとより一連のストーリーを楽しめるかもしれない。
  • 余談だがこの回が収録されているDVD・師の予言と復讐の章5巻は、人気を集めている若手アニメーター・田中宏紀氏が作画監督を務めた
    第131話(通算351話)「発動!仙人モード」(世に言う神作画回)も収録されており、微妙にお得感がある。


追記・修正は自分の忍道を貫いてからお願いします。

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